【解決手段】ソケットコネクタ10であって、ソケットコネクタ10は、ソケットハウジング11を有し、ベースハウジング31は、ベース側基準面100と、ベース側基準面100から突出するベース側凸部422と、を有し、組み合わせ状態において、ソケットハウジング11は、ベース側基準面100に対向するソケット側基準面110と、ベース側凸部422に干渉しないようにソケット側基準面110から凹むソケット側凹部70と、ベースハウジング31におけるベース側凸部422以外の部分に対向するソケット側干渉部712と、を有し、組み合わせ状態の形成過程でソケット側干渉部712がベース側凸部422に対向した場合には、ソケット側干渉部712は、ベース側凸部422に当接して、組み合わせ状態の形成を阻害する。
前記組み合わせ状態において、前記ベース側凸部が前記ソケット側凹部に収容されると共に、前記ソケット側基準面が前記ベース側基準面に当接又は近接する請求項1に記載のソケットコネクタ。
前記組み合わせ状態において、前記ソケットコネクタから前記ベースコネクタに向かう方向を第1方向とし、前記第1方向と反対の方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向に直交する所定の方向を第3方向とし、前記第3方向と反対の方向を第4方向とし、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向及び前記第4方向に直交する方向を第5方向としたときに、前記ソケット側干渉部は、前記ソケットハウジングにおける前記第5方向の外側それぞれに一対設けられる請求項1又は2に記載のソケットコネクタ。
前記組み合わせ状態において、前記ソケットコネクタから前記ベースコネクタに向かう方向を第1方向とし、前記第1方向と反対の方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向に直交する所定の方向を第3方向とし、前記第3方向と反対の方向を第4方向とし、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向及び前記第4方向に直交する方向を第5方向としたときに、
前記ソケットハウジングは、前記ソケットハウジングにおける前記第3方向側に、前記第5方向の外側に突出し且つ前記第3方向に貫通する貫通孔が形成される側面リブと、前記側面リブの前記第5方向の外側に突出する延長リブと、を備え、
前記ベースハウジングは、前記側面リブ及び前記延長リブを前記第5方向の内側に押圧した状態で前記側面リブを前記ベースハウジングにおける前記第1方向側の位置に誘導する側面リブ用溝と、前記組み合わせ状態において前記延長リブが係合するラッチ部と、を備え、
前記貫通孔は前記第1方向に開放している、請求項1〜6のいずれかに記載のソケットコネクタ。
前記組み合わせ状態において、前記ソケット側凸部が前記ベース側凹部に収容されると共に、前記ベース側基準面が前記ソケット側基準面に当接又は近接する請求項10に記載のソケットコネクタ。
前記組み合わせ状態において、前記ソケットコネクタから前記ベースコネクタに向かう方向を第1方向とし、前記第1方向と反対の方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向に直交する所定の方向を第3方向とし、前記第3方向と反対の方向を第4方向とし、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向及び前記第4方向に直交する方向を第5方向としたときに、前記ベース側干渉部は、前記ベースハウジングにおける前記第5方向の外側それぞれに一対設けられる請求項10又は11に記載のソケットコネクタ。
前記組み合わせ状態において、前記ソケットコネクタから前記ベースコネクタに向かう方向を第1方向とし、前記第1方向と反対の方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向に直交する所定の方向を第3方向とし、前記第3方向と反対の方向を第4方向とし、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向及び前記第4方向に直交する方向を第5方向としたときに、
前記ベースハウジングは、前記ベースハウジングにおける前記第4方向側に、前記第5方向の外側に突出し且つ前記第4方向に貫通する貫通孔が形成される側面リブと、前記側面リブの前記第5方向の外側に突出する延長リブと、を備え、
前記ソケットハウジングは、前記側面リブ及び前記延長リブを前記第5方向の内側に押圧した状態で前記側面リブを前記ソケットハウジングにおける前記第2方向側の位置に誘導する側面リブ用溝と、前記組み合わせ状態において前記延長リブが係合するラッチ部と、を備え、
前記貫通孔は前記第2方向に開放している、請求項10〜13のいずれかに記載のソケットコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明のソケットコネクタの第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを分離した状態でソケットコネクタ10側から視た斜視図である。
図2は、
図1に示すソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを組み合わせた状態でソケットコネクタ10側から視た斜視図である。
図3は、ソケットコネクタ10と組み合わせて使用されるベースコネクタ30を示す斜視図である。
図4は、ソケットコネクタ10を底壁側から視た斜視図である。
図5は、ソケットコネクタ10を天壁側から視た斜視図である。
図6は、組み合わされた状態のソケットコネクタ10及びベースコネクタ30の平面図である。
図7は、組み合わされた状態のソケットコネクタ10及びベースコネクタ30の底面図である。
図8は、
図6に示す6A−6A線断面図である。
図9は、
図6に示す6B−6B線断面図である。
図10は、
図6に示す6C−6C線断面図である。
【0026】
図11は、
図6に示す6D−6D線断面図である。
図12は、ソケットコネクタ10と組み合わせて使用されるベースコネクタ30を示す平面図である。
図13は、
図12に示すベースコネクタ30を矢視12B方向から視た正面図である。
図14は、ソケットコネクタ10と組み合わせて使用されるベースコネクタ30を示す底面図である。
図15は、
図13に示す13A−13A線断面図である。
図16は、
図12に示す12A−12A線断面図である。
