【解決手段】基板に実施された部品と、部品の上面と側面とを覆う多孔質のグラファイト多孔質体と、グラファイト多孔質体に接続される放熱体または筐体と、を含む放熱構造体を用いる。また、基板に実施された部品と、部品の上面と側面とを覆う多孔質のグラファイト多孔質体と、グラファイト多孔質体に接続される放熱体と、グラファイト多孔質体に接続される筐体と、を含む放熱構造体を用いる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1(a)〜
図1(c)で、実施の形態1の冷却部材9を示す。
図1(a)は、冷却部材9の平面図である。
図1(b)は、冷却部材9の断面図である。多孔質金属10と、炭素材料11とからなる。
【0009】
<多孔質金属10>
多孔質金属10は、貫通穴である開口部31を有する金属体である。
図1(c)に平面図を示す。一方向に伸びる開口を有するロータス型ポーラス金属(ロータスアロイ社、商標)である。ロータス型ポーラス金属は、溶融金属において、ガスを溶かし、金属を形成することで作製される。
【0010】
また、住友電工株式会社製、気孔率98%の金属体、新素材のセルメット(住友電工株式会社、商標)でもよい。太盛工業株式会社製、多孔質金属紙、マイクロポーラス金属吸水ポーラス金属(太盛工業株式会社、商標)でもよい。
【0011】
<炭素材料11>
炭素材料11は、以下に示すグラファイトモノリスが好ましい。グラファイトモノリスについて以下で説明する。次の方法で作製するものである。
【0012】
一定の形状の容器内で、水及び触媒の存在下にフェノール化合物とアルデヒド化合物を反応させて得られる樹脂のゲルを脱水し、得られた乾燥ゲルを不活性ガス雰囲気中で焼成する方法を用いる。
以下、グラファイトモノリスを詳細に説明する。
【0013】
フェノール化合物とアルデヒド化合物の反応は、水及び触媒の存在下に行われる。
フェノール化合物としては、例えば、下数式(1)
【数1】
【0014】
(式中、R1は水素原子、又はハロゲン原子若しくは置換基で置換されていてもよいアルキル基を表す。nは2〜5の整数を表し、mは0〜3の整数を表すが、n及びmの和が6以上であることはない。) で示される化合物が挙げられる。
【0015】
この方法において、上式(1)中のR1は、水素又は置換されていてもよいアルキル基を表す。上記のアルキル基における置換基としては、例えばヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、カルバモイル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、スルホ及びスルファモイル等を挙げることができる。
【0016】
上記アルキル基や、該アルキル基の置換基であるアルコキシ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルオキシは、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
上記R1において、ハロゲン原子若しくは置換基で置換されていてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−オクチル基、ノニル基、p−t−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3,4−ジヒドロキシブチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、4−クロロブチル基、4−ブロモブチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、1,2−ジカルボキシエチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、4−カルバモイルブチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、4−メトキシカルボニルブチル基、4−エトキシカルボニルブチル基、メチルカルボニルオキシメチル基、エチルカルボニルオキシメチル基、2−メチルカルボニルオキシエチル基、2−エチルカルボニルオキシエチル基、3−メチルカルボニルオキシプロピル基、3−エチルカルボニルオキシプロピル基、4−メチルカルボニルオキシブチル基、4−エチルカルボニルオキシブチル基、スルホメチル基、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、スルファモイルメチル基、2−スルファモイルエチル基、3−スルファモイルプロピル基及び4−スルファモイルブチル基等を挙げることができる。
