【解決手段】上記自律移動体の将来的に企図された運転操作に対し、外部環境における情報臨界領域が特定され得る。もし、上記情報臨界領域の少なくとも一部が、上記検出済みの遮断的物体の存在の故に、決定済み乗員視認可能領域及び決定済みセンサ検出領域の外側であるなら、上記遮断的物体が上記将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かが決定され得る。上記遮断的物体が上記将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているなら、上記自律移動体は、上記情報臨界領域の上記少なくとも一部に配置された任意の可能的な物体から上記検出済みの遮断的物体により防護されるべく、上記遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、前記検出済みの遮断的物体と実質的に同一の速度で前記自律移動体を前方に移動させる段階を含む、請求項1に記載の方法。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、前記自律移動体を、前記検出済みの遮断的物体を追い抜くこと無く、該検出済みの遮断的物体と並んで移動させる段階を含む、請求項1に記載の方法。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、少なくとも、前記自律移動体が、前記情報臨界領域を通過する及び前記将来的に企図された運転操作を完了する、の少なくとも一方を行うまで実施される、請求項1に記載の方法。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、前記検出済みの遮断的物体と実質的に同一の速度で前記自律移動体を前方に移動させる段階を含む、請求項8に記載のシステム。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、前記自律移動体を、前記検出済みの遮断的物体を追い抜くこと無く、該検出済みの遮断的物体と並んで移動させる段階を含む、請求項8に記載のシステム。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、少なくとも、前記自律移動体が、前記情報臨界領域を通過する及び前記将来的に企図された運転操作を完了する、の少なくとも一方を行うまで実施される、請求項8に記載のシステム。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、前記検出済みの遮断的物体と実質的に同一の速度で前記自律移動体を前方に移動させる段階を含む、請求項15に記載のコンピュータ・プログラム製品。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、前記自律移動体を、前記検出済みの遮断的物体を追い抜くこと無く、該検出済みの遮断的物体と並んで移動させる段階を含む、請求項15に記載のコンピュータ・プログラム製品。
前記自律移動体を前記検出済みの遮断的物体に関連して移動させる段階は、少なくとも、前記自律移動体が、前記情報臨界領域を通過する及び前記将来的に企図された運転操作を完了する、の少なくとも一方を行うまで実施される、請求項15に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この詳細な説明は、視界遮断環境における自律移動体の操作方法に関する。更に詳細には、この詳細な説明は、環境における情報臨界領域の少なくとも一部が、遮断的物体の存在の故に、決定済み乗員視認可能領域及び決定済みセンサ検出領域の外側に配置されているときにおける自律移動体の操作方法に関する。一つ以上の実施形態においては、検出済みの遮断的物体が自律移動体の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かが決定され得る。検出済みの遮断的物体が自律移動体の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているとの決定に応じ、上記自律移動体は、上記情報臨界領域内に配置された任意の可能的な物体から上記検出済みの遮断的物体により防護されるべく上記検出済みの遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。この詳細な説明は、斯かる特徴を含むシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品に関する。少なくとも幾つかの場合、斯かるシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品は、移動体の自律的動作に対する安全性及び/または乗員の信頼性を高め得る。
【0012】
本明細書においては詳細な実施例が開示されるが、開示された実施例は例示的であることのみが意図されることは理解される。故に、本明細書中に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、制限的と解釈されるのではなく、単に、各請求項の根拠として、且つ、本明細書における見地を実質的に任意の適切な詳細構造において多様に採用することを当業者に教示する代表的な原理として解釈されるべきである。更に、本明細書中で使用される語句及び表現は、限定を意図するのではなく、可能的な実施形態の理解可能な記述を提供することが意図される。
図1から
図4Bには種々の実施例が示されるが、各実施例は図示された構造または用途に制限されるものでない。
【0013】
図示の簡素化及び明瞭化のために、適切な場合に参照番号は、対応するもしくは同様の要素を表すべく種々の図にわたり反復されていることは理解される。これに加え、本明細書中に記述される各実施例の十分な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。但し、当業者であれば、本明細書中に記述された各実施例は、これらの特定の詳細なしでも実施され得ることは理解される。
【0014】
図1を参照すると、移動体100の例が示される。本明細書中で用いられる如く、“移動体”とは、任意の形態の動力式輸送体を意味する。一つ以上の実施形態において、移動体100は自動車である。本明細書においては自動車に関して配置構成が記述されるが、各実施例は自動車に限定されないことは理解される。一つ以上の実施形態において、移動体100は、船舶、航空機、または、他の任意の形態の動力式輸送体であり得る。移動体100は、前端部102及び後端部104を有し得る。
【0015】
本明細書における配置構成に依れば、移動体100は自律移動体であり得る。本明細書中で用いられる如く、“自律移動体”とは、自律モードで動作すべく構成された移動体を意味する。“自律モード”とは、人的運転者からの最小限の入力によりもしくは入力なしで、進行経路に沿って当該移動体をナビゲート及び/または操縦するために一つ以上の演算システムが使用されることを意味する。一つ以上の配置構成において、移動体100は高度に自動化され得る。幾つかの場合、移動体100は、自律モードと手動モードとの間で選択的に切換えられるべく構成され得る。斯かる切換えは、現在において公知の、または、後時に開発される任意の適切な様式で実施され得る。“手動モード”とは、進行経路に沿う移動体のナビゲーション及び/または操縦の大部分が人的運転者により実施されることを意味する。
【0016】
移動体100は種々の要素を含み得、その幾つかは、自律運転システムの一部であり得る。移動体100の可能的な要素の幾つかは、
図1に示されると共に、次に記述される。移動体100は、
図1に示されたまたは本明細書中に記述された要素の全てを有する必要はないことは理解される。移動体100は、
図1に示された種々の要素の任意の組合せを有し得る。更に、移動体100は、
図1に示されたものに対する付加的要素を有し得る。幾つかの配置構成において、移動体100は、
図1に示された要素の一つ以上を含まないこともある。更に、
図1においては種々の要素が移動体100内に配置されているとして示されるが、これらの要素の一つ以上は、移動体100の外部に配置され得ることは理解される。更に、示された各要素は大きな距離だけ物理的に離間され得る。
【0017】
移動体100は、一つ以上のプロセッサ110を含み得る。“プロセッサ”とは、本明細書中に記述されるプロセスの内の任意のもの、または、斯かるプロセスを実施しもしくは斯かるプロセスを実施せしめる任意の形態の命令を実行すべく構成された任意の構成要素または一群の構成要素を意味する。プロセッサ110は、一つ以上の汎用プロセッサ、及び/または、一つ以上の特殊用途プロセッサにより実現され得る。適切なプロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及び、ソフトウェアを実行し得る他の回路機構が挙げられる。適切なプロセッサの更なる例としては、限定的なものとしてで無く、中央処理ユニット(CPU)、アレイ・プロセッサ、ベクトル・プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、特定用途集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路、及び、コントローラが挙げられる。プロセッサ110は、プログラム・コードに含まれた命令を実施すべく構成された少なくとも一つのハードウェア回路(例えば集積回路)を含み得る。複数のプロセッサ110が在るという配置構成において、斯かる各プロセッサは相互から独立して動作し得るか、または、一つ以上のプロセッサは相互に協働して動作し得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110は移動体100の主要プロセッサであり得る。例えば、プロセッサ110は、エンジン制御ユニット(ECU)であり得る。
【0018】
移動体100は、一種類以上のデータを記憶する一つ以上のデータ記憶装置115を含み得る。データ記憶装置115は、揮発及び/または不揮発メモリを含み得る。適切なデータ記憶装置115の例としては、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、フラッシュ・メモリ、ROM(読出専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読出専用メモリ)、EEPROM(電気消去可能プログラマブル読出専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハード・ドライブ、もしくは、他の任意で適切な記憶媒体、または、それらの任意の組み合わせが挙げられる。データ記憶装置115はプロセッサ110の構成要素であり得るか、または、データ記憶装置115はプロセッサ110による使用のために、それに対して作用的に接続され得る。本記述の至る所で使用される“作用的に接続”という語句は、直接的な物理的接触なしの接続を含め、直接的もしくは間接的な接続を含み得る。
【0019】
移動体100は、自律運転モジュール120を含み得る。自律運転モジュール120は、コンピュータ可読プログラム・コードであって、プロセッサにより実行されたときに、例えば、移動体100に対する現在の運転操作、将来的な運転操作及び/または改変を決定するなどの、本明細書中に記述される種々のプロセスの内の一つ以上を実施するというコンピュータ可読プログラム・コードとして実現され得る。自律運転モジュール120はまた、斯かる運転操作またはそれに対する改変が実施されることを、直接的または間接的に引き起こすことも可能である。自律運転モジュール120は、プロセッサ110の構成要素であり得るか、または、自律運転モジュール120は、プロセッサ110が作用的に接続された他の複数の処理システム上で実行され、且つ/又は、それらの間に分散され得る。
