(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-163298(P2016-163298A)
(43)【公開日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】音響トランス式イコライザー
(51)【国際特許分類】
H04R 1/30 20060101AFI20160808BHJP
H04R 1/22 20060101ALI20160808BHJP
H04R 1/28 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
H04R1/30 B
H04R1/22 310
H04R1/30 A
H04R1/28 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-43359(P2015-43359)
(22)【出願日】2015年3月5日
(71)【出願人】
【識別番号】710011615
【氏名又は名称】根岸 廣和
(72)【発明者】
【氏名】根岸 廣和
(72)【発明者】
【氏名】前田 和昭
(72)【発明者】
【氏名】大賀 寿郎
(72)【発明者】
【氏名】大石 邦夫
【テーマコード(参考)】
5D018
【Fターム(参考)】
5D018AA06
5D018AD28
5D018AE01
5D018AE21
(57)【要約】
【課題】
本発明は、ホーンスピーカーのイコライザーに関し、放射体から放射された原音声波形を損なうことなく、音声圧縮機能、位相維持機能、及び放射効率向上機能と云う複合機能を達成することを課題とする。
【解決手段】
ホーン型スピーカー用のイコライザーであって、音声圧縮機能、位相維持機能、及び放射効率向上機能を複合化した音道を形成している事を特徴とする音響トランス式イコライザーとし、更に、流線型の音道で流路方向に於ける微分係数が不連続ではなく、音声圧縮機能部・位相維持機能部は漏斗のごとく発音体から放射された音波を集約する形状であり、一方放射効率向上機能部はホーン形状であり、本来のホーンと連続する音響特性カーブを有する事を特徴とする音響トランス式イコライザーとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーン型スピーカー用のイコライザーであって、音声圧縮機能、位相維持機能、及び放射効率向上機能を複合化した音道を形成している事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項2】
請求項1に於いて、流線型の音道で流路方向に於ける微分係数が不連続ではなく、音声圧縮機能部・位相維持機能部は漏斗のごとく発音体から放射された音波を集約する形状であり、一方放射効率向上機能部はホーン形状であり、本来のホーンと連続する音響特性カーブを有する事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項3】
請求項1に於いて、発音体への駆動力伝達機構に応じて、ドーム型発音体曲面の焦点を最適化した事を特徴とする音響トランス式イコライザー.
【請求項4】
請求項1に於いて、ATEQホーン収納部をホーンスピーカーの外装部、特には発音体とホーンを接続する領域の外周部分に配置する事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項5】
請求項1に於いて、ATEQホーンを本来のホーンの一部と見做し、ホーン全体を小型化した事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項6】
ATEQホーン収納部内の空スペースに、発音体の音室等から逆位相成分を音響迷路方式で導入し、音響エネルギーを吸収させる事により、発音体からの逆位相成分が正位相成分と干渉しないようにした事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項7】
請求項1に於いて、ATEQホーン収納部の材質として、再生帯域内での機械的内部損失が大きい事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項8】
請求項1に於いて、ATEQホーン収納部をインシュレーターと見做す事で、発音体の反動等をホーンや支持機構に伝達しないようにした事を特徴とする音響トランス式イコライザー。
【請求項9】
