【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の実施形態を含む。
[1]a.少なくとも1つの第1ソール要素(110;210)をソールに設けるステップと、
b.少なくとも1つの第2ソール要素(130;230)を、第1ソール要素(110;210)を通して射出するステップとを含む、特にスポーツシューズ用のソールを製造する方法。
【0012】
[2]第1ソール要素(110;210)が外形要素を含む、[1]に記載の方法。
【0013】
[3]外形要素(110;210)が少なくとも1つのスタッドを含む、[2]に記載の方法。
【0014】
[4]第1ソール要素(110;210)が開口(120;220)を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
【0015】
[5]第2ソール要素(130;230)が、以下の合成材料:ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、およびポリ塩化ビニルの1つまたは複数を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
【0016】
[6]第1ソール要素(110)が、可撓性ソックス要素(250)に設けられる、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
【0017】
[7]可撓性ソックス要素(250)が、布地、特に編地を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
【0018】
[8]可撓性ソックス要素(250)が、以下の材料:ポリアミド、ポリエステル、綿、ポリウレタン、革の少なくとも1つを含む、[6]または[7]に記載の方法。
【0019】
[9]第2ソール要素(130)がアウトソール要素を形成する、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
【0020】
[10]可撓性ソックス要素(250)の補強要素(140;240)を射出するステップをさらに含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
【0021】
[11]第1ソール要素(110)を可撓性ソックス要素(250)に設けるステップが、第1ソール要素(110;210)を補強要素(140;240)上に射出またはクリッピングするステップを含む、[10]に記載の方法。
【0022】
[12]第2ソール要素(130;230)が射出され、補強要素(140、240)と第1ソール要素(110、210)との間に少なくとも部分的に配置される、[10]または[11]に記載の方法。
【0023】
[13]補強要素(140;240)が射出され、可撓性ソックス要素(250)のアッパー領域まで延びる、[10]〜[12]のいずれかに記載の方法。
【0024】
[14]第2ソール要素(130;230)が、補強要素(140;240)よりも硬質で、および/または耐摩耗性が高く、および/または剛性である、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
【0025】
[15]補強要素(140;240)が、25〜75、特に35〜55、または40〜50のショアA硬度を有する、[9]〜[14]のいずれかに記載の方法。
【0026】
[16]第1ソール要素(110;210)が、55〜95、特に60〜95、または85〜95のショアA硬度を有する、[1]〜[15]のいずれかに記載の方法。
【0027】
[17]第2ソール要素(130;230)が、60〜100、特に70〜90、または75〜85のショアA硬度を有する、[1]〜[16]のいずれかに記載の方法。
【0028】
[18]a.少なくとも1つの第1ソール要素(110;210)と少なくとも1つの第2ソール要素(130;230)とを含み、
b.少なくとも1つの第2ソール要素(130;230)が、少なくとも1つの第1ソール要素(110;210)を通して射出される、特にスポーツシューズ用のソール。
【0029】
[19][1]〜[17]のいずれかに記載の方法により製造される、[18]に記載のソール。
【0030】
[20][18]または[19]に記載のソールを含むシューズ。
【0031】
[21]a.可撓性ソックス要素(350;450;521)を設けるステップと、
