【解決手段】 一般道路と有料道路との位置関係に応じて表示画面の表示領域を所定方向に分割し、前記一般道路および前記有料道路の位置関係となるように、分割した前記表示領域の各々に、前記一般道路および前記有料道路の地図情報を表示し、前記一般道路および前記有料道路に渋滞区間がある場合、該渋滞区間のある道路を表示した表示領域の地図情報に渋滞区間を示す渋滞線を重畳表示する表示部を備える。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について図を用いて説明する。
【0010】
本実施形態に係る地図情報表示装置は、所定条件が満たされた場合に地図情報を表示していた表示領域を分割し、分割した表示領域の各々に一般道路および有料道路に関する情報を表示する。例えば、地図情報表示装置は、自車前方方向の道なりに一般道路と有料道路との分岐(ランプ道など)があり、一般道路と有料道路とが並走している場合、地図情報を表示する表示領域を分割し、一方の表示領域に一般道路の地図および交通情報を表示し、他方の表示領域に有料道路の地図および交通情報を表示するものである。また、例えば、出発地から目的地までの経路が引かれている場合であって、かかる経路上に一般道路と有料道路との分岐があり、一般道路と有料道路とが並走している場合、地図情報表示装置は、表示領域を分割し、各々の表示領域に、一般道路および有料道路の地図および交通情報の各々を表示する。なお、このような地図情報表示装置は、例えば、地図や交通情報の表示、経路探索、経路誘導といった、いわゆるナビゲーション機能を備えているナビゲーション装置によって実現することができる。
【0011】
図1は、第一実施形態に係る地図情報表示装置100の概略構成の一例を示した図である。具体的には、地図情報表示装置100は、演算処理装置11と、ディスプレイ17と、記憶装置18と、音声入出力装置20(音声入力装置としてマイクロフォン21、音声出力装置としてスピーカ22を備える)と、入力装置23と、ROM(Read Only Memory)装置27と、車速センサ28と、ジャイロセンサ29と、GPS(Global Positioning System)受信装置30と、FM多重放送受信装置31と、ビーコン受信装置32と、を備えている。
【0012】
同図に示すように、演算処理装置11は、各デバイス間をバス16で接続した構成となっている。演算処理装置11は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)12と、記憶装置18から読み出した地図情報200や演算結果などを格納するRAM(Random Access Memory)13と、プログラムやデータを格納するROM14と、各種ハードウェアを演算処理装置11と接続するためのI/F(インターフェイス)15と、を有している。
【0013】
演算処理装置11は、様々な処理を行う中心的ユニットである。演算処理装置11は、例えば、各種センサやGPS受信装置30、FM多重放送受信装置31などから出力される情報に基づいて現在地を検出する。また、演算処理装置11は、現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報200を記憶装置18あるいはROM装置27から読み出す。また、演算処理装置11は、読み出した地図情報200をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すカーマークを重ねてディスプレイ17へ表示させる。また、演算処理装置11は、地図情報200などを用いて、ユーザから受け付けた出発地および目的地を結ぶ推奨経路を探索する。また、演算処理装置11は、スピーカ22やディスプレイ17に所定の信号を出力してユーザの経路誘導を行う。
【0014】
また、演算処理装置11は、所定の条件が満たされると、地図画面を表示する表示領域を分割し、一方の表示領域に一般道路に関する情報を表示し、他方の表示領域に有料道路に関する情報を表示する。また、演算処理装置11は、所定の場合に、分割した表示領域を1つの表示領域による地図画面の表示、すなわち元の1画面表示に戻す。
【0015】
ディスプレイ17は、画面情報を表示するユニットであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0016】
記憶装置18は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。記憶装置18には、例えば、地図情報200などが格納されている。
【0017】
