【実施例】
【0020】
実施例の組立式パネルにおける上下のフレーム部材がある方向をそれぞれ上方及び下方と表現する。
【0021】
図1〜
図8を用いて本発明の実施例1の組立式パネル1の説明を行う。
図1、
図2に示すように、実施例1の組立式パネル1は周囲を外枠2により囲われ、外枠2は上下の枠を上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4で構成し、左右の枠を上方のアーム部材5と下方のアーム部材6とで構成し、外枠2の内方には伸縮自在なコア材7が配設されている。また、組立式パネル1の表裏面部には、外枠2及びコア材6を覆う平面体8を被着してある。
【0022】
次に、組立式パネル1の各部品を個々に説明する。
図3(a)に示すように、上方のフレーム部材3と下方のフレーム部材4とが向き合った内側面3a,4aに伸縮自在に形成したハニカム状のコア材7を配設し、コア材7の上方の端縁7a及び下方の端縁7bと上方のフレーム部材の内側面3a及び下方のフレーム部材の内側面3bとを接着剤により貼り付け、固定してある。
また、
図3(b)に示すように、コア材7は隔壁により区画された複数のセル7cを有し、コア材7を上下方向に伸ばすことでコア材7の厚み方向の両端でセル7cが六角形に開口する。尚、コア材6は
図3(a)に示すように複数のセル7cの開口を閉じて折りたたまれた状態でフレーム部材3に固定してあり、コア材7の側縁7dは中央に向かって外方に突出するように形成することで、コア材7を伸ばしたときにコア材7の側縁7dが真っ直ぐ形成されるようになる。
【0023】
ここで、コア材7は、例えばJIS A 6931:1994に規定されている折り畳み式のパネル用ペーパーコアを好適に用いることができる。図示しないが製造方法としては薄い帯状の基材に接着剤を一定のピッチで塗布し、基材を積層するたびに接着位置を半ピッチずつずらして複数の基材を重積接着することで多数の連続したセル7cが折り畳まれた状態で形成される。本実施例ではコア材7の材料は紙を用いて形成し、コア材7を伸ばした状態でのセル7cの形状を六角形になるよう形成してあるが、六角形以外の多角形、丸形、不等辺多角形などで形成してもよい。
【0024】
更に、上方のフレーム部材3の両端には棒状の上方のアーム部材5を連接してあり、上方のアーム部材5のフレーム部材3側の端部に凹部5aを設けて部分的に強度を落とすことで、上方のアーム部材5を上方のフレーム部材3に対して回動(折り曲げ)させることが可能な回動部5bを形成してある。また、上方のフレーム部材3と同様に下方のフレーム部材4の両端には棒状の下方のアーム部材6が連接してあり、下方のアーム部材6の下方のフレーム部材4側の端部に凹部6aを設けて薄肉に形成することで、下方のアーム部材6を下方のフレーム部材3に対して回動(折り曲げ)させることが可能な回動部6bを形成してある。更に、
図4(a)に示すように、上方のアーム部材5の自由端部に係着部5cを設けてあり、係着部5cにL字状の鉤部5dを形成してある。また、
図4(b)に示すように下方のアーム部材6の自由端部には係着受部6cを設けてあり、上方のアーム部材5のL字状の鉤部5dに嵌め合い可能に形成した向きが逆のL字状の鉤部6dを設けてある。
ここで、上方のフレーム部材3、下方のフレーム部材4、上方のアーム部材5、下方のアーム部材6を構成する材料は紙、木材、合成樹脂、アルミなどを用いることができるが、実施例1の上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4は厚紙を多数積層させて四角柱状に形成してあり、上方のアーム部材5及び下方のアーム部材6は上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4の両端部から延出させ、フレーム部材とアーム部材とを一体に形成してある。
尚、コア材7とコア材7に接着固定した上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4と上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4にそれぞれ連接した上方のアーム部材5及び下方のアーム部材6とでベース体9が形成される。
また、上方のフレーム部材の表裏面部3b及び下方のフレーム部材の表裏面部4bには剥離層10aを有する両面テープ10が貼り付けてある。
【0025】
また、上方のフレーム部材の表裏面部3b及び下方のフレーム部材の表裏面部4dに系着される平面体8はベース体9全体を覆う大きさでカットしてある。平面体8は厚紙や樹脂製シートを用いることができ、その厚みは用途に合わせて任意に選択できるが、保管場所に合わせて任意の形態(例えばロール状にまるめるなど)に変形できるように薄く形成することが好ましい。実施例1では平面体8を組立式パネル1の組立時の寸法でカットした厚さ0.2mmのクラフト紙を用いて形成してあるため筒状に丸めたり、折り畳んで保管することが可能である。
【0026】
次に、
図5(a)を用いて、実施例1の組立式パネル1におけるベース体9を保管するときの形態を説明する。
【0027】
図5(a)に示すように保管するときのベース体9の形態は、ベース体9はセル7cを折り畳んでコア材7を収縮させ、上方のアーム部材5を回動部5bで回動して、上方のフレーム部材3と上方のアーム部材5とが並列になるように並べ、同様に下方のアーム部材6を回動部6bで回動して、下方のフレーム部材4と下方のアーム部材6とが並列になるように並べることで、ベース体9をコンパクトな状態にして、保管しやすい形態にまとめることができる。