b.少なくとも1つのソール要素(380;480;570)を可撓性ソックス要素(350;450;521)上に射出して、少なくとも1つのソール要素(380;480;570)が足の土踏まずの下に補剛要素(385;485;575)を含むステップとを含む、シューズ、特にスポーツシューズを製造する方法。
【0032】
[22]補剛要素(385;485;575)がシューズの長手方向に沿って位置合わせされる、[21]に記載の方法。
【0033】
[23]補剛要素(385;485;575)が、踵の下から中足骨の下まで延びる、[21]または[22]に記載の方法。
【0034】
[24]少なくとも1つのソール要素(380;480;570)が、可撓性ソックス要素(350;450;521)のアッパー領域(352)まで延びるように射出される、[21]〜[23]のいずれかに記載の方法。
【0035】
[25]ソックス要素(350)が突起(355)および/または窪みを備え、ソール要素(380)が、少なくとも部分的に突起(355)を囲んで、および/または少なくとも部分的に窪みに貫入して、フォームフィット連結をもたらすように射出される、[21]〜[24]のいずれかに記載の方法。
【0036】
[26]可撓性ソックス要素(350)を、ソックス要素の突起(355)および/または窪みを設けるように配置された固定要素に当てるステップをさらに含む、[25]に記載の方法。
【0037】
[27]可撓性ソックス要素(350)が設けられ、ソックス要素(350)の突起(355)および/または窪みが少なくとも部分的に予備成形される、[25]または[26]に記載の方法。
【0038】
[28]ソールプレート要素(360)を可撓性ソックス要素(350)に設け、ソックス要素(350)の突起(355)および/または窪みを形成するステップをさらに含む、[25]〜[27]のいずれかに記載の方法。
【0039】
[29]方法が、隆起(365)および/または凹部を有するソールプレート要素(360)をソックス要素(350)に設けるステップをさらに含み、少なくとも1つのソール要素(380)が、少なくとも部分的に隆起(365)を囲んで、および/または少なくとも部分的に凹部に貫入して、フォームフィット連結をもたらすように射出される、[21]〜[28]のいずれかに記載の方法。
【0040】
[30]少なくとも1つのソール要素が、可撓性ソックス要素の補強要素として構成され、方法が、アウトソール要素を補強要素上に射出するステップをさらに含む、[21]〜[29]のいずれかに記載の方法。
【0041】
[31]ソール要素(380;480;570)がアウトソール要素として構成される、[21]〜[29]のいずれかに記載の方法。
【0042】
[32]アウトソール要素(380;480;570)の射出前に、補強要素(370;470;550)を可撓性ソックス要素(350;450;521)上に射出するステップをさらに含む、[31]に記載の方法。
【0043】
[33]アウトソール要素(380;480;570)が、補強要素(370;470;550)よりも硬質で、および/または耐摩耗性が高く、および/または剛性である、[30]または[32]に記載の方法。
【0044】
[34]補剛要素(370;470;550)が、25〜65、特に35〜55、または40〜50のショアA硬度を有する、[30]、[32]または[33]に記載の方法。
【0045】
[35]補強要素(370;470)が少なくとも1つの貫通孔(371;471)を含む、[30]または[32]〜[34]のいずれかに記載の方法。
【0046】
[36]アウトソール要素(380;480;570)が、60〜100、特に70〜90、または75〜85のショアA硬度を有する、[30]〜[35]のいずれかに記載の方法。
【0047】
[37] a.可撓性ソックス要素(350;450;521)と、
b.可撓性ソックス要素(350;480;521)上に射出され、足の土踏まずの下に補剛要素(385;485;575)を含む、少なくとも1つのソール要素(380;480;570)とを含む、シューズ、特にスポーツシューズ。
【0048】
[38][21]〜[36]のいずれかに記載の方法により製造される、[37]に記載のシューズ。
【0049】
本目的は、[18]に記載のソールにより[1]に記載のシューズを製造する方法、[21]に記載のシューズを作製する方法、および[37]に記載のシューズによって、少なくとも部分的に達成される。
【0050】
