【課題】組織に形成された通路を封止及び閉鎖するための医療器具及び方法では、ユーザが行う処置ステップの数が多いこと、使用の困難さ、習得するまで時間がかかること及び器具の精度の低さ、さらに、ユーザの感触に頼った操作の排除などが課題である。
【解決手段】ハウジング、少なくとも1つの第1バイアス又は弾性部材、第1可動性/摺動性要素及び第1解除機構を利用する展開デバイス又は器具及びハウジング、少なくとも1つの第2バイアス又は弾性部材、第2の可動性/摺動性要素及び第2解除機構を利用する展開デバイス又は器具を提供する。さらに、主に熱可塑性部品から製造される展開デバイス又は器具を提供する。この展開デバイス又は器具は、本発明に係る血管閉鎖デバイスの展開後に速やかに廃棄可能であり、また、生体組織に形成された開口部を閉鎖するための費用効果が高い手段を提供する。
細長いハウジングは、前記スライド手段が第二の位置にある際に前記ハウジングに関する場所に前記スライド手段を固定するハウジング固定機能をさらに有する請求項2記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記皮膚フランジばねは、皮膚フランジが皮膚フランジ固定機能から解放された後に遠位方向に皮膚フランジ上に力を印加する第二の位置に遠位方向に皮膚フランジがスライドするように作動させるように指示する請求項4記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
皮膚フランジの遠位端は、閉鎖デバイス展開デバイスの使用中に患者の皮膚の部分の一面を移動して再配向させるように構成されるオトガイ機構をさらに有する請求項6記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記オトガイ機構は、患者の皮膚の一部の面が前記シースアセンブリに実質的に鉛直であるように患者の皮膚の一部の面を移動して再配向させるよう構成される請求項7記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記皮膚フランジは、遠位方向に沿って移動するように皮膚フランジのスライドの冷却する動作が許諾される粘着性を有する生活適合性潤滑材によって前記皮膚フランジが被覆される請求項1記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記第二スライド手段は、遠位方向で第一力の印加と同時に遠位方向にスライドする前記皮膚フランジ第一スライド手段がスライドするのを可能にする前記第二スライド手段の近位の移動毎に前記第一スライド手段の固定機構から前記皮膚フランジの第一のスライド手段を解放するよう構成される請求項12記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
渦巻き環状の壁は、遠位方向の第一力の印加と同時に遠位方向に移動するプラグとして、プラグの移動のために渦巻かぬように構成される請求項14記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記第一のスライド手段は、遠位方向の前記第一スライド手段の促進する動作によって、ハウジング内でガイドレールを有するよう構成される請求項11記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記プッシュ管は、プッシュ管の外側に拡張されるとともに長手軸に実質的に垂直な平面に沿ったひとつ又は複数のフランジを含む近接端上のプッシュ管タブを含み、力導管機構はプラグに最終的に印加する遠位の第一力または所定力以下を維持するために遠位の第一力の印加と同時にプッシュ管タブを変形するよう構成される請求項11記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
回転するように構成され、回転動作は第三力が印加されるように構成され、遠位方向にカッター管を駆動するカッターリーバアセンブリを更に有する請求項21記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記カッターリーバは、カッターリーバアセンブリ上のコンタクトピンと回転動作を通して前記第二スライド手段上に挿入するカムとの間の一定の圧力角を維持するように構成される請求項23記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
カッターリーバアセンブリを通じて第三力の印加において、遠位表面カッター管はプラグの近位位置と所定角のワイヤを曲げるとともに共有するように構成される請求項26記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
前記曲げと共有はインプラント構造体を形成するには十分であって、前記プラグの近位端のしっかりとした噛み合いのうちに位置する剛性ワイヤの弾性的に変形された曲げであり、フットプレートは曲げを含むとともにプラグの遠位端の遠位に位置するワイヤ部を取り付けて維持する請求項24記載の閉鎖デバイス展開デバイス。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の主な目的及び利点は、(上述したように)現行のデバイスと比較して使い易さが向上した、すなわち(1)感触に頼った操作を最小限に抑え、(2)ユーザが行う処置ステップ数を最小限に抑え、(3)ユーザが展開デバイス又は器具をどのようにして効果的に使用するかを学ぶための習得時間を最短に抑え、(4)閉鎖精度を向上させ、(5)一般的なユーザにそのような展開デバイス又は器具を使用したいと思わせる、(閉鎖インプラントを展開するために使用する)展開デバイス又は器具を提供することである。より具体的には、本発明の主な目的及び利点は、自動機能性を有する展開デバイス又は器具を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的及び利点は、上述の第1世代の閉鎖デバイスと比較して、繰返し使用可能な、より良好且つ効果的な封止を行う閉鎖デバイスを提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的及び利点は、生体内で溶解性(生分解性)であるため将来的な動脈へのアクセスを可能にする(すなわち、「再接着」)閉鎖デバイスを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的及び利点は、所定の位置でロックし、閉鎖インプラント(デバイス)を血管壁で安定させることができ(すなわち、インプラント構造体が血管壁を圧迫し、次にその位置で保持される(ロック))、この結果、閉鎖インプラントが動かなくなる閉鎖デバイスを提供することである。既存のデバイスにおける出血のリスクの1つは、生理的動作(股関節屈曲等)によるズレに強い閉鎖構造体を提供しないことである。したがって、本発明の実施形態によるロックされた(又は安定した)デバイスは、患者の安全な早期歩行を可能にする。
【0014】
上述の目的及び利点により、本発明の実施形態は、従来技術の問題を解決する、組織に形成された通路を封止及び閉鎖するための医療器具及び方法を提供する。より具体的には、出血(又は他の体液若しくは組織の流出)を制御する(又は防止する又は停止させる)ために、遠位側又は外側の縁部又は表面及び近位側又は内側の縁部又は表面を含む(すなわち、壁厚)生体組織に形成された開口部を封止又は閉鎖するためのデバイス並びにそのようなデバイスを送達する装置及び方法に関する。開口部は、血管又は臓器等の生体組織に形成された穿刺口、切開創又は他の開口部を含む。
【0015】
本発明の実施形態において、閉鎖デバイスは、生体組織に形成される様々なサイズの開口部(例えば、診断上のカテーテル留置、冠動脈血管形成術、ステント留置等の小規模な経皮的穿刺処置の結果として形成される開口部及び僧帽弁修復術等の大規模な経皮的穿刺処置の結果として形成される開口部)を封止するために提供される。
【0016】
本発明の実施形態において、生体組織に形成された開口部を封止するための閉鎖デバイスを提供し、この閉鎖デバイスは、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート、プラグ及びワイヤを含む。
【0017】
本発明の実施形態において、生体組織に形成された開口部を封止するための閉鎖デバイスを提供し、この閉鎖デバイスは、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート、プラグ及びワイヤを含む。
【0018】
本発明の実施形態において、フットプレートは一体構造体を含み、すなわちワイヤの遠位部を含む単一構造体(ワイヤ形態)として作製される。フットプレートを構成するワイヤの遠位部は、ループ又は楕円状に成形されたワイヤ遠位部を含む。一体型の実施形態のフットプレートは、塑性的に変形可能である。
【0019】
本発明の実施形態において、フットプレートは、ワイヤとは別であり且つ恒常的にワイヤに固定された構造体を含む。フットプレート部は、打抜き又は機械加工されたプレート部を含む。この実施形態において、ワイヤのある部分(好ましくは遠位部)を、フットプレートに溶接することができる。フットプレートのこの溶接した実施形態は、塑性的に変形可能である。あるいは、ワイヤのある部分(好ましくは遠位部)を、ボールソケット機構/構造によりフットプレートに取り付ける。あるいは、ヒンジ機構で蝶番状にフットプレートに取り付ける。
【0020】
本発明の実施形態において、フットプレートはワイヤとは別であり、またワイヤに蝶番状に取り付け得る(上述のボールソケット機構等)。
【0021】
本発明の実施形態において、ワイヤはボールソケット構成でフットプレートに取り付けられるため、ボールはワイヤと一体且つ同軸であり、ボール(球体)の直径はワイヤの直径より大きい。更に、それによってボールはワイヤの遠位端と同じ位置に配置される。ボールは、溶解等の方法(ワイヤ材料を溶解させてボール又は球形にし、次にボールを冷却して固化させる)によってワイヤの遠位端に形成し得るが、熱源は、例えばレーザー若しくは誘導加熱手段又は他の熱源になり得る。あるいは、球状端部は、例えばクリンプ加工、ロータリースエージ加工、レーザー溶接又は他の許容し得る手段によってワイヤの遠位端に取り付け可能である、別個の球状部品(例えば、貫通孔を有する固体の球体)になり得る。
【0022】
本発明の実施形態において、フットプレート及びワイヤ(ボール端部としての別個の球状部品を含む)は、生体適合性で生体腐食性(biocorrodible)の金属を含む。
【0023】
本発明の実施形態において、フットプレート及びワイヤ(別個の球状ボール端部を含む)は、マグネシウムを含む生体適合性で生体腐食性の金属を含む。
【0024】
本発明の実施形態において、フットプレート及びワイヤ(別個の球状ボール端部を含む)は、マグネシウム合金を含む生体適合性で生体腐食性の金属を含む(例えば、Mg9980A、Mg9990A、Mg9995A、AM100A、AZ63A、AZ91A、AZ91B、AZ91C、AZ92A、AZ81A、EK30A、EK41A、EZ33A、HK31A、HZ32A、K1A、ZE41A、ZH62A、ZK51A、ZK61A、AZ31B、AZ31C、AZ61A、AZ80A、HM31A、M1A、ZK21A、ZK60A、(P)ZK60B、HM21A、ZE10A、TA54A、WE54、WE43、ZW3、AZM、AZ80、AZ31、ZM21、ZK60等)。
【0025】
本発明の実施形態において、フットプレート及びワイヤ(別個の球状ボール端部を含む)は、マグネシウム及び希土類金属を含むマグネシウム合金を含む、生体適合性で生体腐食性の金属を含む。
【0026】
本発明の実施形態において、フットプレート及びワイヤ(別個の球状ボール端部を含む)は、マグネシウム及び少なくとも1種の希土類金属を含むマグネシウム合金を含む生体適合性で生体腐食性の金属を含み、希土類金属がスカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから成る群から選択される。
【0027】
本発明の実施形態において、フットプレートは生体吸収性ポリマーを含み、ワイヤ(別個の球状ボール端部を含む)は上述の生体適合性で生体腐食性の金属を含めた生体適合性で生体腐食性の金属を含む。
【0028】
本発明の実施形態において、フットプレートは生体吸収性ポリマー(例えば、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリ乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)及びポリグリコール酸(PGA)等)を含み、上述したようにワイヤは生体適合性で生体腐食性の金属を含む。
【0029】
本発明の実施形態において、フットプレートは生体適合性で生体腐食性の金属を含み、ワイヤは、生体適合性で生体腐食性の金属を含めた生体吸収性ポリマー及び上で開示したような生体吸収性ポリマーを含む。
【0030】
フットプレートの実施形態は、数多くの製造技法で作製することができる。これらにはとりわけ、必要又は要求に応じて、効果的な成形、押出成形、機械加工、打抜き加工、鋳造、鍛造、レーザーカット及び/又はレーザー加工、ラミネート加工、接着剤による固定、溶接並びにこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0031】
本発明の実施形態において、ワイヤは伸張性の要素を含む。
【0032】
本発明の実施形態において、ワイヤは伸張性の要素を含み、伸張性の要素はマルチフィラメントを含む。
【0033】
本発明の実施形態において、ワイヤは伸張性の要素を含み、この伸張性の要素はマルチフィラメントを含み、マルチフィラメントはマルチフィラメント編み組み部を含む。
【0034】
本発明の実施形態において、ワイヤは伸張性の要素を含み、伸張性の要素はモノフィラメントを含む。
【0035】
本発明の実施形態において、フットプレート及びワイヤは共に上で開示したような生体吸収性ポリマーを含めた生体吸収性ポリマーを含み得る。
【0036】
本発明の実施形態において、プラグは、上で開示したような生体吸収性ポリマーを含めた生体吸収性ポリマーを含む。
【0037】
本発明の実施形態において、プラグは、上で開示したような生体適合性で生体腐食性の金属を含めた生体適合性で生体腐食性の金属を含む。
【0038】
本発明の実施形態において、プラグは円錐形であり、また遠位部及び近位部を含み、プラグの遠位部の直径はプラグの近位部の直径より小さい。
【0039】
プラグの実施形態は、数多くの製造技法で作製することができる。これらにはとりわけ、必要又は要求に応じて、効果的な成形、押出成形、機械加工、深絞り、鋳造、鍛造、レーザーカット及び/又はレーザー加工、ラミネート加工、接着剤による固定、溶接並びにこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0040】
本発明の実施形態において、閉鎖デバイスは生分解性である。
【0041】
本発明の実施形態において、フットプレートは、プラグより速い速度で生体内で生分解するように構成されるため、フットプレートはプラグの完全な分解に先立って完全分解する。
【0042】
本発明の実施形態において、使い易く、感触に頼った操作を最小限に抑え、ユーザが行う処置ステップ数が最小限であり、ユーザが展開デバイス又は器具をどのようにして効果的に使用するかを学ぶための習得時間が最短であり(「短い学習曲線」)、高精度であり、またその全てが一般的なユーザにそのような展開デバイス又は器具を使用したいと思わせる展開デバイス又は器具を提供する。より具体的には、本発明の実施形態において、本発明の実施形態の閉鎖デバイスを展開するための自動機能性を有する展開デバイス又は器具を提供する。
【0043】
本発明の実施形態において、ハウジング、少なくとも1つの第1バイアス又は弾性部材(例えば、コイルばね、板ばね、定荷重ばね、運動エネルギーを蓄積して放出可能な他の部材又は機構)、第1可動性/摺動性要素及び第1解除機構(例えば、ピンの解除、フック/ショルダーの解除、カム運動の解除、トグルの解除、ばね荷重下で構成要素を解除可能な他の機構)を利用する展開デバイス又は器具を提供する。
【0044】
本発明の実施形態において、ハウジング、少なくとも1つの第2バイアス又は弾性部材(例えば、コイルばね、板ばね、定荷重ばね、運動エネルギーを蓄積して放出可能な他の部材又は機構)、第2の可動性/摺動性要素及び第2解除機構(例えば、ピンの解除、フック/ショルダーの解除、トグルの解除、ばね荷重下で構成要素を解除可能な他の機構)を利用する展開デバイス又は器具を提供する。
【0045】
本発明の実施形態において、主に熱可塑性部品から製造される展開デバイス又は器具を提供し、この展開デバイス又は器具は、本発明の実施形態の血管閉鎖デバイスの展開後に速やかに廃棄可能である。主に熱可塑性部品で製造された本発明の実施形態の展開デバイスは、生体組織に形成された開口部を閉鎖するための費用効果が高い手段(安価な材料の使用による)を提供することができる。
