【課題】 簡素な構成で、LED基板と接続された接続端子を口金端子に対して容易かつ確実に接続できるとともに、口金をカバーに挿入させるまでの間に、接続端子が口金端子から抜けたり、抜けかかったままの状態で照明ランプを組立ててしまったりすることを防止できる、照明ランプ用の口金、照明ランプおよび照明装置を提供する。
【解決手段】 照明ランプ3の口金70に設けられた口金端子72の、基板61bと電気的に接続された接続端子61e、61fと嵌合される一端部721b、731b側を、口金70の軸線方向と異なる方向に沿って、口金ベース部71aから起立して形成した。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る照明装置の好適な実施の形態について図を用いて説明する。各図において、同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略または簡略化する場合がある。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった向きは、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。そして、明細書に記載の構成について、その材質、形状、大きさは、この発明の範囲内で適宜変更することができる。さらに、各図において、矢印「Y」は照明ランプの長手方向、矢印「X」、「Z」は照明ランプの短手方向を示している。
【0016】
実施の形態1.
図1〜
図9を用いて実施の形態1の照明装置1及び照明ランプ3を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明装置の主要構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの主要構成を示す斜視図、
図3、4は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの内部の構成を示した断面図であり、
図3は、
図2におけるA−A断面図、
図4は、
図2におけるB−B断面図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係るライトユニットの主要構成を示す平面図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの内部の構成を示した斜視図であり、給電口金を取り外した状態を示している。
【0017】
また、
図7は、本発明の実施の形態1に係る給電口金を示す図であり、
図7(a)は外観を示す斜視図、
図7(b)は給電端子側を示す左側面図、
図7(c)は正面図、
図7(d)は給電口金の内観を示す右側面図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る給電口金の内部の構成を示す断面図であり、
図8(a)は
図7におけるA−A断面図、
図8(b)は
図7におけるB−B断面図である。そして、
図9は、本発明の実施の形態1に係る支持口金を示す図である。
【0018】
(照明装置の構成)
本実施の形態に係る照明装置1は、
図1に示すように、照明器具2と照明器具2に取り付けられた照明ランプ3とで構成されている。照明器具2は、器具本体20と、器具本体20に収納され、照明ランプ3へ供給する電力を生成するための電源装置10と、器具本体20に取り付けられ、照明ランプ3を器具本体20に支持するための給電ソケット30及び支持ソケット40とで構成されている。
【0019】
本実施の形態では、器具本体20の長手方向の両端部にそれぞれ、給電ソケット30、支持ソケット40が取り付けられている。給電ソケット30及び支持ソケット40は、照明ランプ3を器具本体20に支持する支持部である。そして、給電ソケット30は、電源装置10で生成された電力を照明ランプ3へ供給するように電気的に接続された給電用ランプソケットであり、すなわち、電力供給経路である。
【0020】
さらに、支持ソケット40は、本実施の形態では、電気的に開放されて照明ランプ3を器具本体20に支持する支持部としての機能を有する。なお、支持ソケット40は、電気的に接続されて照明ランプ3の電位が固定されることによって、雷サージなどの外来ノイズを照明ランプ3の外部へ逃がすように電気的に接続されるとともに、照明ランプ3を器具本体20に支持する支持部としての機能を兼ね備えた接地用ランプソケットであってもよい。
【0021】
図1には、照明器具2として1つの照明ランプ3が装着されるタイプのものを例示しているが、照明器具2は、複数の照明ランプ3が装着されるタイプの照明器具であってもよい。その場合、器具本体20の長手方向の両端部には、装着される照明ランプ3の数に応じて給電ソケット30及び支持ソケット40が複数設けられる。
【0022】
(照明ランプの構成)
次に照明ランプ3について説明する。
図2に示すように、照明ランプ3は、外郭部を形成する長尺中空形状のカバー50、カバー50の長手方向の一方の開口端部を塞ぐように設けられた給電口金70、カバー50の長手方向の他方の開口端部を塞ぐように設けられた支持口金80、及び、これらで構成される外郭部の内部に収納されるライトユニット60で構成されている。
【0023】
(カバー50)
本実施の形態では、カバー50は、長尺状であり、長手方向の両端部が開口した筒体である。カバー50は、光透過性(以下、透光性ともいう)の材料を用いて形成されている。透光性の材料として、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリルなどの樹脂材料や、ガラスを主成分とする材料を用いることができる。カバー50は、樹脂材料を用いる場合には押出成形によって製造することができる。
【0024】
カバー50の内部にはライトユニット60が収納されている。すなわち、本実施の形態では、長尺状のカバー50は、ライトユニット60を収納できるような中空形状をなしている。カバー50はライトユニット60を覆って保護するとともに、ライトユニット60から発せられる光を外部へ通過させる。
【0025】
また、カバー50の内壁には、カバー50の長手方向に延びる板状の突設部50aが形成されている。突設部50aは、カバー50の内壁からカバー50の軸線に向かって、カバー50の長手方向を切断した断面における内周上の2点を結ぶ線と平行に延び、ライトユニット60を固定する役割をなしている。
【0026】
カバー50は、照明ランプの仕様に応じて、ライトユニット60から発せられる光を拡散させる機能、外部へ透過させる光の周波数を選択する機能(フィルタ)機能などを備えてもよい。また、これらの機能は、カバー50の材料に混合したり、カバー50の内周部、外周部の少なくともどちらかに敷設したりする方法によって、カバー50と一体的に形成されることが望ましい。
【0027】
なお、カバー50は、必ずしも筒状である必要はなく、軸線に垂直方向の断面形状が、例えば(半円状を含む)略半円状となるような、長手方向に沿って開口を有する長尺中空形状であってもよい。この場合は、ライトユニット60によって長手方向の開口を塞ぐなどして、カバーと他の構成部材との組み合わせによって照明ランプ3の外郭部を形成してもよい。
【0028】
(ライトユニット60)
図5に示すように、ライトユニット60は、光源を有する長尺矩形状の光源基板61と、熱伝導性材料を用いて形成され光源基板61を支持するヒートシンク62とで構成されている。本実施の形態では、光源は複数の点光源からなり、複数の点光源を有する光源基板61は接着剤、粘着テープなどの接着部材、あるいは、ねじ、リベットなどの取付部材(いずれも図示しない)などを用いてヒートシンク62の基板取付部62aに取り付けられている。
【0029】
そして、本実施の形態では、
図6に示すように、ライトユニット60は、ヒートシンク62の短手側部に、軸線と(平行を含む)略平行に延在するように形成されたライトユニット保持部62cと、カバー50の内壁に、軸線と(平行を含む)略平行に延在するように形成された突設部50aとが、相互に係合されるように、カバー50の内部に収納される。
【0030】
