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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-169854(P2016-169854A)
(43)【公開日】2016年9月23日
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20160826BHJP
【FI】
   F16K17/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-51792(P2015-51792)
(22)【出願日】2015年3月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 聡
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB03
3H060CC28
3H060CC29
3H060CC30
3H060DC05
3H060DC12
3H060DD04
3H060DD17
3H060HH06
(57)【要約】
【課題】組立ての調整テクニックを不要とし、作業効率や現場保守性を向上させる。ガイド部に摺動摩擦が殆ど発生しないようにする。
【解決手段】給気ポート部材14と排気ポート部材15との間に受け皿28を設ける。排気ポート部材15の排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15a1の周縁部をすり鉢状の案内部15cとする。案内部15cと受け皿28の内底面28dとの間に球体29を配置する。受け皿28の内周壁28aを出力室8内に位置する排気ポート部材15の端部の外周面15dに摺動可能に嵌め込む。受け皿28の外底面28cにポペット弁20の他端20cを当接させる。これにより、ポペット弁20の軸線の位置とは無関係に排気ポート15aの中心の位置で、排気ポート20aと閉止部品(球体29)との自動調心が行わるものとなり、摺動摩擦も殆ど生じないものとなる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁により内部が入力室となる第1の空間と出力室および排気室となる第2の空間とに隔てられ、前記入力室への加圧流体の入力流路および前記出力室からの前記加圧流体の出力流路が形成された容器と、
前記第2の空間内に設けられ、この第2の空間を前記隔壁側の前記出力室と前記排気室とに隔てるダイアフラムと、
前記ダイアフラムに結合され、前記出力室と前記排気室とを連通する連通孔が排気ポートとして形成された排気ポート部材と、
前記排気ポート部材を前記出力室に向かって付勢する第1の付勢部材と、
前記排気ポート部材と対向する前記隔壁に設けられ、前記入力室と前記出力室を連通する連通孔が給気ポートとして形成された給気ポート部材と、
前記出力室内に位置する前記排気ポート部材の端部の外周面に摺動可能に嵌め込まれる第1の内周壁および前記出力室内に位置する前記給気ポート部材の端部の外周面に摺動可能に嵌め込まれる第2の内周壁の何れか一方を有し、1つ以上の貫通孔が形成された受け皿と、
前記受け皿の内底面と前記排気ポート部材との間に位置し、前記排気ポートの前記出力室側に面する開口部をその球面で開閉する球体と、
前記給気ポートに挿通支持された軸部と、この軸部の一端に形成され前記給気ポートの前記入力室側に面する開口部を開閉する弁体とを有し、前記軸部の他端が前記受け皿の外底面に当接するポペット弁と、
前記弁体を前記出力室に向かって付勢する第2の付勢部材とを備え、
前記排気ポート部材は、
前記排気ポートの前記出力室側に面する開口部がその球面で塞がれるように前記球体の動きを案内する案内部を有する
ことを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
請求項1に記載された減圧弁において、
前記受け皿は、
前記内底面の前記排気ポートの前記出力室側に面する開口部と対向する位置に前記球体の下部を受け入れる凹部が形成されている
ことを特徴とする減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加圧流体の圧力を減圧する減圧弁、特にダイアフラム型の減圧弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、化学プラントや電力プラントなどのプロセス系と呼ばれるシステムにおいては、防爆のために電気に代えて例えば空気などの流体の圧力によって駆動される機器を用いて制御が行われている。この機器に供給される加圧流体は、圧力が高すぎると誤動作や故障の原因となるので、減圧弁によって圧力を下げることが行われる。このような減圧弁の一種に、ダイアフラム型の減圧弁がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ダイアフラム型の減圧弁は、入力室と出力室との連通および遮断を行う第1の開閉弁と、出力室と排気室との連通および遮断を行う第2の開閉弁とを備え、この第1の開閉弁と第2の開閉弁とが交互に逆の動作を行う。これにより、入力室から出力室に入った加圧流体は減圧されて出力される一方、排気室に入った加圧流体は排気孔を通して減圧弁の外部に放出される。