【0017】
R1としては、水素原子又は無置換のアルキル基がより好ましく、水素、メチル基、エチル基、n−オクチル基が特に好ましい。
式(1)において、nとしては、3又は4が好ましく、4が特に好ましい。
【0018】
mとしては、1又は2が好ましく、1が特に好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、i−プロピルフェノール、ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2−クロロフェノール、4−メトキシフェノール、2,4−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、カテコール、3−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、5−メトキシレゾルシノール、5−ペンチルレゾルシノールやピロガロール等を挙げることができる。
【0019】
この方法において、上記フェノール化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
この方法におけるアルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0020】
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒドが好ましい。
この方法において、フェノール化合物とアルデヒド化合物の使用割合は特に限定されない。
この方法において、フェノール化合物に対するアルデヒド化合物のモル比は、通常は1〜3の範囲であり、好ましくは1.2〜2.5の範囲である。
【0021】
この方法における反応は、フェノール化合物とアルデヒド化合物を含有する水の存在下に行われる。そして、この方法の製造方法は、コロイド状の大きさの粒子を含む流動性のある液体中においてコロイド粒子が活発なブラウン運動をしているゾル状態を経て、上記コロイド粒子由来の三次元網目状構造を有するゲル状化合物を得る反応である。実施の形態におけるゲル状化合物は、三次元の網目構造中に水等の液体又は空気等の気体が含まれていてもよい。
【0022】
本実施の形態1におけるゾル−ゲル反応において、触媒としては塩基性触媒でも酸性触媒でもよいが酸性触媒が好ましい。かかる塩基性触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウムやリン酸カリウム等が挙げられる。
【0023】
塩基触媒としては、炭酸ナトリウムが好ましい。塩基性触媒の使用量は、フェノール化合物1モル当り、通常は0.00001〜5モルの範囲であり、好ましくは0.00001〜2モルの範囲であり、さらに好ましくは0.00001〜0.1モルの範囲である。
実施の形態のゾル−ゲル反応において、反応温度は、通常は0〜100℃の範囲であり、好ましくは30〜90℃の範囲である。
【0024】
本実施の形態のゾル−ゲル反応により得られる樹脂は湿潤ゲルであり、乾燥ゲルは上記湿潤ゲルを脱水することにより製造される。
湿潤ゲルの脱水は、例えば、前記湿潤ゲル中の水を親水性有機溶媒で置換することにより行われる。
【0025】
上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール及びt−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトニトリル等の脂肪族ニトリル類;アセトン等の脂肪族ケトン類;ジメチルスルホキシド等の脂肪族スルホキシド類;酢酸等の脂肪族カルボン酸類が挙げられる。
【0026】
これらの親水性有機溶媒のうち、t−ブチルアルコール、ジメチルスルホキシド又は酢酸が好ましく用いられ、t−ブチルアルコールが特に好ましく用いられる。
このようにして得られた親水性有機溶媒で湿潤されたゲルは、好ましくは凍結乾燥され、乾燥ゲルが得られる。ただし、常温乾燥・凍結乾燥・超臨界乾燥のどれでもよい。
【0027】
常温乾燥・凍結乾燥・超臨界乾燥によって得られた乾燥ゲルは、ゾル−ゲル反応により作られた湿潤ゲルを構成する粒子の三次元の網目状構造を保持することができる。すなわち、形態及び機能的に三次元の網目状構造が有する性状を維持しつつ、湿潤ゲル中の親水性有機溶媒等の液体を除去することができる。
【0028】
実施の形態において、凍結乾燥を用いる場合は、湿潤ゲルの三次元網目状構造における親水性有機溶媒等の液体を除去することが可能であり、不均一な乾燥や泡立ち、変質等を防ぎつつ、三次元の網目状構造を維持できるので、上記湿潤ゲルの形状を保った乾燥ゲルが得られる。
