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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-162454(P2016-162454A)
(43)【公開日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160808BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   G06F3/041 490
   G06F3/041 495
   G06F3/041 660
   G06F3/044 124
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-31072(P2016-31072)
(22)【出願日】2016年2月22日
(31)【優先権主張番号】201510089693.0
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】シュー イージョン
(72)【発明者】
【氏名】シュー グオシュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チュンヨン
(57)【要約】
【課題】タッチパネルにおいて紫外線照射から生じる問題を回避すること。
【解決手段】本発明はタッチパネルを開示し、基板、基板に設置された検出電極層、及び該検出電極層の一方の側に設置され、該検出電極層と光学マッチングを形成し、波長300ナノメートル〜400ナノメートルの間で高吸収率を有する第1の吸収材料を含む第1の光学補償フィルムを備える。本発明のタッチパネルは、光学補償フィルムの吸収光帯域を設置することにより、紫外線照射から生じる問題を回避することができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、
前記基板に設置された検出電極層、及び
前記検出電極層の一方の側に設置され、
前記検出電極層と光学マッチングを形成し、
波長300ナノメートル〜400ナノメートルの間で高吸収率を有する第1の吸収材料を含む、
第1の光学補償フィルム、
を備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記第1の光学補償フィルムは、少なくとも1つの第1の屈折率層及び数が同じ少なくとも1つの第2の屈折率層を含み、そのうち、
前記第2の屈折率層が前記第1の吸収材料を含み、且つ
前記第1の屈折率層の屈折率が前記第2の屈折率層の屈折率より低い、
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の屈折率層及び前記少なくとも1つの第2の屈折率層は、前記検出電極層から離れる方向で、まず低屈折率、次に高屈折率で、前記検出電極層の一方の側に交互に積層される、
ことを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記第1の屈折率層の材料は、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム又はその組み合わせである、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記第1の屈折率層の屈折率は1.3〜1.55であり、
前記第2の屈折率層の屈折率は1.6〜2.5である、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記第1の屈折率層の厚さは10ナノメートル〜50ナノメートルであり、
前記第2の屈折率層の厚さは5ナノメートル〜20ナノメートルである、
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記第1の吸収材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又はその組み合わせである、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記第1の光学補償フィルムは検出電極層と基板との間に設置され、ここで、
前記第1の光学補償フィルムは前記検出電極層に直接接触する、又は
前記タッチパネルは前記第1の光学補償フィルムと前記検出電極層との間に設置される平坦層を更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記基板は強化カバーを兼ねており、
前記基板と前記検出電極層との間に設置され、前記タッチパネルの可視領域と非可視領域を定義することに用いられる遮蔽ユニットを更に備え、
前記第1の光学補償フィルムは前記基板と前記遮蔽ユニットとの間に位置する、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記第1の光学補償フィルムは検出電極層と基板との間に設置され、
前記検出電極層の、前記基板に対して他方の側に貼り合わせられるカバーを更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記第1の光学補償フィルムは検出電極層の、基板に対して他方の側に設置され、
前記第1の光学補償フィルムの、前記検出電極層と対向する側に設置されるパッシベーション層を更に備える、又は備えない、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記検出電極層の、第1の光学補償フィルムに対して他方の側に設置される第2の光学補償フィルムを更に備え、