図2〜5に示すように、光源基板61は、点光源である光源素子61aが基板61bの実装面上に複数実装された発光モジュールである。本実施の形態では、光源素子61aとしてパッケージ化されたLEDが用いられ、光源素子61aが基板61bに実装されて光源基板61を構成している。なお、光源素子61aはパッケージ化されたLED以外の種類のものを用いてもよい。光源素子61aのパッケージ化されたLED以外の種類の例については後述する。また、基板61bには、ヒューズなどの保護素子、ダイオードブリッジなどの整流素子、抵抗素子などが実装されてなる点灯回路61iが配置されてもよい。
【0031】
光源基板61は、複数の光源素子61aと、実装面側に敷設された配線パターン(図示しない)を有し、複数の光源素子61aが実装される長尺矩形状の基板61bと、基板61bの長手方向の一方の端部に基端部が接合部61g、61hにはんだ付けされたリード線61c、61dと、リード線61c、61dの他端部に圧着されたメス型圧着端子である接続端子61e、61fとで構成されている。リード線61c、61dは、基板61bに実装された光源素子61aを発光させるための電力を供給する給電経路である。
【0032】
複数の光源素子61aは、基板61bの実装面側に敷設された配線パターン(図示しない)と電気接続されるように実装される。なお、基板61bには、要求仕様に応じて、光源素子61aの点灯状態を制御するためのLED点灯回路(図示せず)が実装されてもよい。また、リード線61c、61dの一端部は、はんだ付け以外の方法によって基板61bの長手方向の一方の端部に電気的に接続されてもよい。さらに、接続端子61e、61fは、メス型圧接端子を用いてもよいし、これ以外のメス型端子を用いてもよい。
【0033】
基板61bは、光源素子61aの温度を抑制するため、熱伝導性の高い、アルミニウム、銅、合金などの金属材料を用いた基板、あるいはセラミック基板、メタルコア基板、メタルコアセラミック基板などを使用するのが望ましい。なお、光源素子61aの温度が規定値以下であれば、ガラスエポキシ基板や紙フェノール基板を使用してもよい。
【0034】
図6に示すように、ライトユニット60は、カバー50に挿入された状態で、リード線61c、61dによって基板61bと接続された接続端子61e、61fが、カバー50の外側に向って引き出されている。そして、後述する給電口金70を取り付けるときに、接続端子61e、61fは、給電口金70が備える給電端子72、73に接続される。
【0035】
(給電口金70)
図2に示すように、給電口金70は、カバー50の一方の端部に取り付けられる、有底円筒形状に形成された口金である。
図1に示すように、給電口金70は、照明ランプ3を照明器具2に取り付けるときに、給電ソケット30に固定されるとともに、給電ソケット30から供給される電力を光源基板61へ供給する。
【0036】
図2〜4、7、8に示すように、給電口金70は、給電口金70の外面を形成する有底円筒形状の口金筐体71と、矩形板状の一対の給電端子72、73とで構成されている。給電端子72、73は、給電ソケット30のソケット端子(図示しない)と光源基板61とを電気的に接続させる端子である。
【0037】
図7、8に示すように、口金筐体71は、口金筐体71の底部(面)にあたる、円盤状の口金ベース部71aと、口金ベース部71aの周縁部から起立して延在し、給電口金70の外周面を形成する円筒状の口金周壁部71bとで構成されており、口金ベース部71aは、カバー50の一方の端部の開口を塞ぐ塞壁部として、カバー50の軸線方向に対して垂直に設けられている。
【0038】
口金筐体71の内側には、カバー50とカバー50に収納されたライトユニット60に対して給電口金70を所定の姿勢で取り付けるために、カバー50、及びライトユニット60の形状に対応した、突当部71f、71g、71h、板部71i、及び取付ガイド71jが設けられている。
【0039】
板部71iの先端部には切欠部710iが形成されており、カバー50とカバー50に収納されたライトユニット60に対して給電口金70が取り付けられた状態で、高さ方向(矢印Zの方向)において異なる位置に配置される、ライトユニット60と給電端子72、73とを接続するリード線61c、61dを挿通する。本実施の形態では、口金ベース部71aの一部に設けられたねじ孔71cから挿入したねじ70aを、カバー50に収納されたヒートシンク62のねじ孔62bにねじ込むことによって、給電口金70を固定する。
【0040】
また、
図5に示すように、給電口金70がカバー50の一方の端部に取り付けられた状態において、給電口金70の軸線方向はカバー50の軸線方向と一致している。
【0041】
給電端子72、73は、導電性を有する金属材料などで形成された矩形板状の端子であり、給電端子72、73はそれぞれ、塞壁部である口金ベース部71aを貫通し、口金ベース部71aの中心を挟んで対向する位置に設けられている。
【0042】
本実施の形態では、
図4、8に示すように、給電端子72、73は、それぞれ、鈍角の曲げ角度でV字形状に屈曲された屈曲部720、730及び、屈曲部720、730から給電ソケット30側に延びるソケット側給電端子72a、73aと、屈曲部720、730から光源基板61側に延びる基板側給電端子72b、73bを有している。一端部側の基板側給電端子72b、73bと他端部側のソケット側給電端子72a、73aとは、口金ベース部71aを間にして互いに反対方向に突き出している。
【0043】
本実施の形態では、給電端子72、73の屈曲部720、730はインサート成形によって、口金ベース部71aと一体的に形成され、給電端子72、73の屈曲部720、730が口金ベース部71aと一体的に形成されている。なお、給電端子72、73と口金筐体71とは、インサート成形以外の方法で一体的に形成されてもよい。
【0044】
(支持口金80)
図2に示すように、支持口金80は、一方の端部に給電口金70が取り付けられたカバー50の他方の端部に取り付けられる、有底円筒形状に形成された口金である。
図1に示すように、支持口金80は、電気的に開放されて照明ランプ3を支持ソケット40に固定する。なお、支持口金80は、ライトユニット60に印加される雷サージなどの外来ノイズを、除去または抑制することを目的として、支持ソケット40、器具本体20などと電気的に接続して照明ランプ3の電位を固定させる、接地用口金としての機能を有してもよい。
【0045】
図9に示すように、支持口金80は、支持口金80の外面を形成する有底円筒形状の口金筐体81と、(円柱を含む)略円柱状の支持端子82とで構成されている。支持端子82は、支持ソケット40の支持端子(図示しない)と接続して照明ランプ3を照明器具2に支持させる端子である。
【0046】
口金筐体81は、口金筐体81の底部(面)にあたる、円盤状の口金ベース部81aと、口金ベース部81aの周縁部から起立して延在し、支持口金80の外周面を形成する円筒状の口金周壁部81bとで構成されており、口金ベース部81aは、カバー50の他方の端部の開口を塞ぐ塞壁部として、カバー50の軸線方向に対して垂直に設けられている。また、支持口金80がカバー50の他方の端部に取り付けられた状態において、支持口金80の軸線方向はカバー50の軸線方向と一致している。
【0047】
本実施の形態では、支持端子82は、導電性を有する金属材料などを用いて形成されている。そして、本実施の形態では、支持口金80は、インサート成形によって支持端子82と口金ベース部81aとが一体的に形成されている。なお、支持端子82と口金筐体81とは、インサート成形以外の方法で一体的に形成されてもよい。さらに、支持端子82は、金属材料以外の材料を用いて形成されてもよい。
【0048】
(作用効果について)
次に、
図10を用いて実施の形態1の作用と効果について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に係る給電口金の作用効果を説明する断面図である。
【0049】
図10に示すように、給電端子72、73は、一端部側の基板側給電端子72b、73bが光源基板61側に、他端部側のソケット側給電端子72a、73aが給電ソケット30側に延びている。
【0050】
給電端子72、73において、屈曲部720、730を基準に他端部側であり、給電ソケット30側に向かって延びるソケット側給電端子72a、73aは、口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と交差しない方向である、口金ベース部71aと垂直をなす方向に起立して延びている。すなわち、ソケット側給電端子72a、73aは、口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と同じ方向に起立して延びている。
