【解決手段】基板プロセッシング装置は、基板プロセッシング空間であるチャンバ101を提供する本体100と、チャンバ101内に基板プロセッシングガスを供給するガスインレット300と、チャンバ101内の基板プロセッシングガスを外部に排出するガスアウトレット400と、チャンバ101内に配され、チャンバ101の内部を加熱するヒーター200と、本体100の外側面に配され、本体100の内側面の温度を制御する温度コントローラと、本体100の内側面に所定距離離隔して配される断熱体150と、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間に配される本体ヒーター250と、を含むことを特徴とする。
前記温度コントローラ、前記本体ヒーターのうち少なくとも何れか1つは、前記チャンバ内で気化または乾燥される基板の物質が、前記本体の内側面に凝縮されないように、前記本体の前記内側面の温度を50℃〜250℃に保持することを特徴とする請求項1に記載の基板プロセッシング装置。
前記本体の内側面と前記断熱体の外側面との間の空間に凝縮防止ガスを供給する凝縮防止ガスインレットが、前記本体の少なくとも一側面に連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板プロセッシング装置。
前記ガスインレットまたは前記ガスアウトレットのうち少なくとも1つは、物質を排出するポートをさらに備えたことを特徴とする請求項12に記載の基板プロセッシング装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
後述する本発明についての詳細な説明は、本発明が実施される特定の実施形態を例示として図示する添付図面を参照する。これら実施形態は、当業者が本発明を十分に実施可能なように詳しく説明される。本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないということを理解しなければならない。例えば、これに記載されている特定の形状、構造、及び特性は、一実施形態に関連して、本発明の精神及び範囲を外れず、他の実施形態として具現可能である。また、それぞれの開示された実施形態内の個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神及び範囲を外れず、変更されうるということを理解しなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取ろうとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されるならば、その請求項が主張するものと均等なあらゆる範囲と共に、添付の請求項によってのみ限定される。図面で類似した参照符号は、多様な側面にわたって同一または類似した機能を指称し、長さ及び面積、厚さなどとその形態は、便宜のために誇張されて表現されることもある。
【0015】
本明細書において、基板は、LED、LCDなどの表示装置に使う基板、半導体基板、太陽電池基板などのあらゆる基板を含む意味として理解され、望ましくは、フレキシブル(Flexible)表示装置に使われるフレキシブル基板を意味するものと理解されうる。
【0016】
また、本明細書において、基板プロセッシング工程とは、蒸着工程、熱処理工程などを含む意味として理解され、望ましくは、ノンフレキシブル(Non−Flexible)基板上にフレキシブル基板の形成、フレキシブル基板上にパターンの形成、フレキシブル基板分離などの工程を意味するものと理解されうる。
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による基板プロセッシング装置を詳しく説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による基板プロセッシング装置の全体的な構成を示す斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態による基板プロセッシング装置を示す正断面図であり、
図3は、本発明の一実施形態による基板プロセッシング装置を示す左、右側断面図であり、
図4は、
図2の“A”及び“B”の拡大図である。
【0019】
図1ないし
図4を参照すれば、本実施形態による基板プロセッシング装置は、本体100、断熱体150、ヒーター200、本体ヒーター250、ガスインレット300、ガスアウトレット400、及び温度コントローラ500を含みうる。
【0020】
本体100は、内部に基板10がローディングされて処理される密閉された空間であるチャンバ101を構成する。本明細書において、チャンバ101空間は、後述する断熱体150の内側面空間であって、実質的に基板プロセッシングが行われる空間と理解しなければならない。言い換えれば、本体100の内部空間で、断熱体150の内側面によって形成される空間がチャンバ101であり、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間に形成される空間は、別個であるということを明らかにする。
