(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-173852(P2016-173852A)
(43)【公開日】2016年9月29日
(54)【発明の名称】携帯端末を用いた管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/24 20120101AFI20160902BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20160902BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20160902BHJP
【FI】
G06Q50/24
G06K7/14 017
G06K19/06 093
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-118402(P2016-118402)
(22)【出願日】2016年6月14日
(62)【分割の表示】特願2014-82338(P2014-82338)の分割
【原出願日】2009年1月9日
(71)【出願人】
【識別番号】596079138
【氏名又は名称】東日本メディコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(72)【発明者】
【氏名】野本 禎
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】
QRコード(登録商標)(二次元コード)を印刷する技術を用いて、異なる種類のサーバへと同時に通信することが可能な携帯端末を用いた管理システムを提供するものである。
【解決手段】
二次元コード21を携帯端末3の二次元コード読み取り装置により読み取ったときに、通信手段により携帯端末3がウェブ通信4に自動的に接続されるとともにウェブ通信4を介して同時に前記二次元コード21に印刷された情報により前記複数の異なる管理者側コンピュータ1,2に接続されて少なくとも前記互いに異なる管理者側コンピュータ1,2と携帯端末3との間で互いに通信可能とされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者側コンピュータにおいて印刷された印刷物における二次元コードを読み取ることが可能な二次元コード読み取り装置と、この読み込んだ二次元コード情報に含まれるウェブ通信接続情報によりウェブ通信に接続される通信手段を有する携帯端末と、前記ウェブ通信に接続されているとともに前記二次元コード情報に記載されている複数の互いに異なる管理者側コンピュータとからなる携帯端末を用いた管理システムであって、前記二次元コードを携帯端末の二次元コード読み取り装置により読み取ったときに、前記通信手段により前記携帯端末が前記ウェブ通信に自動的に接続されるとともに前記ウェブ通信を介して同時に前記二次元コードに印刷された情報により前記複数の異なる管理者側コンピュータに接続されて少なくとも前記互いに異なる管理者側コンピュータと前記携帯端末との間で互いに通信可能とされることを特徴とする携帯端末を用いた管理システム。
【請求項2】
前記複数の二次元コードが用途により区別されていることを特徴とする請求項1記載の携帯端末を用いた管理システム。
【請求項3】
前記複数の二次元コードが色彩により区別されていることを特徴とする請求項1記載の携帯端末を用いた管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物に印刷された二次元コードを携帯端末で読み取って管理者側コンピュータに通信する携帯端末を用いた管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、限られた紙面に印刷する場合には情報に限りがある。そこで、印刷物(薬袋)に携帯端末の使用者(患者)情報や調剤された薬剤コードなどを二次元コード(QRコード(登録商標))として印刷したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載されているような発明は、例えば印刷物(薬袋)に印刷された二次元コードを携帯端末の使用者(患者)が携帯電話などの携帯端末で読み取ることにより前記二次元コードに書き込まれている個人情報や薬剤の種類などの情報をウェブサイトのサーバに送信し、サーバに蓄積した更に詳しい薬剤情報を前記携帯電話の表示画面に表示するものであり、携帯端末の使用者(患者)が受け取った処方薬品に関する諸情報を、携帯端末の使用者(患者)に手渡された各種の媒体に記載された表記情報に依存することなく、何時でも簡単に詳細な情報を取得できるような環境を実現可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−7286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載されている発明は、QRコード(登録商標)(二次元コード)を印刷する技術を用いて、携帯端末からサーバに情報を送信・表示するだけであり、通信作業としてはきわめて簡単で優れているが、携帯端末を用いる使用者が十分な情報を得るには至らない。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、QRコード(登録商標)(二次元コード)を印刷する技術を用いて、携帯端末により簡単に互いに異なる管理システムに通信可能とすることにより(例えば従来周知のテレビ電話システムなどの通信システム)を用いて互いに通信することが可能な携帯端末を用いた管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するためになされた本発明である携帯端末を用いた服薬管理システムは、管理者側コンピュータにおいて印刷された印刷物における二次元コードを読み取ることが可能な二次元コードを読み取り装置と、この読み込んだ二次元コード情報に含まれるウェブ通信接続情報により前記ウェブ通信に接続される通信手段を有する携帯端末と、前記ウェブ通信に接続されているとともに前記二次元コード情報に記載されている複数の互いに異なる管理者側コンピュータとからなる携帯端末を用いた管理システムであって、前記二次元コードを携帯端末の二次元コード読み取り装置により読み取ったときに、前記通信手段により前記携帯端末が前記ウェブ通信に自動的に接続されるとともに前記ウェブ通信を介して同時に前記二次元コードに印刷された情報により前記複数の異なる管理者側コンピュータに接続されて少なくとも前記互いに異なる管理者側コンピュータと前記携帯端末との間で互いに通信可能とされることを特徴とする。