前記第2の光学補償フィルム及び前記第1の光学補償フィルムは互いに光学的に組み合わさることで、前記検出電極層に対して光学マッチングを形成し、
前記第2の光学補償フィルムは、波長300ナノメートル〜400ナノメートルの間で高吸収率を有する第2の吸収材料を含み、
前記第2の光学補償フィルムは、少なくとも1つの第3の屈折率層及び数が同じ少なくとも1つの第4の屈折率層を備え、そのうち、
前記第4の屈折率層が前記第2の吸収材料を含み、且つ
前記第3の屈折率層の屈折率が前記第4の屈折率層の屈折率より低く、
前記少なくとも1つの第3の屈折率層及び前記少なくとも1つの第4の屈折率層は、前記検出電極層から離れる方向で、まず低屈折率、次に高屈折率で、前記検出電極層の一方の側に交互に積層され、
前記第2の吸収材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又はその組み合わせである、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネルに関し、特に光学補償フィルムを有するタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のスマート製品の発展に伴い、タッチパネル付きディスプレイが徐々に主流となっている。使用者がスマート製品で情報を検出してタッチ感知を行う時に、優れた視覚体験を有するために、タッチパネルはタッチ感知機能を有するだけでなく、均一な光学特性を持つ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のタッチパネルでは、単層検出電極構造が開発されている。このような単層検出電極構造のタッチパネルは軽くて薄いが、検出電極層がエッチングパターンであり、エッチング領域と非エッチング領域で光に対する反応が異なるため、タッチパネルの外観から見て、色差の光学的問題が発生してしまう。一部の単層検出電極式タッチパネルでは光学補償フィルムを設置してこのような色差光学問題を解決しているが、従来の光学補償フィルムは紫外線照射の影響を受けて光学補償フィルムに他の問題、例えば導電を発生させやすい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は耐紫外線性を有し色差の光学問題を解決できるタッチパネルを提供しており、光学補償フィルムの吸収光帯域を設置することにより、紫外線照射から生じる問題を回避することができる。
【0005】
本発明の一実施形態は耐紫外線性を有し色差の光学問題を解決できるタッチパネルを提供しており、光学補償フィルムの吸収光帯域を設置することにより、紫外線照射から生じる問題を回避することができる。
【0006】
本発明の一実施例に係るタッチパネルは、基板、基板に設置された検出電極層、及び該検出電極層の一方の側に設置され、該検出電極層と光学マッチングを形成し、波長300ナノメートル〜400ナノメートルの間で高吸収率を有する第1の吸収材料を含む第1の光学補償フィルムを備える。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の光学補償フィルムは、少なくとも1つの第1の屈折率層及び数が同じ少なくとも1つの第2の屈折率層を含み、そのうち、該第2の屈折率層が該第1の吸収材料を含み、且つ該第1の屈折率層の屈折率が該第2の屈折率層の屈折率より低い。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該少なくとも1つの第1の屈折率層及び該少なくとも1つの第2の屈折率層は、該検出電極層から離れる方向で、まず低屈折率、次に高屈折率で、該検出電極層の一方の側に交互に積層される。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の吸収材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又はその組み合わせである。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の屈折率層の材料は、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム又はその組み合わせである。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の屈折率層の屈折率は1.3〜1.55であり、該第2の屈折率層の屈折率は1.6〜2.5である。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の屈折率層の厚さは10ナノメートル〜50ナノメートルであり、該第2の屈折率層の厚さは5ナノメートル〜20ナノメートルである。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の光学補償フィルムは検出電極層と基板との間に設置される。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の光学補償フィルムは検出電極層の基板に対して他方の側に設置される。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、タッチパネルは、該第1の光学補償フィルムの該検出電極層と対向する側に設置されるパッシベーション層を更に備える。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の光学補償フィルムは、該検出電極層に直接接触する。