【課題】所望の出力信号を発生させるための波形ファイルに対する圧縮処理及び解凍処理に要する時間を短縮することが可能な信号発生装置及び方法、並びに信号発生システムを提供する。
【解決手段】入力された波形ファイルを必要に応じて圧縮して波形ファイル記憶部12に記憶させる波形ファイル圧縮部15と、波形ファイル記憶部12に記憶された複数の波形ファイルの中から1つの波形ファイルを選択するための操作部16と、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断する波形ファイル管理部19と、波形ファイル管理部19により、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを解凍して波形メモリ18に出力する波形ファイル解凍部20と、波形メモリ18に展開された波形ファイルに基づいて出力信号を発生する信号発生部17と、を備える。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディア通信の普及や利用者数の増加、さらには通信技術の発達に伴い、多数の通信規格が策定されており、複数の通信規格に対応した無線端末機器(携帯電話等)などが盛んに生産されるようになっている。また、通信ネットワークを構成する各種機器の性能や、通信ネットワーク内を伝送される信号の品質を通信規格ごとに測定することが求められている。
【0003】
このような測定を行うための測定系としては、例えば、各通信規格に対応した専用の測定装置を採用する場合がある。しかしながら、新たな通信規格が策定される度に専用の測定装置を準備することは、効率の面やコストの面からは望ましくない。そこで、通信規格に依存しない汎用的な信号発生装置や信号解析装置を用いて、測定の効率化が図られるようになってきている。
【0004】
汎用的な信号発生装置としては、あらかじめディジタル値の波形データをメモリに記憶しておき、これをアナログ値に変換して所望の波形を出力するものが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に開示された信号発生装置は、ファイルサイズの大きいディジタル値の波形データを圧縮することにより、波形データをメモリへ書き込む際に要する時間を短縮するものである。なお、この信号発生装置においては、波形データを作成するツールと、波形データを圧縮する波形圧縮部とがソフトウェアで構成されているのに対して、圧縮された波形データを解凍する復号器はハードウェア(FPGA)で構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実際には、上記の波形データの圧縮率は通信規格ごとに異なっており、圧縮率が低い波形データについては圧縮/解凍処理に時間を要する傾向がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の信号発生装置は、作成された波形データを全て圧縮するため、圧縮/解凍処理の時間が長くなるという問題があった。また、このような従来の信号発生装置は、復号器がハードウェアで構成されているため、コストがかかるという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、所望の出力信号を発生させるための波形ファイルに対する圧縮処理及び解凍処理に要する時間を短縮することが可能な信号発生装置及び方法、並びに信号発生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の信号発生装置は、出力信号を発生する信号発生装置であって、前記出力信号の波形データを含む波形ファイルが入力される波形ファイル入力部と、前記波形ファイル入力部に入力された波形ファイルを記憶する波形ファイル記憶部と、前記波形ファイル記憶部に記憶された複数の前記波形ファイルの中から1つの波形ファイルを選択するための波形ファイル選択操作部と、前記波形ファイル選択操作部で選択された波形ファイルを展開するための波形メモリと、前記波形メモリに展開された波形ファイルに基づいて前記出力信号を発生する信号発生部と、前記波形ファイル入力部に入力された波形ファイルを必要に応じて圧縮して前記波形ファイル記憶部に記憶させる波形ファイル圧縮部と、前記波形ファイル選択操作部で選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断する波形ファイル管理部と、前記波形ファイル管理部により、前記波形ファイル選択操作部で選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを解凍して前記波形メモリに出力する波形ファイル解凍部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