【解決手段】管理装置は、遊技者が退場する前に選択している遊技人数、平均の客遊技時間、割合(遊技機として選択した頻度)を機種別、タイプ別、フロア別、種別(遊技機の種類別)に集計し、退場する前に選択されている頻度を遊技機の種類別に特定して表示可能である。これにより、稼動率の底上げに貢献している遊技機を特定し易くなり、当該遊技機を誤って撤去してしまうことを抑制できる。
前記選択頻度集計手段は、前記退場遊技者が退場する前に遊技を行う遊技機として選択した頻度として、遊技場に来場した遊技者の総人数のうち、退場する前に遊技を行う遊技機として選択し、かつ前記遊技期間が前記特別期間よりも短かった遊技者の割合である特別割合を集計するものであり、さらに、前記退場遊技者が退場する前に遊技を行う遊技機として選択した後、前記特別期間が経過する前に遊技機にて遊技者に有利な特別遊技状態が発生し、かつ当該遊技者が前記特別期間よりも長く遊技を行った場合、当該遊技者を遊技場に来場した遊技者の総人数に加えることなく、前記特別割合を集計することを特徴とする請求項3に記載の遊技場管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機(パチンコ機)1に対応して貸出機2及びデータ表示機3が設置されている。2台の遊技機1、2台の貸出機2及びデータ表示機3は1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6(遊技終了特定手段、退場遊技者特定手段、遊技機特定手段、選択頻度集計手段、移動遊技者特定手段、遊技期間特定手段)に接続されている。管理装置6は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード7、モニタ8やプリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されている。LAN5には景品交換処理を行うPOS等の周辺機器(図示せず)が管理装置6と通信可能に接続されている。
尚、
図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。本実施形態では遊技機1がパチンコ機であることから、遊技価値(遊技媒体)はパチンコ玉である。遊技機1がスロットマシンであれば、遊技価値はメダルである。
【0009】
ここで、遊技場にはパチンコ機が設置されたパチンココーナーと、メダルを遊技媒体とするスロットマシンが設置されたスロットコーナーとが設けられている。パチンココーナーとしては、貸出単価4円のパチンコ機が設置された4パチコーナー、貸出単価1円のパチンコ機が設置された1パチコーナーが設置された1パチコーナー等が設けられている。スロットコーナーとしては、貸出単価20円のスロットマシンが設置された20スロコーナー、貸出単価5円のスロットマシンが設置された5スロコーナー等が設けられている。即ち、遊技機1にて使用する遊技価値として複数の異なる遊技媒体やレート等の遊技価値(複数種類の遊技価値)が設定されている。
【0010】
遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル9に対する操作により盤面10に発射した玉が始動口11に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部12において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口13を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿14にて受けられ、この上部受皿14が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿15で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0011】
遊技機側からは、次の遊技信号が出力される。
・アウト信号=使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
【0012】
・セーフ信号=遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数)を特定可能な信号。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0013】
・スタート信号=遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口11への入賞により変動(作動)する表示部12における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口11への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
