特開2016-173128(P2016-173128A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-173128(P2016-173128A)
(43)【公開日】2016年9月29日
(54)【発明の名称】ポジショナ
(51)【国際特許分類】
   F15B 5/00 20060101AFI20160902BHJP
   G01F 1/36 20060101ALI20160902BHJP
【FI】
   F15B5/00 C
   G01F1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-53071(P2015-53071)
(22)【出願日】2015年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 和久
【テーマコード(参考)】
2F030
3H086
【Fターム(参考)】
2F030CA04
2F030CC11
2F030CD15
3H086CA09
3H086CB01
3H086CB04
3H086CC26
(57)【要約】
【課題】気体流量計を内蔵することなく、電空変換部からの調節弁の操作器への空気圧の流路と内蔵された圧力センサ、温度センサを利用して、電空変換部から調節弁の操作器への空気の流量をポジショナの内部で計測する。
【解決手段】出力空気回路LOUTの上流側に温度センサ15と圧力センサ17とを設置し、出力空気回路LOUTの下流側に温度センサ16と圧力センサ18とを設置する。制御部11に流量計測部11−2を設け、温度センサ15,16が計測する空気の温度T1,T2および圧力センサ17,18が計測する空気の圧力P1,P2に基づいて、Q=C・A・(2P/δ)1/2なる基本式を用いて、出力空気回路LOUTを流れる空気の流量を求める。なお、Cは流出係数、Aは流路の断面積、PはP1とP2との差圧、δは平均空気密度。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差に応じた電気信号を制御出力として出力する制御部と、この制御部からの制御出力を空気圧に変換し前記調節弁の操作器へ出力する電空変換部と、前記電空変換部からの前記調節弁の操作器への空気圧の流路とされる出力空気回路とを備えたポジショナにおいて、
前記制御部は、
前記出力空気回路の上流側の空気の温度および圧力と下流側の空気の温度および圧力とに基づいて前記出力空気回路を流れる空気の流量を求める流量計測部
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項2】
請求項1に記載されたポジショナにおいて、
前記流量計測部は、
前記出力空気回路の上流側の空気の圧力と下流側の空気の圧力との差圧をPとし、前記出力空気回路を流れる空気の平均空気密度をδとし、前記出力空気回路を流れる空気の流路の断面積をAとし、前記出力空気回路の流れ易さを示す流出係数をCとし、下記(1)式を基本式として前記出力空気回路を流れる空気の流量Qを求める
ことを特徴とするポジショナ。
Q=C・A・(2P/δ)1/2 ・・・・(1)
【請求項3】
請求項2に記載されたポジショナにおいて、
前記流量計測部は、
前記出力空気回路の上流側の空気の温度と圧力とに基づいて前記出力空気回路の上流側の空気の密度を求め、前記出力空気回路の下流側の空気の温度と圧力とに基づいて前記出力空気回路の下流側の空気の密度を求め、この求めた上流側の空気の密度と下流側の空気の密度との平均値を前記出力空気回路を流れる空気の平均空気密度δとする
ことを特徴とするポジショナ。
【請求項4】
請求項1に記載されたポジショナにおいて、
前記流量計測部は、
前記上流側の空気の温度および前記下流側の空気の温度として前記ポジショナの庫内温度を代用する
ことを特徴とするポジショナ。
【請求項5】
請求項1に記載されたポジショナにおいて、
前記流量計測部は、
前記上流側の空気の温度および前記下流側の空気の温度として外気温度を代用する
ことを特徴とするポジショナ。
【請求項6】
請求項1に記載されたポジショナにおいて、
前記出力空気回路の上流側の空気の温度を計測する第1の温度センサと、
前記出力空気回路の下流側の空気の温度を計測する第2の温度センサと、
前記出力空気回路の上流側の空気の圧力を計測する第1の圧力センサと、
前記出力空気回路の下流側の空気の圧力を計測する第2の圧力センサと
