【解決手段】半導体装置及びその製造方法が開示される。本発明の一実施形態による半導体装置は、基板、上記基板上に形成され回路パターンが形成された複数の薄膜層、及び上記複数の薄膜層を互いに絶縁するための絶縁層を含み、上記複数の薄膜層はビアを含むビアパッドを介して連結され、上記ビアパッドの上部及び下部のそれぞれは突出した形状を有し、上記複数の薄膜層のうち少なくとも二つはスタックドビア(Stacked Via)構造を介して連結される。
前記第1のビアパッドを形成する段階は、前記第1のビアパッドの上部突出形状の厚さと前記第2の絶縁層の厚さの比率が2〜28[%]となるように前記第1のビアパッドを形成する、請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法。
前記第1のビアパッドを形成する段階は、予め決定された添加剤の種類と前記添加剤の比率を用いたメッキ工程により前記第1のビアパッドの上部突出形状が一定の厚さを有する前記第1のビアパッドを形成する、請求項10から12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0015】
本発明の実施形態による半導体装置は、上部に突出した形状と下部に突出した形状を有するビアパッドを用いて複数の薄膜層に形成される複数の回路パターンを連結することにより、互いに異なる層に形成される回路パターン間の連結性を向上させることをその要旨とする。
【0016】
ここで、少なくとも二つ以上のビアパッドは、スタックドビア構造を用いることにより、各層の配線領域を増加させ集積度を高くすることができる。
【0017】
プローブカードは、素子のパッドを検針できる検針部、これを支持している支持部、これを電気的に連結している連結部、及び機械的な補強のための補強部を含むことができる。
【0018】
ここで、プローブカードの検針部については、半導体素子のパッドピッチ(pad pitch)が次第に小さくなることによる2Dチップの厚さの縮小及びこれによる固着力の弱化を考慮すべきである。
【0019】
また、基板の共用化のためにセラミック基板上に直接ボンディング用パッドを形成する上、単層又は多層の絶縁層、例えば、ポリイミド(PI;polyimide)層を用いて電気的配線を施し、最上面にボンディング用パッドを形成するが、薄膜の多層化に伴い重要となる要素がまさに層間接続性である。
【0020】
本発明の実施形態では、ビアを含むビアパッドの上部と下部のそれぞれが突出した形状を有するようにすることにより、薄膜の多層化による層間接続性を向上させることができる。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【0022】
図1を参照すると、本発明の実施形態による半導体装置は、複数の薄膜層121、131、141、151、絶縁層122、132、142、152、及びビアパッド123、133、143を含む。
【0023】
複数の薄膜層121、131、141、151は、基板上に形成され、それぞれ回路パターンを含む。
【0024】
ここで、基板110は、セラミック基板であり、回路パターンは、薄膜で形成され、モリブデン(Mo)、銅(Cu)などの物質で形成されることができる。回路パターンは、薄膜工程により形成され、PVD(physical vapor deposition)、CVD(chemical vapor deposition)、ALD(Atomic Layer Deposition)などの方法のみならず薄膜を形成できる多様な工程でも形成されることができる。
【0025】
図1に示されている回路パターンは互いに異なる薄膜層に形成されることを示すための一例であり、当該層の回路パターンとビアパッドとの連結関係は必要に応じて変わってもよい。本発明の実施形態において、複数の薄膜層は、複数の回路パターンと類似した意味で用いられることができる。
【0026】
また、基板110の一面に形成される回路パターン121に対応する基板110の他面には、電極パターン、回路パターン又はプローブピンに対応するパターンのうち少なくとも一つが形成され、ニッケル(Ni)と金(Au)が積層された形で形成されることができる。積層された金属はニッケルと金に限定されず、必要に応じて多様な金属を用いることができる。
【0027】
絶縁層122、132、142、152は、複数の薄膜層を互いに絶縁するための層であって、互いに異なる層に形成された回路パターンを互いに絶縁するための層である。
【0028】
絶縁層122、132、142、152は、ポリイミド(PI;polyimide)で形成されることができ、複数の薄膜層を絶縁できる多様な絶縁物質で形成されることもできる。
【0029】
ビアパッド123、133、143は、複数の薄膜層121、131、141、151を電気的に連結するための手段であり、絶縁層に形成されたビアホールを介して形成される。
【0030】
ビアパッド123、133、143は、ビアを含むパッドで構成され、パッドの上部と下部のそれぞれに突出した形状を有する。
【0031】
以下、パッドの上部に形成される突出形状を上部突出形状、パッドの下部に形成される突出形状を下部突出形状という。ここで、パッドの下部突出形状はビアホールに形成されたビアを意味することができる。
【0032】
ビアパッド123、133、143は、メッキ工程により形成されることができる。ビアパッド123、133、143を形成する工程は、メッキ工程に限定されず、パッドの上部突出形状を形成できる工程であればいずれの工程でもよい。
