【解決手段】手順情報表示装置1が、複数の作業項目の各々について、作業の順序を示す情報と、作業の指示と、実行または非実行の区別を示す情報とを含む手順情報を記憶する記憶部180と、記憶部180が記憶している、作業の指示を表示する表示部130と、複数の作業項目のうち、実行または非実行の区別を示す情報が実行を示している作業項目について、作業の指示を作業の順序に従って表示部に表示させ、実行または非実行の区別が非実行となっている作業項目について、作業の指示の表示を抑制する表示制御部192と、を備える。
複数の作業項目の各々について、作業の順序を示す情報と、作業の指示と、実行または非実行の区別とを含む手順情報を記憶する記憶部を備える手順情報表示装置が、前記記憶部が記憶している、作業の指示を表示する表示ステップと、
前記手順情報表示装置が、前記複数の作業項目のうち、前記実行または非実行の区別が実行となっている作業項目について、作業の指示を前記作業の順序に従って前記表示ステップにて表示し、前記実行または非実行の区別が非実行となっている作業項目について、作業の指示の表示を抑制する表示制御ステップと、
を有する手順情報表示方法。
【背景技術】
【0002】
製造工場での組立・検査作業などの作業は、組立手順書や検査手順書などの手順書を使用して行うのが一般的である。また、手順書には項目名、作業内容、注意点等が記載され、手順書に記載された順番で作業を実施していくのが一般的である。
ところで、手順書に従って作業を進めていく際に、作業を実施する人(以下、作業員と称する)が手順書の内容を暗記していない場合、作業員が作業を実施する場所に手順書を配置し、手順書を参照しながら作業を進めることになる。この場合、実施する作業の内容を手順書から読み取る必要があり、作業効率が低下する。
【0003】
また、作業員が手順書の内容を暗記している場合でも、作業内容と手順とについて、作業員の記憶に頼ることになる。仮に、作業員が手順書の内容を一部忘れた場合、手順書で想定されている作業が出来ないことになる。
また、作業で組立・検査を行う製品(以下、単に製品と称する)に対して、製品の特性測定や製品に関する情報の授受を行うソフトウェア(以下、制御ソフトと称する)を使用する場合がある。この場合、作業員の操作誤りにより起動する制御ソフトを間違えた場合、制御ソフトの再起動が必要となり作業効率が低下する。
【0004】
また、作業手順の表示に関連して、特許文献1に記載の作業状況表示装置は、ユーザにより指定された一連の作業に対応する操作データを操作データ記憶部から取得する操作データ取得部と、操作データ取得部により取得された操作データに対応する条件データを条件データ記憶部から取得する条件データ取得部と、条件データ取得部により取得された条件データに基づいて、操作データ取得部により取得された操作データに対応する操作内容および操作結果にエラーがあるか否かを判定する判定部と、作業項目ごとの作業状況を含む作業情報を一連の作業の順番に表示する一覧画面を生成して表示する画面生成表示部と、を備え、画面生成表示部は、判定部によって操作内容および操作結果にエラーがあると判定された場合に、エラー内容およびエラー箇所を含むエラー表示を一覧画面に付加する。
特許文献1では、これにより、現在の作業状況や作業手順を簡易に確認できる、とされている。
【0005】
また、特許文献2に記載の生産ナビゲーションシステムは、ネットワークを介して複数のナビゲーション端末と接続され、複数種の部品を配置する領域を区画して複数のサブ領域を持つ部品配置部と、部品を取るべきサブ領域を指示する際に、それぞれのサブ領域について複数種の表示態様によるいずれかの表示を、指示に応じて行う表示器群と、表示器群のいずれかに対して、前記指令を行った指示指令手段からの指示されたサブ領域についての表示器に、当該指示指令手段を有するナビゲーション端末に対応させた表示態様による表示を行わせる選択制御を行うアクセス位置指示装置と、を有する。
特許文献2ではこれにより、作業位置間において作業分担を変更しても、必要な部品を混乱なく取ることができるように作業支援できる、とされている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における手順情報表示装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、手順情報表示装置1は、パソコン100と、フットスイッチ200とを備える。パソコン(Personal Computer;PC)100は、信号取得部110と、操作入力部120と、表示部130と、記憶部180と、制御部190とを備える。制御部190は、アプリケーション実行部191と、表示制御部192とを備える。
【0015】