【0014】
・大当たり信号=遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)なので、特別状態信号受信中を特別状態中(甘中、或いは甘モード)として特定する。尚、確変中だけでなく、始動口11への入賞率が向上する時短中にもレベル出力される。
【0015】
・売上信号=貸出機2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定する。
【0016】
・再プレイ信号=貸出機2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0017】
貸出機2は所謂CRサンドとして構成されており、以下の機能を有する。
(1)紙幣が紙幣投入口16に投入されると、その投入金額(残高)を液晶表示部17に表示する。遊技機1の貸出ボタン(図示せず)が操作されると、残高の範囲内で1度数に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出し(貸出処理)、残高から貸出処理により払い出された遊技媒体の対価を除いた残りの残高を液晶表示部17に表示する。このとき、遊技機1から貸出機2に1度数分の125玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部17に表示されている残高から1度数に相当する単位金額である例えば500円を減額すると共に売上信号を送信する。この売上信号は1度数の玉の払い出し毎に1パルスが送信されるので、1パルスに相当する単位金額を売上額として特定する。
【0018】
(2)一般カードがカード挿入口18に挿入されると、一般カードに記録されている残高及び持玉を読み出して液晶表示部17に表示する。遊技機1の貸出ボタンが操作されると、残高の範囲内で1度数に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出し(貸出処理)、残高から貸出処理により払い出された遊技媒体の対価を除いた残りの残高を液晶表示部17に表示する。このときも、遊技機1から貸出機2に1度数分の125玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部17に表示されている残高から1度数に相当する単位金額である例えば500円を減額すると共に売上信号を送信する。
【0019】
(3)遊技機1の下部受皿15から落下した玉を計数受皿19により受けると、その受けた玉を計数して計数値を液晶表示部17に表示する。
(4)払出ボタン20が操作されると、計数玉(持玉)の範囲内で指定された数の玉を払出ノズル21から払い出し、計数玉から払戻処理により払い出された遊技媒体の対価を除いた残りの計数玉を表示する。
【0020】
(5)遊技機1の返却ボタン(図示せず)が操作されると、残高及び持玉等の情報をカード挿入口18に挿入されている一般カードに記録して発行(全発行)する。会員カードが挿入されている場合は、残高を会員カードに記録して持玉を管理装置6に送信してから会員カードを発行する。一般カードを発行する場合は、カードIDを含む発行情報を管理装置6に送信し、管理装置6側にも記憶する。尚、カード挿入口18に一般カードも会員カードも挿入されていない場合は、図示しないカードストック部にストックしている一般カードをカード挿入口18に繰出して残高及び持玉を記録して発行する。
【0021】
(6)液晶表示部17に対する操作入力に応じて対応する遊技機1又は指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示する。
(7)図示しないCCDカメラを備えた撮影装置22(撮影手段。
図1では撮影窓のみ示す)を内蔵しており、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮影する。
【0022】
データ表示機3は、データ表示部23、複数の操作スイッチ部24等を備えている。データ表示部23は、遊技機1から入力される信号に基づき集計した遊技情報等、各種の情報を表示する。複数の操作スイッチ部24は、データ表示部23の表示内容を切替えたり、遊技者が遊技場の従業員を呼出したりするため等に操作される。
【0023】
