(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-170361(P2016-170361A)
(43)【公開日】2016年9月23日
(54)【発明の名称】酸化物前駆体のパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20160826BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20160826BHJP
H05K 3/06 20060101ALI20160826BHJP
【FI】
G03F7/004
G03F7/20 502
G03F7/20 521
H05K3/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-51501(P2015-51501)
(22)【出願日】2015年3月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 開催日:平成26年9月18日 研究集会名:第75回応用物理学会秋季学術講演会(2014年秋 北海道大学) 開催場所:北海道大学札幌キャンパス
(71)【出願人】
【識別番号】304024430
【氏名又は名称】国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】下田 達也
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 大亮
(72)【発明者】
【氏名】永原 幸児
(72)【発明者】
【氏名】芳本 祐樹
【テーマコード(参考)】
2H125
2H197
2H225
5E339
【Fターム(参考)】
2H125AB03
2H125CA11
2H125CB02
2H125CC01
2H125EA22P
2H125FA05
2H197AA15
2H197CA03
2H197CA06
2H197HA03
2H225AB03
2H225CA11
2H225CB02
2H225CC01
2H225CD05
2H225EA22P
5E339BC05
5E339BD03
5E339BD07
5E339BD14
5E339BE05
5E339BE11
5E339DD04
5E339GG02
5E339GG10
(57)【要約】
【課題】 フォトレジスト及びドライエッチングを用いない酸化物前駆体のパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の酸化物前駆体のパターン形成方法は、紫外線(UV)を酸化物前駆体に照射し、酸化物前駆体の溶剤に対する溶解性を変化させるUV照射工程と、UV照射した前記酸化物前駆体を溶剤に浸漬し、非UV照射部を溶解させる溶剤浸漬工程を含むことを特徴とする。溶解性が異なる部分をパターン状に作製し、その後、溶剤に浸漬してUVが照射されない部分を溶解除去して、酸化物のパターンを得るという方法を発明した。本発明では酸化物前駆体にUVを部分的に照射し、溶剤に浸漬することによって、フォトレジスト及び、ドライエッチングを用いないパターニングを行うことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線(UV)を酸化物前駆体に照射し、酸化物前駆体の溶剤に対する溶解性を変化させるUV照射工程と、UV照射した前記酸化物前駆体を溶剤に浸漬し、非UV照射部を溶解させる溶剤浸漬工程を含むことを特徴とする酸化物前駆体のパターン形成方法。
【請求項2】
前記UV照射工程時にUVの照射範囲を限定するマスクを用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸化物前駆体を作製する溶液を調製するとき、酸素供給源を使用し、撹拌することで酸化物コア及び有機配位子からなる酸化物クラスターを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化物前駆体を作製する溶液は、金属有機酸塩を含む溶液、金属無機酸塩を含む溶液、金属ハロゲン化物を含む溶液、金属、窒素、及び水素を含む無機化合物を含む溶液、金属水素化物を含む溶液の群から選ばれる少なくとも1種類を含む溶液であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記UV照射工程を行う前に、前記酸化物前駆体を300℃以下で乾燥させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記UV照射工程において、用いる光源波長の範囲を180 nmから300 nmとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記溶剤浸漬工程における浸漬時間を5分以内にすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物前駆体のパターンを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体エレクトロニクスにおいてパターニングは、従来フォトリソグラフィによって行われてきた。フォトリソグラフィとは、フォトレジスト(感光性硬化樹脂)にフォトマスクを被せマスクアライナーで紫外線を露光、特定の溶剤により現像し保護膜とし、物理エッチングを施すことで所望のパターンを得る技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】S.M. ジィー, 産業図書, 半導体デバイス―基礎理論とプロセス技術 (2004)