手順情報表示装置1は、作業の手順を示す装置である。以下では、手順情報表示装置1が対象とする作業が、製品の製造における組立作業及び検査作業である場合を例に説明するが、手順情報表示装置1が対象とする作業は、これに限らない。人が行ういろいろな作業を、手順情報表示装置1の対象とすることができる。
フットスイッチ200は、ユーザ(作業員)が足で操作することにより、パソコン100に対する入力を行う装置である。
【0016】
パソコン100は、手順情報表示装置1の本体として機能し、作業の手順を表示する。なお、パソコン100の構成は、パソコンを用いた構成に限らない。例えば、パソコン100が、作業手順表示専用に設計された装置を用いて構成されていてもよい。
信号取得部110は、フットスイッチ200とのインターフェースとして機能し、フットスイッチ200からの信号を取得する。
操作入力部120は、例えばキーボード及びマウスなどの入力デバイスを有し、ユーザ操作を受け付ける。従って、作業員は、手順情報表示装置1における入力デバイスとして、操作入力部120の入力デバイスと、フットスイッチ200とを用いることができる。
【0017】
表示部130は、例えば液晶パネル等の表示画面を有し、各種画像を表示する。特に、表示部130は作業の手順を表示する。具体的には、表示部130は、記憶部180が手順情報として記憶している、作業の指示を表示する。
記憶部180は、パソコン100が有する記憶デバイスを用いて構成され、各種情報を記憶する。特に、記憶部180は、手順情報を記憶する。ここでいう手順情報は、作業の手順を示すデータである。記憶部180が記憶する手順情報は、複数の作業項目を含んでおり、各作業項目について、作業の順序を示す情報と、作業の指示と、実行または非実行の区別を示す情報とを含んでいる。
【0018】
ここで、
図2及び
図3を参照して、記憶部180が記憶する手順情報について、一般的な手順書との比較にて説明する。
図2は、一般的な手順書に記載されている項目の例を示す説明図である。同図において、手順書に複数の項目の記載が含まれており、1つの行が1つの項目に対応している。また、各項目について、項目の実施順番を示す項目番号と、実施する作業の概要名を示す項目名と、実施する作業手順の詳細を示す作業手順と、実施する作業の注意点を示す注意点とが記載されている。同図の例では、項目番号1からnの順に実施されることが想定されている。
【0019】
図3は、記憶部180が記憶する手順情報の例を示す説明図である。同図において、手順情報は表形式のデータ構造にて複数の項目の記載を含んでおり、1つの行が1つの項目に対応している。また、各項目について、
図2を参照して説明した項目番号、項目名、作業手順、注意点の各欄に加えて、動作、表示領域、実効/非実行の各欄が含まれ得る。
動作の欄には、パソコン100が実行する処理内容の定義の記載が格納される。
【0020】
表示領域の欄には、パソコン100が実行する内容表示等の表示領域の設定が格納される。
実行/非実行の欄には、パソコン100が手順書内容を実行するか否かの設定が格納される。具体的には、実効/非実行の欄には、実効または非実行のいずれかを示す情報が格納される。
記憶部180が手順情報を記憶するデータ形式は、いろいろな形式とすることができる。例えば、記憶部180が、CSV形式の電子データファイルにて手順情報を記憶するようにしてもよい。
【0021】
図4は、パソコン100が実行する処理内容の定義の例を示す説明図である。同図の例では、*起動、*終了、手順表示、画像*表示の4つの定義が示されている。なお、*は任意の文字列を示す。
*起動の「*」は、ソフトウェアの識別情報(例えば、ソフトウェアの名称)を示す。*起動では、パソコン100は、指定されたソフトウェアを起動する。
【0022】
*終了の「*」も、ソフトウェアの識別情報を示す。*起動では、パソコン100は、指定されたソフトウェアを終了する。
手順表示では、パソコン100は、作業手順欄に示される作業手順の詳細情報と、注意点欄に示される注意点とを表示部130に表示する。
画像*表示の「*」は、画像の識別情報(例えば、画像のファイル名)を示す。画像*表示では、パソコン100は、指定された画像を表示する。
【0023】
これら動作の要素は、例えば、手順情報を表示するためのアプリケーションプログラムの内部で定義する。そして、当該のアプリケーションプログラムを実行するパソコン100は、動作欄に記載された動作の名称(動作要素名)に従って、項目毎に動作を実行する。
なお、以下では、手順情報を表示するためのアプリケーションプログラムを、手順書ソフトと称する。
【0024】
制御部190は、パソコン100の各部を制御して各種機能を実行する。制御部190は、パソコン100が備えるCPU(Central Processing Unit)が記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