【0004】
このダイアフラム型の減圧弁において、第1の開閉弁は、入力室と出力室とを連通する貫通孔として形成された給気ポートと、この給気ポートの入力室側の開口部を開閉する第1の弁体とから構成されており、第2の開閉弁は、出力室と排気室とを連通する貫通孔として形成された排気ポートと、この排気ポートの出力室側の開口部を開閉する第2の弁体とから構成されている。
【0005】
第1の開閉弁を構成する給気ポートは、入力室と出力室とを隔てる隔壁に設けられた給気ポート部材に形成されており、第2の開閉弁を構成する排気ポートは、出力室と排気室とを隔てるダイアフラムに結合された排気ポート部材に形成されている。また、第1の開閉弁を構成する第1の弁体および第2の開閉弁を構成する第2の弁体は、ポペット弁の一端および他端に形成されている。
【0006】
図7に従来のダイアフラム型の減圧弁の一例を示す。図8図7における要部の拡大図を示す。図7および図8において、101は入力室、102は出力室、103は排気室、104は入力室101と出力室102とを隔てる隔壁、105は出力室102と排気室103とを隔てるダイアフラム、106は隔壁104に設けられた給気ポート部材、107はダイアフラム105に結合された排気ポート部材、108はポペット弁である。
【0007】
給気ポート部材106には入力室101と出力室102とを連通する貫通孔として給気ポート106aが形成されており、排気ポート部材107には出力室102と排気室103とを連通する貫通孔として排気ポート107aが形成されている。
【0008】
ポペット弁108は、給気ポート107aに挿通支持される軸部(ステム)108aと、軸部108aの一端に形成され給気ポート106aの入力室101側に面する開口部106a1を開閉する傘型の弁体(第1の弁体)108bと、軸部108aの他端に形成され排気ポート107aの出力室102側に面する開口部107a1を開閉する弁体(第2の弁体)108cとから構成されている。
【0009】
ポペット弁108の第1の弁体108bはポペット弁スプリング109によって出力室102側に向かって付勢されており、第1の弁体108bと給気ポート106aとによって第1の開閉弁110が構成され、第2の弁体108cと排気ポート107aとによって第2の開閉弁111が構成されている。
【0010】
この減圧弁100において、ダイアフラム105は、調圧スプリング112によって出力室102に向かって付勢されており、この調圧スプリング112によるダイアフラム105への付勢の程度を調圧ノブ113によって調整することにより、出力室102から出力される加圧流体の圧力が設定される。以下、この設定される圧力を「設定圧」と言う。
【0011】
ダイアフラム105は、出力室102側に押圧されたときに排気ポート107aの開口部107a1がポペット弁108の第2の弁体108cで塞がれるよう、排気ポート107aの中心とポペット弁108の軸線(軸部108aの軸心)とが一致するように位置決めされる。
【0012】
ダイアフラム105が出力室102に向かって付勢されると、ポペット弁108の第2の弁体108cが排気ポート107aの出力室102側の開口部107a1を閉じると共に、排気ポート部材107に押されてポペット弁108の軸部108aが入力室101に向かって移動し、ポペット弁108の第1の弁体108bが給気ポート106aの開口部106a1から離間する。
【0013】
この状態において、すなわち第1の開閉弁110が開いて第2の開閉弁111が閉じた状態において、外部からの加圧流体が入力流路114を通して入力室101に入力されると、この入力された加圧流体が給気ポート106aを経て出力室102へと入り、出力流路115を通して外部に出力されることとなる。
【0014】
この状態において、出力圧POUTが設定圧よりも高くなると、ダイアフラム105が排気室103に向かって移動する。すると、排気ポート107aの開口部107a1に付勢されていたポペット弁108の第2の弁体108cも排気室103に向かって移動して行き、この移動に伴うポペット弁108の軸部108aの移動によって、ポペット弁108の第1の弁体108aが給気ポート106aの開口部106a1を塞ぐようになる。
【0015】