【0029】
さらに、凍結乾燥装置を用いることにより、湿潤ゲルを短時間で乾燥することができると共に、乾燥ゲルの製造コストを低減化することができる。
凍結乾燥における凍結温度は、通常は−70〜−5℃の範囲であり、好ましくは−30〜−10℃の範囲である。
【0030】
そして、凍結乾燥後に得られたカーボン乾燥ゲルは、不活性ガス雰囲気中で焼成(炭化)することにより、カーボン材料を得ることができる。焼成(炭化)時の不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素等が好ましい。焼成(炭化)温度は、通常は200〜3000℃の範囲であり、好ましくは600〜1100℃の範囲である。焼成時間は、通常は数分間〜数時間の範囲である。
【0031】
<物性>
この材料を以下、グラファイトモノリスとする。多孔質体であるが、グラファイトである。熱伝導性もあるレベルある。グラファイトとしての(002)面のX線回折の半値幅は、約0.5°であった。
【0032】
密度は、0.7〜0.85g/cm3、細孔容積は、0.5から0.7cm3/gである。
メソ孔体積は、0.6〜3cm3/g、ミクロ孔体積は、0.2〜0.6cm3/gである。大きな孔から小さな孔まであり、孔がつながっている。流体を流しやすい。
【0033】
なお、塩化鉄を触媒として原料に入れ合成すると、低温でも結晶性のよい、熱伝導性のよいグラファイトモノリスとなる。
<グラファイトモノリスの範囲>
このグラファイトモノリスは、グラファイトの多孔質体である。高分子フィルムでなく、有機化合物のゾルゲル反応により生成されたものである。特に、ベンゼン化合物とアルデヒド化合物のゾルゲル反応で生成されるものである。
【0034】
ただし、別の方法で作製した、同様の構造を有する多孔質のグラファイトも含むこともできる。例えば、ベンゼン化合物とアルデヒド化合物から作製することもできる。2つの溶液のゾルゲルにより作製できる。
<冷却部材9>
この実施の形態では、多孔質金属10の開口部31に、炭素材料11として、このグラファイトモノリスを入れる。
図1(c)で示す多孔質金属10を上記溶液に浸してもよい。また、多孔質金属10の開口部31に上記溶液を入れてもよい。
【0035】
そして、溶液からゲルを生成し、グラファイトモノリスにする。または、ゲル状態時に、開口部31へ入れてもよい。このことで、
図1(a)、
図1(b)に示す冷却部材9が得られる。
<特徴、効果>
この冷却部材9では、炭素材料11を経由して、短時間に熱が1方向へ伝導される。かつ、一定時間経過後、多孔質金属10を介して、熱が均等に伝達される。このことで、即座の熱にも、定常的な熱の放熱にも対応できる。特に、多孔質金属10は、開口部31(炭素材料11)間で熱を伝えることができ、全体の均熱化ができる。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態2を、以下、
図2(a)〜
図2(c)の断面図を用いて説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図2(a)では、基板13上に部品12が実装されている。その部品12の上面のみに冷却部材9が位置する。その上に放熱体14が位置する。冷却部材9の開口部31の貫通方向は、上下方向である。
【0037】
部品12の熱を、冷却部材9を経由して放熱体14へ伝達する。冷却部材9により、部品12が冷却される。
ここで、冷却部材9は、熱をそのまま上方へ伝達するだけでなく、水平方向へも広げ伝達する。このことで、熱を広げつつ伝達し、部品12を効率的に冷却する。
【0038】
放熱体14は、電子機器の筺体の場合もある。放熱フィンや、放熱ファンの場合もある。
冷却部材9は、開口部31(
図1)にある炭素材料11により、熱を即座に伝達する。時間の経過とともに、熱は、多孔質金属10にも伝達される。上下だけでなく、水平方向にも熱を伝え、冷却する。
【0039】
図2(b)では、
図2(a)にさらにグラファイトシート100を配置している。グラファイトシート100は、樹脂フィルムを不活ガス中で焼成したものであり(パナソニック製)、面方向に熱伝導率が高いものを用いる。部品12の熱を、グラファイトシート100で均熱化し、冷却部材9で放熱体14へ伝達する。
【0040】
図2(c)では、部品12の側面、周辺にも冷却部材9が配置されている。冷却部材9は、部品12の側面からも熱を受け取り、より部品12を冷却させる。
(実施の形態3)
実施の形態3を、以下、
図3(a)から