ホーンスピーカーに於いて、上記請求項1から8の要素を本体と一体化した事を特徴とするホーン型スピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音響出力機器、特にはホーンスピーカー分野に関する。具体的にはイコライザーと呼ばれ、発音体とホーンの間に有って音道を形成して居るもので、位相制御機能、空気圧縮機能等を担当している部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ホーンスピーカーは1924年ハナとスレピアンの発明に端を発する(例えば、非特許文献1参照)。この発明によりコンプレッションドライバーと称される圧縮機能を有するドライバーと、音の放射効率を向上させる機能を有するホーンとの組み合わせと云う形式が誕生した。それまでの放射形式は発音体としてのコーン直接による音響放射であったため、ホーンの効果は明確であり、高放射効率化に寄与。しかし当時の構造は、圧縮機能を有するドライバーとホーンのスロートが直結されていた。
次なる改良は1928年にヴェンテとサーラスが行った(非特許文献2)。彼らは今日イコライザーと呼ばれている位相器を発音体前面に置く事で、更なる高効率化を達成した。具体的にはイコライザー導入により高周波数帯域まで拡大。理論的には設計指標としてホーンと位相器との音道長の最適化が重要とした。この場合の位相器は再生周波数上限付近で、発音体の周辺部と中心部の振動位相が異なる為、低能率化する事を補正する目的であった。これらの発明及び改良は、後年ホーンスピーカーの商品化に役立った。
【0003】
1953年、ボブ・スミスは現代のイコライザー、ひいてはコンプレッションドライバーへの重要な貢献を果たした(非特許文献3)。彼の功績は音道内での共振を最小限にする事で、放射効率と音質を向上させる事を目的としたもの。当時の学会・業界からはほとんど無視されたが、後年ファンチャー・マレーにより発掘され、今日のイコライザー設計に於いては、ほぼ業界標準となって居る(非特許文献4)。
現在では、イコライザーに期待されている空気圧縮技術は更に進歩。スミス時代では不可能であった有限要素法の活用により、シミュレーションによる精密な音道設計がなされている(非特許文献5)。しかしそのシミュレーション精度はまだまだ低く、定性的には役立っても定量的には不十分であり、商品開発が長期化する原因の一つであった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hanna, C. R.; Slepian, J. (September 1977 (originally published 1924)). "The Function and Design of Horns for Loudspeakers (Reprint)". The Journal of the Audio Engineering Society 25: 573-585.
【非特許文献2】Wente, E.; Thuras, A. (March 1978 (originally published 1928)). "A High-Efficiency Receiver for a Horn-Type Loudspeaker of Large Power Capacity (reprint)". The Journal of the Audio Engineering Society 26: 139-144.
【非特許文献3】Smith, B. (March 1953). "An Investigation Of The Air Chamber Of Horn Type Loudspeakers". The Journal of the Acoustical Society of America 25 (2): 305-312. doi:10.1121/1.1907038.
【非特許文献4】Murray, Fancher (October 1978). "An Application Of Bob Smith's Phasing Plug". Presented at the 61st convention of the Audio Engineering Society. preprint 1384.
