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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-176286(P2016-176286A)
(43)【公開日】2016年10月6日
(54)【発明の名称】組立式パネル
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/36 20060101AFI20160909BHJP
   E04C 2/40 20060101ALI20160909BHJP
   E04B 2/00 20060101ALI20160909BHJP
【FI】
   E04C2/36 A
   E04C2/40 Z
   E04C2/46 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-58542(P2015-58542)
(22)【出願日】2015年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 英二
(72)【発明者】
【氏名】三澤 秀樹
【テーマコード(参考)】
2E162
【Fターム(参考)】
2E162CC06
2E162CC10
2E162CE08
2E162CE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】体積を小さくして保管することができ、構成する部品が少ないことで保管時の管理や組立が容易な組立式パネルを提供する。
【解決手段】折り畳み可能な複数のセルを伸ばすことでパネル状になるコア材7と、コア材7の上下端縁に各々付設した棒状のフレーム部材3,4とフレーム部材3,4の端部に連接した棒状のアーム部材5,6とを有したベース体と、ベース体の表裏面に被着される平面体8とを備えた組立式パネル。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に折り畳み可能な複数のセルを有し該複数のセルを伸ばすことでパネル状になるコア材と、前記コア材の上下端縁に各々付設した棒状のフレーム部材と該フレーム部材の端部に連接した棒状のアーム部材とを有したベース体と、前記ベース体の表面に被着される平面体とを備え、前記アーム部材における前記フレーム部材と連接する端部に回動部を設けることで該アーム部材を回動可能とし、前記フレーム部材に前記平面体を被着する被着部を設け、保管時においては前記コア材が圧縮され前記アーム部材を該アーム部材と前記フレーム部材とが並列に並ぶように回動し、使用時においては前記折り畳みコア材を伸ばすと共に前記アーム部材を該コア材の側縁に近づくよう回動させて該アーム部材と前記フレーム部材とで四角形状の外枠を形成し、且つ前記フレーム部材の被着部に前記平面体を被着してパネルを構成することを特徴とした組立式パネル。
【請求項2】
前記上下のフレーム部材間を前記アーム部材で掛架して四角形状の外枠が構成されるよう、前記フレーム部材の端部または前記アーム部材の自由端部のいずれか一方に係着部を設け、前記フレーム部材の端部または前記アーム部材の自由端部のいずれか他方に前記係着部と係着する係着受部を設けることを特徴とした請求項1に記載の組立式パネル。
【請求項3】
前記フレーム部材の各端部に前記アーム部材を配し、上方のフレーム部材に連接したアーム部材の自由端部に係着部を設け、下方のフレーム部材に連接したアーム部材の自由端部に係着受部を設け、使用時においては上下の前記フレーム部材の各端部に連接した前記アーム部材を前記コア材の側縁に近づけるように回動させ、前記上方のフレーム部材に連接したアーム部材の係着部と、前記下方のフレーム部材に連接したアーム部材の係着受部とを係着して四角形状の外枠を形成することを特徴とした請求項1に記載の組立式パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
学校の体育館や公民館などの広いスペースは、災害時の避難所として利用されることがあり、またその広いスペースは段ボール箱を広げてパネル状にしたもので仕切る場合がある。