【0046】
本発明の実施形態において、出血(又は他の体液若しくは組織の流出)を制御(又は防止する又は停止させる)するための、開口部を封止するための閉鎖デバイス及び開口部を封止するために閉鎖デバイスを開口部に展開するための展開デバイスを含む、生体組織に形成された開口部(例えば、血管壁に形成された開口部を含む経皮的に形成された穿刺口)を封止するためのシステムを提供する。経皮的に形成された穿刺口は血管壁に形成された開口部に隣接する組織路を更に含み、組織路は組織内を血管の上の皮膚表面にまで延びる。閉鎖デバイスは、上述したようにプラグ、ワイヤ及びフットプレートを含む。展開デバイスは、遠位側C型外管及び遠位側C型外管内に収容される遠位側C型内管を含む遠位側C型管、皮膚フランジアセンブリ(その一部はワイヤの長手方向軸と同軸である)、ハウジングシェル、制御ハウジング、近位側外管及び近位側内管を含む近位管、プッシュ管、スライドバレル及び切断レバーを含むスライドバレルアセンブリ、複数の側方定荷重ばねを含むバイアス部材、上部定荷重ばね及び下部定荷重ばねを含む第2バイアス部材、細長U型構造体を含むワイヤフェルール(U型構造体は閉鎖近位端及び開放遠位端を含む)並びに絞りレバーハンドル、絞りレバーハンドルの保持部内に保持されるボタン(ボタンは保持部内で摺動可能)及びリンクを含む絞りレバーハンドルアセンブリを含む。
【0047】
本発明の実施形態において、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置において、フットプレートは、遠位側C型外管の遠位端内に位置する。フットプレートの近位端は、遠位側C型内管の遠位端に当接する。プラグはフットプレートより近位側にあり、近位側外管の遠位部内でワイヤの長手方向軸に沿って位置し、また遠位方向でプッシュ管に隣接している。ワイヤは、フットプレートの近位端から遠位側C型内管、プラグの軸孔及びプッシュ管内を近位方向に延び、ワイヤフェルールの近位閉鎖端の内側に取り付けられる。
【0048】
本発明の実施形態において、これら2つの遠位側C型管は同心の入れ子状になって主導管領域を形成している。主導管領域は、血液マーキング路として機能する。遠位側C型外管及び遠位側C型内管はそれぞれ同心で互いに揃った側方孔を含み、また血管から血液マーキング路を通って近位側に流れる血流のための空気の出口として機能する。遠位側C型外管は、遠位側C型外管の遠位端に流入孔を含む。この流入孔は、血液マーキング路への入口として機能し、また好ましくはフットプレートの展開前の閉鎖デバイス展開位置の近位端に向かって位置する。これにより、フットプレート全体が血管内にあることがわかるようになる。血液マーキング路を近位側に血液が流れるのは、空気の出口のほうが流入孔より圧力が低いからである。
【0049】
本発明の実施形態において、主導管領域は、プラグを展開するための展開領域として機能する。遠位側C型管は局所的に膨張、分離して非可逆的な非入れ子状態を作り出すため、プラグを、血管への展開後の構成及び位置へと通過させることができ、ここでプラグは主導管領域の内径より大きい近位径を含む。
【0050】
本発明の実施形態において、遠位側C型管は、ワイヤの長手方向軸と同軸で独立して摺動可能である。
【0051】
本発明の実施形態において、展開デバイスは更に、ガイドワイヤを挿入するための、近位のガイドワイヤ出口及び遠位のガイドワイヤ入口を含むガイドワイヤ管腔を含む。ガイドワイヤ挿入時、ガイドワイヤは、経皮的に、血管の管腔から経皮的に形成された穿刺口を通って遠位のガイドワイヤ入口へと近位方向に延びる。遠位のガイドワイヤ入口から、ガイドワイヤは近位方向にガイドワイヤ管腔を通って近位のガイドワイヤ出口に延び、ガイドワイヤは近位側でガイドワイヤ管腔から出る。
【0052】
本発明の実施形態において、皮膚フランジアセンブリは遠位端及び近位端を含み、遠位方向に制御ハウジングの長手方向軸に沿って摺動可能である。近位部は制御ハウジングの外側部に沿って摺動し、遠位部は遠位側C型管の外側部に沿って摺動する。
【0053】
本発明の実施形態において、制御ハウジングは皮膚フランジアセンブリに部分的に収容される。
【0054】
本発明の実施形態において、近位管は制御ハウジング内に収容され、またワイヤの長手方向軸に沿って独立して摺動可能である。
【0055】
本発明の実施形態において、スライドバレルは概して、ワイヤの近位部が制御ハウジング内でワイヤフェルールに取り付けられる位置より遠位にある。スライドバレルアセンブリは、ワイヤの長手方向軸に沿って遠位方向に摺動可能である。
【0056】
本発明の実施形態において、プッシュ管は、プラグを、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置へと押し出す。プッシュ管は近位管内に位置する。プッシュ管の遠位端はプラグに隣接している(あるいは、プッシュ管の遠位端はプラグに隣接している挿入部に隣接し得る)。スライドバレルアセンブリを部分的に通って延びるプッシュ管の近位端は、スライドバレルアセンブリの近位部より遠位にあり且つ切断レバーの下にある。プッシュ管の近位端は位置合わせキー内で入れ子にし得る。プッシュ管は、ワイヤの長手方向軸に沿って遠位方向に摺動可能であり、また主導管領域内でプラグを押すことができる。
【0057】
本発明の実施形態において、切断レバーは、ヒンジピン機構によってスライドバレルに蝶番状に取り付けられる近位部を含む。切断レバーは、垂直方向にヒンジピン機構を中心として移動可能(蝶番状に移動可能)であるため、その遠位端は上方向にワイヤの長手方向軸から遠ざかるように回転する。
【0058】
本発明の実施形態において、側方定荷重ばねは部分的に皮膚フランジアセンブリ内に位置し、左側方定荷重ばね及び右側方定荷重ばねを含む。左側方定荷重ばね及び右側方定荷重ばねはそれぞれ、平坦部及びロールばね部を含む。側方定荷重ばねのロールばね部は、制御ハウジングの側方外側遠位部に位置する(皮膚フランジアセンブリの遠位端内)。左側方定荷重ばねの平坦部の近位端は、皮膚フランジアセンブリの左内側近位部内に位置し、許容し得る取り付け手段(例えば、ネジ)により皮膚フランジアセンブリの内側近位部に取り付けられ、制御ハウジングの左外側部に沿って遠位方向に左側方定荷重ばねのロールばね部にまで延びる。右側方定荷重ばねの平坦部の近位端は皮膚フランジアセンブリの右内側近位部内に位置し、許容し得る取り付け手段(例えば、ネジ)により皮膚フランジアセンブリの内側近位部に取り付けられ、制御ハウジングの右外側部に沿って遠位方向に右側方定荷重ばねのロールばね部にまで延びる。
【0059】
本発明の実施形態において、側方定荷重ばねは、遠位方向に働く一定の力によって遠位方向に皮膚フランジ部を移動させることができる。
【0060】
本発明の実施形態において、側方定荷重ばねは、遠位方向に働く一定の力を皮膚の外面に経皮的穿刺口のすぐ手前で印加することができる。
【0061】
本発明の実施形態において、側方定荷重ばねは、近位方向に働く一定の引張力をワイヤに印加することができ、この近位方向に働く一定の引張力は、血管の内壁にフットプレートを当接させて配置する。フットプレートが配置される位置でデータムが形成される。
【0062】
本発明の実施形態において、展開デバイスは更に、部分的に皮膚フランジアセンブリ内に、制御ハウジングの外側部に沿って位置する回転式制動システムを含む。回転式制動システムは、皮膚フランジアセンブリ上の側方定荷重ばねによって生み出される遠位方向に働く一定の力を完全に打ち消すわけではないが部分的に抵抗する。
【0063】
本発明の実施形態において、上下定荷重ばねは部分的に皮膚フランジアセンブリ内に位置し、上部定荷重ばね及び下部定荷重ばねはそれぞれ、平坦部及びロールばね部を含む。下部定荷重ばねの下部平坦ばね部の近位端は、(許容し得る固締手段、例えばネジによって)スライドバレルの下部に取り付けられ、制御ハウジングの下部外側部に沿って遠位方向に下部ロールばね部にまで延びる。下部ロールばね部は、制御ハウジングの下部遠位外側部(皮膚フランジアセンブリの遠位部内)に位置する。上部定荷重ばねの上部平坦ばね部の近位端は、(許容し得る固締手段、例えばネジによって)スライドバレルの上部に取り付けられ、制御ハウジングの上部外側部に沿って遠位方向に上部ロールばね部にまで延びる。上部ロールばね部は、制御ハウジングの上部遠位外側部(皮膚フランジアセンブリの遠位部内)に位置する。
【0064】
本発明の実施形態において、上部定荷重ばね及び下部定荷重ばねは、遠位方向に働く一定の力によって遠位方向にスライドバレルアセンブリを移動させることができる。スライドバレルアセンブリは、スライドバレルに上下定荷重ばねによって印加される遠位方向に働く一定の力によって、遠位方向にプッシュ管を押すことができる。プラグは、経皮的穿刺口並びに展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置(例えば、血管壁に形成された開口部内)に経皮的に押し出され、血管閉鎖デバイス展開後位置は、血管壁に形成された開口部を封止するためのワイヤ及びフットプレートでのデータムの形成によって制御される。したがって、この生体組織に形成された開口部(例えば、血管壁に形成された)は、遠位側又は外側の縁部又は表面及び近位側又は内側の縁部又は表面を含み(すなわち、壁厚)、本発明の実施形態の閉鎖デバイスが有用な「プラットフォーム」を提供する。
【0065】
本発明の実施形態において、ワイヤフェルールは近位管内に位置し、制御ハウジングの長手方向軸に沿って長手方向に摺動することができる。
【0066】
本発明の実施形態において、絞りレバーハンドルアセンブリの絞りレバーハンドルは、側方上部フック状端部によって着脱自在に皮膚フランジアセンブリの近位端に取り付けられる。側方上部フック状端部は、左上部フック状端部及び右上部フック状端部を含む。絞りレバーハンドルアセンブリのリンクは、上部フック状部及び下部を含む。リンクの上部フック状部は着脱自在にスライドバレルの下部ヒンジピン機構に取り付け可能であり、リンクの下部はヒンジピン機構によって絞りレバーハンドルに取り付けられる。
【0067】
展開デバイスは、数多くの適切な耐久性の材料から形成し得る。1つの実施形態において、展開デバイスは、適切なプラスチック(熱可塑性等)と金属との組合せから形成される。改変した実施形態においては、とりわけ他の適切なプラスチック、金属、合金、セラミック又はこれらの組合せを、必要又は要求に応じて効果的に利用し得る。適切な表面コーティング又は仕上げ加工を、必要又は要求に応じて施し得る。
【0068】
展開デバイスの実施形態は、数多くの製造技法で作製することができる。これらにはとりわけ、必要又は要求に応じて、効果的な成形、押出成形、機械加工、打抜き加工、鋳造、鍛造、レーザーカット及び/又はレーザー加工、ラミネート加工、接着剤による固定、溶接及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0069】
本発明の実施形態において、閉鎖デバイスを自動的に展開することを目的とした展開デバイスの作動方法を提供する。この方法には、第1解除機構(例えば、フック/ショルダー解除)を自動的に作動させるユーザによる第1絞り動作があり、同時に少なくとも1つの第1弾性部材は第1可動性/摺動性要素に運動エネルギーを付与することができる。
【0070】
本発明の実施形態において、閉鎖デバイスを自動的に展開することを目的とした展開デバイスの作動方法を提供する。この方法には、第2解除機構(例えばフック/ショルダー解除)を自動的に作動させるユーザによる第2絞り動作があり、同時に少なくとも1つの第2弾性部材は第2可動性/摺動性要素に運動エネルギーを付与することができる。
【0071】
本発明の実施形態において、生体組織に形成された開口部(血管(例えば、大腿動脈等の動脈)、臓器等に経皮的に形成された穿刺口、切開創又は他の開口部等)を封止又は閉鎖することによって出血(又は他の体液若しくは組織の流出)を制御する(又は防止する又は停止させる)ための、本発明の実施形態の閉鎖デバイスを展開する方法を提供する。例えば、この方法は、診断又は治療上の血管内外科的処置の最後に実施することができる。
【0072】
本発明の実施形態において、プラグ、プラグに対して非拘束位置と拘束位置との間で構成可能な塑性的に変形可能な部位を含む剛性ワイヤ及びこのワイヤに取り付けられたフットプレートを含む、生体組織に形成された開口部を封止するための閉鎖デバイスを提供する。
【0073】
プラグ、ワイヤ及びフットプレートの少なくとも1つは、少なくとも部分的に生体腐食性金属で形成し得る。生体腐食性金属は、マグネシウム又はマグネシウム合金を含み得る。マグネシウム合金は、AZ31を含み得る。
【0074】
閉鎖デバイスのプラグは、第1寸法を有する第1部位及び第1寸法より大きい第2寸法を有する第2部位を含み得る。フットプレートはプラグの第1部位より遠位に位置決めし得て、変形可能な部位はプラグの第2部位より近位に配置し得る。
【0075】
プラグは遠位面及び近位面を含み得て、プラグの遠位面の面積はプラグの近位面の面積より小さい。閉鎖デバイスのワイヤは拘束位置に置かれ得て、またプラグの近位面としっかりと係合して位置決めされる塑性的に変形した屈曲部を有し得る。ワイヤは長手方向軸を含み得て、塑性的に変形した屈曲部は、長手方向軸から角度約30〜90°で屈曲し得る。
【0076】
また、プラグは実質的にT型、実質的に円錐型又は実質的にラッパ型に形成し得る。プラグはワイヤが通る通路を含み得て、プラグはワイヤに沿って移動可能である。
【0077】
閉鎖デバイスのフットプレートは、ワイヤの実質的にループ状の遠位部になり得る。フットプレートは、ワイヤの遠位端に取り付けられた細長いプレート部及びそれを貫通して形成される開口部を含み得る。フットプレートはソケットを含む細長いプレート部分を含み得て、ワイヤの遠位端はソケットによって捕捉される。ワイヤの遠位端は、実質的に球状になり得る。フットプレートは、ワイヤの遠位端に蝶番状に取り付けられる細長いプレート部を含み得る。
【0078】
閉鎖デバイスのワイヤは、モノフィラメント及びマルチフィラメントから成る群から選択される伸張性の要素になり得る。
【0079】
フットプレート及びプラグは生分解性になり得る。フットプレートは、プラグより速い速度で生分解可能である又はそのように適合されているため、フットプレートはプラグの完全な生分解より先に完全に生分解する。
【0080】
本発明の実施形態において、(a)長手方向軸に沿って延びるハウジング、(b)バイアス力を印加するように適合された少なくとも1つのバイアス部材、(c)バイアス力が摺動部材に印加されるようにバイアス部材に連結される第1摺動部材及び(d)バイアス部材解除機構が第1位置にある場合に第1摺動部材がハウジング対して拘束されるように第1位置と第2位置との間で移動可能なバイアス部材解除機構を含む閉鎖デバイス展開デバイスを提供する。また、バイアス部材解除機構は、バイアス部材解除機構が第2位置にある場合に第1摺動部材が長手方向軸の方向に沿って摺動可能となるように第1位置と第2位置との間で移動可能であり、バイアス部材解除機構が第2位置にある場合は、バイアス力が第1摺動部材を長手方向軸の方向に沿って摺動させる。閉鎖デバイスは、細長い面に沿って延びるフットプレートになり得る。
【0081】
展開デバイスは更に、細長いハウジングに相互接続された少なくとも第1遠位側C型管を含み得る。第1遠位側C型管は、フットプレートを、長手方向軸に平行な細長い平面位置から長手方向軸に対して実質的に垂直な細長い平面位置へと駆動するように適合された枢動点を含み得る。
【0082】
展開デバイスは更にハウジングに相互接続された第2遠位側C型管を含み得て、第1遠位側C型管は第2遠位側C型管内に同心で収容されて主導管領域が形成される。閉鎖デバイスはプラグを含み得て、プラグは主導管領域内を移動可能である。遠位側C型外管は更に、遠位側C型外管に取り付けられる細長いガイドワイヤ管腔を含み得る。第2遠位側C型管は、生体組織からの体液を近位方向に主導管領域に流すことが可能な又は流すように適合された流入口を含み得る。
【0083】
第1及び第2遠位側C型管はそれぞれ、同心で整列し且つ近位方向に流れる体液のための空気の出口として機能可能な又は機能するように適合された流出口を含み得る。遠位側C型内管及び外管はそれぞれ局所的に膨張して互いから分離するため主導管領域内でのプラグの移動が可能になる。遠位側C型内管及び外管はそれぞれ、長手方向軸に沿って独立して同軸で摺動するように適合され得る。
【0084】
少なくとも1つのバイアス部材は、遠位部及び近位部を含む側方定荷重ばねを含み得る。第1摺動部材は皮膚フランジアセンブリを含み得て、側方定荷重ばねの近位端は皮膚フランジアセンブリに相互接続する。バイアス部材解除機構が第2位置にある場合に皮膚フランジアセンブリを遠位方向に移動させるように側方定荷重ばねを適合させ得る。皮膚フランジアセンブリは更に少なくとも1つの近位部を含み得て、皮膚フランジアセンブリの少なくとも1つの近位部は更にバイアス部材解除点を含めた近位端を含み、バイアス部材解除点は更にアンダーカット部を含む。バイアス部材解除機構は更に、少なくとも1つのフック状端部を含む、ハウジングに相互接続されたハンドルを含み、この少なくとも1つのフック状端部はアンダーカット部と選択的に係合するように構成される。
