【解決手段】端末機認証システム10は、LBCSP20(サーバー)や端末機31〜3zを含む。LBCSP20は、端末機特定情報21aや狭域特定情報21bが記録される記録部21と、端末割当文字や端末割当符号を割り当てて端末機31〜3zに送信する端末割当部22と、一以上の他の端末機31〜3zを特定して端末割当符号を問い合わせる端末情報問合部23と、対象の端末機から端末割当符号を受信すると同じ狭域A1〜Anに位置することを認証する端末認証部24を有する。端末機31〜3zは、自身の端末機特定情報21aを送信する特定情報送信部31aと、端末割当文字や端末割当符号を報知する報知部31bと、指定された他の端末機31〜3zの端末割当符号を入力して送信する情報入力送信部31cを有する。
複数の端末機との間でネットワークを介して通信可能に接続されるサーバーを有し、複数の前記端末機のうちで二以上の前記端末機を認証する端末機認証システムにおいて、
二以上の前記端末機が位置し得て、地理的に狭い範囲である狭域を対象とし、
前記サーバーは、
前記端末機を特定する端末機特定情報と、予め一以上の前記狭域を特定する狭域特定情報とが記録される記録部と、
前記端末機から前記端末機特定情報および前記狭域特定情報を受信すると、前記端末機ごとにランダムな情報である端末割当文字および端末割当符号を割り当て、前記記録部に記録するとともに前記端末機に送信する端末割当部と、
前記端末機と同じ前記狭域に位置する一以上の他の前記端末機を特定し、特定した前記端末機に関する前記端末割当符号を問い合わせる端末情報問合部と、
前記端末機から、一以上の他の前記端末機に関する前記端末割当文字および前記端末割当符号を受信すると、前記端末割当符号に基づいて前記端末機と他の前記端末機とが同じ前記狭域に位置することを認証する端末認証部とを有し、
前記端末機は、
自身の前記端末機特定情報を前記サーバーに送信する特定情報送信部と、
前記サーバーから送信される前記端末割当文字および前記端末割当符号を報知する報知部と、
前記端末情報問合部からの問い合わせに応じて、前記端末割当文字によって指定される他の前記端末機に報知された前記端末割当符号を入力して、前記サーバーに送信する情報入力送信部とを有することを特徴とする端末機認証システム。
前記情報入力送信部は、近距離無線通信によって、他の前記端末機から前記端末割当符号を入力することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の端末機認証システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載の技術を用いて、二以上の端末機(通信端末)が同じ狭域内に位置すること認証しようとすると、幾つかの問題がある。第1に、複数の基地局に対して端末機が通信可能となる地理的領域では、端末機がどの基地局とアクセスするかによって認証が左右される場合がある。第2に、同じ施設内に複数の狭域がある場合には、電波遮蔽設備等を設けなければ、複数の狭域のうちでどの狭域なのかを区別できない。第3に、施設の壁の位置情報を予め認証情報として有する必要があり、位置情報が無い狭域では認証することができない。
【0010】
一方、端末機にGPS(Global Positioning System)機能を持たせると、端末機の位置を取得できるので、同じ狭域内に位置する二以上の端末機を認証する方法も考えられる。ところが、この認証方法では、GPS機能が無い端末機に対しては認証することができない。また、GPS機能を持つ端末機であっても、GPS機能を発揮できない位置(例えば地下やトンネルなど)では、位置を取得できないために認証を行えない。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、基地局に左右されず、複数の狭域がある場合や位置情報が無い場合でも、狭い範囲の空間領域である同じ狭域内に位置する二以上の端末機を認証可能とし、場所に依存した通信を可能にする端末機認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、複数の端末機との間でネットワークを介して通信可能に接続されるサーバーを有し、複数の前記端末機のうちで二以上の前記端末機を認証する端末機認証システムにおいて、
二以上の前記端末機が位置し得て、地理的に狭い範囲である狭域を対象とし、
前記サーバーは、前記端末機を特定する端末機特定情報と、予め一以上の前記狭域を特定する狭域特定情報とが記録される記録部と、前記端末機から前記端末機特定情報および前記狭域特定情報を受信すると、前記端末機ごとにランダムな情報である端末割当文字および端末割当符号を割り当て、前記記録部に記録するとともに前記端末機に送信する端末割当部と、前記端末機と同じ前記狭域に位置する一以上の他の前記端末機を特定し、特定した前記端末機に関する前記端末割当符号を問い合わせる端末情報問合部と、前記端末機から、一以上の他の前記端末機に関する前記端末割当文字および前記端末割当符号を受信すると、前記端末割当符号に基づいて前記端末機と他の前記端末機とが同じ前記狭域に位置することを認証する端末認証部とを有し、
