【解決手段】液量表示器スイッチSW2を「入」とすると常開接点SW2aが閉じられ、リレーRY2に電流が流れる。リレーRY2に電流が流れると常開接点RY2a2が閉じられ、リレーRY4、RY5等に電流が流れる。リレーRY4に電流が流れると常閉接点RY4bが開かれ、バッテリDC1からPLC71への電力供給が遮断される。一方、リレーRY5に電流が流れることによって常開接点RY5a1,RY5a2が閉じられ、リレーRY6に電流が流れる。リレーRY6に電流が流れると常開接点RY6aが閉じられ、液量表示器4に電力が供給される。よって、液量表示器スイッチSW2を「入」に切り換える操作により、PLC71をオンにすることなく、液量表示器4をオンにすることができる。
電源と、その電源による各種装置に対する電力供給を制御する制御装置と、前記電源から前記制御装置への電力を、操作に基づいて遮断または供給させる第1切換手段と、液体を積載するタンクと、前記各種装置の1つとして、前記タンクに積載された液体の量を計測して表示する計測装置と、を備える液体運搬車両において、
前記第1切換手段により前記電源から前記制御装置への電力が遮断されている場合、操作に基づいて、前記電源から前記制御装置への電力を遮断した状態で、前記電源から前記計測装置への電力を供給させる第2切換手段を備えることを特徴とする液体運搬車両。
前記第1切換手段により前記電源から前記制御装置への電力が供給されている間、前記第2切換手段が操作されたか否かに拘わらず、前記電源から前記制御装置への電力の供給を維持する維持手段を備えることを特徴とする請求項1記載の液体運搬車両。
前記第2切換手段により前記電源から前記計測装置への電力が供給されている場合、前記第1切換手段により前記電源から前記制御装置への電力の供給が操作に基づいて開始されたことを契機として、前記電源から前記計測装置への電力を遮断する第2遮断手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体運搬車両。
前記計測装置が動作しているか否かを報知するものであって、前記第2切換手段により前記電源から前記計測装置への電力が供給されている場合を、前記制御装置の制御により前記電源から前記計測装置への電力が供給されている場合と区別して報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体運搬車両。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態として、液体運搬車両の一例であるバルクローリ1の構成を表す模式図である。バルクローリ1は、LPガス(液化石油ガス)を事業所や一般家庭等の需要先へと運搬するための車両であり、タンク2、ホース格納箱5、キャビン6、バッテリDC1等を備える。
【0016】
タンク2は、LPガスを積載する容器である。タンク2には、供給基地等において、不図示の受け入れ系統を介してLPガスが積載される。ホース格納箱5は、需要先に設置されたバルク貯槽に接続される充填ホース(不図示)を格納するためのケースである。充填ホースがバルク貯槽に接続されることで、バルクローリ1のタンク2からバルク貯槽へのLPガスの充填経路が形成される。また、ホース格納箱5の外側面には、液量表示器4が取り付けられる。
【0017】
液量表示器4の詳細を
図1(a)において二点鎖線で囲んだ拡大図に示す。液量表示器4は、当該拡大図に示すように7セグメントLEDで構成される表示部4aを有し、その表示部4aにタンク2内のLPガスの量を表示する装置である。液量表示器4は、タンク2に取り付けられた液面センサ3に接続される。液面センサ3は、タンク2内のLPガスの液面の高さを検出するフロート式センサである。液量表示器4は、液面センサ3に対して動作電力を供給するとともに、液面センサ3から、タンク2内のLPガスの「液面の高さ」を取得し、その値を「液体の量」(例えば体積)に変換した値を表示部4aに表示する。
【0018】
キャビン6は、各種運転設備を備える空間である。キャビン6は乗降用のドアを備え、そのドアが閉鎖された状態において、内部の空間が外部の空間から遮断されるよう形成される。キャビン6内には、制御盤70、操作パネル80、キースイッチSW1、等が設けられる。制御盤70は、プログラマブルロジックコントローラ(以下「PLC」と称す)71等の電気設備を収容するケースであり、開閉可能な蓋がバルクローリ1の前方(