【0085】
少なくとも1つのバイアス部材は、上部定荷重ばね及び下部定荷重ばねから成る群から選択される、近位端及び遠位端を含む定荷重ばねを含み得る。第1摺動部材はスライドバレルを含み得て、定荷重ばねの近位端はスライドバレルに相互接続する。スライドバレルは更にバイアス部材解除点を含めた底部を含み得て、バイアス部材解除点は更にヒンジピンを含み得る。バイアス部材解除機構は更にフック状端部を有するリンクを含む、ハウジングに相互接続された絞りレバーハンドルアセンブリを含み得て、フック状端部は、選択的にヒンジピンから外れるように構成されている。
【0086】
本発明の実施形態において、長手方向軸に沿って延び且つ近位部及び遠位端を有する剛性で塑性的に変形可能なワイヤ、細長い面に沿って延び且つ細長い面が少なくとも実質的に長手方向軸に平行な第1位置と細長い面が実質的に長手方向軸と平行ではない第2位置との間で枢動可能なワイヤの遠位端に位置するフットプレート並びにワイヤに沿って近位部から遠位端、第2位置にあるフットプレートに隣接したある位置へと移動するように適合された実質的に剛性のプラグを含む閉鎖デバイスを提供する。フットプレートはワイヤと一体型になり得て、またフットプレート及びワイヤを別個の部品として構成し得る。
【0087】
本発明の実施形態において、プラグ、ワイヤ及びフットプレートを含む、プラグ、ワイヤ及びフットプレートの少なくとも1つは少なくとも部分的に生体腐食性金属で形成される、生体組織に形成された開口部を封止するための閉鎖デバイスを提供する。生体腐食性金属は、マグネシウム又はマグネシウム合金を含み得る。マグネシウム合金はAZ31を含み得る。プラグは少なくとも部分的に第1マグネシウム合金で形成され得て、フットプレートは少なくとも部分的に第2マグネシウム合金で形成され得て、第1マグネシウム合金及び第2マグネシウム合金は異なるマグネシウム合金である。
【0088】
本発明の実施形態において、生体組織に形成された開口部を封止するための閉鎖デバイスは、プラグ、ワイヤ、フットプレート及びワイヤとフットプレートとを連結するように適合された連結機構を含む。連結機構は、実質的に球状のボール部及びこのボール部を捕捉するように適合されたソケット部を含む。ボール部はフットプレートに連結し得て、ソケット部をワイヤに連結し得る。あるいは、ボール部をワイヤに連結し得て、ソケット部はフットプレートに連結し得る。フットプレートは少なくとも第1及び第2軸を中心としてワイヤに対して回転可能になり得る。フットプレートは、3本以上の軸を中心としてワイヤに対して回転可能になり得る。
【0089】
本発明の実施形態において、閉鎖デバイス展開デバイスは、長手方向軸に沿って延びるハウジング、ハウジングに相互接続された第1遠位側C型管、ハウジングに相互接続された第2遠位側C型管を含み、第1遠位側C型管は第2遠位側C型管内に同心で収容されて主導管領域が形成され、第1及び第2遠位側C型管はそれぞれ、長手方向軸に沿って独立して同軸で摺動するように適合される。閉鎖デバイスはプラグを含み得て、プラグは主導管領域内を移動可能である。遠位側C型内管及び外管をそれぞれ、局所的に膨張して互いから分離することによって主導管領域内でのプラグの移動を可能にするように適合させ得る。
【0090】
添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、本発明をより深く理解し、正しく評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1a】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1b】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1c】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1d】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1e】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1f】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1g】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1h】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1i】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1j】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1k】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1l】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1m】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1n】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1o】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図1p】本発明の実施形態によるフットプレートの斜視図である。
【
図2a】本発明の実施形態による完全に組み立てられた展開デバイスの右側斜視図である。
【
図2b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた右側斜視図である。
【
図3a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた右側斜視図である。
【
図3b】本発明の実施形態による
図3aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図4a】本発明の実施形態による展開デバイスの遠位部の斜視図である。
【
図4b】本発明の実施形態による
図4aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図5a】本発明の実施形態によるプラグの斜視図である。
【
図5b】本発明の実施形態によるプラグの斜視図である。
【
図5c】本発明の実施形態によるプラグの斜視図である。
【
図5d】本発明の実施形態によるプラグの斜視図である。
【
図5e】本発明の実施形態によるプラグの斜視図である。
【
図5f】本発明の実施形態によるプラグの斜視図である。
【
図6a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた右側斜視図である。
【
図6b】本発明の実施形態による
図6aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図6c】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた右側斜視図である。
【
図7a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた上側斜視図である。
【
図7b】本発明の実施形態による
図7aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図7c】本発明の実施形態による
図7aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図8】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた遠位部の斜視図である。
【
図9a】本発明の実施形態による展開デバイスの遠位部の斜視図である。
【
図9b】本発明の実施形態による
図9aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図9c】本発明の実施形態による展開デバイスの遠位端の切欠き斜視図である。
【
図9d】本発明の実施形態による、プラグの通過を可能にしながらの遠位側C型管の一部の局所的な膨張を示す斜視図である。
【
図10a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図10b】本発明の実施形態による
図10aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図11】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図15a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた右側斜視図である。
【
図15b】本発明の実施形態による
図15aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図16】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図17a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた右側斜視図である。
【
図17b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図18】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた背面斜視図である。
【
図19】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側斜視図である。
【
図20】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側斜視図である。
【
図21a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図21b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図21c】本発明の実施形態による
図21aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図21d】本発明の実施形態による
図21aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図22a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図22b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図22c】本発明の実施形態による
図22bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図22d】本発明の実施形態による
図22bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図22e】本発明の実施形態による
図22aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図23a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図23b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図23c】本発明の実施形態による
図23bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図23d】本発明の実施形態による
図23bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図23e】本発明の実施形態による
図23aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図24a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図24b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図24c】本発明の実施形態による
図24bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図24d】本発明の実施形態による
図24bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図24e】本発明の実施形態による
図24bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図24f】本発明の実施形態による
図24bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図25a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図25b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図25c】本発明の実施形態による
図25bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図25d】本発明の実施形態による
図25bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図26a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図26b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図26c】本発明の実施形態による
図26bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図26d】本発明の実施形態による
図26aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である
【
図26e】本発明の実施形態による
図26bの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図26f】本発明の実施形態による
図26aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図26g】本発明の実施形態による
図26aの展開デバイスの一部の拡大された垂直断面図である。
【
図27】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の左側斜視図である。
【
図28a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図28b】本発明の実施形態による展開デバイスの下側斜視図である。
【
図29a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図29b】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の上側断面図である。
【
図29c】本発明の実施形態による
図29aの展開デバイスの一部の拡大された垂直断面図である。
【
図29d】本発明の実施形態による
図29aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図29e】本発明の実施形態による
図29aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図29f】本発明の実施形態による
図29aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図30a】本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた部位の右側断面図である。
【
図30b】本発明の実施形態による
図30aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図30c】本発明の実施形態による
図30aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。
【