ダイアフラム105が排気室103に向かってさらに移動すると、ポペット弁108の第2の弁体108cが排気ポート107aの開口部107a1から離間する。このような状態となると、すなわち第1の開閉弁110が閉じて第2の開閉弁111が開くと、出力室102内の加圧流体は、排気ポート107aを通って排気室103へと入り、排気孔116から減圧弁100の外部に放出される。
【0016】
これにより、出力室102内の加圧流体が減圧され、ダイアフラム105が出力室102に向かって付勢され、第2の開閉弁111が閉じられる。このような動作が繰り返されることにより、出力室8内の調圧が図られ、結果として、設定圧に減圧された加圧流体が出力室102から出力流路115を通して外部に出力されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2000−120896号公報
【特許文献2】実開平5−40668号公報
【特許文献3】特開平11−311349号公報
【特許文献4】特開2007−218424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、このような減圧弁100では、第2の開閉弁111による流体の完全締切が難しく、第2の開閉弁111から外部への加圧流体の漏れ(ブリード)が生じる。ブリードは、流体の外部放散に過ぎないので、できるだけ少ない方が望ましい。すなわち、減圧弁100からのブリードは、扱う流体の浪費と言え、その低減は省資源化・省エネルギー化の環境性向上に直接寄与するものである。
【0019】
そこで、この減圧弁100では、第2の開閉弁111からの外部への加圧流体の漏れをブリード流量とし、このブリード流量をできるだけ少なくするような構造としている。以下、この点について、具体的に説明する。
【0020】
図7に示した減圧弁100では、図8に示されるように、ダイアフラム105が出力室102側に移動しているときに排気ポート107aの開口部107a1がポペット弁108の第2の弁体108cで塞がれるように、排気ポート107aの開口部107a1とポペット弁108の第2の弁体108cとを対向配置する必要がある。より具体的には、排気ポート107aの中心とポペット弁108の軸線とが一致するように、減圧弁100の組み立て時にダイアフラム105を位置決めする必要がある。
【0021】
図8に示した状態は、主調圧機構が同心に組立てられており、すなわち排気ポート107aの中心とポペット弁108の軸線とが同心となるように組み立てられており、ブリード流量が極小となる理想状態にある。しかし、この状態を実現することは難しい。
【0022】
すなわち、ダイアフラム105は可撓性を有する材料からなるために、公差が大きく、組立ての最初に排気ポート107aの中心をポペット弁108の軸線と合わせるように位置決めすることが難しい。また、位置決めすることができたとしても、ダイアフラム105は周縁をネジ留めする過程で伸びが不均一となるので、位置がずれて行く。
【0023】
この位置のずれのばらつきは、そのままブリード流量のばらつきとして顕れるので、製品仕様は、ばらつきの上限に設定されることになる。実際は、製造現場で微調整を重ねて組立し、市場競争に合う仕様値以下まで、ばらつきを抑え込んでいることが多い。当然、組立ての調整テクニックが必要となるため、作業効率が悪くなる。また、現場保守性も悪化する。
【0024】
なお、図7に示した減圧弁100では、図8に示されるように、排気ポート107aの開口部107a1の周縁部107bをすり鉢状とし、またポペット弁108の第2の弁体108cの先端を半球状とし、第2の弁体108cの先端を排気ポート107aの開口部107a1の周縁部107bに押し当てて、排気ポート107aの中心とポペット弁108の軸線との調心を保持させるようにしている。
【0025】
すなわち、図9に調心前の排気ポート107aの中心をJ1として示すように、この調心前の排気ポート107aの中心J1がポペット弁108の第2の弁体108cの中心J0に一致するように、第2の弁体108cの先端を排気ポート107aの開口部107a1の周縁部107bに押し当ててダイアフラム105を引き寄せ、第2の弁体108cの先端を開口部107a1の周縁部107bの中心に入り込ませるようにしている。
【0026】
しかし、このような構造とした場合、排気ポート107aの横方向の位置がポペット弁108により拘束され、ダイアフラム105の中心ずれや変形歪みが大きい場合、ポペット弁108の摺動を案内するガイド部の摺動摩擦が大きくなる。なお、ポペット弁と排気ポートとの間をガイド構造としたものもあるが(例えば、特許文献2,3,4参照)、このような構造とした場合も同様であり、ガイド部の摺動摩擦が大きくなる。
【0027】
ガイド部の摺動摩擦が大きくなると、制御性の観点では、減圧弁の制御動作にヒステリシスと遅れ時間が発生し、出力側に精密・高速応答性の機器が接続される場合は、接続された機器の制御性を損なうことになる。