アプリケーション実行部191は、各種アプリケーションプログラムを実行する。特に、アプリケーション実行部191は、手順書ソフトを実行する。アプリケーション実行部191は、手順書ソフトの実行により、例えば
図3に示す手順情報を記憶部180から読み込み、項目番号1〜nの順に処理を実行する。
【0025】
表示制御部192は、表示部130を制御して各種画像を表示させる。特に、表示制御部192は、アプリケーション実行部191の指示に従って、手順情報に示される情報を表示部130に表示させる。具体的には、表示制御部192は、手順情報に含まれる複数の作業項目のうち、実行または非実行の区別を示す情報(実行/非実行欄の情報)が実行を示している作業項目について、作業の指示(作業手順欄の情報)を作業の順序に従って表示部に表示させる。また、表示制御部192は、実行または非実行の区別が非実行となっている作業項目について、作業の指示の表示を抑制する(すなわち、表示させない)。
【0026】
図5は、表示部130による表示画面の例を示す説明図である。
同図において、表示部130は、実施する作業の全項目名を項目名表示領域(領域A11)に表示している。また、項目名表示領域において表示部130は、実施済み項目と、実施中項目と、未実施項目とを色分けして表示するなど、作業の進捗を作業員がすぐに把握できる様に表示している。
【0027】
また、表示部130は、実施する作業の注意点と作業手順とを、作業詳細表示領域(領域A12)に表示している。また、表示部130は、作業詳細表示領域に、作業係属ボタン(ボタンB11)と、作業中断ボタン(ボタンB12)とを表示している。
作業係属ボタンは、該当項目の作業終了時に作業員がマウスクリック等の押下操作を行うと、パソコン100が、以降の作業に関する処理に進むボタンである。作業中断ボタンは、不良発生時等に作業員がマウス等で押下操作を行うと、パソコン100が、以降の作業に関する処理を中断するボタンである。
なお、フットスイッチ200にも作業係属ボタンと作業中断ボタンが設けられており、作業員は、足を使ってフットスイッチ200にてボタン押下操作を行うことができる。足で操作可能なので作業員は、手がふさがっている状態でも操作を行うことができる。
【0028】
また、表示部130は、作業を実施する上での不具合の画像、または、作業方法を示す画像などの画像を表示する場合、画像表示領域(領域A13)に表示する。
また、表示部130は、手順書ソフトが読み出すソフトウェアの名称、及び、当該ソフトウェアからの出力など、他のソフトウェアに関する情報を表示する場合、ソフトウェア情報表示領域(領域A14)に表示する。
なお領域A11〜A14の表示位置は、
図5に示すものに限らない。例えば、
図3の例では、手順書ソフトにおいて、表示部130が情報を表示する領域を表示領域欄に設定可能である。
【0029】
図6は、手順情報表示装置1が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。
同図の処理において、アプリケーション実行部191は、手順書ソフトを起動し、記憶部180から手順情報を読み込む(ステップS101)。
【0030】
次に、アプリケーション実行部191は、作業進捗情報を記憶部180より読み込む(ステップS102)。この作業進捗情報は、対象となっている手順情報における一連の作業のうち、どこまでが実行されているかを示す情報である。特に、作業員が作業中断ボタンを押下した場合、記憶部180は、作業中断ボタン押下時における作業の進捗状況を、作業進捗情報として記憶しておく。
対象となっている手順情報における作業が新規に行われる場合、作業進捗情報は存在しない。この場合、アプリケーション実行部191は、手順情報における一連の作業を最初から実行するよう設定する。
【0031】
ステップS102の後、アプリケーション実行部191は、ステップS102で読み込んだ作業進捗情報に従い、手順書に記載された全項目名を、表示制御部192を介して表示部130に表示させる(ステップS103)。その際、
図5の領域A11の例のように、表示部130は、実施済み、実施中、未実施の項目を色分けして表示する。
【0032】
次に、アプリケーション実行部191は、未実施の項目について手順情報の「実行/非実行」の要素(実行/非実行欄に格納されている情報)が「実行」であるか否かを判定する(ステップS104)。
「実行」であると判定した場合(ステップS104:YES)、アプリケーション実行部191は、全項目名の表示において、該当項目の表示色の設定を実施中の色に変更する(ステップS105)。当該変更に従って、表示部130が、表示色を変更する。
そして、アプリケーション実行部191は、動作欄に指定されている動作要素に従った処理を実行する(ステップS106)。
【0033】
ステップS106の後、アプリケーション実行部191は、作業実施項目の進捗状況を作業進捗情報として記憶部180に記憶させる(ステップS107)。