図31】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図32】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図33】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図34】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図35】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図36】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図37】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図38】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図39】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図40】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図41】血管に形成された開口部を封止するための、本発明の実施形態による閉鎖デバイスを展開する展開デバイスの使用における連続したステップを示す。
【
図42】本発明の実施形態による、血管に形成された開口部と封止関係にある閉鎖デバイス(すなわち、閉鎖デバイス展開後の構成及び位置)を示す。
【
図43】本発明の実施形態による、血管に形成された開口部と封止関係にある閉鎖デバイス(すなわち、閉鎖デバイス展開後の構成及び位置)を示す。
【
図44】aは、本発明の代替の実施形態によるフットプレートの底側斜視図である。bは、本発明の代替の実施形態によるフットプレートの上側斜視図である。
【
図45】本発明の代替の実施形態によるフットプレートのワイヤボールソケットで連結されたワイヤの遠位先端部のボール状端部を示す。
【
図46】a、b、c、dは、本発明の代替の実施形態によるワイヤアセンブリの様々な図である。
【
図47】a、b、cは、本発明の代替の実施形態によるシースアセンブリの様々な図である。
【
図48】本発明の代替の実施形態によるフィンガープル/シース接触を示す。
【
図49】本発明の代替の実施形態による後退したシース及び露出したフットプレートを示す。
【
図50】a、bは、本発明の代替の実施形態によるプラグの様々な図である。
【
図51】本発明の代替の実施形態によるロッキングピン、ハウジング、フィンガープル及び皮膚フランジの長手方向断面図である。
【
図52】a、bは、本発明の代替の実施形態による展開デバイスからのロッキングピンの取り外しを示す。
【
図53】a、bは、本発明の代替の実施形態による展開デバイスの右側斜視図及び当該展開デバイスの拡大ウインドウ部図である。
【
図54】本発明の代替の実施形態による皮膚フランジ及びハウジングの内側の一部の拡大図である。
【
図55】本発明の代替の実施形態による皮膚フランジ及びハウジングの内側の一部の拡大図である。
【
図56】a、bは、本発明の代替の実施形態による母指クラッチの様々な図である。
【
図57】本発明の代替の実施形態による母指クラッチ及び展開デバイスの近端の他の構成要素とのその相関関係を示す。
【
図58】a、bは、本発明の代替の実施形態による母指クラッチ及び展開デバイスの近端の他の構成要素とのその相関関係を示す。
【
図59】本発明の代替の実施形態による展開デバイスの部位に対する母指クラッチの遠位方向移動機能性を示す。
【
図60】本発明の代替の実施形態によるロック前及びロック後位置にあるプッシュ管ロッキングレバーの詳細を示す。
【
図61】本発明の代替の実施形態による使用中及びほぼ完全に展開した位置にある皮膚フランジ及び展開デバイスの他の遠位部を示す。
【
図62】本発明の代替の実施形態による比較的薄い動脈壁(
図63と比較)に対する展開位置にあるプラグ及びフットプレートを示す。
【
図63】本発明の代替の実施形態による比較的厚い動脈壁(
図62と比較)に対する展開位置にあるプラグ及びフットプレートを示す。
【
図64】a、b、cは、本発明の代替の実施形態によるプッシュ管アセンブリ及びアセンブリの様々な拡大部を示す。
【
図65】本発明の代替の実施形態によるカッターレバーアセンブリを示す。
【
図66】a、b、cは、本発明の代替の実施形態によるカッター管アセンブリ及びアセンブリの様々な拡大部図である。
【
図67】本発明の代替の実施形態によるワイヤ上で撓み、ワイヤをせん断しているカッター管アセンブリを示す。
【
図68】本発明の代替の実施形態による高粘度生体適合性潤滑剤の膜を使用した粘性せん断により制動された皮膚フランジ及びハウジングの部位を示す。
【
図69】a、bは、本発明の代替の実施形態によるカッターレバーアセンブリの回転を通しての一定圧力角の維持を示す。
【
図70】本発明の代替の実施形態による皮膚フランジアセンブリの左側斜視図及び拡大ウインドウ図である。
【
図71】本発明の代替の実施形態による展開デバイスの分解組立図である。
【
図72】本発明の代替の実施形態によるフィンガープルの左側図及び右側図である。
【
図73】本発明の代替の実施形態によるハウジングの左半分の左側図及び右側図である。
【
図74】本発明の代替の実施形態によるハウジングの右半分の左側図及び右側図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
ここで、本発明の好ましい実施形態について詳述し、その例を添付の図面に示す。
【0093】
本発明の実施形態では、フットプレート110(後述するように、フットプレートはいずれの実施形態のフットプレートも含み得る)、プラグ111及びワイヤ120を含む閉鎖デバイス100を提供し、この閉鎖デバイス100は、生体組織に形成された開口部、例えば経皮的に形成された穿刺口(穿刺口は、血管壁を貫通して形成された開口部及び生体組織を貫通して形成された開口部とつながった組織路を含み、組織を通って血管を覆う皮膚へと延びる)、切開創又は血管、臓器等の生体組織に形成する別のタイプの開口部を封止又は閉鎖することによって出血(又は他の体液若しくは組織の流出)を制御する(又は防止する又は停止させる)のに使用することができる。例えば、本発明の実施形態の閉鎖デバイス100は、動脈切開術創(大腿動脈等の動脈における開口部又は切開創であり、診断又は治療上の血管内外科的処置の間に臨床医が経皮的に形成した穿刺口(血管の真上の皮膚及び組織を通る開放組織路)と共に形成される)の封止に使用することができる。
【0094】
本発明の実施形態において、閉鎖デバイス100は、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置又は血管閉鎖デバイス展開後の構成及び位置となり得る。展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置には、閉鎖デバイス100が本発明の実施形態の展開デバイス200(閉鎖デバイス100を例えば血管壁の開口部内へと展開して血管を封止することによって開口部から流出する血液を止めるのに使用する)内に位置する構成及び位置が含まれる。展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置には、閉鎖デバイス100が血管壁の開口部内に開口部を通って位置する構成及び位置が含まれる。
【0095】
閉鎖デバイス100、展開前及び展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置、展開デバイス200並びに閉鎖デバイス100を展開して血管壁の開口部を封止する方法について、図を参照しながら以下でより詳しく説明する。
【0096】
ここで図面を参照するが、図面全てに関して同様の番号は同様の部品を示す。
図1aは本発明の実施形態によるフットプレート110を示す。この実施形態は展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート110を示し、フットプレート110は展開デバイス200(図示せず)の遠位端内にある。フットプレート110は、ある単位長さの、細長U型ループ30の細長い形状に曲げられたワイヤ120(一体型の構造体)の遠位部を含む。細長U型ループ30は、開放近位端101、閉鎖遠位端102及び一対の長手方向の横に間隔をあけて延びるレッグ31、32を含む。閉鎖遠位端102及び長手方向の横に間隔をあけて延びるレッグ31、32は共通面において実質的に同一平面上にあり、また展開デバイス200の制御ハウジング210の長手方向軸に実質的に平行である。細長U型ループ30の閉鎖遠位端102は、細長い形状に曲げたワイヤの長手方向遠位端を規定している。細長U型ループの一対の長手方向の横に間隔をあけて延びるレッグ31、32は、細長U型ループ101の開放近位端に位置する自由近位端を有するフリーレッグ31とコネクティングレッグ32とを含む。螺旋状に形成された連絡部33はワイヤ120につながっている。螺旋形の連絡部33は、屈曲領域で恒常的に(塑性的に)変形可能である。ワイヤ120は、制御ハウジング210の長手方向軸の軸上にある。ワイヤ120はフットプレート110より近位にあり、細長U型ループ30の開放近位端101で、螺旋形の連絡部33は、(長手方向に横に間隔をあけて延びるレッグ31、32と実質的に同一平面上にある)ジョイニングレッグ34とワイヤ120との間に延びる。
【0097】
図1bには、本発明の実施形態によるフットプレート110を図示している。この実施形態は、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にある(
図1aの)フットプレート110であり、フットプレート110の一部は、経皮的な穿刺口(図示せず)の下にある血管(例えば動脈。図示せず)の内壁に当接して配置される。螺旋形の連絡部33は屈曲領域を含み、その屈曲領域は恒常的に(塑性的に)変形する。閉鎖端102及び一対の長手方向に横に間隔をあけて延びるレッグ31、32は、実質的に共通面において同一平面上に留まり、また実質的に穿刺口の長手方向軸に対して垂直であり、また実質的に血管の内壁の面に平行である。ワイヤ120は、螺旋形の連絡部33から近位方向に血管壁の開口部を通って組織路にまで延び、ここでワイヤ120は、(展開デバイス200により切断及び屈曲させられる前)穿刺口の長手方向軸の軸上にある。
【0098】
図1cには、本発明の実施形態によるフットプレートを図示している。この実施形態は、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート110’であり、フットプレート110’は、展開デバイス200(図示せず)の遠位端内にある。フットプレート110’は、ある単位長さの、細長U型ループ30’の細長い形状に曲げられたワイヤ120(一体型の構造体)の遠位部を含む。細長U型ループ30’は、開放遠位端102’、近位端101’及び一対の長手方向の横に間隔をあけて延びるレッグ31’、32’を含む。細長U型ループ30’の閉鎖近位端101’は、細長い形状に曲げたワイヤの長手方向近位端を規定している。細長U型ループ30’の一対の長手方向の横に間隔をあけて延びるレッグは、細長U型ループ30’の開放遠位端102’に位置する自由遠位端を有するフリーレッグ31’とコネクティングレッグ32’とを含む。弧状に湾曲した連絡部33’及び屈曲領域を含む内側レッグ34’を示す。弧状に湾曲した連絡部33’は、開放遠位端102’で、コネクティングレッグ32’と内側レッグ34’との間に延び、曲げたワイヤの長手方向遠位端を規定している。細長U型ループ30’及び弧状に湾曲した連絡部33’は、共通面において実質的に同一平面上にあり、また展開デバイス200の制御ハウジング210の長手方向軸の軸上にある。弧状に湾曲した連絡部33’は、コネクティングレッグ32’に向って、フリーレッグ31’とコネクティングレッグ32’との間の内側レッグ’へと内側に湾曲している。フリーレッグ31’及びコネクティングレッグ32’はそれぞれ、スポット溶接部35で内側レッグの遠位部に固定される。スポット溶接部35は、電子ビームスポット溶接部又はレーザースポット溶接部を含み得る。フリーレッグの遠位端は、フリーレッグが内側レッグ34’にスポット溶接される位置で終わる(ただし、それより長い又は短い場合もある)。内側レッグ34’は、近位方向に閉鎖近位端101’に向って閉鎖近位端101’の下を通って延び(ただし、その上を通って延びる場合もある)、また共通面からのある角度でもって閉鎖近位端101’を越えてワイヤ120まで延び、ワイヤ120はフットプレート110’より近位側にある。
【0099】
図1dには、本発明の実施形態によるフットプレート110’を図示している。この実施形態は、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にある
図1cのフットプレート110’であり、フットプレート110’の一部は、経皮的な穿刺口(図示せず)の下にある血管(例えば動脈。図示せず)の内壁に当接して配置される。(好ましくは内側レッグ34’のスポット溶接部35の近位側にある)屈曲領域は、恒常的に(塑性的に)変形する。細長U型ループ30’及び弧状に湾曲した連絡部33’は実質的に共通面において同一平面上に留まり、また実質的に穿刺口の長手方向軸に対して垂直であり、また実質的に血管の内壁の面に平行である。ワイヤ120は、屈曲領域から近位方向に血管壁の開口部を通って組織路内にまで延び、ここでワイヤ120は、(展開デバイス200により切断及び屈曲させられる前)穿刺口の長手方向軸の軸上にある。
【0100】
図1e〜1fでは、本発明の実施形態によるフットプレート710を図示している。これらのフットプレートの実施形態はそれぞれ、フリーレッグ731及びスポット溶接部735を除いて
図1c〜1dに図示のフットプレートと同様である。
図1e及び
図1fに示すように、フリーレッグ731はフック状の遠位端を備え、スポット溶接部735だけが内側レッグ734をコネクティングレッグ732に固定している。細長U型ループ730、近位端1101、遠位端1102及び尖って湾曲した連絡部733も図示している。
【0101】
図1gでは、本発明の実施形態によるフットプレート810を図示している。この実施形態は展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート810であり、フットプレート810は、展開デバイス200(図示せず)の遠位端内にある。フットプレート810は、長手方向に成形されたブロック又はバー837である。バー837は、長手方向開口部840、弧状上面838、弧状底面(図示せず)(あるいは、上面及び底面は実質的に平坦になり得る)、周囲側面839、近位端2101及び遠位端2102を含む。ワイヤ120は、平坦又はコイン状の遠位端836によりバー837に連結され(好ましくは溶接されている)、この遠位端836は、バー837の弧状上面838の遠位端2102に連結される(弧状底面に連結される場合もある)。コイン状遠位端836は近位方向に内側部834に延び、内側部834は開口部840を通って近位端2101の下に延びる(上を通って延びる場合もある)。
【0102】
図1hでは、本発明の実施形態によるフットプレート810を図示している。この実施形態は、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にある
図1gのフットプレート810であり、フットプレート810の一部は、経皮的な穿刺口(図示せず)の下にある血管(例えば動脈。図示せず)の内壁に当接して配置される。内側部834は、恒常的に(塑性的に)変形する屈曲領域を含む。内側部834は、近位方向に開口部840を通って延びる。ワイヤ120は、内側部834から近位方向に血管壁の開口部を通って組織路まで延び、ここでワイヤ120は、(展開デバイス200により切断及び屈曲させられる前)穿刺口(図示せず)の長手方向軸と同軸である。
【0103】
図1i〜1jでは、本発明の実施形態によるフットプレート1010を図示している。フットプレートのこれらの実施形態はそれぞれ、ワイヤ120の遠位端1036を除いて
図1g〜1hに図示のフットプレートと同様である。遠位端1036は平坦でもなければコイン状でもない(しかしながら、残りのワイヤと同じ円形の断面のままである)。ワイヤ120は、フットプレート1010のバー1037の遠位端4102で、ワイヤ120の遠位部と弧状上面1038との間の長手方向の界面に沿って両側で取り付けられる(好ましくは溶接する)。近位端4101、内側部1034、開口部1040及び周囲側面1039も図示している。
【0104】
図1kは、本発明の実施形態によるフットプレート910の上側斜視図である。この実施形態は、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート910であり、フットプレート910は、展開デバイス200(図示せず)の遠位端内にある。フットプレート910は、長手方向に成形されたブロック又はバー937を含む。バー937は、実質的に平坦である上面938、実質的に平坦である底面(図示せず)、周囲側面939、近位端3101及び遠位端3102を含む。ワイヤ120は、ボール状端部936によりバー937に連結されていて、ボール状端部936は、バー937の平坦な上面938のソケット941に連結されている(平坦な底面に連結する場合もある)。ソケット941は「C」のように形成されていて、