【0020】
自律運転モジュール120は、プロセッサ110により実行可能な(例えばプログラム論理などの)命令を含み得る。斯かる命令は、種々の移動体機能を実行し、且つ/又は、移動体100またはそれの一つ以上のシステム(例えば、各移動体システム145の一つ以上など)に関し、データを送信し、データを受信し、相互作用し、及び/または、制御するための命令を含み得る。代替的または付加的に、データ記憶装置115が斯かる命令を含み得る。
【0021】
移動体100は、視認解析モジュール121を含み得る。該視認解析モジュール121は、プロセッサにより実行されたときに、本明細書中に記述される種々のプロセスの内の一つ以上を実施するコンピュータ可読プログラム・コードとして実現され得る。視認解析モジュール121はプロセッサ110の構成要素であり得るか、または、視認解析モジュール121は、プロセッサ110が作用的に接続された他の複数の処理システム上で実行され、且つ/又は、それらの間に分散され得る。
【0022】
視認解析モジュール121は、移動体100の外部環境に関する情報を検出、解析、評価及び/または解釈して、乗員視認可能領域を決定すべく構成され得る。“乗員視認可能領域”とは、移動体乗員に対して視認可能である外部環境の部分を意味する。乗員移動体領域の決定は、幾つかの可能性を挙げただけでも、例えば、移動体100内の乗員の箇所、(例えば、他の移動体、気象条件などの)外部環境における障害物、(例えば、視界を遮断する移動体フレームの一部もしくは成形品、窓の着色部などの)移動体内の障害物、(例えば、移動体の長手方向における高さ、箇所、リクライニング位置などの)座席位置、(例えば身長などの)人的乗員の物理的な測定値、人的乗員の物理的な制限、及び/または、人的乗員の感覚的な認識の制限などの一つ以上の要因に基づき得る。人的乗員の物理的な測定値、人的乗員の物理的な制限、及び/または、人的乗員の感覚的な認識の制限は、特定の人間、平均的な人間のデータ、または、他のデータ群に基づき得る。
【0023】
一つ以上の配置構成において、人的乗員の物理的測定値は、人的乗員の一つ以上の特徴の実際の測定値に基づき得る。一例として、人的乗員の身体の少なくとも一部分の一つ以上の画像が捕捉され得る。例えば、人的乗員の身体の少なくとも一部分の一つ以上の画像は、スキャナ、カメラ及び/またはセンサにより捕捉され得る。視認解析モジュール121または他の要素は、任意の適切な身体認識ソフトウェア及び/または身体解析ソフトウェアを含み得る。一つ以上の配置構成においては、人的乗員の顔面の少なくとも一部分が捕捉され得る。画像捕捉、及び/または、捕捉された画像の解析を促進すべく、顔認識及び/または解析ソフトウェアが使用され得る。画像の解析としては、幾つかの可能性を挙げただけでも、眼球サイズ、瞳孔間距離、両眼間の距離、両眼の少なくとも一方と一つ以上の他の顔または身体の特徴部分との間の距離、両眼の少なくとも一方と移動体内の構造との間の距離、頭部の角度、眼球の角度、各眼球における垂直な経線、各眼球における水平な経線の如き、人的乗員の一つ以上の物理的特徴の決定または測定が挙げられる。
【0024】
一つ以上の配置構成において、斯かる測定値は、少なくとも部分的に、乗員視認可能領域を決定すべく使用され得る。一つ以上の配置構成において、乗員視認可能領域はまた、人間の視界に関する情報/データを要因として取入れることによっても決定され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、所定の人間の視界は、特定の人間、平均的な人間、または、他のデータ群に基づき得る一群の所定の視野範囲を含み得る。一例として、一群の所定の視野範囲は、各眼球における垂直経線から経鼻方向に(例えば、鼻に向けて、または、内向きに)約60°から、各眼球における垂直経線から側頭方向に(例えば鼻から離間して、または、外向きに)約100°、及び、各眼球の水平経線の上方に約60°及び下方に約75°を含み得る。
【0025】
一つ以上の配置構成において、視認解析モジュール121は、上記乗員視認可能領域を決定するときに、移動体100の人的乗員の実際の視野範囲を決定または考慮すべく構成され得る。例えば、視認解析モジュール121は、上記移動体の人的乗員の視覚の一つ以上の見地に関する情報/データを獲得、アクセス及び/または受信すべく構成され得る。例えば、視認解析モジュール121は、移動体100の人的乗員の部分的な視野検査を行うべく構成され得る。代替的または付加的に、視認解析モジュール121は、任意の医学的状態、矯正レンズ、視力、先行する視覚検査などに関する情報/データなどの、人的乗員の視覚に対応する情報/データまたは入力を受信し得る。
【0026】
視認解析モジュール121は、上記乗員視認可能領域に対する外部環境において検出された物体の箇所を決定すべく構成され得る。更に詳細には、視認解析モジュール121は、上記外部環境において検出された物体が、上記乗員視認可能領域の外側に配置されているか否かを決定すべく構成され得る。代替的または付加的に、視認解析モジュール121は、上記外部環境の情報臨界領域の少なくとも一部が上記決定済み乗員視認可能領域の外側に配置されているか否かを決定すべく構成され得る。
【0027】
視認解析モジュール121は、プロセッサ110により実行可能な(例えばプログラム論理などの)命令を含み得る。斯かる命令は、乗員視認可能領域を決定し、乗員視認可能領域に対する検出済み物体の箇所を決定し、且つ/又は、情報臨界領域の少なくとも一部が上記決定済み乗員視認可能領域の外側に配置されているか否かを決定する命令を含み得る。代替的または付加的に、データ記憶装置115が、斯かる命令を具備し得る。
【0028】
移動体100は、情報臨界領域決定モジュール122を含み得る。該情報臨界領域決定モジュール122は、プロセッサにより実行されたときに、本明細書中に記述された種々のプロセスを実施するコンピュータ可読プログラム・コードとして実現され得る。情報臨界領域決定モジュール122は、プロセッサ110の構成要素であり得るか、または、情報臨界領域決定モジュール122は、プロセッサ110が作用的に接続された他の複数の処理システム上で実行され、且つ/又は、それらの間に分散され得る。
【0029】
情報臨界領域決定モジュール122は、上記移動体の進行経路に沿う情報臨界領域を特定すべく構成され得る。“情報臨界領域”とは、移動体の外部環境の任意の部分であって、其処に含まれた情報が、将来的な運転操作の実施に関して臨界的であるという部分を意味する。これに関連して、“臨界的(critical)”とは、上記移動体が、将来的な運転操作を安全に且つ好首尾に達成し得るか否かを決定する上で重要な情報を意味する。上記情報臨界領域は、移動体100の箇所、位置及び/または方向が変化するにつれて、変化し得る。同様に、外部環境に依存して、所定の将来的な運転操作に対し、一つの情報臨界領域、または、一つより多い情報臨界領域が在り得る。
【0030】
情報臨界領域決定モジュール122は、センサ・システム125、カメラ・システム127、ナビゲーション・システム180、及び/または、移動体100の他の要素に対して作用的に接続されて、情報臨界領域を特定し得る。一つ以上の配置構成において、情報臨界領域決定モジュール122は、マップまたは他のデータを含み得る一つ以上のデータ記憶装置115に対して作用的に接続され得る。移動体100が進行経路に沿って進行するにつれ、該移動体100が進行経路に沿って実施する将来的な運転操作は、外部環境の他の部分に対して評価され得る。
【0031】
本明細書中には、情報臨界領域の種々の例が記述される。例えば、移動体が交差点に接近しており、別の街路への右折が企図されるなら、一つの情報臨界領域は、上記交差点の左側に配置された上記別の街路の少なくとも一部である。斯かる領域の一例は、
図4Aにおいて450にて示される。斯かる領域における物体の存在もしくは不存在は、(例えば、上記街路への右折などの)将来的な運転操作に対して臨界的である。一つ以上の配置構成において、上記情報臨界領域は、所定の領域または距離内に配置され得る。例えば、
図4Aに示された情報臨界領域に対し、該情報臨界領域は、交差点から、該交差点から離間した所定距離まで延在し得る。一つ以上の配置構成において、上記所定距離は、約50フィート以下、約75フィート以下、約100フィート以下、約150フィート以下、または、約200フィート以下などであり得る。
【0032】
上述の如く、移動体100はセンサ・システム125を含み得る。該センサ・システム125は、一つ以上のセンサを含み得る。“センサ”とは、或るものを検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知する任意のデバイス、構成要素及び/またはシステムを意味する。上記一つ以上のセンサは、リアルタイムで検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。本明細書中で用いられる如く、“リアルタイム”という語句は、行われるべき特定のプロセスまたは決定に対してユーザもしくはシステムが十分に即時的であると感じ、または、一定の外部プロセスに対してプロセッサが追随することを可能にする処理応答性のレベルを意味する。センサ・システム125は、付随するセンサ検出領域を有し得る。“センサ検出領域”とは、センサ・システムの一つ以上のセンサの有効距離内に配置された環境の部分を意味する。センサ・システム125のセンサ検出領域は、例えば、該センサ・システム125、視認解析モジュール121、及び/または、他のモジュールもしくは要素により決定され得る。
【0033】
センサ・システム125が複数のセンサを含むという配置構成において、各センサは、相互に独立して動作し得る。代替的に、2つ以上のセンサが相互に協働して動作し得る。センサ・システム125、及び/または、一つ以上のセンサは、プロセッサ110、データ記憶装置115、自律運転モジュール120、及び/または、移動体100の他の要素に対して作用的に接続され得る。
【0034】
センサ・システム125は、任意の適切な形式のセンサを含み得る。例えば、センサ・システム125は、移動体100に関する情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。代替的または付加的に、センサ・システム125は、外部環境における物体に関する情報などの、移動体100が配置される外部環境に関する情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。斯かる物体は、静止物体または移動物体であり得る。上記の例の一つ以上に対して代替的にまたは付加的に、センサ・システム125は、移動体100の箇所、及び/または、移動体100に対する環境における物体の箇所を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。これらの及び他の形式のセンサの種々の例は、本明細書中に記述される。各実施例は記述された特定のセンサに限られないことは理解される。
【0035】
センサ・システム125は、例えば、慣性加速度の如き移動体100の位置または配向の変化を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。一つ以上の配置構成において、センサ・システム125は、加速度計、ジャイロスコープ、及び/または、他の適切なセンサを含み得る。センサ・システム125は、移動体100の一つ以上の内部システム(例えば、O
2モニタ、燃料計、エンジン・オイル温度、冷却剤温度など)を監視し得るセンサを含み得る。
【0036】