図2は、地図情報200の一例を示した図である。地図情報200は、地図上の道路に関する情報であるリンク情報203などが格納されている。具体的には、地図情報200は、地図上の領域を識別するメッシュID201ごとに、各メッシュが有する道路のリンクID202と、各リンクID202に対応付けられているリンク情報203と、を有している。また、リンク情報203は、道路の両端を示す開始ノードおよび終了ノードの地点座標204と、一般道路、有料道路、国道、県道といった道路の種別を示す道路種別205と、道路の名称が格納される道路名称206と、道路の長さを示すリンク長207と、道路を通過するのに要する時間を示す旅行時間208と、道路の開始ノードおよび終了ノードの各々に接続する他の道路のリンクID202が格納されている開始接続リンク/終了接続リンク209と、各リンクの開始ノードから終了ノードまでの間の形状を補間するためにポイントされた補間点の座標を特定する形状補間点210と、を有している。地図情報表示装置100は、このような地図情報200を用いて出発地および目的地を結ぶ経路探索などの所定処理を実行する。
【0018】
図1に戻って説明する。音声入出力装置20は、音声入力装置23としてマイクロフォン21を備え、音声出力装置としてスピーカ22を備える。マイクロフォン21は、ユーザが発した音声など地図情報表示装置100の外部の音声を取得する。スピーカ22は、所定の音声情報を出力する。
【0019】
入力装置23は、ユーザからの指示を受け付ける装置である。入力装置23は、方向キー24、ダイヤルスイッチ25、タッチパネル26、その他のハードスイッチ(図示しない)で構成されている。
【0020】
ROM装置27は、CD-ROM14やDVD-ROM14などのROM14や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画情報や、音声情報などが記憶されている。
【0021】
車速センサ28、ジャイロセンサ29およびGPS受信装置30は、ナビゲーション装置で現在地を検出するために使用されるものである。車速センサ28は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ29は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出する。GPS受信装置30は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定する。
【0022】
FM多重放送受信装置31は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0023】
ビーコン受信装置32は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0024】
図3は、本実施形態に係る地図情報表示装置100の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。地図情報表示装置100は、全体制御部301と、入力受付部302と、表示部303と、記憶部304と、経路探索部305と、並走判定部306と、ターンリスト生成部307と、を有している。
【0025】
全体制御部301は、地図情報表示装置100の様々な処理を行う中心的な機能部である。具体的には、全体制御部301は、他の機能部、地図情報表示装置100が内蔵する他の装置、センサ、並びに、外部装置から種々の情報や指示を受け付け、これらの情報や指示をその種類または処理の内容に応じて、所定のセンサ、装置、機能部に出力する。
【0026】
入力受付部302は、地図情報表示装置100が備える入力装置23を介して、ユーザから種々の指示や情報の入力を受け付ける機能部である。具体的には、入力受付部302は、タッチパネル26、方向キー24およびダイヤルスイッチ25を介してユーザから指示入力を受け付ける。
【0027】
表示部303は、ディスプレイ17に表示する画面情報を生成する機能部である。具体的には、表示部303は、記憶部304から読み出した地図情報200をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すカーマークを重ねてディスプレイ17に表示する。また、表示部303は、推奨経路を示す矢印などの経路情報を地図上に重ねてディスプレイ17に表示する。また、表示部303は、並走判定部306により所定の条件が満たされたと判定されると、地図情報200を表示していた表示領域を所定の割合(例えば、1:1)で所定方向(例えば、上下方向または左右方向)に分割し、各表示領域の各々に、一般道路および有料道路の地図、道路情報を示すターンリストおよび渋滞情報などの交通情報を表示する。また、表示部303は、所定の場合に、分割した表示領域を1つの表示領域による地図画面の表示、すなわち元の1画面表示に戻す。
【0028】
記憶部304は、様々な情報を格納する機能部である。具体的には、記憶部304は、地図情報200やFM多重放送受信装置31およびビーコン受信装置32を介して取得した交通情報などを格納する。
【0029】