前記段ボールは、その内部に波形状の中芯で区画された空洞部を有しており、断熱性や遮音性に優れ、また軽量で丈夫であるといった利点があることから、前述したスペースを少人数単位に区分けする際の間仕切り用のパネルとして、使用するのに適したものである。
しかしながら前記段ボールは、折り畳んだ際でも、内部に空洞を有していることから体積が大きくなってかさばりやすく、学校の体育館や公民館などにパネル用として多くを備蓄する際には、それに応じたスペースが必要になってしまっていた。
【0003】
そこで段ボールの問題を解消する手段として特許文献1や特許文献2では、伸縮自在なハニカム状のコア材を組立式パネルのコア材として用いる技術が提案されている。具体的には伸ばした状態のコア材を枠材で囲むと共に、表面材や裏面材を枠材あるいはコア材の表裏面に貼り付けることで、段ボールと同様の断熱性や遮音性と強度を兼ね備えたパネルを形成するものであり、未使用時にはコア材を縮めて体積を小さくすることで、保管するスペースを小さくする技術が記載されている。
【0004】
ところが前述の特許文献1や特許文献2に記載されている組立式パネルは、個別に分かれた部品が多い為に枠を四角形状に組み上げるのに手間が掛り、さらに保管時の部品管理にも注意が必要になる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−217063号公報
【特許文献2】特許5130108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題を鑑みて、体積を小さくして保管することができ、構成する部品が少ないことで保管時の管理や組立が容易な組立式パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
「上下方向に折り畳み可能な複数のセルを有し該複数のセルを伸ばすことでパネル状になるコア材と、前記コア材の上下端縁に各々付設した棒状のフレーム部材と該フレーム部材の端部に連接した棒状のアーム部材とを有したベース体と、前記ベース体の表面に被着される平面体とを備え、前記アーム部材における前記フレーム部材と連接する端部に回動部を設けることで該アーム部材を回動可能とし、前記フレーム部材に前記平面体を被着する被着部を設け、保管時においては前記コア材が圧縮され前記アーム部材を該アーム部材と前記フレーム部材とが並列に並ぶように回動し、使用時においては前記折り畳みコア材を伸ばすと共に前記アーム部材を該コア材の側縁に近づくよう回動させて該アーム部材と前記フレーム部材とで四角形状の外枠を形成し、且つ前記フレーム部材の被着部に前記平面体を被着してパネルを構成することを特徴とした組立式パネル。
2.前記上下のフレーム部材間を前記アーム部材で掛架して四角形状の外枠が構成されるよう、前記フレーム部材の端部または前記アーム部材の自由端部のいずれか一方に係着部を設け、前記フレーム部材の端部または前記アーム部材の自由端部のいずれか他方に前記係着部と係着する係着受部を設けることを特徴とした前記1項に記載の組立式パネル。
3.前記フレーム部材の各端部に前記アーム部材を配し、上方のフレーム部材に連接したアーム部材の自由端部に係着部を設け、下方のフレーム部材に連接したアーム部材の自由端部に係着受部を設け、使用時においては上下の前記フレーム部材の各端部に連接した前記アーム部材を前記コア材の側縁に近づけるように回動させ、前記上方のフレーム部材に連接したアーム部材の係着部と、前記下方のフレーム部材に連接したアーム部材の係着受部とを係着して四角形状の外枠を形成することを特徴とした前記1項に記載の組立式パネル。」である。
【0008】
本発明の組立式パネルにおけるコア材は、例えばJIS A 6931:1994に規定されている折り畳み式のパネル用ペーパーコアを好適に用いることができる。ペーパーコアは折り畳まれた状態から伸ばした状態にすることで、六角形や円形の貫通孔を有したセルが広がり、コア材がパネル状になるものである。
尚、コア材を形成する材料は、紙以外にも、合成樹脂やアルミなどを用いることができるが、コストや加工性に優れていることから紙が好ましい。
また、コア材は複数のコア材を連結して使用してもよく、複数のコア材を連結することでコア材をパネル状にした時の大きさを大きくすることができる。更に、コア材同士の連結箇所に一定の強度を有する棒状の軸芯を設けることでコア材をパネル状にした際の強度を増加できる。
