【課題】空手の練習相手と練習者との間に身長差があったとしても、顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、空手の効果的かつ実戦的な練習をすることができる格闘技用練習具を提供する。
【解決手段】格闘技用練習具10Aは、練習相手が着脱可能に装着し、練習相手の胸部および腹部を技を繰り出す練習者の打撃から保護するボディープロテクター11と、ボディープロテクター11の前面12にメカニカルファスナ25を介して取り付けられて練習者の打撃を受ける模擬ヘッド13とから形成されている。格闘技用練習具10Aでは、模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する取付位置がメカニカルファスナ25を介してボディープロテクター11の上端部16と下端部18との間で変更可能である。
前記格闘技用練習具では、前記模擬ヘッドが前記ボディープロテクターの幅方向中央に取り付けられ、前記模擬ヘッドの前記ボディープロテクターに対する取付位置が前記連結手段を介して該ボディープロテクターの上端部と下端部との間で変更可能である請求項1または請求項2に記載の格闘技用練習具。
前記連結手段が、前記ボディープロテクターの前面であって該ボディープロテクターの上端部と下端部との間に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方と、前記模擬ヘッドの後部に取り付けられた前記雄ファスナと前記雌ファスナとのうちのいずれか他方とから形成され、前記格闘技用練習具では、前記模擬ヘッドが前記メカニカルファスナを介して前記ボディープロテクターの所定の位置に連結されることで該模擬ヘッドが該ボディープロテクターの上端部と下端部との間の任意の部位に取り付けられる請求項3に記載の格闘技用練習具。
前記連結手段が、前記ボディープロテクターの上端部の幅方向両側から下方へ延びる一対の連結ベルトと、前記連結ベルトの上下方向の長さを調節する長さ調節部材とを含み、前記連結ベルトの下端部が、前記模擬ヘッドに連結され、前記格闘技用練習具では、前記長さ調節部材によって前記連結ベルトの長さを調節しつつ、前記模擬ヘッドが前記メカニカルファスナを介して前記ボディープロテクターの上端部と下端部との間の任意の部位に取り付けられる請求項4に記載の格闘技用練習具。
前記練習相手の鼠径部と大腿部とを前記練習者の打撃から保護する第1保護パッドが、前記ボディープロテクターの下端部に着脱可能に取り付けられて該ボディープロテクターの下端部から下方へ延びている請求項1ないし請求項5いずれかに記載の格闘技用練習具。
前記ボディープロテクターが、前記練習相手の脇腹から背中に位置する両側部を含み、前記練習相手の腰側面と大腿部側面とを前記練習者の打撃から保護する一対の第2保護パッドが、前記ボディープロテクターの両側部に着脱可能に取り付けられて該ボディープロテクターの両側部から下方へ延びている請求項1ないし請求項6いずれかに記載の格闘技用練習具。
前記格闘技用練習具では、それを装着する前記練習相手が大人であり、前記技を繰り出す練習者が前記大人よりも背が低い子供である請求項1ないし請求項7いずれかに記載の格闘技用練習具。
前記格闘技が、空手であり、前記ボディープロテクターが、空手用ボディープロテクターであり、前記ヘッドギアが、空手用ヘッドギアである請求項1ないし請求項8いずれかに記載の格闘技用練習具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空手の試合を想定した組み手では、伸長が略同一の練習相手がボディープロテクターやヘッドギア、レッグボディーを装着し、練習相手と伸長が略同一の練習者が練習相手に突きや蹴り等の打撃を繰り出す。しかし、ボディープロテクターを装着した背の高い大人が大人よりも背の低い子供の練習相手になり、子供を指導する場合、子供が突きや蹴り等の打撃を大人の顔面を含む頭部に繰り出すことは難しく、大人の顔面を含む頭部を対象にした打撃練習ができず、大人と子供との身長差によって効果的かつ実戦的な練習ができなかった。前記特許文献1に開示の胸当てプロテクターも同様に、それを装着した大人が子供の打撃を受ける場合、大人と子供との身長差によって大人の顔面を含む頭部を対象にした打撃練習ができない。
【0006】
本発明の目的は、格闘技の練習相手と練習者との間に身長差があったとしても、顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる格闘技用練習具を提供することにある。本発明の他の目的は、格闘技の練習相手がその両腕を自由に使うことができ、練習者に対して練習相手からも技を繰り出すことができるとともに、練習者がより実戦的な攻守の練習をすることができる格闘技用練習具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前提は、格闘技の練習に使用され、組み手において技を受ける練習相手が装着する格闘技用練習具である。
【0008】
前記前提における本発明の特徴は、格闘技用練習具が、練習相手が着脱可能に装着し、練習相手の胸部および腹部を技を繰り出す練習者の打撃から保護するボディープロテクターと、ボディープロテクターの前面に連結手段を介して取り付けられて練習者の打撃を受ける模擬ヘッドとから形成されていることにある。
【0009】
本発明の一例としては、模擬ヘッドがヘッドギアとヘッドギアの内部に着脱可能に収容されたメディシンボールとから形成されている。
【0010】
本発明の他の一例として、格闘技用練習具では、模擬ヘッドがボディープロテクターの幅方向中央に取り付けられ、模擬ヘッドのボディープロテクターに対する取付位置が連結手段を介してボディープロテクターの上端部と下端部との間で変更可能である。
【0011】
本発明の他の一例としては、連結手段が、ボディープロテクターの前面であってボディープロテクターの上端部と下端部との間に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方と、模擬ヘッドの後部に取り付けられた雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方とから形成され、格闘技用練習具では、模擬ヘッドがメカニカルファスナを介してボディープロテクターの所定の位置に連結されることで模擬ヘッドがボディープロテクターの上端部と下端部との間の任意の部位に取り付けられる。
【0012】
本発明の他の一例としては、連結手段が、ボディープロテクターの上端部の幅方向両側から下方へ延びる一対の連結ベルトと、連結ベルトの上下方向の長さを調節する長さ調節部材とを含み、連結ベルトの下端部が模擬ヘッドに連結され、格闘技用練習具では、長さ調節部材によって連結ベルトの長さを調節しつつ、模擬ヘッドがメカニカルファスナを介してボディープロテクターの上端部と下端部との間の任意の部位に取り付けられる。