管理装置6は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機1や貸出機2やデータ表示機3との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部等(いずれも図示せず)を備え、遊技機側から出力された遊技信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(アウト、セーフ、差数、出率、大当り回数等)を集計したり売上情報を算出したりする。
【0024】
さて、撮影装置22は撮影した遊技者の顔を認証し、管理装置6は撮影装置22による認証に応じて遊技者を識別するための顔データを作成しており、以下、顔データの作成方法について説明する。
図3は、撮影装置22による顔認証処理を示すフローチャートである。撮影装置22は、動作開始すると、タイマの作動を開始(タイマ時間4秒)してから(S1)、顔を検出したか(S2:NO)、顔認証フラグが1かを判定してから(S14:NO)、タイマがタイムアップするまで待機する(S19:NO)。
【0025】
遊技者が椅子に着座して撮影装置22の撮影範囲に遊技者の上半身が位置すると、顔を検出するようになるので(S2:YES)、未検出カウンタをクリアし(S3)、顔認証フラグが0かを判定する(S4)。この場合、顔認証フラグは0であることから(S4:YES)、遊技者を撮影し(S5)、信頼度が規定値以上かを判定する(S6)。この信頼度とは遊技者の撮影画像に基づいて顔データを作成可能か否かの判定を数値化したもので、信頼度が規定値未満であると判定した場合は(S6:NO)、ステップS19へ移行してタイマがタイムアップするまで待機する。信頼度が規定値以上であると判定した場合は(S6:YES)、顔認証フラグを1とし(S7)、顔データを作成する(S8)。この顔データは、遊技者の上半身の特徴、特に顔の特徴点である顔の目、眉毛、鼻、口などを抽出し、当該特徴点の互いの位置関係に基づいて遊技者の外観を特定する情報である。
【0026】
次に、記録した顔データが無いかを判定する(S9)。電源投入直後で顔データが無い場合は(S9:YES)、顔データを記録してから(S10)、顔データを管理装置6へ送信する(S11)。
以上の動作により、遊技者が着座したときは、遊技者の顔データが撮影装置22から管理装置6へ送信される。
管理装置6は、撮影装置22から顔データを受信したときは、顔データの作成を開始する。
【0027】
撮影装置22は、タイマがタイムアップすると(S19:YES)、次の撮影タイミングとなり、この場合には、顔認証フラグが1であることから(S4:NO)、ステップS19へ移行する。従って、顔データが管理装置6へ送信されることはない。
【0028】
さて、遊技者が離席したり、遊技者の姿勢が変化したりして遊技者の顔を検出できなくなった場合は(S2:NO)、顔認証フラグが1であることから(S14:YES)、未検出カウンタをインクリメントし(S15)、さらに未検出カウンタが2でないことを判定してから(S16)、タイマがタイムアップしたかを判定する(S19)。タイマがタイムアップすると(S19:YES)、ステップS1へ移行し、上述した動作を繰り返す。動作を繰り返した結果、未検出カウンタが2となることから(S16:YES)、顔認証フラグを0とし(S17)、未検出信号を管理装置6へ送信する(S18)。
【0029】
以上の動作により、顔を検出できなくなると、8秒後に撮影装置22から管理装置6へ未検出信号が送信される。
管理装置6は、撮影装置22から未検出信号を受信したときは顔データの作成を終了する。つまり、撮影装置22から顔データを受信してから未検出信号を受信するまでを同一の顔データの作成期間とする。
【0030】
同一の遊技者、或いは異なる次の遊技者が着席すると、記録した顔データが有ることから(S9:NO)、記録した顔データに該当する顔データの誤差が規定値内か(S12)、つまり同一人物と見なすことができるかを判定する。誤差が規定値内の場合は(S12:YES)、同一人物であると判定し、ステップS11へ移行する。従って、前回と同一の顔データが送信される。この場合、管理装置6は、顔データが同一であることから、同一の遊技者であることを特定し、新規の顔データの作成開始とすることはない。一方、記録した顔データに該当する顔データの誤差が規定値外(S12:NO)、つまり同一人物と見なすことができない場合は、顔データを書換えてから(S13)、顔データを管理装置6へ送信する(S11)。この場合、管理装置6は、顔データが異なることから、異なる遊技者であることを特定する。
【0031】
そして、管理装置6は、顔データの作成開始から作成終了までの期間に対応して遊技者データを作成し、当該遊技者データと当該期間における遊技データとを対応付けることにより遊技履歴を作成する。
【0032】
さて、遊技者が台移動する際に、どのような機種を好んで台移動するかを分析することは営業上重要な事項である。