図17は、ソケットコネクタ10を示す底面図である。
図18は、
図5に示すソケットコネクタ10を矢視5A方向から視た正面図である。
図19は、
図5に示すソケットコネクタ10を矢視5B方向から視た背面図である。
図20は、
図5に示す5C−5C線断面図である。
図21は、
図18に示す18A−18A線断面図である。
【0027】
本発明のソケットコネクタ10は、ベースコネクタ30と組み合わされて使用されるコネクタである。
まず、本実施形態のソケットコネクタ10と組み合わされて使用されるベースコネクタ30について説明する。
なお、以下の説明において、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とが組み合わされた状態を「組み合わせ状態」という。また、組み合わせ状態において、ソケットコネクタ10からベースコネクタ30に向かう方向を「第1方向D1」とし、第1方向D1と反対の方向を第2方向D2とし、第1方向D1及び第2方向D2に直交する所定の方向を第3方向D3とし、第3方向D3と反対の方向を第4方向D4とし、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3及び第4方向D4に直交する方向を第5方向とする。
【0028】
図1〜
図5に示すように、ベースコネクタ30は、回路基板Sの表面に固定されるコネクタである。
図1〜
図16に示すように、ベースコネクタ30は、合成樹脂等からなるベースハウジング31と、複数のベースコンタクト35と、固定部材8と、を備えている。ベースハウジング31は、第1方向D1に平面視した場合、略矩形状の底板部38と、底板部38の第4方向D4側に形成される略矩形状の底部開口部37と、略矩形状の底板部38及び底部開口部37を囲む平面視で略矩形枠状の周壁部32と、を備えている。周壁部32は、必ずしも連続していないが、全体として略矩形枠状となっている。
【0029】
略矩形枠状の周壁部32は、第3方向D3側に位置すると共に第5方向D5に延びる前壁部32aと、第4方向D4側に位置すると共に第5方向D5に延びる後壁部32cと、前壁部32aの両端部と後壁部32cの両端部とを繋ぐように、第3方向D3(第4方向D4)に延びる一対の側壁部32b,32bと、を備える。後壁部32cの高さは、電線W(詳細は後述)との干渉を避けるために、前壁部32a及び側壁部32bの高さと比べて低くなっている。
【0030】
後壁部32cにおける第2方向D2側には、ベース側開口部34が形成されている。ベース側開口部34は、第3方向D3に延びていると共に第2方向D2に開放している。平面視した場合におけるベース側開口部34の領域は、
図14に示すように、後壁部32cの第4方向D4の縁部34aから、後述する後壁部32cにおける一対の外側後壁部41,41の第3方向D3側の縁部34bまでの間の領域である。
【0031】
ベースコネクタ30においては、底板部38及び略矩形枠状の周壁部32によって包囲された収容空間39が形成される。収容空間39は、第2方向D2側が開放しており、第1方向側が底部開口部37により開放しており、第4方向D4側がベース側開口部34(
図1、
図13及び
図14等参照)により開放している。
組み合わせ状態において、収容空間39には、ソケットハウジング11における第1方向D1側の大部分が収容される。
【0032】
後壁部32cは、
図1及び
図3に示すように、第5方向D5それぞれの外側に形成される一対の外側後壁部41,41と、第5方向D5において一対の外側後壁部41,41の内側に形成される内側後壁部42と、を有する。
一対の外側後壁部41,41は、上面側において、第5方向D5の内側に向かうにしたがって緩やかに下る円弧状の傾斜面を有する。一対の外側後壁部41,41の傾斜面には、組み合わせ状態において、電線Wが配置される。
【0033】
一対の外側後壁部41,41の第3方向D3側の端面41aは、
図12に示すように、ベース側基準面100に一致している。ベース側基準面100は、ベース側開口部34における第3方向D3側の縁部34bに形成される。ベース側基準面100は、仮想面であり、第5方向D5に延びている。つまり、ベース側基準面100は、外側後壁部41の第3方向D3側の端面41aのみではなく、外側後壁部41の第3方向D3側の端面41aを含む面であって、第5方向D5に延びる仮想面である。
【0034】
内側後壁部42は、
図1に示すように、第2方向D2に所定の高さ(厚み)を有すると共に第3方向D3に所定の幅を有しており、第5方向D5に延びる。内側後壁部42は、基部421と、ベース側凸部としての内方側凸リブ422と、基部421から第2方向D2側に突出する複数の後壁補強凸部(補強凸部)423と、を有する。
【0035】
基部421は、一対の外側後壁部41,41を繋ぐように第5方向D5に延びる直方体形状に形成される。基部421の第3方向D3側の端面421aは、
図14に示すように、ベース側開口部34における第3方向D3側の縁部34bと一致し、外側後壁部41の第3方向D3側の端面41aと同一平面上に位置する。つまり、基部421の第3方向D3側の端面421aは、ベース側基準面100と一致する。
【0036】
内方側凸リブ422は、
図14に示すように、ベース側基準面100(基部421の第3方向D3側の端面421a)から第3方向D3側に突出する。内方側凸リブ422は、第5方向D5に連続して延びる。内方側凸リブ422は、組み合わせ状態の形成過程で、後述するソケットハウジング11のソケット側干渉部としての側壁部712(
図5参照)が当接することで、電線の極数(電極数)が異なるソケットコネクタ10とベースコネクタ30とが組み合わされることを防止する機能を有する。この機能の詳細については後述する。
【0037】
また、内方側凸リブ422の第1方向D1側には、
図13に示すように、底壁配置空間424が形成される。底壁配置空間424は、第5方向D5に延びると共に、組み合わせ状態においてソケットハウジング11における底壁部711(ソケット側底壁部)(詳細は後述)を収容可能な空間である。底壁配置空間424は、ベースハウジング31の後壁部32cにおける第1方向D1側に位置し、第1方向D1、第3方向D3及び第4方向D4側それぞれに開口している。底壁配置空間424にソケットハウジング11の底壁部711が収容されることで、底壁部711は、内方側凸リブ422よりも第1方向D1側に配置される。これにより、第2方向D2側へのソケットハウジング11の底壁部711の移動が規制されるため、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との組み合わせ状態において、嵌合強度を向上させることができる。