【0013】
本発明の他の一例としては、練習相手の鼠径部と大腿部とを練習者の打撃から保護する第1保護パッドがボディープロテクターの下端部に着脱可能に取り付けられてボディープロテクターの下端部から下方へ延びている。
【0014】
本発明の他の一例としては、ボディープロテクターが練習相手の脇腹から背中に位置する両側部を含み、練習相手の腰側面と大腿部側面とを練習者の打撃から保護する一対の第2保護パッドがボディープロテクターの両側部に着脱可能に取り付けられてボディープロテクターの両側部から下方へ延びている。
【0015】
本発明の他の一例として、格闘技用練習具では、それを装着する練習相手が大人であり、技を繰り出す練習者が大人よりも背が低い子供である。
【0016】
本発明の他の一例としては、格闘技が空手であり、ボディープロテクターが空手用ボディープロテクターであり、ヘッドギアが空手用ヘッドギアである。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる格闘技用練習具よれば、それを装着した練習相手の伸長が練習者のそれよりも高く、身長差によって練習相手の顔面を含む頭部に打撃を加えられない場合であっても、練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクターの部位に模擬ヘッドを取り付けることで、ボディープロテクターと模擬ヘッドとから形成された格闘技用練習具を仮想練習相手に見立て、その模擬ヘッドを仮想練習相手の頭部と想定しつつ模擬ヘッドから下方に延びるボディープロテクターを仮想練習相手の胴部と想定して練習者がボディープロテクターや模擬ヘッドに打撃を加えることができる。格闘技用練習具は、格闘技の練習相手と練習者との間に身長差があったとしても、練習者が胴部のみならず顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技用練習具を利用することで練習者が練習相手と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。格闘技用練習具は、格闘技の練習相手が手でミットを持つ必要がなく、練習相手がその両腕を自由に使うことができ、練習者に対して練習相手からも技を繰り出すことができる。格闘技用練習具は、練習者に対して練習相手からも技を繰り出すことができるから、練習者がより実戦的な攻守の練習をすることができ、実戦を想定した間合い(距離感)を養うことができる。
【0018】
模擬ヘッドがヘッドギアとヘッドギアの内部に着脱可能に収容されたメディシンボールとから形成されている格闘技用練習具は、人間の頭部を保護するヘッドギアとメディシンボールとを練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクターの部位に取り付けることで、人間の頭部と略同じ大きさの模擬ヘッドをボディープロテクターに形成することができるから、練習者がヘッドギアとメディシンボールとから形成された模擬ヘッドを仮想練習相手の頭部として想定し易く、練習者がその模擬ヘッドに打撃を加えることで、格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。格闘技用練習具は、練習者が柔らかいメディシンボールを打撃するから、相手の顔面や頭部を想定した打撃感を身につけることができるとともに、練習者の打撃力がメディシンボールに吸収されるから、練習中における練習者の拳や脚部の怪我を防ぐことができる。
【0019】
模擬ヘッドがボディープロテクターの幅方向中央に取り付けられ、模擬ヘッドのプロテクターに対する取付位置が連結手段を介してボディープロテクターの上端部と下端部との間で変更可能である格闘技用練習具は、模擬ヘッドをボディープロテクターの幅方向中央部であって上下端部の間の任意の部位に取り付けることができるから、各練習者の伸長に高低があったとしても、それら練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクターの部位に模擬ヘッドを取り付けることができる。格闘技用練習具は、ボディープロテクターに対する模擬ヘッドの位置をそれら練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じにすることができるから、格闘技の練習相手と各練習者との間に身長差があったとしても、それら練習者が顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技用練習具を利用することでそれら練習者が練習相手と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。
【0020】
連結手段がボディープロテクターの前面であってボディープロテクターの上端部と下端部との間に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方と模擬ヘッドの後部に取り付けられた雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方とから形成され、模擬ヘッドがメカニカルファスナを介してボディープロテクターの所定の位置に連結されることで模擬ヘッドがボディープロテクターの上端部と下端部との間の任意の部位に取り付けられる格闘技用練習具は、メカニカルファスナを利用して模擬ヘッドをボディープロテクターの上下端部の間の任意の部位に取り付けることができるから、各練習者の伸長に高低があったとしても、それら練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクターの部位に模擬ヘッドを取り付けることができる。格闘技用練習具は、ボディープロテクターに対する模擬ヘッドの位置をそれら練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じにすることができるから、格闘技の練習相手と各練習者との間に身長差があったとしても、それら練習者が顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技用練習具を利用することでそれら練習者が練習相手と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。
【0021】