2の信号発生装置は、前記波形ファイル入力部に入力された波形ファイルが圧縮対象のファイルであるか否かを判断する圧縮対象ファイル判断部を更に備え、前記波形ファイル圧縮部は、前記圧縮対象ファイル判断部により、前記波形ファイル入力部に入力された波形ファイルが圧縮対象のファイルであると判断された場合に、当該波形ファイルを圧縮することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3の信号発生システムは、出力信号を発生する信号発生装置と、当該信号発生装置を制御する外部制御装置と、を備える信号発生システムであって、前記外部制御装置は、前記出力信号の波形データを含む波形ファイルが入力される波形ファイル入力部と、前記波形ファイル入力部に入力された波形ファイルを必要に応じて圧縮する波形ファイル圧縮部と、を備え、前記信号発生装置は、前記波形ファイル入力部に入力された波形ファイル、又は、前記波形ファイル圧縮部により圧縮された波形ファイルを記憶する波形ファイル記憶部と、前記波形ファイル記憶部に記憶された複数の前記波形ファイルの中から1つの波形ファイルを選択するための波形ファイル選択操作部と、前記波形ファイル選択操作部で選択された波形ファイルを展開するための波形メモリと、前記波形メモリに展開された波形ファイルに基づいて前記出力信号を発生する信号発生部と、前記波形ファイル選択操作部で選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断する波形ファイル管理部と、前記波形ファイル管理部により、前記波形ファイル選択操作部で選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを解凍して前記波形メモリに出力する波形ファイル解凍部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4の信号発生方法は、出力信号を発生する信号発生方法であって、前記出力信号の波形データを含む波形ファイルが入力される波形ファイル入力ステップと、前記波形ファイル入力ステップにより入力された波形ファイルを記憶する波形ファイル記憶ステップと、前記波形ファイル入力ステップにより入力された波形ファイルを必要に応じて圧縮して前記波形ファイル記憶ステップにより記憶させる波形ファイル圧縮ステップと、前記波形ファイル記憶ステップにより記憶された複数の前記波形ファイルの中から1つの波形ファイルを選択するための波形ファイル選択操作ステップと、前記波形ファイル選択操作ステップで選択されて波形メモリに展開された波形ファイルに基づいて前記出力信号を発生する信号発生ステップと、前記波形ファイル選択操作ステップで選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断する波形ファイル管理ステップと、前記波形ファイル管理ステップにより、前記波形ファイル選択操作ステップで選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを解凍して前記波形メモリに出力する波形ファイル解凍ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、所望の出力信号を発生させるための波形ファイルに対する圧縮処理及び解凍処理に要する時間を短縮することが可能な信号発生装置及び方法、並びに信号発生システムを提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る信号発生装置及び方法、並びに信号発生システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施形態としての信号発生装置1は、波形ファイル入力部としての入力インタフェース(I/F)11、波形ファイル記憶部12、圧縮対象ファイル判断部13、切替部14、波形ファイル圧縮部15、波形ファイル選択操作部としての操作部16、信号発生部17、波形メモリ18、波形ファイル管理部19、波形ファイル解凍部20、切替部21、及び制御部22を備える。
【0018】
入力I/F11は、信号発生装置1の出力信号として発生させたい信号の波形ファイルが入力されるようになっている。出力信号は、例えば基地局から送出される信号に相当するものである。波形ファイルは、例えば、I相成分(同相成分)及びQ相成分(直交成分)のベースバンドの波形データ(ディジタル値)や通信規格の情報を含む。
【0019】
波形ファイル記憶部12は、入力I/F11に入力された波形ファイルを蓄積記憶するようになっている。
【0020】
圧縮対象ファイル判断部13は、入力I/F11に入力された波形ファイルが圧縮対象のファイルであるか否かを判断するようになっている。