【0009】
前記コア材の上下端縁に各々付設した上下のフレーム部材は、本発明の組立式パネルの枠の一部となり、材料としては紙、木、合成樹脂、アルミなどを用いることができる。
また、コア材の上下端縁に付設するフレーム部材は、接着剤または両面テープなどの粘着剤によりフレーム部材をコア材に貼り付けることで固定することができ、タッカーを用いてコア材を針でフレーム部材に固定してもよい。あるいは、コア材のセルとフレーム部材とを針金や紐で縛り付けて固定することもできる。
前述のようにコア材の上下端縁にフレーム部材を固定することで、上下のフレーム部材を把持して離間させることによりコア材の伸縮を容易に行えるものとなる。
【0010】
また、フレーム部材の端部に連接するアーム部材は、アーム部材をフレーム部材の端部から延出させることでフレーム部材とアーム部材とを一体に形成してもよく、アーム部材をフレーム部材とは別体で形成してもよい。更に、アーム部材とフレーム部材の端部同士を接着して直接あるいは継手などを用いて間接的に接続してもよい。
尚、フレーム部材に連接して形成するアーム部材は上下のフレーム部材の両端部に連接させてもよく、上下いずれか一方のフレーム部材の両端部に連接させてもよく、更に上下のフレーム部材のいずれか一方の端部にのみ連接させてもよい。
また、アーム部材におけるフレーム部材と連接する端部に設ける回動部は、アーム部材の表面にフレーム部材に対してアーム部材を折り曲げることができる程度の凹部を設けて回動できるようにしてもよく、アーム部材の端部に蝶番を形成してフレーム部材に対してアーム部材を自由に回動できるようにしてもよく、アーム部材の一部を柔軟性のある素材で構成することで回動できるようにしてもよい。
【0011】
更に、フレーム部材の表面に設ける被着部は、例えばフレーム部材の表面に剥離層を有する両面テープを貼り付けておくことで、組立時に剥離層を剥して平面体を被着してもよく、被着部と平面体の表面とに互いに着脱自在な留め具を形成することで不使用時には分解できるようにしてもよい。
【0012】
また、フレーム部材の表面に設けた被着部に被着する平面体の材料は、平面状の紙や合成樹脂などで形成することができ、材料の厚みは必要に応じて任意に設定できるが、薄く形成した場合には、平面体を保管する際に丸めて筒状にするなど、保管場所の状況に合わせて形態を変化させることができる。
【0013】
本発明におけるコア材とフレーム部材とアーム部材とで構成されるベース体は、保管時においてはコア材を圧縮すると共にアーム部材を回動して該アーム部材とフレーム部材とが並列になるように並べることで、アーム部材が邪魔にならず、ベース体をコンパクトな形態にまとめることができ、少ないスペースでベース体の保管が可能になる。この時、アーム部材の長さがフレーム部材の長さより長い場合、アーム部材の自由端部が外方へ突出して邪魔になるため、アーム部材に回動部を複数設けて折り返せるようにすることが好ましい。
更に、本発明では組立式パネルを組み立てるのに必要な部品が、ベース体と平面体の2つの部品で構成されているため保管時に部品の管理が容易で紛失するリスクを減らすことが可能である。
【0014】
また、組立式パネルを組み立てるときには、コア材を上下方向に伸ばすと共に、アーム部材をコア材の側縁に近づけるように回動し、フレーム部材とアーム部材とを係着させることで容易に四角形状の外枠を形成することが可能である。このとき、コア材は複数のセルを伸ばしているためセルが折り畳まれた元の状態に戻ろうと収縮する力が発生する場合があるが、アーム部材を外枠として固定することでコア材を伸ばした状態で維持することができる。尚、アーム部材を固定する手段としては、上下両方のフレーム部材に連接したアーム部材の自由端同士を係着させてもよく、上下のいずれか一方のフレーム部材に連接したアーム部材と他方のフレーム部材の端部とを係着させてもよい。
【0015】
更に、フレーム部材の端部またはアーム部材の自由端部のいずれか一方に係着部を設け、フレーム部材の端部またはアーム部材の自由端部のいずれか他方に係着部と係着する係着受部を設け、アーム部材を回動することでフレーム部材間を該アーム部材で掛架し、係着部と係着受部を係着することで四角形状の外枠を形成することができる。アーム部材の自由端部とフレーム部材の端部を係着する手段としては、例えば係着部を凸状に形成し、係着受部を凹状に形成し、凸状の係着部を凹状の係着受部に挿入して係着させてもよく、係着部を凹状に形成し、係着受部を凸状に形成して係着させてもよい。更に係着部又は係着受部に両面テープなどの粘着剤を貼り付け、係着部と係着受部とを貼り合わせて係着してもよい。
