特開2016-175540(P2016-175540A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-175540(P2016-175540A)
(43)【公開日】2016年10月6日
(54)【発明の名称】車両用バイザ装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 3/02 20060101AFI20160909BHJP
【FI】
   B60J3/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-57293(P2015-57293)
(22)【出願日】2015年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141416
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 智雄
(72)【発明者】
【氏名】塚田 正司
(72)【発明者】
【氏名】中根 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】小野木 文寛
(72)【発明者】
【氏名】宇野 秀典
(72)【発明者】
【氏名】井上 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】玉置 明浩
(57)【要約】
【課題】 バイザ本体の電動による車両前方へのスライド動作に連動してバイザ本体を所定の角度位置まで下方に回動させることができ、バイザ本体を任意の角度に手動で角度調節できる車両用バイザ装置の提供。
【解決手段】バイザ本体40は、トルクヒンジ70にてスライダ30に対して任意の角度で保持可能とされ、トルクヒンジ70による保持力よりも大きい力が加えられた際にはスライダ30に対して回動可能とされている。また、電動駆動機構50によりスライダ30が車両前方に移動しバイザ本体40が後退位置40aから前進位置40bに移動する動きを利用して、バイザ本体40をスライダ30に対して後退位置40aにあるときにおける角度から一定の角度だけ下方に回動させる回動機構60が設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間の収納スペースに配設される支持体と、
前記支持体に車両前後方向に往復直線動可能に支持されるスライダと、
前記スライダにトルクヒンジを用いて上下方向に回動可能に支持されるバイザ本体と、
前記スライダを前記支持体に対して車両前後方向に往復直線的に移動させることで、前記バイザ本体を、前記収納スペース内に位置する後退位置と該後退位置から車両前方に移動して車室内に突出した前進位置とに移動させる電動駆動機構と、
を有し、
前記バイザ本体は、前記トルクヒンジにて前記スライダに対して任意の角度で保持可能とされ、前記トルクヒンジによる保持力よりも大きい力が加えられた際には前記スライダに対して回動可能とされており、
前記電動駆動機構により前記スライダが車両前方に移動し前記バイザ本体が前記後退位置から前記前進位置に移動する動きを利用して、前記バイザ本体を前記スライダに対して前記後退位置にあるときにおける角度から一定の角度だけ下方に回動させる回動機構が設けられている、車両用バイザ装置。
【請求項2】
前記回動機構は、前記バイザ本体の前記スライダに対する回動軸芯よりも車両後方で前記バイザ本体に下方に膨出して設けられるバイザ側膨出部と、前記支持体に上方に膨出して設けられる支持体側膨出部と、を備えており、
前記バイザ本体が前記後退位置から前記前進位置に移動するときに前記バイザ側膨出部が前記支持体側膨出部に干渉して上方に押し上げられることで、前記バイザ本体が前記スライダに対して下方に回動する、請求項1記載の車両用バイザ装置。
【請求項3】
前記回動機構は、スライダ側ピースと、シーソー部品と、を備えており、
前記スライダ側ピースは、前記スライダに支持されており、
前記シーソー部品は、車両左右方向に延びる軸芯まわりに前記支持体に回動可能に支持される軸部と、該軸部から車両前方に延びる前側アーム部と、前記軸部から車両後方に延びる後側アーム部と、を備えており、
前記バイザ本体が前記後退位置から前記前進位置に移動するときに前記後側アーム部が前記スライダ側ピースと干渉して上方に押し上げられることで、前記シーソー部品が前記軸部まわりに回動し前記前側アーム部にて前記バイザ本体を押し下げる、請求項1記載の車両用バイザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のバイザ(サンバイザ)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−245860号公報は、バイザ本体の電動による車両前方向のスライド動作に連動して、バイザ本体を所定の角度位置まで下方に回動させることができる、車両用バイザ装置を開示している。