経路探索部305は、ユーザによって入力された出発地および目的地を結ぶ推奨経路を算出する機能部である。具体的には、経路探索部305は、車速センサ28、ジャイロセンサ29およびGPS受信装置30から出力される所定の情報を用いて、車両の現在地を示す座標情報を特定する。また、経路探索部305は、ダイクストラ法など所定の方法を用いて、ユーザから入力を受け付けた出発地(現在地を含む)から目的地までを結ぶ複数の推奨経路(例えば、一般道路を優先して走行する一般優先ルートおよび有料道路を優先して走行する有料優先ルートなど)、所用時間、予想到着時刻、料金などを算出する。
【0030】
並走判定部306は、道路の並走状態を判定する機能部である。具体的には、並走判定部306は、一般道路と有料道路とが並走しているか否か、および、並走状態が解除されたか否かを判定する。なお、並走状態の判定処理については後述する。
【0031】
ターンリスト生成部307は、ターンリストを生成する機能部である。具体的には、ターンリスト生成部307は、地図情報200を用いて、所定数(例えば、3つ)の分岐情報(例えば、交差点、有料道路の入口、出口、インターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、料金所および各地点までの距離や路線名といった情報)を含むターンリストを生成する。また、ターンリスト生成部307は、FM多重放送受信装置31およびビーコン受信装置32を介して渋滞情報を取得する。
【0032】
なお、全体制御部301と、入力受付部302と、表示部303と、経路探索部305と、並走判定部306と、ターンリスト生成部307とは、CPU12に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、ROM14または記憶装置18内に格納され、実行にあたってRAM13上にロードされ、CPU12により実行される。また、記憶部304は、RAM13、ROM14および記憶装置18のいずれか又はこれらの組合せにより実現される。
【0033】
また、地図情報表示装置100の各機能構成は、本実施形態において実現される地図情報表示装置100の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。なお、地図情報表示装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、一つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0034】
また、地図情報表示装置100の機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0035】
[動作の説明]
次に、地図情報表示装置100で実行される分割表示処理について説明する。
図4は、経路を引いていない場合、すなわち経路探索により出発地および目的地間の推奨経路が算出されていない場合の分割表示処理の流れの一例を示したフロー図である。分割表示処理は、地図情報表示装置100の起動により開始され、所定の時間間隔(例えば、1秒毎)で定期的に実行される。
【0036】
分割表示処理が開始されると、表示部303は、地図画面を表示中であるか否かを判定する(ステップS001)。例えば、表示部303は、
図9に示すような地図画面をディスプレイ17に表示しているか否かを判定する。また、表示部303は、地図画面を表示中であると判定した場合(ステップS001でYes)、処理をステップS002に移行する。一方で、地図画面を表示中ではないと判定した場合(ステップS001でNo)、表示部303は、本フローの処理を終了する。
【0037】
次に、並走判定部306は、自車前方方向の道なりに有料道路と一般道路との分岐(例えば、ランプ道など)があり、有料道路の本線が一般道路と並走しているか否かを判定する(ステップS002)。なお、かかる判定は、自車前方方向の所定距離(例えば、現在地から道なり500m先まで)に含まれるリンクに対して実行される。
【0038】
ここで、並走の判定方法について説明する。
図5は、並走の判定方法の一例を示した図である。ステップS002の処理では、並走判定部306は、現在地のあるリンクの車両前方方向道なりのリンクaと、かかるリンクから所定範囲内(例えば、半径100mの範囲内)に入口のある有料道路のリンクbと、を地図情報200を用いて特定する。なお、並走判定部306は、現在地のあるリンクと同じ種類の道路を道なりのリンクとして特定する。例えば、現在地が国道c号線上にあれば、同じ国道c号線のリンクが道なりのリンクとして順次特定される。また、有料道路の入口ノードは、例えば、地図情報200に含まれている情報に基づいて特定可能とする。
【0039】
また、並走判定部306は、リンクaの両端ノードNa0およびNa5と、形状補間点Na1〜Na4とを地図情報200を用いて特定する。また、並走判定部306は、両端ノードNa0、Na5および形状補間点Na1〜Na4のうち、所定範囲R(例えば、R=数mの範囲内)にリンクbのサブリンク(両端ノードNb0およびNb5と、形状補間点Nb1〜Nb4とによって区切られたリンク)を含む両端ノードおよび形状補間点をb近傍形状点として特定する。