図3(c)の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
【0041】
図3(a)の構造は、冷却部材9と、その周囲に温度調整器21がある。
冷却部材9は、開口部31が1つ大きな貫通穴となっている。開口部31に炭素材料11が配置されている。
【0042】
温度調整器21は、冷却部材9を加温、冷却をする。炭素材料11は、実施の形態1で説明したグラファイトモノリスであり、マイクロな開口を有する。この炭素材料11中のマイクロ流な開口を、流体が通過させる。通過中に多孔質金属10を介して、熱の交換がされる。多孔質金属10、炭素材料11は熱伝導性が高い。さらに、炭素材料11は、マイクロ流路を有しており、通過する流体との接触面積が大きく、かつ、通過抵抗も高くなく淀みがない。結果、効率的に熱交換がされる。
【0043】
図3(a)は、1つの開口部31であったが、
図3(b)では、開口部31が複数ある。ただし、その長さは短い。
図3(a)、
図3(b)は、用いられる場所との関係でどちらかが採用される。
図3(c)は、部品12の冷却に用いた例である。冷却ファン19からの空気を、冷却部材19内を通過させる。流体は、気体、液体どちらでもよい。
【0044】
(実施の形態4)
実施の形態4を、以下、
図4(a)〜
図4(c)の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図4(a)では、冷却部材9を電池15間に配置している。電池15が、自動車用電池の場合、大きな電池15となり、熱の分布も大きい。温度高い部分は、極端に、性能がでない。
【0045】
そのため、
図4(a)のように電池15間に冷却部材9を設ける。設けることで、電池15で発生する温度ばらつきを、隣の電池15へ移動させることができる。その結果、電池の温度の均熱化ができる。炭素材料11(開口部31)の方向は、電池間に平行である。
図4(b)は、
図4(a)での1つの冷却部材9の部分を拡大して示している。炭素材料11、開口部31の方向は電池間である。
図4(c)では、冷却部材9にさらにグラファイトシート100を用いている。電池表面の面方向へも熱を伝え、均熱化し、部分的高温部分を冷却する。
電池の温度が下がり、電池の性能が高くなる。
【0046】
(実施の形態5)
実施の形態5を、以下、
図5(a)、
図5(b)の断面図で説明する。
図5(a)は、水平方向、
図5(b)は鉛直方向の断面図である。ある部品12(コンデンサー)を冷却する冷却部材9を示す。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
冷却部材9は、実施の形態1で説明したが、冷却対象の部品12の外形形状に合わせて作製できる。
円柱形状の部品12の場合は、その周りに沿って円筒形状の冷却部材9を作製する。この場合、冷却部材9の炭素材料11(開口部31)の方向は、円筒の長手方向に平行である。長手方向で熱を均熱化できる。
上記と同様、冷却部材9は、基板13、放熱体14に接続し熱を逃がしてもよい。直方体の部品、色々な形状の部品の側面に合わせて、冷却部材9を作製し、炭素材料11の方向を上下方向にすればよい。側面が曲がっていたり、折れ曲がっている場合、開口部31もそれに沿っていればよい。
【0047】
(実施の形態6)
実施の形態6を、以下、
図6(a)、
図6(b)の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図6(a)では、第1冷却部材91と第2冷却部材92とが合体されている。第1冷却部材91は、開口部31が上下方向であり、熱を上下方向へ伝達し冷却する。第2冷却部材92は、開口部31が水平方向にあり、熱を水平方向へ伝達し冷却する。
【0048】
図6(b)では、第3冷却部材93があり、開口部31が、途中で曲がっている。
熱を上下だけでなく左右方向へも伝達できる。
図6(c)では、第1冷却部材91で、炭素材料11(開口部31)が、部品と放熱体14間で斜めになっている。熱を広げている。熱を上下だけでなく左右方向へも伝達できる。
図6(d)では、第1冷却部材91で、炭素材料11(開口部31)が、枝分かれしている。
熱を上下だけでなく左右方向へも伝達できる。
いろいろな方向へ熱を伝達できる。冷却効率が高い。部品12の配置の自由度が増える。
(実施の形態7)
実施の形態7を、以下、
図7(a)から
図7(c)の平面図、
図7(d)から
図7(f)の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
【0049】
図7(a)、