図1(a)左方)側に形成される。PLC71は、不図示のCPU、ROM、RAM等で構成され、ROM等に記憶されたプログラムに従って、バルクローリ1が備える各種装置を電気的に制御するコンピュータである。
【0019】
制御盤70の蓋の外面には、液量表示器起動部を構成する動作ランプL1と、液量表示器スイッチSW2と、が取り付けられている。
図1(b)に、バルクローリ1の前方から視た(
図1(a)中Ibの矢印)場合の動作ランプL1および液量表示器スイッチSW2の態様を示す。詳細は後述するが、液量表示器スイッチSW2は、PLC71がオフにされている場合において液量表示器4をオンにするためのスイッチである。動作ランプL1は、液量表示器4のオン/オフ状態を示すためのランプである。
【0020】
液量表示器スイッチSW2は、「入」、「・」(以下「中立」と称す)、「切」の3点切り換え式のスイッチである。「入」は液量表示器4をオンにするための位置であり、「切」は液量表示器4をオフにするための位置である。本実施形態の液量表示器スイッチSW2としては、「入」が「中立」へ自動復帰するものを採用している。詳細は後述するが、液量表示器スイッチSW2が「入」から「中立」へ自動復帰した場合、所定の操作等があるまでは、液量表示器4はオンにされた状態とされる。
【0021】
図1(a)に戻り、バルクローリ1を説明する。キャビン6内に設けられた操作パネル80は、制御盤70のPLC71に接続される。操作パネル80は、PLC71の制御によって各種の操作画面を表示するとともに、表示された操作画面に応じたPLC71に対する操作を受け付ける入出力装置である。PLC71がオンにされている場合、操作パネル80に対する操作に基づいて、液量表示器4をはじめとする各種装置のオン/オフがPLC71によって制御される。
【0022】
キースイッチSW1は、バルクローリ1が備えるPLC71やエンジン(不図示)のオン/オフを操作するためのスイッチである。キースイッチSW1は、「オフ」、「アクセサリ」、「オン」、「イグニッション」のいずれかの位置に切り換え可能に構成されている。詳細は後述するが、キースイッチSW1が「アクセサリ」である場合、PLC71はバッテリDC1から電力が供給されてオンにされる。キースイッチSW1の位置が「オン」である場合、「アクセサリ」と同様にPLC71がオンにされることに加え、エンジンが駆動状態とされる。即ち、PLC71は、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」の場合にオンにされる。
【0023】
次に
図2を参照して、本実施形態のバルクローリ1におけるキースイッチSW1および液量表示器スイッチSW2と液量表示器4の動作との関係について説明する。
図2は、キースイッチSW1、液量表示器スイッチSW2、液量表示器4等のそれぞれの状態の対応関係を示す表である。
【0024】
キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合、PLC71の状態はオンである。PLC71がオンである場合、操作パネル80の操作に基づいて液量表示器4のオン/オフが切り替えられる。なお、PLC71がオンにされた時点では、液量表示器4はオフ状態とされ、操作パネル80において所定のオン操作がなされると、液量表示器スイッチSW2の状態に拘わらず、液量表示器4がオンにされる。このとき、動作ランプL1は点灯しない。
【0025】
この場合、オンにされた液量表示器4は、操作パネル80においてオフ操作がなされた場合、又は、キースイッチSW1が「オフ」とされた場合にオフにされる。以上説明したキースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合にPLC71および液量表示器4をオンする回路の動作については、
図4を参照して後述する。
【0026】
キースイッチSW1が「オフ」又は「イグニッション」である場合、PLC71はオフ状態であり、当然操作パネル80も使用できない。この場合において、液量表示器スイッチSW2が「入」とされると、動作ランプL1が点灯し、液量表示器4がオンにされる。なお、前述した通り、液量表示器スイッチSW2は「入」から「中立」へと自動復帰するスイッチである。よって、液量表示器スイッチSW2が「中立」である場合にも、動作ランプL1が点灯している間は、液量表示器4はオン状態である。この様に、動作ランプL1が点灯しているか否かによって、液量表示器4がオン状態か否かを把握できる。