を備えることを特徴とするポジショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調節弁の開度を制御するポジショナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、流体が流れる管路に設けられる調節弁に対してポジショナを取り付け、このポジショナによって調節弁の開度を制御するようにしている。
【0003】
このポジショナは、上位装置から送られてくる弁開度設定値と調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に所定の演算を施して得られる電気信号を制御出力として出力する制御部と、この制御部からの制御出力を空気圧信号に変換する電空変換器と、この電空変換器が変換した空気圧信号を増幅し調節弁の操作器へ出力するパイロットリレーとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図2に従来のポジショナの要部の構成を示す。同図において、1はポジショナ、2は調節弁であり、調節弁2にはその弁開度(バルブの開度)を検出する開度センサ3が設けられている。ポジショナ1は、制御部11と、電空変換器(EPM)12と、パイロットリレー13とを備えており、開度センサ3が検出する調節弁2の弁開度が実開度値θpvとして制御部11へフィードバックされるようになっている。
【0005】
ポジショナ1において、制御部11は、上位装置(図示せず)からの弁開度設定値θspと開度センサ3からの実開度値θpvとの偏差を求め、この偏差にPID制御演算を施して得られる電気信号を制御出力MVとして出力する。
【0006】
電空変換器12は、制御部11からの制御出力MVを空気圧信号(ノズル背圧)Pnに変換する。パイロットリレー13は、電空変換器12からの空気圧信号Pnを増幅し、空気圧Poとして調節弁2の操作器2aへ出力する。これにより、操作器2a内のダイアフラム室に空気圧Poの空気が流入し、調節弁2のバルブ2bの開度が調整される。
【0007】
なお、このポジショナ1において、電空変換器12とパイロットリレー13とによって、制御部11からの制御出力MVを調節弁2への空気圧(出力空気圧)Poに変換する電空変換部14が構成されている。また、電空変換器12およびパイロットリレー13には、外部からの供給空気圧(計装空気)Psが供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭62−28118号公報
【特許文献2】特開平9−210858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ポジショナにおいて、操作器の開度制御を行う上で、操作器に供給される空気圧力と空気回路を実際に流れる空気が設計で決められた流量を満たすことは性能上必須である。例えば、図2に示したポジショナ1では、パイロットリレー13から増幅された空気圧Poとされた空気が調節弁2の操作器2aに送り込まれるが、この送り込まれる空気の流量が不足する或いは、時間的遅れを伴うと、空気圧Poの制御性が悪化し、操作器に適切なバルブの開度制御が担保されない。そのため、ポジショナ1内の空気回路を流れる空気の流量を、すなわちパイロットリレー13から調節弁2の操作器2aへの空気の流量を、ポジショナ1内で計測することが望まれる。
【0010】
この場合、代表的な気体流量計として、面積流量計、差圧流量計、超音波流量計、渦電流計、熱式質量流量計などをポジショナに内蔵することが考えられる。しかし、このような気体流量計をポジショナに内蔵する場合、サイズが大きい、消費電力が大きい、絞り機構を設置する必要がある、流量抵抗が大きい、指定された直管部を設置する必要がある、コストが掛かる等、何れかの問題があり、現実的にはポジショナに気体流量計を内蔵することは困難である。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、気体流量計を内蔵することなく、電空変換部からの調節弁の操作器への空気圧の流路を利用して、電空変換部から調節弁の操作器への空気の流量をポジショナの内部で計測することが可能なポジショナを提供することにある。
【0012】
このような目的を達成するために本発明は、上位装置から送られてくる弁開度設定値と調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差に応じた電気信号を制御出力として出力する制御部と、この制御部からの制御出力を空気圧に変換し調節弁の操作器へ出力する電空変換部と、電空変換部からの調節弁の操作器への空気圧の流路とされる出力空気回路とを備えたポジショナにおいて、制御部は、出力空気回路の上流側の空気の温度および圧力と下流側の空気の温度および圧力とに基づいて出力空気回路を流れる空気の流量を求める流量計測部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明において、制御部は流量計測部を備えており、流量計測部は、電空変換部からの調節弁の操作器への空気圧の流路(出力空気回路)の上流側の空気の温度および圧力と下流側の空気の温度および圧力とに基づいて、その流路(出力空気回路)を流れる空気の流量を求める。