前記端末機は、自身の前記端末機特定情報を前記サーバーに送信する特定情報送信部と、前記サーバーから送信される前記端末割当文字および前記端末割当符号を報知する報知部と、前記端末情報問合部からの問い合わせに応じて、前記端末割当文字によって指定される他の前記端末機に報知された前記端末割当符号を入力して、前記サーバーに送信する情報入力送信部とを有することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、まずサーバーは端末機ごとかつ狭域ごとに端末割当文字および端末割当符号を割り当てて送信する。次に、各端末機はサーバーから指定された端末割当文字が割り当てられた他の端末機にかかる端末割当符号を入力してサーバーに送信する。そして、二以上の端末機から送信された端末割当符号に基づいて、同じ狭域内に位置する二以上の端末機を認証する。このように端末割当文字および端末割当符号に基づいて二以上の端末機を認証することができるので、基地局に左右されず、複数の狭域がある場合や位置情報が無い場合でも、同じ狭域内に位置する二以上の端末機を認証できる。また、GPS機能を持たない端末機でも認証することができる。
【0014】
第2の発明は、前記記録部には、前記端末機特定情報とともに、前記端末機の所有者に関する生体情報が記録され、前記情報入力送信部は、他の前記端末機の所有者に関する生体情報を入力して前記サーバーに送信し、前記端末認証部は、送信された前記生体情報に基づいて前記端末割当符号を特定し、前記端末機と他の前記端末機とが同じ前記狭域に位置することを認証することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、端末割当符号を入力することなく、端末機の所有者に関する生体情報に基づいて端末割当符号を特定する。端末割当符号の入力と同様に、端末割当文字および端末割当符号に基づいて二以上の端末機を認証することができる。したがって、基地局に左右されず、複数の狭域がある場合や位置情報が無い場合でも、同じ狭域内に位置する二以上の端末機を認証できる。
【0016】
第3の発明は、前記報知部は、前記端末割当文字および前記端末割当符号を表示器に表示することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、端末割当文字や端末割当符号が表示器に表示されるので、端末機の所有者は容易に端末割当文字や端末割当符号を認識することができる。また、他の端末機に表示された端末割当符号を容易に認識して、サーバーに送信するために入力できる。
【0018】
第4の発明は、前記端末割当文字は数字からなり、前記端末割当符号は英文字,数字,一次元コード,二次元コード,図形,画像,模様のうちで一以上からなることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、端末割当文字は数字であるので、認識が容易に行える。端末割当符号は英文字,数字,一次元コード(例えばバーコード等),二次元コード(例えばマトリックス式やスタック式等),図形,画像,模様のうちで一以上であるので、認識状況(例えば端末機が有する機能,狭域,日時など)に応じて適切な符号を割り当てられる。したがって、同じ狭域内に位置する二以上の端末機をより的確に認証することができる。
【0020】
第5の発明は、前記情報入力送信部は、近距離無線通信によって、他の前記端末機から前記端末割当符号を入力することを特徴とする。
【0021】
各端末機は、サーバーから指定された端末割当文字が割り当てられた他の端末機にかかる端末割当符号を入力して、サーバーに送信する必要がある。この構成によれば、端末割当符号を入力するにあたって他の端末機と近距離無線通信を行うので、他の端末機にかかる端末割当符号を確実に入力することができる。入力ミスを防止することができ、同じ狭域内に位置する二以上の端末機を素早く認証することができる。なお、近距離無線通信を行う他の端末機には、当該他の端末機の所有者にかかる非接触ICカード(例えば身分証等)を用いてよい。
【0022】
第6の発明は、前記狭域特定情報は、前記端末機が位置する座席に関する座席情報であり、前記端末情報問合部は、前記端末機の前記座席情報に基づいて、近隣する座席に位置する一以上の他の前記端末機を特定することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、二以上の端末機を認証するにあたり、各端末機は近隣する座席に位置する他の端末機にかかる端末割当符号を入力して、サーバーに送信すればよい。サーバーは、座席情報と照らし合わせて、同じ狭域内に位置する二以上の端末機を正確に認証することができる。
【0024】
第7の発明は、前記端末割当部は、前記端末機から受信した前記狭域特定情報が前記記録部に記録されていない場合には、前記記録部に追加して記録し、前記端末認証部は、追加して記録された前記狭域特定情報に基づいて、前記端末機と他の前記端末機とが同じ前記狭域に位置することを認証することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、サーバーの記録部に予め狭域特定情報として記録されていない狭域であっても、新たに狭域特定情報として記録する。よって、新たな狭域内に位置する二以上の端末機を認証することができる。