【0016】
また、上下のアーム部材の自由端部同士を係着する手段としては、例えば上方のアーム部材の係着部を凸状に形成し、下方のアーム部材の係着受部を凸状の係着部が嵌るように孔状に形成し、凸状の係着部を孔状の係着受部に挿入して係着させてもよく、係着部を孔状に形成し、係着受部を凸状に形成して係着させてもよい。他の手段としては、上方のアーム部材の係着部にL字状の鉤部を設け、下方のアーム部材の係着受部に上方のアーム部材の鉤部と係合し、上方のアーム部材の鉤部と向きが逆のL字状の鉤部を設けて係着させてもよく、アーム部材の係着部又は係着受部に両面テープなどの粘着剤を貼り付け、係着部と係着受部とを貼り合わせて係着してもよい。
【0017】
尚、コア材を伸ばしてパネル状にすると、コア材の上下両端部から中央部に向かって横幅が徐々に短縮されて該コア材の側縁に凹みが生じる場合がある。これはコア材をハニカム構造で形成した場合、コア材の上下両端縁がフレーム部材と固定されることにより、コア材の上下両端縁付近が拘束されてセルを縦方向に十分に広げることができなくなり、これに対しコア材の中央部付近は自由にセルを広げることができるため中央部はセルが広がった分、横幅が短縮されて側縁に凹みが生じるためである。この状態でアーム部材を回動してコア材の側縁に近づけると、アーム部材とコア材の側縁との間に隙間ができてしまう。これを解決する手段としては、アーム部材をコア材の側縁側に突出させた形状に形成することで隙間ができないようにしてもよく、折り畳まれた状態のコア材の中央部の横幅寸法を上下両端部に比べて長くしておいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、保管時に体積を小さくすることができ、個々に分かれた部品が少なく、管理や組み立てが容易な組立式パネルを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1の組立式パネルを平面視した図であり、平面体の一部を切り欠いた状態を示した図である。
図2図1の組立式パネルを右方から見た図である。
図3】実施例1のベース体におけるコア材を伸び縮みさせた状態を示す図である。図3(a)はベース体におけるコア材のセルが折り畳まれた状態を示す図であり、図3(b)はベース体のコア材を伸ばした状態を示す図である。
図4図3に示したベース体における右側の各アーム部材を下方から見た部分拡大図である。図4(a)は上方のアーム部材であり、図4(b)は下方のアーム部材である。
図5】実施例1の組立式パネルを組み立てる状態を示す図である。図5(a)はコア材を収縮させた状態の図であり、図5(b)はコア材を伸ばした状態の図であり、図5(c)はアーム部材を回動し、アーム部材をコア材の側縁に近づけた状態の図である。
図6図5(c)で示した状態のベース体を右方から見た図である。
図7図5(c)で示した状態のベース体に平面体を被着する状態を示す斜視図である。
図8】実施例1の組立式パネルを組み立てた状態を示す斜視図である。
図9】実施例2のベース体におけるコア材を伸び縮みさせた状態を示す図である。図9(a)はベース体におけるコア材のセルが折り畳まれた状態を示す図であり、図9(b)はベース体のコア材を伸ばした状態を示す図である。
図10図9に示したベース体における各アーム部材を下方から見た部分拡大図である。図10(a)は上方のアーム部材であり、図10(b)は下方のアーム部材である。
図11】実施例2の組立式パネルを組み立てる状態を示す図である。図11(a)はコア材を収縮させた状態の図であり、図11(b)はコア材を伸ばした状態の図であり、図11(c)はアーム部材を回動し、アーム部材をコア材の側縁に近づけた状態の図である。
図12図11(c)で示した状態のベース体に平面体を被着する状態を示す斜視図である。
図13】実施例2の組立式パネルを組み立てた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0020】