【非特許文献5】Dodd, M.; Oclee-Brown, J. (October 2007). "A New Methodology for the Acoustic Design of Compression Driver Phase-Plugs with Concentric Annular Channels". Presented at the 123rd Convention of the Audio Engineering Society. preprint 7258.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のごとくホーンスピーカーは高音声放射効率、及び直接放射とは異なる音色等を特徴として、既に一世紀近くに亘って独自の市場を形成している。しかしその設計に於いては、確かにシミュレーションを出発点とはしているものの、製品の特性は設計値とは異なる事が多く、試作・実測によって手直しする事例も少なくない。
特にシミュレーションと実測が異なるのはイコライザーであり、各社独自の設計手法をもってしても、まだまだ正解を得ていないというのが実情である。この実情が物語るのは、イコライザーに求められている機能や設計手法、そしてシミュレーション技法自身が、未だに完成の域に達して居ない為と思われる。
加えて高音声放射効率とは云われているものの、それは未だに2%程度の直接放射型との比較での話。東日本大震災時に露呈した実情は商品としての未熟さであり、更なる高効率化が不可欠である。例えばまだまだ消費電力が大きく、すぐ電池切れで使用不可能。命を左右しかねない肝心の時に役立たなかった事もあったと云う。
現状のままでは、いざと云う時にお役に立つことがいかに大変かを改めて実感。単に音声波形維持機能達成だけでは不足で、音声放射効率向上機能も含めるべきと認識した。これらの実情理解および貴重な体験に基づき、イコライザーそれ自体を根本から見直した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題意識に基づき、イコライザーと云う名称に囚われず、音声放射効率向上をも目指してゼロベースで機能分析の立場から再検討。理想的イコライザーに期待されている機能を3つに絞り込んだ。すなわち音声圧縮機能、波形維持機能、そして放射効率向上機能である。
図1に従来のイコライザーと理想のイコライザーの機能系統図を比較提示している。
本発明は理想のイコライザーを具現化したもの。具体的には発音体から放射された原音声波形を損なうことなく、音声圧縮機能、波形維持機能、そして放射効率向上機能を果たす。しかもこれらの複合機能を電子回路やメカ機構などの能動部品に依存せず、受動部品のみで達成している。我々は本発明を音響トランス式イコライザー(Acoustic Transformer Equalizer, 以下ATEQと略記)と命名した。
【0007】
ATEQは発音体とホーンスロート間の新たな音道であり、集音部及び増幅部は全て流線型である。前者は音声圧縮機能と波形維持機能、後者は放射効率向上機能を担当する。集音部はATEQ入力端からATEQスロート部までであり、音道を絞る事で発音体各部から放射される音波の波形を保持しつつ音声圧縮機能、波形維持機能を行う。一方後者はATEQホーン部と呼ばれ、ATEQスロート部からホーンスロートと近接するATEQ出力端までが放射効率向上機能を担当する。
ATEQは、入力端から出力端までの音道の流路方向に於ける微分係数が不連続ではなく、しかもホイヘンスの定理に基づく壁面反射合成波面の進行方向が音波進行方向のみであり、かつATEQスロート以降は本来のホーンと一体化した音響特性である事を特徴とする。この事は、ATEQ内で不要な共振が生じない事と同義でもある。但しこれらの音道、特にATEQホーン部は細くとも長尺。単純に直線状のまま従来品と置き換えると、明らかに全体が長くなる。
【0008】
そこでホーンスピーカー全体の形状に着目。従来品に於いては発音体とホーン接続部がネック状の筐体で接続されている事を活用した。その方法は発音体とホーンの間にATEQを直線状に配置するのではなく、筐体のネック外部にATEQホーン回路の主要部を取り出し、襟巻のごとく巻き付けて配置する形態を採用したのである。
具体的にはATEQスロート直後のATEQホーン部を筐体外部に導出、ATEQホーン収納スペース内を迂回したのちATEQホーン部最終端を筐体内に再導入。ATEQスロート出力としてホーンに受け渡す事により、従来商品とほぼ同等の筐体長維持を目指した。結果としてホーンスピーカーの全長を大幅に変えることなく、音声圧縮機能、波形維持機能、そして放射効率向上機能を同時にかつ妥協なく並立させる事を可能とした。