図5の例では、リンクaのNa2〜Na5がb近傍形状点として特定される。
【0040】
また、並走判定部306は、両端がb近傍形状点であるリンクaのサブリンク(両端ノードNa0およびNa5と、形状補間点Na1〜Na4とによって区切られたリンク)の長さの合計をL1として算出する。また、並走判定部306は、リンクaの全長をL0として算出する。
【0041】
また、並走判定部306は、上記のように求めたリンクaを基準とする並走指数をra=L1/L0として定義する。また、並走判定部306は、上記と同様の方法によって求めたリンクbを基準とする並走指数をrb=L1/L0として定義する。また、並走判定部306は、raおよびrbが共に所定の閾値(例えば、0.5〜1.0の範囲)以上である場合、両リンクが並走していると判定する。また、リンクaおよびリンクbに各々接続される次リンクに自車位置が移動しても、並走判定部306は、並走判定を継続して実行する。
【0042】
なお、raおよびrbが共に所定の閾値未満となった場合、並走判定部306は、両リンクの並走状態が解除されたと判定する。
【0043】
このような並走判定により、有料道路と一般道路とが並走していないと判定した場合(ステップS002でNo)、並走判定部306は、本フローの処理を終了する。一方で、並走していると判定した場合(ステップS002でYes)、並走判定部306は、処理をステップS003に移行する。
【0044】
次に、ターンリスト生成部307は、自車前方方向にある有料道路および一般道路の各々所定情報を集約すると共に、各々の道路のターンリストを生成する(ステップS003)。具体的には、ターンリスト生成部307は、地図情報200を用いて、自車前方方向にある所定数(例えば、3つ)の交差点および各交差点間の距離などを一般道路のターンリストとして生成する。
【0045】
また、ターンリスト生成部307は、地図情報200を用いて、自車前方方向にある所定数(例えば、3つ)の分岐点に関する情報(例えば、入口、出口、インターチェンジ、ジャンクション、料金所、サービスエリアおよび各分岐点間の距離など)を有料道路のターンリストとして生成する。
【0046】
次に、ターンリスト生成部307は、有料道路および一般道路の各々の渋滞情報を取得する(ステップS004)。具体的には、ターンリスト生成部307は、FM多重放送受信装置31およびビーコン受信装置32を介して、現在地から所定範囲内の渋滞情報を取得する。
【0047】
次に、表示部303は、表示領域を所定方向に分割し、各々の表示領域に、各々の道路の渋滞情報を重畳した地図およびターンリストを表示する(ステップS005)。具体的には、表示部303は、有料道路と一般道路との位置関係に基づいて表示領域を分割する。より具体的には、有料道路が一般道路の上側を並走している場合、表示部303は、表示領域を上下方向に分割する。また、表示部303は、分割した上側の表示領域に有料道路の情報を表示し、下側の表示領域に一般道路の情報を表示する。また、一般道路と有料道路が横方向に並んで並走している場合、表示部303は、表示領域を横方向(左右方向)に分割する。また、右側に一般道路が位置し、左側に有料道路が位置している場合、表示部303は、分割した左側の表示領域に一般道路の情報を表示し、右側の表示領域に有料道路の情報を表示する。なお、一般道路および有料道路の位置関係は、例えば、地図情報200に含まれている情報から特定可能とする。
【0048】
なお、表示領域の分割方向(上下または左右)および分割割合はユーザによって予め設定されても良い。また、表示部303は、自車走行側の道路の表示領域を広く(または狭く)表示するようにしても良い。
【0049】
また、表示部303は、分割した一方の表示領域に有料道路のターンリストと、地図上に重ねた有料道路の渋滞情報(渋滞線を含む)とを表示する。また、表示部303は、分割した他方の表示領域に、一般道路のターンリストと、地図上に重ねた一般道路の渋滞情報(渋滞線を含む)とを表示する。また、表示部303は、自車が走行中の道路を表示した表示領域側を強調表示する。例えば、自車が一般道路を走行中の場合、表示部303は、一般道路側の表示領域のカーマークや渋滞を示す線を太線や目立つ色によって強調表示する。また、自車が一般道路から有料道路に入った場合、一般道路側の強調表示を終了し、有料道路側を強調表示する。
【0050】
なお、表示部303は、地図の縮尺率(スケール)および表示の向きを分割した両方の表示領域で統一して表示する。ただし、地図の縮尺率および表示の向きは、ユーザによって予め設定されても良い。また、表示部303は、自車が走行している道路の表示領域については、その縮尺を大きくした地図を表示しても良い。
【0051】