センサ・システム125は、一つ以上の環境センサ126を含み得る。各環境センサ126は、移動体100の外部環境の少なくとも一部における物体、及び/または、斯かる物体に関する情報/データを検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。一つ以上の環境センサ126は、上記移動体の任意の適切な箇所に配備され得る。一つ以上の配置構成において、一つ以上のセンサ126は、移動体100の前端部102に向けて配置され得る。一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、移動体100の前端部102の左側に配置され得る。代替的または付加的に、一つ以上の環境センサ126は、移動体100の前端部102の右側に配置され得る。付加的にまたは代替的に、一つ以上の環境センサ126は、移動体100の後端部104におけるまたはその近傍における任意の適切な箇所に配置され得る。
【0037】
本明細書においては、環境センサ126の種々の例が記述される。但し、各実施例は記述された特定のセンサに限られないことは理解される。
【0038】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、少なくとも部分的に無線信号を使用し得る(例えば、レーダ系のセンサ)。上記一つ以上の無線系センサは、移動体100の外部環境における一つ以上の物体の存在、移動体100に対して検出された各物体の位置、(例えば、長手方向、横方向、及び/または、他の単一もしくは複数の方向などの)一つ以上の方向における各検出物体と移動体100との間の距離、検出された各物体の速度、及び/または、検出された各物体の移動を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。
【0039】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、少なくとも部分的にレーザを使用し得る。例えば、一つ以上の環境センサ126は、レーザ測距計またはLIDARであり、または、その一部として含まれ得る。斯かるデバイスは、レーザを放出すべく構成されたレーザ源またはレーザ・スキャナと、レーザの反射を検出すべく構成された検出器とを含み得る。レーザ測距計またはLIDARは、可干渉性または非干渉性の検出モードで動作すべく構成され得る。上記一つ以上のレーザ系センサは、移動体100の外部環境における一つ以上の物体の存在、移動体100に対して検出された各物体の位置、(例えば、長手方向、横方向、及び/または、他の単一もしくは複数の方向などの)一つ以上の方向における各検出物体と移動体100との間の距離、検出された各物体の速度、及び/または、検出された各物体の移動を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。
【0040】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、少なくとも部分的に超音波を使用し得る。斯かるセンサは、超音波信号を放出すべく構成された超音波発生源と、超音波信号の反射を検出すべく構成された検出器とを含み得る。一つ以上の超音波系の環境センサ126は、移動体100の外部環境における一つ以上の物体の存在、移動体100に対して検出された各物体の位置、(例えば、長手方向、横方向、及び/または、他の単一もしくは複数の方向などの)一つ以上の方向における各検出物体と移動体100との間の距離、検出された各物体の速度、及び/または、検出された各物体の移動を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。斯かる検出は、反射された超音波信号の(例えば強度などの)特性に基づき得る。
【0041】
幾つかの配置構成において、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、一つ以上のモジュール120、121、122は、検出済み物体の一つ以上の様相、特質及び/または特性を直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。例えば、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、一つ以上のモジュール120、121、122は、検出済み物体のサイズ、相対サイズ、長さ、幅、高さ、寸法、材料、材料特性、速度、加速度、及び/または、軌跡を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。
【0042】
上述されたセンサの任意のものに対して代替的または付加的に、センサ・システム125は他の形式のセンサを含み得る。センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、一つ以上のモジュール120、121、122は、センサ・システム125の一つ以上のセンサの動きを制御すべく作用可能であり得る。本明細書中に記述されたセンサの任意のものは、移動体100に関して任意の適切な箇所に配備され得ることを銘記すべきである。例えば、一つ以上のセンサは移動体100内に配置され得、一つ以上のセンサは上記移動体の外面上に配置され得、且つ/又は、一つ以上のセンサは、移動体100の外面に対して露出されるべく配置され得る。
【0043】
移動体100は、カメラ・システム127を含み得る。一つ以上の配置構成において、カメラ・システム127は、センサ・システム125の一部であり得る。カメラ・システム127は、一台以上の乗員視界カメラ129を含み得る。“カメラ”は、視覚的データを捕捉する任意のデバイス、構成要素及び/またはシステムと定義される。“視覚的データ”は、動画及び/または画像の情報/データを含む。上記視覚的データは、任意の適切な形態であり得る。
【0044】
一つ以上の配置構成において、一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、(不図示の)レンズ、及び、(不図示の)画像捕捉要素を含み得る。上記画像捕捉要素は、例えば、エリア・アレイ・センサ、荷電結合素子(CCD)センサ、相補的金属酸化物半導体(CMOS)センサ、線形アレイ・センサ、CCD(モノクロ)、などの、任意の適切な形式の画像捕捉デバイスまたはシステムであり得る。上記画像捕捉要素は、電磁スペクトルにおける任意の適切な波長にて画像を捕捉し得る。上記画像捕捉要素は、カラー画像及び/またはグレースケール画像を捕捉し得る。一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、ズームイン及びズームアウトの機能を備えて構成され得る。
【0045】
一つ以上の配置構成において、一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、外向きであり得る。“外向き”とは、移動体100の外部環境の少なくとも一部から視覚的データを捕捉すべく配向され、位置決めされ、構成され、作用可能であり、且つ/又は、配置されたカメラを意味する。一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100の任意の適切な部分に配置され得る。例えば、一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100内に配置され得る。一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100の外面上に配置され得る。一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100の外面上に配置されるか、外面に対して露出され得る。
【0046】
一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129の位置は、その位置が移動体100に対して変化しない様に、固定され得る。一台以上のカメラ128及び/または一台以上の乗員視界カメラ129は、その位置が、移動体100の外部環境の種々の部分から視覚的データが捕捉されることを許容すべく変化し得る様に、移動可能であり得る。各カメラ128及び/または各乗員視界カメラ129の移動は、任意の適切な様式で達成され得る。例えば、各カメラ128及び/または各乗員視界カメラ129は、幾つかの可能性を挙げただけでも、一つ以上の軸心の回りで回転可能、枢動可能、摺動可能及び/または伸張可能であり得る。一つ以上の配置構成において、各カメラ128及び/または各乗員視界カメラ129は、例えば、実質的に球状、実質的に半球状、実質的に円形、及び/または、実質的に線形などの任意の適切な範囲の運動を行い得る。本明細書中で用いられる如く、“実質的に”という語句は、厳密にそれが修飾する語句と、それからの僅かな変化形とを包含する。故に、例えば、“実質的に球状”という語句は、厳密な球状と、それからの僅かな変化形とを意味する。
【0047】
一台以上のカメラ128、各乗員視界カメラ129、一台以上のカメラ128の移動、及び/または、一台以上の乗員視界カメラ129の移動は、カメラ・システム127、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、任意の一つ以上のモジュール120、121、122により制御され得る。
【0048】
“乗員視界カメラ”とは、移動体の外部環境の視覚的データを捕捉、獲得及び/または収集して、上記移動体の人的乗員により実際に視認され得る上記外部環境の単一もしくは複数の部分を決定もしくは評価すべく構成され、位置決めされ、配置され、移動可能であり、且つ/又は、配向された任意のカメラを意味する。上記乗員視認可能領域は、例えば、視認解析モジュール121及び/またはプロセッサ110により決定され得る。一台以上の乗員視界カメラ129は、任意の適切な箇所に配備され得る。例えば、一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100の室内に配置され得る。
【0049】
一つ以上の配置構成において、一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100の運転者に対する乗員視認可能領域が決定され得る様に、視覚的データを捕捉、獲得及び/または収集すべく配備され得る。代替的または付加的に、一台以上の乗員視界カメラ129は、移動体100の運転者でない乗客に対する乗員視認可能領域が決定され得る様に、視覚的データを捕捉、獲得及び/または収集すべく配備され得る。
【0050】
視認解析モジュール121及び/またはプロセッサ110は、一台以上の乗員視界カメラ129により捕捉された視覚的データを解析して乗員視認可能領域を決定すべく構成され得る。視認解析モジュール121及び/またはプロセッサ110は、上記外部環境において検出された物体に関してセンサ・システム125により捕捉された情報/データを解析して、乗員視認可能領域に対して検出済み物体を位置決定すべく構成され得る。センサ・システム125、視認解析モジュール121及び/またはプロセッサ110は、センサ検出領域を決定すべく構成され得る。視認解析モジュール121及び/またはプロセッサ110は、上記乗員視認可能領域及び上記センサ検出領域を評価または比較すべく構成され得る。
【0051】
一つ以上の配置構成において、移動体100は物体認識モジュール123を含み得る。一つ以上の配置構成において、物体認識モジュール123は、例えば、ニューラル・ネットワーク、ファジー論理回路、または、他の機械学習アルゴリズムなどの人工的またはコンピュータ的な知能要素を含み得る。幾つかの配置構成において、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、物体認識モジュール123は、検出済み物体の一つ以上の寸法を直接的もしくは間接的に、検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。例えば、一つ以上のセンサ・システム125から受信されたデータに基づき、検出済み物体の一つ以上の寸法の直接的な測定値が決定され得る。直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知され得る寸法の例としては、長さ、幅及び/または高さが挙げられる。