一実施形態では、特にスポーツシューズ用のソールを製造する方法は、少なくとも1つの第1ソール要素を設けるステップを含む。少なくとも1つの第2ソール要素は、少なくとも1つの第1ソール要素を通して射出される(例えば、射出成形、吹付け、または任意の他の適切な方法により)。
【0051】
したがって、異なるソール要素を有するソールは、ソール要素間に耐久性のある連結を備えることができる。ソールの少なくとも一部をソールの別の部分を通して射出することにより、ソール要素間のフォームフィット連結をもたらすことができる。第2ソール要素の材料は、射出後に、少なくとも部分的に第1ソール要素内に残って、完全な、または少なくとも部分的なフォームフィットをもたらすようにする。したがって、特に横方向の力を吸収することができる。第1ソール要素を通した射出により、第1ソール要素と第2ソール要素との間の横方向の力を、少なくとも3つまたは4つのすべての横空間方向において吸収することができる。一部の例では、ソール層全体、例えばアウトソールを、少なくとも1つのソール要素を通して射出することができる。ソール要素は、シューズのアッパー部まで(および/またはアッパー部内へ)延びることもできる。
【0052】
第1ソール要素および/または第2ソール要素がソールから外れるまでのソールの寿命を、記載した実施形態により実質的に向上させることができる。記載した実施形態により、ソール要素に異なる材料を使用することができる。それにもかかわらず、ソールは、少なくとも部分的なフォームフィットにより、単一材料から作られたソールと基本的に同じ寿命を有する。
【0053】
少なくとも1つのソール要素は外形要素を含むことができる。例えば、第1ソール要素を外形要素として構成してもよい。外形要素を通して第2ソール要素を射出することにより、外形要素と第2ソール要素との間に確実な連結を達成することができ、これにより、地面との接触時にソールの外形要素に生じる大きい力にさらに抵抗する。同時に、調整された材料を外形要素および第2ソール要素に使用することができ、これにより、例えば、少なくともアウトソールの一部を形成することができる。
【0054】
外形要素は、少なくとも1つのスタッドを含むことができる。例えば、外形要素をスタッドとして構成してもよい。例えばサッカーシューズのスタッドが素早いターンの間に晒される大きい横方向の力を、外形要素と第2ソール要素との間の少なくとも部分的なフォームフィットにより安全に吸収することができる。本方法により、様々な温度や濡れた状態の屋外条件下でも安定した、サッカーシューズなどのスタッド付シューズまたはクリートシューズのソールを提供することもできる。他の例では、外形要素をピン、ナブなどとして設けてもよい。
【0055】
第1ソール要素は、開口を含むことができる。開口を第1ソール要素のトンネル状貫通孔として設けてもよい。貫通孔は、外形要素の上側から外形要素の下側へ延びることができる。第2ソール要素の射出後、この開口にソール要素の材料を少なくとも部分的に充填して、外形要素とソール要素との間に特に安定した連結が形成されるようにする。
【0056】
第2ソール要素は、以下の合成材料:ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)の1つまたは複数を含むことができる。これらの材料は、例えば、アウトソールに所望の特性を与えるのに特に適している。また、本明細書で説明する、さらなる射出された要素は、これらの合成材料の1つまたは複数を含むことができる。
【0057】
第1ソール要素を可撓性ソックス要素に設けてもよい。例えば、第1ソール要素を可撓性ソックス要素上に射出してもよく、または第1ソール要素を可撓性ソックス要素上にクリッピングしてもよい。TPUをソール要素、例えば第1ソール要素および/または第2ソール要素の材料として使用することは、例えば、ソール要素を透明になるように設けることができるという利点を有する。したがって、TPUの比較的厚い層をソール要素として射出した後も、ソックス要素が依然として外から見える。ある層厚さに達するソール要素としてのポリアミドも、それぞれ透明または乳白色である。
【0058】
第1ソール要素を通して第2ソール要素を射出することにより、第2ソール要素と可撓性ソックス要素との連結をもたらすことができる。加えて、第1ソール要素と可撓性ソックス要素との連結を向上させることができる。したがって、例えば、完全なソールを可撓性ソール要素に当てることができる。可撓性ソックス要素は、足を覆うソックスとして構成されてもよく、例えば足首まで、または足首を越えて延びることができる。したがって、記載した方法により、ソール要素がソックス要素上に射出された、安定した数個割りソールをシューズに設けることができる。別個に製造されたソールをシューズに追加で取り付ける必要はない。加えて、記載した方法を完全に自動化してもよく、例えば、ソックス要素を自動製造プロセスで設けてもよい。少なくとも1つのソール要素を、最終的に少なくとも1つの第2ソール要素が射出される前に、さらなる製造ステップにおいてソックス要素に設けてもよい。