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、タッチパネルは、該第1の光学補償フィルムと該検出電極層との間に設置される平坦層を更に備える。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、タッチパネルは、該検出電極層の第1の光学補償フィルムに対して他方の側に設置される第2の光学補償フィルムを更に備え、該第2の光学補償フィルム及び該第1の光学補償フィルムは組み合わさり、且つ該検出電極層と光学マッチングを形成し、該第2の光学補償フィルムは、波長300ナノメートル〜400ナノメートルの間で高吸収率を有する第2の吸収材料を含む。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第2の光学補償フィルムは、少なくとも1つの第3の屈折率層及び数が同じ少なくとも1つの第4の屈折率層を備え、そのうち、該第4の屈折率層が該第1の吸収材料を含み、且つ該第3の屈折率層の屈折率が該第4の屈折率層の屈折率より低い。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該少なくとも1つの第3の屈折率層及び該少なくとも1つの第4の屈折率層は、該検出電極層から離れる方向で、まず低屈折率、次に高屈折率で、該検出電極層の一方の側に交互に積層される。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、第2の吸収材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又はその組み合わせである。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、タッチパネルは、該検出電極層の該基板と対向する側に貼り合わせられるカバーを更に備える。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、基板は硬質カバーである。
【0024】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、タッチパネルは、該基板と該検出電極層との間の周辺に設置され、該タッチパネルの可視領域と非可視領域を定義することに用いられる遮蔽ユニットを更に備える。
【0025】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、該第1の光学補償フィルムは該基板と該検出電極層との間に設置されると、該第1の光学補償フィルムは該カバーと該遮蔽ユニットとの間に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本発明の一実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
図1B】本発明の他の実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
図2A図1Aに示すタッチパネルの一部の検出電極層の局所上面図である。
図2B図2Aに示すタッチパネルのI−Iに沿う断面の検出電極層の局所断面図である。
図3】本発明の別の実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
図4】本発明のさらなる実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るタッチパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の複数の実施形態を説明し、説明を明らかにするために、数多くの実務上の細部については、以下の記述において一括して説明する。しかしながら、これらの実務上の細部は、本発明を限定するためのものではないことが理解されるべきである。即ち、本発明の一部の実施形態において、これらの実務上の細部は、必要ではない。また、図面を簡素化するために、いくつかの公知の構造とユニットについては、簡単かつ模式的に図示する。
【0028】
本発明の図に示す複数のユニットは本発明の複数の実施形態を模式的に説明するためのものに過ぎず、その相対的な幅又は相対的な厚さ等で本発明の範囲を制限すべきではない。
【0029】
図1Aを参照すると、図1Aは本発明の一実施形態に係るタッチパネル100の断面図である。本発明の一実施例に係るタッチパネル100は、基板102、検出電極層110及び第1の光学補償フィルム120を備える。検出電極層110は基板102に設置され、第1の光学補償フィルム120は検出電極層110の一方の側に設置され、本実施形態では、第1の光学補償フィルム120は検出電極層110と基板102との間に設置される。検出電極層110と光学マッチングを形成する。第1の光学補償層120は波長300ナノメートル〜400ナノメートルの間で高吸収率を有する第1の吸収材料を含む。
【0030】
詳しく言うと、第1の光学補償フィルム120は、少なくとも1つの第1の屈折率層122及び数が同じ少なくとも1つの第2の屈折率層124を備え、そのうち、第2の屈折率層124は該第1の吸収材料を含み、且つ第1の屈折率層122の屈折率が第2の屈折率層124の屈折率より低い。第1の屈折率層122及び第2の屈折率層124は、検出電極層110から離れる方向で、まず低屈折率、次に高屈折率で、検出電極層110の一方の側に交互に積層される。
【0031】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、基板102は硬質基板又はフレキシブル基板であってもよく、検出電極層110を支持することに用いられる。基板102は透明材料、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン又は環状オレフィン共重合体等から形成されてもよい。