【0021】
本体100は、ほぼ六面体状を有し、本体100の材質は、石英(Quartz)、ステンレススチール(SUS)、アルミニウム(Aluminium)、グラファイト(Graphite)、シリコンカーバイド(Silicon carbide)、または酸化アルミニウム(Aluminium oxide)のうち少なくとも何れか1つであり得る。
【0022】
チャンバ101の内部には、複数個の基板10が配置される。複数個の基板10は、それぞれ一定間隔を置いて配され、基板ホルダー11に支持されるか、ボート(図示せず)に載置されてチャンバ101の内部に配置される。
【0023】
本体100の一面[一例として、前面]には、基板10がローディング/アンローディングされる通路である出入口115が形成されうる。出入口115は、本体100の一面[一例として、前面]にのみ形成され、反対面[一例として、背面]にも形成されうる。
【0024】
ドア110は、本体100の一面[すなわち、出入口115が形成された面]に設けられることもある。ドアは、前後方向、左右方向、または上下方向に摺動自在に設けられることもある。ドア110は、出入口115を開閉し、出入口115の開閉の有無によってチャンバ101ももちろん開閉されうる。また、ドア110によって出入口115が完全にシーリングされるように、ドア110と本体100の出入口115が形成された面の間には、Oリング(O−ring)などのシーリング部材(図示せず)が介在されうる。
【0025】
一方、本体100の外側面上には、補強リブ120を結合することができる。本体100は、工程中に内部で強い圧力または高温の影響を受けて破損されるか、変形が発生する恐れがある。したがって、補強リブ120を本体100の外側面上に結合して本体100の耐久性を向上させることができる。必要に応じて、特定の外側面または外側面上の一部にのみ補強リブ120を結合することもできる。
【0026】
断熱体150は、本体100の内側面に配置される。言い換えれば、断熱体150は、本体内部の背面、上下面及び両側面に設けられ、互いに連結されるか、一体である形態で、本体100と対応する六面体状を有しうる。
【0027】
断熱体150は、本体100の内側面と所定距離離隔して配置されるが、所定距離は、後述する本体ヒーター250が配置されるように、本体ヒーター250の厚さまたは直径よりも大きいことが望ましい。また、断熱体150は、公知の断熱材を制限なしに使うことができるが、熱に対して変形が少ない材質を使うことが望ましい。
【0028】
断熱体150は、チャンバ101内部の熱の損失を防止する本然の断熱役割だけではなく、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間の空間151[
図4参照]に本体ヒーター250を配置することができる空間を提供する役割を果たし、後述する凝縮防止ガスインレット350を通じて供給される凝縮防止ガスn[
図4参照]が、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間の空間151にのみ隔離させて供給させる、いわゆる、遮断膜の役割もできる。
【0029】
断熱体150には、後述する本体100の一側面から他側面まで連通されるヒーター200が通過できるように、断熱体150の該当する部分には、ホール155が形成されている。
【0030】
ヒーター200は、チャンバ101の内部を加熱して基板プロセッシング雰囲気を組成し、基板10を直接加熱する役割を行うメインヒーター210、及びチャンバ101内部の熱損失を防止する役割を行うサブヒーター220を含みうる。
【0031】
メインヒーター210は、基板10のローディング/アンローディング方向と垂直に一定の間隔を置いて配され、基板10の積層方向に沿って垂直に一定の間隔を置いて配置される。サブヒーター220は、基板10のローディング/アンローディング方向と平行にチャンバ101内壁[または、断熱体150の内側面]に基板10の積層方向に沿って垂直に一定の間隔を置いて配置される。
【0032】
メインヒーター210は、複数個の発熱体211及びそれぞれの発熱体211の両端に設けられた端子212を含み、サブヒーター220も、同様に複数個の発熱体221及びそれぞれの発熱体221の両端に設けられた端子222を含みうる。発熱体211、221の個数は、本体100の大きさ、基板10の大きさ、及び個数によって多様に変更されうる。
【0033】
発熱体211、221は、本体100の一側面から他側面まで連通されるバー(bar)状を有し、石英管の内部に発熱物質が挿入された形態であり得る。一例として、メインヒーター210の発熱体211は、本体100の左側面から右側面まで連通され、サブヒーター220の発熱体221は、出入口115の部分を除いた本体100の前面から背面まで連通されうる。端子212、222は、外部の電源(図示せず)から電力を供給されて発熱体211、221で熱を発生させる。