【0059】
可撓性ソックス要素は、布地を含むことができる。例えば、可撓性ソックス要素は、編地を含むことができる。編地は、費用効率の高い自動製造を可能にし、様々な材料特性を備えることができる。例えば、丸編地および/または平編地および/または筒状編地を使用することができる。可撓性ソックス要素を一体として作製してもよく、または、例えば縫付けもしくは接着可能ないくつかの要素、例えば下地部とアッパー部とから構成してもよい。
【0060】
可撓性ソックス要素は、以下の材料:ポリアミド、ポリエステル、綿、革、ポリウレタンの少なくとも1つを含むことができる。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または綿を含む、および/またはこれらから構成された、撚糸および/または繊維を使用することができる。革、例えば本革および/または合成皮革を使用してもよい。ソックス要素を、基本的に単一材料から作製することができる。場合により、ソックス要素を印刷、コーティングすることができ、および/または他の手段によりさらに機能化し、および/または光学的に設計することができる。あるいは、または加えて、例えば、異なる部分領域で異なる材料を組み合わせることにより、ソックス要素の特性を最適化することができる。
【0061】
第2ソール要素は、アウトソール要素を形成することができる。記載した方法により、アウトソールを単一のステップで作製することができ、さらなるソール部品、例えば外形要素に恒久的に連結することができる。連結は、アウトソールに生じる高負荷にも耐える。方法は、可撓性ソックス要素の補強要素を射出するさらなるステップを含むことができる。少なくとも1つの第1ソール要素および第2ソール要素の作製に加えて、さらなる製造ステップでは、可撓性ソックス要素を、希望に応じて補強要素により補強することができる。例えば、可撓性ソックス要素の引張強度および/または剛軟度を、補強要素により局所的に高めることができる。したがって、安定した数個割りソールを含むシューズを、完全に自動で製造することができる。例えば、可撓性ソックス要素のアッパー部に補強要素を射出して、ソックス要素がシューアッパーの所定の特性を備えるようにしてもよい。補強要素はヒールキャップを含むことができ、および/またはヒールキャップを形成するように補強要素を射出することができる。
【0062】
第1ソール要素を可撓性ソックス要素に設けるステップは、第1ソール要素を補強要素上に射出またはクリッピングするステップを含むことができる。第1ソール要素を通して第2ソール要素を射出することにより、第2ソール要素と補強要素との連結をもたらすことができる。加えて、これにより、第1ソール要素と補強要素との連結を向上させることができる。
【0063】
第2ソール要素は、補強要素と第1ソール要素との間に少なくとも部分的に配置されるように射出されてもよい。この配置により、数個割りソールと補強要素との高い機械的安定性を達成することができる。
【0064】
補強要素は、可撓性ソックス要素のアッパー領域まで(および/またはアッパー領域上へ)延びるように射出されてもよい。したがって、ソックス要素のアッパー領域は、シューアッパーの所望の特性を選択的に備えることができる。この目的で、ソールに望ましいように、より軟質で、より伸縮性が高く、および/またはより可撓性の高い材料を使用することができる。補強要素は、少なくとも1つの貫通孔を含むことができ、第1ソール要素および/または第2ソール要素の材料がこの貫通孔を貫通することができる。これは、補強要素と可撓性ソックス要素との連結の向上を達成するのに寄与することができる。一般に、材料がより硬質であるほど、可撓性ソックス要素との連結がより良好になる。補強要素の材料を、可撓性ソックス要素のソール部に配置してもよい。他の例では、補強要素をソックス要素のアッパー領域のみに配置してもよい。
【0065】
第2ソール要素は、補強要素よりも硬質で、および/または耐摩耗性が高く、および/または剛性であってよい。したがって、ソールの領域には、アッパー領域よりも高い硬度、耐摩耗性、および/または剛性をもたらすことができる。