【0052】
幾つかの配置構成において、センサ・システム125、プロセッサ110及び/または物体認識モジュール123は、検出済み物体の少なくとも一部の相対サイズを、直接的もしくは間接的に、検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。この点に関し、“大寸の物体”とは、所定寸法よりも大きい一つ以上の寸法を有するか、または、一つ以上の要因に基づいて別様に“大寸”であると推定される任意の物体である。“非大寸の物体”とは、所定寸法よりも小さい一つ以上の寸法を有するか、または、一つ以上の要因に基づいて別様に非大寸であると推定される任意の物体である。
【0053】
検出済み物体の相対サイズは、任意の適切な様式で決定され得る。例えば、上記物体の検出済み寸法(例えば、長さ、幅及び/または高さ)は、所定寸法と比較され得る。上記所定寸法は、任意の適切な値を有し得る。一つ以上の配置構成において、検出済み寸法が所定寸法より大きければ、上記物体は、大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。斯かる比較、決定、分類及び/または考慮は、例えば、プロセッサ110及び/または物体認識モジュール123により行われ得る。もし検出済み寸法が上記所定寸法以下であるなら、上記物体は、非大寸の物体であると決定、分類または考慮され得る。
【0054】
一つ以上の配置構成において、上記所定寸法は、所定長さであり得る。斯かる配置構成において、検出済み物体の相対サイズは、上記所定長さに関して決定され得る。例えば、物体の長さが検出され得る。上記物体の検出済み長さは、所定長さに対して比較され得る。上記所定長さは、任意の適切な長さであり得る。一つ以上の配置構成において、上記所定長さは、実質的に、移動体100の長さ以上であり得る。一つ以上の配置構成において、更に小寸の移動体などの場合、上記所定長さは、移動体100の長さより大きい値であり得る。幾つかの配置構成において、検出済み長さが上記所定長さより大きいなら、上記物体は、大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。もし検出済み長さが上記所定長さ以下であるなら、上記物体は、非大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。
【0055】
代替的もしくは付加的に、上記物体の相対サイズは、一種類以上の入力に基づいて決定され得る。例えば、センサ・システム125は、物体の側の車輪もしくはタイヤの個数を、直接的もしくは間接的に、検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。検出された車輪またはタイヤの個数に基づき、プロセッサ110及び/または物体認識モジュール123は、上記物体が大寸の物体か否かを決定し得る。例えば、周囲物体の側にて2個より多い車輪が検出されたなら、それは(例えばトラックなどの)大寸の物体であると決定され得る。
【0056】
代替的もしくは付加的に、センサ・システム125、プロセッサ110及び/または物体認識モジュール123は、物体の車輪またはタイヤのサイズを直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。一例として、物体の車輪またはタイヤは、関連する直径及び/または半径を有し得る。上記車輪またはタイヤのサイズは、車輪またはタイヤの直径または半径の直接的な測定により決定され得る。幾つかの配置構成において、タイヤまたは車輪の検出された直径または半径は、所定の直径または半径と比較され得る。上記所定の直径または半径は、任意の適切な値であり得る。一つ以上の配置構成において、上記所定の直径または半径は、移動体100のタイヤまたは車輪の直径または半径に実質的に等しくあり得る。一つ以上の配置構成において、更に小寸の車輪またはタイヤの移動体の場合などにおいて、所定の直径または半径は、移動体100のタイヤまたは車輪の直径または半径より大きい値であり得る。もし、検出された直径または半径が、所定の直径または半径より大きいなら、物体は大寸もしくは長寸の物体であると決定され得る。もし、検出された直径または半径が、上記所定の直径または半径以下であるなら、物体は、非大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。斯かる比較及び/または決定は、例えば、プロセッサ110及び/または物体認識モジュール123により行われ得る。
【0057】
物体認識モジュール123は、(不図示の)物体画像データベースを含み、及び/または、それに対するアクセスを有し得る。上記物体画像データベースは、複数の異なる物体(例えば移動体)の一つ以上の画像を含み得る。本明細書においては移動体に関して配置構成が記述されるが、配置構成は移動体に限定されないことは理解される。実際、上記物体画像データベースは、移動体でない物体の一つ以上の画像を含み得る。各画像は、複数種の異なる移動体の少なくとも一部分の外面の一つ以上の部分のものであり得る。例えば、各画像は、移動体の少なくとも一部のものであり得る。各画像は、任意の適切な形態で提供され得る。上記移動体画像データベースは、データ記憶装置115内などの如く、移動体100に搭載され得るか、または、それは、移動体100の外部の情報源(例えば、クラウド系のデータ記憶装置)に配置され得る。
【0058】
一例として、物体認識モジュール123は、任意の適切な移動体認識ソフトウェアまたは他の物体認識ソフトウェアも含み得る。上記移動体認識ソフトウェアは、カメラ・システム126により捕捉された画像を解析し得る。上記移動体認識ソフトウェアは、可能的な合致に対して上記移動体画像データベースを照会し得る。例えば、カメラ・システム126により捕捉された画像は、可能的な合致に対して上記移動体画像データベースにおける画像と比較され得る。代替的もしくは付加的に、カメラ・システム126及び/またはセンサ・システム125により捕捉された画像の測定値または他の特性は、上記移動体画像データベースにおける一切の画像の測定値または他の特性と比較され得る。物体認識モジュール123は、捕捉された画像と、移動体データベースとの間に合致が在るなら、検出済み物体を特定形式の移動体として識別し得る。
【0059】
“合致”または“合致する”とは、上記センサ・システムにより収集された画像または他の情報、及び、上記移動体データベース中の一つ以上の画像が、実質的に同一的であることを意味する。例えば、上記センサ・システムにより収集された画像または他の情報、及び、上記移動体データベース中の一つ以上の画像は、所定の可能性(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または、それ以上)または信頼レベル内で合致し得る。
【0060】
一つ以上の配置構成において、移動体100は物体移動分類モジュール124を含み得る。センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、物体移動分類モジュール124は、将来的に企図された運転操作に対して情報臨界領域に関する物体の移動を決定、評価及び/または分類すべく構成され得る。“将来的に企図された運転操作”とは、当該移動体の現在の進行経路に沿い該移動体が進行するために行われることが意図または企図された該移動体の一切の移動もしくは動作を意味する。
【0061】
一つ以上の配置構成において、物体移動分類モジュール124は、物体が、移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているのか不都合に移動しているのかを決定し得る。“好都合に移動する”とは、物体が、自律移動体が将来的に企図された運転操作を実施している間に、情報臨界領域と該自律移動体との間に配置されるという方向及び/または斯かる様式で移動していることを意味する。“不都合に移動する”とは、物体が、自律移動体が将来的に企図された運転操作を実施している間に、情報臨界領域と該自律移動体との間に配置されないという方向及び/または斯かる様式で移動していることを意味する。
【0062】
移動体100は、入力システム130を含み得る。“入力システム”とは、情報/データがマシンに入力されることを可能とする任意のデバイス、構成要素、システム、要素または配置機構、または、その群として定義される。入力システム160は、(例えば運転者または乗客などの)移動体乗員から入力を受信し得る。例えば、キー・パッド、ディスプレイ、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイクロフォン、及び/または、それらの組み合わせなどの、任意の適切な入力システム130が使用され得る。
【0063】
移動体100は、出力システム135を含み得る。“出力システム”とは、情報/データが(例えば対象者、移動体乗員などの)移動体乗員に対して呈示されることを可能とする任意のデバイス、構成要素、システム、要素または配置機構、または、その群として定義される。出力システム135は、情報/データを移動体乗員に対して呈示し得る。出力システム135は、上述された如く、ディスプレイを含み得る。代替的または付加的に、出力システム135は、マイクロフォン、イヤフォン及び/またはスピーカを含み得る。移動体100の幾つかの構成要素は、入力システム130の構成要素、及び、出力システム135の構成要素の両方の役割を果たし得る。
【0064】
移動体100は、一つ以上の移動体システム145を含み得る。
図1には、一つ以上の移動体システム145の種々の例が示される。但し、移動体100は、更に多数の、更に少数の、または、異なるシステムを含み得る。特定の移動体システムが別個に定義されるが、各システムの各々もしくは任意のもの、または、それらの一部は、移動体100におけるハードウェア及び/またはソフトウェアを介して別様に結合もしくは分割され得ることを理解すべきである。
【0065】
移動体100は、推進システム150を含み得る。推進システム150は、移動体100に対する動力運動を提供すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。推進システム150は、エンジン及びエネルギ源を含み得る。
【0066】
上記エンジンは、現在において公知の、または、後時に開発される、任意の適切な形式のエンジンもしくはモータであり得る。例えば、上記エンジンは、幾つかの可能性を挙げただけでも、内燃エンジン、電気モータ、蒸気機関、及び/または、スターリングエンジンであり得る。幾つかの実施例において、上記推進システムは、複数のエンジン形式を含み得る。例えば、ガソリン/電気ハイブリッド移動体は、ガソリンエンジン及び電気モータを含み得る。
【0067】
上記エネルギ源は、上記エンジンに少なくとも部分的に動力供給を行うべく使用され得るエネルギの任意の適切な供給源であり得る。上記エンジンは、上記エネルギ源を機械的エネルギへと変換すべく構成され得る。エネルギ源の例としては、ガソリン、ディーゼル、プロパン、水素、他の圧縮ガス系燃料、エタノール、ソーラ・パネル、バッテリ、及び/または、電力の他の供給源が挙げられる。代替的または付加的に、上記エネルギ源は、燃料タンク、バッテリ、コンデンサ、及び/または、フライホィールを含み得る。幾つかの実施例において、上記エネルギ源は、移動体100の他のシステムに対してエネルギを提供すべく使用され得る。
【0068】
移動体100は、車輪、タイヤ及び/または無限軌道を含み得る。任意の適切な形式の車輪、タイヤ及び/または無限軌道が使用され得る。一つ以上の配置構成において、移動体100の車輪、タイヤ及び/または無限軌道は、移動体100の他方の車輪、タイヤ及び/または無限軌道に関して差動的に回転すべく構成され得る。上記車輪、タイヤ及び/または無限軌道は、任意の適切な材料で作成され得る。