【0051】
そして、給電端子72、73において、屈曲部720、730を基準に一端部側であり、光源基板61側に向かって延びる基板側給電端子72b、73bは、塞壁部である口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と交差する方向に起立して延びている。すなわち、基板側給電端子72b、73bは、口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と異なる方向に起立して延びている。
【0052】
本実施の形態では、基板側給電端子72b、73bは、基端部721a、731aから先端部721b、731bにかけて、口金筐体71の中心軸線に向かって、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ1をなす方向に延びており、口金ベース部71aから起立する起点よりも中心軸線側に傾斜して延設されている。なお、ここでいう「起立」とは、口金筐体71から、口金筐体71の外側(給電ソケット側)、又は内側(光源基板側)に向って、給電端子72、73が突設して配置されている状態を表す。
【0053】
また、
図3、4、10に示すように、基板側給電端子72bの先端部721bは、光源基板61の接続端子61eに嵌合され、基板側給電端子73bの先端部731bは、光源基板61の接続端子61fに嵌合されている。給電端子72、73は、基板61bに実装された光源素子61aを発光させるための電力を供給する給電経路である。例えば、給電端子72は、光源基板61へ電流を供給する端子であり、この場合、給電端子73は、光源基板61から電流を還流させる端子となる。なお、電流の経路はこれに限らない。
【0054】
ここで、
図10に示すように、基板側給電端子72b、73bが口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)となす鋭角θ1の大きさは、照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が基板側給電端子72b、73bの先端部721b、731bに接続端子61e、61fを嵌合させる作業を無理なく行うことができるように決定された角度である。
【0055】
実施の形態では、鋭角θ1の大きさは、基板側給電端子72b、73bと口金周壁部71bの内壁との隙間、及び基板側給電端子72b、73bどうしの隙間のバランスが考慮された、15度に設定されている。すなわち、基板側給電端子72b、73bは、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)に対して15度ずつ傾斜している。
【0056】
なお、本実施の形態では鋭角θ1の大きさを15度としているが、鋭角θ1の大きさは15度以外の角度でもよく、口金周壁部71bの形状と長さ、基板側給電端子72b、73bと口金周壁部71bと光源基板61との位置を考慮して決定されることが望ましい。
【0057】
例えば、口金周壁部71bの開口から基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bまでの距離が長い場合には、鋭角θ1の大きさを10度とすることができ、口金周壁部71bの開口から基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bまでの距離が短い場合には、鋭角θ1の大きさを60度とすることができる。
【0058】
給電端子72、73は、ソケット側給電端子72a、73aと基板側給電端子72b、73bとの間に設けられる屈曲部720、730が、口金筐体71に内包されて一体的に形成されることが望ましい。すなわち、給電端子72、73の屈曲部720、730は、口金筐体71に埋設されるように配置されることが望ましい。このように形成されることで、給電端子72、73と口金ベース部71aとが強固に固定された一体部品となり、屈曲部720、730の曲げ角度が安定的に維持される。これによって、給電端子72、73に接続端子61e、61fを嵌合させ易くなるといった効果が得られる。
【0059】
図10に示すように、本実施の形態における照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が、基板側給電端子72b、73bの先端部721b、731bに接続端子61e、61fを嵌合させる(取り付ける)向きは、それぞれ矢印D1、矢印D2の向きである。また、基板側給電端子72b、73bの先端部721b、731bに嵌合させた接続端子61e、61fを再び抜去させる(取り外す)ことができる向きは、それぞれ矢印D3、矢印D4の向きである。矢印D1、矢印D3の向きは基板側給電端子72bの向きに対応し、矢印D2、矢印D4の向きは基板側給電端子73bの向きに対応している。
【0060】
つまり、接続端子61e、61fは、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ1をなす方向に傾斜した基板側口金端子72b、73bの先端部721b、731bにそれぞれ嵌合される。
【0061】
そして、本実施の形態における照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が、ライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金70に挿入させる(取り付ける)向き、及びライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金70から抜去させる(取り外す)向きは、口金筐体71bの中心軸線方向(矢印Yの方向)に沿った向きである。
【0062】
すなわち、本実施の形態における照明ランプ3は、基板側給電端子72b、73bの先端部721b、731bに対して接続端子61e、61fを挿抜させる向きと、給電口金70に対してライトユニット60が収納されたカバー50を挿抜させる向きとが、それぞれ異なる方向に沿っており、それぞれの方向は鋭角θ1によって決定され相互に異なる方向である。
【0063】
このため、照明ランプ3において、給電端子72,73に接続端子61e、61fが接続された状態で、給電口金70がカバー50から抜ける方向の力が発生した場合に、給電端子25、73には、カバー50の軸線方向と、カバー50の軸線と垂直な法線方向とに力を分散させる。つまり、給電端子72、73と接続端子61e、61fとが互いに抜け去る力は分散されて大幅に低減される。
【0064】
さらに、本実施の形態における照明ランプ3は、基板側給電端子72bの先端部721bに対して接続端子61eを挿抜させる向きと、基板側給電端子73bの先端部731bに対して接続端子61fを挿抜させる向きとが、それぞれ異なる方向に沿っており、それぞれの方向は鋭角θ1によって決定され相互に異なる方向である。
【0065】
このため、照明ランプ3の組立工程において、接続端子61e、61fを基板側給電端子72b、73bの先端部721b、731bへ取り付ける、各図において、矢印作業が完了してから、ライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金70へ取り付ける作業が完了するまでの間に、再び接続端子61e、61fが、基板側給電端子72b、73bの先端部721b、731bから抜けることを防止できる。
【0066】
(まとめ)
以上のように構成された照明装置において、給電口金の内側に延びる給電端子は、口金筐体の軸線方向と異なり、口金筐体の軸線方向と交差する方向に沿って、塞壁部である口金ベース部から起立して設けられている。すなわち、給電端子は、口金筐体の軸線方向に対して所定の角度を有して、口金筐体の軸線方向と異なる方向に傾斜しており、給電端子に対する接続端子の挿抜方向と、カバーに対する給電口金の挿抜方向とは、互いに異なる方向に設定されている。
【0067】
このため、簡素な構成でありながら、LED基板と接続された接続端子を給電端子に対して容易かつ確実に接続できる。そして、給電端子に接続端子が接続された状態で、口金がカバーから抜ける方向に力が発生した場合に、給電端子に加わる力は、カバーの軸線方向と、カバーの軸線に垂直な法線方向とに力を分散させることができ、接続端子が給電端子から抜ける力を低減させることで、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止することができる。