【0066】
補強要素は、25〜75、特に50〜70、35〜55、または40〜50のショアA硬度を有することができる。したがって、補強要素は、例えば、アッパー領域を十分に補強すると同時に、良好な着用の快適性を可能にすることができる。さらに、それでもなお、この硬度範囲の材料を、射出によって、例えば可撓性ソックス要素に十分に安定して連結することができる。
【0067】
第1ソール要素は、55〜95、特に60〜95、または85〜95のショアA硬度を有することができる。この硬度範囲も、例えば外形要素に十分に適している。
【0068】
第2ソール要素は、60〜100、特に70〜90、または75〜85のショアA硬度を有することができる。この硬度範囲はアウトソールに十分に適しており、第1ソール要素および/または補強要素との確実な連結を可能にする。
【0069】
特にランニングシューズまたは同様のタイプのシューズを製造するために、発泡TPUをソール要素としてソックス要素に当てることも一般に考えられる。発泡TPUを含む、または発泡TPUからなるソール要素を当てることは、例えば補強要素を可撓性ソックス要素上に射出した後に、別個のステップで行うことができる。そのようなソール要素は、例えばソール層を形成することができる。発泡TPUを含む、もしくは発泡TPUからなるソール要素と補強要素および/または他のソール要素との連結を、適切な連結技法、例えば赤外線溶接、化学結合技法、または任意の他の適切な連結技法により達成することができる。
【0070】
実施形態では、ソール、特にスポーツシューズ用ソールが提供される。ソールは、少なくとも1つの第1ソール要素と少なくとも1つの第2ソール要素とを含む。少なくとも1つの第2ソール要素は、少なくとも1つの第1ソール要素を通して射出される。
【0071】
記載した方法のいずれかによって、ソールを製造することができる。
【0072】
さらなる実施形態によれば、前述したソールのいずれかを含むシューズが提供される。
【0073】
さらなる実施形態では、シューズ、特にスポーツシューズを製造する方法が提供される。方法は、可撓性ソックス要素を設けるステップを含む。方法は、少なくとも1つのソール要素を可撓性ソックス要素上に射出して、少なくとも1つのソール要素が足の土踏まずの下に補剛要素を含むようにするステップをさらに含む。補剛要素は、特定の形状を含むことができ、例えばリブ状に設計されてもよい。
【0074】
ソール要素が足の土踏まずの下に補剛要素を含むようにソール要素を射出することによって、可撓性ソール要素上に射出されたソールの頑丈さを高めことができることがわかっている。足の土踏まずの下のその配置により、曲げおよびねじれに十分に耐えるソールが提供され、これにより、足の土踏まずの骨折または足首のねじれを安全に防止することができる。補剛要素は、TPUを含むソール要素を射出する場合に特に重要である。また、ポリアミドから作られたソール要素を射出するときには、補剛要素が適切であり、特に、薄いソール要素を当てることができると同時に、十分に安定したソールを設けることができる。より透明なソール要素を可能にするために、薄いソール要素が望ましい。
【0075】
補剛要素を、シューズの長手方向に沿って位置合わせすることができる。この補剛要素の設計により、特に、その全長に沿って足の土踏まずを支えることができる。さらに、これにより、特にスポーツシューズで生じる素早く力強い横方向の動きにもかかわらず、足首のねじれを防止することもできる。
【0076】
補剛要素は、踵の下から中足骨の下まで延びることができる。そのような細長い補剛要素は、基本的に、踵から中足骨までのシューズの後部領域全体に十分な安定性を確保する。同時に、これにより、つま先領域の可撓性を高めることができる。補剛要素は、足の土踏まずの下で足の中心領域に沿って延びることができる。
【0077】
ソール要素は、可撓性ソックス要素のアッパー領域まで(および/またはアッパー領域上へ)延びるように射出されてよい。可撓性ソックス要素を少なくとも部分的に囲むソール要素により、ソックス要素とソール要素との連結の向上を達成することができる。さらに、このようにして、ソックス要素のアッパー部は所望の特性を備えることができる。ソール要素の厚さは、ソックス要素のアッパー部において、ソックス要素のソール部よりも小さくてよい。
【0078】