【0038】
複数の後壁補強凸部423は、後壁部32cの補強部材として機能する。
複数の後壁補強凸部423は、基部421及び内方側凸リブ422の第2方向D2側の上面において、第2方向D2側に突出して形成され、第3方向D3において基部421及び内方側凸リブ422の全域に亘っている。複数の後壁補強凸部423は、第5方向D5に間隔をおいて複数設けられている。複数の後壁補強凸部423は、基部421及び内方側凸リブ422を補強する。第3方向D3に視た場合に、複数の後壁補強凸部423は、上底が下底よりも短い略台形形状を有し、第5方向D5の両端面は、直線状に下る傾斜面となっている。
【0039】
複数の後壁補強凸部423は、組み合わせ状態において、複数の電線Wを避ける位置に配置される。具体的には、複数の後壁補強凸部423は、組み合わせ状態において、隣接する電線Wの間に位置するように、後述するソケットコネクタ10の仕切壁72に対応して設けられる。複数の後壁補強凸部423は、
図10に示すように、組み合わせ状態において、仕切壁72の切欠部721に配置される。
【0040】
前壁部32aの第1方向D1側の端面には、
図1に示すように、第2方向D2に凹む複数のベース端子溝32dが設けられている。ベース端子溝32dは、前壁部32aの第3方向D3側の端面から第4方向D4側の端面に達するように形成されている。
前壁部32aの第2方向D2側の上面には、複数の前壁補強凸部321が設けられている。複数の前壁補強凸部321は、前壁部32aの補強部材として機能する。複数の前壁補強凸部321は、第5方向D5に間隔をおいて設けられ、複数のベース端子溝32dの上方側に形成されている。複数の前壁補強凸部321は、第3方向D3に視た場合に上底が下底よりも短い略台形形状を有し、第5方向D5の両端面は、直線状に下る傾斜面となっている。
前壁部32aの第5方向D5の外側の両側には、第3方向D3に連通する連通孔322が形成されている。連通孔322は、側面リブ用溝52aに連通する。
【0041】
ベースコンタクト35は、板状の金属片からなる。ベースコンタクト35は、底板部38から第2方向D2に立ち上がるソケット側コンタクト部35aと、ベース端子溝32dに配置された基板側コンタクト部35bと、を有する。ソケット側コンタクト部35aと基板側コンタクト部35bとは、つながっている。ベースコンタクト35の基板側コンタクト部35bの第1方向D1側の一部は、前壁部32aの第1方向D1側の端面から突出している。基板側コンタクト部35bは、回路基板Sにおける配線等に電気的に接続されるとともに、半田付け等により回路基板Sに機械的に固定される。
【0042】
ベースハウジング31は、
図3、
図7及び
図13に示すように、その後壁部32cにおける第5方向D5の外側において、第1方向D1及び第3方向D3に開放すると共に、第3方向D3及び第4方向D4に延びるスリット状の固定部材保持部311を有する。固定部材保持部311は、固定部材8を保持する。
【0043】
固定部材8は、金属材料からなる板状部材から形成され、補強金具、補強タブ等とも呼ばれる。固定部材8は、
図3、
図7及び
図13に示すように、ベースハウジング31の固定部材保持部311に挟持されて保持される。固定部材8は、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3及び第4方向D4に延びる平板形状を有する。固定部材8は、
図3及び
図13に示すように、第1方向D1の端部に結合面81を有する。固定部材8の結合面81は、ベースハウジング31を回路基板Sの表面(実装面)に固定する際に半田付けにより結合される。固定部材8の第2方向D2側は、ベースハウジング31の固定部材保持部311に挟持されて保持される。固定部材8は、ベースハウジング31に連結されると共に、ベースハウジング31を回路基板Sの表面に固定する。
【0044】
一対の側壁部32b,32bは、第4方向D4側に配置される嵌合ガイドリブ用溝構成部51と、第3方向D3側に配置される側面リブ用溝構成部52と、を有する。
嵌合ガイドリブ用溝構成部51は、第2方向D2側において、第3方向D3に離間して第5方向D5の内側に突出する一対の溝凸部51a,51aを有している。嵌合ガイドリブ用溝構成部51は、一対の溝凸部51a,51aの間において、第5方向D5の内側が開放された平面視で略コ字状に形成される。嵌合ガイドリブ用溝構成部51には、一対の溝凸部51a,51aの間の空間が第1方向D1に延びると共に、下方において第4方向D4に屈曲して側面視において略L字形状(
図15の2点鎖線参照)に形成される嵌合ガイドリブ用溝51b,51bが形成されている。
【0045】
詳細には、嵌合ガイドリブ用溝51b,51bは、
図1に示すように、ベースハウジング31に設けられる溝であって、ソケットハウジング11における一対の嵌合ガイドリブ61,61(詳細は後述)をベースハウジング31における第4方向D4側で且つ第1方向D1側の位置に誘導する溝である。嵌合ガイドリブ用溝51bは、側壁部32bにおける第2方向D2側の端部から第1方向D1に延びている。また、嵌合ガイドリブ用溝51bは、その第4方向D4側で且つ第1方向D1側の位置に、嵌合ガイドリブ係止部51cを備えている。嵌合ガイドリブ係止部51cは、第4方向D4側に凹むと共に、
図8に示すように、組み合わせ状態において嵌合ガイドリブ61を収容可能となっている。つまり、嵌合ガイドリブ用溝51bは、全体として、側壁部32bにおける第2方向D2側の端部から第1方向D1に延びると共に、第4方向D4に向けて屈曲し、
図15に示すように、側面視において略L字形状に延びている。
【0046】
図7及び
図8に示すように、組み合わせ状態において、第3方向D3及び第4方向D4において、嵌合ガイドリブ61が嵌合ガイドリブ係止部51cに収容された領域を、嵌合ガイドリブ収容領域K1という。嵌合ガイドリブ収容領域K1は、
図7及び
図8に示すように、第2方向D2に視た場合に、嵌合ガイドリブ61と嵌合ガイドリブ係止部51cとが重なる領域である。嵌合ガイドリブ61は、嵌合ガイドリブ収容領域K1において、嵌合ガイドリブ係止部51cに係止される。
【0047】
嵌合ガイドリブ収容領域K1は、
図7に示すように、第3方向D3及び第4方向D4において、固定部材8と近い位置、又は、第5方向D5に視た場合に、固定部材8の一部が重なる位置に形成される。ここで、