実施例の組立式パネルにおける上下のフレーム部材がある方向をそれぞれ上方及び下方と表現する。
【0021】
図1図8を用いて本発明の実施例1の組立式パネル1の説明を行う。図1図2に示すように、実施例1の組立式パネル1は周囲を外枠2により囲われ、外枠2は上下の枠を上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4で構成し、左右の枠を上方のアーム部材5と下方のアーム部材6とで構成し、外枠2の内方には伸縮自在なコア材7が配設されている。また、組立式パネル1の表裏面部には、外枠2及びコア材6を覆う平面体8を被着してある。
【0022】
次に、組立式パネル1の各部品を個々に説明する。図3(a)に示すように、上方のフレーム部材3と下方のフレーム部材4とが向き合った内側面3a,4aに伸縮自在に形成したハニカム状のコア材7を配設し、コア材7の上方の端縁7a及び下方の端縁7bと上方のフレーム部材の内側面3a及び下方のフレーム部材の内側面3bとを接着剤により貼り付け、固定してある。
また、図3(b)に示すように、コア材7は隔壁により区画された複数のセル7cを有し、コア材7を上下方向に伸ばすことでコア材7の厚み方向の両端でセル7cが六角形に開口する。尚、コア材6は図3(a)に示すように複数のセル7cの開口を閉じて折りたたまれた状態でフレーム部材3に固定してあり、コア材7の側縁7dは中央に向かって外方に突出するように形成することで、コア材7を伸ばしたときにコア材7の側縁7dが真っ直ぐ形成されるようになる。
【0023】
ここで、コア材7は、例えばJIS A 6931:1994に規定されている折り畳み式のパネル用ペーパーコアを好適に用いることができる。図示しないが製造方法としては薄い帯状の基材に接着剤を一定のピッチで塗布し、基材を積層するたびに接着位置を半ピッチずつずらして複数の基材を重積接着することで多数の連続したセル7cが折り畳まれた状態で形成される。本実施例ではコア材7の材料は紙を用いて形成し、コア材7を伸ばした状態でのセル7cの形状を六角形になるよう形成してあるが、六角形以外の多角形、丸形、不等辺多角形などで形成してもよい。
【0024】
更に、上方のフレーム部材3の両端には棒状の上方のアーム部材5を連接してあり、上方のアーム部材5のフレーム部材3側の端部に凹部5aを設けて部分的に強度を落とすことで、上方のアーム部材5を上方のフレーム部材3に対して回動(折り曲げ)させることが可能な回動部5bを形成してある。また、上方のフレーム部材3と同様に下方のフレーム部材4の両端には棒状の下方のアーム部材6が連接してあり、下方のアーム部材6の下方のフレーム部材4側の端部に凹部6aを設けて薄肉に形成することで、下方のアーム部材6を下方のフレーム部材3に対して回動(折り曲げ)させることが可能な回動部6bを形成してある。更に、図4(a)に示すように、上方のアーム部材5の自由端部に係着部5cを設けてあり、係着部5cにL字状の鉤部5dを形成してある。また、図4(b)に示すように下方のアーム部材6の自由端部には係着受部6cを設けてあり、上方のアーム部材5のL字状の鉤部5dに嵌め合い可能に形成した向きが逆のL字状の鉤部6dを設けてある。
ここで、上方のフレーム部材3、下方のフレーム部材4、上方のアーム部材5、下方のアーム部材6を構成する材料は紙、木材、合成樹脂、アルミなどを用いることができるが、実施例1の上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4は厚紙を多数積層させて四角柱状に形成してあり、上方のアーム部材5及び下方のアーム部材6は上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4の両端部から延出させ、フレーム部材とアーム部材とを一体に形成してある。
尚、コア材7とコア材7に接着固定した上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4と上方のフレーム部材3及び下方のフレーム部材4にそれぞれ連接した上方のアーム部材5及び下方のアーム部材6とでベース体9が形成される。
また、上方のフレーム部材の表裏面部3b及び下方のフレーム部材の表裏面部4bには剥離層10aを有する両面テープ10が貼り付けてある。