また、アプリケーション実行部191は、表示部130の表示における該当項目の表示色の設定を実施済みの色に変更する(ステップS108)。当該変更に従って、表示部130が、表示色を変更する。
【0034】
ステップS108の後、アプリケーション実行部191は、手順情報に記載されている最終項目まで完了した、または、作業中断されたか否かを判定する(ステップS109)。
手順情報に記載されている最終項目まで完了した、または、作業中断されたと判定した場合(ステップS109:YES)、結果を保存する(ステップS110)。
ステップS110の後、
図5の処理を終了する。
【0035】
一方、ステップS109において、手順情報に記載されている最終項目まで完了しておらず、且つ、作業中断されていないと判定した場合(ステップS109:NO)、次項目に移行する(ステップS111)。ステップS111の後、ステップS104に戻る。この場合、残りの項目についてステップS104〜S111のループの処理を再度実行する。
一方、ステップS104において、「実行/非実行」の要素が「実行」ではないと判定した場合(ステップS104:NO)、ステップS111へ遷移する。
【0036】
図7は、動作要素の処理手順の例を示すフローチャートである。アプリケーション実行部191は、
図6のステップS106において、
図7の処理を実行する。
図7の処理において、アプリケーション実行部191は、手順情報の実施項目の「動作」要素が「手順表示」か否かを判定する(ステップS201)。
【0037】
「動作」要素が「手順表示」であると判定した場合(ステップS201:YES)、アプリケーション実行部191は、表示制御部192を介して表示部130に、作業詳細表示領域の表示を行わせる(ステップS202)。表示部130は、アプリケーション実行部191からの指示に従って、
図4の領域A12のように、作業手順の詳細情報および注意点を作業詳細表示領域に表示する。
【0038】
作業員は、該当の作業について、作業詳細表示領域を参照して実施する。実施完了後作業員はフットスイッチ200または表示画面から、「継続」または「終了」のボタン押下操作を行う。
アプリケーション実行部191は、作業員による「継続」または「終了」の情報を受け取ったか否かを判定する(ステップS203)。
【0039】
当該情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS203:NO)、ステップS203へ戻る。すなわち、アプリケーション実行部191は、作業員による「継続」または「終了」の情報の入力を待ち受ける。
一方、作業員による「継続」または「終了」の情報を受け取ったと判定した場合(ステップS203:YES)、アプリケーション実行部191は、作業詳細表示領域の表示の消去を、表示制御部192を介して表示部130に指示する(ステップS204)。表示部130は、アプリケーション実行部191からの指示に従って、作業詳細表示領域の表示を消去する。
ステップS204の後、
図7の処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS201において、「動作」要素が「手順表示」以外であると判定した場合(ステップS201:NO)、アプリケーション実行部191は、指定された動作を実行する(ステップS205)。
ステップS205の後、
図7の処理を終了する。
【0041】
図8は、手順情報における表示領域の指定の例を示す説明図である。
同図の例では、表示部130の表示画面に領域A〜Dが設定されている。手順情報の生成者が、手順情報の表示領域欄にて「領域A」、「領域B」、「領域C」、「領域D」のいずれかを設定すると、表示部130は、指定された領域に文字または画像等を表示する。
例えば、
図5の例と同様、領域Aに項目名を表示させ、領域Bに作業手順を表示させ、領域Cに不具合画像や作業方法の画像などの画像を表示させ、領域Dに、ソフトウェアの情報を表示させるようにしてもよい。あるいは、
図5の例とは異なる領域に各種情報を表示させるようにしてもよい。
【0042】
以上のように、表示制御部192は、複数の作業項目のうち、実行または非実行の区別が実行となっている作業項目について、作業の指示を作業の順序に従って表示部130に表示させる。また、表示制御部192は、実行または非実行の区別が非実行となっている作業項目について、作業の指示の表示を抑制する。
これにより、手順情報作成者は、作業の運用が変更になった場合、実行または非実行の区別を非実行に設定するという簡単な操作で、非実行に設定した項目が表示されない手順情報を作成することができる。また、作業の運用が再度変更になった場合、手順情報作成者は、実効または非実行の区別を実行に設定するという簡単な操作で、一旦除外した項目を復活させることができる。