図7(d)では、冷却部材9と部品12の水平方向の断面積が等しい。この場合、冷却部材9の全体の炭素材料11を使用する。
図7(b)、
図7(e)では、冷却部材9と部品12の水平方向の断面積は、冷却部材9が大きい。この場合、冷却部材9の部品12上の炭素材料11を使用する。周辺部分は、開口部31がなくともよい。部品12より外側へ出ている方が、放熱できよい。
【0050】
図7(c)、
図7(f)では、冷却部材9と部品12の水平方向の断面積は、冷却部材9が大きい。この場合、冷却部材9の部品12上の炭素材料11を使用する。周辺部分は、開口部31があるが、炭素材料11はない。部品12より外側へ出ている方が、放熱できよい。周辺の開口部31は空洞で冷却に寄与できる。
【0051】
(実施の形態8)
実施の形態8を、
図8の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図8では、第3冷却部材93を説明する。第3冷却部材93は、部品12a、12b、12c、基板13とからなる。第3冷却部材93は、筐体101(放熱部材)と部品との間、部品間を満たす。複数の部品の熱をまとめて筐体101へ、水平方向へ熱を広げながら、上方へ逃がす。部品の側面からの熱を放熱させることができる。部品の熱を筐体101と基板13とへ逃がせる。
【0052】
(実施の形態9)
実施の形態9を、
図9〜13の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図9〜11は、基板13に炭素材料11を入れ込んだものである。炭素材料11により熱を基板13の面方向へ広げる。
図9では、複数の電子部品102が実装された基板13の内部に炭素材料11を配置している。複数の電子部品102で発生した熱を全体として均熱化して、局所的に温度が上がるのを防止する。
図10では、1つの電子部品102が実装された基板13の内部に炭素材料11を配置している。電子部品102の熱を広げ、冷却する。炭素材料11の端部は、基板13から露出していてもよい。空気中へ熱を放熱できる。
図11では、基板13の内部の一部に炭素材料11を配置している。
図12は、別の例である。
図12は、基板13の下部に、炭素材料11を有する部材を設けている構造、つまり、絶縁材料42に保持された炭素材料11を設けている構造を示す。その構造の下部に放熱部材14を設けている。
【0053】
結果、電子部品102の熱が、炭素材料11を介して、放熱部材14へ伝達される。結果、電子部品102が冷却される。
図13は、別の例を示す。
図10の構造に、放熱部材14をつけている。炭素材料11と放熱部材14とを接触させ、熱を逃がしている。
【0054】
(実施の形態10)
実施の形態10を、
図14〜
図15の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図14〜15は、ヒートシンク51に炭素材料11を入れ込んだものである。炭素材料11により熱をヒートシンク13内部で広げる。
図14では、光学機器50の下部のヒートシンク51に炭素材料11を設けている。電子部品102であるLED素子は発熱する。その熱を、ヒートシンク51で広げ、電子部品102を冷却する。従来、ヒートシンク
図15では、電子部品102の下部のヒートシンク51に炭素材料11を入れ込んでいる。ヒートシンク51の上部の電子部品102は配置される平面部分、直方体部分に、炭素材料11を配置している。
【0055】
(実施の形態11)
実施の形態11を、
図17〜
図18の断面図で説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
図16では、炭素材料11を電子機器105の筐体101の内面に設けている。実施の形態1の炭素材料11のところで説明したように、炭素材料11がゾルゲル時に、筐体101の内面にゾルゲル状態の炭素材料11を塗布して炭素材料11を設けることができる。炭素材料11は、
図17で示す方法で、筐体101に配置することもできる。
図17では、繊維44に炭素材料11を入れ込んでいる。この複合体を、
図16に示した電子機器105の内面に設けることもできる。繊維44への炭素材料11を入れ込む方法は、以下である。実施の形態1の炭素材料11のところで説明したように、炭素材料11がゾルゲル時に、筐体101の内面にゾルゲル状態の炭素材料11を塗布して炭素材料11を設けることができる。
(なお書き)
上記実施の形態は、組み合わせることができる。
電子部品102は、電気的な素子だけでなく、光学部品、高周波部品、熱素子など熱が発生する部品を含む。筐体は、放熱部材の場合がある、放熱部材は筐体の場合がある。