図7に示すように、第3方向D3及び第4方向D4において、嵌合ガイドリブ収容領域K1は、ベースハウジング31が固定部材8により回路基板Sに固定されている位置と近い位置である。そのため、嵌合ガイドリブ61が嵌合ガイドリブ係止部51cに係止される際において、ベースハウジング31の弾性変形を抑制することができる。
【0048】
前壁部32aと側壁部32bとがつながる部分(収容空間39の第3方向D3側の2つの角部)には、側面リブ用溝構成部52が形成されている。側面リブ用溝構成部52には、一対の側壁部32b,32bの第5方向D5の内側の側面において、側面リブ用溝52aが形成されている。側面リブ用溝52aの第2方向D2側には、ラッチ部52bが設けられている。ラッチ部52bの第2方向D2側の端部は、ラッチ部52bにおける第2方向D2側から第1方向D1に向かうと共に第5方向D5の内側に向けて傾斜する傾斜面となっている。
図11に示すように、ラッチ部52bは、組み合わせ状態において、ソケットハウジング11における一対の側面リブ62の第5方向D5の外側に設けられる延長リブ63に係合される。
【0049】
詳細には、側面リブ用溝52aは、
図1に示すように、ベースハウジング31に設けられる溝であって、ソケットハウジング11における一対の側面リブ62,62(詳細は後述)及び一対の延長リブ63,63(詳細は後述)を第5方向D5の内側に押圧した状態で、一対の側面リブ62,62をベースハウジング31における第1方向D1側の位置に誘導する溝である。側面リブ用溝52aは、側壁部32bにおける第2方向D2側の端部から底板部38の上面に亘って、第1方向D1に延びている。また、
図11に示すように、側面リブ用溝52aは、組み合わせ状態において側面リブ62を収容可能となっている。また、側面リブ用溝52aは、ラッチ部52bよりも第1方向D1側において、前壁部32aの連通孔322に連通する。
【0050】
次に、ベースコネクタ30と組み合わされて使用される、本実施形態のソケットコネクタ10について、
図1〜
図11及び
図17〜
図21を参照しながら説明する。
図1〜
図5等に示すように、第1実施形態のソケットコネクタ10は、合成樹脂等からなるソケットハウジング11と、ソケットコンタクト21と、を備える。また、ソケットコネクタ10には、電線Wが配置される。電線Wは、第4方向D4に延びている。
図9及び
図11に示すように、電線Wは、ソケットコンタクト21に接続されている。ベースコンタクト35がソケットコンタクト21によって挟持されることにより、ソケットコンタクト21とベースコンタクト35とは、電気的に接続される。
【0051】
ソケットハウジング11は、全体で略直方体形状を有している。ソケットハウジング11においては、第2方向D2側における第4方向D4に沿う縁部は、第5方向D5の外側及び第3方向D3に延出し、つば部11aを形成している。つば部11aは、ソケットコネクタ10の着脱時にソケットハウジング11の摘みやすさを向上させる。
【0052】
ソケットハウジング11における第5方向D5の外側には、
図1及び
図4に示すように、第5方向D5の外側に突出する、一対の嵌合ガイドリブ61,61及び一対の側面リブ62,62が形成されている。
一対の嵌合ガイドリブ61,61は、ソケットハウジング11における第4方向D4側の端部側に設けられている。一対の側面リブ62,62は、ソケットハウジング11における第3方向D3側の端部側に設けられている。
【0053】
嵌合ガイドリブ61は、ソケットハウジング11における第4方向D4側に、第5方向D5の外側にそれぞれ突出するように設けられている。嵌合ガイドリブ61は、ソケットハウジング11の側面における第4方向D4側で且つ第1方向D1側に位置している。
【0054】
嵌合ガイドリブ61は、略円柱形状に形成され、第1方向D1の縁部においてテーパ状に切り欠かれている。嵌合ガイドリブ61は、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを組み合わせる際に、嵌合ガイドリブ用溝51bに第1方向D1に挿入され、挿入ガイドとして機能する。嵌合ガイドリブ61は、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを組み合わせる際に、嵌合ガイドリブ用溝51bに沿って移動されることで、第4方向D4側で且つ第1方向D1側の位置に誘導されて、ソケットコネクタ10を回転及び/又はスライドさせて、嵌合ガイドリブ係止部51cに滑り込むように導入され、収容される。
【0055】
なお、本実施形態においては、嵌合ガイドリブ61を略円柱形状に形成したが、これに限定されない。嵌合ガイドリブ61を、例えば、楕円柱形状や多角柱形状に形成してもよい。また、嵌合ガイドリブ61を、柱形状としたが、例えば、筒形状に形成してもよい。
【0056】
一対の側面リブ62,62は、ソケットハウジング11における第3方向D3側に、第5方向D5の外側にそれぞれ突出する。側面リブ62には、
図4及び
図5に示すように、第3方向D3に貫通する貫通孔621が形成されている。貫通孔621は、
図4、
図18、
図19に示すように、組み合わせ状態において第3方向D3に視た場合に、嵌合ガイドリブ61と少なくとも一部が重なる位置に配置される。
【0057】
側面リブ62には、
図4に示すように、側面リブ傾斜部62aが形成されている。側面リブ傾斜部62aは、側面リブ62における第3方向D3側で且つ第1方向D1側に設けられ、第4方向D4側に且つ第1方向D1側に向けて傾斜している。
【0058】
延長リブ63は、側面リブ62における第5方向D5の外側に、側面リブ62と一体的に形成されており、側面リブ62における第5方向D5の外側に突出して形成されている。
延長リブ63は、略台形柱状に形成され、第4方向D4に延びている。
側面リブ62及び延長リブ63は、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを組み合わせる際に、側面リブ用溝52aに第1方向D1に挿入され、挿入ガイドとして機能する。
図11に示すように、延長リブ63は、組み合わせ状態において、ベースハウジング31に設けられる側面リブ用溝構成部52に形成されるラッチ部52bに係合する。
【0059】
ソケットハウジング11の第4方向D4側の端部11cには、
図5に示すように、電線Wが挿入される矩形の電線挿入孔11dが設けられている。電線挿入孔11dは、電線Wが配置される空間である。電線挿入孔11dは、外形を構成する矩形状の電線配置枠体71と、電線配置枠体71の内側を第5方向D5に仕切る仕切壁72とに仕切られて形成される。