【0003】
しかし、従来装置には、つぎの問題点がある。
バネの付勢力でバイザ本体を当接ローラに押し付けているため、バイザ本体を、当接ローラに当接している角度から異なる任意の角度に手動で角度調節することが難しい。よって、バイザ装置の使用性に改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−245860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、バイザ本体の電動による車両前方へのスライド動作に連動してバイザ本体を所定の角度位置まで下方に回動させることができるものにおいて、バイザ本体を任意の角度に手動で角度調節できる車両用バイザ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1)〔実施例1,2〕
ルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間の収納スペースに配設される支持体と、
前記支持体に車両前後方向に往復直線動可能に支持されるスライダと、
前記スライダにトルクヒンジを用いて上下方向に回動可能に支持されるバイザ本体と、
前記スライダを前記支持体に対して車両前後方向に往復直線的に移動させることで、前記バイザ本体を、前記収納スペース内に位置する後退位置と該後退位置から車両前方に移動して車室内に突出した前進位置とに移動させる電動駆動機構と、
を有し、
前記バイザ本体は、前記トルクヒンジにて前記スライダに対して任意の角度で保持可能とされ、前記トルクヒンジによる保持力よりも大きい力が加えられた際には前記スライダに対して回動可能とされており、
前記電動駆動機構により前記スライダが車両前方に移動し前記バイザ本体が前記後退位置から前記前進位置に移動する動きを利用して、前記バイザ本体を前記スライダに対して前記後退位置にあるときにおける角度から一定の角度だけ下方に回動させる回動機構が設けられている、車両用バイザ装置。
(2)〔実施例1〕
前記回動機構は、前記バイザ本体の前記スライダに対する回動軸芯よりも車両後方で前記バイザ本体に下方に膨出して設けられるバイザ側膨出部と、前記支持体に上方に膨出して設けられる支持体側膨出部と、を備えており、
前記バイザ本体が前記後退位置から前記前進位置に移動するときに前記バイザ側膨出部が前記支持体側膨出部に干渉して上方に押し上げられることで、前記バイザ本体が前記スライダに対して下方に回動する、(1)記載の車両用バイザ装置。
(3)〔実施例2〕
前記回動機構は、スライダ側ピースと、シーソー部品と、を備えており、
前記スライダ側ピースは、前記スライダに支持されており、
前記シーソー部品は、車両左右方向に延びる軸芯まわりに前記支持体に回動可能に支持される軸部と、該軸部から車両前方に延びる前側アーム部と、前記軸部から車両後方に延びる後側アーム部と、を備えており、
前記バイザ本体が前記後退位置から前記前進位置に移動するときに前記後側アーム部が前記スライダ側ピースと干渉して上方に押し上げられることで、前記シーソー部品が前記軸部まわりに回動し前記前側アーム部にて前記バイザ本体を押し下げる、(1)記載の車両用バイザ装置。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)の車両用バイザ装置によれば、電動駆動機構によりスライダが車両前方に移動しバイザ本体が後退位置から前進位置に移動する動きを利用して、バイザ本体をスライダに対して後退位置にあるときにおける角度から一定の角度だけ下方に回動させる回動機構が設けられている。そのため、バイザ本体の電動による車両前方向のスライド動作に連動してバイザ本体を所定の角度位置まで下方に回動させることができる。
また、バイザ本体は、トルクヒンジにてスライダに対して任意の角度で保持可能とされ、トルクヒンジによる保持力よりも大きい力が加えられた際にはスライダに対して回動可能とされている。そのため、トルクヒンジによる保持力よりも大きい力を加えることで、手動でバイザ本体を任意の角度に角度調節できる。
【0008】
上記(2)の車両用バイザ装置によれば、回動機構が、バイザ本体の回動軸芯よりも車両後方でバイザ本体に下方に膨出して設けられるバイザ側膨出部と、支持体に上方に膨出して設けられる支持体側膨出部と、を備えている。そのため、バイザ本体にバイザ側膨出部を一体に形成し、支持体に支持体側膨出部を一体に形成するだけで、新たな部品を追加することなく回動機構を設けることができる。よって、新たな部品を追加して回動機構を設ける場合に比べて、装置のコンパクト化、コストの両点において有利である。