【0028】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、組立ての調整テクニックを不要とし、作業効率や現場保守性を向上させることが可能な、またダイアフラムの中心ずれや変形歪みが大きくても、摺動摩擦が殆ど発生することがない減圧弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
このような目的を達成するために本発明は、隔壁により内部が入力室となる第1の空間と出力室および排気室となる第2の空間とに隔てられ、入力室への加圧流体の入力流路および出力室からの加圧流体の出力流路が形成された容器と、第2の空間内に設けられ、この第2の空間を隔壁側の出力室と排気室とに隔てるダイアフラムと、ダイアフラムに結合され、出力室と排気室とを連通する連通孔が排気ポートとして形成された排気ポート部材と、排気ポート部材を出力室に向かって付勢する第1の付勢部材と、排気ポート部材と対向する隔壁に設けられ、入力室と出力室を連通する連通孔が給気ポートとして形成された給気ポート部材と、出力室内に位置する排気ポート部材の端部の外周面に摺動可能に嵌め込まれる第1の内周壁および出力室内に位置する給気ポート部材の端部の外周面に摺動可能に嵌め込まれる第2の内周壁の何れか一方を有し、1つ以上の貫通孔が形成された受け皿と、受け皿の内底面と排気ポート部材との間に位置し、排気ポートの出力室側に面する開口部をその球面で開閉する球体と、給気ポートに挿通支持された軸部と、この軸部の一端に形成され給気ポートの入力室側に面する開口部を開閉する弁体とを有し、軸部の他端が受け皿の外底面に当接するポペット弁と、弁体を出力室に向かって付勢する第2の付勢部材とを備え、排気ポート部材は、排気ポートの出力室側に面する開口部がその球面で塞がれるように球体の動きを案内する案内部を有することを特徴とする。
【0030】
この発明において、受け皿は、出力室内に位置する排気ポート部材の端部の外周面に摺動可能に嵌め込まれる第1の内周壁あるいは出力室内に位置する給気ポート部材の端部の外周面に摺動可能に嵌め込まれる第2の内周壁を有し、受け皿の内底面と排気ポート部材との間に球体が位置し、受け皿の外底面にポペット弁の軸部の他端が当接する。また、排気ポート部材は、排気ポートの出力室側に面する開口部への球体の動きを案内する案内部を有し、受け皿の摺動移動によって受け皿の内底面と排気ポート部材との間隔が狭まると、排気ポートの出力室側に面する開口部がその球面で塞がれるように球体の動きが案内される。
【0031】
本発明において、受け皿が第1の内周壁を有するものとした場合、この第1の内周壁が出力室内に位置する排気ポート部材の端部の外周面に嵌め込まれ、この排気ポート部材の端部の外周面をガイドとして受け皿が摺動移動する。本発明において、受け皿が第2の内周壁を有するものとした場合、この第2の内周壁が出力室内に位置する給気ポート部材の端部の外周面に嵌め込まれ、この給気ポート部材の端部の外周面をガイドとして受け皿が摺動移動する。この場合、ポペット弁の軸部の他端は受け皿の外底面に当接し、このポペット弁の軸部の他端と当接した状態での受け皿の摺動移動により、受け皿の内底面と排気ポート部材との間隔が変化し、この受け皿の内底面と排気ポート部材との間に位置する球体による排気ポートの出力室側に面する開口部の開閉が行われる。
【0032】
このように、本発明では、受け皿の外底面にポペット弁の他端を当接させ、排気ポートの出力側に面する開口部の開閉を受け皿の内底面と排気ポート部材との間に位置する球体によって行わせるようにしているので、排気ポートの中心とポペット弁の軸線とを同心とする必要がなく、ポペット弁の軸線の位置とは無関係に排気ポートの中心の位置で、排気ポートと閉止部品(球体)との自動調心が行われるものとなる。また、排気ポートの横方向の位置がポペット弁により拘束されないので、受け皿やポペット弁が独立して摺動移動し、ダイアフラムの中心ずれや変形歪みが大きくても、ガイド部に摺動摩擦が殆ど発生することがないものとなる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、受け皿の外底面にポペット弁の他端を当接させ、排気ポートの出力側に面する開口部の開閉を受け皿の内底面と排気ポート部材との間に位置する球体によって行わせるようにしたので、ポペット弁の軸線の位置とは無関係に排気ポートの中心の位置で、排気ポートと閉止部品(球体)との自動調心が行われるものとなり、組立ての調整テクニックを不要とし、作業効率や現場保守性を向上させることが可能となる。また、排気ポートの横方向の位置がポペット弁により拘束されることがなく、ダイアフラムの中心ずれや変形歪みが大きくても、ガイド部に摺動摩擦が殆ど発生することがないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る減圧弁の一実施の形態の構成を示す断面図である。