図1lに示すように、フットプレート910が動かせるようになっている。ワイヤ120の一部は、バー937の上面938の弧状に形成された凹部942に納まり得る。
【0105】
図1lは、本発明の実施形態によるフットプレート910の底面斜視図である。この実施形態は、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にある
図1iのフットプレート910であり、フットプレート910の一部は、経皮的な穿刺口(図示せず)の下にある血管(例えば動脈。図示せず)の内壁に当接して配置される。この実施形態のフットプレート910には屈曲領域がない。バー937は、ボール936及びソケット941の構造/機構に従って回転可能である。これによって回転地点が確立され、この確立された回転地点を中心として近位端3101は遠位方向に下に回転し、遠位端3012は近位方向に上に回転する(あるいは、別の構成では反対方向に回転する場合もある)。
図1lは、その完全に作動した又は回転した位置にあるフットプレート910を示している。ワイヤ120は、ボール936から近位方向に血管壁の開口部を通って組織路まで延び、ここでワイヤ120は、(展開デバイス200により切断及び屈曲させられる前)穿刺口(図示せず)の長手方向軸の軸上にある。実質的に平坦な底面943を図示しているが、この実質的に平坦な底面943は、バー937の上面938の凹部942の底部を含む突出部を更に含み得る。
【0106】
図1mは、本発明の実施形態によるフットプレート1110の上側斜視図である。この実施形態は、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート1110であり、フットプレート1110は、展開デバイス200(図示せず)の遠位端内にある。フットプレート1110は、長手方向に成形されたブロック又はバー1137を含む。バー1137は「Y型」であり、実質的に平坦な上面1138、実質的に平坦な底面1143(図示せず)、周囲側面1139、近位端5101、遠位端5102及びスロット1146で隔てられた2本の近位方向に延びる実質的に同一平面上のレッグ1144、1145(図示せず)を含む。ワイヤ120は、フック状端部1136を含むヒンジ機構によってバー1137に連結されており、このヒンジ機構は、バー1137の実質的に平坦な上面1138に取り付けられた半円部1141に連結されている(平坦な底面に連結する場合もある)。
【0107】
図1nは、本発明の実施形態によるフットプレート1110の底面斜視図である。この実施形態は、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にある
図1mのフットプレート1110であり、フットプレート1110の一部は、経皮的な穿刺口(図示せず)の下にある血管(例えば動脈。図示せず)の内壁に当接して配置される。この実施形態のフットプレート1110には屈曲領域がない。バー1137はヒンジ機構に従って回転可能であり、このヒンジ機構は回転地点を確立し、確立されたこの回転地点を中心として近位端5101は遠位方向に下に回転し、遠位端5012は近位方向に上に回転する(あるいは、別の構成では反対方向に回転する場合もある)。
図1nは、その完全に作動した又は回転した位置にあるフットプレート1110を示している。ワイヤ120は、近位方向に血管壁の開口部を通って組織路まで延び、ここでワイヤ120は、(展開デバイス200により切断及び屈曲させられる前)穿刺口(図示せず)の長手方向軸の軸上にある。実質的に平坦な底面1143も図示している。
【0108】
図1o〜1pでは、本発明の実施形態によるフットプレート1210を図示している。フットプレートのこれらの実施形態はそれぞれ、ワイヤ120のフック状遠位端1236並びに開口部1241及びスロット1246を通ってのその取付を除いて
図1m〜1nに図示のフットプレートの実施形態と同様である。フック状遠位端1236は、開口部1241を通してバー1237に取り付けられる。フック状遠位端1236は、実質的に平坦な底面1243から開口部1241を通って実質的に平坦な上面1238へと延び、次にスロット1246に引っ掛かることでフットプレート1210をワイヤ120に固定している。バー1237、遠位端6102及び近位端6101、実質的に平坦な上面1238、実質的に平坦な底面1243、周囲側面1239、2本の近位方向に延びる実質的に同一平面上のレッグ1244、1245、スロット1246並びにワイヤ120も図示している。
【0109】
本発明の実施形態に従って、本発明の実施形態の閉鎖デバイス100を装填した展開デバイス200を、図を参照しながら後述する。フットプレートに言及する際、使用し得るフットプレートの例として具体的にはフットプレート110’に言及する。ただし、上で言及したものを含めたいずれの実施形態のフットプレートもフットプレート110’の代わりに使用し得ることを理解されたい。
【0110】
図2a〜4bは、本発明の実施形態による、近位端10及び遠位端20を有する展開デバイス200の右側面図である(
図2aは完全に組立てられた展開デバイス200であり、
図2b、3、4は展開デバイス200の部分露出図であり、すなわち展開デバイス200の他の部品を見せるため一部の部品が描かれていない)。本発明の実施形態では、封止を必要とする血管内への展開に先立って、フットプレート110’は展開デバイス200の遠位端20に配置され、フットプレート110’は遠位側C型外管201内に位置し、残りのワイヤ120は、展開デバイス200内の遠位のフットプレート110’より近位方向に位置し、ワイヤフェルール250で終端している(後述する
図7aを参照のこと)。フットプレート110’は、展開デバイス200の制御ハウジング210の長手方向軸に対して軸方向の位置にある。後述するように、フットプレート110’の近位端101は、遠位側C型内管202の遠位端に当接する(
図4a〜4bを参照のこと)。
【0111】
図5a〜
図5fでは、本発明の実施形態によるプラグ111を図示する。これらの実施形態は、円錐形であり且つ遠位部(又は端部)104及び近位部(又は端部)103を含むプラグ111であり、プラグの遠位部104の直径は、プラグの近位部103の直径より小さい。後述するように、プラグ111の直径はそれが最大となる位置で、展開デバイスの主導管領域205の直径より大きい。
図5aは、プラグ111の右側面図である。
図5bは、プラグ111の上面図である。
図5cは、プラグ111の左側逆転図である。
図5dは、管腔105を有するプラグ111の正面図である。
図5eは、プラグ111の底面図である。
図5fは、管腔105を有するプラグ111の背面図である。本発明の実施形態では、プラグの遠位端に1つ以上の「切欠き部」又は「空洞」を設けることによってプラグ111がフットプレート110’及びワイヤ120と入れ子になるようにし得る。また、本発明の実施形態では、1つ以上の「切欠き部」又は「空洞」をプラグ111の近位端に設けることによって、プッシュ管212の遠位端にある挿入部112(
図10bを参照のこと)がフットプレート110’に対してプラグ111の回転を制御し続けられるようにもし得る。本発明の実施形態では、様々な組み合わせの「切欠き部」を有する又はいずれの「切欠き部」も有さないプラグ111を想定している。
【0112】
図6a〜6cは、本発明の実施形態による展開デバイス200の部分的に露出させた右側面図である。本発明の実施形態においては、封止を必要とする血管内への展開に先立って(すなわち、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置)、プラグ111を、フットプレート110’の近位側に、ワイヤ120の長手方向軸に沿って配置する。プラグ111は、展開デバイス200の近位側外管211(制御ハウジング210の内側にある)の遠位部内でプッシュ管212と遠位側で隣接している。
【0113】
図7a〜7cは、本発明の実施形態による展開デバイスの部分的に露出させた上面図である。この実施形態は、展開デバイス200内でのワイヤ120の位置を示す。ワイヤ120は、フットプレート110’からプラグ111の長手方向軸の孔105(図示せず)を通って遠位方向から近位方向に向かって延びる。ワイヤ120は、フットプレート110’から遠位側C型内管202(図示せず)及びせん断管224(プッシュ管212内)を通ってワイヤフェルール250の内側近位端へと延びる。
【0114】
本発明の実施形態において、本発明の実施形態の展開デバイス200の、展開前の閉鎖デバイス展開構成(デフォルトの構成)について、概してその遠位端20からその近位端10に向って以下で説明する。概して、該当する図において、許容し得る固締手段(例えば、ネジ)には番号226をつけ、ワッシャには番号214をつける。展開デバイス200の使用方法並びに展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置にある閉鎖デバイス100について以下で説明する。
【0115】
戻って
図2a〜2bにおいて、これらの実施形態は、遠位側C型外管201を含む展開デバイス200である。遠位側C型外管201の遠位端は、細くなったノーズ部又は先端部203を含む。遠位側C型外管201のこのノーズ部203が、フットプレート110’(図示せず)を収容する展開デバイスの部位である。残りの遠位側C型外管201は、その下部に長手方向の開口部204を含む遠位側C型内管202及びワイヤ120を収容する(
図8を参照のこと)。この2つの遠位側C型管が同心の入れ子構造となって主導管領域205を形成しており、これについては後述する。
【0116】
図8及び
図9a〜9cは、本発明の実施形態による展開デバイス200の遠位図である。
図9bは、遠位側C型外管201及び遠位側C型内管202によって形成される、血液マーキング路として機能する主導管領域205(
図9を参照のこと)への入口である流入孔406を図示している。流入孔406は、遠位側C型外管201の遠位端に位置する。更に、遠位側C型外管201及び遠位側C型内管202はそれぞれ、互いに同心で整列させた側方孔206(空気の出口)を有する。側方孔206はフットプレート110’の近位側にあり、プラグ111の遠位側にある(図示せず)。側方孔206は、血管から流入孔406に流れ込み、また血液マーキング路205を流れる近位側の血流のための空気の出口として機能する。近位側の血流が側方孔206から外に出るということは、フットプレート及び展開デバイス200の遠位部が血管に進入したことを意味する(図示せず。これについては後述する)。加えて、主導管領域205は、プラグ111を展開するための展開領域として機能し、遠位側C型管を局所的に膨張させて分離させると入れ子ではない非可逆的な状態となり、プラグ111を通過させて血管で展開した後の構成及び位置に置くことができる(
図9dを参照のこと)。
【0117】
本発明の実施形態において、
図9a及び9bは展開デバイス200の遠位部の図であり、
図9cは、展開デバイス200の遠位部の切欠き図であり、この図は、本発明の実施形態による、遠位側C型外管201(ガイドワイヤ管腔300を含む)及び遠位側C型内管202の入れ子構造を示し、この2つの遠位側C型管が血液マーキング路205及びワイヤ120が嵌入する通路を形成している。遠位側C型外管201は、ガイドワイヤ(図示せず)を挿入するための近位側のガイドワイヤ出口207(
図9aを参照のこと)及び遠位側のガイドワイヤ入口301(
図9b及び9cを参照のこと)を含むガイドワイヤ管腔300(
図9c参照)を含む。近位側のガイドワイヤ出口207は、フットプレート110’の近位側にあり、プラグ111の閉鎖デバイス展開前の展開位置の遠位側にある。遠位側のガイドワイヤ入口301は、展開デバイス200の最遠位地点(遠位のノーズ部203)に位置している。
【0118】
本発明の実施形態において、遠位側C型外管201及び遠位側C型内管202は、長手方向に互いに独立して移動可能である。すなわち、遠位側C型管は、ワイヤ120の長手方向軸に沿って独立して摺動可能である(例えば、後述するように、動脈の管腔内に入れた後に、フットプレート110’を、制御ハウジング210の長手方向軸に対して実質的に垂直な位置へと駆動させる及びその駆動を補助するために)。
【0119】
図10a〜10bは、本発明の実施形態による展開デバイス200の部分的に露出させた右側面図である。この実施形態は、遠位側C型外管201及び遠位側C型内管202の近位端がちょうど近位側外管211内で終端することを図示している(遠位側C型内管202は保持リング325で終端し(
図11を参照のこと。これについては後述する)、リング保持装置324で終端する遠位側C型外管201より若干近位側で終端する(
図11を参照のこと))。近位側外管211は制御ハウジング210に取り囲まれ、制御ハウジング210は部分的に、遠位部221及び近位部303を含む皮膚フランジアセンブリ222(
図2bを参照のこと)に取り囲まれている(図示せず)。皮膚フランジアセンブリ222(図示せず)は、ワイヤ120の長手方向軸に沿って、また制御ハウジング210の外側部及び遠位側C型管の外側部に沿って遠位方向に摺動可能である。プラグ111は、挿入部112及びプッシュ管212の遠位端に遠位側で隣接し、プッシュ管212は主に、展開デバイス200の近位端10付近にまで近位方向に延びている近位側内管213(近位側外管211等内に位置する)内に直接位置している(
図6a〜6bを参照のこと)。近位管は、ワイヤ120の長手方向軸に沿って独立して摺動可能である。
【0120】
図11〜13は、本発明の実施形態の展開デバイス200の部分的に露出させた右側面図である。この実施形態は、近位管(211、213)内に位置するプッシュ管212を示し、プッシュ管212はその遠位端でリング保持装置325に取り囲まれ、その近位端で位置合わせキー326上に載置されている。プッシュ管212は、(溶接等の適切な手段によってプッシュ管212の遠位端に取り付けられた)プッシュ管挿入部112から近位方向に、(プッシュ管212に溶接され、その近位面がスライドバレル215の遠位端に隣接している)ワッシャ214を通って延び、またスライドバレル215の本体を通って突出するため、その最近位の先端はスライドバレルの最近位の端部にほぼ隣接する。上面のその遠位端に、プッシュ管212は、プッシュ管212の遠位端のごくわずかに近位側にある位置から近位方向に延びる(スロットである)開口部219を有する。プッシュ管212内にはせん断管224が同心で嵌合し、せん断管224は、プッシュ管挿入部112の角度のついた近位面350(
図30cを参照のこと)から戻ってその最近位端にまで延びている(プッシュ管212の最近位端から若干近位側)。せん断管224の近位端はキャップ216が取り付けられる。プッシュ管212及びせん断管224は、ワイヤ120の長手方向軸に沿って遠位方向に摺動可能である。後述するように、プッシュ管212は、プラグ111を主導管領域205を通過させてその展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置へと押し出すことが可能である。せん断管224は(プッシュ管挿入部112と共に)、後述するように、ワイヤ120を、その血管閉鎖後構成に屈曲及びせん断可能である。
【0121】
図14〜16は、本発明の実施形態による展開デバイス200(デフォルト位置にある)の部分的に露出させた右側面図である。本発明の実施形態において、左側方定荷重ばね125及び右側方定荷重ばね125を含む複数の側方定荷重ばねを含む定荷重ばねを設ける。(左右の)側方定荷重ばね125はそれぞれ、平坦部227及びロールばね部228を含む。(左右の)各側方定荷重ばね125のロールばね部228は、左右のそれぞれの側で制御ハウジング210の遠位部内に部分的に納まり(嵌り)(
図15aを参照のこと)、また皮膚フランジアセンブリ222の遠位部221によって覆われる(中に納められる)(
図14を参照のこと)。側方定荷重ばね125(左右)の平坦部227は、制御ハウジング210の外側に沿って(左右のそれぞれの側で)、ロールばね部228から皮膚フランジアセンブリ222の左右の(それぞれ)内側近位部303へと近位方向に平坦に延びており、そこで許容し得る固締手段226によって固締される(
図14を参照のこと)。側方定荷重ばねは、遠位方向に働く一定の力でもって皮膚フランジアセンブリ222を遠位方向の移動可能である。側方定荷重ばねはまた、遠位方向に働く一定の力を患者の皮膚の外面に印加可能である。さらに、側方定荷重ばねは、近位方向に働く一定の引張力をワイヤ120に印加可能である。後述するように、この近位方向に働く一定の引張力によってフットプレート110’が血管の内壁403に当接して配置され(図示せず)、フットプレート110’が配置された位置でデータムを作成する。
