(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-170717(P2016-170717A)
(43)【公開日】2016年9月23日
(54)【発明の名称】家財組立部品の販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20160826BHJP
【FI】
G06Q30/06 110A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-51209(P2015-51209)
(22)【出願日】2015年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】597034945
【氏名又は名称】株式会社シンドー
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100096105
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 広
(72)【発明者】
【氏名】相場 達也
(72)【発明者】
【氏名】松井 淳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数種類または複数個の部品からなる家財道具の受注販売システムを提供する。
【解決手段】受注販売システムは、ネットワーク機構120介して相互に接続されるユーザ側の第一通信装置110及び販売者側の第二通信装置130と、第二通信装置が第一通信装置から受信した電気信号を所定形式のデータに変換するデータ変換装置140と、データ変換装置140が変換したデータに従ってアルミニウム製の部材を加工する自動加工装置150と、からなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を発信する第一通信装置と、
ネットワーク機構と、
前記ネットワーク機構を介して前記第一通信装置が発信した電気信号を受信する第二通信装置と、
前記第二通信装置が受信した前記電気信号を予め定められた形式のデータに変換する変換装置と、
アルミニウム製の部材を加工する加工装置と、
からなるシステムであって、
前記第一通信装置が発信する前記電気信号には、前記第一通信装置の管理者が指定した家財の仕様を示すデータが含まれており、
前記変換装置が変換する前記データには、前記家財を構成する部材の各々の仕様を示す仕様データが含まれており、
前記加工装置は、前記仕様データが入力されると、前記仕様データに従って、前記部材の各々を加工するものであるシステム。
【請求項2】
前記部材は日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)−珪素(Si)合金(6000系)であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記部材は日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−亜鉛(Zn)−マグネシウム(Mg)合金(7000系)であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記部材は日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)合金(5000系)であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンガー、棚、衝立などアルミニウム合金の押し出し材で形成可能な家財をネットワーク経由で受注し、加工したうえで販売するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムの一つとして、特開2004−139228号公報に記載されたものがある。
同公報に記載されたシステムは、グレージングチャンネルと呼ばれる窓ガラスその他の板ガラス用枠をクライアントからネットワークを介して受注販売するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−139228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報に記載のシステムは単体としての枠を販売するものであり、販売対象の品物が複数種類または複数個の部品からなる場合には、適用することは不可能であった。
【0005】
本発明はこのような従来の受注販売用システムにおける問題点に鑑みてなされたものであり、受注販売対象の品物が複数種類または複数個の部品からなるものである場合にも適用可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、電気信号を発信する第一通信装置と、ネットワーク機構と、前記ネットワーク機構を介して前記第一通信装置が発信した電気信号を受信する第二通信装置と、前記第二通信装置が受信した前記電気信号を予め定められた形式のデータに変換する変換装置と、アルミニウム製の部材を加工する加工装置と、からなるシステムであって、前記第一通信装置が発信する前記電気信号には、前記第一通信装置の管理者が指定した家財の仕様を示すデータが含まれており、前記変換装置が変換する前記データには、前記家財を構成する部材の各々の仕様を示す仕様データが含まれており、前記加工装置は、前記仕様データが入力されると、前記仕様データに従って、前記部材の各々を加工するものであるシステムを提供する。
【0007】