【0025】
また、上方のフレーム部材の表裏面部3b及び下方のフレーム部材の表裏面部4dに系着される平面体8はベース体9全体を覆う大きさでカットしてある。平面体8は厚紙や樹脂製シートを用いることができ、その厚みは用途に合わせて任意に選択できるが、保管場所に合わせて任意の形態(例えばロール状にまるめるなど)に変形できるように薄く形成することが好ましい。実施例1では平面体8を組立式パネル1の組立時の寸法でカットした厚さ0.2mmのクラフト紙を用いて形成してあるため筒状に丸めたり、折り畳んで保管することが可能である。
【0026】
次に、図5(a)を用いて、実施例1の組立式パネル1におけるベース体9を保管するときの形態を説明する。
【0027】
図5(a)に示すように保管するときのベース体9の形態は、ベース体9はセル7cを折り畳んでコア材7を収縮させ、上方のアーム部材5を回動部5bで回動して、上方のフレーム部材3と上方のアーム部材5とが並列になるように並べ、同様に下方のアーム部材6を回動部6bで回動して、下方のフレーム部材4と下方のアーム部材6とが並列になるように並べることで、ベース体9をコンパクトな状態にして、保管しやすい形態にまとめることができる。
【0028】
次に、図5図9を用いて、実施例1の組立式パネル1を組み立てる状態を説明する。
【0029】
組立時には、ベース体9を図5(a)保管する際の形態から図5(b)に示すように、上方のフレーム部材3と下方のフレーム部材4とを離間させるようにしてコア材7を伸ばし、図5(c)及び図6に示すように上方のアーム部材5及び下方のアーム部材6をコア材7の側縁7d側に回動し、上方のアーム部材5に形成したL字状の鉤部5dを下方のアーム部材6のL字状の鍵部6dに嵌め合わせることで上方のアーム部材5と下方のアーム部材6とが係着される。これでベース体9により四角形状の外枠2が形成される。
更に、図7に示すように、上方のフレーム部材の表裏面部3b及び下方のフレーム部材の表裏面部4bに貼り付けた両面テープ10の剥離層10aを剥し、平面体8を貼り付けることで容易に図8に示した組立式パネル1が得られた。
【0030】
次に、図9図12を用いて本発明における実施例2について説明する。尚、実施例1と同様の部分は説明を省略する。
【0031】
実施例2のベース体29は、図9(a)及び図9(b)に示すように上方のフレーム部材23と下方のフレーム部材24の間に伸縮自在なコア材27を配し、コア材27の上方の端縁27aと上方のフレーム部材23の内側面23aを接着剤で貼り付けて固定し、下方の端縁27bと下方のフレーム部材24の内側面24aとを接着剤で貼り付けて固定してある。
また、コア材27は折り畳まれた状態から伸ばした状態にすることで、六角形の貫通孔を有したセル27cが広がりパネル状になるコア部材27dを2つ並べて配し、2つのコア部材27の間に厚紙を積層して形成した棒状の中間軸27eを配してコア部材27dと中間軸27eとを接着剤で固定してある。
【0032】
更に、上方のフレーム部材23の一方の端部23bから延出する上方のアーム部材25を設け、上方のアーム部材25の上方のフレーム部材23側の端部に凹状の凹部25aを設けて部分的に強度を落とすことで、上方のアーム部材25を上方のフレーム部材23に対して回動(折り曲げ)することが可能な回動部25bを形成してある。更に、図10に示すように、上方のアーム部材25の自由端部に係着部25cを設け、係着部25cに四角形の孔部25dを形成し、上方のフレーム部材23の他方の端部23cには係着受部23dを設け、係着受部23dに四角形の突部23eを設けてある。
これに対し、下方のフレーム部材24には、一方の端部24bに係着受部24cを設け、係着受部24cに四角形の突部24dを形成してある。また、下方のフレーム部材24の他方の端部24eから延出する下方のアーム部材26を設け、下方のアーム部材26の下方のフレーム部材24側の端部に凹状の凹部26aを設けることで、下方のアーム部材26を上方のフレーム部材24に対して回動(折り曲げ)することが可能な回動部26bを形成してある。また、下方のアーム部材26の自由端部に係着部26cを設け、係着部26cに四角形の孔部26dを形成してある。