【0026】
なお、用語については以下のように定義する。「端末機」は、通信が行えて携帯して移動可能な携帯端末機を少なくとも含み、通信が行えて移動不能に固定される固定端末機をさらに含めてもよい。端末機のメーカーや機種などは問わない。通信は、無線通信でもよく、有線通信でもよい。携帯端末機は「携帯情報端末」とも呼び、例えば携帯電話機,タブレット型端末,ノート型パソコンなどが該当する。固定端末機は、デスクトップ型パソコン,固定電話機,壁面等に固定される専用端末機などが該当する。携帯端末機と固定端末機の形態は任意であり、被固定物(例えばホルダーなど)に固定される携帯端末機,着脱して移動し得る固定端末機,キャスター付き物品(例えばワゴンや机等)に固定されて移動し得る固定端末機などを含む。
【0027】
「サーバー」は、複数の端末機との間でネットワークを介して通信可能に接続できれば任意に構成してよい。例えば、パソコン,ワークステーション,メインフレームなどのコンピュータ機器が該当し、クライアントサーバモデル,分散システム,クラウドコンピューティングなどを含む。「ネットワーク」は有線・無線を問わず、 例えばインターネット,LAN,データ通信網,公衆回線網,移動体通信網,無線アクセスポイントなどのうちで一以上が該当する。無線アクセスにはWi−Fi(登録商標)を含む。「記録部」は、端末機特定情報や狭域特定情報などを記録できれば、記録媒体を問わない。
【0028】
「狭域(Narrow Area)」は、二以上の端末機が位置(集合)し得て、地理的に狭い範囲(空間,区域,領域等を含む)であれば、規模を問わない。例えば、部屋(講義室,教室,居室,手術室など)、施設(校舎,駅舎,商業施設,宿舎,競技場など)を含む建築物、広場(公園や緑地などの公共空地を含む)が該当する。部屋に座席がある場合には、部屋および座席を特定する座席情報を含む。部屋や建築物等であっても、仕切物(例えばカーテンや衝立など)で仕切られた空間や領域等を別個の狭域としてもよい。
【0029】
「端末機特定情報」は端末機を特定する情報であれば任意であり、例えば端末機に固有の情報である個体識別情報や、端末機の所有者に関する情報などが該当する。端末機の所有者は任意である。「狭域特定情報」は狭域を特定する情報であれば任意であり、例えば部屋情報(部屋を特定する情報),住所,緯度・経度,通路(構内や歩道等を含む),名称(建築物,構造物,広場等の名称)、待ち合わせ場所などが該当する。
【0030】
「端末割当文字」は、数字,英文字,国語文字(例えば日本語文字)などのような文字が該当し、端末機の所有者にかかる氏名(名字や名前)を含めてもよい。「端末割当符号」は任意に設定してよく、英文字,数字,一次元コード,二次元コード,図形,画像,模様のうちで一以上を含めるとよい。画像には映像を含む。模様には、例えば図形による模様や、生体情報(指紋,掌紋,静紋,虹彩等)、所有者の筆跡などが該当する。
【0031】
「生体情報」は自然人の身体情報、すなわち生体認証で用いられるバイオメトリクス情報(biometrics information)である。例えば、指紋,掌紋,声紋,静紋,虹彩,網膜,顔面,DNA型などが該当する。「近距離無線通信」は到達距離の短い無線通信であれば任意であり、例えば赤外線通信(IrDA)やブルートゥース(Bluetooth;登録商標)などが該当する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。英数字の連続符号は記号「〜」を用いて略記する。例えば、「端末機31〜3z」は「端末機31,32,…,3z」を意味する。符号「z」は2以上の整数であり、後述する符号「n」は1以上の整数である。これらのzとnの数値について、大小関係は問わない。設定には変更を含む。記録には変更,追加,削除等を含む。
【0034】
〔実施の形態1〕
実施の形態1は
図1〜
図9を参照しながら説明する。
図1に示す端末機認証システム10は、ネットワークNWを介して通信可能に接続されるLBCSP20や複数の端末機31〜3zなどで構成される。zは2以上の整数で任意に設定してよいので、例えばz=2の場合は端末機31,32になり、z=3の場合は端末機31,32,33になる。z≧4の場合でも同様である。
【0035】
LBCSP20は「サーバー」に相当し、場所依存の通信を可能にするための場所依存通信サービスプロバイダ(Location Based Communications Service Provider)である。当該場所は「狭域」に相当する。
【0036】
ネットワークNWは、有線・無線を問わず、 例えばインターネット,LAN,データ通信網,公衆回線網,移動体通信網,無線アクセスポイントなどのうちで一以上が該当する。本形態では説明を簡単にするため、インターネット,移動体通信網,無線アクセスポイントを適用する例について説明する。
【0037】