【0122】
本発明の実施形態において、平坦部230及びロールばね部229をそれぞれ含む上下定荷重ばね135を含む定荷重ばねを設ける。上下定荷重ばね135のロールばね部229は、制御ハウジング210の遠位端の(上下の)外側に位置し(載置され)、また皮膚フランジアセンブリ222の遠位部221によって覆われる(中に納められる)(
図14を参照のこと)。上下定荷重ばね135の平坦部230は、各ロールばね部229から(制御ハウジング210の遠位部内で)近位方向に延びており、制御ハウジング210の外側に沿って平坦に延び(上下それぞれ)、またスライドバレル215のほぼ中間の部位に許容し得る固締手段(例えば、ネジ226、ワッシャ214)によって固締される(上下それぞれ)(
図16を参照のこと)。上下定荷重ばね135は、スライドバレル215への遠位方向に働く一定の力の印加によりスライドバレル215を遠位方向に移動可能である。スライドバレル215は、上下定荷重ばね135でスライドバレル215に遠位方向に働く一定の力を印加することによって、プッシュ管212を遠位方向に前進させることが可能であり、プラグ111は経皮の穿刺口へと(
図39を参照のこと)並びに展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置へと経皮的に押し出される。この展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置は、血管壁の開口部を封止するために、(後述するように)ワイヤ120及びフットプレート110’でデータムを作成することによって制御する。
【0123】
図17a、17b及び18では、本発明の実施形態による展開デバイス200の近位端10(部分的に露出させた右後方図及び背面図)を図示する。この実施形態は、展開デバイス200の絞りレバーハンドルアセンブリ231である。絞りレバーハンドルアセンブリ231は、絞りレバーハンドル232、絞りレバーハンドル232の保持プレート234に取り付けられたボタン233及びリンク235を含む。ボタン233は、保持部分234内で摺動可能である。リンク235は、その近位端で着脱自在に(上方向フック状部又はC機構266による。図示せず)、スライドバレル215の底部部品(ヒンジピン256による。図示せず)に取り付けられる(絞りレバーハンドル232を絞ると、スライドバレルに機械的エネルギーを伝え、またスライドバレルを遠位方向に移動させる)。リンク235は、ヒンジピン機構236によって絞りレバーハンドル232に反対側の端部(下部)で取り付けられる。絞りレバーハンドル232は、上部側方フック状端部237によって(デバイスの左右両方の側で)皮膚フランジアセンブリ222の近位部303に着脱自在に取り付けられる。
【0124】
図19は、本発明の実施形態による展開デバイス200の近位部に相互配置した部品の右側露出図である。この実施形態は、スライドバレル215及びスライドバレル215にヒンジピン機構238によって蝶番的に取り付けられる近位部を含む切断レバー218を含むスライドバレルアセンブリである。切断レバー218の遠位部は、ワイヤ120(図示せず)の長手方向軸から遠ざかる垂直方向に、ヒンジピン機構238を中心として蝶番的に移動可能である。スライドバレル215は、ワイヤ120の近位端(図示せず)がワイヤフェルール250に取り付けられる位置に対して遠位側にあり、また制御ハウジング210(図示せず)内に収容される。スライドバレルアセンブリは、ワイヤ120(図示せず)の長手方向軸に沿って遠位方向に摺動可能である。
【0125】
図20は、本発明の実施形態による展開デバイス200の近位部に相互配置した部品の上面露出図である。この実施形態は、細長U型構造体を含むワイヤフェルール250である。細長U型構造体は、閉鎖近位端251及び開放遠位端252を含む。ワイヤフェルール250は、近位側内管213(図示せず)内に位置し、またワイヤ120(図示せず)の長手方向軸に沿って長手方向に摺動可能である。ワイヤフェルール250の右側近位端を通って突出しているのは、スライドバレル215の近位端付近にまで遠位方向に延びるリリースシャフト239である。展開デバイス200の最近位端10には近位制御ハウジングキャップ240があり、この近位制御ハウジングキャップ240は、近位制御ハウジングキャップ240の遠位側の内面から延びる2本の横に間隔をあけたキャップフィンガー(右キャップフィンガー241、左キャップフィンガー242)を有する。
【0126】
本発明の実施形態においては、診断又は治療上の血管内外科的処置終了時に、本発明の実施形態の閉鎖デバイス100を本発明の実施形態の展開デバイス200で展開して動脈切開術創を塞ぐ又は封止することによって出血を制御する(又は停止させる又は防止する)。
【0127】
本発明の実施形態においては、血管内外科的処置に続いて臨床医が使用したカニューレを取り除いた後に、ガイドワイヤ299(
図31aに示すように)を、好ましくは、動脈切開術を行った部位に残す(血管壁を番号40で示す)。(あるいは、新しいガイドワイヤ299を動脈切開術創に挿入する)。このガイドワイヤ299は、その露出部307(患者の体外)から露出していない部分306(患者の体内)へと遠位方向に、すなわち上述したように患者の皮膚399の皮膚穿刺口397を通って、組織路407を通って、動脈切開術創405を通って、上に記載されるように血管400の管腔404内へと延びる。
【0128】
ここで、本発明の実施形態に従って、血管400(例えば、大腿動脈等の動脈)の壁401に形成された開口部(動脈切開術創)を封止する方法について一連の動きで説明する。血管壁の開口部はこの開口部に隣接し且つ皮下組織を近位方向に血管の上の皮膚表面を通って延びる組織路と共に経皮的に、診断又は治療上の血管内外科的処置中に臨床医によって形成された。一連の動きとは、ユーザが開始した動き/動作並びに閉鎖デバイス100及び展開デバイス200の両方のアセンブリの中で受動的に起きる動きのことである。この方法は、血管400の壁401に形成された開口部(動脈切開術創)を封止するため閉鎖デバイス100(
図43を参照のこと)及び開口部405を封止するために血管400の壁401に形成された開口部(動脈切開術創)に閉鎖デバイス100を展開するための展開デバイス200(
図2を参照のこと)を含むシステムを提供することを含む。
【0129】
本明細書で説明及び図示の本発明の方法の実施形態は、記載した一連の動き/動作に限定されず、また必ずしも記載の全ての動きを行うことに限定するものではない。他の一連の動き、一部の動き又は動きの同時発生も、本発明の実施形態を実施する際に活用し得る。
【0130】
図31a〜43では、本発明の実施形態に従って、患者の解剖学的形態及び血管閉鎖手術に先立って形成される経皮的に形成される穿刺口(すなわち、後述するような皮膚穿刺口、組織路、動脈切開術創等)の切開構造に対して、展開デバイス200の遠位部20及び閉鎖デバイス100(上述のように、ガイドワイヤ299を含む)がどう機能するかを示す。
【0131】
図31aにおいて、展開デバイス200の使用開始に先立って、ガイドワイヤ299は既に所定の位置にある。すなわち、ガイドワイヤ299の非露出部306は、患者の皮膚399から遠位方向に皮膚穿刺口397及び組織路407を通って、血管404の管腔内のある位置にまで延び、ガイドワイヤ299の露出部307(非露出部306に隣接する)は、患者の皮膚から近位方向に延びているため患者の体外にある。
【0132】
図31b及び32において、展開デバイス200による閉鎖デバイス100の展開開始時に、ガイドワイヤ299の近位端305(上述したように、一部は患者体内、一部は患者体外の既存の位置にある)を、ガイドワイヤ入口301に(近位方向に)挿入する。ガイドワイヤ299を更に近位方向に、ガイドワイヤ299の近位端305がガイドワイヤ出口207から抜けるまで前進させる。ガイドワイヤ299の近位端305がガイドワイヤ出口207を抜けてデバイス外に露出したら、ユーザはガイドワイヤ299を掴んで引っ張ることによって、患者の体内でのガイドワイヤ299の位置を変化させることなくガイドワイヤ299のたるみを取り除く。次に、展開デバイス200を、(患者の皮膚399の表面に対して90°未満の角度で)遠位方向にガイドワイヤ299に沿って前進させ得て、この結果、展開デバイス200の遠位端20は皮膚穿刺口397を通過し、遠位方向に経皮的に形成された穿刺口、すなわち組織路407(血管400の上にある皮下組織409を通って延びる)を通って、動脈切開術創405を抜けて血管400の管腔404内へと、展開デバイス200の遠位端20(フットプレート110’及び遠位側C型管の遠位端を含む)が管腔内(血管400の内腔404内)に入るまで移動し続ける。
【0133】
本発明の実施形態において、血管400内に一旦入ると、動脈の陽圧により、血液は、流入孔406を通って主導管領域205(血液マーキング路の役割を果たす)に流れ込み、次に近位方向に側方孔206へと流れ、そこで血液飛沫408を観察することができる(「血液マーキング」)(
図32を参照のこと)。そのような近位方向への血流を視覚的に観察できるため、ユーザには、フットプレート110’が血管400内に位置決めされたことがはっきりとわかる。次に、展開デバイス200の遠位端20を、好ましくは、更に数ミリ前進させることによって、フットプレート110’を完全に血管400の管腔404内に入れ、臨床医が血液マーキングを間違って認識しないようにする。次に、ユーザはガイドワイヤ299を(近位ガイドワイヤ出口207を通して近位方向にガイドワイヤ299を引っ張ることにより)完全に取り除き、次に適切な医療廃棄物用コンテナに廃棄し、一方でユーザは展開デバイス200を所定の位置で保持する(
図33を参照のこと。ガイドワイヤ299は取り除かれているが、展開デバイス200の遠位端20は、血管400の管腔404内、すなわちデフォルト位置に留まる)。
【0134】
図21a〜30cは、本発明の実施形態による、展開デバイス200による閉鎖デバイス100の展開に関する。これらの図は、展開デバイス200の動作及び自動機能性を示し、また展開デバイス200のアセンブリ内の様々な部品の連続的な変位(移動)を描いている。
図21a〜30cは主に断面図であることから、本発明の実施形態による展開デバイス200のアセンブリ内で個々の部品の相対的な動きをより深く理解することができる(経皮的穿刺口、血管等は図示していない)。これらの図において、軸方向の中心線は、ワイヤ120の長手方向中心線と一致するように描かれている。これらの図では、デバイス200の特定部位の内部での動きを拡大して見るための(破線及び円で示された)「ウインドウ」も設けている。近位側内管213、近位側外管211、ワイヤフェルール250、スライドバレル215、切断レバー218、絞りレバーハンドル232、リンク235及びボタン233、(ロールばね部228及び平坦部227を含む)左右の側方定荷重ばね125、側方上部フック状端部237、(ロールばね部229及び平坦部230を含む)上下の定荷重ばね135、遠位側C型外管201、遠位側C型内管202、フットプレート110’(一体型のフットプレートの実施形態を図示している)、プラグ111、せん断管224並びに遠位側C型外管201のノーズ部203等の展開デバイスの部品を図示している。
【0135】
上述したように、
図33〜43では、患者の解剖学的形態及び経皮的に形成された通路(すなわち、皮膚穿刺口、皮下組織路、動脈切開術創、血管)の構造に対しる、本発明の実施形態による展開デバイス200の遠位部20及び閉鎖デバイス100の個々の部品の相対的な動きを図示する。
【0136】
図21a〜21dでは、展開デバイス200が、ユーザが絞りレバーハンドル232を絞る前のそのデフォルト位置にある。絞りレバーハンドル232は、全開(絞っていない)位置にある。絞りレバーハンドル232は、制御ハウジング210の両側から延び且つ絞りレバーハンドル232の遠位側耳部の貫通孔272と同軸である円柱機構271によって制御ハウジング210に蝶番状に取り付けられている。リンク235は、絞りレバーハンドル232及びスライドバレル215の両方に蝶番状に取り付けられている。このリンク235は、絞りレバーハンドル232からスライドバレル215まで力を伝達する連結部材である。このステップにおいて、近位側内管213及び近位側外管211は、その完全に遠位の位置にある。絞りレバーハンドル232の側方上部フック状端部237は、皮膚フランジアセンブリ222の近位端222のフック状機構255に係合する。遠位側C型内管202(図示せず)及び遠位側C型外管201は、その完全に遠位の位置にある。フットプレート110’(図示せず)は、遠位側C型外管201に収容される。フットプレート101’の閉鎖端は、遠位側C型内管202の遠位端で、アンダーカット機構208と摩擦接触する(
図22eを参照のこと)。
【0137】
本発明の実施形態において、ガイドワイヤ299を展開デバイス200から取り除いた後、展開デバイス200の(フットプレート110’が位置している)遠位端20は、絞りレバーハンドル232を絞る前は血管の管腔内にある(
図33を参照のこと)。この次の絞り動作については、
図22a〜26gに図示するように、展開デバイス200がどのように作動するかをより深く理解できるように一連の連続的なステップにして詳述する。しかしながら、好ましい実施形態において、この絞りの動き/動作は、1回の絞りの動き/動作として起きる。
【0138】
図22a〜22eでは、絞りレバーハンドル232を絞ると、スライドバレル215が、絞りレバーハンドル232及びスライドバレル215の両方に蝶番状に取り付けられたリンク235を介して近位方向に移動する。スライドバレル215の絞りフィンガーキャッチタブ217は、近位側外管211のキャッチタブ220と摩擦接触するため、近位側外管211が近位方向に引っ張られる。遠位側C型外管201は、遠位側C型内管202に対して近位方向に摺動しているため、血管400の管腔404の内側でフットプレート110’が露出する(血管管腔におけるフットプレート110’の露出を示す
図34も参照のこと)。
【0139】
図23a〜23eでは、絞りレバーハンドル232を更に絞ると、スライドバレル215が(絞りレバーハンドル232及びスライドバレル215の両方に蝶番状に取り付けられた)リンク235を介して更に近位方向に移動する(
図23aを参照のこと)。スライドバレル215の(近位側外管211のキャッチタブ220に係合している)絞りフィンガーキャッチタブ217(
図23dを参照のこと)が近位方向に移動することによって、近位側外管211が更に近位方向に移動する。近位側外管211のこの更なる近位方向への移動により、近位側外管のプッシュタブ223が、ワイヤフェルール250の遠位面253と係合する(
図23cを参照のこと)。ワイヤフェルール250の近位方向への移動は、ワイヤ120に加えられる近位方向への動き及び力(引張荷重)となる。この力が、(遠位側C型内管202の遠位端のアンダーカット機構208によってもたらされる安定した枢動/ヒンジ点を有する)フットプレート110’を、血管400内の制御ハウジング210の長手方向軸に対して実質的に垂直な位置に駆動する(
図23e及び35を参照のこと)。フットプレートの実施形態は、一体型のフットプレート、恒常的に互いに固定され且つ印加されるこの引張荷重により恒常的に変形する(塑性的に変形する)2つ以上の部品を含むフットプレートに関する。ヒンジ及びボールソケット機構に関わるフットプレートの実施形態は塑性的に変形しないが、引張荷重が印加されると駆動位置へと回転する。ワイヤフェルール250の近位方向への移動が終了すると、近位側外管211の近位スナップフィンガー243は、制御ハウジング210のスナップ機構260でロックされる(
図23cを参照のこと)。更に、ワイヤフェルールの近位スナップフィンガー254がキャップフィンガー242と係合するため、ワイヤフェルール250はその完全な近位位置でロックされる(
図23cを参照のこと)。
【0140】
図24a〜24fでは、絞りレバーハンドル232を更に絞ると、スライドバレル215が(絞りレバーハンドル232及びスライドバレル215の両方に蝶番状に取り付けられた)リンク235を介して更に近位方向に移動する(
図24aを参照のこと)。スライドバレル215が近位方向に移動すると、スライドバレル215の遠位部にある絞りフィンガー269の外部半径部270が、制御ハウジング210の上部の切欠き部261の狭幅領域273と摩擦接触する(
図24eを参照のこと)。2本の絞りフィンガー269は、絞りフィンガーキャッチタブ217が、近位側外管211のキャッチタブ220から完全に外れるまで同時に絞られる(それぞれ内側方向に弾力的に変形する)(
図24fを参照のこと)。スライドバレル215のこの近位方向への移動により、スライドバレル244の近位端がリリースシャフト239と接触する(
図24dを参照のこと)。この結果、リリースシャフト239が近位方向に移動し、リリースシャフトの近位端245が右キャップフィンガー241の半径機構246と摩擦接触する。右キャップフィンガー241は弾力的に外方向に変形するため、右キャップフィンガー241の遠位端が近位側内管213の近位端262から外れる(