【0027】
図2の表に示す通り、動作ランプL1はPLC71の制御により液量表示器4がオンにされた場合には点灯しない。よって、動作ランプL1の点灯/消灯によって、液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて液量表示器4がオンにされたことを、PLC71の制御に基づいて液量表示器4がオンにされたことと区別して、把握できる。
【0028】
更に、液量表示器4はキャビン6外に取り付けられているので(
図1(a)参照)、液量表示器4がオンにされているか否かをキャビン6内から目視によって確認することは困難であるが、動作ランプL1がキャビン6内に設けられているので、キャビン6内から液量表示器4の状態を容易に確認できる。
【0029】
液量表示器スイッチSW2の操作に基づいてオンにされた液量表示器4は、液量表示器スイッチSW2が「入」に切り換えられてから約2時間経過した場合、又は、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」に切り替えられた場合、又は、液量表示器スイッチSW2が「切」に切り換えられた場合に、オフにされる。液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて液量表示器4がオンにされる動作、及び、そのオンにされた液量表示器4がオフにされる動作については、
図5を参照して後述する。
【0030】
なお、キースイッチSW1が「オフ」又は「イグニッション」で、液量表示器スイッチSW2が「中立」であって動作ランプL1が消灯している場合、又は、液量表示器スイッチSW2が「切」である場合には、液量表示器4はオフにされている。
【0031】
次に
図3を参照し、本実施形態のバルクローリ1においてPLC71や液量表示器4等のオン/オフを制御する回路を説明する。
図3は、バルクローリ1においてリレー等で構成された電気回路を表す回路図である。
図3において、リレー(RY1等)と接点(RY1a,RY1b等)との対応を一点鎖線の矢印にて表わす。リレーに電流が流れた場合、そのリレーから引き出された一点鎖線の矢印の先の常開接点は閉じられ(供給され)、常閉接点は開かれる(遮断される)。
【0032】
バッテリDC1(図示左下)の正極に点P1,P2,P3,P4,P5が接続される。即ち、点P1−点P5を付した図示左方の縦に延びる線は、
図3の回路においてバッテリDC1からの電力の供給を受ける高電位の線である。これに対し、図示右方の縦に延びる線(点P1e−点P5e3を付した線)は、GNDに接続された(接地された)低電位の線である。
【0033】
まず、点P1−点P1e間の構成を説明する。点P1は、キースイッチSW1の操作に基づく動作の起点である。点P1には、常開接点SW1aが接続される。常開接点SW1aは、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合に閉じられる接点である。常開接点SW1aの低電位側には、リレーRY1が接続され、リレーRY1の他端は点P1eに接続される。即ち、点P1−点P1e間においては、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合に常開接点SW1aが閉じられることによって、リレーRY1に電流が流れる。
【0034】
次に、点P2−点P2e間の構成を説明する。点P2は、液量表示器スイッチSW2の操作に基づく動作の起点である。点P2には常閉接点RY1bが接続される。常閉接点RY1bは、前述したリレーRY1に電流が流れた場合に開かれる接点である。
【0035】
常閉接点RY1bの低電位側には、常開接点SW2aと、常開接点RY2a1と、が並列に接続される。常開接点SW2aは、液量表示器スイッチSW2が「入」(
図1(b)参照)とされた場合に閉じられる接点である。
【0036】