LBCSP20は、複数の端末機31〜3zのうちで二以上の端末機が同じ狭域(例えば狭域A1や狭域A2等)に位置することを認証する機能を実現するため、記録部21,端末割当部22,端末情報問合部23,端末認証部24などを有する。狭域A1〜Anに関する情報は、予め狭域特定情報21bに記録される。nは1以上の整数で任意に設定してよいので、例えばn=1の場合は狭域A1になり、n=2の場合は狭域A1,A2になる。n≧3の場合でも同様である。
【0038】
記録部21は、端末機特定情報21aや狭域特定情報21bなどを記録できれば、記録媒体を問わない。端末機特定情報21aは、端末機を特定する情報であれば任意である。
図2に示す記録例のように、端末機に固有の情報である個体識別情報や、端末機の所有者に関する情報(氏名と生体情報)などが該当する。個体識別情報ごとに、端末機31の所有者である氏名や、当該所有者の生体情報を予め記録する。認証の対象となる端末機が増減するに従って追加したり削除したりするとよい。
【0039】
狭域特定情報21bは、予め一以上の狭域A1,A2,…,Anを特定する情報であれば任意である。
図3に示す記録例のように、狭域を区別するための符号である狭域符号や、狭域の具体的内容(部屋の名称等)である狭域内容などが該当する。認証の対象となる狭域が増減するに従って追加したり削除したりするとよい。
【0040】
端末割当部22は、端末機31〜3zの各端末機ごとに端末割当文字NADおよび端末割当符号SADを割り当てて送信する機能を担う。
図6に示す例では、端末割当文字NADとして端末割当文字NAD1〜NAD3が該当し、端末割当符号SADとして端末割当符号SAD1〜SAD3が該当する。
【0041】
端末情報問合部23は、ある端末機(例えば端末機31)に近隣して位置する一以上の他の端末機(例えば端末機32〜3z)を特定して、ある端末機に対して他の端末機にかかる端末割当符号SADを問い合わせる機能を担う。この問い合わせは、近隣して位置する端末機(例えば端末機31〜3z)を対象として行う。
図6に示す例では、問合情報REQ1〜REQ3が該当する。
【0042】
端末認証部24は、端末情報問合部23によって問い合わせが行われた端末機から、回答として送信される端末割当符号SADに基づいて、二以上の端末機(端末機31〜3z)が同じ狭域(例えば狭域A1)に位置することを認証する。
図6に示す例では、認証情報CER1〜CER3が該当する。
【0043】
端末機31〜3zは、ネットワークNWを介してLBCSP20との通信が行えれば、携帯端末機でもよく、固定端末機でもよい。端末機31〜3zは、メーカーや機種などは問わずに同じ構成要素を含むので、以下では端末機31を代表して説明する。
【0044】
端末機31は、特定情報送信部31a,報知部31b,情報入力送信部31cなどを含む。特定情報送信部31a,報知部31b,情報入力送信部31cの一部または全部は、端末機31に備える機能でもよく、端末機31に導入するアプリケーションでもよい。
【0045】
特定情報送信部31aは、少なくとも端末機31自身を特定する端末機特定情報21aをLBCSP20に送信する機能を担う。端末機特定情報21aは端末機31を特定できれば任意である。特定情報送信部31aは、端末機特定情報21aとともに、狭域特定情報21bをLBCSP20に送信してもよい。狭域特定情報21bは、狭域(例えば狭域A1)を特定する情報であれば任意である。本形態では、端末機特定情報21aとして個体識別情報を適用し、狭域特定情報21bとして座席情報を適用する。
【0046】
報知部31bは、LBCSP20から伝達される端末割当文字NADや端末割当符号SADを報知する機能を担う。本形態では、各端末機に備える表示器を適用する。
【0047】
情報入力送信部31cは、端末機31以外の他の端末機(例えば端末機32〜3z)に報知された端末割当符号SADを入力して送信する機能を担う。本形態では、端末割当符号SADの入力手段としてキーボードまたはタッチパネルを適用し、端末割当符号SADの送信手段として端末機31に備える送信機を適用する。
【0048】
以下では、受講生(学生,生徒,児童等を含む)がそれぞれ所有する端末機31〜33が同じ狭域A1に位置することを認証する例について、
図4〜
図9を参照しながら説明する。なお、狭域A1は「講義室101」(
図5を参照)とし、予め座席情報Pが「講義室101」と関連付けて記録部21に記録されているものとする(
図1,
図3を参照)。また、狭域特定情報21bに座席情報を適用し、各座席には人が認識可能な固有符号が標識(例えばタグ,シール,プレート等)で予め割り当てられる。
【0049】
図4は、端末機31〜33が狭域A1に位置することを認証する手続き例である。まず、認証を要求する端末機31〜33の特定情報送信部31aは、それぞれ端末機特定情報21a(個体識別情報)と狭域特定情報21b(座席情報)をLBCSP20に送信する〔ステップS1〜S3〕。なお、ステップS1〜S3は順不同で行ってもよい。
【0050】