【0033】
ビアパッド123、133、143の上部突出形状と下部突出形状は異なり、上部突出形状は曲面形状を含むことができる。また、曲面形状を有する上部突出形状のパターン形状は、多様に形成されることができる。
【0034】
本発明の実施形態において、少なくとも二つ以上のビアパッドは、ビアとパッドが同じ位置に形成されるスタックドビア構造で形成されることができる。スタックドビア(Stacked Via)構造でビアパッドが形成される場合、各層の配線領域を増加させ集積度を高くすることができる。
【0035】
ビアパッド123、133、143の上部突出形状は、ビアホールが形成された位置に形成され、多様な形に形成されることができる。
【0036】
例えば、ビアパッドの上部突出形状は、
図4の上部突出形状に関する平面図に示されているように、パッドの上部に円形パターン(a)で形成されることもでき、パッドの上部に四角形パターン(b)、五角形パターン(c)、六角形パターン(d)などの多角形パターンで形成されることもできる。
【0037】
また、最上面に形成されるビアパッド143はボンディングパッドであればよい。最上面に形成されるビアパッド143がボンディングパッドの場合、必ずしもビアパッドの上部突出形状を形成する必要はない。下部突出形状のみを有するビアパッドを形成することにより、最上面のビアパッドをボンディングパッドとして用いることができる。
【0038】
このように、上部突出形状と下部突出形状を有するビアパッドを用いて互いに異なる層に形成された薄膜層を電気的に連結する場合、オープン不良率を減らして電気的連結性を向上させることができる。これについては、
図2を参照して説明する。
【0039】
図2は、
図1に示されているビアパッドを説明するための断面図であって、ビアパッドの上部突出形状の厚さとビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さの比率によるオープン不良率を説明するための図である。
【0040】
図2に示されているT
Aはビアパッドの上部突出形状の厚さを意味し、T
Bはビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さを意味し、Dはビア直径(ViaDiameter)を意味する。
【0041】
下記表1は、ビア直径(D)が100[μm]未満の場合においてビアパッドの上部突出形状の厚さとビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さの比率(T
A/T
B×100)によるオープン不良率を示すものである。表1から分かるように、比率が30[%]以上の場合は、上部突出形状の厚さが厚くなるにつれてコーティング不良率が高くなり、工程不良が発生することにより、オープン不良率が高くなるのに対し、比率が30[%]より低い場合は、上部突出形状がない場合(0[%])に比べてオープン不良率が低い。
【0042】
本発明の実施形態による半導体装置は、スタックドビア構造で形成されるビアパッドの上部突出形状の厚さとビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さの比率が30[%]未満の場合、複数の薄膜層間の電気的絶縁性を向上させることができる。具体的には、ビアパッドの上部突出形状の厚さとビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さの比率が2〜28[%]又は5〜25[%]の場合、複数の薄膜層間の電気的絶縁性を向上させることができる。
【0043】
このように、電気的絶縁性を向上させるためのビアパッドの上部突出形状の厚さは、ビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さによって決定されることができる。
【0045】
また、ビアパッドの上部突出形状の厚さは、ビアパッドを形成するメッキ工程の際に添加される添加剤の種類と添加剤の比率を決定し調節することにより決定されることができる。
【0046】
即ち、絶縁層の厚さによるビアパッドの上部突出形状の厚さが決定されると、これに関する添加剤の種類と添加剤の比率を決定した後、メッキ工程により、決定された厚さを有するビアパッドの上部突出形状を形成することができる。
【0047】
したがって、本発明の実施形態による半導体装置は、上部突出形状と下部突出形状を有するビアパッドを用いて複数の薄膜層に含まれた回路パターンを電気的に連結し、少なくとも二つ以上のビアパッドをスタックドビア構造で形成することにより、複数の薄膜層間の電気的連結性を向上させ、各層の配線領域を増加させ集積度を高くすることができる。
【0048】
本発明の実施形態による半導体装置は、複数の薄膜層を用いビアを介して連結される多様な半導体装置又は素子に適用され、一例として、プローブカードの検針部に適用されることができる。
【0049】
このような半導体装置を製造する過程について、
図3a〜
図3fを参照して説明する。
【0050】
図3a〜
図3fは、
図1に示されている半導体装置の製造過程を示す断面図であって、
図1に示されている複数の薄膜層のうちセラミック基板上に第一のビアパッドを形成する過程を示す図である。
【0051】
図3aに示されているように、セラミック基板110の一面上に回路パターン121を形成し、セラミック基板の一面に形成された回路パターンの上部に絶縁層を形成した後、絶縁層の一部をエッチングして絶縁層122にビアホールを形成する。