例えば、前記部材は日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)−珪素(Si)合金(6000系)、日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−亜鉛(Zn)−マグネシウム(Mg)合金(7000系)または日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)合金(5000系)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るシステムによれば、一つの品物が複数種類または複数個の部品からなるものである場合に、加工装置は、ユーザの要望に従って、それら複数種類または複数個の部品の各々を加工する。このように加工されたそれらの部品を組み立てることにより、所望の品物(例えば、机、棚、ハンガースタンドなどの家財)を得ることができ、ユーザにとっては利便性に長け、販売者側にとっては効率的な受注販売システムを構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る受注販売システムの概念図である。
【
図2】受注販売システムの対象例としての棚の斜視図である。
【
図3】
図3(A)は素材の第一の例に係る第一押し出し部材の斜視図、
図3(B)は第一押し出し部材の断面図である。
【
図4】
図4(A)は素材の第二の例に係る第二押し出し部材の斜視図、
図4(B)は第二押し出し部材の断面図である。
【
図5】
図5(A)は素材の第三の例に係る第三押し出し部材の斜視図、
図5(B)は第三押し出し部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の一実施形態に係る受注販売システム100の概念図である。
本実施形態に係る受注販売システム100は、ユーザにより使用される第一通信装置110と、ネットワーク機構120と、販売者により使用される第二通信装置130と、データ変換装置140と、素材160を加工する自動加工装置150と、から構成されている。
【0011】
第一通信装置110は、例えば、パーソナルコンピュータからなり、Eメールに代表される電気信号を発信・受信する機能を有している。
【0012】
第二通信装置130も、第一通信装置110と同様に、例えば、パーソナルコンピュータからなり、Eメールに代表される電気信号を発信・受信する機能を有している。
【0013】
第一通信装置110と第二通信装置130とはネットワーク機構120を介して相互に接続されており、第一通信装置110と第二通信装置130との間において電気信号の送受信を行うことが可能になっている。
【0014】
データ変換装置140は、第二通信装置130が受信した電気信号を予め定められた形式のデータ、具体的には、自動加工装置150が読み取り可能な形式のデータに変換する機能を有している。
【0015】
自動加工装置150は、データ変換装置140により形式が変換されたデータに従って、素材160に対して切断、曲げその他の加工を施す機能を有している。
素材160はアルミニウム製の押し出し部材からなる。
【0016】
図3(A)は素材160の第一の例に係る第一押し出し部材161の斜視図、
図3(B)は第一押し出し部材161の断面図である。
図4(A)は素材160の第二の例に係る第二押し出し部材162の斜視図、
図4(B)は第二押し出し部材162の断面図である。
図5(A)は素材160の第三の例に係る第三押し出し部材163の斜視図、
図5(B)は第三押し出し部材163の断面図である。
【0017】
第一押し出し部材161はほぼ正方形の断面を有する中空の角材である。
図3(B)に示すように、4隅のうちの2ヶ所には皿ビスを受け入れるための雌ネジ部164が形成されている。
【0018】
第二押し出し部材162は、平板状の第一部分162Aと、第一部分162Aの下面から下方に延びる3個の延長部162Bと、から構成されている。
第一部分162Aの下面には、各延長部162Bの間において、雌ネジ部164が形成されている。
【0019】
また、両側に位置する延長部162Bには、それらの下端において、矩形状のフレーム部165が形成されている。フレーム部165の上面165Aには雌ネジが形成されており、フレーム部165の下方から皿ネジをネジ入れることができるようになっている。
【0020】
第三押し出し部材163はほぼ正方形の断面を有する中空の角材である。
図5(B)に示すように、頂面163Aの下面側には第一押し出し部材161と同様の雌ネジ部164が形成されている。
【0021】
また、底面163Bには第二押し出し部材162と同様のフレーム部165が形成されている。
【0022】
素材160としては、例えば、日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)−珪素(Si)合金(6000系)、日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−亜鉛(Zn)−マグネシウム(Mg)合金(7000系)及び日本工業規格JIS H 4100に定められているアルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)合金(5000系)の何れかを選択することができる。
【0023】
図2は素材160を用いて組み立てられる棚200の一例を示す斜視図である。以下、ユーザが棚200を発注する場合を例として、本実施形態に係る受注販売システム100の動作を説明する。
【0024】
図2に示すように、棚200は、棚200の四隅に立てられる4個の鉛直支柱210と、棚200の幅方向に延びる計8個の第一水平支柱231と、棚200の長さ方向に延びる計8個の第二水平支柱232と、2個の第一水平支柱231と2個の第二水平支柱232とにより形成される矩形状の枠に嵌め込まれる棚板220と、から構成される。
【0025】
図2に示す棚200は4段であるので、4枚の棚板220を備えている。
【0026】
ユーザが棚200を発注する場合には、最初に、以下の条件(1)乃至(6)を決定する。
(1)発注する家財の種類:棚
(2)棚200の色
(3)棚200の高さH
(4)棚200の幅方向の長さW
(5)棚200の長さ方向の長さL
(6)棚板220の枚数
【0027】