図5の例では、端末機31の所有者は座席情報P(k,j)の座席に着席し、端末機32の所有者は座席情報P(k-1,j)の座席に着席し、端末機33の所有者は座席情報P(k+1,j-1)の座席に着席し、端末機34の所有者は座席情報P(k-1,j-1)の座席に着席し、端末機35の所有者は座席情報P(k,j+1)の座席に着席している。着席には着席予定を含む。他の座席は空席である。端末機36の所有者は座席情報P(0,0)の座席(教壇)に居る。
【0051】
図5と
図6を参照すると、端末機31は個体識別情報「u398715426」と、座席情報P(k,j)の符号「101-0202」をLBCSP20に送信する。端末機32は個体識別情報「ez65ds5e1s」と、座席情報P(k-1,j)の符号「101-0102」をLBCSP20に送信する。端末機33は個体識別情報「sn13543203」と、座席情報P(k+1,j-1)の符号「101-0301」をLBCSP20に送信する。各座席情報Pに含まれる符号「101」は「講義室101」を意味し、ハイフンより後の符号は座席ごとに割り当てられた固有の識別子である。したがって、LBCSP20は、座席情報Pによって端末機31〜33が狭域A1である「講義室101」に位置することを判別できる。
【0052】
LBCSP20の端末割当部22は、端末機31〜33からそれぞれ受信した端末機特定情報21aと狭域特定情報21bに基づいて、端末機ごとに端末割当文字NADと端末割当符号SADを割り当てて、端末機31〜33に送信する〔ステップS4〜S6〕。端末機31〜33から受信した狭域特定情報21b(狭域A1に関する情報)が記録部21に記録されていない場合には、記録部21に追加して記録する。端末割当文字NADは認証ごとにランダムな数字であり、端末割当符号SADは認証ごとにランダムな符号である。なお、ステップS4〜S6は順不同で行ってもよい。
【0053】
図6の例では、端末機31に対しては、端末割当文字NAD1として数字「2590」を割り当て、端末割当符号SAD1として符号「KBE256」を割り当てる。端末機32に対しては、端末割当文字NAD2として数字「2503」を割り当て、端末割当符号SAD2として符号「D38Q85」を割り当てる。端末機33に対しては、端末割当文字NAD3として数字「1843」を割り当て、端末割当符号SAD3として符号「IR404D」を割り当てる。
【0054】
上述したように割り当てた後、LBCSP20は端末機31〜33にそれぞれの端末割当文字NADと端末割当符号SADを送信する。端末機31には、端末割当文字NAD1と端末割当符号SAD1を送信する。端末機31の報知部31bは、
図7(A)に示すように受信した端末割当文字NAD1と端末割当符号SAD1を表示する。端末機32には端末割当文字NAD2と端末割当符号SAD2を送信する。端末機32の報知部31bは、
図7(B)に示すように受信した端末割当文字NAD2と端末割当符号SAD2を表示する。端末機33には端末割当文字NAD3と端末割当符号SAD3を送信する。端末機33の報知部31bは、
図7(C)に示すように受信した端末割当文字NAD3と端末割当符号SAD3を表示する。
【0055】
LBCSP20の端末情報問合部23は、端末機31〜33に対して問合情報REQを送信して、指定した他の端末機の端末割当符号SADを問い合わせる〔ステップS7〜S9〕。なお、ステップS7〜S9は順不同で行ってもよい。
【0056】
図4の例では、端末情報問合部23は、端末機31に対して問合情報REQ1を送信し、端末機32に対して問合情報REQ2を送信し、端末機33に対して問合情報REQ3を送信する。問合情報REQ1には、近隣に位置する端末機32,33を指定するために端末割当文字NAD2,NAD3を含む。問合情報REQ1を受信した端末機31は、
図8(A)に示すように「NAD=2590とNAD=1843のSADを入力して下さい」を表示して、入力を促す。問合情報REQ2には、近隣に位置する端末機31,33を特定する端末割当文字NAD1,NAD3を含む。問合情報REQ2を受信した端末機32は、
図8(B)に示すように「NAD=2503とNAD=1843のSADを入力して下さい」を表示して、入力を促す。問合情報REQ3には、近隣に位置する端末機31,32を特定する端末割当文字NAD1,NAD2を含む。問合情報REQ3を受信した端末機33は、
図8(C)に示すように「NAD=2503とNAD=2590のSADを入力して下さい」を表示して、入力を促す。図示を省略するが、「NAD=数字」に代えて、端末機の所有者に関する情報(氏名等)や、一次元コード,二次元コード,図形,模様などを表示してもよい。
【0057】
端末機31〜33の各情報入力送信部31cは、問合情報REQを受けて指定された他の端末機に報知される端末割当符号SADを各所有者が入力し、回答情報RESとしてLBCSP20に送信する〔ステップS10〜S12〕。各所有者が入力すべき端末割当符号SADは、任意の方法で取得してよい。例えば、指定された端末機を持つ受講生に口頭で端末割当符号SADを尋ねたり、指定された他の端末機の画面を見せてもらったりする等によって、指定された他の端末機の端末割当符号SADを取得する。また、端末割当符号SADの入力は任意の方法で行ってよい。例えば、端末機31〜33に備えるキー(ハードウェアキーやソフトウェアキー)によって入力してもよい。端末機31〜33がマイクと音声認識機能を備えていれば、マイクを通じて入力される音声情報に基づいて音声認識を行って入力してもよい。端末機31〜33がカメラと文字認識機能を備えていれば、カメラで撮像した画像情報に基づいて文字認識を行って入力してもよい。画像情報は、文字に限らず、一次元コード,二次元コード,図形,模様などでもよい。なお、ステップS10〜S12は順不同で行ってもよい。