図2図1における要部の拡大図(排気ポートの中心とポペット弁の軸線とが一致している例)である。
図3図1における要部の拡大図(排気ポートの中心とポペット弁の軸線とがずれている例)である。
図4】本発明に係る減圧弁の他の実施の形態の要部の拡大図(排気ポートの中心とポペット弁の軸線とが一致している例)である。
図5】本発明に係る減圧弁の他の実施の形態の要部の拡大図(排気ポートの中心とポペット弁の軸線とがずれている例)である。
図6図1に示した構成において受け皿の内底面に球体の下部を受け入れる凹部を形成した例を示す図である。
図7】従来のダイアフラム型の減圧弁の一例を示す構成図である。
図8図7における要部の拡大図(排気ポートの中心とポペット弁の軸線とが一致している例)である。
図9図7における要部の拡大図(排気ポートの中心とポペット弁の軸線とがずれていた場合の例)である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る減圧弁の一実施の形態の構成を示す断面図であり、図2図1における要部の拡大図である。
【0036】
本実施の形態の減圧弁1は、有底筒状のフィルターカバー2と、このフィルターカバー2上に配置され、内部に隔壁31が形成された筒状のセンターボディ3と、このセンターボディ3上にセンターボディ3の上部開口を覆うように配設されたダイアフラム4と、このダイアフラム4上に配置された有天筒状のボンネット5とを備えており、フィルターカバー2とセンターボディ3とボンネット5とによって容器6が構成されている。
【0037】
この容器6内は、隔壁31により入力室7となる第1の空間10と出力室8および排気室9となる第2の空間11とに隔てられている。入力室7はフィルターカバー2と隔壁31との間に形成されており、出力室8は隔壁31とダイアフラム4との間に形成されており、排気室9はダイアフラム4とボンネット5との間に形成されている。
【0038】
フィルターカバー2は、有底円筒状の部材であり、例えばアルミニウムなどで形成されている。このフィルターカバー2の底部には、ドレン用ボルト16が螺着されている。
【0039】
フィルターカバー2は、天部側の端部に形成されたフランジ2aがガスケット17を介してセンターボディ3の入力室7側の外縁部に当接させた状態で、そのフランジ2aに挿通されるボルト18によりセンターボディ3に固定されている。
【0040】
センターボディ3のフィルターカバー2側の開口とフィルターカバー2の天部側の開口との間には、すなわち入力室7内の出力室8側に向かう圧力流体の流路の途中には、塵埃除去用のスポンジやステンレスメッシュなどからなるフィルタ19が設けられている。
【0041】
センターボディ3は、円筒状の部材であり、例えばアルミニウムなどで形成されている。センターボディ3の内部は、隔壁31により上下2つの空間に隔てられている。この隔壁31の中央部には、貫通孔32が形成されており、この貫通孔32に給気ポート部材14が設けられている。
【0042】
給気ポート部材14は、例えば黄銅から形成されており、その中央部に上下方向に貫通した貫通孔が給気ポート14aとして形成されている。また、給気ポート14aの中央部には、この給気ポート14aと直交する方向に、給気ポート14aを出力室8に連通させる分岐孔14bが形成されている。また、給気ポート14aの下方の通路14a1の内径は大径とされ、給気ポート14aの上方の通路14a2の内径は小径とされている。
【0043】
給気ポート14aには、例えば黄銅やステンレスからなるポペット弁20が挿通支持されている。このポペット弁20は、軸部(ステム)20aと、この軸部20aの入力室7側の一端に形成された傘型の弁体20bとを有し、軸部20aの出力室8側の他端20cの先端は半球状とされている。
【0044】
ポペット弁20の軸部20aの外径は、軸部20aと給気ポート14aの下方の通路14a1との間を加圧流体が流通するように、給気ポート14aの下方の通路14a1の内径よりも小さく形成されている。また、ポペット弁20の軸部20aの外径は、軸部20aが給気ポート14aの上方の通路14a2の内周面をガイド面として摺動移動するように、給気ポート14aの上方の通路14a2の内径よりも僅かに小さくされている。また、ポペット弁20の弁体20bの外径は、給気ポート14aの入力室7側に面する開口部14a3を開閉するように、開口部14a3の内径よりも大きく形成されている。
【0045】
隔壁31の入力室7側の面における貫通孔32の下端には、ポペットスプリング受け21が支持されている。ポペットスプリング受け21とポペット弁20の弁体20bとの間には、ポペットスプリング22が配設されている。このポペットスプリング22は、例えばステンレスのコイルスプリングなどからなり、ポペット弁20を出力室8に向かって付勢する。これにより、ポペット弁20の他端20cは、給気ポート14aの上方の通路(出力室8側の開口部)14a2から突出することとなる。