ソックス要素は、突起および/または窪みを備えることができる。ソール要素は、少なくとも部分的に突起を囲んで、および/または少なくとも部分的に窪みに貫入して、フォームフィット連結をもたらすように射出されてよい。フォームフィット連結は、ソール要素に少なくとも部分的に接して位置する突起および/または窪みの領域によって生じる。補剛要素をこのようにして設けることができる。加えて、少なくとも部分的なフォームフィットにより、横方向の力を吸収して、ソール要素とソックス要素との特に安定した連結を生じさせることができる。したがって、ソールの寿命を大幅に延ばすことができる。
【0079】
方法は、可撓性ソックス要素を固定要素に当てるステップをさらに含むことができる。固定要素を配置して、ソックス要素の突起および/または窪みを設けることができる。例えば、ソール要素が射出される前に、ソックス要素を固定要素、例えば靴型にかぶせることができる。固定要素は、例えば隆起を含むことができ、この隆起は、上に配置された可撓性ソックス要素に突起を作る。固定要素は凹部を含んでもよく、この凹部は可撓性ソックス要素に窪みを作る。例えば、加圧下で、および/または機械的固定手段、例えばフックにより、可撓性ソックス要素の領域を凹部内で保持して、ソックス要素に窪みを作るようにする。他の例では、ソックス要素が、ソール要素の射出材料により、固定手段の凹部に押し込まれる。一部の例では、固定手段は、ソックス要素の正確な位置決めを確保するための手段を含む。
【0080】
ソックス要素の突起および/または窪みが少なくとも部分的に予備成形されるように、可撓性ソックス要素を設けてもよい。例えば、可撓性ソックス要素を折り畳んで、および/または複数の層で設けて、突起および/または窪みを設けてもよい。さらに、平編みと丸編みとの組合せにより、突起/窪みを達成してもよい。隆起および/または窪みを有する固定手段を使用することにより、可撓性ソックス要素の突起および/または窪みがソール要素の射出中に正確に配置されることが確実になる。さらに、固定手段の隆起および/または凹部は、例えばソックス要素の材料を伸ばすことにより、可撓性ソックス要素の突起および/または窪みをさらに形成することができる。
【0081】
記載した方法は、ソールプレート要素を可撓性ソックス要素に設けて、ソックス要素の突起および/または窪みを形成するステップも含むことができる。ソールプレート要素を、例えば、ソックス要素に挿入してもよく、またはソックス要素の外側に配置してもよい。ソールプレート要素を固定手段上に置いてもよく、その後、ソックス要素を固定手段およびソールプレート要素にかぶせてもよい。ソールプレート要素は、対応する突起および/または対応する窪みをソックス要素に設けるために、隆起および/または凹部を含むことができる。
【0082】
方法は、隆起および/または凹部を有するソールプレート要素をソックス要素に設けるステップをさらに含むことができ、ソール要素は、少なくとも部分的に隆起を囲んで、および/または少なくとも部分的に凹部に貫入して、フォームフィット連結をもたらすように射出される。したがって、ソールプレート要素とソール要素との安全な連結を確保することができる。また、補剛要素をこのようにして設けることができる。ソールプレート要素を、例えば、ソックス要素に接着する、および/または縫い付けることができる。別の実施形態では、ソール要素を可撓性ソックス要素上に射出して、ソールプレート要素もソックス要素に固定されるようにしてもよい。
【0083】
ソール要素を、可撓性ソックス要素の補強要素として構成してもよく、方法は、アウトソール要素を補強要素上に射出するステップをさらに含んでもよい。補強要素は、ソックス要素のアッパー部まで(および/またはアッパー部上へ)延びることができる。アッパー領域では、補強要素の厚さが、ソール部の厚さと比べて小さくてよい。補強要素とアウトソール要素との2ステップの射出により、アッパー部およびソール部の特性を、必要に応じて、互いに独立して調整することができる。
【0084】
ソール要素を、アウトソール要素として構成してもよい。さらに、補強要素を、アウトソール要素の射出前に可撓性ソックス要素に射出してもよい。補強要素は、ソール領域において基本的に一定の厚さを有するように構成されてよい。補強要素は、例えば、ソックス要素の窪みおよび/または突起の周りのソール部に、少なくとも1つの貫通孔を含むことができる。
【0085】
アウトソール要素は、補強要素よりも硬質で、および/または耐摩耗性が高く、および/または剛性であってよい。これにより、シューズのアウトソールおよび/またはアッパー領域の特性を必要に応じて調整することができる。
【0086】
補強要素は、25〜65、特に35〜55、または40〜50のショアA硬度を有することができる。