【非特許文献2】鵜飼育弘, 工業調査会, 薄膜トランジスタ技術のすべて (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1及び2には電子デバイスにおけるパターニングを行う際に、一般的にフォトフィソグラフィを用いると記載されている。酸化物を電子デバイスに用いる際も同様のプロセスを用いる。フォトリソグラフィは、フォトレジスト及びドライエッチングを用いることが特徴として挙げられる。これらは、フォトレジストを用いることや、ドライエッチングを行う際に用いる真空装置のため、コストの増大を招く。また、ドライエッチングはサンプルへのダメージをもたらし、目的の電気特性を得ることができないことがある。
本発明は、これらの問題を改善するべく、フォトレジスト及びドライエッチングを用いない酸化物前駆体のパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の酸化物前駆体のパターン形成方法は、紫外線(UV)を酸化物前駆体に照射し、酸化物前駆体の溶剤に対する溶解性を変化させるUV照射工程と、UV照射した前記酸化物前駆体を溶剤に浸漬し、非UV照射部を溶解させる溶剤浸漬工程を含むことを特徴とする。
また、前記UV照射工程時にUVの照射範囲を限定するマスクを用いることを特徴とする。
また、前記酸化物前駆体を作製する溶液を調製するとき、酸素供給源を使用し、撹拌することで酸化物コア及び有機配位子からなる酸化物クラスターを形成することを特徴とする。
また、前記酸化物前駆体を作製する溶液は、金属有機酸塩を含む溶液、金属無機酸塩を含む溶液、金属ハロゲン化物を含む溶液、金属、窒素、及び水素を含む無機化合物を含む溶液、金属水素化物を含む溶液の群から選ばれる少なくとも1種類を含む溶液であることを特徴とする。
また、前記UV照射工程を行う前に、前記酸化物前駆体を300℃以下で乾燥させることを特徴とする。
また、前記UV照射工程において、用いる光源波長の範囲を180 nmから300 nmとすることを特徴とする。
また、前記溶剤浸漬工程における浸漬時間を5分以内にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
溶液を用いた酸化物作製プロセスにおいて、溶液と酸化物との中間体としてゲル状態の酸化物前駆体が存在する。このゲル状態の成膜に、マスクを利用して波長180から300nm程度の紫外線を照射すると、金属-酸素、または、金属−金属のネットワークが強固な結合になり、溶剤に対する溶解性が変化することがわかった。この特徴を利用し、溶解性が異なる部分をパターン状に作製し、その後、溶剤に浸漬してUVが照射されない部分を溶解除去して、酸化物のパターンを得るという方法を発明した。本発明では酸化物前駆体にUVを部分的に照射し、溶剤に浸漬することによって、フォトレジスト及び、ドライエッチングを用いないパターニングを行うことができる。
有機分子の配位子と金属酸化物コアからなる構造の集合体である酸化物前駆体に対して、UVを照射することで溶剤に対する溶解性を変化させることができる。UV照射によって酸化物前駆体の構造の有機分子配位子及び金属酸化物コアの状態が変化することで、溶剤への溶解性が変化する。構造の変化は、有機分子の分解、脱離、官能基の変化そして、金属酸化物コアの成長などである。すなわち、溶解性の変化は、このような特徴的な構造に由来し、少なくとも溶液と同じ溶媒によって溶解することが可能となる。金属酸化物に配位している有機分子層は薄いため、UV照射による構造の変化に大きな影響を与える。UV照射によって溶解性が低くなった部分は、UV照射前の酸化物前駆体よりも有機分子の含有量が少ない。そのため、溶剤浸漬過程後の焼成の際、より低温で固体化しやすく、酸化物が形成されやすい。
UV硬化樹脂と酸化物粉末を混合し、この材料にUVを照射することで、パターンを形成する方法が考えられるが、この場合、混合した樹脂のため含有有機物が多くなり、焼成時の体積収縮が大きくなる。そのため、精度の良いパターニングを行うことが難しくなる。このような問題点は、本発明における酸化物前駆体を用いることで解決することができ、焼成時の体積収縮が抑制され、精度の良いパターニングが可能となる。