常開接点RY2a1は、後述するリレーRY2に電流が流れた場合に閉じられる接点であり、常開接点SW2aが閉じられた際に、自己保持回路を形成するための接点である。前述した通り、液量表示器スイッチSW2は、操作によって「入」にされた後、「中立」へ自動復帰するものである。従って、液量表示器スイッチSW2が「入」から「中立」へ自動復帰した後には、点P2−点P2e間の電流の供給が、常開接点RY2a1によって保持される。
【0037】
常開接点SW2a及び常開接点RY2a1の低電位側には、常閉接点TLR3bが接続される。常閉接点TLR3bは、後述するタイマリレーTLR3に電流が流れてから約2時間後に開かれる接点である。常閉接点TLR3bの低電位側には、常閉接点SW2bが接続される。常閉接点SW2bは、液量表示器スイッチSW2が「切」(
図1(b)参照)とされた場合に開かれる接点である。
【0038】
常閉接点SW2bの低電位側にはリレーRY2が接続され、リレーRY2の他端は点P2eに接続される。リレーRY2は、電流が流れた場合、前述した常開接点RY2a1および後述する常開接点RY2a2を閉じるものである。
【0039】
点P2−点P2e間においては、常閉接点RY1b、常閉接点TLR3b、常閉接点SW2bの全てが閉じられた状態で、液量表示器スイッチSW2が「入」とされ、常開接点SW2aが閉じられた場合に、リレーRY2に電流が流れる。リレーRY2に電流が流れると常開接点RY2a1が閉じて自己保持回路が形成されるので、液量表示器スイッチSW2の自動復帰により常開接点SW2aが開いた後にも、常開接点RY2a1を介して点P2−点P2e間に電流が流れ続ける。
【0040】
次に点P3−点P3e1〜4間の構成を説明する。点P3には、常開接点RY2a2が接続される。常開接点RY2a2は、前述したリレーRY2aに電流が流れた場合に閉じられる接点である。即ち、液量表示器スイッチSW2が「入」とされ、リレーRY2に電流が流れると、常開接点RY2a2が閉じられる。
【0041】
常開接点RY2a2の低電位側には、タイマリレーTLR3、動作ランプL1(
図1(b)参照)、リレーRY4、リレーRY5が並列に接続される。タイマリレーTLR3、動作ランプL1(
図1(b)参照)、リレーRY4、リレーRY5の低電位側はそれぞれ点P3e1〜4に接続される。
【0042】
タイマリレーTLR3は、前述した常閉接点TLR3bを、電流が流れてから約2時間後に開くリレーである。即ち、タイマリレーTLR3bは、点P2−点P2e間の電流の供給が約2時間継続された場合に、その電流を遮断するものである。詳細には後述するが、タイマリレーTLR3bにより約2時間で点P2−点P2e間の電流を遮断し、液量表示器4の動作時間を約2時間に留めることで、電力消費を抑制できる。
【0043】
動作ランプL1は電流が流れている場合に点灯するランプである(
図1(b)参照)。即ち、動作ランプL1は常開接点RY2a2が閉じられ、点P3−点P3e2に電流が流れている場合に点灯するものであり、後述する点P5−点P5e1間に接続された液量表示器4に電力が供給されているか否かを示すためのものである。これにより、液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて液量表示器4がオンにされていることを、動作ランプL1により把握することができる。
【0044】
リレーRY4は、電流が流れた場合に、後述する常閉接点RY4bを開くリレーである。リレーRY5は、電流が流れた場合に、後述する常開接点RY5a1及び常開接点RY5a2を閉じるリレーである。リレーRY4およびリレーRY5に係る動作の詳細については、後述する。
【0045】
次に点P4−点P4e間の構成を説明する。点P4には、常開接点RY1aと、常開接点RY5a1と、が並列に接続され、常開接点RY1aおよび常開接点RY5a1の低電位側にはリレーRY6が接続される。リレーRY6の低電位側は点P4eに接続される。常開接点RY1aは、前述したリレーRY1に電流が流れた場合に閉じられる接点であり、常開接点RY5a1は、前述したリレーRY5に電流が流れた場合に閉じられる接点である。よって、点P4−点P4e間においては、キースイッチSW1が「アクセサリ」若しくは「オン」であることに基づいてリレーRY1に電流が流れる場合、又は、液量表示器スイッチSW2が「入」とされたことに基づいてリレーRY5に電流が流れる場合、リレーRY6に電流が流れる。