【0008】
また、前記複数の二次元コードが用途により或いは色彩により区別されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯端末の使用者(患者)は印刷物に印刷された複数の二次元コードを予め定められている順番に携帯端末により読み取るだけの簡単な操作で、管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)に情報を送信することができるので必要な情報が簡単な操作で情報を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態についての概略を示す説明図。
【
図2】
図1に示した実施の形態の管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)のブロック回路図。
【
図3】
図1に示した実施の形態において用いられる印刷物の概略図。
【
図4】管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)において用いられる管理ソフトウェアの一覧表示の一例を示すものである。
【
図5】印刷物の異なる実施の形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための好ましい実施の形態について説明する。
【0012】
図1は本発明である携帯端末を用いた管理システムを服薬情報システムについて実施した場合の好ましい実施の形態を示すものであり、本管理システムは、主として管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1と前記管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1により発行された例えば必要な個人情報や薬剤情報と二次元コードを書き込んだ例えば印刷物(薬袋)の様な薬剤とともに提供される印刷物(本実施の形態では印刷物(薬袋))2と、前記印刷機により印刷しておき、前記印刷物袋2に印刷してある二次元コードを読み取り可能な例えば携帯電話のような携帯端末3と、前記携帯端末3と前記管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1とを接続して各種の情報を相互に送受信可能な例えばインターネットのようなウェブ通信4とから構成される。
【0013】
また、本実施の形態では、特に、前記携帯端末3および管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1は前記ウェブ通信4を介して異なる管理者側コンピュータ(医療機関側コンピュータ)5と通信可能とされている。
【0014】
更に詳しく説明すると、管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1は、
図2に示すように、従来から一般に用いられている例えばサーバ型のコンピュータが用いられ、例えばキーボードなどの入力装置11、モニタ12、
図1に示した前記携帯端末3とウェブ通信4を介して通信可能なウェブ通信装置13、前記印刷物(薬袋)2の印刷装置15、記憶装置14および前記各装置を制御するCPU16を有している。
【0015】
また、本実施の形態では、前記ウェブ通信装置13を介して、前記携帯端末3や異なる管理者側コンピュータ(医療機関側コンピュータ)5との間で通話或いは画像通信が可能な双方通信手段17を備えている。
【0016】
更に詳しく説明すると、前記管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1の記憶装置14には、携帯端末の使用者(患者)の個人情報151、薬品情報152、携帯端末の使用者(患者)の服薬管理ソフトウェア153、二次元コード作成ソフトウェア154などが蓄積保存されている。
【0017】
また、前記携帯端末3は前記管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1において印刷された印刷物における袋2の二次元コードを読み取ることが可能な二次元コードを読み取り装置(図示せず)とこの読み込んだ二次元コード情報ウェブ通信4を介して前記管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1に自動的に接続されるとともにウェブ通信4を介して異なる管理者側コンピュータ(医療機関側コンピュータ)5にも接続されて通信可能とされる。
【0018】
図3は本発明において用いられる薬剤を受け取るときに提供される印刷物2の一例である印刷物(薬袋)2を示すものであり、従来の印刷物(薬袋)と同様に、携帯端末の使用者(患者)名、処方された薬剤名や薬剤写真、用法、用量、の他に本発明において必要な少なくとも1つの服薬に関する情報を書き込んだ二次元コード21が印刷される。
【0019】
以上の構成を有する本実施の形態を使用するには、先ず、従来の印刷物(薬袋)作成と同様に、医師からの処方箋に基づいて管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)において、入力装置11から必要な情報を入力する。勿論、レセプトコンピュータを介して自動的に取り込んでもよく、また、記憶装置14に記憶させてある携帯端末の使用者(患者)の個人情報151、薬品情報152を選択してもよい。
【0020】
そして、特に本実施の形態では、予め記憶装置14に記憶させてある二次元コード作成ソフトウェア154により前記処方箋により処方された薬品情報152と前記個人情報151に基づいて必要な情報を含んだ二次元コード21を前記印刷装置15により印刷する。
【0021】
特に、この二次元コード21は基本的には、調剤した薬剤を収納した印刷物(薬袋)を提供された携帯端末の使用者(患者)の携帯端末3で読み取り、その情報により前記ウェブ通信4を介して管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1に必要な、即ち、予め二次元コードに書き込んである情報を送信するものである。