本発明によって、従来問題とされていたフォトレジストの使用によるコスト増加、ドライエッチングを用いることによる装置の高コスト化、膜へのエッチングダメージが生じることがなく、酸化物のパターニングが可能となった。また、ドライエッチング用の真空装置を用いないため、大気圧下での酸化物パターニングが可能となった。すなわち、本発明は、省エネルギー化及び、省資源化を実現するために有用な技術であり、社会的、工業的におおきな意味を持つ技術である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1に係るUV照射時間に対する酸化物前駆体の溶解性の変化を示す図である。
【
図2】実施例2に係るITOのUV照射浸漬法の手順を説明するために示す図である。
【
図3】実施例3に係るInOのパターン形状を示す図である。
【
図4】実施例4に係るZrInZnOのパターン形状を示す図である。
【
図5】実施例5に係るZrOのパターン形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の酸化物前駆体のパターン形成方法(以下、「UV照射浸漬法」と表記することもある)について説明する。
まず、本発明のUV照射工程について、以下に説明する。
酸化物前駆体にUVを照射することで、酸化物前駆体内の配位子の分解が促進され、金属-酸素ネットワークが成長することが推定される。この現象を本発明において、UV照射を酸化物前駆体の溶剤に対する溶解性の変化させる方法として適用した。その結果、このネットワークの成長に伴って、酸化物前駆体の溶剤に対して溶解性が低くなることを見いだした。UV照射の領域を限定することで、溶解性の異なる領域を作ることが可能となる。
【0009】
次に、本発明の溶剤浸漬工程について、以下に説明する。
酸化物前駆体の溶解性の違いを酸化物前駆体のパターニングに応用した。UV照射の有無によって溶解性の異なる領域を作製し、パターニングを行う。この工程では、異なる溶解性を持つ酸化物前駆体を溶剤に酸化物前駆体を浸漬することによって、UV照射を行っていない箇所を溶解させ、UVを照射した箇所を残すことができる工程である。 溶剤浸漬工程における酸化物前駆体の溶解は、溶剤に浸漬するだけではく、必要に応じて溶剤の撹拌や超音波処理などを行う。
【0010】
次に、本発明における酸化物前駆体について、以下に説明する。
酸化物前駆体を作製するための溶液は、溶質としての金属錯体を溶剤に入れ、撹拌することによって作製する。撹拌時には、酸素供給源を用い、酸化物コアの成長を促す。酸素供給源には、溶剤及び添加剤を用いる。さらに、撹拌雰囲気を酸素供給源として利用することができ、大気中及び酸素中が好ましい。また、必要に応じて加熱しながら撹拌を行う。撹拌による溶液調製によって、溶質として用いた金属錯体の金属原子と酸素原子とが結合し、目的とする酸化物の大まかな構造を構築する。また、この方法によって、溶液中に酸化物と似た構造を有す酸化物コアを形成し、そのまわりに有機分子を配位させ、配位子を有した酸化物クラスターの構造体を作製する。溶媒及び添加剤の有機分子を酸化物コアのまわりに配位させることによって、酸化物コアの過剰な成長を抑制する。酸化物クラスターの大きさは酸化物の種類及び用いる配位子によって変化するが、おおよそ酸化物クラスターの直径は約1 nm程度であり、このうち酸化物コアの大きさは0.5 nm程度となる。
【0011】
酸化物前駆体は、酸化物クラスターを含んでいる溶液を任意の基板に塗布し、溶媒を乾燥させることによって作製する。溶媒の乾燥は、酸化物クラスターの配位子が完全に脱離しない温度域で行う必要があり、300℃以下が適している。
酸化物前駆体は、酸化物クラスターが集合したものである。酸化物前駆体を構成している酸化物クラスターは有機配位子を有し、酸化物コアの過剰な成長を抑制しているため、大きな酸化物ネットワークを形成しない。金属酸化物コアに配位している有機物は単層もしくは複数の層を形成している。有機配位子に金属酸化物コアが囲まれており、各々の金属酸化物コアは互いに結合しないため、それぞれ弱い結合で集合している。そのため、UV照射を行っていない酸化物前駆体は、溶剤に容易に溶解することができる。これまで一般的に作製されてきた金属酸化物の大きなネットワークを有する前駆体は、溶剤に再溶解することはできない。上記で示したような方法で調製した溶液を用いることで作製した酸化物前駆体は、溶剤に再溶解することから、これまでになかった酸化物前駆体であるといえる。本発明において、酸化物コア及び配位子からなる酸化物クラスターの集合体である酸化物前駆体にUVを照射することで、溶剤に対する溶解性が変化することを見いだした。
【0012】
溶液は、金属錯体を溶剤に溶解することで作製する。金属錯体の金属種は、錯体を形成する金属であれば良く、Li、Naをはじめとするアルカリ金属類、Ca、Srをはじめとするアルカリ土類金属類、Y、Zr、Ruをはじめとする遷移金属類、In、Al、Gaをはじめとする卑金属類、Laをはじめとするランタノイド類が挙げられる。金属錯体の種類として、アセチルアセトナート系や、アミン系、ヒドロキソ系、チオラト系、オキソアニオン系、イミン系、カルボニル系、アレーン系、アルケン系、ハロゲン系、硝酸塩、硫化塩、リン酸塩、アルコール系さらには、カルボン酸系及びシュウ酸系が挙げられる。