【0069】
移動体100は、制動システム155を含み得る。制動システム155は、移動体100を減速すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。一例として、制動システム155は、車輪/タイヤを減速すべく摩擦を使用し得る。制動システム155は、上記車輪/タイヤの運動エネルギを電流へと変換し得る。
【0070】
更に、移動体100は、操舵システム160を含み得る。操舵システム160は、移動体100の機首方位を調節すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。
【0071】
移動体100は、スロットル・システム165を含み得る。スロットル・システム165は、移動体100のエンジン/モータの動作速度を制御することで移動体100の速度を制御すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。
【0072】
移動体100は、動力伝達システム170を含み得る。動力伝達システム170は、移動体100のエンジン/モータからの機械的動力を車輪/タイヤに伝達すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。例えば、動力伝達システム170は、変速機、クラッチ、差動機、駆動シャフト、及び/または、他の要素を含み得る。動力伝達システム170が駆動シャフトを含む配置構成において、該駆動シャフトは、上記車輪/タイヤに対して連結されるべく構成された一つ以上の車軸を含み得る。
【0073】
移動体100は、信号通知システム175を含み得る。信号通知システム175は、移動体100の運転者に対して照明を提供し、且つ/又は、移動体100の一つ以上の様相に関する情報を提供すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。例えば、信号通知システム175は、移動体の存在、位置、サイズ、進行の方向に関する情報、及び/または、進行の方向及び速度に関する運転者の意図を提供し得る。例えば、信号通知システム175は、ヘッドライト、尾灯、制動灯、ハザードライト、及び、方向指示灯を含み得る。
【0074】
移動体100は、ナビゲーション・システム180を含み得る。ナビゲーション・システム180は、移動体100の地理的箇所を決定し、且つ/又は、移動体100の進行経路を決定すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、アプリケーション、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。
【0075】
ナビゲーション・システム180は、移動体100に対する進行経路を決定する一つ以上のマッピング・アプリケーションを含み得る。例えば、運転者もしくは乗客は、出発地及び目的地を入力し得る。上記マッピング・アプリケーションは、上記出発地と目的地との間における一つ以上の適切な進行経路を決定し得る。進行経路は、(例えば、最短の進行距離、最短の進行時間の量などの)一つ以上のパラメータに基づいて選択され得る。幾つかの配置構成において、ナビゲーション・システム180は、移動体100が動作している間に動的に進行経路を更新すべく構成され得る。
【0076】
ナビゲーション・システム180は、全地球測位システム、局地測位システム、または、地理位置情報システムを含み得る。ナビゲーション・システム180は、合衆国の全地球測位システム(GPS)、ロシアのグロナスシステム、欧州のガリレオシステム、中国の北斗(Beidou)システムの如き多数の衛星測位システム、または、衛星システムの組み合わせからの衛星を使用する任意のシステム、または、中国のCOMPASSシステム及びインドの地域的衛星測位システムなどの、将来的に開発される任意の衛星システムの内の任意の一つにより実現され得る。更に、ナビゲーション・システム180は、伝送制御プロトコル(TCP)、及び/または、地理情報システム(GIS)及び位置情報サービスを使用し得る。
【0077】
ナビゲーション・システム180は、地球に関する移動体100の位置を推定すべく構成された送受信機を含み得る。例えば、ナビゲーション・システム180は、移動体の緯度、経度、及び/または、高度を決定するGPS送受信機を含み得る。ナビゲーション・システム180は、(例えば、レーザ式の位置特定システム、慣性支援GPS、及び/または、カメラ式の位置測定などの)他のシステムを使用して移動体100の箇所を決定し得る。
【0078】
代替的または付加的に、ナビゲーション・システム180は、W3Cの地理位置アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を用いる如き、アクセス・ポイント地理位置情報サービスに基づき得る。斯かるシステムによれば、移動体100の箇所は、例えば、インターネット・プロトコル(IP)アドレス、Wi-Fi及びブルートゥースの媒体アクセス制御(MAC)アドレス、無線識別(RFID)、Wi-Fi接続箇所、または、デバイスGPS、及び、移動通信用グローバル・システム(GSM)/符号分割多重アクセス(CDMA)式のセルIDなどの場所情報サービスの参照により決定され得る。故に、移動体100の地理的位置が決定される特定様式は、使用される特定の位置追尾システムの動作の様式に依存することは理解される。
【0079】
プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、種々の移動体システム145、及び/または、その個々の構成要素と通信すべく作用的に接続され得る。例えば、
図1に戻ると、プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、種々の移動体システム145と通信して情報を送信及び/または受信し、移動体100の移動、速度、操縦、機首方位、方向などを制御し得る。プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、これらの移動体システム145の幾つかまたは全てを制御し得ることから、部分的にまたは完全に自律的であり得る。
【0080】
プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145及び/またはその構成要素を制御することにより、移動体100の航行及び/または操縦を制御すべく作用可能であり得る。例えば、自律モードで動作しているとき、プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、移動体100の方向及び/または速度を制御し得る。プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、移動体100が、(例えば、エンジンに対して提供される燃料の供給量を増加することにより)加速し、(例えば、エンジンに対する燃料の供給量を減少し、且つ/又は、ブレーキを掛けることにより)減速し、且つ/又は、(例えば前側の2つの車輪を旋回させることにより)方向を変えることを引き起こし得る。本明細書中で用いられる如く、“引き起こす”または“引き起こして”とは、直接的もしくは間接的な様式のいずれかにて、事象もしくは動作が生ずること、または、少なくとも、斯かる事象もしくは動作が生じ得る状態であることを、行わせ、強制し、強要し、指図し、命令し、指示し、及び/または、可能とすることを意味する。
【0081】
移動体100は、一つ以上のアクチュエータ140を含み得る。各アクチュエータ140は、一つ以上の移動体システム145またはその構成要素を改変し、調節し及び/または変化させて、プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120からの信号または他の入力に受信に応答すべく作用可能な任意の要素または要素の組み合わせであり得る。任意の適切なアクチュエータが使用され得る。例えば、一つ以上のアクチュエータ140としては、幾つかの可能性を挙げただけでも、モータ、空気圧的アクチュエータ、油圧式ピストン、リレー、ソレノイド、及び/または、圧電アクチュエータが挙げられる。
【0082】
本明細書中に記述された配置構成に依れば、移動体100は、乗員視界遮断環境において自律移動体を操作すべく構成され得る。本明細書中の配置構成に依れば、移動体100(または、その一つ以上の要素)は、外部環境の乗員視認可能領域、センサ・システム125及び/またはカメラ・システム127のセンサ検出領域を決定すべく、且つ/又は、移動体100の現在の進行経路に沿う将来的に企図された運転操作に関する情報臨界領域を特定すべく、構成され得る。
【0083】
一つ以上の配置構成においては、外部環境における一つ以上の検出済み物体が、決定済み乗員視認可能領域の外側に配置されているとの決定に応じて、処置が取られ得る。例えば、上記処置は、移動体100内に警報を呈示することであり得る。代替的または付加的に、上記処置は、移動体100の現在の運転操作が改変されることを引き起こすことであり得る。可能的な処置のこれらの及び他の例は、本記述を通して相当に詳細に説明される。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110、運転モジュール120、視認解析モジュール121、及び/または、他の単一もしくは複数の要素は、外部環境における一つ以上の検出済み物体が決定済み乗員視認可能領域の外側に配置されているか否かを決定すべく構成され得る。
【0084】
一つ以上の配置構成においては、情報臨界領域の少なくとも一部が、検出済みの遮断的物体の存在の故に、決定済み乗員視認可能領域ならびに決定済みセンサ検出領域の外側に配置されているか否かが決定され得る。一つ以上の配置構成においては、斯かる決定に応じて、検出済みの遮断的物体が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かが決定され得る。これらの及び/または他の決定は、少なくとも部分的に、プロセッサ110、自律運転モジュール120、視認解析モジュール121、情報臨界領域決定モジュール122、物体認識モジュール123、物体移動分類モジュール124、及び/または、他の要素により行われ得る。一つ以上の配置構成において、検出済みの遮断的物体が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動していると決定されたなら、移動体100は、上記情報臨界領域内に配置された任意の可能的な物体から上記遮断的物体により防護されるべく上記遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。
【0085】
此処まで、移動体100の種々の可能的なシステム、デバイス、要素及び/または構成要素が記述されてきたが、次に、視界遮断環境において自律移動体を操作する種々の方法が記述される。今、
図2を参照すると、進行経路の視界遮断部分において自律移動体を操作する別の方法の実施例が示される。次に、方法200の種々の可能的なステップが記述される。
図2に示された方法200は
図1に関して上述された実施例に適用可能であり得るが、方法200は、他の適切なシステム及び配置構成により実施され得ることは理解される。更に、方法200は、此処では示されない他のステップを含み得ると共に、実際、方法200は
図2に示された全てのステップを包含することに限定されない。方法200の一部として此処で示される各ステップは、この特定の時系列的順序に限定されない。実際、各ステップの幾つかは、示されたのとは異なる順序で実施され得、且つ/又は、示された各ステップの少なくとも幾つかは同時に行われ得る。