【0087】
補強要素は、少なくとも1つの貫通孔を含むことができる。これは、補強要素と、オプションのアウトソール要素と、可撓性ソックス要素との連結の向上を達成するのに寄与することができる。
【0088】
アウトソール要素は、60〜100、特に70〜90、または75〜85のショアA硬度を有することができる。
【0089】
さらなる実施形態によれば、可撓性ソックス要素を含むシューズ、特にスポーツシューズが提供される。シューズは、可撓性ソックス要素上に射出され、足の土踏まずの下に補剛要素を含む、少なくとも1つのソール要素をさらに含む。
【0090】
前述した方法のいずれかによって、シューズを製造することができる。
【0091】
[21]〜[38]に関して説明した可撓性ソックス要素、ソール要素、および補強要素は、[1]〜[20]に関して可撓性ソックス要素、第1ソール要素および第2ソール要素、ならびに補強要素について説明した特性を含むこともできる。
【0092】
さらなる実施形態によれば、シューズを製造する装置が提供される。装置は、可撓性ソックス要素の固定要素と、少なくとも3つの部分を含む射出成形用金型、すなわち、射出成形時に、射出成形用材料のためのキャビティが金型の3つまたはそれ以上の部分によって形成される金型を有する、固定要素の周りに配置された射出成形手段を含む。
【0093】
3つ割り設計(すなわち3つの部分を有する設計)により、3つ割金型の個々の部分を必要に応じて交換できるため、射出成形用金型を、用途がより広くなるように設けることができる。例えば、可撓性ソックス要素は、射出される各要素について設けなければならない完全な新しい射出成形用金型を使用することなく、複数の射出された要素を備えることができる。固定要素上のソックス要素を、例えば、射出成形手段の2つの部分によって固定することができる。例えば、射出成形手段の2つの部分を互いに対して可動に配置して、これら2つの部分によって、固定要素上のソックス要素を射出成形手段内で締め付けることができる。したがって、ソックス要素を再び位置決めおよび固定する必要なく、射出成形手段の第3の部分を迅速に交換することができる。例えば、第3の部分をソックス要素のソール部用に指定して、この部品のみを交換することによって、ソックス要素のソール部が異なる要素を備えることができるようにする。
【0094】
射出成形手段は、少なくとも3つの部分を含む射出成形用の第1の金型を形成するために、シューズのソール用に指定された領域で固定要素を囲む、第1の金型部分を含むことができる。したがって、第1の金型部分により、例えば、所定の形状を有するソール要素をソックス要素上に射出することができる。射出成形用金型の少なくとも2つのさらなる部分により、例えば、ソール要素の射出中に、ソックス要素のアッパー領域に射出材料が単に確実にないままとなる。あるいは、これらの部品は、ソール要素が、例えば、アッパー部まで(および/またはアッパー部上へ)延びることができるようにアッパー部を形成するために構成されてもよい。第1の金型部分により、ソール領域の少なくとも部分領域において材料が確実に射出されないようにすることもできる。少なくとも2つのさらなる部分を、例えば、ソックス要素のソール部に配置されない補強要素を形成するように構成することもできる。第1の金型部分を、場合により、数個割りになるように(すなわち複数の部分を含むように)設計してもよい。
【0095】
射出成形手段は、少なくとも3つの部分を含む射出成形用の第2の金型を形成するために、第1の金型部分の代わりに、シューズのソール用に指定された領域で固定要素を囲むように構成された、第2の金型部分を含むことができる。したがって、第2の金型部分により、例えば、さらなるソール要素および/または補強要素を射出することができる。第2の金型部分により、例えば補強要素を射出するときに、ソックス要素のソール部の少なくとも一部に射出材料が確実にないままとすることができる。あるいは、または加えて、第2の金型部分を、ソール部を形成するように設計してもよい。
【0096】
射出成形手段は、互いに対して可動であり、固定要素を横方向に囲む、少なくとも2つの横金型部分を含むことができる。横金型部分により、例えば、ソールおよび/またはソックス要素のアッパー部上の補強要素の形状を決めることができる。少なくとも2つの横金型部分は、ソックス要素を固定要素に固定して、ソックス要素の位置が3つの空間方向すべてにおいて固定されるようにすることができる。
【0097】