なお、放射効率向上機能はホーン小型化に資する機能とも云える。どちらをどれだけ優先するかは、製品企画者の選択に掛かっている。
【発明の効果】
【0009】
以下に具体的な発明の効果を列挙する。先ずATEQは発音駆動源とは無関係に使用可能であり、従来からのボイスコイル型や新式の振動波モーター型にも有効である。但し発音駆動源に与える影響は明らかに異なる。ボイスコイルの場合ホーン負荷は音声放射効率と直結。再生周波数に関わらず一定の振幅となり、無負荷駆動はボイスコイル破壊を引き起こしかねない。一方振動波モーターの場合は振動子自身の質量負荷と駆動力の比で変曲点が決まり、それ以上の周波数では一次下がりの振動幅となる。
例えば防災無線やメガホン等従来商品への応用は、発音体とイコライザーをATEQ対応型へと変更する部分改造のみ。大幅な設計変更は不要である。結果として、例えば感度が3dB向上なら電池が2倍持つ。防災現場等にとっては福音となる。
あるいは現在の電池容量が不要となる為、軽量化・小型化も可能。携帯用メガホンの小型・軽量化の助けとなる。
【0010】
更に従来コンプレッションドライバー設計の悩みであったシミュレーション精度不足が、改善できる。当然精度向上が期待出来、直接放射型に準ずる程度のコンピュータ設計が原理上可能。製品化日程の短縮となる。
またホーンスピーカーのもう一つの顔、高級オーディオ用途にも役立つ。従来のイコライザーが必然的に発音源の波形を押しつぶすのに対し、ATEQは発音源の原波形を維持しつつ、しかもホーンローディング特有の滑らかな音声再生が期待できるため、音質向上にも寄与できる。
【0011】
更にはスペース的に限られている薄型TVや車載用等に置いても、ATEQは高能率化・省エネに役立つ。それぞれの分野で省エネを競い、音質を競っているため、これらの分野での商品価値向上に寄与できる。
以上の様にATEQは広範囲な応用領域に於いて高音声放射効率・高品位化が可能であるため、多方面において音響出力の省エネ化・高品位化に役立つ。結果として音響機器による環境負荷の軽減にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】現状と本発明に於けるイコライザーの機能系統比較図である。
【
図2】ダイナミック駆動発音体に於ける、ATEQの原理説明図である。
【
図3】振動波モーター駆動発音体に於ける、ATEQの原理説明図である。
【
図4】ATEQの一実施例であり、
図4の1は収納部をホーン側から見た場合の正面図、
図4の2は
図4の1のA−B断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前述のごとく、
図1に現状と理想のイコライザー機能系統比較図を示す。現状のイコライザーには音声圧縮機能はあるが、波形維持及び放射効率向上機能はない。一方、理想のイコライザーでは音声圧縮・波形維持及び放射効率向上と云う3種の複合機能を自己矛盾なく満たす。なお放射効率向上機能は、ホーン形状小型化へ転用する事も可能である。
図2はATEQの原理説明図であり、ATEQ機能を理解する為に重要な部位のみを示している。ATEQは機械的には受動部品。単に音波の伝搬通路に過ぎず、能動的機能は一切ない。
【0014】
個別の機能は以下の通り。まず右端の発音体1から発した音波をATEQ入力端2にて受け入れ、集音された後ATEQスロート3を通過。以降ATEQ出力端5まではホーン6の機能と同一であり、音声放射インピーダンスマッチング向上に寄与する。そして筐体ネック部外に配置されるATEQホーン収納部4は、ATEQホーンの主要部、すなわち符号3から5まで省略されている部分を主軸部周辺に配置する収納部となる。
【実施例1】
【0015】
図2は前述のごとく通常のボイスコイル型発音体に於ける原理説明図。現行商品ベースである事から最初に説明する。発音体1のドーム曲率半径は2のATEQ入力端から、3のATEQスロートへ集中する音線の仮想半径よりは明らかに長い。これはボイスコイル型特有のもの。ドーム外周に駆動源がある為、ドーム中心部への駆動力伝達がドーム部材の音速に依存する事を考慮したもの。この仮想半径を長くする事による機能は、再生帯域上限付近に於いて、中央と周辺の音の位相差を最小にする事を意図して居る。
【実施例2】
【0016】
一方、次に説明する実施例2を
図3に示す。同図は振動波モーター駆動の発音体用説明図で、
図2との相違点は発音体のみである。