【0009】
上記(3)の車両用バイザ装置によれば、回動機構が、スライダ側ピースと、シーソー部品と、を備えており、バイザ本体が後退位置から前進位置に移動するときに後側アーム部がスライダ側ピースと干渉して上方に押し上げられることで、シーソー部品が軸部まわりに回動し前側アーム部にてバイザ本体を押し下げる。そのため、シーソー部品を利用して、バイザ本体を所定の角度位置まで下方に回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明実施例1の車両用バイザ装置とその近傍の概略断面図である。
図2】本発明実施例1の車両用バイザ装置の、車両前後方向と直交する面で切断したときの概略断面図である。
図3】本発明実施例1の車両用バイザ装置の、スライダとバイザ本体のみの模式平面図である。
図4】本発明実施例2の車両用バイザ装置の、概略側面図である。
図5】本発明実施例2の車両用バイザ装置の、スライダ、バイザ本体および回動機構の概略分解斜視図である。
図6】本発明実施例2の車両用バイザ装置の、作動斜視図である。(a)は、バイザ本体が後退位置から前進位置側に移動し、スライダ側ピースがシーソー部品に干渉する直前の状態を示す。(b)は、スライダ側ピースがシーソー部品の後側アーム部に干渉してシーソー部品が回動しバイザ本体が押し下げられた状態を示す。(c)は、スライダ側ピースが後側アーム部を通り越した状態を示す。(d)は、バイザ本体が前進位置から後退位置側に移動し、スライダ側ピースがシーソー部品の後側アーム部により車両左右方向に押されて移動した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明実施例の車両用バイザ装置(以下、単にバイザ装置ともいう)を、図面を参照して、説明する。
【0012】
図1図3は、本発明実施例1のバイザ装置を示しており、図4図6は、本発明実施例2のバイザ装置を示している。なお、図において、FRは車両前方を示し、UPは上方を示す。また、以下、単に前後、左右、上下を用いて説明する場合、それぞれ、車両の前後方向、車両の左右方向、車両の上下方向を示すものとする。
【0013】
本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分には、本発明実施例1と実施例2にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分を説明する。
【0014】
本発明実施例のバイザ装置10は、図1に示すように、車室天井1の前端部またはその近傍で、運転席および/または助手席の前方に設けられる。バイザ装置10は、主として車両の前席(運転席、助手席)に着座している乗員Pの遮光のために設けられる。
【0015】
バイザ装置10は、支持体20と、スライダ30と、バイザ本体40と、電動駆動機構50(図2参照)と、回動機構60と、を有する。
【0016】
支持体20は、車両に対して固定されており、ルーフパネル2とルーフヘッドライニング3との間の収納スペースSに配設される。なお、図1において符号4は、フロントガラスである。ルーフヘッドライニング3の前端部には、収納スペースSを前方に開放する開口3aが形成されている。支持体20は、図2に示すように、スライダ30の左右両側に位置し前後方向に延びるガイドレール部21を備える。
【0017】
スライダ30は、左右の両端部31が支持体20のガイドレール部21に直線的に前後方向にスライド可能に支持されることで、支持体20に前後方向に直線的にスライド可能に支持される。
【0018】
バイザ本体40は、図1に示すように、板状である。バイザ本体40は、光を通さない光不透過性樹脂製であってもよく、光透過率が1パーセント以上で99パーセント以下の半透明樹脂製であってもよい。バイザ本体40は、後端部でスライダ30の前端部にトルクヒンジ70を用いて上下方向に回動可能に支持される。バイザ本体40は、スライダ30に左右方向に延びる軸芯Aまわりに上下方向に回動可能に支持される。バイザ本体40は、トルクヒンジ70にてスライダ30に対して任意の上下方向角度で保持可能とされており、トルクヒンジ70による保持力よりも大きい力が加えられた際にはスライダ30に対して上下方向に回動可能とされている。
【0019】