2つの横金型部分を、第1の金型部分および/または第2の金型部分に対して可動に配置してもよい。したがって、横金型部分を第1の金型部分および/または第2の金型部分と接合して、射出成形用の第1の金型または第2の金型のそれぞれを、必要に応じて、例えば自動で形成することができる。
【0098】
装置は、固定要素を射出成形手段から取り外すための手段をさらに含むことができる。これにより、射出成形用金型に損傷を与えることなく、ソックス要素を有する固定要素を、射出成形手段から安全に取り外すことができる。また、射出成形用金型の汚染を、これにより排除することができる。
【0099】
可撓性ソックス要素の固定要素を、数個割りになるように構成してもよい。したがって、固定要素を、例えば、異なるシューズサイズに対応するソックス要素に適応させることができる。また、これにより、ソックス要素を固定要素の周りに配置することが容易になり得る。
【0100】
記載した装置は、記載した方法の1つを実施できるように構成されてよい。特に、装置は、記載した方法を完全に自動で実施できるように構成されてよい。
【0101】
さらなる実施形態によれば、シューズ、特にスポーツシューズを製造する方法は、合成アッパー材料を設けるステップと、少なくとも1つの外形要素を設けるステップとを含む。少なくとも1つの外形要素は、合成アッパー材料に設けられて、ソール要素、例えばアウトソール要素またはアウトソールを、合成アッパー材料と少なくとも1つの外形要素との間に射出できるようにする。その後、ソール要素の射出を行って、ソール要素が合成アッパー材料と少なくとも1つの外形要素とに同時に付着するようにする。したがって、この目的で別個の製造ステップを必要とすることなく、ソール要素を射出することにより、少なくとも1つの外形要素を合成アッパー材料に連結することができる。例えばアウトソールを、アッパー材料と例えばスタッドとの間に直接射出することにより、スタッドが耐久的にアウトソールに連結され、アウトソールが耐久的にアッパー材料に連結される。シューズを製造するためのさらなる作製ステップはこれ以上必要ない。接着剤などの連結手段はこれ以上必要ない。記載した方法により製造されるシューズの利点は、特に軽量であることである。さらに、製造プロセスの自動化が可能になる。
【0102】
射出を、例えば、射出成形手段により行うことができる。射出材料は、例えばTPUを含むことができる。合成アッパー材料を、固定材料上に配置してもよい。生産ラインは、複数のそのような固定要素を含むことができる。さらに、外形要素、特にスタッドを受ける手段を設けてもよい。1つまたは複数の外形要素、例えばスタッドまたはスタッドの島を、1つまたは複数の受け手段に挿入してもよい。外形要素を、TPUから、例えば適切な射出成形方法により、予め製造してもよい。射出材料と少なくとも1つの外形要素との間の追加のフォームフィットを達成するために、外形要素は突起または窪みを含み、射出成形材料は突起を囲むことができ、または射出成形材料は窪み内へ延びることができる。同じことが、一般にアッパー材料に当てはまる。ここでも、追加の安定化フォームフィットを達成するために、突起および/または窪みを設けることができる。
【0103】
アッパー材料を固定要素に挿入した後、および少なくとも1つの外形要素を1つまたは複数の受け手段に挿入した後、小さい間隙のみがアッパー材料と1つまたは複数の外形要素との間に残るまで、固定要素はアッパー材料と共に1つまたは複数の外形要素側へ動くことができる。間隙のサイズを、射出されるソール要素の厚さに適応させることができる。その後、例えばTPUから作られたソール要素、例えばアウトソールがアッパー材料と1つまたは複数の外形要素との間に射出される。
【0104】
他の例では、合成アッパー材料の代わりに、異なる材料を使用してもよく、一般に、可撓性ソックス要素を設けて、可撓性アッパー材料に関して前述したように使用することができる。さらに、合成アッパー材料および可撓性ソックス要素のそれぞれを含む本実施形態を、他の実施形態の文脈で説明した態様と組み合わせてもよい。
【0105】
さらなる実施形態によれば、シューズ、特にスポーツシューズを製造する方法は、シューズの少なくとも1つの要素を設けるステップを含む。シューズの少なくとも1つの第2の要素は、少なくとも1つの第1の要素を通して射出される。本明細書に記載の態様を、一般にシューズの要素を作製するために使用することもでき、この要素は、必ずしもソールに配置される必要はない。
【0106】
以下の図面を参照しながら、本発明の可能な実施形態について、以下の詳細な説明で説明する。