【0022】
従って、二次元コード21の機能としては、例えば携帯端末の使用者(患者)が服薬したことを経時的に伝える服薬チェック情報、携帯端末の使用者(患者)が調剤されている薬剤について、或いは調剤された薬剤を服用したために生じる症状などについて薬局(薬剤師)や病院(医師)に相談したい事項、或いは、症状に付随する健康食品や一般用医薬品、医療器具などについての注文などがあげられるが、これらに限るものではない。
【0023】
そして、例えば、薬剤とともに携帯端末の使用者(患者)に手渡される印刷物2(印刷物(薬袋))である印刷された二次元コード21が服用を確認するためのものである場合には、携帯端末の使用者(患者)は所定の服用時間に所定の薬剤を服用した後、前記服薬したことを管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1に送信するための二次元コード21を携帯端末の使用者(患者)が有する携帯端末3により読み取ると、携帯端末に予め記憶させてある服薬用の二次元コードにおける読み込みソフトウェア(図示せず)が作動して、二次元コード21に書き込んである管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1のウェブ通信4を介して管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1へと携帯端末3が接続信号を発信して自動的に接続され、その二次元コード21に書き込んである服用した時期や薬の種類などの服薬情報が送信される。
【0024】
本実施の形態では、前記印刷物(薬袋)2に印刷されている服薬チェック用の二次元コード21からの服薬情報は、管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1の記憶装置14に記憶されている携帯端末の使用者(患者)の服薬管理ソフトウェア153により処理されてその携帯端末の使用者(患者)が所定の服用時期に所定の薬剤を服用したことが例えば
図4に示すような服薬一覧リストなどにより管理され、これらの携帯端末の使用者(患者)の服薬状態を管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1により確認することができる。
【0025】
このようにして携帯端末3を用いて服薬管理をすることにより、従来の薬局側からメールを送信することによる飲み忘れ防止の通知も不要となり、また、従来の管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1からの飲み忘れ防止通知が通信不良により送信されないなどの手違いを防止するための従来周知の携帯端末自身にタイマー機能を有する飲み忘れソフトウェアを備えておく手段も更に有効に活用することができ、特に、必要であれば、携帯端末の使用者(患者)の携帯端末3から服用した旨の通信がない場合には薬局側から携帯端末の使用者(患者)に問い合わせることもできる。
【0026】
従って、携帯端末の使用者(患者)は自身で服薬管理をすることなく、服用するたびに印刷物(薬袋)などの印刷物2に印刷された所定の二次元コード21を携帯端末3で読み取るだけの簡単な操作で服薬管理をすることができ、薬局や病院において過去の継続的な服薬情報をきわめて簡単に作成することができるばかりか、これらの情報を薬局や病院で使用することにより的確な調剤や診断をすることができる。
【0027】
また、本発明における印刷物(薬袋)などの印刷物2に印刷された二次元コード21は、薬剤管理に関するだけでなく、前述の如く、例えば服用後の容体や相談、或いは緊急告知などであってもよく、それらは、たとえば前記管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1に記憶されている二次元コード作成ソフトウェア154において、携帯端末の使用者(患者)の病歴や薬剤に対する体質や薬歴など、更には調剤される薬剤の種類名に応じて、携帯端末の使用者(患者)に必要な情報を書き込んだものを選択して印刷物(薬袋)2に印刷するとよく、特に複数の二次元コード21を印刷する場合には、その用途を併記するか色分けなどにより区別しておくと携帯端末の使用者(患者)が誤って読み取ることを防止することができる。尚、安全を帰すには、例えば、複数の二次元コード21を順番に読み込ませたときに携帯端末3から読み取った情報が送信されるようにしたりすることもでき、これらの場合にはきわめて簡単な手段により携帯端末の使用者(患者)の個人情報を保護することもできる。
【0028】
また、本実施の形態では、必要な場合には二次元コード21に管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)1の双方向通信手段17に接続して薬剤師と接触したり、或いはウェブ通信4を用いて直接、異なる管理者側コンピュータ(医療機関側コンピュータ)5に接続して医師と相談したり、緊急措置を講ずることができる情報を書き込んでおくことにより携帯端末の使用者(患者)は安心して過ごせるものであり、同時に薬剤師や医師も安心して過ごすことができる。
【0029】
以上のように、本実施の形態によれば、携帯端末の使用者(患者)にとって管理者(薬局)や異なる管理者(病院)に伝えたい情報に関して、携帯端末3で読み取るだけの簡単な作業で送信することができ、また、薬局や病院では携帯端末の使用者(患者)からの情報に返答するだけでなく、送信されてくる情報を随時使用することもでき、双方にとってきわめて有益なものである。
【0030】
尚、本実施の形態では、印刷物2として二次元コード21を印刷する場合を示したが、ヒートシールなど、製造時に予め二次元コード21を印刷したものであってもよく、印刷物に二次元コード21を別に印刷したものをシール状として貼付けてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 管理者側コンピュータ(薬局側コンピュータ)、2 印刷物(薬袋)、3 携帯端末、4 ウェブ通信、11 入力装置、12 モニタ、13 ウェブ通信装置、14 記憶装置、15 印刷装置、16 CPU、151 携帯端末の使用者(患者)の個人情報、152 薬品情報、152 携帯端末の使用者(患者)の服薬管理ソフトウェア、154 二次元コード作成ソフトウェア