【0058】
図4の例では、端末機31は回答情報RES1を送信し、端末機32は回答情報RES2を送信し、端末機33は回答情報RES3を送信する。回答情報RES1には、指定された端末機32,33に表示された端末割当符号SAD2,SAD3を含む。回答情報RES2には、指定された端末機31,33に表示された端末割当符号SAD1,SAD3を含む。回答情報RES3には、指定された端末機31,32に表示された端末割当符号SAD1,SAD2を含む。
【0059】
回答情報RES1〜RES3を受信したLBCSP20の端末認証部24は、端末機31〜33が同じ狭域A1(例えば講義室101)に位置することを認証し、認証する場合には認証情報CER1〜CER3をそれぞれ端末機31〜33に送信する〔ステップS13〜S15〕。なお、ステップS13〜S15は順不同で行ってもよい。
【0060】
端末認証部24は
図2に示す端末機特定情報21aや、
図3に示す狭域特定情報21b、
図6に示す記録部21に記録されている情報などを参照して、端末機31〜33が同じ狭域A1に位置するか否かを判別する。端末機31〜33が同じ狭域A1に位置する場合には認証を行い、位置しない場合には認証を行わない。
【0061】
具体的には、回答情報RES1に含まれる端末割当符号SAD2,SAD3が、記録部21に記録されている端末割当符号SAD2,SAD3と一致するか否かで判別する。同様に、回答情報RES2に含まれる端末割当符号SAD1,SAD3が、記録部21に記録されている端末割当符号SAD1,SAD3と一致するか否かで判別する。回答情報RES3に含まれる端末割当符号SAD1,SAD2が、記録部21に記録されている端末割当符号SAD1,SAD2と一致するか否かで判別する。端末割当符号SADが一致しない例としては、指定外の端末割当符号SADの入力や、誤入力などが該当する。
【0062】
認証情報CER1を受信した端末機31の報知部31bは、
図9(A)に示すように「認証しました」を表示する。認証情報CER2を受信した端末機32の報知部31bは、
図9(B)に示すように「認証しました」を表示する。認証情報CER3を受信した端末機33の報知部31bは、
図9(C)に示すように「認証しました」を表示する。
【0063】
一方、端末機31〜33のうちで一以上の端末機について認証しない場合には、認証情報CERを送信しない。そのため、
図9(A)〜
図9(C)に示すような表示はされず、例えば「認証しませんでした」や「認証をもう一度行って下さい」などを表示し、再認証を促す。認証されなかった端末機は、
図4に示す手続きを再度行う必要がある。いずれにせよ、受講生どうしの端末機で同じ狭域A1に位置することの認証が行える。
【0064】
上述した例は、
図5に示す端末機31〜36(いずれも携帯端末機)のうちで端末機31〜33に関する手続きである。二以上の端末機であれば、
図4と同様の手続きを行うことにより、同じ狭域A1(講義室101)に位置することを認証できる。その他には、下記の変形例を適用してもよい。
【0065】
(変形例1)
教壇である座席情報P(0,0)に位置する端末機36(教員所有)と、座席情報P(k-1,j)に位置する端末機32(受講生所有)としか居ない場合でも認証を行える。本例では、座席情報P(0,0)に固有の符号「101-0000」を割り当てている。端末機32以外の端末機(端末機31,33〜35)についても同様である。したがって、教員と受講生との間で同じ狭域A1に位置することの認証が行える。
【0066】
(変形例2)
図5に二点鎖線で示すように狭域A1(講義室101)に座席情報P(999,999)として固定して設置された端末機3z(固定端末機)がある場合は、座席情報P(k-1,j-1)に位置する端末機34(受講生)しか居ない場合でも認証を行える。本例では、座席情報P(999,999)に固有の符号「101-9999」を割り当てている。端末機34以外の端末機(端末機31〜33,35)についても同様である。したがって、固定端末機と携帯端末機との間で同じ狭域A1に位置することの認証が行える。
【0067】
(変形例3)
ある端末機(例えば端末機31)が指定された他の端末機(例えば端末機32,33)に表示された端末割当符号SADの入力に代えて、他の端末機の所有者(以下では単に「他機所有者」と呼ぶ)に関する生体情報を入力してLBCSP20に送信してもよい。