ここで、上方のフレーム部材23及び下方のフレーム部材24と、上方のアーム部材25及び下方のアーム部材26と、コア材27とでベース体29が形成される。
また、上方のフレーム部材23の表裏面部23f及び下方のフレーム部材24の表裏面部24fとコア材の中間軸27eの表裏面部27fとに剥離層30aを有する両面テープ30を貼り付けてある。
【0033】
次に、図11(a)を用いて、実施例1の組立式パネル1におけるベース体29を保管するときの形態を説明する。
【0034】
図11(a)に示すように保管するときのベース体29の形態は、セル27cを折り畳んでコア材27を収縮させ、上方のアーム部材25を回動部25bで回動して、上方のフレーム部材23と上方のアーム部材25とが並列になるように並べ、同様に下方のアーム部材26を回動部26bで回動して、下方のフレーム部材24と下方のアーム部材26とが並列になるように並べることで、ベース体29をコンパクトな状態にして、保管しやすい形態にまとめることができる。
【0035】
次に、図11及び図12を用いて、実施例2の組立式パネル21を組み立てる状態を説明する。
【0036】
図11(a)の保管するときの形態のベース体29を、図11(b)に示すようにコア材27を伸ばし、図11(c)のように、上方のアーム部材25及び下方のアーム部材26をコア材の側縁27g側に回動し、上方のアーム部材25に形成した四角形の孔部25dを下方のフレーム部材24の一方の端部24bに設けた四角形の突部24dに嵌め込み、同様に下方アーム部材25に形成した四角形の孔部26dと上方のフレーム部材23の四角形の突部23eとをはめ込むことで、四角形状の外枠22が形成される。
ここで、図12に示すように、上方のフレーム部材の表裏面部23f及び下方のフレーム部材の表裏面部24fとコア材の中間軸27eの表裏面部27fとに貼り付けた両面テープ30の剥離層30aを剥し、平面体28を表面及び裏面貼り付けることで組立式パネル21が得られた。
尚、実施例2ではコア材27に中間軸27eを設けたことで組立式パネル21の中心を横断する軸が形成され組立式パネル21の強度が向上すると共に、中間軸27eにも平面体28を貼り付けることで、平面体28をしっかり固定することができた。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明による組立式パネルの構造は、災害時に用いる間仕切り用のパネルのほか、簡易ベッド、防寒用の床板、掲示用パネルなどに使用が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…組立式パネル、
2…外枠、
3…上方のフレーム部材、3a…内側面、3b…表裏面部、
4…下方のフレーム部材、4a…内側面、4b…表裏面部、
5…上方のアーム部材、5a…凹部、5b…回動部、5c…係着部、5d…L字状の鍵部、
6…下方のアーム部材、6a…凹部、6b…回動部、6c…係着部、6d…L字状の鍵部、
7…コア材、7a…上方の端縁、7b…上方の端縁、7c…セル、7d…側縁、
8…平面体、
9…ベース体、
10…両面テープ、10a…剥離層
21…組立式パネル、
22…外枠、
23…上方のフレーム部材、23a…内側面、23b…一方の端部、
23c…他方の端部、23d…係着受部、23e…四角形の突部、
23f…表裏面部、
24…下方のフレーム部材、24a…内側面、24b…一方の端部、
24c…係着受部、24d…四角形の突部、24e…他方の端部、
24f…表裏面部、
25…上方のアーム部材、25a…凹部、25b…回動部、25c…係着部、
25d…四角形の孔部、
26…下方のアーム部材、26a…凹部、26b…回動部、26c…係着部、
26d…四角形の孔部、
27…コア材、27a…上方の端縁、27b…下方の端縁、27c…セル、
27d…コア部材、27e…中間軸、27f…表裏面部、27g…側縁、
28…平面体、
29…ベース体、
30…両面テープ、30a…剥離層。
図1
図2
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図5
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図7
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図12
図13