【0046】
次に点P5−点P5e1〜3間の構成を説明する。点P5には常開接点RY6aが接続される。常開接点RY6aは、前述したリレーRY6に電流が流れると閉じられる接点である。
【0047】
常開接点RY6aの低電位側には、常開接点RY5a2と、常閉接点RY4bと、が並列に接続される。常開接点RY5a2は、前述した常開接点RY5a1と同様に、リレーRY5に電流が流れた場合に閉じられる接点である。
【0048】
常閉接点RY4bは、前述したリレーRY4に電流が流れた場合に開かれる接点である。即ち、常閉接点RY4bは、液量表示器スイッチSW2の操作に基づいてリレーRY2、RY4等に電流が流れている場合に開かれるものであり、液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて液量表示器4をオンにする場合に、PLC71への電力供給を遮断するためのものである。常閉接点RY4bの低電位側には、常開接点RY8a、常開接点RY9a及びPLC71が並列に接続される。
【0049】
PLC71は、常開接点RY8a、RY9aを閉じるためのリレーRY8、RY9を制御可能に構成される。PLC71は、操作パネル80(
図1(a)参照)に対する操作等に基づいてリレーRY8、RY9に流れる電流を制御することで、常開接点RY8a、RY9aの開閉をそれぞれ制御する。PLC71の低電位側は、点P5e3に接続される。
【0050】
常開接点RY8aは、PLC71の制御によりリレーRY8に電流が流れた場合に閉じられる接点である。常開接点RY8aおよび前述した常開接点RY5a2の低電位側には液量表示器4が接続され、液量表示器4の他端は点P5e1に接続される。点P5−点P5e1間において液量表示器4には、常開接点RY8aまたは常開接点RY5a2のいずれかを介して電力が供給される。即ち、PLC71がオンにされている場合、液量表示器4は、PLC71の制御により常開接点RY8aが閉じられて電力が供給されると、オンにされる。これに対し、PLC71がオフにされている場合、液量表示器4は、常開接点RY5a2が閉じられて電力が供給されると、オンにされる。
【0051】
常開接点RY9aは、PLC71の制御によりリレーRY9に電流が流れた場合に閉じられる接点である。常開接点RY9aの低電位側には、液量表示器4以外の装置(以下「他の装置」と称す)Xが接続され、他の装置Xの低電位側は点P5e2に接続される。他の装置Xとしては、例えば、LPガスの充填系統に設けた流量計や、タンク2内の温度を計測する温度計等が例示される。点P5−点P5e2間において、他の装置Xは、PLC71の制御により常開接点RY9aが閉じられて電力が供給されると、オンにされる。
【0052】
図4は、キースイッチSW1の操作に基づいてPLC71および液量表示器4がオンにされる場合の動作を示す説明図である。
図4には、
図3に示す回路において、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合に電流が流れる部分を実線にて示し、電流が流れない部分を破線にて示す。
【0053】
キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合、常開接点SW1aが閉じられ、リレーRY1に電流が流れる。リレーRY1に電流が流れると、常開接点RY1aが閉じられる。常開接点RY1aが閉じられるとリレーRY6に電流が流れ、常開接点RY6aが閉じられる。
【0054】
常開接点RY6aが閉じられると、常閉接点RY4bを介してPLC71に電力が供給され、PLC71がオンにされる。オンにされたPLC71は、リレーRY8やRY9の電流を制御する。PLC71の制御によりリレーRY8に電流が流れると、常開接点RY8aが閉じられ、液量表示器4にバッテリDC1からの電力が供給される。即ち、PLC71の制御により常開接点RY8aが閉じられると、液量表示器4がオンにされる。一方、PLC71の制御によりリレーRY9に電流が流れると、常開接点RY9aが閉じられ、他の装置XにバッテリDC1からの電力が供給される。即ち、PLC71の制御により常開接点RY9aが閉じられると、他の装置Xがオンにされる。
【0055】