連結手段がボディープロテクターの上端部の幅方向両側から下方へ延びる一対の連結ベルトと連結ベルトの上下方向の長さを調節する長さ調節部材とを含み、連結ベルトの下端部が模擬ヘッドに連結され、長さ調節部材によって連結ベルトの長さを調節しつつ、模擬ヘッドがメカニカルファスナを介してボディープロテクターの上端部と下端部との間の任意の部位に取り付けられる格闘技用練習具は、長さ調節部材によってそれら連結ベルトの上下方向の長さを調節しつつ、メカニカルファスナを介して模擬ヘッドをボディープロテクターの所定の位置に取り付けることで、模擬ヘッドをボディープロテクターの上下端部の間の任意の部位に位置させることができるから、各練習者の伸長に高低があったとしても、それら練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクターの部位に模擬ヘッドを取り付けることができる。格闘技用練習具は、ボディープロテクターに対する模擬ヘッドの位置をそれら練習者の顔面を含む頭部の位置と略同じにすることができるから、格闘技の練習相手と各練習者との間に身長差があったとしても、それら練習者が顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技用練習具を利用することでそれら練習者が練習相手と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。格闘技用練習具は、模擬ヘッドが連結ベルトに連結されているから、模擬ヘッドをメカニカルファスナのみによってボディープロテクターに取り付ける場合と比較し、模擬ヘッドがボディープロテクターから外れることはなく、練習者が模擬ヘッドを激しく打撃したとしても、模擬ヘッドがボディープロテクターから他所に飛ばされることはない。
【0022】
練習相手の鼠径部と大腿部とを練習者の打撃から保護する第1保護パッドがボディープロテクターの下端部に着脱可能に取り付けられてボディープロテクターの下端部から下方へ延びている格闘技用練習具は、模擬ヘッドをボディープロテクターの所定の部位に取り付けたときに、練習相手の鼠径部から大腿部までを仮想練習相手の胴部や脚部と想定して第1保護パッドに練習者が打撃を加えることができ、練習者と略同じ伸長の仮想練習相手の胴部や脚部を想定しつつ練習者が練習相手と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。
【0023】
ボディープロテクターが練習相手の脇腹から背中に位置する両側部を含み、練習相手の腰側面と大腿部側面とを練習者の打撃から保護する一対の第2保護パッドがボディープロテクターの両側部に着脱可能に取り付けられてボディープロテクターの両側部から下方へ延びている格闘技用練習具は、模擬ヘッドをボディープロテクターの所定の部位に取り付けたときに、練習相手の腰側面と大腿部側面とを仮想練習相手の胴部や脚部と想定してそれら第2保護パッドに練習者が打撃を加えることができ、練習者と略同じ伸長の仮想練習相手の胴部や脚部を想定しつつ練習者が練習相手と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。
【0024】
格闘技用練習具を装着する練習相手が大人であり、技を繰り出す練習者が大人よりも背が低い子供である格闘技用練習具は、練習相手である大人と練習者である背の低い子供との間に身長差があったとしても、子供が模擬ヘッドに打撃を加えることで、子供が胴部のみならず顔面を含む頭部を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技用練習具を利用することで子供が大人と格闘技の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。格闘技用練習具は、大人の指導者が格闘技用練習具を装着して子供である練習者に稽古を付けることができるから、大人の指導の下に子供が格闘技の練習を積むことができ、子供の格闘技の腕を確実に上達させることができる。
【0025】
格闘技が空手であり、ボディープロテクターが空手用プロテクターであり、ヘッドギアが空手用ヘッドギアである格闘技用練習具は、練習相手と練習相手よりも背の低い練習者との間に身長差があったとしても、子供が模擬ヘッドに打撃を加えることで、練習者が胴部のみならず顔面を含む頭部を対象にした空手の打撃練習をすることができ、格闘技用練習具を利用することで練習者が練習相手と空手の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。格闘技用練習具は、練習相手である指導者が格闘技用練習具を装着して練習者に空手の稽古を付けることができるから、大人の指導の下に子供が空手の練習を積むことができ、練習者の空手の腕を確実に上達させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一例として示す格闘技用練習具10Aの斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる格闘技用練習具の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、一例として示す空手用ボディープロテクター11の斜視図であり、
図3は、一例として示す模擬ヘッド13の斜視図である。
図4は、模擬ヘッド13を形成する空手用ヘッドギア30とメディシンボール31との斜視図であり、
図5は、一例として示す第1保護パッド14の斜視図である。
図6は、一例として示す第2保護パッド15の斜視図である。
図5では、一対の第1保護パッド14のうちの左足用のそれのみを示す。
図6では、一対の第5保護パッド15のうちの左足用のそれのみを示す。
図1では、上下方向を矢印Aで示し、幅方向を矢印Bで示す。
【0028】
格闘技用練習具10Aは、空手(格闘技)の組み手において練習者45の技を受ける練習相手44が装着し、空手の練習に使用される。なお、格闘技用練習具10Aは、空手の他に、少林寺拳法やカンフー、テコンドー、キックボクシング、ムエタイ、ボクシング等の打撃を繰り出して身体で攻撃、防御を行うあらゆる格闘技(打撃系格闘技、総合格闘技)に使用することができる。練習相手44は、空手を指導する大人46(指導者)であり、練習者45は、大人46よりも背が低い空手を練習する子供47である。
【0029】
格闘技用練習具10Aは、練習相手44が着脱可能に装着する所定面積の空手用ボディープロテクター11(ボディープロテクター)と、ボディープロテクター11の前面12に第1連結手段(連結手段)を介して着脱可能に取り付けられた模擬ヘッド13と、ボディープロテクター11に第2連結手段(連結手段)を介して着脱可能に取り付けられた一対の第1保護パッド14と、ボディープロテクター11および第1保護パッド14に第3および第4連結手段(連結手段)を介して着脱可能に取り付けられた一対の第2保護パッド15とから形成されている。
【0030】
空手用ボディープロテクター11は、柔軟性およびクッション性を有し、練習相手44の胸部(肋骨および鎖骨)および腹部(脇腹を含む)を技(突きや蹴り等)を繰り出す練習者45の打撃から保護する。ボディープロテクター11は、それを装着したときに練習相手44の頸の下方近傍に位置(当接)する上端部16と、練習相手44の胸部および腹部に位置(当接)する中間部17と、練習相手44の鼠径部の上方近傍に位置(当接)する下端部18と、練習相手44の脇腹(横腹)から背中に位置(当接)する両側部19とを有する。