【0068】
また、給電端子に接続端子が接続された状態で、給電端子と接続端子とは、カバーの軸線方向に相互に係持させることで、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止することができる。つまり、口金をカバーに挿入させるまでの間に、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止できる。
【0069】
従って、本実施の形態1によれば、簡素な構成でありながら、LED基板と接続された光源基板の接続端子を給電端子に対して容易かつ確実に接続でき、口金をカバーに挿入させるまでの間に、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止できるため、効率的な組立作業と高い作業品質が達成でき、高品質かつ低価格の照明ランプ、及び、照明装置を提供することができる。
【0070】
本実施の形態では、給電口金は、JEL801規格に基づく直管ランプのL形ピン口金(GX16t−5)を例示して説明したが、例えば、JEL802規格に基づく直管ランプ用の口金(G13)、その他の形状の口金であっても本実施の形態を適用することができる。すなわち、本実施の形態では、給電端子の形状は矩形板状であるが、給電端子の形状はこれに限定されるものはなく、例えば、ピン、細筒など細長形状をなした導電性を有する端子であればよい。
【0071】
本実施の形態では、支持口金は、JEL801規格に基づく直管ランプのL形ピン口金(GX16t−5)を例示して説明したが、例えば、JEL802規格に基づく直管ランプ用の口金(G13)、その他の形状の口金であっても本実施の形態を適用することができる。
【0072】
本実施の形態に係る照明ランプは、給電口金のみの片側一方から給電を受ける片側給電方式であるが、給電口金及び支持口金を給電経路として用いる両側給電方式でもよく、その場合支持口金は給電口金と同様のものを備えてもよい。
【0073】
本実施の形態では、光源素子としてLEDを例示して説明したが、光源素子はLED以外の素子であっても構わない。例えば、光源として有機EL(Organic Electroluminescence)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)などの素子を用いてもよい。
【0074】
実施の形態2.
実施の形態1では、給電口金の内側に延びる給電端子が、口金筐体の軸線方向と異なり、口金筐体の軸線方向と交差する方向に沿って塞壁部である口金ベース部から起立し、口金筐体の軸線方向に対して所定の角度(鋭角)を有して、口金筐体の軸線側に傾斜している形態を説明したが、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる別の形態を、実施の形態2として説明する。
【0075】
実施の形態2は、給電口金の内側に延びる給電端子の一端部側が実施の形態1とは異なる方向に沿って傾斜している形態である。その他の構成については実施の形態1と同一または同等であり、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
(給電口金74)
図11は、本発明の実施の形態2に係る給電口金を示した断面図であり、
図7におけるB−B方向の断面図である。本実施の形態に係る給電口金74は、給電口金74の外郭を形成する有底円筒形状の口金筐体71と、矩形板状の一対の給電端子75、76とで構成されている。給電端子75、76は、給電ソケット30のソケット端子(図示しない)と光源基板61とを電気的に接続させる端子である。給電口金74の外観は実施の形態1に係る給電口金70と同じである。
図11に示すように、給電口金74は、内部構造が実施の形態1に係る給電口金70と異なる。
【0077】
図11に示すように、口金筐体71は、口金筐体71の底部(面)にあたる、円盤状の口金ベース部71aと、口金ベース部71aの周縁部から起立して延在し、給電口金74の外周面を形成する円筒状の口金周壁部71bとで構成されており、口金ベース部71aは、カバー50の一方の端部開口を塞ぐ塞壁部として、カバー50の軸線方向に対して垂直に設けられている。また、実施の形態1と同様に、給電口金74がカバー50の一方の端部に取り付けられた状態において、給電口金74の軸線方向はカバー50の軸線方向と一致している。
【0078】
給電端子75、76は、導電性を有する金属材料などで形成された矩形板状の端子であり、給電端子75、76はそれぞれ、口金ベース部71aを貫通し、口金ベース部71aの中心を挟んで対向する位置に設けられている。
【0079】
本実施の形態では、
図11に示すように、給電端子75、76は、それぞれ、鈍角の曲げ角度でV字形状に屈曲された屈曲部750a、760aを有している。そして、屈曲部750a、760aと先端部751b、761bとの間には、屈曲部750a、760aの屈曲方向とは反対の方向に鈍角の曲げ角度でV字形状に屈曲された屈曲部750b、760bをさらに有している。
【0080】
また、給電端子75、76は、屈曲部750a、760aから給電ソケット30側に延びるソケット側給電端子75a、76aと、屈曲部750b、760bから光源基板61側に延びる基板側給電端子75b、76bと、屈曲部750a、760aから屈曲部750b、760b延びるインサート部75c、76cを有している。一端部側の基板側給電端子75b、76bと他端部側のソケット側給電端子75a、76aとは、口金ベース部71aを間にして互いに反対方向に突き出している。
【0081】
本実施の形態では、インサート成形によって、給電端子75、76の屈曲部750a、750b、760a、760b及び、インサート部75c、76cが口金ベース部71aと一体的に形成されている。なお、給電端子75、76と口金筐体71とは、インサート成形以外の方法で一体的に形成されてもよい。
【0082】
(作用効果について)
次に、実施の形態2の作用と効果について説明する。
図11に示すように、給電端子75、76は、一端部側の基板側給電端子75b、76bが光源基板61側に、他端部側のソケット側給電端子75a、76aが給電ソケット30側に延びている。給電端子75、76において、屈曲部750a、760aを基準に他端部側であり、給電ソケット30側に向かって延びるソケット側口金端子75a、76aは、口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と交差しない方向である、口金ベース部71aと垂直をなす方向に起立して延びている。
【0083】
すなわち、ソケット側給電端子75a、76aは、口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と同じ方向に起立している。給電端子75、76において、屈曲部750b,760bを基準に一端部側であり、光源基板61側に向かって延びる基板側給電端子75b、76bは、口金ベース部71aから、口金筐体71の口金周壁部71bに向かって延びている。
【0084】
詳細には、給電端子75、76において、屈曲部750b,760bを基準に他端部側であり、給電ソケット側に延びるインサート部75c、76cは、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ3をなす方向で、口金筐体71の中心軸線から遠ざかる向きに傾斜して形成されている。本実施の形態では、屈曲部750a,760aから屈曲部750b,760bまでの間で、インサート部75c、76cが方向を変えずに直線状に形成されているが、これに限定されず、波形状のように方向を変えながら形成されてもよい。
【0085】
そして、給電端子75、76において、屈曲部750b、760bを基準に一端部側であり、光源基板側に延びる基板側給電端子75b、76bは、塞壁部である口金ベース部71aから、口金筐体71の口金周壁部71bに向かって起立して延びている。すなわち、基板側給電端子72b、73bは、口金ベース部71aから、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と異なる方向に起立して延びている。なお、ここでいう「起立」とは、口金筐体71から、口金筐体71の外側(給電ソケット側)、又は内側(光源基板側)に向って、給電端子75、76が突設して配置されている状態を表す。