PLC71の制御によりリレーRY8の電流が遮断された場合には、常開接点RY8aが開かれるので、液量表示器4はオフにされる。一方、PLC71の制御によりリレーRY9の電流が遮断された場合には、常開接点RY9aが開かれるので、他の装置Xはオフにされる。このようにして、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」とされ、PLC71がオンにされている場合には、液量表示器4および他の装置Xのオン/オフがPLC71によって制御される。
【0056】
なお、キースイッチSW1の操作に基づいて常開接点SW1aが閉じている場合、リレーRY1に電流が流れることにより、常閉接点RY1bが開かれる。即ち、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合、点P2−点P2e間の電流が常閉接点RY1bにより遮断され、液量表示器スイッチSW2を「入」としてもリレーRY2に電流は流れない。この場合、常開接点RY2a2が閉じられることはなく、リレーRY4にも電流が流れないので、常閉接点RY4bが開かれてPLC71への電力供給が遮断されることもない。従って、キースイッチSW1の操作に基づいてPLC71がオンにされている場合には、液量表示器スイッチSW2を操作したとしても、PLC71がオフにされてしまうことを防止できる。
【0057】
図5は、キースイッチSW1が「オフ」又は「イグニッション」である場合における液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて液量表示器4がオンにされる動作を示す説明図である。
図5には、
図3に示す回路において、液量表示器スイッチSW2が「入」(
図1(b)参照)とされた場合に電流が流れる部分を実線にて示し、電流が流れない部分を破線にて示す。
【0058】
キースイッチSW1が「オフ」又は「イグニッション」である場合、常開接点SW1aは開かれており、リレーRY1には電流が流れない。よってキースイッチSW1が「オフ」又は「イグニッション」である場合、点P2に接続された常閉接点RY1bは閉じた状態である。この場合において、液量表示器スイッチSW2が「入」とされると、常開接点SW2aが閉じられ、リレーRY2に電流が流れる。リレーRY2に電流が流れると、常開接点RY2a1及び接点RY2a2が閉じられる。常開接点RY2a1が閉じられることで自己保持回路が形成されるので、液量表示器スイッチSW2の自動復帰(「入」から「中立」への自動復帰)によって常開接点SW2aが開かれても、リレーRY2には電流が流れ続ける。
【0059】
常開接点RY2a2が閉じられると、タイマリレーTLR3、動作ランプL1、リレーRY4、リレーRY5に電流が流れる。動作ランプL1に電流が流れると、その動作ランプL1は点灯する。具体的には後述するが、タイマリレーTLR3に電流が流れると、時間の計測が開始され、約2時間が経過すると常閉接点TLR3bを開いて点P2−点P2e間の電流を遮断することによって、液量表示器4がオフにされる。
【0060】
リレーRY4に電流が流れると、常閉接点RY4bが開かれ、バッテリDC1からPLC71への電力供給が遮断される。リレーRY5に電流が流れると、常開接点RY5a1、RY5a2が閉じられる。常開接点RY5a1が閉じられると、リレーRY6に電流が流れ、常開接点RY6aが閉じられる。この時、前述した通り、常閉接点RY4bは開かれている。従って、常開接点RY6aが閉じられたとしてもPLC71には電力が供給されないので、液量表示器スイッチSW2を「入」とする操作をしても、PLC71がオンにされないようにできる。
【0061】
また、常開接点RY6aが閉じられた場合、前述した通り、常開接点RY5a2も閉じられているので、液量表示器4には、常開接点RY6aおよび常開接点RY5a2を介してバッテリDC1からの電力が供給される。即ち、液量表示器4がオンにされる。従って、液量表示器スイッチSW2を「入」とした場合、PLC71をオンにすることなく、液量表示器4をオンにすることができる。よって、タンク2内のLPガスの量を確認したい場合には、液量表示器スイッチSW2を「入」にすれば、PLC71に電力を消費させることなく、液量表示器4をオンにして、タンク2内のLPガスの量を確認できる。
【0062】