【0086】
ブロック210にては、進行経路の少なくとも一部に沿う情報臨界領域が特定され得る。上記情報臨界領域は、移動体100の将来的な運転操作に関連し得る。上記情報臨界領域の特定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。一つ以上の配置構成において、上記情報臨界領域の特定は、少なくとも部分的に、情報臨界領域決定モジュール122、ナビゲーション・システム180及び/またはプロセッサ110により実施され得る。幾つかの配置構成において、情報臨界領域の特定は、継続的に、または、任意の適切な時的間隔で実施され得る。方法200は、ブロック220へと継続し得る。
【0087】
ブロック220にては、上記自律移動体の外部環境の少なくとも一部が検知されて、其処に配置された物体の存在を検出し得る。更に詳細には、上記自律移動体の外部環境の少なくとも一部が検知されて、其処に配置された遮断的物体の存在を検出し得る。“遮断的物体”とは、上記乗員視認可能領域及び/または上記センサ検出領域の一部を遮断する一切の物体である。上記外部環境を検知して其処に配置された一つ以上の遮断的物体の存在を検出する段階は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。一つ以上の配置構成において、上記外部環境の検知は、少なくとも部分的に、センサ・システム125(または、その構成要素)、カメラ・システム127(または、その一部)、及び/または、プロセッサ110により実施され得る。方法200は、ブロック230へと継続し得る。
【0088】
ブロック230にては、上記外部環境の乗員視認可能領域が決定され得る。上記乗員視認可能領域の決定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。一つ以上の配置構成において、上記乗員視認可能領域の決定は、センサ・システム125、カメラ・システム127(例えば、一台以上の乗員視界カメラ)、視認解析モジュール121、及び/または、プロセッサ110により実施され得る。上記乗員視認可能領域の決定は、継続的に、または、任意の適切な時的間隔で実施され得る。方法200は、ブロック240へと継続し得る。
【0089】
ブロック240にては、外部環境に対する移動体のセンサ検出領域が決定され得る。該センサ検出領域の決定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。一つ以上の配置構成において、上記センサ検出領域の決定は、センサ・システム125、カメラ・システム127、視認解析モジュール121及び/またはプロセッサ110により実施され得る。上記センサ検出領域の決定は、継続的に、または、任意の適切な時的間隔で実施され得る。方法200は、ブロック250へと継続し得る。
【0090】
ブロック250にては、上記情報臨界領域の少なくとも一部が、遮断的物体の存在の故に、上記乗員視認可能領域及び上記センサ検出領域の両方の外側に配置されているか否かが決定され得る。斯かる決定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、上記決定は、プロセッサ110、センサ・システム125、カメラ・システム127、視認解析モジュール121及び/または情報臨界領域決定モジュール122により実施され得る。
【0091】
上記情報臨界領域の少なくとも一部が、遮断的物体の存在の故に、上記乗員視認可能領域及び上記センサ検出領域の両方の外側に配置されているとの決定に応じ、上記視界遮断的物体が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かが決定され得る。斯かる決定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、上記決定は、プロセッサ110、センサ・システム125、カメラ・システム127、自律運転モジュール120、または、物体移動分類モジュール124により実施され得る。上記方法は、ブロック260へと継続し得る。
【0092】
上記検出済みの遮断的物体が、移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているのか不都合に移動しているのかが決定され得る。斯かる決定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、上記決定は、プロセッサ110、センサ・システム125、カメラ・システム127、自律運転モジュール120及び/または物体移動分類モジュール124により実施され得る。
【0093】
ブロック260にては、検出済みの遮断的物体が上記移動体の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているとの決定に応じ、移動体100の将来的に企図された運転操作が実施せしめられ得る。上記将来的に企図された運転操作は、上記情報臨界領域内に配置された、特に、上記検出済みの遮断的物体の故に上記乗員視認可能領域及び上記センサ検出領域の両方の外側に配置された情報臨界領域の少なくとも一部内に配置された、任意の可能的な物体から上記遮断的物体により防護されるべく上記遮断的物体に関連して移動しながら、実施され得る。
【0094】
一つ以上の配置構成において、プロセッサ110及び/または運転モジュール120は、将来的に企図された運転操作を移動体100に実施させ得る。プロセッサ110及び/または運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145に対して作用的に接続されることで、上記将来的に企図された運転操作を実施させ得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110及び/または運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145またはその一部を制御して将来的に企図された運転操作を実施し得る一つ以上のアクチュエータ140を制御すべく作用可能であり得る。
【0095】
上記将来的に企図された運転操作を実施させる段階は、自動的に実施され得ることを銘記すべきである。一つ以上の配置構成において、(例えば運転者及び/または他の乗客などの)移動体乗員は、将来的に企図された運転操作を実施するとの許可を提供することが促され得る。上記移動体乗員は、任意の適切な様式で促され得る。例えば、移動体100内のディスプレイ上には、プロンプトが呈示され得る。代替的または付加的に、上記プロンプトは、一つ以上の音響チャネルを介して移動体乗員に対して聴覚的に出力され得る。上述のプロンプト表示の代替策として、または、それに加え、他の形態のプロンプト表示が使用され得る。将来的な運転操作の実施に対する移動体乗員の承認に対応する入力の受信に応じて、移動体100は上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。
【0096】
上記将来的に企図された運転操作は、任意の形式の運転操作であり得る。例えば、上記将来的に企図された運転操作は、交差点の通過、右折、左折、または、ロータリーの通り抜けでさえあり得る。現在の進行経路は、複数の将来的に企図された運転操作を有し得る。
【0097】
更に、上記情報臨界領域内に配置された任意の可能的な物体から上記遮断的物体により防護されるべく上記遮断的物体に関連して移動する段階は、移動体100の任意の適切な移動であり得る。一つ以上の配置構成において、上記検出済みの遮断的物体に関連して移動する段階は、移動体100と情報臨界領域350との間に上記トラックを維持すべく移動する段階を含み得る。幾つかの場合、検出済みの遮断的物体に関連して移動する段階は、移動体100が、検出済みの遮断的物体と実質的に同一の速度で前方に移動する段階を含み得る。幾つかの場合、検出済みの遮断的物体に関連して移動する段階は、移動体100が、上記検出済みの遮断的物体を追い抜くこと無く、上記検出済みの遮断的物体と並んで移動する段階を含み得る。一つ以上の配置構成においては、移動体100と上記検出済みの遮断的物体との間に所定の横方向間隔が維持され得る。一つ以上の配置構成においては、上記移動体と上記検出済みの遮断的物体との間に所定の先駆け距離が維持され得る。“先駆け距離(leading distance)”は、上記検出済みの遮断的物体の前側箇所と上記移動体の前側箇所との間の距離を意味する。上記前側箇所は、上記移動体及び/または上記検出済みの遮断的物体の最前側の箇所であり得る。各前側箇所は、上記移動体及び上記検出済みの遮断的物体の進行方向に関して決定される。
【0098】
一つ以上の配置構成において、上記自律移動体に、上記検出済みの遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施させる段階は、一つ以上の付加的要因に応じ得る。例えば、上記検出済みの遮断的物体が大寸の物体か否かが決定され得る。斯かる決定は、例えば、センサ・システム125、カメラ・システム127、プロセッサ110、及び/または、物体認識モジュール123により行われ得る。一つ以上の配置構成において、上記自律移動体に、上記検出済みの遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施させる段階は、更に、上記検出済みの遮断的物体が大寸の物体であるとの決定に応じたものであり得る。故に、もし、検出済みの遮断的物体が大寸の物体であると決定されたなら、上記自律移動体は、上記検出済みの遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。但し、検出済みの遮断的物体が非大寸の物体であると決定されたなら、上記自律移動体は、上記検出済みの遮断的物体に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられはしない、と言うのも、非大寸の物体は、上記情報臨界領域に配置された任意の可能的な物体に対する移動体100の防護体の役割を果たすには不十分な候補であり得るからである。
【0099】
上記移動体が上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられるとき、方法200は終了し得る。代替的に、方法200はブロック210へと戻り得る。更なる代替策として、方法200は(不図示の)付加的ブロックを含み得る。幾つかの場合、移動体100は、少なくとも、該移動体100が、上記情報臨界領域を通過し、且つ/又は、上記将来的に企図された運転操作を完了するまで、上記検出済みの遮断的物体に関連して移動し続け得る。
【0100】
一つ以上の実施形態においては、上記検出済みの遮断的物体が、上記移動体の将来的に企図された運転操作に対して不都合に移動しているとの決定に応じ、移動体100の将来的に企図された運転操作は、実施されなくても良く、または、所定の時的間隔にわたり、且つ/又は、所定の事象が生ずるまで、実施されなくても良いことを銘記すべきである。一例として、上記検出済みの遮断的物体が、移動体100の将来的に企図された運転操作に対して不都合に移動しているとの決定に応じ、上記将来的に企図された運転操作の実施は、上記情報臨界領域が、上記乗員視認可能領域及び/または上記センサ検出領域の少なくとも一方内に配置されるまで、遅延され得る。例えば、移動体100は、情報臨界領域が上記乗員視認可能領域及び/または上記センサ検出領域の少なくとも一方内に配置される如く、上記遮断的物体が十分な距離を移動するまで、上記将来的に企図された運転の実施を待機し得る。
【0101】
次に、
図3A及び