【0086】
本実施の形態では、基板側給電端子75b、76bは、基端部751a、761aから先端部751b、761bにかけて、口金筐体71の口金周壁部71bに向かって、口金筐体71の中心軸方向(矢印Yの方向)と鋭角θ2をなす方向に延び、屈曲部750b、760bよりも口金周壁部71b側に傾斜して延設されている。すなわち、基板側給電端子75b、76bは、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ2をなす方向で、口金筐体71の中心軸線から遠ざかる向きに傾斜して形成されている。
【0087】
図11に示すように、給電ソケット側の屈曲部750a、760aと、光源基板側の屈曲部750b、760bとは、山と谷とが逆向きになるように屈曲されている。すなわち、給電ソケット側の屈曲部750a、760aと、光源基板側の屈曲部750b、760bとは、屈曲の向きが逆である。
【0088】
給電ソケット側の屈曲部750aと光源基板側の屈曲部750b、給電ソケット側の屈曲部760aと光源基板側の屈曲部760bとは、それぞれ繋がっている。すなわち、ソケット側給電端子75aと基板側給電端子75b、ソケット側給電端子76aと基板側給電端子76bは、それぞれ繋がっており一体の給電端子75、76を形成している。
【0089】
また、実施の形態1と同様に、基板側給電端子75bの先端部751bは、光源基板61の接続端子61eに嵌合され、基板側給電端子76bの先端部761bは、光源基板61の接続端子61fに嵌合されている。給電端子75,76は、基板61bに実装された光源素子61aを発光させるための電力を供給する供給経路である。例えば、給電端子75は、光源基板61へ電流を供給する端子であり、この場合、給電端子76は、光源基板61から電流を還流させる端子となる。なお、電流の経路はこれに限らない。
【0090】
ここで、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bが口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)となす鋭角θ2の大きさは、照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bに接続端子61e、61fを嵌合させる作業を無理なく行うことができるように決定された角度である。
【0091】
本実施の形態では、鋭角θ2の大きさは、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bと口金周壁部71bの内壁との隙間、及び基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bどうしの隙間のバランスが考慮された、15度に設定されている。すなわち、基板側給電端子75b、76bは、屈曲部750b、760bより光源基板側において、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)に対して15度ずつ傾斜している。
【0092】
なお、本実施の形態では鋭角θ2の大きさを15度としているが、鋭角θ2の大きさは15度以外の角度でもよく、口金周壁部71bの形状と長さ、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761b、口金周壁部71b、及び、光源基板61の位置を考慮して決定されることが望ましい。
【0093】
例えば、口金周壁部71bの開口から基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bまでの距離が長い場合には、鋭角θ2の大きさを10度とすることができ、口金周壁部71bの開口から基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bまでの距離が短い場合には、鋭角θ2の大きさを60度とすることができる。
【0094】
また、本実施の形態において、インサート部75c、76cの、給電ソケット側の屈曲部750a、760aと、光源基板側の屈曲部750b、760bとを繋ぐ部分は、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)に対して鋭角θ3をなすように形成されているが、θ3の角度は鋭角に限らず、口金筐体71の中心軸線に向かって延びていれば、直角などでもよい。
【0095】
給電端子75、76は、ソケット側口金端子75a、76aと基板側口金端子75b、76bとの間に設けられる屈曲部750a、750b、760a、760bが、口金筐体71に内包されて一体的に形成されることが望ましい。すなわち、給電端子75、76の屈曲部750a、750b、760a、760b及びインサート部75c、76cは、口金筐体71に埋設されるように配置されることが望ましい。
【0096】
このように形成されることで、給電端子75、76と口金筐体71とが強固に固定された一体部品となり、屈曲部750a、750b、760a、760bの曲げ角度が安定的に維持される。これによって、給電端子75、76に接続端子61e、61fを嵌合させ易くなるといった効果が得られる。
【0097】
図11に示すように、本実施の形態における照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bに接続端子61e、61fを嵌合させる(取り付ける)向きは、それぞれ矢印D1、矢印D2の向きである。また、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bに嵌合させた接続端子61e、61fを再び抜去させる(取り外す)ことができる向きは、それぞれ矢印D3、矢印D4の向きである。
【0098】
矢印D1、矢印D3の向きは屈曲部750bより光源基板側の基板側給電端子75bの向きに対応し、矢印D2、矢印D4の向きは屈曲部760bより光源基板側の基板側給電端子76bの向きに対応している。つまり、接続端子61e、61fは、口金筐体71の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ3をなす方向に傾斜した基板側口金端子75b、76bの先端部751b、761bにそれぞれ嵌合される。
【0099】
そして、本実施の形態における照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が、ライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金74に挿入させる(取り付ける)向き、及びライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金74から抜去させる(取り外す)向きは、口金筐体71bの中心軸線方向(矢印Yの方向)に沿った向きである。
【0100】
すなわち、本実施の形態における照明ランプ3は、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bに対して接続端子61e、61fを挿抜させる向きと、給電口金74に対してライトユニット60が収納されたカバー50を挿抜させる向きとが、それぞれ異なる方向に沿っており、それぞれの方向は鋭角θ2によって決定され相互に異なる方向である。
【0101】
このため、照明ランプ3において、給電端子75,76に接続端子61e、61fが接続された状態で、給電口金74がカバー50から抜ける方向の力が発生した場合に、給電端子75、76には、カバー50の軸線方向と、カバー50の軸線と垂直な法線方向とに分散された力が加わる。つまり、給電端子75、76と接続端子61e、61fとが互いに抜け去る力は分散されて大幅に低減される。
【0102】
さらに、本実施の形態における照明ランプ3は、基板側給電端子75bの先端部751bに対して接続端子61eを挿抜させる向きと、基板側給電端子76bの先端部761bに対して接続端子61fを挿抜させる向きとが、それぞれ異なる方向に沿っており、それぞれの方向は鋭角θ2によって決定され相互に異なる方向である。
【0103】