また、PLC71がオンにされない場合、PLC71の制御によって常開接点RY9aが閉じられることもないので、他の装置Xもオンにされない。よって、液量表示器スイッチSW2を「入」としても液量表示器4以外の装置はオンにされないので、バッテリDC1の消耗を一層抑制できる。また
、使用しない装置をオンにさせないことで、当該装置の劣化を抑制できる。
【0063】
なお、前述した動作ランプL1は、常開接点RY2a2が閉じている場合、即ち、液量表示器4が液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて動作している場合に点灯し、PLC71の制御によって液量表示器4が動作している場合には点灯しない。従って、動作ランプL1の点灯状態によって、液量表示器4の動作が、液量表示器スイッチSW2の操作に基づくものであるか否かを容易に把握できる。
【0064】
次に、液量表示器スイッチSW2の操作に基づいてオンにされた液量表示器4がオフにされる場合を説明する。液量表示器4は、
図5に示す点P2−P2e間に流れる電流が遮断された場合にオフにされる。点P2−点P2eにおいてリレーRY2に電流が流れなくなると常開接点RY2a2が開かれ、リレーRY5に電流が流れなくなる。これにより、常開接点RY5a1が開かれ、リレーRY6への電流が遮断され、常開接点RY6aが開かれて、液量表示器4への電力供給が遮断されるからである。
【0065】
点P2−点P2e間の電流が遮断されるのは、常閉接点RY1b、常閉接点SW2b、常閉接点TLR3bのいずれかが開かれた場合である。このうち、常閉接点RY1bが開かれるのは、リレーRY1に電流が流れた時である。即ち、キースイッチSW1が「オフ」又は「イグニッション」から「アクセサリ」又は「オン」に切り換えられると、常開接点SW1aが閉じられてリレーRY1に電流が流れ、常閉接点RY1bが開かれる。従って、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」に切り換えられると、液量表示器4はオフにされる。
【0066】
本実施形態のバルクローリ1において、液量表示器スイッチSW2による液量表示器4のオンは、PLC71がオンにされていない場合に行われるものである。よって、キースイッチSW1を「アクセサリ」又は「オン」に切り換え、PLC71をオンにした場合には、もはや液量表示器4の利用は済んでいる可能性が高い。従って、キースイッチSW1の操作に基づいて液量表示器4をオフにすることで、液量表示器4の停止忘れを防止し、電力消費の抑制を図ることができる。
【0067】
常閉接点TLR3bが開かれるのは、前述した通り、タイマリレーTLR3に電流が流れてから約2時間が経過したときである。タイマリレーTLR3には、常開接点RY4a2が閉じられた場合、即ち、液量表示器スイッチSW2が「入」とされて常開接点SW2aが閉じられた場合に電流が流れる。従って、液量表示器スイッチSW2が「入」とされてから約2時間が経過すると、常閉接点TLR3bが開かれ、液量表示器4はオフにされる。これにより、液量表示器スイッチSW2の操作に基づく液量表示器4の動作時間を約2時間に留めることができるので、液量表示器4の停止忘れを防止し、電力消費を一層抑制できる。
【0068】
なお、タイマリレーTLR3により計測される時間の長さは「約2時間」に限らず、液量表示器4の利用態様に応じて適宜変更してもよい。液量表示器4の短時間の利用を想定する場合には「約5分」など、適当な時間を設定すればよい。
【0069】
常閉接点SW2bが開かれるのは、液量表示器スイッチSW2が「切」とされた場合である。即ち、作業者は、液量表示器スイッチSW2を「切」とする操作によって、任意のタイミングでも液量表示器4をオフにすることができる。
【0070】
なお、前述した通り、液量表示器スイッチSW2の操作に基づいて液量表示器4がオンにされているか否かは動作ランプL1が点灯しているか否かにより示される。よって、例えば、オンから2時間経過して液量表示器4がオフにされたか否かを、動作ランプL1の点灯状態によって容易に把握できる。
【0071】
以上説明した本発明のバルクローリ1によれば、液量表示器スイッチSW2を「入」とすることで、PLC71をオンにすることなく、液量表示器4をオンにすることができる。従って、タンク2内のLPガスの量を確認したい場合には、液量表示器4のみをオンにして利用できるので、電力消費を抑制できる。