【0032】
本実施形態では、配置される第1の屈折率層122と第2の屈折率層124の数はそれぞれ2個であるが、本発明の他の実施形態では、第1の屈折率層122の数は1層、3層またはそれ以上であってもよく、第2の屈折率層124の数は第1の屈折率層122の数と同じである。
【0033】
本実施形態では、第1の光学補償フィルム120は、検出電極層110の上に直接設置され、すなわち、そのうちの1つの第1の屈折率層122は検出電極層110に直接接触する。本発明の他の実施形態では、第1の光学補償フィルム120は検出電極層110の上に間接的に設置されてもよく、例えば、タッチパネル100は、第1の光学補償フィルム120と検出電極層110との間に設置され、検出電極層110の表面を平坦にする、又は検出電極層110を保護するという役割を果たす平坦層(図示せず)を更に備える。
【0034】
図1Bは本発明の他の実施形態に係るタッチパネル100の断面図である。本実施形態は図1Aの実施形態とほぼ同じであり、その差は、図1Aの第1の光学補償フィルム120が検出電極層110と基板102との間に設置されるが、図1Bの第1の光学補償フィルム120が検出電極層110の基板102に対して他方の側に設置されることである。また、本発明の他の実施形態では、第1の光学補償フィルム120が検出電極層110の基板102に対して他方の側に設置される場合、タッチパネル100は第1の光学補償フィルム120の検出電極層110に対して他方の側に位置するパッシベーション層(図示せず)を更に備えてもよい。
【0035】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、第1の光学補償フィルム120の第1の吸収材料は、窒化ケイ素(Si)又は酸窒化ケイ素(SiON)又はその組み合わせであってもよい。言い換えれば、第2の屈折率層124の材料は窒化ケイ素(Si)又は酸窒化ケイ素(SiON)又はその組み合わせであってもよい。一方では、本実施形態では、第1の屈折率層122の材料は、酸化ケイ素(SiO)又はフッ化マグネシウム(MgF)又はその組み合わせであってもよい。
【0036】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、第1の屈折率層122の屈折率は1.3〜1.55であり、第2の屈折率層124の屈折率は1.6〜2.5である。本発明の1つ又は複数の実施形態では、第1の屈折率層122の厚さは10ナノメートル〜50ナノメートルであり、第2の屈折率層124の厚さは5ナノメートル〜20ナノメートルである。
【0037】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、検出電極層110は複数種の電極配置態様を有し、指のタッチ位置を検出することに用いられ、検出電極層110は複数の積層構造からなり、本発明の実施例は、単層の誘導電極構造のタッチパネル構造のみを例とし、複数層の誘導電極構造を有するタッチパネルで、同様に本発明の技術的解決手段を採用して光学マッチング問題を解決することができると理解可能である。
【0038】
図2A及び図2Bを同時に参照すると、図2A図1Aのタッチパネル100の一部の検出電極層110の局所上面図である。図2B図2Aに示すタッチパネルのI−Iに沿う断面の検出電極層の局所断面図である。検出電極層110は、電極パターン層112、絶縁ブロック114及び接続線116を備えてもよい。電極パターン層112は、複数本の第1の軸方向Xに沿って配列された第1の電極112X及び複数本の第2の軸方向Yに沿って配列された第2の電極112Yを含む。本実施形態では、第1の軸方向Xと第2の軸方向Yは互いに垂直である。それぞれの第1の電極112Xは複数の第1の導電部112XA及び複数の第1の接続線112XBを備え、第1の軸方向Xで隣接する2つの第1の導電部112XAは第1の接続線112XBを介して接続され、且つ電気的に接続される。第2の軸方向Yで隣接する2つの第2の電極112Yは接続線116を介して接続され、且つ電気的に接続される。
【0039】
本実施形態では、絶縁ブロック114は、電極パターン層112と接続線116との間に設置され、それにより接続線116が電極パターン層112にまたがって接続されている。本発明の一部の実施形態では、第1の接続線112XBと接続線116は互いに交差し、すなわち第1の接続線112XBと接続線116の投影は交差し、第1の電極112Xと第2の電極112Yが電気的に絶縁されるように、絶縁ブロック114は交差する第1の接続線112XBと接続線116との間に設置される。
【0040】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、検出電極層110の製造過程では、まず第1の光学補償フィルム120(図1Aを参照)又は基板102(図1Bを参照)に電極パターン層112(すなわち第1の導電部112XA、第1の接続線112XB及び第2の電極112Y)を形成し、次に絶縁ブロック114を形成した後、更に接続線116を形成して第2の電極112Yにまたがって接続することができる。本発明の他の実施形態では、まず第1の光学補償フィルム120又は基板102に接続線116を形成し、次に絶縁ブロック114を形成した後、更に電極パターン層112(すなわち第1の導電部112XA、第1の接続線112XB及び第2の電極112Y)を形成することもできる。
【0041】