このため、照明ランプ3の組立工程において、接続端子61e、61fを基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bへ取り付ける作業が完了してから、ライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金74へ取り付ける作業が完了するまでの間に、再び接続端子61e、61fが、基板側給電端子75b、76bの先端部751b、761bから抜けることを防止できる。
【0104】
以上のように構成された照明装置において、給電口金の内側に延びる給電端子は、口金筐体の軸線方向と異なり、口金筐体の軸線方向と交差する方向に沿って、塞壁部である口金ベース部から起立して設けられている。すなわち、給電端子は、口金筐体の軸線方向に対して所定の角度を有して、口金筐体の軸線方向と異なる方向に傾斜しており、給電端子に対する接続端子の挿抜方向と、カバーに対する給電口金の挿抜方向とは、互いに異なる方向に設定されている。
【0105】
このため、簡素な構成でありながら、LED基板と接続された接続端子を給電端子に対して容易かつ確実に接続できる。そして、給電端子が接続端子に接続された状態で、口金がカバーから抜ける方向に力が発生した場合に、給電端子には、カバーの軸線方向と、カバーの軸線に垂直な法線方向とに力が分散させることができ、接続端子が給電端子から抜ける力を低減させることで、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止することができる。つまり、口金をカバーに挿入させるまでの間に、接続端子が口金端子から抜けることを防止できる。
【0106】
(変形例)
実施の形態2では、屈曲部751b、761bは、インサート部75c、76cに含まれ、インサート成形によって口金ベース部71aと一体的に形成されているが、変形例の屈曲部751b、761bは、インサート部75c、76cに含まないように、すなわち、屈曲部751b、761bを、口金ベース部71aから露出させ、光源基板側に配置されるように形成されている。
【0107】
このように形成することによって、給電端子75、76の屈曲部751b、761bは、ばねの機能を有するので、給電端子75、76に接続端子61e、61fが接続された状態で、接続部分に加わる応力を緩和する。給電口金74がカバー50に挿入される向き、又は給電口金74がカバー50から抜去される向きに発生し、接続部分に加わる応力も緩和する。
【0108】
例えば、カバー50に収納されるライトユニット60と、カバー50の一端部に取り付けられた給電口金74とは、互いに異なる線膨張係数を有している。ばねの機能を有する給電端子75、76の屈曲部751b、761bが線膨張係数の差に由来する応力を吸収し、ライトユニット60と給電口金74とを接続するリード線61c、61dの、基板61bとのはんだ接合部分、接続端子61e、61fが圧着される部分、基板側口金端子75b、76bの先端部751b、761bと接続端子61e、61fとが嵌合される部分には応力に伴うストレスが加わらないという効果を有する。
【0109】
(まとめ)
従って、本実施の形態2によれば、簡素な構成でありながら、LED基板と接続された光源基板の接続端子を給電端子に対して容易かつ確実に接続でき、口金をカバーに挿入させるまでの間に、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止できるため、効率的な組立作業と高い作業品質が達成でき、高品質かつ低価格の照明ランプ、及び、照明装置を提供することができる。
【0110】
ここで、本実施の形態に係る給電口金74は、ソケット側口金端子75a、76aは給電ソケット30の形状に合わせ口金筐体71の中心軸線側よりも口金周壁部71b側寄りに設けられている。このため、塞壁部である口金ベース部71から、基板側口金端子75b、76bが中心軸線から離れる向きに延びるように起立する形状とした場合、基板側口金端子75b、76bと口金周壁部71bとの距離が近接し過ぎて、基板側口金端子75b、76bの先端部751b、761bに接続端子61e、61fを嵌合させにくく、接続が不完全になるおそれがある。
【0111】
そこで、
図11に示すように、本実施の形態では、給電端子75、76は、屈曲部750a、760aで屈曲させて、基端部751a、761aの位置を口金筐体71の中心軸線側に配置させている。そして、この基端部751a、761aの位置を基準として、基板側口金端子75b、76bを口金筐体71の中心軸線から離れる向きに傾斜させて延ばし、基板側口金端子75b、76bの先端部751b、761bを口金筐体71の中心軸線から離れた位置に配置させている。
【0112】
このような形状とすることで、基板側口金端子75b、76bの先端部751b、761bと口金周壁部71bとの間隔を、基板側口金端子75b、76bの先端部751b、761bに接続端子61e、61fを嵌合する作業に適した寸法に設定することできる。
【0113】
本実施の形態では、給電口金は、JEL801規格に基づく直管ランプのL形ピン口金(GX16t−5)を例示して説明したが、例えば、JEL802規格に基づく直管ランプ用の口金(G13)、その他の形状の口金であっても本実施の形態を適用することができる。すなわち、本実施の形態では、給電端子の形状は矩形板状であるが、給電端子の形状はこれに限定されるものはなく、例えば、ピン、細筒など細長形状をなした導電性を有する端子であればよい。
【0114】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、給電口金の内側に延びる給電端子が、口金筐体の中心軸線方向と異なるに方向に沿って傾斜している形態を説明したが、実施の形態1、2と同様の作用効果を得ることができるさらに別の形態を、実施の形態3として説明する。
【0115】
この実施の形態3は、照明ランプの内側に延びる口金端子の基端部の屈曲方向が実施の形態1、2と異なり、基端部を口金筐体の中心軸線から遠ざかる方向に傾斜させる形態を示している。なお、実施の形態1、2と同一または同等な構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0116】
(給電口金90)
図12は、本発明を実施の形態3に係る給電口金を示した断面図であり、
図7におけるB−B方向の断面図である。本実施の形態に係る給電口金90は、給電口金90の外郭を形成する有底円筒形状の口金筐体91と、矩形板状の一対の給電端子92,93とで構成されている。給電端子92、93は、給電ソケット30のソケット端子(図示しない)と光源基板61とを電気的に接続させる端子である。給電口金90の外観は実施の形態1に係る給電口金70と同じである。
図12に示すように、給電口金90は、内部構造が実施の形態1に係る給電口金70、及び実施の形態2に係る給電口金74と異なる。
【0117】
図12に示すように、口金筐体91は、口金筐体91の底部(面)にあたる、円盤状の口金ベース部91aと、口金ベース部91aの周縁部から起立して延在し、給電口金90の外周面を形成する円筒状の口金周壁部91bとで構成されている。
【0118】
口金ベース部91aは、カバー50の一方の端部開口を塞ぐ塞壁部として、カバー50の軸線方向に対して垂直に設けられており、内部底面はすり鉢形状に形成されている。また、実施の形態1、2と同様に、給電口金90がカバー50の一方の端部に取り付けられた状態において、給電口金90の軸線方向はカバー50の軸線方向と一致している。
【0119】
給電端子92、93は、導電性を有する金属材料などで形成された矩形板状の端子であり、給電端子92、93のそれぞれは、口金ベース部91aを貫通し、口金ベース部91aの中心を挟んで対向する位置に設けられている。
【0120】
本実施の形態では、
図12に示すように、給電端子92、93は、それぞれ、鈍角の曲げ角度でV字形状に屈曲された屈曲部920a、930aを有している。そして、屈曲部920a、930aと先端部921b、931bとの間には、屈曲部920a、930aとの屈曲方向とは反対の方向に鈍角の曲げ角度でV字形状に屈曲された屈曲部920b、930bをさらに有している。
【0121】