【0046】
また、センターボディ3には、一端がセンターボディ3の外側面に開口し、他端が入力室7側の面に開口した入力流路12と、一端が出力室8側の面に開口し、他端がセンターボディ3の外側面に開口した出力流路13とが形成されている。また、入力流路12におけるセンターボディ3の外側面の開口には、外部から加圧流体を入力するための配管(図示せず)が接続される。また、出力流路13におけるセンターボディ3の外側面の開口には、外部に加圧流体を送出するための配管(図示せず)が接続される。
【0047】
ダイアフラム4は、平面視略円形の膜状の部材であり、例えばニトリルゴムなどの可撓性を有する材料で形成されている。ダイアフラム4の外径は、センターボディ3上面の外径と同等に形成されている。このダイアフラム4は、センターボディ3の出力室8側の端部とボンネット5の底部側の開口縁部とにより外縁部が挟持された状態で、センターボディ3とボンネット5との間に配設されている。これにより、ダイアフラム4は、出力室8と排気室9とを隔てることとなる。
【0048】
ダイアフラム4の出力室8側の面には、排気ポート部材15が結合されている。この排気ポート部材15は、円盤状の部材であり、例えば黄銅から形成されている。排気ポート部材15の外径は、ダイアフラム4の外径およびセンターボディ3の出力室8側の開口よりも小さく形成されている。
【0049】
排気ポート部材15のダイアフラム4に当接する側の面の中央部には、円柱状の突出部15bが形成されており、この突出部15bは、ダイアフラム4の中央部に形成された貫通孔4aに挿通されており、ダイアフラム4の排気室9側の面から突出している。また、排気ポート部材15の中央部には、出力室8と排気室9とを連通する貫通孔が排気ポート15aとして形成されている。
【0050】
ダイアフラム4の排気室9側の面には、面積板23が配設されている。この面積板23は、円盤状の部材であり、例えば黄銅で形成されている。面積板23の外径は、ダイアフラム4の外径およびボンネット5の底部開口よりも小さく形成されている。この面積板23は、中央部に形成された貫通孔23aに排気ポート部材15の突出部15bが挿通された状態で、ダイアフラム4の上面に固定されている。
【0051】
ボンネット5は、例えばアルミニウムからなる有天円筒状の部材である。このボンネット5は、センターボディ3の上部に載置されたダイアフラム4上に、ボンネット5の下端部に形成されたフランジ5aを載せた状態で、このフランジ5aに挿通されるボルト24によりダイアフラム4を介してセンターボディ3に固定されている。これにより、ダイアフラム4とボンネット5との間には排気室9が形成される。この排気室9は、ボンネット5の側壁に形成された排気孔5bを介して外部と連通している。
【0052】
ボンネット5の天部には、調圧ノブ25が螺着されている。この調圧ノブ25は、つまみ25aと、一端がつまみ25aに固定され、他端がボンネット5内に位置する軸25bとから構成されており、軸25bが上下方向に移動可能にボンネット5の天部に螺着されている。
【0053】
ボンネット5の内部には、調圧ノブ25の軸25bの他端近傍に例えば鋼材などからなる調圧スプリング受け26が配設されおり、この調圧スプリング受け26とダイアフラム4に固定された面積板23との間には、例えばばね用鋼材で形成されたコイルバネなどからなる調圧スプリング27が配設されている。
【0054】
出力室8内において、給気ポート部材14と排気ポート部材15との間には、その内周壁28aが排気ポート部材15の端部の外周面15dに摺動可能に嵌め込まれた円盤状の受け皿28が設けられている。受け皿28にはその底面に複数の貫通孔28bが形成されており、この受け皿28の外底面28cにポペット弁20の他端20cが当接している。受け皿28は、例えば黄銅から形成されている。
【0055】
また、受け皿28の内底面28dの中央部には球体29が載置されており、排気ポート部材15の排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15a1の周縁部はすり鉢状とされている。本実施の形態では、このすり鉢状の周縁部を球体29の開口部15a1の動きを案内する案内部15cとし、この案内部15cと受け皿28の内底面28dとの間に球体29を配置している。球体29は、例えば黄銅やステンレスから形成されている。
【0056】
この減圧弁1では、弁体20bと給気ポート14aとによって第1の開閉弁34が構成されており、球体29と排気ポート15aとによって第2の開閉弁35が構成されている。また、調圧スプリング27によるダイアフラム4への付勢の程度を調圧ノブ25によって調整することにより、出力室8から出力される加圧流体の圧力が設定される。