ここで、電極パターン層112、絶縁ブロック114、接続線116は透明材料からなってもよい。例えば、電極パターン層112は透明な導電性材料(例えば、酸化インジウムスズ(Indium tin oxide、ITO))をエッチングして形成されてもよく、接続線116は酸化インジウムスズからなってもよい。又は、接続線116は金属から製造されてもよい。実際の応用で、接続線116はタッチパネル100の周辺回路と同期的に製造してなってもよい。検出電極層110は実際の感度、回路等のニーズに応じて設計され、ここで例示する回路構成は本発明の範囲を限定するものではない。
【0042】
図1Aに戻ると、本発明の1つ又は複数の実施形態では、タッチパネル全体は入射光を受光した後、第1の光学補償フィルムは入射光がタッチパネルの各層(例えば、検出電極層等)を通過して形成する反射光の色調を調和することができる。このように、第1の光学補償フィルム120は検出電極層110でのパターニングプロセスによる反射率の差異を補償し、電極パターン層112、絶縁ブロック114、接続線116(図2Aを参照)が敷設された領域と電極パターン層112、絶縁ブロック114、接続線116(図2Aを参照)が敷設されていない領域との高低帯域波長の光線での反射率の差が小さく、これによりタッチパネル100が外部光源に対して反射した反射光の色調を自然光に近くするように効果的に調整し、青みがかったり、黄色がかったりすることがない。
【0043】
この他、従来の、光学補償を行う材料(例えば酸化ニオブ、酸化チタン)は、小さいエネルギーギャップを有し、紫外線照射の影響を受けて電子が遷移するようになりやすく、更にこれらの材料は導電性になる。本発明の1つ又は複数の実施形態では、第1の光学補償フィルム120が吸収材料を有するように設置することにより、この吸収材料は吸収した光エネルギーを熱エネルギーに変換してリリースする。このように、第1の光学補償フィルム120を通過する紫外線が吸収されて熱エネルギーになってリリースされるように配置することにより、第1の光学補償フィルム120内の吸収材料又は他の材料が紫外線照射の影響を受けて電子遷移を励起することを防止することができ、更に第1の光学補償フィルム120が導電性になることを回避する。
【0044】
このように、第1の光学補償フィルム120の積層設計が検出電極層110でパターニングプロセスによる反射率差異を補償し、且つ、紫外線帯域の照射の影響を受けて発生する導電などの問題を回避するように、第1の光学補償フィルム120が紫外線帯域を吸収可能な材料を有し、従って、本実施形態はタッチパネル100の信頼性及び光学品質を同時に向上させることができる。
【0045】
図3を参照すると、図3は本発明の他の実施形態に係るタッチパネル100の断面図である。本実施形態は図1Aの実施形態と類似し、その差は、本実施形態のタッチパネル100が検出電極層110の第1の光学補償フィルム120に対して他方の側に設置される第2の光学補償フィルム130を更に備え、言い換えれば、本実施形態の第1の光学補償フィルム120及び第2の光学補償フィルム130が、検出電極層110の反対の両側に設置されることである。具体的には、本実施形態の第1の光学補償フィルム120は検出電極層110の上に設置され、第2の光学補償フィルム130は検出電極層110の下に設置される。
【0046】
詳しく言うと、第2の光学補償フィルム130もまた、少なくとも1つの第3の屈折率層132及び数が同じ少なくとも1つの第4の屈折率層134を備え、そのうち、第4の屈折率層134は該第2の吸収材料を含み、且つ第3の屈折率層132の屈折率は第4の屈折率層134の屈折率より低い。第3の屈折率層132及び第4の屈折率層134は、検出電極層110から離れる方向で、まず低屈折率、次に高屈折率で、検出電極層110に交互に積層される。
【0047】
第2の光学補償フィルム130及び第1の光学補償フィルム120は組み合わさり、且つ検出電極層110と光学マッチングを形成する。ここで、配置される第3の屈折率層132の数はそれぞれ1、2、3層またはそれ以上であってもよく、第4の屈折率層134の数は第3の屈折率層132の数と対応する。ただし、第1の光学補償フィルム120と第2の光学補償フィルム130の積層構造は同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2の光学補償フィルム130は検出電極層110の上に直接又は間接的に設置されてもよい。
【0048】
前述した第1の屈折率層122及び第2の屈折率層124のように、第2の光学補償フィルム130の第2の吸収材料は窒化ケイ素(Si)又は酸窒化ケイ素(SiON)又はその組み合わせであってもよく、つまり、第4の屈折率層134の材料は窒化ケイ素(Si)又は酸窒化ケイ素(SiON)又はその組み合わせであってもよい。一方で、本実施形態では、第3の屈折率層132の材料は酸化ケイ素(SiO)又はフッ化マグネシウム(MgF)又はその組み合わせであってもよい。ただし、第1の光学補償フィルム120と第2の光学補償フィルム130の材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0049】
前述した第1の屈折率層122及び第2の屈折率層124のように、本発明の1つ又は複数の実施形態では、第3の屈折率層132の屈折率は1.3〜1.55であり、第4の屈折率層134の屈折率は1.6〜2.5である。第3の屈折率層132の厚さは10ナノメートル〜50ナノメートルであり、第4の屈折率層134の厚さは5ナノメートル〜20ナノメートルである。
【0050】