図9は、一般道路gと有料道路hとが上下の位置関係で並走している地図画面の画面例400の一例を示した図である。
図10は、上下方向に分割した各表示領域の各々に、一般道路および有料道路の所定情報が表示された画面例410を示した図である。
図10は、有料道路が一般道路の上側を並走している場合を例にしたものであり、表示部303により表示領域が上下方向に分割され、上側に有料道路に関する情報が表示され、下側に一般道路に関する情報が表示されている。具体的には、上側の表示領域には、地図上に有料道路の渋滞線411と、有料道路のターンリスト412が表示されている。また、下側の表示領域には、地図上に一般道路のターンリスト413が表示されている。なお、一般道路に渋滞がある場合、有料道路の場合と同様に、一般道路の地図上に渋滞線が重畳表示されることになる。
【0052】
図11は、一般道路と有料道路とが左右の位置関係で並走している地図画面の画面例420の一例を示した図である。
図12は、左右方向に分割した各表示領域の各々に、一般道路および有料道路の所定情報が表示された画面例430を示した図である。
図12は、有料道路が一般道路の右側を並走している場合を例にしたものであり、表示部303により表示領域が左右方向に分割され、右側に有料道路に関する情報が表示され、左側に一般道路に関する情報が表示されている。具体的には、右側の表示領域には、地図上に有料道路の渋滞線431と、有料道路のターンリスト433が表示されている。また、左側の表示領域には、地図上に一般道路のターンリスト432が表示されている。なお、一般道路に渋滞がある場合、有料道路の場合と同様に、一般道路の地図上に渋滞線が重畳表示されることになる。
【0053】
以上、経路が引かれていない場合の分割表示処理について説明した。
【0054】
次に、経路が引かれていない場合の分割表示解除処理について説明する。
図6は、分割表示解除処理の流れの一例を示した図である。分割表示解除処理は、表示部303が表示領域を分割すると開始されると、所定の時間間隔(例えば、1秒毎)で定期的に実行される。
【0055】
分割表示解除処理が開始されると、入力受付部302は、有料道路および一般道路を表示した表示領域の一方をユーザがタッチしたか否かを判定する(ステップS011)。具体的には、入力受付部302は、タッチパネル26などの入力装置23を介して、ユーザがいずれの表示領域をタッチしたか否かを判定する。そして、いずれかの表示領域がタッチされたと判定した場合(ステップS011でYes)、表示部303は、タッチされた道路側に現在地を合わせ込むマッチング補正を行い(ステップS012)、処理をステップS014に移行する。
【0056】
一方で、いずれの表示領域もタッチされていないと判定した場合(ステップS011でNo)、並走判定部306は、有料道路と一般道路との並走状態が解除されたか否かを判定する(ステップS013)。具体的には、並走判定部306は、raおよびrbが共に所定の閾値未満となった場合、一般道路と有料道路の並走状態が解除されたと判定する。
【0057】
並走状態が解除されていないと判定した場合(ステップS013でNo)、並走判定部306は、本フローの処理を終了する。一方で、並走状態が解除されたと判定した場合(ステップS013でYes)、並走判定部306は、処理をステップS014に移行する。
【0058】
次に、表示部303は、表示領域を分割する前の状態すなわち通常の1画面の地図画面表示に切り替えて(ステップS014)、本フローの処理を終了する。
【0059】
以上、経路を引いていない場合の分割表示解除処理について説明した。
【0060】
次に、経路を引いている場合、すなわち経路探索により出発地および目的地間の推奨経路が算出されている場合の分割表示処理について説明する。なお、経路探索部305は、ユーザが「有料優先ルート」を設定した場合でも、ガイド中に「一般優先ルート」を常に探索し、ユーザが「一般優先ルート」を設定した場合でも、ガイド中に「有料優先ルート」を常に探索しているものとする。
【0061】
図7は、経路を引いている場合の分割表示処理の一例を示したフロー図である。分割表示処理は、経路探索の実行により推奨経路が探索されると開始され、所定の時間間隔(例えば、1秒毎)で定期的に実行される。
【0062】
分割表示処理が開始されると、表示部303は、地図画面を表示中であるか否かを判定する(ステップS021)。すなわち、表示部303は、経路探索部305により探索された推奨経路のうち、一般優先ルートまたは有料優先ルートが示された地図画面を表示中であるか否かを判定する。また、表示部303は、かかる地図画面を表示中であると判定した場合(ステップS021でYes)、処理をステップS022に移行する。一方で、地図画面を表示中ではないと判定した場合(ステップS021でNo)、表示部303は、本フローの処理を終了する。
【0063】