図3Bに関し、方法200に係る移動体100の操作法の非限定的な実施例が記述される。この実施例に対し、移動体100は第1道路305及び第2道路310を含む環境300にて進行中であり得る。本明細書中で用いられる如く、“道路”とは、2つの場所の間において、移動体が進行し得る通路、経路、行路または進路を意味する。道路は、舗装または別様に整備されることで、その上での移動体による進行を促進し得る。幾つかの場合、道路は、未舗装または整備なしであり得る。道路は、公道または私道であり得る。上記道路は、一つ以上の橋、トンネル、支持構造、合流点、交差点、インターチェンジ、及び、有料道路の一部を含み、または、それであり得る。
【0102】
第1道路305及び第2道路310は相互に交差して、交差点325を形成し得る。一つ以上の配置構成において、交差点325に関する交通は、(一時停止標識、信号機などの)任意の適切な交通制御デバイスを用いて調整され得る。一つ以上の配置構成において、交差点325は、付随する交通制御デバイスを有さないことがある。第1道路305及び第2道路310は、相互に関して任意の適切な角度で配向され得る。例えば、第1道路305及び第2道路310は、
図3A及び
図3Bに示された如く、相互に対して実質的に90°で配向され得る。但し、一つ以上の配置構成において、第1道路305及び第2道路310は、相互に関して鋭角にて配向され得る。一つ以上の配置構成において、第1道路305及び第2道路310は、相互に関して鈍角にて配向され得る。更に、幾つかの配置構成において、交差点325は2本より多い道路により形成され得る。
【0103】
第1道路305は、複数の走行車線306、307、308を含み得る。本明細書中で用いられる如く、“走行車線”とは、単一列の移動体による使用に対して指定された道路の部分、及び/または、単一列の移動体により使用されつつある道路の部分である。幾つかの場合、一本以上の走行車線306、307、308は、第1道路305上のマークにより、または、他の任意で適切な様式で指定され得る。幾つかの場合、一本以上の走行車線306、307、308は、マーク付けされないこともある。
【0104】
第1道路305及び第2道路310は、任意の適切な構成及び/またはレイアウトを有し得る。第1道路305及び/または第2道路310は、複数の走行車線を含む双方向走行に対して指定され得る。この実施例に対し、第1道路305は、第1群の一本以上の走行車線303及び第2群の一本以上の走行車線304を含み得る。第1群の走行車線303は、第1方向316における移動体走行に対して意図もしくは指定され得る。第2群の走行車線304は、第2方向317における移動体走行に対して意図もしくは指定され得る。第1方向316は、第2方向317とは異なり得る。例えば、第1方向316は、実質的に第2方向317の逆方向であり得る。
【0105】
第1群の走行車線303及び第2群の走行車線304は、任意の適切な形式及び/または量の走行車線を含み得る。例えば、
図3A及び
図3Bは、少なくとも交差点325の下側の第1道路305の部分に関し、第1群の走行車線303は2本の走行車線306、307を含み得る。第2群の走行車線304は、単一走行車線308を含み得る。
【0106】
第2道路310は、第3群の一本以上の走行車線318及び第4群の一本以上の走行車線319を含み得る。第3群の走行車線318は、第3方向313における移動体走行に対して意図もしくは指定され得る。第4群の走行車線319は、第4方向314における移動体走行に対して意図もしくは指定され得る。第3方向313は、第4方向314と異なり得る。例えば、第3方向313は、実質的に第4方向314の逆方向であり得る。
【0107】
第3群の走行車線318及び第4群の走行車線319は、任意の適切な形式及び/または量の走行車線を含み得る。例えば、
図3A及び
図3Bは、第3群の走行車線318は走行車線311を含み得ると共に、第4群の走行車線319は走行車線312を含み得るという実施例を示している。
【0108】
第1道路305、第2道路310及び/または交差点325に関して本明細書中に示され且つ記述される配置構成は、単なる例として提供されると共に、各配置構成は、示され且つ記述された特定の配置構成に限定されないことは理解される。実際、本明細書中に記述される配置構成は、任意の量、形式、及び/または、配置構成の走行車線を有する道路に関して使用され得る。
【0109】
移動体100は、第1道路305上を進行中であり得る。移動体100の現在の進行経路は、第1道路305上で前方に進行して交差点325を通過する段階を含み得る。移動体100は、第1方向316に進行しながら、交差点325に接近中であり得る。それが交差点325に接近するにつれ、該移動体100の現在走行車線は、走行車線306であり得る。“現在走行車線”とは、移動体が現時点において走行している走行車線を意味する。走行車線307には、(例えばトラック330などの)他の移動体が配置され得る。移動体100及びトラック330は、交差点325において停止され得る。移動体100及びトラック330に対しては、交通制御デバイスなどにより、交差点325内への進展の前に停止するとの表示が呈示され得る。
【0110】
上記進行経路の少なくとも一部に沿う一つ以上の情報臨界領域は、移動体100(例えば、情報臨界領域決定モジュール122、ナビゲーション・システム180及び/またはプロセッサ110)により特定され得る。上記情報臨界領域は、移動体100の将来的に企図された運転操作に関連し得る。この実施例において、将来的に企図された運転操作は、第1道路305上で第1方向316に交差点325を通る前方走行であり得る。結果として、一つの情報臨界領域は、交差点325の(
図3A及び
図3Bにおいて)左側に配置された走行車線312の領域350を含み得る、と言うのも、この領域350を進行している一切の移動体は、移動体100が第1道路306上で交差点325を通り抜けるときに該移動体の関心事だからである。
【0111】
移動体100は、外部環境300の乗員視認可能領域360を決定し得る。但し、乗員視認可能領域360は、(例えばトラック330などの)一つ以上の遮断的物体の存在に依り影響され得る。斯かる場合、乗員視認可能領域360は、トラック330が不在であるときほど大きくないことがある。
【0112】
移動体100は、センサ検出領域370を決定し得る。該センサ検出領域370は、(例えばトラック330などの)一つ以上の遮断的物体の存在に依り影響され得る。斯かる場合、センサ検出領域370は、トラック330が不在であるときほど大きくないことがある。
【0113】
移動体100(視認解析モジュール121、情報臨界決定モジュール122、及び/またはプロセッサ110)は、情報臨界領域350の少なくとも一部が、決定済み乗員視認可能領域360及びセンサ検出領域370の外側に配置されているか否かを決定し得る。
図3Aの実施例において示された如く、情報臨界領域350は、トラック330の存在の故に、決定済み乗員視認可能領域360及びセンサ検出領域370の外側に配置されている。故に、センサ・システム125も、(例えば運転者などの)単一もしくは複数の移動体乗員も、情報臨界領域350を検知し得ない。結果として、(例えば第1道路305上を第1方向316に前方に移動するなどの)将来的に企図された運転操作を実施することには大きなリスクがある、と言うのも、情報臨界領域330に関して入手可能な情報が不十分だからである。この実施例においては、情報臨界領域350に別の移動体380が存在し得る。
【0114】
上記情報臨界領域の少なくとも一部が、決定済み乗員視認可能領域360及び決定済みセンサ検出領域370の外側に配置されているとの決定に応じ、トラック330が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かが決定され得る。移動体100は、トラック330を監視し、その移動を評価し得る。一つ以上の配置構成において、移動体100は、移動体100が該移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かを該移動体自体が決定するまで、停止状態に留まり得る。トラック330の移動は、センサ・システム125、カメラ・システム127、及び/または、プロセッサ100により検出され得る。トラック330が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているのか不都合に移動しているのかの決定は、移動体100の任意の適切な要素または要素の組み合わせにより実施され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、上記決定は、プロセッサ110、センサ・システム125、カメラ・システム127(例えば、一台以上の乗員視界カメラ)、自律運転モジュール120、及び/または、物体移動分類モジュール124により実施され得る。
【0115】
この実施例において、
図3Bに示された如く、トラック330は第1方向316において第1道路305に沿い前方に移動し得る。故に、トラック330は、移動体100の将来的に企図された運転操作(第1道路305上で第1方向316に交差点325を通る走行)に対して好都合に移動しつつある、と言うのも、トラック330は、移動体100が第1道路305上で第1方向316に交差点325を通り走行する間に該トラックが情報臨界領域350と移動体100との間に配置される如き方向及び/または様式で移動中だからである。斯かる配置形態は、
図3Bに示される。
【0116】
トラック330が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているとの決定に応じ、移動体100は、トラック330に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110及び/または運転モジュール120は、上記将来的に企図された運転操作を移動体100に実施させ得る。プロセッサ110及び/または運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145に対して作用的に接続されることで、上記将来的に企図された運転操作を実施し得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110及び/または運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145またはその一部を制御して上記将来的に企図された運転操作を実施し得る一つ以上のアクチュエータ140を制御すべく作用可能であり得る。
【0117】
上述の如く、移動体100はトラック330に関連して移動する。任意の適切な相対移動が実施され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、移動体100は、トラック330と実質的に同一の速度で移動し得る。一つ以上の配置構成において、移動体100は、所定の最小限の横方向間隔385を維持しながら、トラック330と並んで移動し得る。一つ以上の配置構成において、移動体100は、トラック330を追い抜くこと無く、前方に移動し得る。一つ以上の配置構成においては、移動体100とトラック330との間に所定の先駆け距離386が維持され得る。
【0118】
上記に鑑みると、トラック330は、該トラック330の故に、決定済み乗員視認可能領域360及び決定済みセンサ検出領域370の外側に配置された情報臨界領域350の少なくとも一部内に配置された任意の可能的な物体(例えば、移動体380)から移動体100を防護し得ることは理解される。斯かる様式で動作することにより、情報臨界領域350における(例えば移動体380などの)物体により衝突されるリスクは減少され得る、と言うのも、斯かる物体は最初にトラック330に衝突する可能性が高いからである。
【0119】
移動体100は、任意の適切な箇所まで、上記移動体に関連して移動し続け得る。例えば、移動体100は、少なくとも、該移動体100が情報臨界領域350を通過するまで、トラック330に関連して移動し続け得る。代替的もしくは付加的に、移動体10は、少なくとも、該移動体100が将来的に企図された運転操作を完了するまで、トラック330に関連して移動し続け得る。