【0031】
ボディープロテクター11には、練習相手44の頸に掛ける頸ベルト20と、練習相手44の胴に巻き付ける胴ベルト21と、それらベルト20,21を連結する金属製または合成樹脂製の連結金具22と、胴ベルト21の長さを調節する金属製または合成樹脂製の長さ調節金具23とが取り付けられている。胴ベルト21は、ワンタッチバックル24が取り付けられたワンタッチベルトである。
【0032】
ボディープロテクター11は、その表面材(表生地)として人工皮や本革、合皮、ポリウレタンが使用され、裏面材(裏生地)として人工皮や合皮、ポリエステルが使用され、表面材と裏面材との間に収容される中材として強化スポンジや圧縮スポンジ、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、EVA樹脂等のクッション材が使用されている。
【0033】
なお、ボディープロテクター11は図示の形状に限定されない。ボディープロテクター11の形状に特に制限はなく、あらゆる形状のボディープロテクター11を使用することができる。ボディープロテクター11の大きさ(サイズ)は、大人用のそれである。また、空手用ボディープロテクター11の他に、格闘技において使用されるあらゆる種類のボディープロテクターを使用することができる。
【0034】
ボディープロテクター11の前面12であってその幅方向中央には、メカニカルファスナ25の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方が取り付けられている。ボディープロテクター11の前面12に取り付けられたメカニカルファスナ25は、第1連結手段を形成する。メカニカルファスナ25は、ボディープロテクター11の上端部16と中間部17と下端部18とに取り付けられ、上下端部16,18の間で一連につながって上下方向へ延びている。メカニカルファスナ11は、模擬ヘッド13と略同一の幅寸法を有する。メカニカルファスナ25は、ボディープロテクター11(表面材)の前面12の幅方向中央に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0035】
ボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25には、その幅方向の中心であって上下方向へ延びる第1中心目印線26が表示(印刷)されている。第1中心目印線26は、ボディープロテクター11の幅寸法を二分して上下方向へ延びる仮想中心線(図示せず)に一致し、模擬ヘッド13をボディープロテクター11に取り付けるときの目印になる。
【0036】
ボディープロテクター11の下端部18の後面27(練習相手44に対向する対向面)には、メカニカルファスナ28の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方が取り付けられている。ボディープロテクター11の下端部18に取り付けられたメカニカルファスナ28は、第2連結手段を形成する。メカニカルファスナ28は、ボディープロテクター11(裏面材)の後面27に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0037】
ボディープロテクター11の両側部19における下方の後面28には、メカニカルファスナ29の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方が取り付けられている。ボディープロテクター11の両側部19に取り付けられたメカニカルファスナ29は、第3連結手段を形成する。メカニカルファスナ29は、ボディープロテクター11(裏面材)の後面27に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0038】
模擬ヘッド13は、空手用ヘッドギア30(ヘッドギア)と、リハビリテーションや体幹のトレーニング等に使用されるメディシンボール31とから形成されている。模擬ヘッド13は、仮想練習相手の頭部を模擬(擬似)している。ヘッドギア30は、柔軟性およびクッション性を有し、その頭周囲が50〜60cmである。ヘッドギア30は、その表面材(表生地)として人工皮や本革、合皮、ポリウレタンが使用され、裏面材(裏生地)として人工皮や合皮、ポリエステルが使用され、表面材と裏面材との間に収容される中材として強化スポンジや圧縮スポンジ、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、EVA樹脂等のクッション材が使用されている。ヘッドギア30には、ポリカーボネートやレクサンから作られたフェイスガードが取り付けられていてもよく、イヤーガードが取り付けられていてもよい。
【0039】
メディシンボール31は、ヘッドギア30の内部に着脱可能に収容されている。なお、ヘッドギア30は図示の形状に限定されない。ヘッドギア30の形状や大きさ(サイズ)に特に制限はなく、あらゆる形状や大きさのヘッドギアを使用することができる。また、空手用ヘッドギア30の他に、格闘技において使用されるあらゆる種類のヘッドギアを使用することができる。
【0040】
ヘッドギア30の後部32(練習相手44の後頭部を包被する部分)には、幅方向へ延びる可撓性の連結バンド33が取り付けられている。連結バンド33は、布地や合成樹脂シート、布地と合成樹脂シートとの複合シート等から作られ、その幅寸法がボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25のそれ(模擬ヘッド13の幅寸法)と略同一である。連結バンド33は、図示はしていないが、ヘッドギア30の後部32の表面材に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定され、あるいは、ヘッドギア30の後部32の表面材にメカニカルファスナによって着脱可能に取り付けられている。
【0041】
連結バンド33のボディープロテクター11に対向する対向面の全域には、メカニカルファスナ25の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられている。連結バンド33に取り付けられたメカニカルファスナ25は、第1連結手段を形成する。連結バンド33に取り付けられたメカニカルファスナ25には、その幅方向の中心であって上下方向へ延びる第2中心目印線34が表示されている。第2中心目印線34は、模擬ヘッド13をボディープロテクター11に取り付けるときの目印になる。
【0042】