管理者は、遊技者の移動状況を分析したい場合は管理装置6に対して遊技者移動分析帳票の作成を指示する。すると、管理装置6は、遊技者移動分析帳票を作成する。
【0033】
図2は遊技者移動分析帳票の一例を示している。上段には出力情報選択部25が設けられ、下段には情報表示部26が設けられている。出力情報選択部25としては、日付選択部27、フロア選択部28、種別選択部29、タイプ選択部30、機種選択部31、ファンクションボタン32が設けられている。各選択部27〜31の左端部には一対のスクロールボタン33が設けられており、スクロールボタン33に対する操作に応じて表示する選択項目を変更可能である。一方、各選択部27〜31の右端部にはプルダウンボタン34が設けられており、プルダウンボタン34に対する操作により全ての設定項目をプルダウン表示すると共にクリック操作により選択可能である。ファンクションボタン32としては、「初画面」ボタン32a、「終了」ボタン32b、「保存」ボタン32cが設けられている。
【0034】
日付選択部27は対象となる出力情報の抽出期間を設定するもので、
図2に示す初画面では前回選択された期間を表示し、スクロールボタン33及びプルダウンボタン34にて新たな期間を選択可能である。選択期間として、平日、土日祝、任意期間の内から選択可能である。
【0035】
フロア選択部28では、遊技場の1階と2階、或いは本館と別館等、遊技場内が複数のエリアに分かれている場合に、設置フロア(エリア)にて遊技機1を区別可能である。
種別選択部29では、遊技に使用する遊技媒体の貸出レートにて遊技機1を区別可能である。例えば、メダル1枚を20円で貸し出す場合は20円、メダル1枚を5円で貸し出す場合は5円を選択する。貸出レートは遊技場や貸出機2に対応付けて予め設定されている。
【0036】
タイプ選択部30では、遊技機1のスペックに対応したタイプにて遊技機1を区別可能である。例えば、遊技機1の遊技状態として、リプレイ確率が高くなるRTが設定されているか否かによって遊技機1を区別したり、ボーナス確率が高い遊技機1と低い遊技機1とで区別したりしている。タイプとしては、例えばミニマム、ライト、ライトミドル、ミドル、マックスが設定されている。
【0037】
情報表示部26には、選択情報表示部35、移動情報表示部36、比較移動情報表示部37が設けられている。選択情報表示部35には、出力情報選択部25にて選択されたタイプ及び種別の遊技機1の遊技情報を集計した平均値がそれぞれ表示されている。
【0038】
移動情報表示部36に対応して種類選択部38が設けられており、出力情報選択部25の日付選択部27にて選択された期間において機種選択部31にて選択された機種(以下、選択機種)で遊技した遊技者の移動情報の内、遊技場に設置された複数種類の遊技機から種類選択部38により選択された所望の遊技機の種類に関連した移動情報を選択可能となっている。
図2に示す例では、機種選択部31にて機種Aが選択され、種類選択部38にて機種別が選択されているので、日付選択部27にて選択された期間において機種Aで遊技した遊技者の移動情報の内、機種別に関連した移動情報が表示されている。種類選択部38では、遊技機の種類として、機種別、タイプ別、フロア別、種別を選択可能である。
【0039】
即ち、管理装置6は遊技機の種類別に集計しており、移動情報表示部36には集計項目として、順位36a、機種名36b、遊技人数(遊技を行う遊技機として選択した頻度)36c、平均の客遊技時間36d、割合36eが設定されている。順位36aは、機種選択部31で選択された機種(
図2では機種A)から台移動した移動先を遊技人数が多い順に示している。遊技人数は、移動先機種で遊技した遊技者の人数である。客遊技時間は、移動先機種で遊技した遊技者データに対応付けられた遊技データの収集期間である。割合は、全体の移動先機種で遊技した遊技人数に対する該当する移動先機種での遊技人数の割合である。尚、平均の客遊技時間や割合を「遊技を行う遊技機として選択した頻度」として管理しても良い。
【0040】
ここで、機種名の欄には順位に対応した移動先機種以外に選択機種情報が表示されている。選択機種情報としては以下の項目が設定されている。
・選択機種(
図2では機種A)のみ遊技
・選択機種(
図2では機種A)以外も遊技
・選択機種(
図2では機種A)を最初に遊技
・選択機種(
図2では機種A)を最後に遊技
・他の機種で遊技を行ってから選択機種を最後に遊技(
図2では非表示)
・選択機種を最後に短時間遊技(
図2では非表示)
・選択機種を最後に短時間遊技した割合(
図2では非表示)
上記した「選択機種のみ遊技」は、入場から退場までの間に選択機種のみで遊技した遊技者の人数を集計して求める。
