特開2016-170744(P2016-170744A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2016170744-チェック対象検出装置 図000003
  • 特開2016170744-チェック対象検出装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-170744(P2016-170744A)
(43)【公開日】2016年9月23日
(54)【発明の名称】チェック対象検出装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20160826BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-51670(P2015-51670)
(22)【出願日】2015年3月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】岸 勝
【テーマコード(参考)】
3C100
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA56
3C100AA57
3C100BB05
3C100BB15
3C100BB27
(57)【要約】
【課題】実際の製造状況に即してより柔軟に、労力をかけることなく品質等の確認が実施できるようにする。
【解決手段】実績値取得部105が、新たに製造された製品の実績値である温度測定値を取得すると、統計値算出部102が、実績値記憶部101に記憶されている複数の実績値の統計処理より、各製品の製造過程毎に測定された温度測定値の平均値および標準偏差を算出し、平均値±標準偏差の3倍の範囲を統計値として算出する。次に、検出部103が、統計値算出部102により算出された統計値である平均値±標準偏差の3倍の範囲に、実績値取得部105が、新たに取得した温度測定値が入っているかどうかを判定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量産されている製品の製造過程で計測された実績値が製品毎に記憶された実績値記憶部と、
前記実績値記憶部に記憶されている複数の実績値の統計処理より前記実績値の統計値を算出する統計値算出部と、
新たに製造された製品の実績値が、前記統計値算出部が算出した統計値より外れた値となることを検出する検出部と、
前記検出部が検出した実績値が計測された製品をチェック対象として通知するチェック対象通知部と
を備えることを特徴とするチェック対象検出装置。
【請求項2】
請求項1記載のチェック対象検出装置において、
前記実績値記憶部は、製品毎に複数の実績値を記憶し、
前記統計値算出部は、各々異なる実績毎の統計値の全てにおいて統計値を算出し、
前記検出部は、前記統計値算出部が算出した各々の統計値の全てにおいて、新たに製造された製品の対応する実績値が外れた値となることを検出する
ことを特徴とするチェック対象検出装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のチェック対象検出装置において、
前記統計値算出部は、複数の実績値の平均値より所定値以上はずれる実績値を、統計値の算出対象外とする
ことを特徴とするチェック対象検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産工程における作業を監視・管理するチェック対象検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場の生産工程の監視・管理のために、製造実行システム(Manufacturing Execution System、MES)が導入されている。MESの導入では、製造管理の自動化、生産予定、製造状況の自動通知、数値範囲の監視などが目的とされている。
【0003】
このようなMESにおいて、製造実績による製品の品質確保を目的とした自動判定機能がある。この機能は、仕込み品投入数量の範囲確認、および製造実績値の範囲確認などを自動で実施する。この中で、製造実績値の範囲確認では、実際の原料投入量や測定された製造温度,製造時間などの、設計値から所定の範囲内として設定されている管理指標値から外れている値を検出し、異常として通知するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−003126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、人為的に決定した管理指標値を設定しておく必要があり、このデータの保守管理に多くの時間と労力が必要となり、管理が容易ではないという問題がある。
【0006】
また、実際の製造においては、製造において計測されている温度が管理指標値以内であっても、管理指標値の上限に近い値が継続した場合には不良品の発生確率が高くなるなどの、経験から判断される場合がある。このような状況では、抜き取り検査などの抜き取り対象数を増やして対応する必要がある。しかしながら、単純な管理指標値との比較では、上述した状況が検出できない。また、このような状態に対しては、有効な管理指標値を予め設定しておくことが非常に困難であった。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、実際の製造状況に即してより柔軟に、労力をかけることなく品質等の確認が実施できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るチェック対象検出装置は、量産されている製品の製造過程で計測された実績値が製品毎に記憶された実績値記憶部と、実績値記憶部に記憶されている複数の実績値の統計処理より実績値の統計値を算出する統計値算出部と、新たに製造された製品の実績値が、統計値算出部が算出した統計値より外れた値となることを検出する検出部と、検出部が検出した実績値が計測された製品をチェック対象として通知するチェック対象通知部とを備える。
【0009】
上記チェック対象検出装置において、実績値記憶部は、製品毎に複数の実績値を記憶し、統計値算出部は、各々異なる実績毎の統計値の全てにおいて統計値を算出し、検出部は、統計値算出部が算出した各々の統計値の全てにおいて、新たに製造された製品の対応する実績値が外れた値となることを検出するようにしても良い。
【0010】