模擬ヘッド13は、連結バンド33に取り付けられたメカニカルファスナ25とボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25とを係合させることで、ボディープロテクター11の上下端部16,18の間の任意の部位に取り付けることができる。また、連結バンド33に取り付けられたメカニカルファスナ25とボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25との係合を解除することで、模擬ヘッド13をボディープロテクター11から取り外すことができる。なお、後記する
図11と同様に、模擬ヘッド13に連結バンド33が取り付けられていなくてもよい。この場合、ヘッドギア30の後部32におけるボディープロテクター11との対向面にメカニカルファスナ25(第1連結手段)の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられる。
【0043】
それら第1保護パッド14は、上下方向へ長い所定面積を有するとともに、柔軟性およびクッション性を有し、練習相手44の鼠径部と大腿部の前面および内側面とを練習者45の打撃から保護する。第1保護パッド14は、ポリウレタンや強化スポンジ、圧縮スポンジから作られている。また、ボディープロテクター11やヘッドギア30と同様の表面材(表生地)と裏面材(裏生地)との間に中材を収容したパッドを使用することもできる。
【0044】
それら第1保護パッド14の上端部35の前面36には、メカニカルファスナ28の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられている。第1保護パッド14の上端部35に取り付けられたメカニカルファスナ28は、第2連結手段を形成する。メカニカルファスナ28は、第1保護パッド14の上端部35に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0045】
それら第1保護パッド14の外側部37(第2保護パッド15に対向する対向側部)の後面38には、メカニカルファスナ39の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか一方が取り付けられている。第1保護パッド14の外側部37に取り付けられたメカニカルファスナ39は、第4連結手段を形成する。メカニカルファスナ39は、第1保護パッド14の外側部37に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0046】
第1保護パッド14は、それらに取り付けられたメカニカルファスナ28とボディープロテクター11の下端部18に取り付けられたメカニカルファスナ28とを係合させることで、ボディープロテクター11の下端部18に連結することができる。また、第1保護パッド14に取り付けられたメカニカルファスナ28とボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ28との係合を解除することで、第1保護パッ14ドをボディープロテクター11から取り外すことができる。第1保護パッド14をボディープロテクター11に連結すると、第1保護パッド14がボディープロテクター11の下端部18から下方へ延びる。
【0047】
ボディープロテクター11と第1保護パッド14との連結に図示はしていないが複数本の紐材(第2連結手段)を使用することもできる。この場合、ボディープロテクター11の下端部18に紐材を挿通する複数の挿通孔を穿孔し、第1保護パッド14の上端部35に紐材を挿通する複数の挿通孔を穿孔する。ボディープロテクター11の挿通孔と第1保護パッド14の挿通孔とに紐材を挿通し、紐材を結ぶことで、ボディープロテクター11と第1保護パッド14との連結することができ、紐材を解いて挿通孔から紐材を抜き取ることで第1保護パッド14をボディープロテクター11から取り外すことができる。なお、第2連結手段として、メカニカルファスナ28と紐材とを併用することもできる。
【0048】
それら第2保護パッド15は、上下方向へ長い所定面積を有するとともに、柔軟性およびクッション性を有し、練習相手44の腰の側面と大腿部の外側面とを練習者45の打撃から保護する。第2保護パッド15は、ポリウレタンや強化スポンジ、圧縮スポンジから作られている。また、ボディープロテクター11やヘッドギア30と同様の表面材(表生地)と裏面材(裏生地)との間に中材を収容したパッドを使用することもできる。
【0049】
それら第2保護パッド15の上端部40の前面41には、メカニカルファスナ29の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられている。第2保護パッド15の上端部40に取り付けられたメカニカルファスナ29は、第3連結手段を形成する。メカニカルファスナ29は、第2保護パッド15の上端部40に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0050】
それら第2保護パッド15の内側部42(第1保護パッド14に対向する対向側部)の前面41には、メカニカルファスナ39の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられている。第2保護パッド15の内側部42に取り付けられたメカニカルファスナ39は、第4連結手段を形成する。メカニカルファスナ39は、第2保護パッド15の内側部42に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。
【0051】
第2保護パッド15は、それらに取り付けられたメカニカルファスナ29とボディープロテクター11の両側部19に取り付けられたメカニカルファスナ29とを係合させることで、ボディープロテクター11の両側部19に連結することができる。また、第2保護パッド15に取り付けられたメカニカルファスナ29とボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ29との係合を解除することで、第2保護パッド15をボディープロテクター11から取り外すことができる。第2保護パッド15をボディープロテクター11に連結すると、第2保護パッド15がボディープロテクター11の両側部19から下方へ延びる。
【0052】
ボディープロテクター11と第2保護パッド15との連結に図示はしていないが複数本の紐材(第3連結手段)を使用することもできる。この場合、ボディープロテクター11の両側部19の下方に紐材を挿通する複数の挿通孔を穿孔し、第2保護パッド15の上端部40に紐材を挿通する複数の挿通孔を穿孔する。ボディープロテクター11の挿通孔と第2保護パッド15の挿通孔とに紐材を挿通し、紐材を結ぶことで、ボディープロテクター11と第2保護パッド15との連結することができ、紐材を解いて挿通孔から紐材を抜き取ることで第2保護パッド15をボディープロテクター11から取り外すことができる。なお、第3連結手段として、メカニカルファスナ29と紐材とを併用することもできる。