図24cを参照のこと)。
【0141】
図25a〜25dでは、絞りレバーハンドル232を更に絞ると、スライドバレル215が(絞りレバーハンドル232及びスライドバレル215の両方に蝶番状に取り付けられた)リンク235を介して更に近位方向に移動する(
図25aを参照のこと)。駆動過程のこの時点で、スライドバレルは近位側内管にも近位側外管にも係合していない。どちらかというと、このステップは、近位側内管213及び近位側外管211の相対運動のシーケンスタイミングをオフセットするにすぎない。このステップの終了時に、スライドバレル215の近位端244上のプッシュ機構248の近位面は、近位側内管213のキャッチタブ263の遠位面と摩擦接触している。
【0142】
図26a〜26gでは、絞りレバーハンドル232を更に絞ると、スライドバレル215が(絞りレバーハンドル232及びスライドバレル215の両方に蝶番状に取り付けられた)リンク235を介して更に近位方向に移動する(
図26aを参照のこと)。この絞り動作の終了時に、絞りレバーハンドル232をこれ以上絞ることはできない。(摺動可能に絞りレバーハンドル232に取り付けられた)スライドボタン233から上方向に突出するボックス型機構265が制御ハウジング210の下面と摩擦接触するからである(
図26d及び26gを参照のこと)。絞り動作の間、スライドバレル215の近位端248上のプッシュ機構の近位面が、近位側内管を、(近位側内管213のキャッチタブ263の遠位面を介して)近位方向に(
図26cを参照のこと)近位側内管213の完全且つ最終的な近位位置へと押し出す。このステップの終了時に、近位側内管213のスナップフィンガー264は、制御ハウジング210のキャッチ機構259でロックされる(
図26eを参照のこと)。また、このステップの終了時に、絞りレバーハンドル232のスナップフィンガー249は、制御ハウジング210の外側にある1次アンダーカット機構258にパチンと嵌まり込む(
図26gを参照のこと)。この時点で、遠位側C型内管202は(その完全な最近位位置へと)近位方向に移動してしまっているため完全にフットプレート110’からは外れ、フットプレート110’が血管400の管腔404内で完全に露出する(
図36も参照のこと)。また、この絞り動作により、(デバイスの左右両側で)絞りレバーハンドル232の側方上部フック状端部237が皮膚フランジアセンブリ222の近位端のフック機構255から外れ、皮膚フランジアセンブリ222が解放され、皮膚フランジアセンブリ222は、皮膚フランジアセンブリ222の遠位部221の遠位面209が患者の皮膚399の外面と接触するまで遠位方向に移動する(
図38も参照のこと)。皮膚フランジアセンブリ222の遠位方向への移動は、(制御ハウジング210の左右にある)側方定荷重ばね125によって生み出される遠位方向に働く一定の力によるものである。皮膚フランジアセンブリ222が遠位方向に移動する際、ただし遠位部221の遠位面209が患者の皮膚399の外面と接触する前に、ユーザは、患者の皮膚399の表面に対して実質的に垂直な位置に展開デバイス200を垂直に方向づけし得る(
図37を参照のこと)。展開デバイス200を垂直に方向づけすることによって、遠位部221の遠位面209と患者の皮膚399の外側との間に平面関係が生まれるため、皮膚フランジアセンブリ222の遠位部221の遠位面209と患者の皮膚399の外側との間の平坦な界面にはほぼ均等な接触圧がかかる(
図38を参照のこと)。ラック/ピニオン構成を含む回転式制動システム225(
図27を参照のこと)を設けることによって、側方定荷重ばねによって印加される遠位方向に働く力に対抗して、遠位方向に働く一定の力に部分的に抵抗はするものの完全に打ち消しはしない力を皮膚フランジ部に印加し得る。この回転式制動システム225は皮膚フランジの速度を適度に低く維持する役割を担い、これには2つのメリットがある。(1)それによって、(上述したように)ユーザに垂直に展開デバイス200を方向づけるための時間を与える、(2)遠位面209が患者の皮膚399の外側と接触する際の衝撃力を最小に抑える。皮膚フランジアセンブリ222の遠位部221の遠位面209が一旦患者の皮膚399と接触すると、遠位面209は遠位方向に働く一定の力を皮膚399に印加し、次にワイヤ120に近位方向に働く引張力が生まれ、フットプレート110’は血管403の内側に当接して配置される。フットプレートが配置された位置でデータムを作成する(
図38も参照のこと)。この時点で、遠位側C型外管201及び遠位側C型内管202の両方の遠位端は、血管400の血管壁401の外面402の近位側(外側)の位置へと近位方向に移動してしまっている(
図38を参照のこと)。
【0143】
引き続き
図28a〜28bでは、スライドボタン233は遠位方向に摺動し、これによって絞りレバーハンドル232は解除され、次のステップで更に絞ることができるようになる。スライドボタン233を作動させると(遠位方向に摺動する)、ボックス型機構265が遠位方向の位置に配置されるため、スライドボタン233は、(機械的な干渉から解放されて)制御ハウジング210の底面に長方形に形成された開口部273に進入自由となる。ボックス型機構265の長方形に形成された開口部273への進入は、絞りレバーハンドル232を更に絞る次のステップまで起こらない。
【0144】
図29a〜29fでは、絞りレバーハンドル232を、最後にもう一度、その完全な最大絞り位置にまで絞る。(上述したような)スライドボタン233の遠位方向への移動により、ボックス型機構265(スライドボタン233から上方向に突出)は、最終絞りの間に、制御ハウジング210の底部に長方形に形成された開口部273内に突出し、これによって(スライドボタン233を摺動可能に取り付けた)絞りレバーハンドル232をその最終的な完全な最大絞り位置にもってくることができる(
図29a及び29dを参照のこと)。このステップの終了時に、絞りレバーハンドル232のスナップフィンガー249は、制御ハウジング210の外側にある2次アンダーカット機構275にパチンと嵌まり込む(
図29cを参照のこと)。この最終的な絞りによって、スライドバレル215は、下部ヒンジピン256でリンク235の近位端上のC型機構266から解放される。C型機構266は、下部ヒンジピン256から、リンク235の中央に位置したカム機構267の制御ハウジング210の下面(外面)257とのカム運動により外れる(
図29eを参照のこと)。スライドバレル215からリンク235が外れると同時に、スライドバレル215は、上下定荷重ばね135の力により遠位方向に移動する(
図29aを参照のこと)。スライドバレル215が遠位方向に移動するにつれて、プッシュ管212、プッシュ管挿入部112及びプラグ111も移動する。プラグ111はワイヤ120に沿って移動し、一方でワイヤ120との同心性を維持し、ワイヤ120及びフットプレート110’と回転整列する。プラグ111の遠位端104がフットプレート110’の近位縁113に近接すると、動きが止まる(
図29fを参照のこと)。本発明の実施形態において、遠位側C型管は局所的に膨張、分離して非可逆的な非入れ子状態を作り出すため、プラグ111を、血管への展開後の構成及び位置へと通過させることができ、ここでプラグ111は主導管領域205の内径より大きい近位径を有する。遠位側C型管は、プラグ111が遠位側C型管を長手方向に(近位から遠位へと)移動し終わった後、互いに分離(非入れ子)したままである(
図9dを参照のこと)。スライドバレル215の遠位方向への移動が終了すると、切断レバー218が、その遠位側の下面部が制御ハウジング210の上面のスロープ機構277と接触する結果、跳ね上がる(
図29aを参照のこと)。
【0145】
図39に示すように、このステップの終了時に、プラグ111は動脈切開術創405にすでに進入しており、プラグ111及びフットプレート110’は互いに及び血管壁401に対してその最終位置にある(後述するように、展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置)。展開後の閉鎖デバイス展開位置(遠位−近位方向)は、上述したように、形成したデータムにより制御する。
【0146】
図30a〜30cでは、切断レバー218の遠位部は、ユーザによって、ワイヤの長手方向軸から垂直に遠ざかる方向に引き上げられる。切断手順の間、切断レバー218は、スライドバレル215上の近位側延長部の近位縁にある貫通孔274と同位置に配置されたヒンジピン238を中心として回転する。切断レバー218の下面の接触面310は、せん断管224の近位端にあるキャップ240の最近位面315と摩擦接触する。せん断管224は、切断レバー218の接触面310によってもたらされるカム運動により遠位方向に駆動される。せん断管224が静的な(固定)ワイヤ120に沿って遠位方向に移動するため、せん断管224の角度のついた遠位端312とプッシュ管挿入部112の角度のついた近位面350(せん断管224に印加されている遠位方向に働く力に抵抗する)との接触力が高くなる。せん断管224の角度のついた遠位面312がプッシュ管挿入部112の角度のついた近位面350上を摺動する(及び通過する)と、はさみ型のせん断力がプラグ111の近位端103から若干手前の位置でワイヤ120に印加される。ワイヤ120の最大せん断強度を上回ると、ワイヤ材料は切れる(分断される)。同時に、プラグ111の近位端103から近位方向に突出したままの残りの短いワイヤ部分は、せん断管224の移動の方向に曲げられる(
図30c及び41を参照のこと)。ワイヤのこの屈曲はプラグ111及びフットプレート110’の相対位置を固定するのに十分であり、安定感がありしっかりとした最終的なインプラント構造体が得られる。切断システムの詳細は、
図40(切断前/屈曲前の構成)に、せん断管224及びワイヤ120も含めて図示している。せん断管224によるワイヤ120の切断及び屈曲(切断後/屈曲後の構成)は、
図30c及び41に図示する。次に、展開デバイス200を経皮的穿刺口から取り除き、適切な医療廃棄物用コンテナに廃棄し得る。
【0147】
ここで
図42及び43を参照して、閉鎖デバイス100の展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置について説明する。この構成及び位置は、上述したような様々な実施形態のフットプレートのいずれをも含み得る。しかしながら、閉鎖デバイス100の展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置についてのこの説明では、この構成及び位置の例として、その他の実施形態のフットプレートの幾つかにも簡単に言及しながら特にはフットプレート110’(プラグ111及びワイヤ120と共に)に言及する。
【0148】
本発明の実施形態においては、上述したような本発明の実施形態の閉鎖デバイス100を展開する方法の間、フットプレート110’がその展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置で血管400の内壁403に当接して配置されると、プラグ111は主導管領域205内をワイヤ120の近位部に沿って押し出される。加えて、プラグ111は経皮的に穿刺口に押し込まれ、組織路を動脈切開術創にまで下る。プラグの111の遠位部104はワイヤ120の遠位部に沿って血管壁を貫通して延び、細長U型ループ30’及び弧状に湾曲した連絡部33’によって確立される共通面付近でフットプレート110’と近位側レッグ34’で接触する(例えば、フットプレート110を含む閉鎖デバイスの実施形態において、プラグ111の遠位部104は、フットプレート110のU型ループ部30内に納まる際に、動脈切開術創405の縁で動脈壁の一部を掴み(捕捉し)(この部分の動脈壁を引っ張り、保持する)、プラグ111の遠位端104は、血管壁403の内面より若干遠位側にくる(血管400の管腔404内))。フットプレート110’の動脈の内壁403に当接して配置される部位は、細長U型ループ30’を含む。フットプレート110’のワイヤ120は、近位方向にプラグ111の軸孔105を通って延び、ワイヤ120は、プラグ111の近位端103でプラグの軸孔105の長手方向軸から遠ざかる方向に鋭角で曲げられる。プラグ111の近位部103は、動脈壁401の外側の組織路にくる。あるいは、プラグ全体が動脈壁内に配置される。概して、動脈切開術創405とプラグ111の近位部103との半径方向の界面において、プラグ111の近位部103の直径は、血管壁の開口部(動脈切開術創405)より大きい。この展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置において、閉鎖デバイス100による封止は、プラグ111と動脈切開術創405との半径方向での接触によって形成される(例えば、フットプレート110を含む実施形態の閉鎖デバイスにおいては、ループ部に引っ張られた(またフットプレート110で支えられた)血管壁組織も閉鎖デバイス100による封止に役立ち得る)。閉鎖デバイス100の保持(ロック)機構は、プラグ111とフットプレート110’とをフットプレート110’を血管の内壁403に対して実質的に平行な構成でもって固定するために(上述したように、展開デバイス200の切断レバー218の動作によって)切断され、曲げられる、プラグ111より近位側にあるワイヤ120の部分を含む。この保持機構が、フットプレート110’が近位方向に動脈切開術創405を通って組織路に戻るのを防止する。同様に、この保持機構は、プラグ111が遠位方向に動脈切開術創405を貫通(通過)するのを防止するのに役立つ。したがって、閉鎖デバイス100(最終的なインプラント構造体)は、遠位又は近位方向に生体内でずれずに安定し、すなわちロックされる。
【0149】
同じ基本的な展開後の閉鎖デバイス展開構成及び位置を、上述したように、いずれの実施形態のフットプレートでも確立することができる。例えば、血管の内壁に当接させて配置できる(またプラグ111の遠位部104と接触する)フットプレートの部分は、例えば、フットプレート710の細長U型ループ730を含み(
図1fを参照のこと)、プラグの111の遠位部104は、血管壁内をワイヤ120の遠位部に沿って延び、また細長U型ループ730及び弧状に湾曲した連絡部33によって確立される共通面付近でフットプレート710と近位側レッグ734で接触する。フットプレートが長手方向に成形されたバー(例えば、フットプレート810、910、1010、1110、1210)である実施形態においては、フットプレートの上面又は底面が、血管の内壁に当接して配置される。例えば、フットプレート810及び1010の弧状底面(
図1g、1h、1i及び1jを参照のこと)が、血管の内壁に当接して配置される。あるいは、フットプレート910及び1110の実質的に平坦な上面(938及び1138)(
図1k、1l、1m及び1nを参照のこと)がそれぞれ血管の内壁に当接して配置される。あるいは、フットプレート1210の実質的に平坦な底面1243(
図1o及び1pを参照のこと)が、血管の内壁に当接して配置される。
【0150】
以下の説明は、本発明の閉鎖デバイスインプラント及び閉鎖デバイス送達デバイス(又は展開デバイス)の代替の実施形態に関し、その部品は上述の部品と置き換え得る。代替の実施形態は代替、場合によっては追加の構成要素を含むが、代替の実施形態の幾つかは同様に機能する。したがって、機能性についての前出の実施形態についての上記の説明並びにインプラント及び展開デバイスの基本的な部品の一部についての上記の説明の大部分は後述の代替の実施形態にもあてはまる。
【0151】
閉鎖デバイスインプラントの実施形態について上述したように、閉鎖デバイスインプラントは、フットプレート、ワイヤ及びプラグを含む。
図44a〜bはそれぞれ、フットプレート910’の底側斜視図及び上側斜視図である。
図44a〜bには、展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置にあるフットプレート910’を図示し、フットプレート910’は展開デバイス200’(図示せず)の遠位端内にある。フットプレート910’は、長手方向に成形されたブロック又はバー937’を含む。バー937’は、近位端3101’及び遠位端3102’を含む。ワイヤチャネル942’及びワイヤボールソケット941’も図示している。ここで
図61を参照するが、近位端はトランサム6203(スキー先端部のように作用するスロープ様機構)を含むため、ワイヤ及びフットプレートが展開中に近位方向に後退すると、トランサム機構は動脈壁の内面と接触し、フットプレートはワイヤに対してほぼ直角で関節様に曲がる。ここで
