特開2016-171897(P2016-171897A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-171897(P2016-171897A)
(43)【公開日】2016年9月29日
(54)【発明の名称】飲料容器傾斜具
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20160902BHJP
   A47G 23/02 20060101ALI20160902BHJP
   B65D 25/28 20060101ALI20160902BHJP
【FI】
   A61G12/00 D
   A47G23/02 B
   B65D25/28 106Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-53158(P2015-53158)
(22)【出願日】2015年3月17日
(11)【特許番号】特許第5844926号(P5844926)
(45)【特許公報発行日】2016年1月20日
(71)【出願人】
【識別番号】315002759
【氏名又は名称】谷 和麻
(74)【法定代理人】
【識別番号】315002748
【氏名又は名称】谷 日鶴
(72)【発明者】
【氏名】谷 和麻
【テーマコード(参考)】
3B115
3E062
4C341
【Fターム(参考)】
3B115AA17
3B115BB22
3B115DA09
3B115DA11
3E062AA04
3E062AA09
3E062AA10
3E062AB02
3E062BA02
3E062HA02
3E062HB02
3E062HC17
3E062HD14
3E062HD25
4C341LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新しい飲料容器を購入することなく、手の力の弱い使用者でも両手で安定的に把持しながら飲料容器を傾けて飲料を飲むことができる飲料容器傾斜具を提供する。
【解決手段】飲料容器傾斜具10は、連結部材3で連結される左右略対称な一対の挟持部1,2を有し、挟持部にはそれぞれ、利用者が手指により把持可能な略フック形状をなす取手部4と、挟持した飲料容器の滑りを抑制する滑り止め部材6とが設けられ、利用者が手指により飲料容器を挟持している挟持部の取手部を把持して、飲料容器を傾けながら飲料を飲むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結部材で連結される左右略対称な一対の挟持部を有し、
前記挟持部にはそれぞれ、
使用者が手指により把持可能な略フック形状をなす取手部と、
挟持した飲料容器の滑りを抑制する滑り止め部材とが設けられ、
前記使用者が手指により前記飲料容器を挟持している前記挟持部の前記取手部を把持して、前記飲料容器を傾けながら飲料を飲むことができる飲料容器傾斜具。
【請求項2】
前記挟持部にはそれぞれ、
前記挟持部で前記飲料容器を挟持した際に、前記飲料容器の取手部分を収納するスペースが設けられる請求項1記載の飲料容器傾斜具。
【請求項3】
前記挟持部にはそれぞれ、
前記挟持部で前記飲料容器を挟持した後に、前記取手部を回転させて前記取手部の上部側が前記使用者側と対向する側へ傾くようにするための回転機構が設けられる請求項1又は請求項2に記載の飲料容器傾斜具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両手で安定的に把持しながら飲料容器を傾けて飲料を飲むことができる飲料容器傾斜具に関する。
【背景技術】
【0002】
手の力の弱い者は飲料容器としての取手のない普通のコップを使用することが困難な場合が多く、飲料を容易に飲むことができない。
介護現場などでは従来、上記した問題を解決するために、介護者が持ちやすい飲料容器を使用することで、手の力の弱い被介護人が飲料を飲むことを実現していた。
【0003】
関連技術として、介護者の手指による使用が安定した状態で行うことができる被介護人に対して使用する介護用コップが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3036402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の関連技術は、介護者が手の力の弱い被介護人に飲料を提供する必要があり、働き手の少ない介護現場では適さない場合が多い。また、今まで被介護人が使用していた飲料容器をそのまま使用できず、上記の介護用コップのような新しい飲料容器を購入しなければならないという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、新しい飲料容器を購入することなく、手の力の弱い使用者でも両手で安定的に把持しながら飲料容器を傾けて飲料を飲むことができる飲料容器傾斜具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飲料容器傾斜具は、連結部材で連結される左右略対称な一対の挟持部を有し、挟持部にはそれぞれ、使用者が手指により把持可能な略フック形状をなす取手部と、挟持した飲料容器の滑りを抑制する滑り止め部材とが設けられ、使用者が手指により飲料容器を挟持している挟持部の取手部を把持して、飲料容器を傾けながら飲料を飲むことができる。