【0041】
「選択機種以外も遊技」は、入場から退場までの間に移動して選択機種に加えて選択機種以外の機種を1度でも遊技した遊技者の人数を集計して求める。
「選択機種を最初に遊技」は、入場してから最初に選択機種を遊技した遊技者の人数を集計して求める。
【0042】
「選択機種を最後に遊技」は、退場する前に最後に選択機種を遊技した遊技者の人数を集計して求める。
「他の機種で遊技を行ってから選択機種を最後に遊技」は、他の機種で遊技を行ってから移動してきた遊技者(移動遊技者)であり、選択機種を最後に遊技して退場した遊技者(退場遊技者)の人数を集計して求める。つまり、管理装置6は遊技者が退場する前に遊技を行う遊技機として選択した頻度(特別割合)を遊技機の種類別に集計しており、その集計結果を「他の機種で遊技を行ってから選択機種を最後に遊技」とするのである。この場合、「最後に遊技」か否かの判定は、撮影装置22にて遊技者の遊技終了を特定してから所定時間(例えば1時間経過するまで)遊技場内における遊技開始を確認できなかった場合や、営業時間が終了した場合に、その時点で遊技者が最後に遊技を行っていた場合の遊技場を退場する前に遊技を行っていた遊技機(退場する前の最後に遊技を行っていた遊技機)として特定する。つまり、管理装置6は、遊技者の遊技終了の後、所定時間の間、遊技開始を特定できなかった場合や、営業時間が終了した場合に、遊技者が退場したと判定するのである。
【0043】
尚、「遊技を終了した遊技者」の特定、「遊技場から退場した遊技者」の特定、「遊技者が遊技を行った遊技期間」の特定、及び「移動遊技者」の特定は、
図3にて説明した顔データに基づいて行っている。また、「選択機種のみ遊技」を「退場する前に遊技を行う遊技機」に含むようにしても良い。
【0044】
「選択機種を最後に短時間遊技」は、最後に選択機種で遊技を行った遊技者の人数であり、この機種Aでの遊技期間が特別期間よりも短い遊技者の人数(遊技の開始から終了までの遊技期間が特別期間よりも短かった頻度)を集計して求める。特別期間として150ゲーム(遊技機がスロットマシンの場合はアウト450)が設定されており、150ゲームよりも少ないゲーム数で遊技を終了した場合、遊技機間が特別期間よりも短い遊技者としてカウントする。
【0045】
「選択機種を最後に短時間遊技した割合」(特別割合)は、最後に選択機種で遊技を行った遊技者の割合であり、「選択機種を最後に短時間遊技」の人数を来場した総人数で除算して求める。但し、最後に選択機種で遊技を行った遊技者で、150ゲーム以上遊技を行い、かつ、150ゲームよりも少ないゲーム数でボーナスゲーム(特別遊技状態)が発生した遊技者については、遊技者の総人数に加えることなく除外して集計する。
【0046】
図2では、選択機種情報の項目の内の一部が表示されているが、スクロール操作により表示されていない他の項目を表示可能である。
比較移動情報表示部37に対応して、「比較」ボタン39、選択日付表示部40、種類選択部38が設けられている。「比較」ボタン39に対する操作によりカレンダがポップアップ表示されるので、カレンダにより比較対象期間を設定することができ、設定された期間が選択日付表示部40に表示される。
【0047】
比較移動情報表示部37にも、移動情報表示部36と同様に、順位36a、機種名36b、遊技人数36c、平均の客遊技時間36d、割合36eが設定されている。
図2に示す例は、初画面を示していることから、日付選択部27で選択された日付が表示されているが、「比較」ボタン39に対する操作により比較対象期間が選択された場合は、その比較対象期間が表示される。
【0048】
図2に示す移動情報表示部36は、機種選択部31で「機種A」が選択された場合を示しているが、機種選択部31で「機種B」等を選択すれば、上述した説明の「機種A」が「機種B」等に置き換わることになる。また、移動情報表示部36は、種類選択部38で「機種別」が選択された場合について示しているが、種類選択部38で「種別」等、他の項目を選択すれば、上述した説明の「機種」が「種別」等に置き換わることになる。例えば「種別」に置き替わった場合、「機種名」が「種別名」に置き換わり、「機種名」の機種A,B等が「種別名」の4円や1円等に置き換わることになる。
【0049】
尚、
図2に示すように、機種別に加えて、タイプ別、フロア別、種別のそれぞれの項目で区別して集計した場合でも、本発明でいう「遊技機の種類別に集計する」ことに該当する。つまり、タイプ別、フロア別、種別のそれぞれについて、遊技機の種類として取扱っても良い。
【0050】