【0057】
この減圧弁1において、ダイアフラム4が出力室8に向かって付勢されると、受け皿28の内底面28dと排気ポート部材15との間隔が狭められ、排気ポート部材15のすり鉢状の案内部15cと受け皿28の内底面28dとの間に位置する球体29が挾圧されることにより、この球体29の球面で排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15a1が塞がれる。また、受け皿28の外底面28cに当接しているポペット弁20の他端20cが押し下げられることにより、ポペット弁20の軸部20aが入力室7に向かって移動し、ポペット弁20の弁体20bが給気ポート14aの開口部14a3から離間する。
【0058】
この状態において、すなわち第1の開閉弁34が開いて第2の開閉弁35が閉じた状態において、外部からの加圧流体が入力流路12を通して入力室7に入力されると、この入力された加圧流体が給気ポート14aを経て出力室8へと入り、出力流路13を通して外部に出力されることとなる。
【0059】
この状態において、出力圧POUTが設定圧よりも高くなると、ダイアフラム4が排気室9に向かって移動する。すると、受け皿28の外底面28cに当接しているポペット弁20の他端20cも排気室9に向かって移動して行き、この移動に伴うポペット弁20の軸部20aの移動によって、ポペット弁20の弁体20bが給気ポート14aの開口部14a3を塞ぐようになる。
【0060】
さらにダイアフラム4が排気室9に向かって移動し、受け皿28の内底面28dと排気ポート部材15との間隔が拡がると、受け皿28に形成された貫通孔28bを通して流入する加圧流体によって受け皿28が押し下げられ、排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15aから球体29の球面が離間する。これにより、第2の開閉弁35が開かれ、出力室8内の加圧流体が排気ポート15aを通って排気室9へと入り、排気孔5bから減圧弁1の外部に放出され、出力室8内の調圧が図られるものとなる。
【0061】
図2は、排気ポート15aの中心とポペット弁20の軸線とが一致している状態を示しているが、本実施の形態の減圧弁1において、排気ポート15aの中心とポペット弁20の軸線とは一致している必要はない。すなわち、この減圧弁1では、受け皿28の外底面28cにポペット弁20の他端20cを当接させ、排気ポート15aの出力側に面する開口部15a1の開閉を受け皿28の内底面28dと排気ポート部材15との間に位置する球体29によって行わせるようにしているので、排気ポート15aの中心とポペット弁20の軸線とが同心でなくても、排気ポート15aが球体29によって確実に塞がれる。
【0062】
図3に排気ポート15aの中心とポペット弁20の軸線とがずれている例を示す。図3において、C1は排気ポート15aの中心であり、C0はポペット弁20の軸線である。この図からも分かるように、この減圧弁1では、排気ポート15aの出力側に面する開口部15a1の開閉を球体29で行うようにし、この球体29を受ける受け皿28の外底面28cにポペット弁20の他端20cを当接させるようにしているので、ポペット弁20の軸線C0の位置とは無関係に排気ポート15aの中心C1の位置で、排気ポート15aと閉止部品(球体29)との自動調心が行われるものとなる。
【0063】
これにより、この減圧弁1では、組立ての調整テクニックが不要となり、作業効率や現場保守性を向上させることができるものとなる。また、この減圧弁1では、排気ポート15aの横方向の位置がポペット弁20により拘束されることがなく、受け皿28およびポペット弁20がそれぞれ独立して摺動移動し、ダイアフラム4の中心ずれや変形歪みが大きくても、受け皿28やポペット弁20の摺動を案内するガイド部に摺動摩擦が殆ど発生しないものとなる。
【0064】
なお、上述した実施の形態では、受け皿28の排気ポート部材15側に内周壁28aを設け、この内周壁28aを出力室8内に位置する排気ポート部材15の端部の外周面15dに摺動可能に嵌め込むようにしているが、図4に示すように、受け皿28の給気ポート部材14側に内周壁28eを設け、この内周壁28eを出力室8内に位置する給気ポート部材14の端部の外周面14cに摺動可能に嵌め込むようにしてもよい。
【0065】
図4に示した構成では、受け皿28の内底面28dと排気ポート部材15との間隔が拡がると、受け皿28と排気ポート部材15との間の隙間および受け皿28に形成された貫通孔28bを通して流入する流体によって受け皿28が押し下げられ、排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15aから球体29の球面が離間する。これにより、第2の開閉弁35が開かれ、出力室8内の加圧流体が排気ポート15aを通って排気室9へと入り、排気孔5bから減圧弁1の外部に放出され、出力室8内の調圧が図られる。