次に、並走判定部306は、自車前方方向の探索経路上に有料優先ルートと一般優先ルートとの分岐(例えば、ランプ道など)があり、有料道路の本線が一般道路と並走しているか否かを判定する(ステップS022)。かかる判定は、自車前方方向の所定距離(例えば、現在地から優先ルート上の500m先まで)に含まれるリンクに対して実行される。
【0064】
ここで、前述の経路を引いていない場合の並走判定は、現在地のあるリンクの車両前方方向道なりのリンクaと、かかるリンクから所定範囲内(例えば、半径100mの範囲内)に入口のある有料道路のリンクbと、を特定して行われたが、経路を引いている本例の場合、並走判定部306は、一般優先ルート上にあるリンク(
図5のリンクaに相当)と、かかるリンクから所定範囲内(例えば、半径100m)に入口のある有料道路のリンク(
図5のリンクbに相当)とを地図情報200を用いて特定する。なお、それ以降の並走判定方法は、前述の並走判定方法と同様であるため説明を省略する。
【0065】
このような並走判定により、有料道路と一般道路とが並走していないと判定した場合(ステップS022でNo)、並走判定部306は、本フローの処理を終了する。一方で、並走していると判定した場合(ステップS022でYes)、並走判定部306は、処理をステップS023に移行する。
【0066】
次に、ターンリスト生成部307は、有料優先ルートおよび一般優先ルートの各々の所定情報を集約すると共に、各々の優先ルートのターンリストを生成する(ステップS023)。具体的には、ターンリスト生成部307は、地図情報200を用いて、現在地から一般優先ルート上にある所定数(例えば、3つ)の交差点、各交差点間の距離を一般優先ルートのターンリストとして生成する。また、ターンリスト生成部307は、一般優先ルートの総距離と、予想到着時刻と、料金とに関する情報を経路探索部305から取得する。
【0067】
また、ターンリスト生成部307は、地図情報200を用いて、有料優先ルート上にある所定数(例えば、3つ)の分岐点に関する情報(例えば、入口、出口、インターチェンジ、ジャンクション、料金所、サービスエリアおよび各分岐点間の距離など)を有料優先ルートのターンリストとして生成する。また、ターンリスト生成部307は、有料優先ルートの総距離と、予想到着時刻と、料金とに関する情報を経路探索部305から取得する。
【0068】
次に、ターンリスト生成部307は、有料優先ルートおよび一般優先ルートの各々の渋滞情報を取得する(ステップS024)。具体的には、ターンリスト生成部307は、FM多重放送受信装置31およびビーコン受信装置32を介して、有料優先ルート上および一般優先ルート上の渋滞情報を取得する。
【0069】
次に、表示部303は、表示領域を所定方向に分割し、各々の表示領域に、各々の道路の渋滞情報を重畳した地図およびターンリストを表示する(ステップS025)。具体的には、表示部303は、有料道路と一般道路との位置関係に基づいて表示領域を分割し、処理をステップS026に移行する。なお、表示領域の分割方向については、前述と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
また、表示領域の分割方向(上下または左右)および分割割合はユーザによって予め設定されても良い。また、表示部303は、自車走行側の道路の表示領域を広く(または狭く)表示するようにしても良い。
【0071】
また、表示部303は、分割した一方の表示領域に有料優先ルートのターンリストと、有料優先ルートの総距離と、予想到着時刻と、料金と、渋滞の有無に関する情報と、地図上に重ねた有料優先ルート上の渋滞情報とを表示する。また、表示部303は、分割した他方の表示領域に、一般優先ルートのターンリストと、一般優先ルートの総距離と、予想到着時刻と、料金と、渋滞の有無に関する情報と、地図上に重ねた一般優先ルート上の渋滞情報とを表示する。
【0072】
また、表示部303は、自車が走行中の道路を表示した表示領域側を強調表示する。例えば、自車が一般優先ルートを走行中の場合、表示部303は、一般優先ルート側のカーマークや渋滞を示す線を太線や目立つ色によって強調表示する。また、自車が一般道路から有料道路に入った場合、一般優先ルート側の強調表示を終了し、有料優先ルート側を強調表示する。なお、表示部303は、地図の縮尺率(スケール)および表示の向きを両方の表示領域で統一して表示する。ただし、地図の縮尺率および表示の向きは、ユーザによって予め設定されても良い。また、表示部303は、自車が走行している道路の表示領域については、その縮尺を大きくした地図を表示しても良い。
【0073】
図13は、有料優先ルート上の有料道路と一般優先ルート上の一般道路とが上下の位置関係で並走している地図画面の画面例440の一例を示した図である。