【0014】
例えば、本発明において、流量計測部は、出力空気回路の上流側の空気の圧力と下流側の空気の圧力との差圧をPとし、出力空気回路を流れる空気の平均空気密度をδとし、出力空気回路を流れる空気の流路の断面積をAとし、出力空気回路の流れ易さを示す流出係数をCとし、下記(1)式を基本式として出力空気回路を流れる空気の流量Qを求める。
Q=C・A・(2P/δ)1/2 ・・・・(1)
【0015】
本発明において、出力空気回路を流れる空気の流量Qを上記(1)式によって求める場合、出力空気回路を流れる空気の平均空気密度δは、例えば次のようにして求める。出力空気回路の上流側の空気の温度と圧力とに基づいて出力空気回路の上流側の空気の密度を求め、出力空気回路の下流側の空気の温度と圧力とに基づいて出力空気回路の下流側の空気の密度を求め、この求めた上流側の空気の密度と下流側の空気の密度との平均値を出力空気回路を流れる空気の平均空気密度δとする。
【0016】
本発明において、上流側の空気の温度および下流側の空気の温度はポジショナの庫内温度を代用するようにしてもよく、外気温度を代用するようにしてもよい。また、上流側の空気の温度を下流側の空気の温度として代用したり、下流側の空気の温度を上流側の空気の温度として代用したりするようにしてもよい。
【0017】
なお、ポジショナの外部に空気流量計測手段を設けて、そこでポジショナ内の空気回路を流れる空気の流量を計測するように構成したものが特許文献2に示されている。この特許文献2に示された空気流量計測手段は、フィードバックセンサが検出したパイロットリレーの出力側の空気の圧力と、弁軸変位検出手段が検出した弁軸変位とにより、操作器に送り込まれる空気の供給量を計測する。この特許文献2に示された空気流量計測手段は、ポジショナにおける供給空気の増幅性能を評価するために空気流量計測手段を用いるものであり、評価した後はポジショナから空気流量計測手段は取り外される。すなわち、ポジショナの内部で空気流量を計測するようにしてはいない。また、空気流量の計測に用いる情報は、パイロットリレーの出力側の空気の圧力と、弁軸変位すなわち調節弁の開度情報であり、空気の流量計測に用いる情報も異なっており、本発明を何ら示唆するものではない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電空変換部からの調節弁の操作器への空気圧の流路(出力空気回路)の上流側の空気の温度および圧力と下流側の空気の温度および圧力とに基づいて、その流路(出力空気回路)を流れる空気の流量を求めるようにしたので、気体流量計を内蔵することなく、電空変換部からの調節弁の操作器への空気圧の流路を利用して、電空変換部から調節弁の操作器への空気の流量をポジショナの内部で計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るポジショナの一実施の形態の要部を示す図である。
図2】従来のポジショナの要部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明に係るポジショナの一実施の形態の要部を示す図である。同図において、図2と同一符号は図2を参照して説明した構成要素と同一或いは同等の構成要素を示し、その説明は省略する。
【0022】
このポジショナ1では、パイロットリレー13への供給空気圧(計装空気)Psの入力側の空気の流路を入力空気回路LINとし、パイロットリレー13からの調節弁2の操作器2aへの空気圧Poの出力側の空気の流路を出力空気回路LOUTとし、出力空気回路LOUTの上流側(出力空気回路LOUTの開始位置)に第1の温度センサ15と第1の圧力センサ17とを設置し、出力空気回路LOUTの下流側(出力空気回路LOUTの終端位置)に第2の温度センサ16と第2の圧力センサ18とを設置している。以下、本実施の形態のポジショナ1を1Aとし、図2に示した従来のポジショナ1(1B)と区別する。
【0023】
このポジショナ1Aにおいて、第1の温度センサ15は出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1を計測し、第2の温度センサ16は出力空気回路LOUTの下流側の空気の温度T2を計測する。第1の圧力センサ17は出力空気回路LOUTの上流側の空気の圧力P1を計測し、第2の圧力センサ18は出力空気回路LOUTの下流側の空気の圧力P2を計測する。