このように構成することにより、左右略対称な一対の挟持部で飲料容器を挟持した状態で、使用者が手指により取手部を把持して、あたかも左右の取手が付属させられたようなイメージで、手の力の弱い使用者でも両手で安定的に把持しながら飲料容器を傾けて飲料を飲むことができる。
【0008】
また、挟持部にはそれぞれ、挟持部で飲料容器を挟持した際に、飲料容器の取手部分を収納するスペースが設けられることであってもよい。
このように構成することにより、取手部分を有する飲料容器であっても、飲料容器傾斜具を使用する際に、当該取手部分が邪魔にならずに円滑な使用を実現することができる。
【0009】
また、挟持部にはそれぞれ、挟持部で飲料容器を挟持した後に、取手部を回転させて取手部の上部側が使用者側と対向する側へ傾くようにするための回転機構が設けられることであってもよい。
このように構成することにより、手の力の弱い使用者が手を僅かに動かすだけで飲料容器を傾けて飲料を飲むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、新しい飲料容器を購入することなく、手の力の弱い使用者でも両手で安定的に把持しながら飲料容器を傾けて飲料を飲むことができる飲料容器傾斜具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る飲料容器傾斜具の構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る飲料容器傾斜具の正面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る飲料容器傾斜具の一対の挟持部が開いた状態の斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る飲料容器傾斜具の飲料容器を挟持した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係る飲料容器傾斜具の使用方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る飲料容器傾斜具の構成を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態に係る飲料容器傾斜具の正面図である。
【0013】
図1及び図2を参照すると、本実施形態の飲料容器傾斜具10は、左右略対称な一対の挟持部1と挟持部2を備えている。挟持部1及び挟持部2は、プラスチック等の軽い材質からなり、高さ寸法は約6cmであり、幅寸法は約21cmであり、奥行き寸法は約6cmである。上記のサイズであることから、通常の家庭用のコップ等の飲料容器20を用意かつ確実に挟持することができる。
【0014】
挟持部1及び挟持部2には、連結部材としての2本のばね3を通すための穴部がそれぞれ設けられており、ばね3により連結されている。ばね3の弾性力により挟持部1及び挟持部2が開閉状態に遷移可能で、飲料容器20を挟持することができる(図3も参照)。ばね3の数は2本に限定されず、また連結部材としては、挟持部1及び挟持部2を開閉状態に遷移可能とするものであれば、ばね以外の種々の機構が適用可能である。
【0015】
挟持部1及び挟持部2には、使用者が手指により把持可能に略フック形状をなす取手部4がそれぞれ取り付けられている。プラスチック等の軽い材質からなり、高さ寸法は約7cmであり、幅寸法は約3cmであり、奥行き寸法は約3cmである。略フック形状であることで、使用者が手指により把持することが容易となっている。
【0016】
挟持部1及び挟持部2には、取手部4を回転させる回転機構としての多回転用ダイヤル5がそれぞれ取り付けられている。プラスチック等の軽い材質からなり、直径は約4cmであり、厚み寸法は約0.5cmである。無段階で調整可能な回転式のノッチレスダイヤルやノッチ式ダイヤルであってよく、所定のダイヤル位置で取手部4を固定可能な機構を備えている。
【0017】