【0021】
切替部14は、圧縮対象ファイル判断部13により、入力I/F11に入力された波形ファイルが圧縮対象であると判断された場合に、当該波形ファイルを波形ファイル圧縮部15に入力するようになっている。一方、切替部14は、圧縮対象ファイル判断部13により、入力I/F11に入力された波形ファイルが圧縮対象でないと判断された場合に、当該波形ファイルをそのまま波形ファイル記憶部12に入力するようになっている。
【0022】
波形ファイル圧縮部15は、入力I/F11に入力された波形ファイルを必要に応じて圧縮して波形ファイル記憶部12に記憶させるようになっている。波形ファイル圧縮部15は、圧縮対象ファイル判断部13により、入力I/F11に入力された波形ファイルが圧縮対象のファイルであると判断された場合に、7−Zip、ZIP、RAR、CABなどの公知の様々な圧縮/解凍アルゴリズムを用いて当該波形ファイルを圧縮する。
【0023】
また、波形ファイル圧縮部15は、波形ファイルを圧縮する際に、当該波形ファイルが圧縮されていることを示す情報(以下、「圧縮情報」ともいう)を波形ファイル管理部19に登録するようになっている。
【0024】
操作部16は、波形ファイル記憶部12に記憶された複数の波形ファイルの中から1つの波形ファイルを選択するために、ユーザが操作するものである。操作部16は、例えば、波形ファイル記憶部12に記憶された複数の波形ファイルを選択可能に表示するディスプレイと、キーボード、ダイヤル又はマウスのような入力デバイスと、を含んで構成される。
【0025】
また、操作部16は、例えば波形ファイルごとや通信規格ごとに波形ファイルを圧縮するか否かをユーザが入力可能となっており、当該入力情報を圧縮対象ファイル判断部13に入力するようになっていてもよい。
【0026】
信号発生部17は、操作部16で選択されて波形メモリ18に展開された波形ファイルに含まれた波形データをアナログ値に変換することにより出力信号を発生するものである。信号発生部17は、例えば複数の通信規格に対応した被試験対象(例えば、携帯電話を含む無線端末機器)に出力信号としての試験信号を送信するようになっている。また、信号発生部17は、周波数変換手段や増幅手段を備えており、出力信号の波形データの振幅や周波数を適宜調整するようになっている。
【0027】
ここで、複数の通信規格としては、例えば、セルラ(LTE、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、1xEV−DO、TD−SCDMA等)、WLAN(IEEE802.11b/g/a/n/ac等)、Bluetooth(登録商標)、GNSS(GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou等)、FM、及びディジタル放送(DVB−H、ISDB−T等)が挙げられる。
【0028】
波形ファイル管理部19は、上記の圧縮情報に基づいて、波形ファイル記憶部12に記憶された各波形ファイルが圧縮されたファイルであるか否かの情報を管理している。また、波形ファイル管理部19は、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断するようになっている。
【0029】
波形ファイル解凍部20は、波形ファイル管理部19により、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを解凍して波形メモリ18に出力するようになっている。
【0030】
切替部21は、波形ファイル管理部19により、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを波形ファイル解凍部20に入力するようになっている。一方、切替部21は、波形ファイル管理部19により、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されていないと判断された場合に、当該波形ファイルをそのまま波形メモリ18に入力するようになっている。
【0031】
制御部22は、例えばCPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータで構成され、信号発生装置1を構成する上記各部の動作を制御するとともに、所定のプログラムを実行することにより、圧縮対象ファイル判断部13、切替部14,21、波形ファイル圧縮部15、信号発生部17、波形ファイル管理部19、及び波形ファイル解凍部20をソフトウェア的に構成するようになっている。
【0032】
あるいは、
図2に示すように、信号発生装置は、GPIB、Ethernet(登録商標)、USBなどのリモート制御インタフェース(I/F)24,41を介して、外部制御装置40により遠隔制御される構成であってもよい。