給電端子92、93は、屈曲部920a、930aから給電ソケット30側に向かって延びるソケット側給電端子92a、93aと、屈曲部920b、930bから光源基板61側に向かって延びる基板側給電端子92b、93bと、屈曲部920a、930aから屈曲部920b、930bに向かって延びるインサート部92c、93cとを有している。一端部側の基板側給電端子92b、93bと他端部側のソケット端子92a、93aとは、互いに口金ベース部71aを間にして反対方向に突き出している。
【0122】
本実施の形態では、インサート成形によって、給電端子92、93の屈曲部920a,920b、930a、930bを含むインサート部92c、93cが口金ベース部91aのすり鉢状の内部底面を形成する肉厚部分と一体的に形成されている。なお、給電端子92、93と口金筐体91とは、インサート成形以外の方法で一体的に形成されてもよい。
【0123】
(作用効果について)
次に、実施の形態3の作用と効果について説明する。
図12に示すように、口金端子92、93は、一端部側の基板側給電端子92b、93bが光源基板61側に、他端部側のソケット側給電端子92a、93aが給電ソケット30側に延びている。給電端子92、93において、屈曲部920a、930aを基準に他端部側であり、給電ソケット30側に向かって延びるソケット側口金端子92a、93aは、口金ベース部91bから、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と交差しない方向である、口金ベース部91aと垂直をなす方向に起立して延びている。
【0124】
すなわち、ソケット側給電端子92a、93aは、口金ベース部91aから、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と同じ方向に起立している。給電端子92、93において、屈曲部920b、930bを基準に一端部側であり、光源基板61側に向かって延びる基板側給電端子92b、93bは、塞壁部である口金ベース部91aから、口金筐体91の中心軸線に向かって延びている。
【0125】
詳細には、給電端子92、93において、屈曲部920a、930aを基準に一端部側であり、光源基板側に延びるインサート部92c、93cは、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ5をなす方向で、口金筐体91の中心軸線から遠ざかる向きに傾斜して形成されている。本実施の形態では、屈曲部920a、930aから屈曲部920b、930bまでの間で、インサート部92c、93cが方向を変えずに直線状に形成されているが、これに限定されず、波形状のように方向を変えながら形成されてもよい。
【0126】
そして、給電端子75、76において、屈曲部920b、930bを基準に一端部側であり、光源基板61に向かって延びる基板側給電端子92b、93bは、塞壁部である口金ベース部91aから、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と交差する方向に起立して延びている。すなわち、基板側給電端子92b、93bは、口金ベース部91aから、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と異なる方向に起立して延びている。
【0127】
本実施の形態では、基板側給電端子92b、93bは、基端部921a、931aから遠い先端部921b、931bにかけて、口金筐体91の中心軸線に向かって、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ4をなす方向であり、口金ベース部91aから起立する起点よりも中心軸線側に傾斜して延設されている。
【0128】
なお、本実施の形態でいう「起立」とは、口金筐体91から、口金筐体91の外側(給電ソケット側)、又は内側(光源基板側)に向って、給電端子95、96が突設して配置されている状態を表す。
【0129】
また、基板側給電端子92bの先端部921bは、光源基板61の接続端子61eに嵌合され、基板側給電端子93bの先端部931bは、光源基板61の接続端子61fに嵌合されている。給電端子92、93は、基板61bに実装された光源素子61aを発光させるための電力を供給する給電経路である。例えば、給電端子92は、光源基板61へ電流を供給する端子であり、この場合、給電端子93は、光源基板61から電流を還流させる端子となる。なお、電流の経路はこれに限らない。
【0130】
ここで、基板側口金端子92b、93bが口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)となす鋭角θ4の大きさは、照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bの先端に接続端子61e、61fを嵌合させる作業を無理なく行うことができるように決定された角度である。
【0131】
本実施の形態では、鋭角θ4の大きさは、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bと口金周壁部91bの内壁との隙間、及び、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、先端部931bどうしの隙間のバランスが考慮された、30度に設定されている。すなわち、基板側給電端子92b、93bは、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)に対して30度ずつ傾斜している。
【0132】
なお、本実施の形態では鋭角θ4の大きさを30度としているが、鋭角θ4の大きさは30度以外の角度でもよく、口金周壁部91bの形状と長さ、基板側給電端子92b、93bと口金周壁部91bと光源基板61の位置を考慮して決定されることが望ましい。
【0133】
例えば、口金周壁部91bの開口から基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bの距離が長い場合には、鋭角θ3の大きさを20度とすることができ、口金周壁部71bの開口から基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bの距離が短い場合には、鋭角θ3の大きさを60度とすることができる。
【0134】
また、本実施の形態において、インサート部92c、93cの、給電ソケット側の屈曲部920a、930aと、光源基板側の屈曲部920b、930bとを繋ぐ部分は、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)に対して鋭角θ5をなすように形成されているが、θ5の角度は鋭角に限らず、口金筐体91の中心軸線に向かって延びていれば、直角などでもよい。
【0135】
本実施の形態では、給電口金90の口金筐体91は有底円筒形状であり、塞壁部である口金ベース部91aの内部底面はすり鉢形状に形成されている。また、給電端子92、93は、ソケット側口金端子92a、93aと基板側口金端子92b、93bとの間に設けられる屈曲部920a、920b、930a、930bが、口金ベース部91aのすり鉢状の内部底面を形成する肉厚部分で口金筐体91と一体的に形成されている。
【0136】
すなわち、給電端子92、93の屈曲部920a、920b、930a、930bは、インサート部92c、93cに含まれるように配置されている。このように形成されることで、給電端子92、93と口金筐体91とが強固に固定された一体部品となり、屈曲部750a、750b、760a、760bの曲げ角度が安定的に維持される。これによって、給電端子92、93接続端子61e、61fを嵌合させ易くなるといった効果が得られる。
【0137】
本実施の形態に係る給電口金90は、口金筐体91内の、基板側給電端子92b、93bの間には、給電端子92、93が配置されない空間100が形成されている。本実施の形態では、給電端子92、93の基端部921a、931aを口金筐体71の中心軸線から遠ざけて配置させ、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bを口金周壁部91b寄りに配置させている。このため、基板側口金端子92b、93bの間に空間100を形成することができる。
【0138】
空間100は、照明ランプ3の外部から印加される外来ノイズを抑制するフィルタ回路、照明ランプ3の外部から供給される電力をLED61a点灯させるための点灯電力に変換する電力変換回路などを配置することに利用される。空間100は、給電端子92、93と光源ユニット61との間に設けられており、上記のような回路を配置するうえで好適な領域である。