挟持部1及び挟持部2には、挟持する飲料容器20の側面が当接する湾曲した深さ寸法が約1cmの凹部がそれぞれ形成されており、その凹部の表面には挟持する飲料容器20の滑りを抑制するための滑り止め部材としてのゴムシート6が貼着されている。ゴムシート6の厚み寸法は約0.2cmである。ゴムシートに限らず滑り止めの機能を果たすものであれば種々のものが適用可能である。
【0018】
以下、本実施形態の飲料容器傾斜具10使用方法の一例を説明する。
ここでは、手の力の弱い被介護人を使用者とする。
【0019】
まず、図3に示すように、所定のテーブルの上などに飲料容器傾斜具10を載置して、挟持部1及び挟持部2をばね3の弾性力に抗った開状態にする。
【0020】
次に、図4に示すように、飲料の入った飲料容器20を挟持部1及び挟持部2の間に位置させた後に、挟持部1及び挟持部2をばね3の弾性力により閉状態へ遷移させると、ゴムシート6が貼着された凹部が飲料容器20の側面に当接して、滑らないようにしっかりとグリップしながら、飲料容器20を挟持部1及び挟持部2により挟持することとなる。
このとき、飲料容器20に取手部分が有る場合には、その取手部分を収納するスペースが挟持部1の突起部により挟持部1及び挟持部2の間に隙間が形成されることにより設けられる。使用者が日常的に愛用していたカップ等が取手部分を有する飲料容器20であっても、当該取手部分が邪魔になって飲料容器傾斜具10を使用することができない、という事態が回避されている。
【0021】
そして、図5(a)に示すように、使用者が飲料容器傾斜具10の左右の取手部4をそれぞれ左右の手指により把持して、飲料容器20を飲料容器傾斜具10により挟持したままの状態で飲料容器傾斜具10を持ち上げる。
【0022】
そのまま、図5(b)に示すように、使用者の口元まで飲料容器20を挟持した飲料容器傾斜具10を持っていき、左右の取手部4をそれぞれ左右の手指により把持した状態で、飲料容器20を傾斜させながら中に入っている飲料を飲む。
このように、あたかも飲料容器20に左右の取手が付属させられたようなイメージで、手の力の弱い使用者であっても両手で安定的に把持しながら飲料容器20を傾ける動作を実施することができる。また、中に入っている飲料が高温で飲料容器20が熱くなっている場合でも安全に飲料容器20を傾ける動作を実施することができる。さらに、手の力の弱い使用者の腕の運動にもなり筋力アップなどの効果も奏する。
【0023】
なお、上記の図4に示す、飲料容器20を挟持部1及び挟持部2により挟持した段階で、多回転用ダイヤル5によりそれぞれの取手部4を回転させて、それぞれの取手部4の上部側が使用者側と対向する側(図4中の左側)へ傾く(例えば角度30度)ようにすることであってもよい。
このようにすると、図5における、使用者の口元まで飲料容器20を挟持した飲料容器傾斜具10を持っていき、左右の取手部4をそれぞれ左右の手指により把持した状態で、飲料容器20を傾けながら中に入っている飲料を飲む際に、手を僅かに動かすだけで飲料容器20を中に入っている飲料を飲むことが可能な角度まで傾けることができる。手の力の弱い使用者にとっては利便性が高くなる。
【0024】
飲料容器20を挟持した飲料容器傾斜具10の使用後は、挟持部1及び挟持部2をばね3の弾性力に抗った開状態にして、飲料容器20を解放する。
【0025】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、各構成部分の大きさや形状を含む種々の変更が加えられて実施されてよい。
【符号の説明】
【0026】
1、2 挟持部
3 ばね
4 取手
5 多回転用ダイヤル
6 ゴムシート
10 飲料容器傾斜具
20 飲料容器
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2015年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結部材で連結される左右略対称な一対の挟持部を有し、
前記挟持部にはそれぞれ、
使用者が手指により把持可能な略フック形状をなす取手部と、
挟持した飲料容器の滑りを抑制する滑り止め部材とが設けられ、
前記使用者が手指により前記飲料容器を挟持している前記挟持部の前記取手部を把持して、前記飲料容器を傾けながら飲料を飲むことができる飲料容器傾斜具であって、
前記挟持部にはそれぞれ、
前記挟持部で前記飲料容器を狭持した際に、前記飲料容器の取手部分を収納するスペースが設けられ、
前記挟持部にはそれぞれ、
前記挟持部で前記飲料容器を挟持した後に、前記取手部を回転させて前記取手部の上部側が前記使用者側と対向する側へ傾くようにするための回転機構が設けられる飲料容器傾斜具。