図2の例では、個体識別情報が「sn13543203」や「ez65ds5e1s」などの端末機について、それぞれ生体情報(生体データ)が記録されている。生体情報は任意であり、例えば指紋,掌紋,声紋,静紋,虹彩,網膜,顔面,DNA型など情報が該当する。スキャナーを備える端末機であれば、他機所有者の手や腕等をスキャナーで走査したスキャン情報に基づいて指紋,掌紋,静紋などを入力すればよい。カメラを備える端末機であれば、他機所有者の眼や顔等をカメラで撮像した画像に基づいて虹彩,網膜,顔面などを入力すればよい。マイクを備える端末機であれば、他機所有者の音声をマイクで収録した音声情報に基づいて声紋を入力すればよい。タッチパネルを備える端末機であれば、他機所有者がタッチパネルに書く文字等に基づいて筆跡を入力すればよい。LBCSP20は端末機特定情報21aに記録された生体情報と、ある端末機から送信された生体情報とに基づいて生体認証を行い、他機所有者を特定することができる。生体情報を利用した入力では、誤入力を防止することができ、認証の確実性を向上させることができる。
【0068】
(変形例4)
ある端末機(例えば端末機31)が指定された他の端末機(例えば端末機32,33)に表示された端末割当符号SADを入力するにあたって、ある端末機と他の端末機との間で近距離無線通信を利用してもよい。近距離無線通信には、例えば赤外線通信(IrDA)やブルートゥース(Bluetooth;登録商標)などが該当する。近距離無線通信を利用した入力では、誤入力を防止することができ、認証の確実性を向上させることができる。
【0069】
(変形例5)
ある端末機(例えば端末機31)が指定された他の端末機(例えば端末機32,33)に表示された端末割当符号SADの入力に代えて、ある端末機がカードリーダー機能を備える場合には他の端末機の所有者にかかる非接触ICカードから必要な情報(所有者の氏名や住所等)を入力してLBCSP20に送信してもよい。非接触ICカードは、所有者を特定する身分証であればよい。例えば、住民基本台帳カード,運転免許証,パスポートなどが該当する。非接触ICカードを利用した入力では、誤入力を防止することができ、認証の確実性を向上させることができる。
【0070】
〔実施の形態2〕
実施の形態2は
図10〜
図15を参照しながら説明する。本形態は、介護者と要介護者が同じ狭域(住居)に位置することを認証する例である。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1と相違する点を説明する。
【0071】
図10に示すように、介護者が所有する端末機3aと、要介護者が所有する端末機3bとが同じ狭域A10に位置する場合の認証について説明する。端末機3aは、介護者が複数の要介護者の介護を担当し、各要介護者の住居に訪問する点を考慮して、携帯端末機を適用する。端末機3bは、要介護者の身体状況に応じて、要介護者が携帯する携帯端末機でもよく、要介護者の住居に固定する固定端末機でもよい。
【0072】
図示を省略するが、端末機特定情報21aは、
図2と同様にして、端末機3a,3bについてそれぞれ予め個体識別情報や所有者に関する情報などが記録されている。狭域特定情報21bは、
図3と同様にして、狭域A10としての要介護者の住居情報が記録されている。住居情報は住居に関する情報であり、任意に設定してよい。例えば、住居を示す住所の一部または全部,要介護者の氏名,名称(建築物や施設等の名称)などが該当する。
【0073】
図11は、端末機3aと端末機3bが狭域A10に位置することを認証する手続き例である。まず、認証を要求する端末機3a,3bの特定情報送信部31aは、それぞれ端末機特定情報21a(個体識別情報)と狭域特定情報21b(住居情報)をLBCSP20に送信する〔ステップS21,S22〕。なお、ステップS21,S22は順不同で行ってもよい。
【0074】
図11,
図12の例では、端末機3aは個体識別情報「ezsd51d7kh」と、住居情報ADRをLBCSP20に送信する。端末機3bは個体識別情報「sn52987412」と、住居情報ADRをLBCSP20に送信する。住居情報ADRは要介護者の住居情報の一部または全部である。
【0075】
LBCSP20の端末割当部22は、端末機3a,3bからそれぞれ受信した端末機特定情報21aと狭域特定情報21bに基づいて、端末機ごとに端末割当文字NADと端末割当符号SADを割り当てて、端末機3a,3bに送信する〔ステップS23,S24〕。端末機3a,3bから受信した狭域特定情報21b(狭域A10に関する情報)が記録部21に記録されていない場合には、記録部21に追加して記録する。なお、ステップS23,S24は順不同で行ってもよい。
【0076】
図11の例では、端末機3aに対しては、端末割当文字NAD4として数字「9451」を割り当て、端末割当符号SAD4として符号「KFC98J」を割り当てる。端末機3bに対しては、端末割当文字NAD5として数字「8732」を割り当て、端末割当符号SAD5として符号「3KV86A」を割り当てる。
【0077】
上述したように割り当てた後、LBCSP20は端末機3a,3bにそれぞれの端末割当文字NADと端末割当符号SADを送信する。端末機3aには、端末割当文字NAD4と端末割当符号SAD4を送信する。端末機3aの報知部31bは、