【0066】
図4に示した構成において排気ポート15aの中心とポペット弁20の軸線とがずれている例を図5に示す。
【0067】
図4に示した構成においても、排気ポート15aの出力側に面する開口部15a1の開閉を球体29で行うようにし、この球体29を受ける受け皿28の外底面28cにポペット弁20の他端20cを当接させるようにしているので、ポペット弁20の軸線C0の位置とは無関係に排気ポート15aの中心C1の位置で、排気ポート15aと閉止部品(球体29)との自動調心が行われる。
【0068】
また、排気ポート15aの横方向の位置がポペット弁20により拘束されることがなく、受け皿28およびポペット弁20がそれぞれ独立して摺動移動するので、ダイアフラム4の中心ずれや変形歪みが大きくても、受け皿28やポペット弁20の摺動を案内するガイド部に摺動摩擦が殆ど発生しないものとなる。
【0069】
また、上述した実施の形態では、受け皿28の内底面28dを平坦な面とし、この平坦な面とされた内底面28dに球体29を載置するようにしている、図6に示すように、受け皿28の内底面28dの排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15a1と対向する位置に凹部28fを形成し、この凹部28fに球体29を落とし込み、球体29の下部を受け入れるようにしてもよい。このようにすると、受け皿28における球体29の位置が定まり、排気ポート部材15への受け皿28の組み付けも容易となる。
【0070】
また、上述した実施の形態では、ポペット弁20の他端20cの先端を半球状としたが、必ずしも半球状としなくてもよい。例えば、図2に示した構成において、ポペット弁20の他端20cの先端をT字状の板面とし、このT字状の板面を受け皿28の外底面28cに当接させるようにしてもよい。
【0071】
図2に示した構成では、ポペット弁20の他端20cの先端を半球状とし、この半球状の先端を受け皿28の外底面28cに突き当てるようにしているので、受け皿28の外底面28cが1点でしか支持されず、摺動移動が安定しない虞がある。これに対して、ポペット弁20の他端20cの先端をT字状の板面とすると、受け皿28の外底面28cが面で支持されるものとなり、受け皿28の摺動移動を安定して行わせることができるようになる。
【0072】
また、図4に示した構成では、ポペット弁20の他端20cの先端を受け皿28の外底面28cに突き当てるようにしているが、ポペット弁20の他端20cの先端を受け皿28の外底面28cに固定するようにしてもよい。この場合、受け皿28はポペット弁20と一体となって摺動移動する。この例のように、ポペット弁20の他端20cの先端を受け皿28の外底面28cに固定した状態も、本発明でいうポペット弁の軸部の他端を受け皿の外底面に当接させた状態の1つの例として含まれる。
【0073】
また、上述した実施の形態では、排気ポート部材15の排気ポート15aの出力室8側に面する開口部15a1の周縁部をすり鉢状とし、このすり鉢状とした周縁部を球体29の動きを案内する案内部15cとしたが、案内部15cはすり鉢状に限られるものではない。また、減圧弁1に入出力される加圧流体は、液体および気体の何れも用いることができる。
【0074】
また、上述した実施の形態において、受け皿28に設ける貫通孔28bは1つ以上あればよく、受け皿28を網目状とするなどして、排気される加圧流体の通過を確保するようにしてもよい。
【0075】
また、本発明の減圧弁は、流体を給排気するパイロットリレーなど、ブリードを低減させることを目的として適用可能であり、バルブポジショナや電空変換器などで用いることができる。流体を給排気するパイロットリレーは、内弁構造に共通点が多い。
【0076】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0077】
1…減圧弁、2…フィルタカバー、3…センターボディ、4…ダイアフラム、5…ボンネット、5b…排気孔、6…容器、7…入力室、8…出力室、9…排気室、10…第1の空間、11…第2の空間、12…入力流路、13…出力流路、14…給気ポート部材、14a…給気ポート、14a3…開口部、14b…分岐孔、14c…外周面、15…排気ポート部材、15a…排気ポート、15a1…開口部、15c…案内部、15d…外周面、20…ポペット弁、20a…軸部、20b…弁体、20c…他端、22…ポペットスプリング、27…調圧スプリング、28…受け皿、28a…内周壁、28b…貫通孔、28c…外底面、28d…内底面、28e…内周壁、28f…凹部、29…球体、31…隔壁、34…第1の開閉弁、35…第2の開閉弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9