図13は、有料道路が一般道路の上側を並走している場合を例にしたものであり、表示部303により表示領域が上下方向に分割され、上側に有料優先ルートに関する情報が表示され、下側に一般優先ルートに関する情報が表示されている。具体的には、上側の表示領域には、地図上に有料優先ルートの渋滞線441と、有料優先ルートの総距離と、予想到着時刻と、料金と、渋滞の有無に関する情報442と、有料優先ルートのターンリスト443が表示されている。また、下側の表示領域には、一般優先ルートの総距離と、予想到着時刻と、料金と、渋滞の有無に関する情報444と、一般優先ルートのターンリスト445が表示されている。なお、一般優先ルートに渋滞がある場合、有料優先ルートの場合と同様に、一般優先ルートの地図上に渋滞線が重畳表示されることになる。
【0074】
図7に戻って説明する。次に、表示部303は、現在地のある道路が予め設定されている優先ルートの道路と異なる場合、優先ルートを切り替えるかどうかをユーザに尋ねるポップアップを表示する(ステップS026)。
図14は、かかるポップアップ501が表示された画面例500の一例を示した図である。例えば、一般優先ルートが設定されていた場合であって、現在地が有料優先ルート上の道路(有料道路)にある場合、表示部303は、所定のメッセージ(例えば、「現在、一般道路優先です。優先ルートを切り替えますか?」など)を含むポップアップ501を表示する。また、表示部303は、かかる表示を行うと、本フローの処理を終了する。なお、入力受付部302は、ポップアップ501に対する指示をユーザから受け付けると、全体制御部301を介して、優先ルートを切り替える。
【0075】
以上、経路を引いた場合の分割表示処理について説明した。
【0076】
次に、経路を引いた場合の分割表示解除処理について説明する。
図8は、分割表示解除処理の流れの一例を示した図である。分割表示解除処理は、表示部303が表示領域を分割すると開始され、所定の時間間隔(例えば、1秒毎)で定期的に実行される。
【0077】
分割表示解除処理が開始されると、入力受付部302は、有料優先ルートおよび一般優先ルートを表示した表示領域の一方をユーザがタッチしたか否かを判定する(ステップS031)。具体的には、入力受付部302は、タッチパネル26などの入力装置23を介して、ユーザがいずれかの表示領域をタッチしたか否かを判定する。そして、表示領域がタッチされたと判定した場合(ステップS031でYes)、表示部303は、タッチされた優先ルート上の道路に現在地を合わせ込むマッチング補正を行う(ステップS032)。
【0078】
また、全体制御部301は、有料優先ルートと一般優先ルートの設定を切り替えるか否かを判定する(ステップS033)。具体的には、全体制御部301は、表示部303を介して、優先ルートの切り替えを行うか否かをユーザに尋ねるポップアップを表示し、入力受付部302を介して、ポップアップへのユーザ指示を取得する。ユーザ指示が優先ルートの切り替えを行うものである場合(ステップS033でYes)、全体制御部301は、優先ルートの設定を切り替え(ステップS034)、処理をステップS036に移行する。一方で、ユーザ指示が優先ルートの切り替えを行わないものである場合(ステップS033でNo)、表示部303は、切り替えを行わずに処理をステップS035に移行する。
【0079】
また、ステップS031の処理において、いずれの表示領域もタッチされていないと判定した場合(ステップS031でNo)、並走判定部306は、有料道路と一般道路との並走状態が解除されたか否かを判定する(ステップS035)。具体的には、並走判定部306は、raおよびrbが共に所定の閾値未満となった場合、一般道路と有料道路の並走状態が解除されたと判定する。
【0080】
並走状態が解除されていないと判定した場合(ステップS035でNo)、並走判定部306は、本フローの処理を終了する。一方で、並走状態が解除されたと判定した場合(ステップS035でYes)、並走判定部306は、処理をステップS036に移行する。
【0081】
次に、表示部303は、表示領域を分割する前の状態すなわち通常の1画面の地図画面表示に切り替えて(ステップS036)、本フローの処理を終了する。
【0082】
以上、経路を引いている場合の分割表示処理および分割表示解除処理について説明した。
【0083】
以上のような地図情報表示装置100によれば、有料道路および一般道路のどちらの情報を示しているのかをより直観的に把握できる。特に、地図情報表示装置100は、一般道路と有料道路との位置関係に応じて表示領域の分割方向を決定する。そのため、ユーザは、どちらの表示領域に一般道路および有料道路が表示されているかをより直観的に把握することができる。また、地図情報表示装置100は、渋滞発生区間を地図上に重ねて表示するため、自車の走行位置との関係から渋滞箇所をより直観的に把握することができる。また、地図情報表示装置100は、所定範囲に含まれる分岐点までのターンリストを表示するため、ユーザは、どちらの道路を走行すべきか参考にすることができる。