【0053】
第2保護パッド15は、その内側部42に取り付けられたメカニカルファスナ39と第1保護パッド14の外側部37に取り付けられたメカニカルファスナ39とを係合させることで、第1保護パッド14に着脱可能に連結することができる。また、第2保護パッド15に取り付けられたメカニカルファスナ39と第1保護パッド14に取り付けられたメカニカルファスナ39との係合を解除することで、第2保護パッド15を第1保護パッド14から取り外すことができる。
【0054】
第1保護パッド14と第2保護パッド15との連結に図示はしていないが複数本の紐材(第4連結手段)を使用することもできる。この場合、第1保護パッド14の外側部37に紐材を挿通する複数の挿通孔を穿孔し、第2保護パッド15の内側部42に紐材を挿通する複数の挿通孔を穿孔する。第1保護パッド14の挿通孔と第2保護パッド15の挿通孔とに紐材を挿通し、紐材を結ぶことで、第1保護パッド14と第2保護パッド15との連結することができ、紐材を解いて挿通孔から紐材を抜き取ることで第1保護パッド14と第2保護パッド15との連結を解除することができる。なお、第4連結手段として、メカニカルファスナ39と紐材とを併用することもできる。
【0055】
図7は、
図1の格闘技用練習具10Aを装着した練習相手44(大人46)の斜視図であり、
図8は、
図1の格闘技用練習具10Aを装着した練習相手44(大人46)と練習者45(子供47)との斜視図である。格闘技用練習具10Aを練習相手44(大人46)が装着する手順の一例は、以下のとおりである。メカニカルファスナ28(第2連結手段)を利用してボディープロテクター11の下端部18に第1保護パッド14を連結し、メカニカルファスナ29(第3連結手段)を利用してボディープロテクター11の両側部19に第2保護パッド15を連結するとともに、メカニカルファスナ39(第4連結手段)を利用して第1保護パッド14の外側部37と第2保護パッド15の内側部42とを連結する。
【0056】
次に、ボディープロテクター11の頸ベルト20を頸に掛け、胴ベルト21のワンタッチバックル24を係合させた後、連結金具22や長さ調節金具23によって頸ベルト20や胴ベルト21の長さを調節し、ボディープロテクター11を装着する。練習相手44(大人46)がボディープロテクター11を装着すると、練習相手44の頸の下方近傍に上端部16が当接し、練習相手44の胸部および腹部に中間部17が当接し、練習相手44の鼠径部の上方近傍に下端部18が当接するとともに、練習相手44の脇腹(横腹)から背中に両側部19が当接する。さらに、第1保護パッド14が練習相手44の鼠径部と大腿部の前面および内側面とに位置し、第2保護パッド15が練習相手44の腰側面と大腿部外側面とに位置する。
【0057】
ボディープロテクター11を装着した後、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の幅方向中央に連結する。模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する上下方向の取付位置を決めた後、模擬ヘッド13の連結バンド33に取り付けられたメカニカルファスナ25の第2中心目印線34をボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25の第1中心目印線26にあわせ、連結バンド33のメカニカルファスナ25とボディープロテクター11のメカニカルファスナ25とを係合させる。
【0058】
メカニカルファスナ25(第1連結手段)どうしを係合させると、模擬ヘッド13がボディープロテクター11の幅方向中央であってボディープロテクター11の上端部16と下端部18との間の任意の部位に取り付けられる。模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する上下方向の取付位置は、練習者45(子供47)の頭部の位置と略同一である。模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する上下方向の取付位置を変えることで、ボディープロテクター11に対する模擬ヘッド13の取付位置をボディープロテクター11の上端部16と下端部18との間で容易に変更することができる。第1中心目印線26と第2中心目印線34とを一致させることで、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の幅方向中央に正確に取り付けることができる。
【0059】
練習相手44(大人46)が格闘技用練習具10Aを装着した後、
図8に示すように、練習者45(子供47)が格闘技用練習具10Aを装着した練習相手44(大人46)と対峙し、練習相手44(大人46)よりも背が低い練習者45(子供47)が格闘技用練習具10A(ボディープロテクター11や模擬ヘッド13、第1保護パッド14、第2保護パッド15)に対して突きや蹴り等の空手の打撃を繰り出す。
【0060】
模擬ヘッド13が練習者45の頭部の位置と略同レベルにあるから、練習者45である子供47は、自分と略同一の伸長の相手を想定しつつ空手の各種の技を繰り出し、練習者45よりも背が高い練習相手44である大人46は、打撃を繰り出す子供47(練習者45)を見下ろしながら子供47に対して適切な指導をしつつ空手の練習を行わせる。
【0061】
格闘技用練習具10Aは、それを装着した練習相手44(大人46)の伸長が練習者45(子供47)のそれよりも高く、身長差によって練習相手44の顔面を含む頭部に打撃を加えられない場合であっても、練習者45の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクター11の部位にヘッドギア39とメディシンボール31とから形成された模擬ヘッド13が取り付けられているから、ボディープロテクター11と模擬ヘッド13とから形成された格闘技用練習具10Aを自分と伸長が略同一の仮想練習相手に見立て、その模擬ヘッド13を仮想練習相手の頭部と想定しつつ模擬ヘッド13から下方に延びるボディープロテクター11を仮想練習相手の胴部と想定して練習者45がボディープロテクター11や模擬ヘッド13に打撃を加えることができる。
【0062】
格闘技用練習具10Aは、練習相手44(大人46)が模擬ヘッド13を取り付けたボディープロテクター11を装着したときに、第1保護パッド14が練習相手44の鼠径部と大腿部の前面および内側面とに位置し、練習者45(子供47)が練習相手44の鼠径部から大腿部までを仮想練習相手の胴部や脚部と想定しつつ、練習者45が第1保護パッド14に打撃を加えることができ、練習者45と略同じ伸長の仮想練習相手の胴部や脚部を想定しつつ練習者45が空手の練習をすることができる。
【0063】