図44に戻るが、ワイヤチャネル942’はワイヤチャネル壁6204から成り、これは半円形のパイプ様の機構であり、その直径はワイヤにほぼ一致する。ワイヤチャネル942’はフットプレートの1次軸から6°である軸上に設け得て、これによって、上述したように、展開中にトランサム6203がワイヤに対してフットプレートを信頼性高く関節様に曲げることを妨げ得るフットプレート/ワイヤの向きが除外される。ボールロック6205機構は、ワイヤボール状端部936’がフットプレートのワイヤボールソケット941’から外れるのを防止し(
図45も参照のこと)、その間、フットプレートはそのデフォルト構成にあり、すなわちシース内に位置する。ボールロックコア6206機構は、(効果的な腐食及び製造性のために)ほぼ一貫した壁厚を維持する。
【0152】
図45に示すように、ワイヤ120’の遠位先端部上にあるボール状端部936’は、フットプレート910’のワイヤボールソケット941’で連結される(
図46a〜cも参照のこと)。ボール状端部936’は実際にフットプレート910’内にワイヤボールソケット941’で位置決めされている。展開前の閉鎖デバイス展開構成及び位置において、ワイヤ120’はワイヤボールソケット914’から近位方向にシースアセンブリの遠位先端部203’内のワイヤチャネル942’及びシース201’を通って延びる。ワイヤ120’はマグネシウム合金ワイヤ6301部及びステンレススチール管6302部を含み得て、その外径は同じであり且つ長さ方向に一貫している。これら2つの部位は、
図46に示すようにジョイント6303を介して連結され、管6302部に挿入され接着剤、スエージ加工、クリンプ加工、溶接又は他の技法で接合されたワイヤ6301部における直径がより小さい段差から成る。管6302のごく近位の端部はフェルール11.3で終端し、フェルール11.3はクリンプ加工ツールにより所定の位置でクリンプ加工され得て、また正確及び精確に位置していることから、一旦展開されるとプラグをフットプレートに正しく配置する。管6302のフェルール11.3の位置での潰れを防止するための中実のワイヤ挿入部11.4の使用によりクリンプ強度を改善する。
【0153】
図47a〜cは、代替の実施形態によるシースアセンブリの部位の様々な図である。シースアセンブリは以下:シース201’、シース延長部42、シースロフト43、遠位側先端部203’、ガイドワイヤ入口301’、血液流入口406’、ガイドワイヤ管腔300’、ガイドワイヤ出口207’及び血液流出口206’の1つ以上を含む。
図47bに示すように、シースは二重管腔押出成形物から構成され、その大きい方の管腔に長手方向に切り込みを入れ、次に熱成形して折り重ねることによってその直径を最小化している。小さい方の管腔はガイドワイヤ挿入用であり、その外径は大きい方の管腔の最小折り重ね直径を限定している。
【0154】
図48に示すように、シースアセンブリ201’はその近位端でフィンガープル232’にシース延長部42とシースアセンブリソケット16との接触を経て連結される。更に後述するような展開デバイス200’の使用中、フィンガープル232’が近位方向に移動すると、フィンガープル232’はシースアセンブリ201’も一緒に移動させる。また、フィンガープル232’はシースアセンブリ201’の遠位先端部203’をフットプレート910’から後退させるため、フットプレート910’が露出する(
図49を参照のこと)。
【0155】
図50a〜bでは、本発明の代替の実施形態によるプラグ111’を図示する。プラグ111’は、近位プラグバレル部103’、ワイヤボス6401及び遠位プラグ円錐部104’を含む。プラグ111’はワイヤチャネル105’も含む。
【0156】
ここで本発明の代替の実施形態による展開デバイス(及びインプラント)の追加の部品について、既に説明した部品の機能性に言及しながら説明する。
図71は、本発明の代替の実施形態による展開デバイスの分解組立図である。この展開デバイスは、以下:皮膚フランジ222’の左側部及び右側部、ハウジング210’の左側部及び右側部、母指クラッチ7、カッターレバーアセンブリ218’、プッシュ管アセンブリ212’、プラグ111’、ワイヤ120’、シース201’、カッター管224’、フットプレート910’、フェルール11.3、ワイヤ挿入部11.4、ロッキングレバーばね56、弾性ばね6201、ロッキングピン12、フィンガープル232’及び皮膚フランジばね13の1つ以上を含む。
【0157】
概して、展開デバイスは片手、手を使わない1回の絞り動作により作動して3つの主な機能:(i)上述したようなシース後退及びフットプレートの動脈内での露出、(ii)プラグの展開、(iii)ワイヤの屈曲及び切断を果たす。この1回の絞り動作により2つのレバー:フィンガープル232’及び母指クラッチ7が順番に作動し、デフォルト構成でのこの2つの間の距離は、95パーセンタイルの成人女性の握り軸に対応するように設計し得る。
図51はロッキングピン12の長手方向断面図である。1つの皮膚フランジ222’の長手方向半分割体及び1つのハウジング210’の長手方向半分割体も図示している(両方共、2つの長手方向半分割体から成る)。ロッキングピン12は、ピン保持機構151(ピン保持機構151はロッキングピン保持アンダーカット機構152に当接する)及び皮膚フランジ222’を引っ張る皮膚フランジばね(13)の引張力によって所定の位置に保持される。(
図48も参照のこと)。
【0158】
図52a〜bに示すように、ユーザがロッキングピン12を約90°回転させるとピン保持機構151がロッキングピン保持機構リリーフ153機構と同心に方向づけされ、ロッキングピン12を展開デバイスから真上に(離して)引っ張ることによって、ロッキングピン12を展開デバイスから外すことができる。一旦ロッキングピン12を展開デバイスから外すと、フィンガープル232’は近位方向に移動自在となる。フィンガープル232’の近位方向への移動によって3つの事象:(1)皮膚フランジ222’の解放、(2)母指クラッチ7のロック解除及び(3)フットプレート910’の露出が引き起こされる。
【0159】
図53aは、本発明の代替の実施形態による展開デバイス200’の右側斜視図である。
図53bは、本発明の実施形態による
図53aの展開デバイスの一部の拡大ウインドウ図である。図示のように、フィンガープル232’の一部はハウジング210’内に位置決めされ、またフィンガープルガイドレール37によってガイドされる。上述したように、一度ロッキングピン12を外すと、フィンガープル232’はユーザにより近位方向に移動自在である。このため、この時点で、ユーザは、所定の位置にロックされるまでフィンガープル232’を近位方向に引っ張り得る。トリガー機構17が皮膚フランジ/フィンガープルロッキングフィンガー近位面27で所定の位置にパチンと嵌まると、フィンガープル232’のこのロックが達成される(
図54、55も参照のこと)。
図72は、フィンガープル232’の左半分及び右半分を図示している。シースアセンブリソケット16、トリガー機構17、近位面フィンガープル18及び傾斜近位面トリガー機構171も図示している。
【0160】
図54、55は、本発明の代替の実施形態による皮膚フランジ及びハウジングの内側の一部の拡大図である。ここで、皮膚フランジ222’のロック位置からの解放について説明する。トリガー機構17の傾斜近位面171が皮膚フランジ/フィンガープルロッキングフィンガー28を押しのけて皮膚フランジ/フィンガープルロッキングフィンガー28と皮膚フランジロッキング機構141との間の干渉が排除される結果、皮膚フランジ222’をロック解除することができる。干渉が排除されると、皮膚フランジばね13は、患者の皮膚及び動脈の内面に接触しているフットプレートによってワイヤに生じる反対方向の力によって停止させられるまで皮膚フランジ222’を遠位方向に自由に引っ張ることができる。皮膚フランジばね13(
図48も参照のこと)は定荷重ばねになり得るため、一定の力が皮膚フランジ222’を通して患者の身体に印加され、送達デバイス及びフットプレートは、フットプレートが既定の力(例えば、2lbf)でもって動脈の内面に沿って位置決めされるまで近位方向に後退する。ここで
図68を参照するが、皮膚フランジばね13による、皮膚フランジのその及びハウジングのガイドレール機構に沿った直線移動は、皮膚フランジ222’及びハウジング210’の両方の係合摺動面にコーティングした高粘度生体適合性潤滑剤の膜での粘性せん断により制動し得る。
図73は、ハウジング210’の左半分の左側図及び右側図である。傾斜面、母指クラッチロッキングフィンガー21、母指クラッチガイドレール25、皮膚フランジフィンガープルロッキングフィンガー28も図示している。
【0161】
図61では、ほぼ完全に展開した位置にある皮膚フランジ222’を図示している。皮膚フランジ222’の遠位端のオトガイ機構6501は、患者の皮膚950の面がシース201’に対して実質的に垂直になるように患者の皮膚950の面をずらし、再方向づけする。患者の皮膚950の面のこの再方向づけは、上下鋸歯様掴み機構6502が支援する(
図70も参照のこと)。これらの鋸歯様掴み機構6502は患者の皮膚950と係合し(すなわち、擦れる)、患者の皮膚950を皮膚フランジ222’が接線方向に滑るのを防止し、これによって患者の皮膚950は信頼性高く再方向づけされ、またシース201’の側方への負荷を防止することができる。
【0162】
図56a〜bは、本発明の実施形態による母指クラッチ7の様々な図である。母指クラッチ7は以下:母指リング71、ガイドレール72、ばねヨーク73、カッターレバーピン面74、ロッキングスロット近位面75及びロッキングスロット76の1つ以上を含む。
【0163】
図57及び58a〜bにおいて、これらの図は、本発明の代替の実施形態による母指クラッチ7及び展開デバイス200’の近位端の他の構成要素とのその相互関係を示す。母指クラッチ7の一部はハウジング210’内側で組み立てられ、母指クラッチガイドレール72は母指クラッチガイドスロット25内側に位置決めされる。母指クラッチ7は、母指クラッチロッキングスロット75の近位面と母指クラッチロッキングフィンガー遠位面23との間の干渉により開始位置にロックされる。フィンガープル232’が近位方向に後退すると、フィンガープル18の近位面が母指クラッチロッキングフィンガー21の傾斜面と接触し、母指クラッチロッキングフィンガー22を横方向に押しのける。母指クラッチロッキングフィンガー22のこの横方向への移動により母指クラッチロッキングスロット75の近位面と母指クラッチロッキングフィンガー遠位面23との間の干渉が排除され、母指クラッチ7はロック解除されてユーザによる遠位方向への移動が可能になる。
【0164】
図59では、本発明の代替の実施形態による、展開デバイスの部位に対する母指クラッチ7の遠位方向への移動機能性を図示する。母指クラッチ7は遠位方向に移動し、プラグ111’及びプッシュ管アセンブリ5を遠位方向へと、プッシュタブ52に作用するばね管6201の圧縮力により駆動する。好ましい実施形態においてばね管6201は弾性ばねであり、力導管として機能する。ばね管6201は、好ましくは、ユーザによる一定量(例えば、4lb)を超える力の印加を防止する。ばね管6201のこのコンプライアントな性質により、ばね管6201がプッシュタブ52に向って押し出るにつれて、摩擦、組織路及び/又は動脈壁の厚さの変動によりプッシュ管アセンブリ5に作用する抵抗力量に関わらず、プッシュタブ52には一定の力が印加される。
【0165】
したがって、ばね管6201及びプッシュ管タブ52を含むシステムは自動クラッチとしての役割を果たし、(i)プラグをフットプレートに既定の力(例えば、4lb)でもって様々な動脈壁厚(例えば、1mm)にわたって配置して十分な止血を成し遂げ、(ii)既定の力(例えば、4lbf)を越えてフットプレートソケット/ワイヤボールジョイント及び管/ワイヤジョイントに応力がかからないようにしてジョイントの破損を防止する。プラグ111’がシース201’を通って遠位方向に駆動されると、シース201’はプラグ104’の円錐部によってまっすぐに伸びる(
図9dに示すものと同様)。プラグ111’はワイヤ延長部120’に沿って移動し、シース201’の遠位先端部203’を通過する。プラグ111’は、フットプレート910’の上面と接触する又は薄い動脈壁からの十分な抵抗にあう(
図62を参照のこと)若しくは厚く固くなった動脈壁からの十分な抵抗にあうまで遠位方向に移動し続ける(
図63を参照のこと)。どちらの場合でも、プラグ111’はそれ以上の遠位方向への移動を妨げるに十分な抵抗にあってしまっている。しかしながら、母指クラッチ7は遠位方向に移動し続けることが可能である。これによって管ばね6201がプッシュタブ52で変形するため、母指クラッチは遠位方向への移動を続けることができる。
【0166】
図64a〜cでは、本発明の代替の実施形態によるプッシュ管アセンブリ及びアセンブリの様々な拡大部を図示する。プッシュ管アセンブリは以下:プッシュ管212’、プッシュタブ52、プッシュタブ近位面51、プッシュ管ロッキングレバー58、プッシュ管ロックレバー側面59、枢動ブロック53、回転防止ねじ55、レバー軸54、ロッキングレバーばね56、停止ピン50、プッシュ管挿入部112’、プッシュ管挿入部傾斜面350’及びカッター管出口57の1つ以上を含む。プッシュ管挿入部112’をプッシュ管に固締する好ましい方法はレーザー溶接である。
【0167】
プッシュ管ロッキングレバー58は、プッシュ管212’を適切な位置にロックするように設計されていて、母指クラッチ7を遠位方向に駆動すると、プッシュ管ロッキングレバー側面59がロッキングレバーボス33と接触する。
図60に示すように、プッシュ管ロッキングレバー58は、母指クラッチ7に対して、枢動ブロック53上に位置する垂直壁機構6202とプッシュ管ロッキングレバー58との間に作用するプッシュ管212’に巻かれた巻線圧縮ばね56を介して正しい位置に維持される。プッシュ管212’が継続して遠位方向に移動する結果、ロッキングレバーボス333とプッシュ管ロッキングレバー側面59とが接触し、プッシュ管ロッキングレバー58は近位方向に傾き、プッシュ管アセンブリはハウジングに対して適切な位置に効果的にロックされる(
図60を参照のこと)。
図74は、ハウジング210’の右半分の左側図及び右側図である。母指クラッチガイドレール25及びロッキングレバーボス333も図示している。
【0168】
図65では、本発明の代替の実施形態によるカッターレバーアセンブリ218’を図示する。カッターレバーアセンブリ218’は以下:カッターレバー81、カッターレバーピン82、カッター管駆動面83及び枢動孔84の1つ以上を含む。
【0169】
図66a〜cは、本発明の代替の実施形態によるカッター管アセンブリ及びアセンブリの様々な拡大部図である。カッター管アセンブリは、以下:カッター管224’、カッター管キャップ216’、カッター管キャップ近位面62及びカッター管アセンブリ遠位面63の1つ以上を含む。
【0170】
母指クラッチ7は、カッター管224’を前方遠位方向に移動するように設計される。母指クラッチ7が継続して遠位方向に移動する結果、適切な位置にロックされたプッシュ管212’と相まって、カッターレバーアセンブリ218’は前方に、カッターレバーピン82とカッターレバーピン面74との係合を介して回転する。
図69に図示するように、カッターレバーピンカム輪郭面74の輪郭により、一定の圧力角(例えば、約34°)がカッターレバーアセンブリ218’の回転を通して維持されるため、カッターレバーが母指クラッチより大きく移動し、母指クラッチとフィンガープルとの間で90パーセンタイルの女性の握り軸が達成される。
【0171】
カッターレバーアセンブリ218’はカッター管224’を前方に駆動する。カッター管駆動面83とカッター管キャップ近位面62との接触により、カッターレバーアセンブリ218’の回転は、カッター管224’の遠位方向への駆動に至る。この時点で、カッター管アセンブリはワイヤ120’で撓み、次にワイヤ120’をせん断する(
図67を参照のこと)。カッター管アセンブリが遠位方向に駆動されるにつれ、プッシュ管挿入部傾斜面350’とカッター管アセンブリ遠位面63との接触によりカッター管アセンブリ遠位面63は撓み、次にワイヤ120をせん断する。傾斜面角度は、ワイヤ屈曲及びワイヤ切断中(すなわち、ワイヤにカッター管遠位面63が接触し、ワイヤが挿入部傾斜面350’によって切断される間)、ワイヤ120’が伸びる可能性を最小限に抑えるように選択される(例えば、30°)。
【0172】
この段階で、閉鎖デバイスインプラントは展開デバイス200’から挿入、配置及びせん断されている。次に、展開デバイス200’は、皮膚フランジばね13の作用によりその直線移動を継続することができるようになった皮膚フランジ222’の作用によりその移動の終着点に到達するまで患者側から自動的に後退し、次にデバイスは廃棄される。
【0173】
本発明には様々な変更を加え得て、また代替形態が考えられる一方で、その具体例を図に示し、また本明細書において詳述してきた。しかしながら、本発明が開示の特定の形態又は方法に限定されず、それどころか本発明が、添付の請求項の趣旨及び範囲に入る全ての変更、均等物及び代替物を範囲に含むことを理解すべきである。