管理装置6は、図示はしないが、選択された期間における平日、土日祝日、選択期間における一日平均の遊技者を、遊技媒体別または種別により選択して円グラフで表示可能である。遊技媒体別を選択した場合は、円グラフは、パチンコ遊技機(遊技媒体が玉)のみ遊技した遊技者と、スロットマシン(遊技媒体がメダル)のみ遊技した遊技者と、両方で遊技した遊技者との割合を表示可能である。種別を選択した場合は、貸出レートに対応した遊技者の割合を円グラフで表示可能である。また、比較期間を設定可能であり、比較期間が設定された場合は、選択期間の円グラフと比較期間の円グラフとを比較可能に表示する。
【0051】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、遊技者が退場する前に選択している遊技人数、平均の客遊技時間、割合(遊技機として選択した頻度)を機種別、タイプ別、フロア別、種別(遊技機の種類別)に集計し、退場する前に選択されている頻度を遊技機の種類別に特定して表示可能であるので、稼動率の底上げに貢献している遊技機を特定し易くなり、当該遊技機を誤って撤去してしまうことを抑制できる。
【0052】
移動遊技者が他の遊技機にて遊技を行ってから、退場する前に遊技を行う遊技機として選択した遊技機は、遊技者が退場前の最後に遊技を行う好きな遊技機である確率が高くなる。つまり、他の遊技機にて遊技を行ってから最後に遊技を行った遊技機は、稼動率の底上げに貢献している確率が高くなることから、移動遊技者が最後に遊技を行った遊技機を特定することで、退場する前に好んで遊技が行われている遊技機を一層特定し易くなる。
【0053】
遊技者が退場前の最後に好きな遊技機で遊技を行う場合、遊技を行う期間が短いことが多い。例えば、遊技に使用する遊技媒体(遊技価値)を少量所持していた場合、最後にその少量の遊技媒体を好きな遊技機で消費してから退場することが考えられる。この遊技機は、稼動の底上げへの貢献度が高く、この遊技機を撤去すると、少量所持していた遊技媒体が使用されなくなる分、遊技場の稼動率が低下することになることから、退場する前に150ゲーム(特別期間)よりも短い期間遊技が行われた遊技機を特定することで、稼動率の底上げに貢献している遊技機を誤って撤去してしまうことを抑制する効果を高くすることができる。
【0054】
遊技者によっては、短い期間遊技を行おうと考えていても、途中でボーナスゲーム(特別遊技状態)が発生した場合、考えが変わり遊技を続行することが考えられる。この場合、元々長い期間遊技を行おうとしていた遊技者なのか、最初は短い期間だけ遊技を行おうと考えていたが、ボーナスゲームの発生によって長い期間遊技を行った遊技者なのか特定することが難しいことから、150ゲーム(特別期間)の経過前にボーナスゲームが発生した場合、来場した総人数に加えることなく「選択機種を最後に短時間遊技した割合」(特別割合)の集計を実行するため、短い期間だけ遊技を行おうとしていた遊技者の割合をより正確に特定することが可能となる。
【0055】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
例示したパチンコ機とは異なる遊技機に適用しても良く、例えば、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、メダルを使用することなくクレジットのみで遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンに本発明を適用することも可能である。この場合、得点やクレジットを遊技価値として考えることが可能である。
【0056】
撮影装置22で遊技者を撮影し、撮影結果から遊技者を特定する構成としたが、遊技者の特定方法を変更しても良く、例えば、会員カードから遊技者を特定可能であることから、受け付けた会員カードに基づいて遊技者を特定しても良い。
退場遊技者が最後に遊技した遊技機の種類別で遊技者の人数(回数)を特定する構成としたが、遊技者の割合を特定するようにしても良い。つまり、頻度として、人数を集計する割合を集計して出力するかは任意に変更しても良い。例えば、
図2の移動情報で表示する情報としては、遊技者の人数(回数)、及び割合のいずれを特定して表示しても良い。
【0057】
退場したと判定する条件を任意に変更しても良く、例えば、遊技場の入口及び出口に撮影装置を設置し、当該撮影装置による認証結果から入場及び退場した遊技者を特定するようにしても良い。
遊技機の種類別に人数や割合を特定する構成としたが、遊技機毎にそれぞれ別々に人数や割合を特定する構成としても良い。
【0058】
特別期間を150ゲームとしたが、特別期間を任意に変更しても良く、例えば10分経過することを特別期間としても良い。
各機能を備えた装置は例示したものに限定されない。例えば、管理装置6が備えていた機能の一部又は全部を貸出機2が備えることも可能である。