【0034】
したがって、基板10は、上部及び下部に配されたヒーター200によって全面積が均一に加熱されるので、基板プロセッシング工程の信頼性が向上するという利点がある。
【0035】
本発明の基板プロセッシング装置は、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間の空間151に本体ヒーター250が配されることを特徴とする。
【0036】
本体ヒーター250は、チャンバ101の内部を加熱するよりは、本体100の内側面を加熱して、本体100の内壁の温度を調節する役割ができる。本体100の内壁の温度を調節することによって、後述する揮発性物質が本体100の内壁に凝縮されず、ガス状に存在させうる。望ましくは、本体ヒーター250は、本体100の内壁温度を50℃〜250℃に保持することができる。
【0037】
特に、六面体状の本体100では、エッジ部分に熱が不均一に伝われて揮発性物質が多く凝縮されるので、本体ヒーター250は、本体100のエッジ部分、または屈曲した部分に集中的に配置することが望ましい。それ以外に、本体100の内側面のうちから広い面積を有する上側面、下側面の部分に本体ヒーター250をさらに配置することもできる。
図1ないし
図3には、エッジ部分251以外にも、上側面の中央部に1つ(253)、下側面の中央部に3つ(255)の本体ヒーター250をさらに配置したものが示されている。
【0038】
本体ヒーター250は、ヒーター200と同様に、本体100の一側面から他側面まで連通されるバー状を有し、石英管の内部に発熱物質が挿入された形態であり、発熱体及び端子を含みうる。一例として、本明細書では、本体ヒーター250が基板10のローディング/アンローディング方向と垂直[メインヒーター210と同一方向]に配されると図示したが、基板10のローディング/アンローディング方向と平行[サブヒーター220と同一方向]に配置されることもある。
【0039】
一方、本体100の内側面と断熱体150の外側面との空間151に熱反射板(図示せず)をさらに配置して、本体ヒーター250の輻射熱を本体100の内側面に反射させることによって、本体100の内壁を効率的に加熱することができる。そして、熱反射板(図示せず)も、断熱体150と同様に、後述する凝縮防止ガスインレット350を通じて供給される凝縮防止ガスn[
図4参照]が、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間の空間151にのみ隔離させて供給させる、いわゆる、遮断膜の役割もできる。
【0040】
図4の(a)を参照すれば、ガスインレット300は、チャンバ101[または、本体100]の外部の一側面[一例として、左側面]に連結され、ガスアウトレット400は、チャンバ101[または、本体100]の外部の他側面[一例として、右側面]に連結されうる。
【0041】
ガスインレット300は、チャンバ101の内部に基板プロセッシングガスgを供給する通路を提供することができる。ガスインレット300は、ガス貯蔵部(図示せず)と連結されて基板プロセッシングガスgを供給されるガス流入管320、及びガス流入管320に垂直に一定の間隔を有するように複数個形成されたガス供給管310を含みうる。ガス供給管310は、本体100及び断熱体150を貫通してチャンバ101の内部に連結され、ガス供給管310の端部に形成された吐出孔311を通じて基板プロセッシングガスgがチャンバ101の内部に供給されうる。ガス供給管310と本体100との間は、所定のシーリングが行われる。
【0042】
ガスアウトレット400は、チャンバ101内部の基板プロセッシングガスgを外部に排出する通路を提供することができる。ガスアウトレット400は、外部のガス排出部(図示せず)と連結されて基板プロセッシングガスgを排出するガス流出管420、及びガス流出管420に垂直に一定の間隔を有するように複数個形成されたガス排出管410を含みうる。ガス排出管410は、本体100及び断熱体150を貫通してチャンバ101の内部に連結され、ガス排出管410の端部に形成された排出孔411を通じてガスがチャンバ101の内部から外部に排出されうる。ガス排出管410と本体100との間は、所定のシーリングが行われる。
【0043】
吐出孔311[または、ガス供給管310]及び排出孔411[または、ガス排出管410]は、複数個の基板10がチャンバ101に収容された時、基板プロセッシングガスgを基板10に均一に供給し、基板プロセッシングガスgを容易に吸い込んで外部に排出できるように、チャンバ101内に配された基板10と上部または下部に隣接する基板10との間隔にそれぞれ位置されることが望ましい。
【0044】
一方、
図1ないし
図4を再び参照すれば、本発明の基板プロセッシング装置は、凝縮防止ガスnを供給する凝縮防止ガスインレット350が本体100の少なくとも外部の一側面にさらに連結されることを特徴とする。特に、本体100の内側面の全範囲に均一に凝縮防止ガスnを供給できるように、凝縮防止ガスインレット350は、ガスインレット300及びガスアウトレット400が連結される本体100の両側面に連結350a、350bされることが望ましい。