【0060】
電線配置枠体71は、
図5に示すように、第3方向D3に視た場合に、略矩形枠状に形成される。電線配置枠体71は、底壁部711と、ソケット側干渉部としての一対の側壁部712,712と、天壁部713と、を有する。
底壁部711、一対の側壁部712,712及び天壁部713は、少なくともソケットハウジング11の第3方向D3の端部においては、板状に形成される。底壁部711、一対の側壁部712,712及び天壁部713におけるソケットハウジング11の第3方向D3側の端面は、同一平面上に位置している。
【0061】
天壁部713は、
図5に示すように、電線配置枠体71の天井の壁を構成する。
底壁部711は、天壁部713に略平行に配置され、電線配置枠体71の底部の壁を構成する。底壁部711は、第4方向D4の端部側において所定の厚みを有する板状に形成されている。
図17に示すように、第3方向D3側において、接点露出スリット13が形成されている。ソケットコンタクト21は、接点露出スリット13から露出するように配置されている。
【0062】
底壁部711の第4方向D4側の端面711aは、
図5、
図7及び
図17に示すように、第5方向D5に直線状に延びており、ソケット側基準面110を構成する。ソケット側基準面110は、
図7に示すように、組み合わせ状態において、ベース側基準面100に対向する。底壁部711の端面711a(ソケット側基準面110)は、
図7に示すように、組み合わせ状態において、第5方向D5の両端部において、ベース側基準面100(外側後壁部41の第3方向D3側の端面41a)に当接又は近接する。
【0063】
一対の側壁部712,712は、
図5に示すように、第3方向D3から視た場合に、底壁部711の第5方向D5の両端部から、それぞれ、第2方向D2に立設されている。一対の側壁部712,712は、ソケットハウジング11における第5方向D5の外側それぞれに設けられている。一対の側壁部712,712は、ソケットハウジング11の電線配置枠体71の両端部に設けられている。一対の側壁部712,712は、ベースハウジング31における内方側凸リブ422以外の部分に対向する。
【0064】
具体的には、
図7に示すように、同じ電極数のベースコネクタ30とソケットコネクタ10との組み合わせ状態において、一対の側壁部712,712は、後壁部32cにおける一対の外側後壁部41,41の第3方向D3側の縁部34bに対向している。これにより、同じ電極数のベースコネクタ30とソケットコネクタ10との組み合わせ状態では、一対の側壁部712,712は、組み合わせ状態の形成を阻害しない。
【0065】
複数の仕切壁72は、電線配置枠体71の内部の空間を、電線Wが配置する空間に分割するように、第5方向D5において、電線Wが配置される空間を仕切る。具体的には、複数の仕切壁72は、第1方向D1及び第3方向D3に延びており、電線配置枠体71の天壁部713及び底壁部711を繋くように配置される。複数の仕切壁72は、電線配置枠体71の内部において、所定間隔毎に、第5方向D5に並んで配置される。
【0066】
仕切壁72は、
図5に示すように、ソケットハウジング11の第4方向D4の端部において、第1方向D1側の部分が第3方向D3側に切り欠いて形成される切欠部721を有している。切欠部721は、仕切壁72の一部を切り欠いて形成されている。具体的には、切欠部721は、
図21に示すように、第5方向D5に視た場合に、仕切壁72の第1方向D1の端部及び第4方向D4の端部において略矩形状に切り欠いて形成されている。
図10に示すように、切欠部721には、組み合わせ状態において、後壁補強凸部423が収容される。
【0067】
このように構成される電線配置枠体71においては、
図5に示すように、切欠部721を含み且つ第5方向D5において一対の側壁部712,712の間の空間は、ソケット側凹部70を構成する。本実施形態においては、ソケット側凹部70は、底壁部711の第2方向D2側の空間である。ソケット側凹部70は、内方側凸リブ422に干渉しないようにソケット側基準面110から第3方向D3側に凹む。組み合わせ状態において、
図10に示すように、内方側凸リブ422は、ソケット側凹部70に収容される。組み合わせ状態において、内方側凸リブ422がソケット側凹部70に収容され、第1方向D1及び第2方向D2から視た場合に、
図7に示すように、内方側凸リブ422と底壁部711とは重なる位置に配置される。
【0068】
図7及び
図10に示すように、組み合わせ状態において、第3方向D3及び第4方向において、内方側凸リブ422と底壁部711とが重なる部分の領域を、内方側凸リブ重なり領域K2という。内方側凸リブ重なり領域K2は、
図7及び
図8に示すように、第2方向D2に視た場合に、内方側凸リブ422と底壁部711とが重なる領域である。内方側凸リブ422は、内方側凸リブ重なり領域K2において、底壁部711の第2方向D2側に位置する。
【0069】
内方側凸リブ重なり領域K2は、
図7に示すように、第3方向D3及び第4方向D4において、固定部材8と近い位置、又は、第5方向D5に視た場合に、固定部材8の一部が重なる位置に形成される。内方側凸リブ重なり領域K2は、
図7に示すように、第3方向D3及び第4方向D4において、嵌合ガイドリブ収容領域K1と近い位置、又は、第5方向D5に視た場合に、嵌合ガイドリブ収容領域K1の一部が重なる位置に形成される。
【0070】
ここで、
図7に示すように、第3方向D3及び第4方向D4において、内方側凸リブ重なり領域K2は、ベースハウジング31が固定部材8により回路基板Sに固定されている位置と近い位置である。そのため、内方側凸リブ422がソケット側凹部70に収容される際において、ベースハウジング31の弾性変形を抑制することができる。
【0071】
前述の構成を有するソケットコネクタ10とベースコネクタ30とは、
図22〜
図24に示すように、次のように組み合わされ、ソケット−ベースコネクタ対が形成される。
図22(A)及び(B)は、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との組み合わせる際にソケットコネクタ10を傾けた状態を示す図である。
図23(A)及び(B)は、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との組み合わせ手順を順次示す図であって、