【0139】
図12に示すように、本実施の形態における照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bに接続端子61e、61fを嵌合させる(取り付ける)向きは、それぞれ矢印D1、矢印D2の向きである。
また、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bに嵌合させた接続端子61e、61fを再び抜去させる(取り外す)ことができる向きは、それぞれ矢印D3、矢印D4の向きである。
【0140】
矢印D1、矢印D3の向きは屈曲部920bより光源基板側の基板側給電端子92bの向きに対応し、矢印D2、矢印D4の向きは屈曲部930bより光源基板側の基板側給電端子93bの向きに対応している。つまり、接続端子61e、61fは、口金筐体91の中心軸線方向(矢印Yの方向)と鋭角θ4をなす方向に傾斜した基板側口金端子92b、93bの先端部921b、931bにそれぞれ嵌合される。
【0141】
そして、本実施の形態における照明ランプ3の組立工程において、組立作業者が、ライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金90に挿入させる(取り付ける)向き、及びライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金90から抜去させる(取り外す)向きは、口金筐体71bの中心軸線方向(矢印Yの方向)に沿った向きである。
【0142】
すなわち、本実施の形態における照明ランプ3は、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bに対して接続端子61e、61fを挿抜させる向きと、給電口金90に対してライトユニット60が収納されたカバー50を挿抜させる向きとが、それぞれ異なる方向に沿っており、それぞれの方向は鋭角θ4によって決定され相互に異なる方向である。
【0143】
このため、照明ランプ3において、口金端子92,93に接続端子61e、61fが接続された状態で、給電口金90がカバー50から抜ける方向の力が発生した場合に、給電端子92,93には、カバー50の軸線方向と、カバー50の軸線と垂直な法線方向とに分散された力が加わる。つまり、給電端子92、93と接続端子61e、61fとが互いに抜け去る力は分散されて大幅に低減される。
【0144】
そして、照明ランプ3の組立工程において、接続端子61e、61fを基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bへ取り付ける作業が完了してから、ライトユニット60が収納されたカバー50を給電口金90へ取り付ける作業が完了するまでの間に、再び接続端子61e、61fが、基板側給電端子92b、93bの先端部921b、931bからの抜けることを防止できる。
【0145】
以上のように構成された照明ランプにおいて、給電口金の内側に延びる給電端子は、口金筐体の軸線方向と異なり、口金筐体の軸線方向と交差する方向に沿って、塞壁部である口金ベース部から起立して設けられている。すなわち、給電端子は、口金筐体の軸線方向に対して所定の角度を有して、口金筐体の軸線方向と異なる方向に傾斜しており、給電端子に対する接続端子の挿抜方向と、カバーに対する給電口金の挿抜方向とは、互いに異なる方向に設定されている。
【0146】
このため、簡素な構成でありながら、LED基板と接続された接続端子を給電端子に対して容易かつ確実に接続できる。そして、給電端子が接続端子に接続された状態で、口金がカバーから抜ける方向に力が発生した場合に、給電端子には、カバーの軸線方向と、カバーの軸線に垂直な法線方向とに力が分散させることができ、接続端子が給電端子から抜ける力を低減させることで、再び接続端子が給電端子から抜けることを防止することができる。つまり、口金をカバーに挿入させるまでの間に、接続端子が口金端子から抜けることを防止できる。
【0147】
また、照明ランプの内側に向かって延びる一対の給電端子の端部は、V字形状の屈曲部が口金筐体の中心軸線から遠ざけて口金周壁部寄りに配置されるため、一対の給電端子の間に空間を形成することができる。この空間は、照明ランプの外部から印加される外来ノイズを抑制するフィルタ回路、照明ランプの外部から供給される電力をLEDの点灯に好適な点灯電力に変換する電力変換回路などを配置することができるので、照明ランプ及び照明装置の性能を向上させることができ、さらに、さらに、照明装置全体の小型化、簡素化にも繋がる。
【0148】
(変形例)
実施の形態3では、給電口金90の口金筐体91は有底円筒形状であり、塞壁部である口金ベース部91aの内部底面はすり鉢形状に形成され、屈曲部921b、931bは、インサート部92c、93cに含まれ、インサート成形によって口金ベース部91aと一体的に形成されている。
【0149】
しかし、これに限らず、口金筐体91の形状は、内部を円柱状に切り抜かれた有底円筒形状とし、屈曲部921b、931bは、インサート部92c、93cに含まないように、すなわち、屈曲部921b、931bを、口金ベース部91aから露出させ、光源基板側に配置されるように形成されてもよく、この構成であっても、接続端子61e、61fの口金端子92,93からの抜けを抑制することができる。この場合、屈曲部921b、931bは口金筐体91内には埋設されず露出するので、弾性を有し、ばねの機能を備えた形態となる。
【0150】
このように形成することによって、給電端子92、93の屈曲部921b、931bは、給電端子92、93に接続端子61e、61fが接続された状態で、接続部分に加わる応力を緩和する。給電口金90がカバー50に挿入される向き、又は給電口金90がカバー50から抜去される向きに発生し、接続部分に加わる応力も緩和する。
【0151】
例えば、カバー50に収納されるライトユニット60と、カバー50の一端部に取り付けられた給電口金90とは、互いに異なる線膨張係数を有している。ばねの機能を有する給電端子92、93の屈曲部921b、931bが線膨張係数の差に由来する応力を吸収し、ライトユニット60と給電口金90とを接続するリード線61c、61dの、基板61bとのはんだ接合部分、接続端子61e、61fが圧着される部分、基板側口金端子92b、93bの先端部921b、931bと接続端子61e、61fとが嵌合される部分には応力に伴うストレスが加わらないという効果を有する。
【0152】
(まとめ)
従って、本実施の形態3によれば、簡素な構成でありながら、LED基板と接続された光源基板の接続端子を口金端子に対して容易かつ確実に接続でき、口金をカバーに挿入させるまでの間に、再び接続端子の口金端子から抜けることを防止できるため、効率的な組立作業と高い作業品質が達成でき、高品質かつ低価格の照明ランプ、及び、照明装置を提供することができる。そして、さらに、口金筐体の内部に部品を搭載させる空間を有しているので、新たな部品を付加することができ、高い性能を有する照明ランプ、及び、照明装置を提供することができる。さらに、照明装置全体の小型化、簡素化にも繋がる。
【0153】
なお、給電口金90は、JEL801規格に基づく直管ランプのL形ピン口金(GX16t−5)を例示して説明したが、例えば、JEL802規格に基づく直管ランプの口金(G13)でも、本実施の形態を適用することができる。また、その他の形状の口金であっても本実施の形態を適用することができる。すなわち、本実施の形態では、口金端子92、93の形状は矩形板状であるが、口金端子92,93の形状はこれに限定される必要はなく、例えば、ピン、細筒など細長形状をなした導電性を有する端子であればよい。
【0154】
本発明の態様は、上記それぞれの実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上記した内容に限定されない。つまり、本発明の範囲は上記したそれぞれの実施形態ではなくて特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲に規定された内容、及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更、及び部分的削除が含まれるものである。