図3は発音体7のドーム曲率半径のみが
図2と異なって居るだけ。他の機能部品、すなわち符号2から6まではすべて機能・構造は同一である。振動波モーターは複数の駆動方式があるが、共通しているのは発音体自身が剛体であり、実質上振動波モーターからの駆動力がドーム全体に同時に到達する。その為発音体7のドーム部は場所に依存する位相差がない為、ドーム仮想半径は符号2から3までの集音部と同一の仮想半径となって居る。なお振動波モーターはボイスコイル型と異なり、前述のごとく音響放射負荷変化による振幅変化はない。
【実施例3】
【0017】
実施例3は150Hzを再生周波数の下限とするホーンスピーカー用ドライバーユニット、TOA社TU−730Aをベースとする機能試作例である。
図4の説明図で示したATEQの心臓部、すなわち筐体外部に巻き付けるATEQホーン収納スペースを試作する事は、シミュレーションと3次元プリンターの分野。また音響特性的視点からは、ATEQを設計する事は現行のホーンをスロート側に延長する事と同義である。
概算によれば長さ42cm、延べ体積50cc程度のATEQホーン部導入により、試作目的に合致する性能が得られることを前提とし、ATEQホーン収納スペースをホーンスピーカー筐体本体のネック部に配置。
図4で示したごとく二重に折り返して巻き付けた構造により、所与の目的を達成した。
【0018】
また
図4に示した収納部は、音室と呼ばれる発音体バックヤードの消音にも役立つ。十分にある空きスペース内にエスカルゴのごとき音響迷路を組み込むことにより、発音体背面からの逆位相反射音を音響迷路で最小限にし、音質向上に寄与させる。
更にこれらの音響回路を形成する材料についても、知見が得られている。従来は外形を形成する筐体自身と同一の部材で、音響回路自身をも形成していた場合が多かった。一般に構造材料であるため音声再生帯域での音響的内部損失が少ないものが多く共振が出やすいか、あるいは比重が大きく重くなる。
しかし本発明に於いては、ATEQやバックスペースの吸音部である音響迷路等は、前述のごとく
図2から4に於ける符号4で示されているATEQホーン収納スペース内に形成される。この場合他の筐体部品とは異なり、機械強度的には構造材料である必要はなく、主に対候性が重要視される。
【0019】
試作に於いては3次元プリンターのプリントインクに相当する樹脂部材の音響特性が、これらの音響回路特性に影響を与えた。当然の事ながら再生周波数帯域内での共振は有害であり、出来るだけ均一で且つ振動吸収係数の大きい方が音質的には有利である。
加えて発音体の加振がホーンスピーカー全体に広がり、音色の低下や保持部への過剰な機械的負荷となる現象が知られている。この様な欠陥も、ATEQホーン収納スペース素材にインシュレーターと同様な作用をさせる事が出来る為、取り付け方を工夫する事で有用に働かせる事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0020】
防災無線やメガホン等従来商品への応用は、発音体とイコライザーをATEQ対応型へと変更する部分改造のみ。スペース的には発音体と音道・音室の関係を逆転させる程度の変更で済み、大幅な設計変更は不要である。
その結果例えば感度が3dB向上であれば、電池が2倍持つ。防災現場等にとっては福音となる。あるいは電池必要容量が少なくなるため、携帯用メガホンの小型・軽量化に役立たせる事も可能。
【0021】
またコンプレッションドライバー設計のシミュレーション精度向上が期待出来、直接放射型に準ずる程度のコンピュータ設計が原理上可能。製品化日程の短縮となる。
高級オーディオ用途にも役立つ。従来のイコライザーが発音源の波形を押しつぶすのに対し、ATEQは発音源の波形維持可能であり、音質向上にも寄与。オーディオ界に新しい風を送れる。
更にはスペース的に限られている薄型TVや車載用等に置いても、ATEQは高能率化・省エネに役立つ。省エネを競い、音質にも配慮できるため、商品価値向上に寄与できる。
以上の様に広範囲な応用領域に於いて高音声放射効率・高品位化が可能であるため、多方面において音響出力の省エネ化・高品位化に役立つ。結果として音響機器による環境負荷の軽減にも寄与できる。
【符号の説明】
【0022】
1 発音体(ボイスコイル駆動)
2 ATEQ入力端
3 ATEQスロート
4 ATEQ収納スペース
5 ATEQホーン出力端
6 ホーン本体
7 発音体(振動波モーター駆動)
8 ATEQ収納スペース正面図
9 ATEQ収納スペースA−B断面図