上記チェック対象検出装置において、統計値算出部は、複数の実績値の平均値より所定値以上外れる実績値を、統計値の算出対象外とするとよい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したことにより、本発明によれば、実際の製造状況に即してより柔軟に、労力をかけることなく品質等の確認が実施できるようなるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施の形態におけるチェック対象検出装置100の構成を示す構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態におけるチェック対象検出装置100の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるチェック対象検出装置100の構成を示す構成図である。チェック対象検出装置100は、実績値記憶部101、統計値算出部102、検出部103、チェック対象通知部104、実績値取得部105,表示部106を備える。
【0014】
実績値記憶部101は、量産されている製品の製造過程で計測された実績値を製品毎に記憶している。例えば、製造工程121では、製品の製造過程において、実際の原料投入量が計測され、温度が測定され、また、製造時間が計測されている。このように、各製品の製造過程毎に計測、測定されている原料投入量、温度測定値、製造時間などを、実績値取得部105が取得し、実績値記憶部101に記憶する。
【0015】
統計値算出部102は、実績値記憶部101に記憶されている複数の実績値の統計処理より実績値の統計値を算出する。例えば、各製品の製造過程毎に測定された温度測定値の平均値および標準偏差を算出し、平均値±標準偏差の3倍の範囲を統計値として算出する。
【0016】
検出部103は、新たに製造された製品の実績値が、統計値算出部102が算出した統計値より外れた値となることを検出する。新たに製造された製品の対応する実績値が実績値取得部105により取得されると、検出部103は、新たに取得された実績値が、算出された統計値を外れているかどうかを判断する。
【0017】
例えば、新たに製造された製品の実績値が、統計値算出部102が算出した平均値±標準偏差の3倍の範囲を超えた(外れた)場合、検出部103により検出される。このようにして検出部103が検出した実績値が計測された製品は、チェック対象通知部104によりチェック対象として通知される。チェック対象通知部104は、例えば、表示部106に当該製品の識別番号を表示することで、製品管理者にチェック対象製品を視認可能にする。
【0018】
また、統計値算出部102は、各々異なる実績毎の統計値の全てにおいて統計値を算出してもよい。この場合、実績値記憶部101においては、製品毎に複数の実績値が記憶されている必要がある。例えば、統計値算出部102は、各製品の製造過程毎に測定された温度測定値、および各製品の製造過程毎に計測された製造時間について、各々統計値を算出する。
【0019】
このようにして、複数の統計値が算出されると、検出部103は、算出された各々の統計値の全てにおいて、新たに製造された製品の対応する実績値が外れた値となることを検出する。例えば、新たに製造された製品の製造時の温度測定値が、統計値算出部102が算出した温度測定値の平均値±標準偏差の3倍の範囲を超え、製造時間が、統計値算出部102が算出した製造時間の平均値±標準偏差の3倍の範囲を超えた場合、検出部103により検出される。
【0020】
このようにして検出部103が検出した実績値が計測された製品が、チェック対象通知部104によりチェック対象として通知される。この場合、2つの実績値の間の複合要因によって製造の品質に影響している場合に、対応させることができる。
【0021】
次に、本発明の実施の形態におけるチェック対象検出装置の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS201で、実績値取得部105が、新たに製造された製品の実績値である温度測定値を取得すると、ステップS202で、統計値算出部102が、実績値記憶部101に記憶されている複数の実績値の統計処理より、各製品の製造過程毎に測定された温度測定値の平均値および標準偏差を算出し、平均値±標準偏差の3倍の範囲を統計値として算出する。
【0022】
次に、ステップS203で、検出部103が、統計値算出部102により算出された統計値である平均値±標準偏差の3倍の範囲に、実績値取得部105が、新たに取得した温度測定値が入っているかどうかを判定する。この判定で、新たに取得した温度測定値が、平均値±標準偏差の3倍の範囲を外れている場合(ステップ203のy)、ステップS204で、チェック対象通知部104が、表示部106に当該製品の識別番号を表示する。一方、新たに取得した温度測定値が、平均値±標準偏差の3倍の範囲内である場合(ステップ203のn)、動作の停止指示を受け付けるまで(ステップ205)、ステップS201〜ステップS204を繰り返す。
【0023】
ところで、統計値算出部102は、複数の実績値の平均値より所定値以上外れる実績値を、統計値の算出対象外とするとよい。例えば、統計値算出部102は、平均値±標準偏差の4倍の範囲を超える実績値は、統計値を算出するための母集団として採用しない。このようにすることで、検出部103によるチェック対象の検出精度をより向上させることができる。
【0024】
また、経時とともに製品の製造数が増加すれば、得られる実績値も増加するが、これらは逐次に実績値取得部105により取得し、実績値記憶部101に記憶させる。より多くの実績値があることで、統計値算出部102が統計値を算出するための母集団が、製品の製造工程をより正確に反映したものとなり、検出部103によるチェック対象の検出精度をより向上させることができる。
【0025】
以上に説明したように、本発明によれば、計測・測定された製品製造過程における実測値より得られる統計値をもとに、新たに製造された製品の実績値を判断し、この判断の下に製品の状態を確認するようにしたので、実際の製造状況に即してより柔軟に、労力をかけることなく品質等の確認が実施できるようになる。
【0026】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、チェック対象通知部は、無線で接続された携帯端末装置に対し、チェック対象を通知するようにしてもよい。また、チェック対象通知部は、チェック対象を印刷装置で印字出力することで通知するようにしてもよい。また、統計値について「平均値±標準偏差の3倍」を判断の閾値として用いる例を示したが、閾値はこれに限らず適切なものを用いればよく、使用に際してシステム構築担当者またはオペレータが適切な値ないし閾値の算出条件を入力するような形であっても構わない。
【符号の説明】
【0027】
101…実績値記憶部、102…統計値算出部、103…検出部、104…チェック対象通知部、105…実績値取得部、106…表示部、121…製造工程。
図1
図2