【0024】
また、このポジショナ1Aにおいて、制御部11は、開度制御部11−1と流量計測部11−2とを備えている。制御部11は、マイクロプロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。以下、このポジショナ1Aにおける制御部11を11Aとし、従来のポジショナ1Bにおける制御部11(11B)と区別する。
【0025】
このポジショナ1Aにおいて、制御部11Aの開度制御部11−1は、上位装置(図示せず)からの弁開度設定値θspと開度センサ3からの実開度値θpvとの偏差を求め、この偏差にPID制御演算を施して得られる電気信号を制御出力MVとして出力する。
【0026】
電空変換器12は、制御部11Aの開度制御部11−1からの制御出力MVを空気圧信号(ノズル背圧)Pnに変換する。パイロットリレー13は、電空変換器12からの空気圧信号Pnを調圧し、空気圧Poとして調節弁2の操作器2aへ出力する。すなわち、入力空気回路LINからの供給空気圧(計装空気)Psを調圧して空気圧Poとし、この空気圧Poとされた空気を出力空気回路LOUTを通して調節弁2の操作器2aへ供給する。この調節弁2の操作器2aへの空気の供給に際し、空気回路の流体抵抗から出力空気回路LOUTの管路にはエネルギー損失(圧力損失)が生じる。図1では、この出力空気回路LOUTの管路に生じるエネルギー損失(圧力損失)を絞りS1として示している。
【0027】
このポジショナ1Aにおいて、制御部11Aの流量計測部11−2は、任意のサンプリング周期で、第1の温度センサ15が計測する出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1と、第2の温度センサ16が計測する出力空気回路LOUTの下流側の空気の温度T2と、第1の圧力センサ17が計測する出力空気回路LOUTの上流側の空気の圧力P1と、第2の圧力センサ18が計測する出力空気回路LOUTの下流側の空気の圧力P2とを収集し、この収集した出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1および圧力P1と下流側の空気の温度T2および圧力P2とに基づいて、出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qを求める。
【0028】
流量計測部11−2は、この出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qの演算に際し、出力空気回路LOUTの上流側の空気の圧力P1と下流側の空気の圧力P2との差圧をP(P=P1−P2)とし、出力空気回路LOUTを流れる空気の平均空気密度をδとし、出力空気回路LOUTを流れる空気の流路の断面積をAとし、出力空気回路LOUTの流れ易さを示す流出係数をCとし、下記(2)式を基本式として、出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qを求める。
【0029】
Q=C・A・(2P/δ)1/2 ・・・・(2)
【0030】
流量計測部11−2は、上記(2)式を基本式として出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qを求める際、出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1と圧力P1を下記(3)式に代入することによって出力空気回路LOUTの上流側の空気の密度δ1を求め、出力空気回路LOUTの下流側の空気の温度T2と圧力P2を下記(4)式に代入することによって出力空気回路LOUTの下流側の空気の密度δ2を求め、この求めた上流側の空気の密度δ1と下流側の空気の密度δ2との平均値を出力空気回路LOUTを流れる空気の平均空気密度δ(δ=(δ1+δ2)/2)とする。
【0031】
δ1=δ0×273.2/(273.2+T1)×(101.13+P1)/101.3 ・・・・(3)
δ2=δ0×273.2/(273.2+T2)×(101.13+P2)/101.3 ・・・・(4)
【0032】
なお、上記(3),(4)式は気体の密度を求める式として周知の式であり、δ0は基準状態(温度0℃、圧力1atm(大気圧))の気体の密度を示す。
【0033】
一例として、T1=25℃、P1=200kPa、T2=20℃、P2=180kPa(P1,P2はGauge単位)、平均管径=20mm、C=0.7、δ0=1.293kg/m3(ntp)とした場合の流量Qの演算結果を下記に示す。なお、Cは約0.6〜0.8の値をとるが、この例ではC=0.7としている。