【0045】
図4の(b)を参照すれば、凝縮防止ガスインレット350は、本体100の内側面と断熱体150の外側面との間の空間151に凝縮防止ガスnを供給する通路を提供することができる。凝縮防止ガスインレット350は、凝縮ガス貯蔵部(図示せず)と連結されて凝縮防止ガスnを供給される凝縮防止ガス流入管355、及び凝縮防止ガス流入管355に垂直に一定の間隔を有するように複数個形成された凝縮防止ガス供給管351を含みうる。凝縮防止ガス供給管351は、本体100を貫通して本体100と断熱体150との間の空間151に連結されうる。すなわち、凝縮防止ガス供給管351の一端部は、凝縮防止ガス流入管355に連結され、他端部は、本体100と断熱体150との間の空間151に配されることが望ましい。これにより、凝縮防止ガスnは、本体100と断熱体150との間の空間151に供給されうる。
【0046】
凝縮防止ガスnは、チャンバ101の内部を加熱するよりは、本体ヒーター250と同様に本体100の内側面を加熱して、本体100の内壁の温度を調節する役割ができる。望ましくは、凝縮防止ガスnは、本体100の内壁温度を50℃〜250℃に保持することができる。
【0047】
本体ヒーター250は、設けられた部分(エッジ、上側面、下側面など)に対して迅速に温度制御が可能な利点があるが、一方、凝縮防止ガスnは、本体100と断熱体150との間の空間151に対して全体的に均一に本体100の内壁の温度を調節することができるという利点がある。凝縮防止ガスnは、ホット窒素(Hot−N
2)であることが望ましいが、基板プロセッシングに影響を与えず、後述する揮発性物質の凝縮を防止することができるならば、他のガスを制限なしに使うことができる。
【0048】
図1ないし
図4を再び参照すれば、本発明の基板プロセッシング装置は、本体100の外側面に配されて本体壁の温度を制御する温度コントローラ500を含むことを特徴とする。
【0049】
温度コントローラ500は、本体壁の外側面に隣接するか、所定の距離ほど離隔して配され、内部に熱媒または冷媒が流れるパイプなどをジグザグに反るように配置することが望ましい。温度コントローラ500は、基板プロセッシング工程中に基板10上で揮発される物質、チャンバ101に供給または排出される物質などが本体100の内壁に凝縮されないように、本体100の内壁温度を所定の温度に保持する役割ができる。望ましくは、本体100の内壁温度を50℃〜250℃に保持することができる。
【0050】
温度コントローラ500は、本体壁の上部側510、左右側(520:520a、520b)、下部側530、及び前後側のドア540、550に配されうるが、本体100の内壁温度を所定の温度に保持する本発明の目的に達成される範囲内で、本体100の一部外側面には、温度コントローラ500の配置が省略されることもある。
【0051】
本発明の基板プロセッシング装置が、フレキシブル表示装置に使われるフレキシブル基板10を処理することを例として想定すれば、この際、基板プロセッシング過程で本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350、温度コントローラ500の機能を具体的に説明すれば、下記のようである。
【0052】
一般的に、フレキシブル基板10の製造過程は、ノンフレキシブル基板上にフレキシブル基板を形成する工程、フレキシブル基板にパターンを形成する工程、及びノンフレキシブル基板でフレキシブル基板を分離する工程に分けられうる。
【0053】
フレキシブル基板は、ガラス、プラスチックなどのノンフレキシブル基板上にポリイミド(Polyimide)などで構成される膜を形成し、熱処理を行って硬化させた後、ノンフレキシブル基板とフレキシブル基板とを粘着する物質に溶媒を注入して粘着力を弱化させるか、粘着物質を分解してフレキシブル基板をノンフレキシブル基板から分離して完成することができる。
【0054】
この際、注入する溶媒成分またはフレキシブル基板の形成過程中にフレキシブル基板に含まれていた溶媒成分が揮発されて、ガスアウトレット400を通じて本体100の外部に排出されうるが、本体100の外部と本体100の内部との温度及び圧力の差のために、本体100内壁の所定の部分は、前記物質が揮発されず、凝縮されるほどに本体100内壁の温度が低く形成されている。結局、本体100内壁に凝縮された溶媒成分は、本体100を汚染させるか、後続工程で基板10を汚染させる問題点が発生する恐れがある。したがって、本発明の基板プロセッシング装置は、溶媒を含んだ本体100内のガスが本体100内壁に凝縮されず、ガス状にいずれも外部に排出されるように、本体100内壁の温度をガスが凝縮されないほどに保持することを特徴とする。
【0055】