この点において、作業の運用が変更になった際の、手順情報作成者の負担を軽減することができる。
【0043】
また、表示部130は、フットスイッチ200でのユーザ操作に従って、作業の指示の表示を切り替える。
これにより、作業員は、手がふさがっている状態でも足での操作にて作業の指示の表示を切り替えさせることができる。
【0044】
また、手順情報表示装置1は、作業の進捗情報を画面に順次表示するので、作業員は、自らが実行している作業が手順書での何番目の位置にあるか容易に判断できる。
また、作業員が作業を中断した場合、手順情報表示装置1が作業の進捗状況を記憶しておくので、作業員は、作業再開時に未実施の作業を把握できる。特に、手順情報表示装置1が、不揮発性の記憶媒体に作業の進捗情報記憶しておき、作業再開時に読み出すことで、手順情報表示装置1を再起動しても、進捗情報が失われない。
【0045】
また、手順情報表示装置1が、作業手順と注意点を順次画面に表示することにより、作業員は実施する作業の作業手順及び注意点を予め記憶しなくても、当該作業の手順及び注意点を把握することができる。これにより、作業員の記憶相違により、想定された作業が実施できなくなるという、一般的な手順書における問題を解決できる。
また、手順情報表示装置1は、製品の不具合の複数事例画像を作業実施時に表示できるので作業員の記憶相違により、不具合を有する製品を検出できないという事態を防止できる。
【0046】
また、手順情報表示装置1は、想定作業の実行画像を作業実行中に表示することができるので、作業員の記憶相違により、作業員が想定作業を逸脱することを防止できる。
また、手順情報表示装置1は、ソフトウェアの起動、終了等の機能も有しているので、作業員が適切なソフトウェアの起動等を実施せず作業効率を低下させることを防止できる。
また、手順情報表示装置1は、手順情報の1行毎に指定動作を実行するので、作業順序の変更、作業の追加など、作業内容を変更する場合、行の入れ替えや行の挿入によって簡単に変更を行える。更に「実行/非実行」要素の設定により、動作を実行するか実行しないかの変更を、簡単に行うことができる。
【0047】
なお、手順情報表示装置1を教育用に用いるようにしてもよい。
例えば、製品の外観にある傷等の欠陥を検査する定性的な検査を実施する場合、外観の欠陥の良否判定基準について作業員に対して教育を実施する必要がある。作業員に対して当該教育を実施する場合、文書にて外観の欠陥を表現した書類を用いて教育を実施するよりも、手順情報表示装置1を用いて、画像と内容を順次表示させて教育を実施するほうが、効率的に教育を実施できる。
【0048】
また、手順情報表示装置1を、複数の作業設備の同時操作に用いるようにしてもよい。
ここで、手順情報表示装置1は、作業の実施状況を手順情報に従い表示し、且つ、個々の項目の手順及び注意点を表示する。実施する作業が随時パソコンの画面に表示されるので、作業員の記憶に頼った作業は不要となる。その為、作業員が、複数の設備を1人で操作して作業を行うことが可能となる。この場合でも、作業員は複数の設備の操作方法を予め記憶しておく必要がない。
【0049】
次に、
図9を参照して本発明の最小構成について説明する。
図9は、本発明に係る手順情報表示装置の最小構成を示す概略ブロック図である。同図において、手順情報表示装置10は、記憶部11と、表示部12と、表示制御部13とを備える。
かかる構成において、記憶部11は、複数の作業項目の各々について、作業の順序を示す情報と、作業の指示と、実行または非実行の区別を示す情報とを含む手順情報を記憶する。また、表示部12は、記憶部11が記憶している、作業の指示を表示する。そして、表示制御部13は、複数の作業項目のうち、実行または非実行の区別を示す情報が実行を示している作業項目について、作業の指示を作業の順序に従って表示部12に表示させる。一方、実行または非実行の区別が非実行となっている作業項目について、表示制御部13は、作業の指示の表示を抑制する。
【0050】
手順情報表示装置10によれば、手順情報作成者は、作業の運用が変更になった場合、実行または非実行の区別を非実行に設定するという簡単な操作で、非実行に設定した項目が表示されない手順情報を作成することができる。また、作業の運用が再度変更になった場合、手順情報作成者は、実効または非実行の区別を実行に設定するという簡単な操作で、一旦除外した項目を復活させることができる。
この点において、作業の運用が変更になった際の、手順情報作成者の負担を軽減することができる。
【0051】
なお、手順情報表示装置10またはパソコン100の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0052】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。