【0034】
この場合、δ1=3.523kg/m3、δ2=3.346kg/m3、δ=3.435kg/m3、P=20kPa、A=0.000314m2として求められ、基本式である上記(2)式にC=0.7、A=0.000314m2、P=20kPa、δ=3.435kg/m3を代入することにより、流量QはQ=0.024m3/secとして求められる。
【0035】
この求められた流量Q=0.024m3/secは、時間単位の流量Qopに直すと、Qop=86.4m3/hとなる。また、この流量Qop=86.4m3/hを圧力1atm、温度0℃の体積流量に換算すると、Qntp=Qop×(ρop/ρntp)=230m3/hとなる(ρは流体密度)。
【0036】
このようにして、制御部11Aの流量計測部11−2は、任意のサンプリング周期で、出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1と下流側の空気の温度T2と上流側の空気の圧力P1と下流側の空気の圧力P2とを収集し、収集した出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1および圧力P1と下流側の空気の温度T2および圧力P2とに基づいて、出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qを求める。
【0037】
これにより、ポジショナ1Aに面積流量計や差圧流量計などの気体流量計を内蔵することなく、パイロットリレー13からの調節弁2の操作器2aへの空気圧の流路である出力空気回路LOUTを利用して、パイロットリレー13からの調節弁2の操作器2aへの空気の流量Qをポジショナ1Aの内部で計測することができるようになる。
【0038】
すなわち、本実施の形態のポジショナ1Aによれば、ポジショナ1A内の出力空気回路LOUTと温度センサ15,16と圧力センサ17,18とを利用することで、流量計向けの特殊な空気回路構造や計測アルゴリズムを採用することなく、小型でローコストな専用流量計を構成することが可能となり、面積流量計や差圧流量計などの気体流量計を内蔵しようとする場合の各問題点を回避することができるようになる。そして、ポジショナ1Aの内部で計測された流量Qが設計で決められた流量を満たすような制御を行うことにより、空気圧Poの制御性が向上し、適切なバルブの開度制御を担保させることができるようになる。
【0039】
なお、上述した実施の形態では、出力空気回路LOUTの上流側の空気の温度T1を第1の温度センサ15で計測し、下流側の温度T2を第2の温度センサ16で計測するようにしたが、上流側の空気の温度T1や下流側の空気の温度T2としてポジショナ1Aの庫内温度を代用するようにしてもよい。
【0040】
このようにすれば、温度センサ15や16を不要とし、ポジショナ1Aで使用する庫内温度を計測する既設の温度センサを流用することができる。また、上流側の空気の温度T1や下流側の空気の温度T2として、時定数を考慮する必要はあるが、外気温度を代用することも可能である。また、上流側の空気の温度T1を下流側の空気の温度T2として代用したり、下流側の空気の温度T2を上流側の空気の温度T1として代用したりしてもよい。
【0041】
また、上述した実施の形態では、上記(2)式を基本式として出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qを求めるようにしたが、出力空気回路LOUTを流れる空気の流量Qを求める式は上記(2)式に限られるものではない。
【0042】
また、上述した実施の形態では、出力空気回路LOUTの管路に自ずと生じるエネルギー損失(圧力損失)を利用したが、出力空気回路LOUTに意図的に絞りを設けるようにしてもよい。出力空気回路LOUTは、長くなるほどエネルギー損失(圧力損失)が生じるが、エネルギー損失(圧力損失)が少ない場合には、意図的にエネルギー損失(圧力損失)を作り出すようにするとよい。
【0043】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1(1A)…ポジショナ、2…調節弁、2a…操作器、2b…バルブ、3…開度センサ、11(11A)…制御部、11−1…開度制御部、11−2…流量計測部、12…電空変換器、13…パイロットリレー、14…電空変換部、15…第1の温度センサ、16…第2の温度センサ、17…第1の圧力センサ、18…第2の圧力センサ、LIN…入力空気回路、LOUT…出力空気回路、S1…絞り。
図1
図2