【0120】
次に、
図4A及び
図4Bに関し、方法200に係る移動体100の操作法の別の非限定的な実施例が記述される。この実施例に対し、移動体100は環境400にて進行中であり得る。簡素化のために、環境400は、少なくとも第1及び第2の道路305、310に関し、環境300と実質的に同一であり得る。従って、環境300の上記説明は、環境400に対して等しく適用されると共に、此処に取入れられる。
【0121】
移動体100及びトラック330は、交差点325にて停止され得る。
図4Aに示された実施例に対し、上記将来的に企図された運転操作は、第2街路310への右折であり得る。
図4A及び
図4Bの以下の考察は右折499に関するが、配置構成は右折に限定されないことは理解される。実際、本明細書中に記述される配置構成は、左折またはロータリーに関してさえも使用され得る。
【0122】
移動体100(例えば、情報臨界領域決定モジュール122、ナビゲーション・システム180及び/またはプロセッサ110)によれば、進行経路の少なくとも一部に沿う一つ以上の情報臨界領域が特定され得る。移動体100の将来的に企図された運転操作は第2街路310への右折なので、一つの情報臨界領域は、交差点325の(
図4A及び
図4Bにおいて)左側に配置された走行車線312の領域350を含み得る、と言うのも、この領域350を進行している一切の移動体は、移動体100が第2道路310へと右折するときに該移動体の関心事だからである。
【0123】
移動体100は、トラック330の存在の故に両方ともが影響される乗員視認可能領域360及びセンサ検出領域370を決定し得る。移動体100は、
図4Aに示された如く、情報臨界領域350の少なくとも一部が、決定済み乗員視認可能領域360及びセンサ検出領域370の外側に配置されているか否かを決定し得る。故に、センサ・システム125も(例えば運転者などの)単一もしくは複数の移動体乗員も、情報臨界領域350を検知し得ない。結果として、(例えば第1道路305上を第1方向316に前方に移動するなどの)将来的に企図された運転操作を実施することには大きなリスクがある、と言うのも、情報臨界領域330に関して入手可能な情報が不十分だからである。この実施例においては、情報臨界領域350に別の移動体380が存在し得る。
【0124】
上記情報臨界領域の少なくとも一部が、決定済み乗員視認可能領域360及び決定済みセンサ検出領域370の外側に配置されているとの決定に応じ、トラック330が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているか否かが決定され得る。この実施例において、
図4Bに示された如く、トラック330は第1方向316において第1道路305に沿い前方に移動し得る。故に、トラック330は、移動体100の将来的に企図された運転操作(第2道路310への右折)に対して好都合に移動しつつある、と言うのも、トラック330は、移動体100が第1道路305上で第1方向316に交差点325を通り走行する間に該トラックが情報臨界領域350と移動体100との間に配置される如き方向及び/または様式で移動中だからである。斯かる配置形態は、
図4Bに示される。
【0125】
トラック330が移動体100の将来的に企図された運転操作に対して好都合に移動しているとの決定に応じ、移動体100は、トラック330に関連して移動しながら、上記将来的に企図された運転操作を実施せしめられ得る。任意の適切な相対移動が実施され得る。例えば、一つ以上の配置構成において、移動体100は、トラック330を該移動体100と情報臨界領域350との間に維持しながら、一つ以上の速度にて移動して右折499を完了し得る。
【0126】
上記に鑑みると、トラック330は、該トラック330の故に、決定済み乗員視認可能領域360及び決定済みセンサ検出領域370の外側に配置された情報臨界領域350の少なくとも一部内に配置された任意の可能的な物体(例えば、移動体380)から移動体100を防護し得ることは理解される。斯かる様式で動作することにより、情報臨界領域350における(例えば移動体380などの)物体により衝突されるリスクは減少され得る、と言うのも、斯かる物体は最初にトラック330に衝突する可能性が高いからである。
【0127】
本明細書中に提供された配置構成は、本明細書中に記述された利点の一つ以上を含む多数の利点を提供し得ることは理解される。例えば、本明細書中に記述された配置構成は、視界遮断環境において動作するときに自律移動体の性能を向上させ得る。本明細書中に記述された配置構成は、環境における物理的防護物または可動防護体を用いて、将来的に企図された運転操作を実施することにより、移動体乗員に対して一定程度の快適さ及び信頼性を提供し得る。更に、本明細書中に記述された配置構成は、移動体の安全な動作を可能的に改善し得る。
【0128】
各図におけるフローチャート及びブロック図は、種々の実施例に係るシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品の可能的な実施形態の設計概念、機能性及び作用を例示している。この点に関し、上記フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、特定された単一もしくは複数の論理機能を実施する一つ以上の実行可能命令を備えるコードのモジュール、セグメントまたは部分を表し得る。幾つかの代替的な実施形態において、当該ブロックにおいて言及された機能は、図中に示された順序以外で行われ得ることも銘記すべきである。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際、実質的に同時に実行され得るか、または、各ブロックは一定の場合には、関与する機能性に依存して、逆の順序で実行され得る。
【0129】
上述されたシステム、構成要素及び/またはプロセスは、ハードウェア、または、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現され得ると共に、一つの処理システムにおいて集中様式で、または、種々の要素が数個の相互接続された処理システムにわたり分散されるという分散様式で実現され得る。本明細書中に記述された方法を実施すべく適合化された任意の種類の処理システムまたは他の装置が適している。ハードウェアとソフトウェアとの典型的な組み合わせは、ロードされて実行されたときに、本明細書中に記述された方法を当該処理システムが実施する如くそれを制御するコンピュータ使用可能なプログラム・コードに対する処理システムであり得る。上記システム、構成要素及び/またはプロセスは、マシンにより読み取られて、該マシンにより実行可能なプログラムの命令を実体的に具現し得る、コンピュータ・プログラム製品または他のデータ・プログラム記憶デバイスの如きコンピュータ可読記憶装置内にも組み込まれ得る。これらの要素はまた、本明細書中に記述された方法の実現を可能とする全ての特徴を備えるアプリケーション製品であって、処理システムにロードされたときにこれらの方法を実施し得るというアプリケーション製品内にも組み込まれ得る。
【0130】
更に、本明細書中に記述された配置構成は、例えば自身内に記憶されて具現されたコンピュータ可読プログラム・コードを有する一種類以上のコンピュータ可読媒体において具現されたコンピュータ・プログラム製品の形態を取り得る。一種類以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。上記コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。“コンピュータ可読記憶媒体”とは、持続的な記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、限定的なものとしてで無く、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外的、または、半導体のシステム、装置もしくはデバイス、または、前述の任意の適切な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体の更に詳細な例(非網羅的なリスト)としては、以下のものが挙げられる:一本以上の配線を有する電気接続体、可搬的コンピュータ・ディスク、ハードディスク・ドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、可搬的コンパクト・ディスク式読出専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学的記憶デバイス、磁気的記憶デバイス、または、前述の任意の適切な組み合わせ。本書類に関し、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するシステム、装置またはデバイスによりまたはそれに関して使用されるプログラムを含有または記憶し得る任意の有形媒体であり得る。
【0131】
コンピュータ可読媒体上に具現されたプログラム・コードは、限定的なものとしてで無く、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、または、前述の任意の適切な組み合わせなどの任意の適切な媒体を用いて送信され得る。本発明の配置構成の各見地に対する操作を実施するコンピュータ・プログラム・コードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などの如きオブジェクト指向プログラミング言語、及び、“C”プログラミング言語の如き習用の手続き型プログラミング言語、または、同様のプログラミング言語などの、一種類以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。上記プログラム・コードは、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で且つ部分的に遠隔コンピュータ上で、または、全体的に遠隔コンピュータまたはサーバ上で、実行され得る。後者の状況において、遠隔コンピュータはユーザのコンピュータに対し、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)などの任意の形式のネットワークを介して接続され得るか、または、上記接続は、(例えば、インターネットのサービス・プロバイダを用いてインターネットを通して)外部コンピュータに対して為され得る。
【0132】
本明細書中で用いられる“一つの(a)”及び“一つの(an)”という語句は、一つ、または、一つより多いものと定義される。本明細書中で用いられる“複数の”という語句は、2つ、または、2つより多いものと定義される。本明細書中で用いられる“別の”という語句は、少なくとも第2またはそれ以上のものとして定義される。本明細書中で用いられる“含む”及び/または“有する”という語句は、備えるもの(すなわち非限定的用語)として定義される。本明細書中で用いられる“〜及び〜の内の少なくとも一つ”という表現は、関連して列挙された項目の一つ以上の任意の且つ全ての可能的な組み合わせに言及し且つそれらを包含する。一例として、“A、B及びCの内の少なくとも一つ”とは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、または、それらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BCまたはABC)を含む。
【0133】
本明細書中における各見地は、その精神または本質的な属性から逸脱せずに、他の形態で具現され得る。従って、本発明の有効範囲を表すものとしては、上述の詳細事項ではなく、以下の各請求項に対して参照が為されるべきである。