電動駆動機構50は、スライダ30を支持体20に対して前後方向に往復直線的に移動させることで、バイザ本体40を、収納スペースS内に位置する後退位置40aと後退位置40aから前方に移動して収納スペースSから車室内に突出した前進位置40bとに移動させる機構である。
【0020】
電動駆動機構50は、図2に示すように、電動モータ(アクチュエータ)51と、電動モータ51の力をスライダ30に伝達する動力伝達部52と、を備える。
【0021】
電動モータ51は、支持体20に固定して設けられている。電動モータ51は、支持体20の外部に配設されていてもよく支持体20の内部に配設されていてもよい。動力伝達部52は、電動モータ51の力をスライダ30に伝達できるものであれば特に限定されるものではなく種々の構成を採用し得る。なお、図示例では、動力伝達部52は、電動モータ51にて駆動されるモータ側ピニオン52aと、スライダ30に固定して設けられモータ側ピニオン52aと常時噛み合うスライダ側ラック52bと、を備える場合を示している。電動モータ51の作動でモータ側ピニオン52aが回転することで、モータ側ピニオン52aの力がスライダ側ラック52bに伝達されてスライダ30が支持体20に対して前後動する。
【0022】
回動機構60は、図1に示すように、電動駆動機構50によりスライダ30が前方に直線的に移動しバイザ本体40が後退位置40aから前進位置40bに直線的に移動する動きを利用して、バイザ本体40をスライダ30に対して後退位置40aにあるときにおける角度から一定の角度だけ下方に回動させる機構である。
【0023】
ここで、本発明実施例1と実施例2にわたって共通する作用を説明する。
電動駆動機構50によりスライダ30が前方に移動しバイザ本体40が後退位置40aから前進位置40bに移動する動きを利用して、バイザ本体40をスライダ30に対して後退位置40aにあるときにおける角度から一定の角度だけ下方に回動させる回動機構60が設けられている。そのため、バイザ本体40の電動による前方スライド動作に連動してバイザ本体40を所定の角度位置まで下方に回動させることができる。なお、所定の角度位置は、乗員P(AM50)の使用頻度が最も高いと想定される角度位置である。
【0024】
バイザ本体40は、トルクヒンジ70にてスライダ30に対して任意の角度で保持可能とされ、トルクヒンジ70による保持力よりも大きい力が加えられた際にはスライダ30に対して回動可能とされている。そのため、トルクヒンジ70による保持力よりも大きい力を加えることで、光の入射角に合わせて前進位置40bにあるバイザ本体40を手動で任意の角度に角度調節できる。
【0025】
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕(図1図3
本発明実施例1では、回動機構60は、バイザ本体40のスライダ30に対する回動軸芯Aよりも後方でバイザ本体40に下方に膨出して設けられるバイザ側膨出部61と、支持体20に上方に膨出して設けられる支持体側膨出部62と、を備える。
【0026】
バイザ側膨出部61は、バイザ本体40に一体に形成されている。バイザ側膨出部61は、図3に示すように、バイザ本体40に後方に延びて形成される後方延出部41の後側端部から下方に膨出して設けられている。支持体側膨出部62は、図1に示すように、支持体20に一体に形成されている。支持体側膨出部62は、支持体20の下壁22の前端部から上方に膨出して設けられている。
【0027】
ここで、本発明実施例1の作動を説明する。
(a)電動駆動機構50の作動によりバイザ本体40が後退位置40aから前進位置40bに移動するとき、バイザ本体40が前進位置40bに達する直前で、バイザ側膨出部61が支持体側膨出部62に干渉して(重なり合い)上方に押し上げられる。これにより、バイザ本体40の前端部がスライダ30に対して下方に回動し、バイザ本体40は所定の角度(希望とする角度)となる。
【0028】
(b)電動駆動機構50の作動によりバイザ本体40が前進位置40bから後退位置40bに移動するとき(戻るとき)、バイザ本体40の軸芯Aよりも前方に位置する部分の下面42がルーフヘッドライニング3の開口3aの縁または支持体20に干渉することでバイザ本体40の前端部をスライダ30に対して上方に回動させながら、バイザ本体40は後退位置40aに移動する。
【0029】
本発明実施例1では、つぎの特有な作用、効果を得ることができる。
回動機構60が、バイザ本体40の回動軸芯Aよりも車両後方でバイザ本体40に下方に膨出して設けられるバイザ側膨出部61と、支持体20に上方に膨出して設けられる支持体側膨出部62と、を備えている。そのため、バイザ本体40にバイザ側膨出部61を一体に形成し、支持体20に支持体側膨出部62を一体に形成するだけで、新たな部品を追加することなく回動機構60を設けることができる。よって、新たな部品を追加して回動機構60を設ける場合に比べて、装置10のコンパクト化、コストの両点において有利である。