【0084】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係る地図情報表示装置100は、渋滞表示アイコンを表示すると共に、地図上の渋滞箇所をハイライト表示する。具体的には、前述のステップS025の処理において、表示部303は、一般優先ルートおよび有料優先ルートの少なくとも一方に渋滞箇所があるか否かを判定する。なお、表示部303は、渋滞の有無に関する情報をターンリスト生成部307から取得することにより判定する。また、渋滞箇所がある場合、表示部303は、渋滞が発生している道路側の表示領域に渋滞表示アイコンを表示する。
【0085】
図15は、渋滞表示アイコンが表示された画面例560の一例を示した図である。表示部303は、ターンリスト生成部307からの情報によって有料道路に渋滞箇所があると判定した場合、渋滞表示アイコン561を有料道路側の表示領域に表示している。
【0086】
また、表示部303は、入力受付部302を介して、ユーザが渋滞表示アイコン561をタッチしたか否かを判定する。そして、ユーザがタッチした場合、表示部303は、渋滞発生箇所の地図画面を表示領域に表示する。例えば、
図15の渋滞表示アイコン561がタッチされると、
図13の画面例440が表示される。この時、表示部303は、渋滞が発生していない一般道路についても、有料道路の渋滞発生箇所と同じ地点の地図画面を表示する。
【0087】
また、表示部303は、渋滞発生区間をハイライトなどにより強調表示する。
【0088】
このような地図情報表示装置100によれば、表示領域に表示されない場所で渋滞が発生していても、ユーザは、渋滞箇所の地図画面を確認することができる。加えて、渋滞が発生していない道路側の地図についても、渋滞発生箇所に対応する箇所の地図画面が表示されるため、両方の地図を比較することにより、走行経路の選択に役立てることができる。
【0089】
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態に係る地図表示装置は、一般優先ルート上に有料道路との分岐すなわち有料道路の入口がない場合でも、一般優先ルートから所定範囲内(例えば、半径300mの範囲内)に有料道路の入口があり、かつ、その先に両道路の並走区間がある場合には、表示領域を分割し、各々の表示領域に一般道路と有料道路の地図および渋滞情報などを表示する。
【0090】
具体的には、並走判定部306は、一般優先ルートから所定範囲内(例えば、半径300mの範囲内)に有料道路の入口があるか否かを地図情報200から特定する。そして、有料道路の入口がある場合、かかる有料道路が一般優先ルート上の道路と並走しているか否かを判定する。
【0091】
また、かかる有料道路が一般優先ルート上の道路と並走している場合、表示部303は、表示領域を分割し、各々の表示領域に各々の道路(一般優先ルートおよび特定した有料道路)に関する地図、ターンリスト情報および渋滞情報を表示する。
【0092】
なお、前述の第二実施形態と同様、分割した表示領域に渋滞表示ボタン561を設け、かかるボタンへのタッチを受け付けると、渋滞区間(渋滞線)をハイライトなどで強調表示するようにしても良い。
【0093】
このような地図情報表示装置100によれば、一般優先ルート上で有料道路との並走区間はあるが、有料道路の入口が一般優先ルートから所定範囲内にない場合でも、表示領域を分割して表示することができる。これにより、両道路の並走区間において渋滞などの道路情報を混同することなく、より直観的に把握することができる。
【0094】
なお、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、様々な変形例が可能である。例えば、前述の実施形態において、表示領域の一方には、ターンリストや渋滞情報と共に、一般道路のみを示す地図を表示し、他方の表示領域には、ターンリストや渋滞情報と共に、有料道路のみを示す地図を表示するようにしても良い。このような表示によれば、一般道路と有料道路とをより見やすく表示することができる。また、このような地図を表示した場合、渋滞箇所を示す渋滞線の線幅やずらし量を大きく表示しても良い。
【0095】
また、前述の実施形態では、分割した表示領域の一方がタッチされると、分割前の通常の1画面表示に戻す処理を行ったが、表示部303は、タッチされた表示領域に表示している道路の情報のみを表示した1画面表示に切り替えるようにしても良い。また、その場合には、タッチを受け付けてから所定時間経過後(例えば、数分経過後)に、表示領域を分割する前の1画面表示に戻すようにしても良い。
【0096】
このような表示によれば、自車が走行している道路側の情報に特化した地図や渋滞情報などを、より大きな表示領域で所定時間継続して表示させることができる。
【0097】
なお、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施携帯および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。