【0028】
次に、
図5〜
図9を用いて、実施例1の組立式パネル1を組み立てる状態を説明する。
【0029】
組立時には、ベース体9を
図5(a)保管する際の形態から
図5(b)に示すように、上方のフレーム部材3と下方のフレーム部材4とを離間させるようにしてコア材7を伸ばし、
図5(c)及び
図6に示すように上方のアーム部材5及び下方のアーム部材6をコア材7の側縁7d側に回動し、上方のアーム部材5に形成したL字状の鉤部5dを下方のアーム部材6のL字状の鍵部6dに嵌め合わせることで上方のアーム部材5と下方のアーム部材6とが係着される。これでベース体9により四角形状の外枠2が形成される。
更に、
図7に示すように、上方のフレーム部材の表裏面部3b及び下方のフレーム部材の表裏面部4bに貼り付けた両面テープ10の剥離層10aを剥し、平面体8を貼り付けることで容易に
図8に示した組立式パネル1が得られた。
【0030】
次に、
図9〜
図12を用いて本発明における実施例2について説明する。尚、実施例1と同様の部分は説明を省略する。
【0031】
実施例2のベース体29は、
図9(a)及び
図9(b)に示すように上方のフレーム部材23と下方のフレーム部材24の間に伸縮自在なコア材27を配し、コア材27の上方の端縁27aと上方のフレーム部材23の内側面23aを接着剤で貼り付けて固定し、下方の端縁27bと下方のフレーム部材24の内側面24aとを接着剤で貼り付けて固定してある。
また、コア材27は折り畳まれた状態から伸ばした状態にすることで、六角形の貫通孔を有したセル27cが広がりパネル状になるコア部材27dを2つ並べて配し、2つのコア部材27の間に厚紙を積層して形成した棒状の中間軸27eを配してコア部材27dと中間軸27eとを接着剤で固定してある。
【0032】
更に、上方のフレーム部材23の一方の端部23bから延出する上方のアーム部材25を設け、上方のアーム部材25の上方のフレーム部材23側の端部に凹状の凹部25aを設けて部分的に強度を落とすことで、上方のアーム部材25を上方のフレーム部材23に対して回動(折り曲げ)することが可能な回動部25bを形成してある。更に、
図10に示すように、上方のアーム部材25の自由端部に係着部25cを設け、係着部25cに四角形の孔部25dを形成し、上方のフレーム部材23の他方の端部23cには係着受部23dを設け、係着受部23dに四角形の突部23eを設けてある。
これに対し、下方のフレーム部材24には、一方の端部24bに係着受部24cを設け、係着受部24cに四角形の突部24dを形成してある。また、下方のフレーム部材24の他方の端部24eから延出する下方のアーム部材26を設け、下方のアーム部材26の下方のフレーム部材24側の端部に凹状の凹部26aを設けることで、下方のアーム部材26を上方のフレーム部材24に対して回動(折り曲げ)することが可能な回動部26bを形成してある。また、下方のアーム部材26の自由端部に係着部26cを設け、係着部26cに四角形の孔部26dを形成してある。
ここで、上方のフレーム部材23及び下方のフレーム部材24と、上方のアーム部材25及び下方のアーム部材26と、コア材27とでベース体29が形成される。
また、上方のフレーム部材23の表裏面部23f及び下方のフレーム部材24の表裏面部24fとコア材の中間軸27eの表裏面部27fとに剥離層30aを有する両面テープ30を貼り付けてある。
【0033】
次に、
図11(a)を用いて、実施例1の組立式パネル1におけるベース体29を保管するときの形態を説明する。
【0034】
図11(a)に示すように保管するときのベース体29の形態は、セル27cを折り畳んでコア材27を収縮させ、上方のアーム部材25を回動部25bで回動して、上方のフレーム部材23と上方のアーム部材25とが並列になるように並べ、同様に下方のアーム部材26を回動部26bで回動して、下方のフレーム部材24と下方のアーム部材26とが並列になるように並べることで、ベース体29をコンパクトな状態にして、保管しやすい形態にまとめることができる。
【0035】
次に、
図11及び
図12を用いて、実施例2の組立式パネル21を組み立てる状態を説明する。
【0036】
図11(a)の保管するときの形態のベース体29を、
図11(b)に示すようにコア材27を伸ばし、
図11(c)のように、上方のアーム部材25及び下方のアーム部材26をコア材の側縁27g側に回動し、上方のアーム部材25に形成した四角形の孔部25dを下方のフレーム部材24の一方の端部24bに設けた四角形の突部24dに嵌め込み、同様に下方アーム部材25に形成した四角形の孔部26dと上方のフレーム部材23の四角形の突部23eとをはめ込むことで、四角形状の外枠22が形成される。
ここで、
図12に示すように、上方のフレーム部材の表裏面部23f及び下方のフレーム部材の表裏面部24fとコア材の中間軸27eの表裏面部27fとに貼り付けた両面テープ30の剥離層30aを剥し、平面体28を表面及び裏面貼り付けることで組立式パネル21が得られた。
尚、実施例2ではコア材27に中間軸27eを設けたことで組立式パネル21の中心を横断する軸が形成され組立式パネル21の強度が向上すると共に、中間軸27eにも平面体28を貼り付けることで、平面体28をしっかり固定することができた。