格闘技用練習具10Aは、練習相手44(大人46)が模擬ヘッド13を取り付けたボディープロテクター11を装着したときに、第2保護パッド15が練習相手44の腰の側面および大腿部の側面に位置し、練習者45(子供47)が練習相手44の腰から大腿部までを仮想練習相手の胴部や脚部と想定しつつ、練習者45が第2保護パッド15に打撃を加えることができ、練習者45と略同じ伸長の仮想練習相手の胴部や脚部を想定しつつ練習者45が空手の練習をすることができる。
【0064】
格闘技用練習具10Aは、空手(格闘技)の練習相手44(大人46)と練習者45(子供47)との間に身長差があったとしても、練習者45が胴部のみならず顔面を含む頭部(模擬ヘッド13)を対象にした打撃練習をすることができ、格闘技用練習具10Aを利用することで練習者45が練習相手44と空手の効果的かつ実戦的な練習をすることができる。格闘技用練習具10Aは、格闘技の練習相手44が手でミットを持つ必要がなく、練習相手44がその両腕を自由に使うことができ、練習者45に対して練習相手44からも技を繰り出すことができる。格闘技用練習具10Aは、練習者45に対して練習相手44からも技を繰り出すことができるから、練習者45がより実戦的な攻守の練習をすることができ、実戦を想定した間合い(距離感)を養うことができる。格闘技用練習具10Aは、大人46の指導者が格闘技用練習具10Aを装着して子供47である練習者45に稽古を付けることができるから、大人46の指導の下に子供47が空手の練習を積むことができ、子供47の空手の腕を確実に上達させることができる。
【0065】
格闘技用練習具10Aは、メカニカルファスナ25(第1連結手段)を利用して模擬ヘッド13をボディープロテクター11の幅方向中央部であって上下端部16,18の間の任意の部位に取り付けることができるから、各練習者45(各子供47)の伸長に高低があったとしても、それら練習者45の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクター11の部位に模擬ヘッド13を取り付けることができる。格闘技用練習具10Aは、練習者45(子供47)が柔らかいメディシンボール31を打撃するから、練習者45が相手の顔面や頭部を想定した打撃感を身につけることができるとともに、練習者45の打撃力がメディシンボール31に吸収されから、練習中における練習者45の拳や脚部の怪我を防ぐことができる。
【0066】
図9は、他の一例として示す格闘技用練習具10Bの斜視図であり、
図10は、他の一例として示す空手用ボディープロテクター11の斜視図である。
図11は、後部32の側から示す模擬ヘッド13の斜視図である。
図12は、
図9の格闘技用練習具10Bを装着した練習相手44(大人46)の斜視図であり、
図13は、
図9の格闘技用練習具10Bを装着した練習相手44(大人46)と練習者45(子供47)との斜視図である。
【0067】
図9に示す格闘技用練習具10Bが
図1のそれと異なるところは、連結ベルト48A,48Bおよび金属製または合成樹脂製の長さ調節金具49(長さ調節部材)を有する点、ヘッドギア30の後部32に連結バンド33が取り付けられていない点にある。格闘技用練習具10Bのその他の構成は
図1の格闘技用練習具10Aのそれらと同一であるから、
図1の格闘技用練習具10Aと同一の符号を付すとともに、格闘技用練習具10Aの説明を援用することで、格闘技用練習具10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0068】
格闘技用練習具10Bは、格闘技用練習具10Aと同様に、空手(他の格闘技を含む)の組み手において練習者45の技を受ける練習相手44が装着し、空手の練習に使用される。格闘技用練習具10Bを装着する練習相手44は大人46であり、格闘技用練習具10Bを使用して練習する練習者45は子供47である。
【0069】
格闘技用練習具10Bは、所定面積の空手用ボディープロテクター11(ボディープロテクター)と、ボディープロテクター11の前面12にメカニカルファスナ25(第1連結手段)を介して着脱可能に取り付けられた模擬ヘッド13と、ボディープロテクター11にメカニカルファスナ28(第2連結手段)を介して着脱可能に取り付けられた一対の第1保護パッド14と、ボディープロテクター11および第1保護パッド14にメカニカルファスナ29,39(第3および第4連結手段)を介して着脱可能に取り付けられた一対の第2保護パッド15と、一対の連結ベルト48A,48Bおよび長さ調節金具49(長さ調節部材)とから形成されている。ボディープロテクター11や第1および第2保護パッド14,15は
図1の格闘技用練習具10のそれらと同一であるから、
図1の格闘技用練習具10の説明を援用することで、それらの説明は省略する。
【0070】
模擬ヘッド13は、
図1の格闘技用練習具10Aのそれと同様に、空手用ヘッドギア30(ヘッドギア)とメディシンボール31とから形成され、仮想練習相手の頭部を模擬している。ヘッドギア30やメディシンボール31は、
図1のそれらと同一である。模擬ヘッド13には、
図1の格闘技用練習具10Aのそれと異なり、連結バンド33が取り付けられていない。
【0071】
ヘッドギア30の後部32(練習相手44の後頭部を包被する部分)におけるボディープロテクター11との対向面には、メカニカルファスナ25の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられている。メカニカルファスナ25は、上下方向へ幅方向とへ延びる所定面積を有し、第1連結手段を形成する。メカニカルファスナ25は、ヘッドギア30の後部32に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定されている。ヘッドギア30の後部32に取り付けられたメカニカルファスナ25には、その幅方向の中心であって上下方向へ延びる第2中心目印線34が表示(印刷)されている。第2中心目印線34は、模擬ヘッド13をボディープロテクター11に取り付けるときの目印になる。
【0072】
模擬ヘッド13は、それに取り付けられたメカニカルファスナ25とボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25とを係合させることで、ボディープロテクター11の上下端部16,18の間の任意の部位に取り付けることができる。また、模擬ヘッド13に取り付けられたメカニカルファスナ25とボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25との係合を解除することで、ボディープロテクター11の前面12に対する模擬ヘッド13の固定を解くことができる。なお、
図3と同様に、ヘッドギア30の後部32に幅方向へ延びる連結バンド33が取り付けられ、連結バンド33の対向面の全域にメカニカルファスナ25(第1連結手段)の雄ファスナと雌ファスナとのうちのいずれか他方が取り付けられていてもよい。
【0073】