図2に示す信号発生装置10及び外部制御装置40は、信号発生システム2を構成する。
【0033】
例えば、外部制御装置40は、入力I/F11、圧縮対象ファイル判断部13、切替部14、波形ファイル圧縮部15、操作部42、及び制御部43を含んでいてもよい。操作部42及び制御部43の基本的な構成は、信号発生装置1が有する操作部16及び制御部22と同様である。操作部42は、操作部16と同様に、波形ファイル選択操作部として機能する。制御部43は、外部制御装置40を構成する各部の駆動制御を行うようになっている。
【0034】
図3に示すように、信号発生部17は、例えば、ディジタルアナログコンバータ(DAC)31、直交変調器32、局部発振器33、自動レベル制御回路(ALC)34、及びステップアッテネータ(ステップATT)35を備えている。
【0035】
DAC31は、波形メモリ18から入力されるI相成分及びQ相成分のディジタル値のベースバンド信号の波形データをアナログ値に変換して直交変調器32に出力するようになっている。
【0036】
局部発振器33は、制御部22からの制御信号に基づいた局部発振周波数の局部発振信号を生成し、直交変調器32に出力するように構成されている。
【0037】
直交変調器32は、DAC31から入力されたI相成分及びQ相成分と、局部発振器33から入力された局部発振信号とを乗算することにより直交変調及び周波数変換を行って無線周波数の信号(RF信号)を生成するようになっている。また、直交変調器32は、生成したRF信号をALC34に出力するようになっている。
【0038】
ALC34は、直交変調器32の出力信号の電力レベルを所定の電力レベルに調整してステップATT35に出力するようになっている。ALC34が設定する電力レベルは、制御部22からの制御信号によって設定されるようになっている。ALC34は、出力信号レベルを例えば0.1dB単位で調整できるものである。
【0039】
ステップATT35は、各々の減衰量が予め定められた複数のアッテネータセクションを備え、各アッテネータセクションの減衰量の組み合わせにより、入力されたRF信号のレベルを所定の減衰量のステップで減衰することができるATTである。このステップATT35は、制御部22からの制御信号によって設定された減衰量で入力信号を減衰し、ユーザが所望する電力レベルの出力RF信号を出力するようになっている。
【0040】
図4は、波形ファイルの圧縮率と、波形ファイルの波形ファイル記憶部12へのロード時間との関係を示すグラフである。ここで、圧縮率=圧縮後の波形ファイルのファイルサイズ/圧縮前の波形ファイルのファイルサイズ、ロード時間増加倍率=圧縮後の波形ファイルのロード時間/圧縮前の波形ファイルのロード時間、としている。
【0041】
図4のグラフから、圧縮率が悪い(高い)波形ファイルほど、ロード時間増加倍率が大きくなる傾向が見て取れる。つまり、同じファイルサイズの波形ファイルであっても、圧縮率が悪いほどロード時間が長くなっていくことが分かる。
【0042】
図5は、圧縮前の波形ファイルのファイルサイズと、波形ファイルの圧縮率との関係を通信規格ごとに模式的に示すグラフである。また、表1に通信規格ごとの波形ファイルの圧縮要否の一例を示す。
【0043】
GNSS用の波形ファイルは、他の通信規格と比較して圧縮前のファイルサイズが大きい傾向があるが、圧縮率が常に非常に良い(低い)ため、圧縮して扱うことが推奨される。
【0044】
ディジタル放送(図中の「Digital broadcast」)用の波形ファイルは、圧縮率が比較的悪く(高く)、圧縮効果が薄い。また、圧縮率が高いディジタル放送用の波形ファイルを圧縮する場合には、
図4に示したようにロード時間が長くなってしまう。このため、ディジタル放送用の波形ファイルの圧縮は基本的には非推奨である。
【0045】
ただし、ディジタル放送用の波形ファイルは、ファイルサイズが大きくなる傾向にあるため、波形ファイル記憶部12において波形ファイルの入れ替えを余り生じさせない使用状況であれば、若干でも波形ファイル記憶部12の空き容量を増加させるために圧縮することは有効である。
【0046】
WLAN(図中の「Wireless LAN」)及びBluetooth(登録商標)用の波形ファイルは、一般的にファイルサイズが小さい傾向にある。このため、大量にこれらの波形ファイルを扱う場合以外は圧縮のメリットが得られないため、WLAN及びBluetooth(登録商標)用の波形ファイルの圧縮は非推奨である。
【0047】
セルラ(図中の「Cellular」)用の波形ファイルは、圧縮率がおおむね良好であり、圧縮効果が高いと言えるため、圧縮して扱うことが推奨される。
【表1】
【0048】