図22(A)に示す22A−22B−22C−22D線断面図である。
図24(A)及び(B)は、
図23(A)及び(B)に示す状態から進行した組み合わせ手順を順次示す図である。
図25(A)〜(C)は、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との組み合わせ手順を順次示す図であって、
図22(B)に示す22E−22E線断面図である。
【0072】
嵌合ガイドリブ61と嵌合ガイドリブ用溝51bとを対向させ、側面リブ62と側面リブ用溝52aとを対向させ、底壁部711の第4方向D4の端面711aを内方側凸リブ422に対向させ、接点露出スリット13とベースコンタクト35におけるソケット側コンタクト部35aとを対向させた状態において、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを第1方向D1又は第2方向D2に相対的に接近させる。その結果、嵌合ガイドリブ61が嵌合ガイドリブ用溝51bに挿入され、側面リブ62が側面リブ用溝52aに挿入され、底壁部711が内方側凸リブ422の下方側(第1方向D1側)に収容され、接点露出スリット13にベースコンタクト35におけるソケット側コンタクト部35aが挿入される。
【0073】
特に、
図23〜
図25に示す手順で、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とが組み合わされることが好ましい。
【0074】
まず、ソケットコネクタ10のソケットハウジング11について、
図22(A)、
図22(B)及び
図23(A)に示すように、その第4方向D4側を第1方向D1側に傾け、
図23(B)及び
図25(A)に示すように、嵌合ガイドリブ61を嵌合ガイドリブ用溝51bに向けて挿入すると共に、底壁部711の第4方向D4の端面711aを内方側凸リブ422の下側(第1方向D1側)に向けて挿入する。つまり、側面リブ62が側面リブ用溝52aに挿入するよりも先に、嵌合ガイドリブ61を嵌合ガイドリブ用溝51bに挿入する。
【0075】
ソケットコネクタ10について傾きをほぼ維持した状態で、ベースコネクタ30に向けて第1方向D1に移動させる。ある時点で、側面リブ62の側面リブ傾斜部62aが側面リブ用溝52aにおける第3方向D3の壁に接触する。この時点で、嵌合ガイドリブ61は、
図24(A)に示すように、嵌合ガイドリブ用溝51bにおける嵌合ガイドリブ係止部51cの近傍に位置している。また、底壁部711は、
図25(B)に示すように、内方側凸リブ422の近傍に位置している。
【0076】
更に、ソケットコネクタ10を更に第1方向D1に移動させると、側面リブ62は、側面リブ用溝52aから第4方向D4向きの反力を受ける。そのため、側面リブ62が第4方向D4に撓んで、嵌合ガイドリブ61は、
図24(B)に示すように、嵌合ガイドリブ係止部51cに滑り込むように導入され、収容される。同様に、底壁部711は、
図25(C)に示すように、内方側凸リブ422の下方側(第1方向D1側)に滑り込むように導入され、収容される。ここで、言い換えると、この状態においては、内方側凸リブ422は、ソケット側凹部70に収容されている。
【0077】
このように、嵌合ガイドリブ61が嵌合ガイドリブ係止部51cに収容され、また、底壁部711が内方側凸リブ422の下側(第1方向D1側)に収容されると、ソケットハウジング11における第4方向D4側がベースハウジング31から離れる方向に(すなわち第3方向D3に)移動しそうになったとしても、嵌合ガイドリブ61が嵌合ガイドリブ係止部51cに係止され、また、底壁部711が内方側凸リブ422の下方側(第1方向D1側)に収容されているため、ソケットハウジング11における第3方向D3側がベースハウジング31から分離しにくい。
【0078】
嵌合ガイドリブ係止部51cへの嵌合ガイドリブ61の収容及びソケット側凹部70への内方側凸リブ422の収容の後、所定以上の力を掛けて、第3方向D3側において、更にソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを第1方向D1又は第2方向D2に相対的に接近させる。そうすると、延長リブ63が、ラッチ部52bの傾斜面を摺動し、側面リブ62が第5方向D5の内側に撓んで、ラッチ部52bを乗り越えて、
図24(A)及び(B)に示すように、ラッチ部52bの第1方向D1側に移動する。すなわち、延長リブ63は、ラッチ部52bに係合すると共に、側面リブ用溝52aに完全に挿入される。
【0079】
側面リブ62及び延長リブ63が、側面リブ用溝52aに完全に挿入されると、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とは、
図24(B)に示す状態になり、ソケットコネクタ−ベースコネクタ対の形成は終了する。また、延長リブ63がラッチ部52bに係合する際、クリック感が生じる。そのため、作業者は、ソケットコネクタ−ベースコネクタ対の形成の終了を容易に判断することができる。このように、延長リブ63とラッチ部52bとが係合されることにより、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との結合状態が維持される。
【0080】
ここで、一対の側面リブ62,62は、ソケットハウジング11における第4方向D4側に、第3方向D3の外側にそれぞれ突出する。側面リブ62には、第3方向D3に貫通する貫通孔621が形成されている。そのため、一対の側面リブ62,62は、第5方向D5の内側に変形しやすい。これにより、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とを組み合わせる際に、一対の側面リブ62,62が第5方向D5の内側に変形するため、側面リブ62及び延長リブ63を、側面リブ用溝52aに挿入しやすく且つ側面リブ用溝52aから抜きやすい。また、ベースコネクタ30に対してソケットコネクタ10を抜き差しすることにより生じるソケットコネクタ10やベースコネクタ30の摩耗等の損傷を低減することができる。
【0081】
次に、電線の極数(電極数)が異なるベースコネクタ30とソケットコネクタ10を組み合わせる場合について、図面を参照して説明する。ここでは、4極用のベースコネクタ30に2極用のソケットコネクタ10を組み合わせようとした場合について説明する。
図26(A)及び(B)は、異なる電極数のソケットコネクタ10とベースコネクタ30との組み合わせ状態の形成が阻害された場合を示す図である。