【0072】
また、タイマリレーTLR3により、液量表示器4が約2時間で自動的にオフにされるように構成したので、液量表示器スイッチSW2の操作によりオフにされた液量表示器4のオフ忘れを防ぎ、バッテリDC1の消耗を抑制できる。
【0073】
また、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」である場合(常開接点SW1aが閉じている場合)には、常閉接点RY1bが開かれるので、液量表示器スイッチSW2の操作によってリレーRY2,RY4に電流が流れることはなく、常閉接点RY4bは開かれない。即ち、キースイッチSW1が「アクセサリ」又は「オン」であることに基づいてPLC71に電力が供給されている間、液量表示器スイッチSW2が操作されたか否かに拘わらず、バッテリDC1からPLC71への電力の供給は維持される。従って、PLC71がオンにされている場合に誤って液量表示器スイッチSW2を操作したとしても、意図せずPLC71がオフにされてしまうことを防止できる。
【0074】
本実施形態のバルクローリ1において液量表示器4は、
図1(a)に示すように、キャビン6外のホース格納箱5の側面に取り付けられているので、作業者は車外作業中にもタンク2内のLPガスの量を容易に把握できる。一方、液量表示器スイッチSW2は、キャビン6内に設けられている。よって、作業者は、キャビン6内にいながらにして、運転設備と同様に液量表示器スイッチSW2を操作して液量表示器4をオンにすることができ、至便である。また、LPガスは揮発性および引火性を有するものであるが、液量表示器スイッチSW2は外部の空間と遮断されたキャビン6の内部に設けられているので、仮にバルクローリ1の周囲に気化したLPガスが存在するとしても、気化したLPガスに対して液量表示器スイッチSW2の操作が影響を及ぼすことはない。よって、液量表示器スイッチSW2の操作時の安全性を高めることができる。
【0075】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0076】
上記実施形態において、本発明を、LPガスを運搬するバルクローリ1に適用することを説明したが、液体を積載するタンクを備える種々の車両に本発明を適用することが可能である。また、タンク2内のLPガスの量を計測する手段としてフロート式の液面センサ3を用いることを説明したが、液体の量を計測する手段としては、超音波式やマイクロ波式等、他の方式を利用する液面センサを用いてもよい。また、特許請求の範囲に記載の「計測装置」としては、タンク2内のLPガスの量として、液面の高さ以外にも、体積や重量を計測するものであってもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、キースイッチSW1,液量表示器スイッチSW2,PLC71および液量表示器4の制御を、リレーを用いた回路で実現することを説明したが(
図3)、トランジスタ等のスイッチング素子を用いて同様の回路を実現することも、当然可能である。リレーに代えてトランジスタ等を用いることにより、小型化や長寿命化を図ることができる。
【0078】
また、上記実施形態では、タイマリレーTLR3によって液量表示器4をオンから約2時間でオフにすることを説明したが、オフにされるまでの時間を所定の操作によって延長するようにしてもよい。例えば、液量表示器スイッチSW2を再び「入」とする操作を行った場合に、タイマリレーTLR3による計時をリセットするようにしてもよい。これにより、利用の途中で液量表示器4がオフにされてしまうことを回避できる。
【0079】
また、上記実施形態では、液量表示器スイッチSW2をキャビン6内に設けることを説明したが、タンク2に積載される液体が危険性のないものである場合には、液量表示器スイッチSW2をキャビン6の外部に設けてもよい。液量表示器スイッチSW2を液量表示器4と一体に、又は、液量表示器4の近傍に設ければ、液量表示器4の利用を希望する場合に即座に液量表示器スイッチSW2を操作できるので、利便性がよい。また、液量表示器スイッチSW2をキャビン6の内外それぞれに設け、いずれかの液量表示器スイッチSW2が操作された場合に、液量表示器4がオンにされるようにしてもよい。