圧縮対象ファイル判断部13は、例えば表1のようなテーブルを記憶しており、通信規格ごとに波形ファイルが圧縮対象であるか否かを判断するものであってもよい。あるいは、圧縮対象ファイル判断部13は、圧縮率が比較的良い(低い)波形ファイルを圧縮対象であると判断し、圧縮率が比較的悪い(高い)波形ファイルを圧縮対象でないと判断するものであってもよい。
【0049】
なお、セルラ用の波形ファイルは、ファイルサイズや圧縮率が波形データの内容によって様々な値を取るため、個々の波形ファイルのファイルサイズと圧縮率、測定時間に占めるロード時間の割合、波形ファイル記憶部12の記憶容量等に基づいて、波形ファイル単位で圧縮すべきかどうかを圧縮対象ファイル判断部13が判断するようになっていてもよい。
【0050】
また、圧縮対象ファイル判断部13は、波形ファイル記憶部12の記憶容量の残量に応じて、入力I/F11に入力された波形ファイルを圧縮するか否かを判断するものであってもよい。あるいは、既に述べたように、ユーザの操作部16の操作により、波形ファイルごとに波形ファイルを圧縮するか否かを決定できるようになっていてもよい。
【0051】
以下、
図6,7のフローチャートを参照しながら、本実施形態の信号発生装置1を用いた信号発生方法について説明する。
【0052】
<波形ファイル圧縮>
図6に示すように、まず、ユーザにより所望の通信規格の波形ファイルが入力I/F11に入力される(ステップS1)。
【0053】
次に、圧縮対象ファイル判断部13は、入力I/F11に入力された波形ファイルが圧縮対象であるか否かを判断する(ステップS2)。当該波形ファイルが圧縮対象である場合には、ステップS3に進む。一方、当該波形ファイルが圧縮対象でない場合には、ステップS3を飛ばしてステップS4に進む。
【0054】
ステップS3において、波形ファイル圧縮部15は、ステップS2で圧縮対象であると判断された波形ファイルを圧縮する。
【0055】
ステップS4において、波形ファイル記憶部12は、ステップS2で圧縮対象でないと判断された波形ファイル、又は、ステップS3で圧縮された波形ファイルを蓄積記憶する。
【0056】
<波形ファイル解凍>
図7に示すように、まず、ユーザの操作部16の操作により、波形ファイル記憶部12に記憶された複数の波形ファイルの中から1つの波形ファイルが選択される(ステップS11)。
【0057】
次に、波形ファイル管理部19は、ステップS11で選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断する(ステップS12)。当該波形ファイルが圧縮されている場合には、ステップS13に進む。一方、当該波形ファイルが圧縮されていない場合には、ステップS13を飛ばしてステップS14に進む。
【0058】
ステップS13において、波形ファイル解凍部20は、ステップS12で圧縮されていると判断された波形ファイルを解凍する。
【0059】
ステップS14において、信号発生部17は、ステップS12で圧縮されていないと判断された波形ファイル、又は、ステップS13で解凍された波形ファイルに含まれた波形データをアナログ値に変換することにより試験信号を発生する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の信号発生装置1は、入力I/F11に入力された波形ファイルを必要に応じて圧縮して波形ファイル記憶部12に記憶させる波形ファイル圧縮部15と、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されているか否かを判断する波形ファイル管理部19と、波形ファイル管理部19により、操作部16で選択された波形ファイルが圧縮されていると判断された場合に、当該波形ファイルを解凍して波形メモリ18に出力する波形ファイル解凍部20と、を備える。
【0061】
これにより、入力される複数の波形ファイルのうち一部の波形ファイルのみを圧縮してから波形ファイル記憶部12に記憶させるため、入力される波形ファイルの全てを圧縮する場合と比較して、圧縮処理及び解凍処理に要する時間を短縮することができる。特に、圧縮効果の高い波形ファイルを圧縮して波形ファイル記憶部12に記憶させることにより、波形ファイル記憶部12の記憶容量を有効に利用することができる。
【0062】
また、波形ファイル解凍部20により解凍された波形ファイルを波形メモリ18に展開する構成であるため、高速に解凍処理を行うためのハードウェアが不要であり、コストを抑えることができる。
【0063】
また、本実施形態の信号発生装置1は、入力I/F11に入力された波形ファイルが圧縮対象のファイルであるか否かを判断する圧縮対象ファイル判断部13を更に備える。
【0064】
これにより、あらかじめ圧縮対象を適切に設定しておくことにより、圧縮処理及び解凍処理に要する時間を短縮したり、記憶容量を有効に利用したりすることができる。