図27(A)は、
図26(B)に示す26A−26A線断面図、
図27(B)は、
図26(B)に示す26B−26B線断面図である。
【0082】
電線の極数が4極用のベースコネクタ30に対して、
図26(A)及び(B)に示すように、電線の極数が2極用のソケットコネクタ10をその第4方向D4側を第1方向D1側に傾けて挿入する。ここで、
図27(A)及び(B)に示すように、側面リブ62が側面リブ用溝52aに挿入するよりも先に、嵌合ガイドリブ61を嵌合ガイドリブ用溝51bに挿入する。そして、電線の極数が4極用のベースコネクタ30に対して、
図26(A)及び(B)に示すように、電線の極数が2極用のベースコネクタ30を組み合わせようとしているため、組み合わせ状態の形成過程で、側壁部712は、内方側凸リブ422に対向している。そのため、ソケットコネクタ10を更にベースコネクタ30に向けて第1方向D1に移動させると、
図27(B)に示すように、ソケットハウジング11の側壁部712は、内方側凸リブ422に当接する。これにより、電線の極数が異なるベースコネクタ30とソケットコネクタ10を組み合わせようとしても、組み合わせ状態の形成が阻害される。
【0083】
以上の構成を有する第1実施形態のソケットコネクタ10によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態においては、組み合わせ状態の形成過程で側壁部712が内方側凸リブ422に対向した場合には、ソケットハウジング11の側壁部712は、内方側凸リブ422に当接して、組み合わせ状態の形成を阻害する。そのため、異なる電極数のベースコネクタ30とソケットコネクタ10との嵌合を抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態においては、組み合わせ状態において、ソケットハウジング11の側壁部712は、ソケットハウジング11における第5方向D5の外側それぞれに一対設けられる。これにより、ベースコネクタ30とソケットコネクタ10とを嵌合させる場合に、ソケットハウジング11をベースハウジング31の一方の端部側に合わせて組み合わせ状態を形成することが多い。このような場合において、ソケットハウジング11における第5方向D5の外側それぞれに一対の側壁部712を設けるだけの簡易な構成で、異なる電極数のベースコネクタ30とソケットコネクタ10との嵌合を一層抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態においては、組み合わせ状態において、内方側凸リブ422がソケット側凹部70に収容され、第1方向D1及び第2方向D2から視た場合に、内方側凸リブ422と底壁部711とは重なる位置に配置される。そのため、組み合わせ状態において、内方側凸リブ422が内方側凸リブ422の下方側(第1方向D1側)に収容されているため、ソケットハウジング11における第3方向D3側がベースハウジング31から分離しにくい。これにより、ベースコネクタ30とソケットコネクタ10との嵌合状態を一層強くすることができる。
【0086】
また、本実施形態においては、ソケット側凹部70は、仕切壁72の一部を第4方向D4側に切り欠いて形成される切欠部721を有する。これにより、仕切壁72の一部を切り欠くだけで、ソケット側凹部70を構成できる。従って、簡易な構成で、異なる電極数のベースコネクタ30とソケットコネクタ10との嵌合を抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態においては、ベースハウジング31は、内方側凸リブ422の第2方向D2側の面に仕切壁72に対応して第2方向D2側に突出する後壁補強凸部423を有し、組み合わせ状態において、後壁補強凸部423は、仕切壁72の切欠部721に配置される。これにより、後壁補強凸部423により後壁部32cの補強をすることができる。また、後壁補強凸部423は、仕切壁72の切欠部721に配置されるため、電線Wの配線を邪魔することが抑制される。
【0088】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、
図28〜
図33を参照しながら説明する。
図28は、第2実施形態における、ソケットコネクタ10と組み合わせて使用されるベースコネクタ30を示す平面図(
図12対応図)である。
図29は、
図28に示すベースコネクタ30を矢視28B方向から視た正面図(
図13対応図)である。
図30は、ソケットコネクタ10と組み合わせて使用されるベースコネクタ30を示す底面図(
図14対応図)である。
図31は、ソケットコネクタ10を示す底面図(
図17対応図)である。
図32は、ソケットコネクタ10をD3方向に視た正面図(
図18対応図)である。
図33は、
図32に示す32A−32A線断面図(
図21対応図)である。
【0089】
第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
【0090】
第2実施形態においては、
図31及び
図32に示すように、ソケットハウジング11の側面リブ62に設けられる貫通孔621は、第3方向D3に貫通すると共に、第1方向D1に開放している。
【0091】
そのため、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との着脱過程において、ベースハウジング31の側面リブ用溝52a(
図28参照)によって延長リブ63及び側面リブ62が第5方向D5の内側に押圧されたときに、側面リブ62は、第5方向D5の内側に撓みやすい。これにより、ソケットコネクタ10とベースコネクタ30との着脱が繰り返されたとしても、延長リブ63等が摩耗しにくい。
【0092】
第2実施形態においては、
図31及び
図32に示すように、第1方向D1に開放している貫通孔621の内部(詳細には、第5方向D5の内側の内壁)に、第5方向D5の外側に突出する侵入阻害リブ622が設けられている。なお、侵入阻害リブ622は、第5方向D5の外側の内壁から、第5方向D5の内側に突出していてもよい。
【0093】
貫通孔621の内部に侵入阻害リブ622が設けられているため、貫通孔621における第1方向D1の開放部621aから、電線のハーネス等が貫通孔621の内部に侵入しそうになった場合に、そのハーネス等が侵入阻害リブ622に引っ掛かり、そのハーネス等の侵入を阻害しやすい。
【0094】
第2実施形態においては、ソケットハウジング11は、
図31〜