例えば、販売者は受注用のサイトを設けておき、ユーザが販売者のサイトにアクセスした後、当該サイトに表示される順序に従って、上記条件の各々を指定することができるようにすることも可能である。
【0028】
条件(1)乃至(6)を決定した後、ユーザは第一通信装置110からネットワーク機構120を介して電気信号(具体的には、Eメール)を販売者側の第二通信装置130に送信する。この電気信号には上記(1)乃至(6)に示される棚200の仕様を示すデータが含まれている。
【0029】
販売者側の第二通信装置130は第一通信装置110から上記の電気信号を受信すると、その電気信号をデータ変換装置140に送信する。
【0030】
データ変換装置140は、第二通信装置130から上記電気信号を受信すると、この電気信号を自動加工装置150が読み取り可能な形式のデータに変換する。
【0031】
データ変換装置140により変換されたデータは自動加工装置150に送信される。
【0032】
自動加工装置150は、データ変換装置140から受信したデータに従って、素材160すなわち第一押し出し部材161、第二押し出し部材162及び第三押し出し部材163を切断加工する。
【0033】
具体的には、第一水平支柱231として第一押し出し部材161を長さHに切断する。
【0034】
さらに、第一水平支柱231として第三押し出し部材163を長さWに、第二水平支柱232として第三押し出し部材163を長さLにそれぞれ切断加工する。
【0035】
さらに、棚板220として第二押し出し部材162を長さLに切断加工する(第二押し出し部材162は幅Wを有するものを予め選定する)。
【0036】
第一押し出し部材161、第二押し出し部材162及び第三押し出し部材163は作業者が手動で自動加工装置150に供給してもよく、あるいは、素材160を取り出し、その素材160を自動加工装置150まで持ち込むロボットを使用することもできる(そのようなロボットを自動加工装置150の一部として構成することも可能である)。
【0037】
以上のようにして、棚200を構成する各部品が加工される。
この後、加工された部品はユーザに配送される。
加工された部品を受け取ったユーザは、それらを組み立てることにより、棚200を得ることができる。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る受注販売システム100によれば、ユーザが発注した棚200を構成する複数種類または複数個の部品は自動加工装置150により自動的に加工される。ユーザはそれらの部品を組み立てることにより、棚200を得ることができる。このように、本実施形態に係る受注販売システム100は、ユーザに対しては利便性を提供するとともに、販売者側に対しては効率的な受注販売を可能にする。
【0039】
なお、本実施形態に係る受注販売システム100は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0040】
例えば、第二通信装置130及びデータ変換装置140をオフィスに設置し、自動加工装置150を工場に配置することも可能である。この場合、データ変換装置140と自動加工装置150とはネットワーク機構120を介して接続される。
【0041】
また、上記の実施形態においては、棚200を例として説明したが、棚200以外の家財、例えば、机、ハンガースタンド、タンスなどの複数種類または複数個の部品を組み立てることにより形成される家財であれば、任意のものを受注販売システム100の対象とすることができる。
【0042】
さらに、素材160は上記の第一押し出し部材161、第二押し出し部材162及び第三押し出し部材163に限定されるものではなく、円形断面を有する素材、平板状の素材など任意の素材を使用することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
100 本発明の一実施形態に係る受注販売システム
110 第一通信装置
120 ネットワーク機構
130 第二通信装置
140 データ変換装置
150 自動加工装置
160 素材
161 第一押し出し部材
162 第二押し出し部材
163 第三押し出し部材
200 棚
【手続補正書】
【提出日】2016年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
電気信号を発信する第一通信装置と、
ネットワーク機構と、
前記ネットワーク機構を介して前記第一通信装置が発信した電気信号を受信する第二通信装置と、
アルミニウム製の部材を加工する加工装置と、
前記第二通信装置が受信した前記電気信号を前記加工装置が読み取り可能な形式のデータに変換する変換装置と、
からなるシステムであって、
前記第一通信装置が発信する前記電気信号には、前記第一通信装置の管理者が指定した完成品としての家財の仕様を示すデータが含まれており、
前記変換装置が変換する前記データには、前記家財を構成する複数の部材の各々の仕様を示す仕様データが含まれており、
前記加工装置は、前記仕様データが入力されると、前記仕様データに従って、前記複数の部材の各々を加工するものであるシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、電気信号を発信する第一通信装置と、ネットワーク機構と、前記ネットワーク機構を介して前記第一通信装置が発信した電気信号を受信する第二通信装置と、
アルミニウム製の部材を加工する加工装置と、前記第二通信装置が受信した前記電気信号を
前記加工装置が読み取り可能な形式のデータに変換する変換装置と、からなるシステムであって、前記第一通信装置が発信する前記電気信号には、前記第一通信装置の管理者が指定した
完成品としての家財の仕様を示すデータが含まれており、前記変換装置が変換する前記データには、前記家財を構成する
複数の部材の各々の仕様を示す仕様データが含まれており、前記加工装置は、前記仕様データが入力されると、前記仕様データに従って、前記
複数の部材の各々を加工するものであるシステムを提供する。