一例として、基板10上に含まれていた物質は、溶媒のような揮発性物質であって、50℃〜250℃で気化される物質であり得る。このような物質は、望ましくは、NMP(n−methyl−2−pyrrolidone)であり、IPA、アセトン(Acetone)、PGMEA(Propylene Glycol Monomethyl Ether Acetate)などの揮発性物質でもあり得る。
【0056】
前記物質が本体100の内部で凝縮されず、ガス状を保持して排出させるために、本体100の内壁の温度を前記物質が気化することができる温度に保持しなければならないということはいうまでもない。このために、本体ヒーター250、温度コントローラ500を使い、さらに凝縮防止ガスインレット350をさらに連結することができる。温度コントローラ500には、本体壁ヒーティングモジュール600と本体壁クーリングモジュール700とを連結することができる。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態による温度コントローラ500の動作を示す概略図である。
【0058】
図5を参照すれば、温度コントローラ500、本体壁ヒーティングモジュール600、及び本体壁クーリングモジュール700の中間には、3方弁(3 way valve;3WV)が設けられることもある。本体壁ヒーティングモジュール600は、冷却水(Process Cooling Water、PCW)の温度を瞬間的に上げることができる熱交換器を含み、冷却水を加熱して供給する装置と理解され、本体壁クーリングモジュール700は、冷却水を供給する装置と理解されうる。
【0059】
一例として、基板プロセッシング工程時には、チャンバ101[または、本体100]内部の基板プロセッシング温度が80℃から150℃、150℃から250℃、250℃から350℃などに段階的に上昇することができる。基板プロセッシング初期には、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が80℃程度であるために、本体100の内壁の温度は、相対的にさらに低い60〜80℃未満であり、蒸発帯域を80〜150℃程度に有する揮発性物質の1つであるNMPは、本体100内壁に凝縮される可能性が高い。したがって、基板プロセッシング初期には、3方弁(3WV)を制御して本体壁ヒーティングモジュール600から温度コントローラ500に冷却水を加熱して供給することによって(P1)、本体壁の温度をNMPの最小蒸発帯域である80℃以上に保持することができる。または、本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350のうち少なくとも1つを制御して、本体壁の温度をNMPの最小蒸発帯域である80℃以上に保持することができる。もちろん、本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350、及び温度コントローラ500を組み合わせて使うことも可能である。
【0060】
チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃以下である場合には、本体壁ヒーティングモジュール600を作動させ、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃を超過すれば、3方弁(3WV)を制御して本体壁クーリングモジュール700から温度コントローラ500に冷却水を供給することによって(P2)、本体壁の温度をNMPの最小蒸発帯域である80℃以上に保持することができる。もちろん、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃を超過すれば、敢えて温度コントローラ500に冷却水を供給しないとしても、本体壁の温度が80℃以上になりうるが、本体壁の温度が過度に上昇して揮発性物質の蒸発帯域である80〜250℃を超えるようになれば、本体壁の反り、破損問題が発生するので、本体壁クーリングモジュール700を通じて温度コントローラ500に適切に冷却水を供給することが必要である。言い換えれば、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃以下であれば、本体壁ヒーティングモジュール600を作動させ、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃を超過すれば、本体壁クーリングモジュール700を作動させ、本体100の内壁の温度を50℃〜250℃に保持することができる。
【0061】
または、本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350のうち少なくとも1つを制御して本体壁の温度を50℃〜250℃に保持することができる。一例として、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃以下であれば、本体ヒーター250または凝縮防止ガスインレット350のうち少なくとも1つを作動させ、チャンバ101内部の基板プロセッシング温度が300℃を超過すれば、本体ヒーター250または凝縮防止ガスインレット350のうち少なくとも1つの作動を中止するか、本体ヒーター250が発生させる熱を減少させるか、凝縮防止ガスインレット350で供給する凝縮防止ガスnの温度を低めることによって、本体100の内壁の温度を50℃〜250℃に保持することができる。