ただし、検出電極層110の厚さは往々にして実際の設計ニーズに応じて決定され、例えば、大型タッチパネルでは、低線抵抗の要件を満たすように、検出電極層110の厚さは相対的に厚く設計する必要がある。このようにすると、検出電極層110のパターニングに起因するエッチングラインがより明確に視認できる。本実施形態では、検出電極層110の両側にいずれも光学補償層を配置することにより、エッチングラインを簡単に視認できなくすることができる。
【0051】
前述したように、本発明の1つ又は複数の実施形態では、第1の光学補償フィルム120及び第2の光学補償フィルム130は組み合わさり、且つタッチパネル100と光学マッチングを形成する。タッチパネル100全体は入射光を受光した後、第1の光学補償フィルム120及び第2の光学補償フィルム130が組み合わさって、入射光がタッチパネル100の各層(例えば、検出電極層等)を通過して形成する反射光の色調を調和することができる。
【0052】
このように、図1Aに示す実施形態のように、第1の光学補償フィルム120と第2の光学補償フィルム130の積層設計が検出電極層110でパターニングプロセスによる反射率の差異を補償し、且つ、紫外線帯域の照射の影響を受けて発生する導電などの問題を回避するように、第1の光学補償フィルム120及び第2の光学補償フィルム130が紫外線帯域を吸収可能な材料を有し、従って、本実施形態はタッチパネル100の信頼性及び光学的品質を同時に向上させることができる。
【0053】
図4を参照すると、図4は本発明の別の実施形態に係るタッチパネル100の断面図である。本実施形態では、基板102は強化カバーであってもよく、基板102の検出電極層110に対向する側は直接的に使用者に使用され、基板102は検出電極層110を支持する他に、更に高い保護効果を提供することができる。本実施形態は図1Aに示す実施形態とほぼ同じであり、その差は、タッチパネル100が遮蔽ユニット150を更に備えることである。遮蔽ユニット150は基板102と検出電極層110との間の周辺に設置され、遮蔽ユニット150はタッチパネル100の可視領域V及び非可視領域IVを定義することに用いられる。このように、遮蔽ユニット150はタッチパネル100の周辺回路を遮蔽することに用いられ、周辺回路が光線を反射して映像品質に影響することを防止することができる。遮蔽ユニット150は不透光材、例えば黒色インクで形成される。本発明の1つ又は複数の実施形態では、第1の光学補償フィルム120は遮蔽ユニット150と基板102との間に位置してもよく、それにより、可視領域Vは、作用しない場合、その不透明の程度が非可視領域IVと近くなる。
【0054】
前述したように、本実施形態では、第1の光学補償フィルム120を基板102と検出電極層110との間又は検出電極層110の基板102に対して他方の側に選択的に設置してもよく、第1の光学補償フィルム120と第2の光学補償フィルム130を同時に検出電極層110の両側に設置してもよい。
【0055】
前述したように、第1の光学補償フィルム120又は第2の光学補償フィルム130を設置することにより、可視領域V内において電極パターン層112、絶縁ブロック114、接続線116(図2Aを参照)による光の反射むらを低減することができ、且つ第1の光学補償フィルム120及び第2の光学補償フィルム130は紫外線を吸収可能な材料を有するため、第1の光学補償フィルム120及び第2の光学補償フィルム130は紫外線の照射の影響を受けて導電性になりにくく、従ってタッチパネル100の信頼性及び光学的品質を向上させる。
【0056】
図5を参照すると、図5は本発明の別の実施形態に係るタッチパネル100の断面図である。本実施形態は図1Aに示す実施形態と類似し、その差は、本実施形態では、タッチパネル100がカバー140を含んでもよいことである。カバー140は光学接着層240によって検出電極層110の基板102に対して他方の側に貼り合わせられて、頑丈なタッチパネル100を形成する。一部の実施形態では、基板102は可撓性材で形成されてもよく、厚さが薄く、且つそれに貼り合わせられたカバー140によって構造強度を維持する。一部の実施形態では、基板102は強化基板であってもよく、カバー140に貼り合わせると全体の構造強度を強化する。
【0057】
ただし、本実施形態では、同様に第1の光学補償フィルム120を基板102と検出電極層110との間又は検出電極層110の基板102に対して他方の側に選択的に設置してもよく、第1の光学補償フィルム120と第2の光学補償フィルム130を検出電極層110の両側に同時に設置してもよい。
【0058】
本実施形態では遮蔽ユニット(図4を参照)が設置されていないが、これは本発明の範囲を限定するためのものではない。周辺回路の反射を遮蔽するように、本実施形態のカバー140に、関連する遮蔽構造が設置されてもよい。
【0059】
以上のように、本発明の一実施形態は紫外線抵抗性を有し色差の光学的問題を解決できるタッチパネルを提供しており、検出電極層の光学特性と組み合わせて、光学補償層を設計して製造し、この光学補償層が紫外線を熱エネルギーに変換してリリースできるように設計し、紫外線照射から生じる問題を回避することができ、タッチパネルの映像品質及び信頼性を向上させる。
【0060】
本発明の複数種の実施形態を説明したが、それは本発明を限定するためのものではない。当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な修飾及び変更を加えることができ、従って、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲により限定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5