【0052】
ここで、回路パターンはモリブデン、銅などの金属を薄膜で形成する薄膜層であればよく、これを形成する方法としては多様な方法を用いることができる。
【0053】
回路パターンは、金属を蒸着した後にパターニングして形成されることができる。
【0054】
また、絶縁層122は、ポリイミド(PI)種類の絶縁物質を用いて形成されることができる。一例として、ポリイミドを回路パターンの形成されたセラミック基板の一面の上部にスピンコーティングし、ビアホールを形成するためのフォトリソグラフィー工程を行った後に硬化させることにより、ビアパッドが形成される位置にビアホールが形成された絶縁層122を形成することができる。
【0055】
その後、
図3bに示されているように、ビアホールが形成された絶縁層122の上部にビアパッドを形成するためのシード層124を形成する。
【0056】
ここで、シード層124は、蒸着(evaporation)方法とスパッタリング(sputtering)方法などを用いて形成されることができる。
【0057】
シード層124が形成されると、
図3cに示されているように、シード層124の上部にフォトレジスト(PR)125を塗布した後、ビアパッドを形成するためのパターニング工程を行い、ビアパッドが形成される領域のPRのみを除去する。
【0058】
次に、
図3dに示されているように、ビアパッド領域のPRが除去された構造物の上部に、メッキ工程を用いて、ビアホールが形成された位置に上部突出形状を有するビアパッド123を形成する。
【0059】
ここで、ビアパッド123の上部突出形状の厚さは、メッキ工程の際に添加される添加剤の種類と添加剤の比率を決定し調節することにより決定されることができる。添加される添加剤の種類と添加剤の比率の調節によって、ビアホールを満たすビアフィル(fill)を制御することにより、ビアパッドの上部突出形状の厚さを制御することができる。
【0060】
この際、ビアパッド123の上部突出形状は、ビアパッドの上部突出形状の厚さとビアパッドの上部に形成された絶縁層の厚さの比率が2〜28[%]となるように形成されることができる。
【0061】
上記ビアパッドの上部突出形状の厚さは、ビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さによって決定されることができる。
【0062】
ビアパッドの上部突出形状パターンを、予め決定された他の形状パターン、例えば、円形パターンではなく多角形パターンで形成する場合は、パッドを平らに形成し、PRを除去した後、多角形パターンの上部突出形状を形成するためのPRパターンを再度形成し、その上部にメッキ工程を再度行うことにより形成することができる。
【0063】
次に、
図3eに示されているように、PRパターン125を除去し、
図3fに示されているように、ビアパッド123の形成された領域以外の領域に形成されたシード層124を湿式エッチング又は乾式エッチングすることにより絶縁層122を露出させる。
【0064】
上述した過程により、セラミック基板上に回路パターンを含む一層の薄膜層と絶縁層及び次の薄膜層に形成される回路パターンと連結するためのビアパッドを形成する。
【0065】
また、上述した
図3a〜
図3fの過程を繰り返し行うことにより、複数の薄膜層を形成し、複数の薄膜層を連結するための複数のビアパッドを形成することができる。
【0066】
また、
図3fの構造物の上部にビアパッドと連結するための回路パターンを形成し、その上部にビアホールが形成された絶縁層及びシード層を形成した後、ビアホールの形成された位置にビアパッドを形成する過程を再度繰り返し行うことにより、複数の薄膜層を形成することができる。
【0067】
上述した半導体装置は、プローブカードに適用されることができる。これについては、
図5を参照して説明する。
【0068】
図5は、本発明の一実施形態によるプローブカードの構成を示す図である。
【0069】
図5に示されているように、プローブカード500は、検針部510、支持部520、連結部530及び補強部540を含む。
【0070】
支持部520は、検針部510を支持する機能を行う構成手段であり、連結部530は、検針部510を電気的に連結する構成手段であり、補強部540は、プローブカードの機械的な補強のための構成手段である。
【0071】
検針部510は、検査しようとする半導体素子のパッドを検針する構成手段であり、上述した半導体装置に該当する構成である。
【0072】
検針部510は、回路パターンを含む複数の薄膜層、複数の薄膜層を互いに絶縁するための絶縁層、及び上部突出形状と下部突出形状を有するビアパッドを含む。
【0073】
ビアパッドはメッキ工程により形成され、上部突出形状と下部突出形状は異なり、上部突出形状は曲面形状を含むことができる。
【0074】
また、少なくとも二つ以上のビアパッドは、ビアとパッドが同じ位置に形成されるスタックドビア構造で形成され、上部突出形状の厚さは、ビアパッドの上部に形成される絶縁層の厚さによって決定され、ビアパッドを形成するためのメッキ工程の際に添加される添加剤の種類と添加剤の比率を決定し調節することにより決定されることができる。
【0075】
ビアパッドの上部突出形状は、ビアパッドの上部突出形状の厚さとビアパッドの上部に形成された絶縁層の厚さの比率が2〜28[%]となるように形成されることができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。