連結ベルト48Aは、ボディープロテクター11の上端部16の幅方向両側の一方から下方へ延び、連結ベルト48Bは、ボディープロテクター11の上端部16の幅方向両側の他方から下方へ延びている。連結ベルト48A,48Bは、その上端部50がボディープロテクター11の上端部16の幅方向両側に取り付けられ、その下端部51がヘッドギア30(模擬ヘッド13)の頂部52の幅方向両側に取り付けられている。
【0074】
連結ベルト48A,48Bの上端部50は、図示はしていないが、ボディープロテクター11の上端部16の表面材または裏面材に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定され、あるいは、ボディープロテクター11の上端部16の表面材または裏面材にメカニカルファスナによって着脱可能に取り付けられている。または、ボディープロテクター11の上端部16に穿孔されたベルト挿通孔に挿通され、バックル(固定金具)によってボディープロテクター11に取り付けられている。
【0075】
連結ベルト48A,48Bの下端部51は、図示はしていないが、ヘッドギア30の頂部52の表面材または裏面材に縫製(縫い付け)または接着剤あるいは熱融着によって固定され、あるいは、ヘッドギア30の頂部52の表面材または裏面材にメカニカルファスナによって着脱可能に取り付けられている。または、ヘッドギア30の頂部52に穿孔されたベルト挿通孔に挿通され、バックル(固定金具)によってヘッドギア30に取り付けられている。長さ調節金具49は、それら連結ベルト48A,48Bに設置され、連結ベルト48A,48Bの長さを調節する。
【0076】
模擬ヘッド13は、連結ベルト48A,48Bによってボディープロテクター11に吊り下げられている。格闘技用練習具10Bは、長さ調節金具49を利用してそれら連結ベルト48A,48Bの上下方向の長さを調節し、連結ベルト48A,48Bに連結された模擬ヘッド13の上下方向の高さをボディープロテクター11の上端部16と下端部18との間で調節することができる。長さ調節金具49によって連結ベルト48A,48Bの長さを最も短くすることで、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の上端部16に位置させることができ、長さ調節金具49によって連結ベルト48A,48Bの長さを最も長くすることで、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の下端部18に位置させることができる。
【0077】
格闘技用練習具10Bを練習相手44(大人46)が装着する手順の一例は、以下のとおりである。メカニカルファスナ28(第2連結手段)を利用してボディープロテクター11の下端部18に第1保護パッド14を連結し、メカニカルファスナ29(第3連結手段)を利用してボディープロテクター11の両側部19に第2保護パッド15を連結するとともに、メカニカルファスナ39(第4連結手段)を利用して第1保護パッド14の外側部37と第2保護パッド15の内側部42とを連結する。
【0078】
次に、ボディープロテクター11の頸ベルト20を頸に掛け、胴ベルト21のワンタッチバックル24を係合させた後、長さ調節金具23によって頸ベルト20および胴ベルト21の長さを調節し、ボディープロテクター11を装着する。ボディープロテクター11を装着した後、長さ調節金具49を利用して連結ベルト48A,48Bの上下方向の長さを調節し、模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する上下方向の取付位置を決める。
【0079】
模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する取付位置を決めた後、模擬ヘッド13に取り付けられたメカニカルファスナ25の第2中心目印線34をボディープロテクター11に取り付けられたメカニカルファスナ25の第1中心目印線26にあわせ、模擬ヘッド13のメカニカルファスナ25とボディープロテクター11のメカニカルファスナ25とを係合させ、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の幅方向中央に連結(固定)する。
【0080】
長さ調節金具49によって連結ベルト48A,48Bの長さを調節し、模擬ヘッド13のボディープロテクター11に対する上下方向の取付位置を変えることで、ボディープロテクター11に対する模擬ヘッド13の取付位置をボディープロテクター11の上端部16と下端部18との間で容易に変更することができる。第2中心目印線34と第1中心目印線26とを一致させることで、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の幅方向中央に正確に取り付けることができる。
【0081】
練習相手44(大人46)が格闘技用練習具10Bを装着した後、
図13に示すように、練習者45(子供47)が格闘技用練習具10Bを装着した練習相手44(大人46)と対峙し、練習相手44(大人46)よりも背が低い練習者45(子供47)が格闘技用練習具10B(ボディープロテクター11や模擬ヘッド13、第1保護パッド14、第2保護パッド15)に対して突きや蹴り等の空手の打撃を繰り出す。
【0082】
模擬ヘッド13が練習者45の頭部の位置と略同レベルにあるから、練習者45である子供47は、自分と略同一の伸長の相手を想定しつつ空手の各種の技を繰り出し、練習者45よりも背が高い練習相手44である大人46は、打撃を繰り出す子供47(練習者45)を見下ろしながら子供47に対して適切な指導をしつつ空手の練習を行わせる。
【0083】
格闘技用練習具10Bは、
図1の格闘技用練習具10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。格闘技用練習具10Bは、長さ調節金具49(長さ調節部材)によってそれら連結ベルト48A,48Bの上下方向の長さを調節しつつ、メカニカルファスナ25を介して模擬ヘッド13をボディープロテクター11の所定の位置に取り付けることで、模擬ヘッド13をボディープロテクター11の上下端部16,18の間の任意の部位に位置させることができるから、各練習者45(子供47)の伸長に高低があったとしても、それら練習者45の顔面を含む頭部の位置と略同じボディープロテクター11の部位に模擬ヘッド13を取り付けることができる。
【0084】
格闘技用練習具10Bは、模擬ヘッド13が連結ベルト48A,48Bに連結されているから、模擬ヘッド13をメカニカルファスナ25のみによってボディープロテクター11に取り付ける場合と比較し、模擬ヘッド13がボディープロテクター11から外れることはなく、練習者45が模擬ヘッド13を激しく打撃したとしても、模擬ヘッド13がボディープロテクター11から他所に飛ばされることはない。