図33に示すように、電極数に応じて設定された設定位置に、複数の電極数識別用凸部64(64a、64b)を備える。具体的には、電極数識別用凸部64aは、ソケットハウジング11の電線配置枠体71の第3方向D3側における第5方向D5の外側それぞれに、第3方向D3に突出して設けられている。また、電極数識別用凸部64bは、ソケットハウジング11の電線配置枠体71の側壁部712の第4方向D4側における第5方向D5の外側それぞれに、第4方向D4に突出して設けられている。
【0095】
また、ベースハウジング31は、
図28及び
図30に示すように、電極数に応じて設定された設定位置に、複数の電極数識別用凹部53(53a、53b)を備える。具体的には、電極数識別用凹部53aは、ベースハウジング31の周壁部32の前壁部32aの第3方向D3側における第5方向D5の外側それぞれに、第3方向D3に凹んで設けられている。また、電極数識別用凹部53bは、ベースハウジング31の周壁部32の後壁部32cの第4方向D4側における第5方向D5の外側それぞれに、第4方向D4に凹んで設けられている。
【0096】
ソケットコネクタ10とベースコネクタ30とで電極数が同じ場合のみ、複数の電極数識別用凸部64(64a、64b)が複数の電極数識別用凹部53(53a、53b)に収容されるように、複数の電極数識別用凸部64(64a、64b)及び電極数識別用凹部53(53a、53b)の設定位置は設定されている。そのため、全ての電極数識別用凸部64aは、それぞれ対応する電極数識別用凹部53aに収容される。全ての電極数識別用凸部64bは、それぞれ対応する電極数識別用凹部53bに収容される。なお、ベースハウジング31に複数の電極数識別用凸部が設けられ、ソケットハウジング11に、当該複数の電極数識別用凸部を収容可能な複数の電極数識別用凹部が設けられていてもよい。
【0097】
例えば、電極数が10極のソケットコネクタ10は、電極数が10極のベースコネクタ30には組み合わせることができるが、電極数が7極のベースコネクタ30には組み合わせることができない。
このように、電極数が同じ場合のみ、複数の電極数識別用凸部が複数の電極数識別用凹部に収容されるように、複数の電極数識別用凸部及び電極数識別用凹部の設定位置が設定されているため、電極数が異なるソケットコネクタ10とベースコネクタ30とが組み合わさることを防止することができる。
なお、このような効果を達成できるのであれば、電極数識別用凸部及び電極数識別用凹部の個数、位置、形状などは制限されない。
【0098】
また、第2実施形態においては、ソケットハウジング11の底壁部711の端面711aの一部がソケット側基準面110よりも第3方向D3側へ後退しており、組み合わせ状態において、第1方向D1及び第2方向D2から視た場合に、ベースハウジング31の内方側凸リブ422と底壁部711とは重ならない(図示せず)。そのため、ソケットコネクタ10をベースコネクタ30から分離させる過程において、内方側凸リブ422と底壁部711との係合に起因する、特にベースハウジング31の破損を抑制することができる。
【0099】
本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
例えば、前記実施形態においては、側壁部712(ソケット側干渉部)を、ソケットハウジング11における第5方向D5の外側の両端部にそれぞれ形成したが、これに制限されない。例えば、側壁部712(ソケット側干渉部)を、ソケットハウジング11における第5方向D5の内側に形成してもよいし、ソケットハウジング11に1つ又は3つ以上形成してもよい。
【0100】
また、前記実施形態においては、内方側凸リブ422を、第5方向D5に連続して延びるように構成したが、これに制限されない。内方側凸リブ422は、第5方向D5の一部に設けられていてもよいし、第5方向D5に間欠的に設けられていてもよい。
【0101】
また、前記実施形態においては、ベースハウジング31に内方側凸リブ422(ベース側凸部)を形成すると共に、ソケットハウジング11にソケット側凹部70及び側壁部712(ソケット側干渉部)を形成して、組み合わせ状態の形成過程で側壁部712(ソケット側干渉部)が内方側凸リブ422に対向した場合には、ソケットハウジング11の側壁部712は、内方側凸リブ422に当接して、組み合わせ状態の形成を阻害するように構成した。しかし、これに制限されず、前記実施形態におけるソケットハウジングに設けられるソケット側凹部とベースハウジングに設けられるベース側凸部とについて凹凸の関係が反対になるように構成してもよい。即ち、ソケットハウジング11にソケット側凸部を形成すると共に、ベースハウジング31にベース側凹部及びベース側干渉部を形成して、組み合わせ状態の形成過程でベース側干渉部がソケット側凸部に対向した場合には、ソケットハウジング11のベース側干渉部は、ソケット側凸部に当接して、組み合わせ状態の形成を阻害するように構成してもよい。
この場合には、前記実施形態における「ベース側凸部(内方側凸リブ)」に代えて「ソケット側凸部」とし、「ソケット側干渉部(側壁部)」に代えて「ベース側干渉部」とし、「ソケット側凹部」に代えて「ベース側凹部」とし、「ベース側開口部」に代えて「ソケット側開口部」とし、「ソケット側底壁部」に代えて「ベース側底壁部」とする。
【0102】
第2実施形態において、ソケットコネクタ10の構成とベースコネクタ30の構成とを入れ替えることができる。具体的には、以下の構成を採用することができる。
ベースハウジング31は、ベースハウジング31における第4方向D4側に、第5方向D5の外側に突出し且つ第4方向D4に貫通する貫通孔が形成される側面リブと、側面リブの第5方向D5の外側に突出する延長リブと、を備え、ソケットハウジング11は、側面リブ及び延長リブを第5方向D5の内側に押圧した状態で側面リブをソケットハウジング11における第2方向D2側の位置に誘導する側面リブ用溝と、組み合わせ状態において延長リブが係合するラッチ部と、を備え、貫通孔は第2方向D2に開放している。
また、第2方向D2に開放している貫通孔の内部に、第5方向D5の外側又は内側に突出する侵入阻害リブが設けられる。
更に、ベースハウジング31は、電極数に応じて設定された設定位置に、複数の電極数識別用凸部又は電極数識別用凹部を備え、ソケットハウジング11は、電極数に応じて設定された設定位置に、複数の電極数識別用凸部又は電極数識別用凹部を備え、電極数が同じ場合のみ、複数の電極数識別用凸部が複数の電極数識別用凹部に収容されるように、設定位置は設定されている。