【0062】
本体ヒーター250と凝縮防止ガスインレット350は、温度コントローラ500を使うよりも、本体壁の温度を迅速に制御することができるので、本体100内壁に揮発性物質の凝縮をさらに効果的に防止することができる。もちろん、本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350、及び温度コントローラ500を組み合わせて使うことも可能である。
【0063】
このように、本発明の基板プロセッシング装置は、本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350、及び温度コントローラ500を備えて、本体100内壁を所定の温度(すなわち、ガスの蒸発温度)に保持して本体100内壁にガスが凝縮されないようにする利点がある。また、本体100内壁にガスが凝縮されず、本体100の外部にいずれも排出されうるので、本体100内壁が汚染されず、製品の信頼性及び収率を増大させることができる利点がある。
【0064】
一方、本発明の基板プロセッシング装置は、凝縮されたガスを排出するための手段をさらに備えることができる。以下、
図6及び
図7を参照して説明する。
【0065】
図6は、本発明の一実施形態によるガスインレット300及びガスアウトレット400を示す断面図である。
図6の(a)は、ガスインレット300、
図6の(b)は、ガスアウトレット400を示す。
【0066】
本体100の内壁は、本体ヒーター250、凝縮防止ガスインレット350、及び温度コントローラ500によってガスの凝縮が防止されるが、本体100の外部の一側面[一例として、左側面]及び外部の他側面[一例として、右側面]に連結されたガスインレット300とガスアウトレット400の部分は、外部の低い温度の影響を受けてガスが容易に凝縮されうる。凝縮されたガスは、ガスインレット300のガス供給管310またはガス流入管320の内側に凝縮されていながら、基板プロセッシング工程時に基板プロセッシングガスgの供給と共に、チャンバ101の内部に吐き出されながら、基板10の汚染を発生する問題点がある。
【0067】
したがって、
図6の(a)に示したように、ガスインレット300は、凝縮されたガス[または、凝縮された揮発性物質]を排出することができるドレインポート(drain port)330をさらに備えることができる。ドレインポート330は、単に凝縮された液状の物質を流れ出す通路でもあり、ポンプ(図示せず)などと連結されて空気を吸い込むことができるサクション(suction)機能を備えることもできる。ガス供給管310を通じてガスgを供給し、ガスインレット300の内部で凝縮されたガスなどは、ドレインポート330を通じて排出(d)することができる。
【0068】
ガスアウトレット400も、ガスインレット300と同様にガス排出管410にドレインポート(図示せず)が連結された構成を有しうる。
【0069】
一方、
図6の(b)に示したように、ガスアウトレット400は、チャンバ101内部のガスgを外部に排出する役割を行うので、別途にドレインポート(図示せず)を備える必要なしに、ガス排出管410の端部430がドレインポートの役割を兼ねることができるように、チャンバ101内部のガスgを外部に排出すると共に、ガスアウトレット400の内部で凝縮されたガスなどを外部に共に排出(d)することができる。
【0070】
図7は、本発明の一実施形態による基板プロセッシング装置に物質排出ホール(hole;130:130a、130b、130c、130d)が形成された形態を示す斜視図である。
【0071】
図7を参照すれば、本体100の少なくとも一側面、具体的には、
図6を参照して説明したガスインレット300及びガスアウトレット400が配される本体100の左側面及び右側面を除いた側面に複数個の物質排出ホール(130:130a、130b、130c、130d)が形成されうる。物質排出ホールは、外部に配されたポンピング手段(図示せず)に連結されて本体100内壁に凝縮された物質を効果的に排出することができる。
【0072】
複数個の物質排出ホール130を通じて、本体100内壁にガスが凝縮される状況が発生するとしても、物質排出ホール130を通じて外部に放出することによって、本体100内壁の汚染をさらに効果的に防止し、製品の信頼性及び収率をより増大させることができる利点がある。
【0073】
本発明は、前述したように、望ましい実施形態を挙げて図示して説明したが、前記実施形態に限定されず、本発明の精神を外れない範囲内で当業者によって多様な変形と変更とが可能である。そのような変形例及び変更例は、本発明と添付の特許請求の範囲内に属するものと認めなければならない。