溶剤は、カルボン酸、アルコール系、アセトンなどの有機溶剤類及び、水を用いる。また、これらの溶剤を混合し用いることも可能である。
【実施例1】
【0013】
酸化インジウム(InO)におけるUV照射浸漬法の例を示す。この実施例ではインジウムアセチルアセトナートをプロピオン酸に溶解したInO溶液を用いた。溶液をスピンコート法によって製膜し、UV照射を所望の時間行った。その後、プロピオン酸溶剤に50 秒間浸漬し、溶解した割合を測定した。酸化物前駆体のUV照射時間に対する溶剤への溶解性を
図1に示す。UV照射を行うことで酸化物前駆体の溶解性が低くなることがわかる。
【実施例2】
【0014】
UV照射による溶剤への溶解性の変化を利用し、Indium Tin Oxide (ITO) 酸化物のパターニングを行う方法を示す。
図2は実施例2に係る酸化物前駆体パターニングの作製方法を説明するための図である。 (a)〜(d)は各工程図である。
第1工程は、基板にITO酸化物前駆体作製する工程である。(a)に示すようにインジウムアセチルアセトナート及びスズアセチルアセトナートをプロピオン酸に溶解した溶液を基板100に塗布し、スピンコートによって酸化物前駆体110を作製する。この際、酸化物前駆体は室温から200℃で乾燥させる。
第2工程は、UV照射を行い、酸化物前駆体の溶解性を変化させる工程である。(b)に示すようにマスク200を介して、第1工程で得られた酸化物前駆体に対して、180から300 nmのUVを30分間照射する。これによって酸化物前駆体の溶解性の異なる領域を作製する。
第3工程は、溶剤に酸化物前駆体を浸漬しパターンを得る工程である。(c)に示すように溶解性の異なる領域を有する酸化物前駆体をプロピオン酸溶剤300に1分程度浸漬する。これによって、UV照射されていない領域は溶剤に溶解する。
第4工程は、酸化物前駆体を焼成し、目的のITO酸化物120を得る工程である(d)。
【実施例3】
【0015】
InOに対して行ったUV照射浸漬法の例を示す。第1工程として、インジウムアセチルアセトナートをプロピオン酸に溶かし調製した溶液を基板に塗布し、スピンコートによって酸化物前駆体を作製する。この際、酸化物前駆体は150℃で乾燥させる。第2工程として、マスクを介し、第1工程で得られた酸化物前駆体に対して、180から300 nmのUVを30 分間照射する。これによって酸化物前駆体の溶解性の異なる領域を作製する。
第3工程として、溶剤に酸化物前駆体を浸漬しパターンを得る工程である。本実施例では酸化物前駆体をプロピオン酸溶剤300に1分程度浸漬する。これによって、UV照射されていない領域は溶剤に溶解し、酸化物前駆体のパターンを得ることができる。第4工程として、酸化物前駆体を焼成する。本実施例では、550℃で焼成を行った。得られたInOのパターン(中央部)を
図3に示す。
【実施例4】
【0016】
ZrInZnOに対して、実施例2と同等の方法でUV照射浸漬法による酸化物前駆体のパターン形成を行った例を示す。ジルコニウムテトラ-n-ブトキシド、インジウムアセチルアセトナート、ジンククロライドをプロピオン酸及び2エトキシエタノールに溶解させたものを使用する。UVを30 min照射することによって、実施例2と同様、酸化物前駆体の溶剤に対する溶解性が変化する。実施例4では50秒間程度プロピオン酸に浸漬することで酸化物前駆体にパターンを形成する。
図4に実施例4において作製したZrInZnOの酸化物前駆体のパターン(中央部)を示す。
【実施例5】
【0017】
ZrOに対して、実施例1と同等の方法でUV照射浸漬法による酸化物前駆体のパターン形成を行った例を示す。ジルコニウムテトラ-n-ブトキシドをプロピオン酸に溶解させたものを使用する。UVを30 min照射することによって、酸化物前駆体の溶剤に対する溶解性が変化する。実施例5では50秒間程度プロピオン酸に浸漬することで酸化物前駆体にパターンを形成する。
図5に実施例5において作製したZrOの酸化物前駆体のパターン(中央部)を示す。
上記の実施例に示すように、用いる溶質は、アセチルアセトナート、ハロゲン系をはじめ、2エチルヘキサン酸などのカルボン酸の配位子を有する金属錯体を用いることができ、溶剤は、カルボン酸やアルコール系を用いる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
UVによる溶解性の変化は、上記の実施例で示したように多くの材料系で起こることがわかった。従って、様々な酸化物材料を溶液材料から作製する際に、幅広く適用できる。従って、酸化物を用いる電子デバイス製造工程で広く利用、応用が期待される。
【符号の説明】
【0019】
100 基板
110 酸化物前駆体
120 酸化物
200 マスク
300 浸漬用溶剤