【0030】
〔実施例2〕(図4図6
本発明実施例2では、回動機構60は、図5に示すように、スライダ側ピース63と、シーソー部品64と、を備える。回動機構60は、さらに、ピース付勢部材65と、シーソー付勢部材66と、を備える。
【0031】
スライダ側ピース63は、スライダ30に左右方向に可動に支持されており、ピース付勢部材65により常時左右一側に付勢されている。ピース側付勢部材65は、特に限定されるものではないが、たとえばコイルスプリング、板バネ等からなる。スライダ側ピース63は、上面に前方かつ下方に傾斜する第1の傾斜面63aと、後面に前方かつ左右一側に傾斜する第2の傾斜面63bと、を備える。
【0032】
シーソー部品64は、左右方向に延びる軸芯A1まわりに支持体20に回動可能に支持される軸部64aと、軸部64aから前方に延びる前側アーム部64bと、軸部64aから後方に延びる後側アーム部64cと、を備える。シーソー部品64は、シーソー付勢部材66により常時、後側アーム部64cが下方に移動し前側アーム部64bが上方に移動する方向に回動付勢されている。シーソー付勢部材66は、特に限定されるものではないが、例えばトーションスプリングからなる。
【0033】
ここで、本発明実施例2の作動を説明する。
(a)電動駆動機構50の作動によりバイザ本体40が後退位置40aから前進位置40bに移動するとき、図6(a)、(b)に示すように、バイザ本体40が前進位置40bに達する直前で、後側アーム部64cがスライダ側ピース63の第1の傾斜面63aと干渉して(滑り上がり)シーソー付勢部材66の付勢力に抗して上方に押し上げられる。これにより、シーソー部品64が軸部64aまわりに回動し前側アーム部64bにてバイザ本体40を押し下げる。この結果、バイザ本体40の前端部がスライダ30に対して下方に回動し、バイザ本体40は所定の角度(希望とする角度)となる。なお、バイザ本体40が前進位置40bに達したとき、図6(c)に示すように、シーソー部品64の後側アーム部64cは、スライダ側ピース63を乗り越えており、スライダ側ピース63より後方にある。
【0034】
(b)電動駆動機構50の作動によりバイザ本体40が前進位置40bから後退位置40bに移動するとき(戻るとき)、バイザ本体40の軸芯Aよりも前方に位置する部分の下面42がルーフヘッドライニング3の開口3aの縁または支持体20に干渉することでバイザ本体40の前端部をスライダ30に対して上方に回動させながら、バイザ本体40は後退位置40aに移動する。
また、バイザ本体40が後退位置40aに移動するとき、図6(c)、(d)に示すように、スライダ側ピース63の第2の傾斜面63bが、シーソー部品64の後側アーム部64cと干渉し左右方向に移動する。このため、バイザ本体40の前進位置40bから後退位置40aへの動きがスライダ側ピース63およびシーソー部品64により阻害されることはない。
【0035】
本発明実施例2では、つぎの特有な作用、効果を得ることができる。
回動機構60が、スライダ側ピース63と、シーソー部品64と、を備えており、バイザ本体40が後退位置40aから前進位置40bに移動するときに後側アーム部64cがスライダ側ピース63と干渉して上方に押し上げられることで、シーソー部品64が軸部64aまわりに回動し前側アーム部64bにてバイザ本体40を押し下げる。そのため、シーソー部品64を利用して、バイザ本体40を所定の角度位置まで下方に回動させることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 車室天井
2 ルーフパネル
3 ルーフヘッドライニング
3a 開口
4 フロントガラス
10 車両用バイザ装置
20 支持体
21 ガイドレール部
22 支持体の下壁
30 スライダ
31 両端部
40 バイザ本体
40a 後退位置
40b 前進位置
41 後方延出部
50 電動駆動機構
51 電動モータ
52 動力伝達部
52a モータ側ピニオン
52b スライダ側ラック
60 回動機構
61 バイザ側膨出部
62 支持体側膨出部
63 スライダ側ピース
63a 第1の傾斜面
63b 第2の傾斜面
64 シーソー部品
64a 軸部
64b 前側アーム部
64c 後側アーム部
65 ピース付勢部材
66 シーソー付勢部材
70 トルクヒンジ
A、A1 軸芯
S 収納スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6