図13(A)に示すように受信した端末割当文字NAD4と端末割当符号SAD4を表示する。端末機3bには端末割当文字NAD5と端末割当符号SAD5を送信する。端末機3bの報知部31bは、
図13(B)に示すように受信した端末割当文字NAD5と端末割当符号SAD5を表示する。
【0078】
LBCSP20の端末情報問合部23は、端末機3a,3bに対して問合情報REQを送信して、指定した他の端末機の端末割当符号SADを問い合わせる〔ステップS25,S26〕。なお、ステップS25,S26は順不同で行ってもよい。
【0079】
図12の例では、端末情報問合部23は、端末機3aに対して問合情報REQ4を送信し、端末機3bに対して問合情報REQ5を送信する。問合情報REQ4には、端末機3bを指定するために端末割当文字NAD5を含む。問合情報REQ4を受信した端末機3aは、
図14(A)に示すように「NAD=8732のSADを入力して下さい」を表示して、入力を促す。問合情報REQ5には、端末機3aを特定する端末割当文字NAD4を含む。問合情報REQ5を受信した端末機3bは、
図14(B)に示すように「NAD=9451のSADを入力して下さい」を表示して、入力を促す。図示を省略するが、「NAD=数字」に代えて、介護者と要介護者に関する情報(氏名等)を表示してもよい。
【0080】
端末機3a,3bの各情報入力送信部31cは、問合情報REQを受けて対応する端末割当符号SADを各所有者が入力し、回答情報RES2としてLBCSP20に送信する〔ステップS27,S28〕。なお、ステップS27,S28は順不同で行ってもよい。
【0081】
図12の例では、端末機3aは回答情報RES4を送信し、端末機3bは回答情報RES5を送信する。回答情報RES4には、指定された端末機3bに表示された端末割当符号SAD5を含む。回答情報RES5には、指定された端末機3aに表示された端末割当符号SAD4を含む。
【0082】
回答情報RES4,RES5を受信したLBCSP20の端末認証部24は、端末機3a,3bが同じ狭域A10に位置することを認証し、認証する場合には認証情報CER4,CER5をそれぞれ端末機3a,3bに送信する〔ステップS29,S30〕。なお、ステップS29,S30は順不同で行ってもよい。
【0083】
端末認証部24は
図2に示す端末機特定情報21aや、
図3に示す狭域特定情報21b、
図12に示す記録部21に記録されている情報などを参照して、端末機3a,3bが同じ狭域A10に位置するか否かを判別する。具体的な判別法は、実施の形態1と同様である。端末機3a,3bが同じ狭域A10に位置する場合には認証を行い、位置しない場合には認証を行わない。
【0084】
認証情報CER4を受信した端末機3aの報知部31bは、
図15(A)に示すように「認証しました」を表示する。認証情報CER5を受信した端末機3bの報知部31bは、
図15(B)に示すように「認証しました」を表示する。
【0085】
一方、端末機3a,3bについて認証しない場合には、認証情報CERを送信しない。そのため、
図15(A),
図15(B)に示すような表示はされず、例えば「認証しませんでした」や「もう一度認証を要求して下さい」などを表示し、再認証を促す。認証されなかった場合は、
図12の手続きを再度行う必要がある。いずれにせよ、介護者と要介護者が同じ狭域A10に位置することの認証が行える。
【0086】
なお、実施の形態1に示す変形例1〜5を適用してもよい。この場合には、「ある端末機」を端末機3aとし、「他の端末機」を端末機3bとすればよい。「ある端末機」を端末機3bとし、「他の端末機」を端末機3aとしてもよい。変形例5の非接触ICカードは、要介護者を特定する身分証であればよい。こうすれば、要介護者の身体状況によらず確実に認証が行える。
【0087】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1,2に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0088】
上述した実施の形態1は、狭域A1として講義室101を適用した(
図5を参照)。実施の形態2は、狭域A10として要介護者の住居を適用した(
図10を参照)。この形態に代えて、講義室や住居以外の狭域を適用してもよい。例えば
図16には、狭域A20として手術室を適用する例を示す。この場合は、医師が有する端末機3d、患者が有する端末機3e、看護師が有する端末機3f〜3hが狭域A20に位置することを認証できる。端末機3dと端末機3eに関する情報の照合も行うので、患者の取り違えを防止することができる。また、手術に関係する者と関係しない者を明確にすることができる。なお、医師や看護師の人数は手術の内容等に応じて変わり、
図16に示す人数に限らない。
【0089】
また
図17には、狭域A30として集合場所を適用する例を示す。この例は、複数人が参加する催事(例えば旅行やイベント等)について、各参加者が所有する端末機3i〜3pが集合場所に位置することを認証できる。旅行のように旅程に従って集合場所が変わる場合は、各集合場所に対応した狭域を設定すればよい。こうすれば、参加者(端末機3i〜3p)の全員が各集合場所に位置することを容易に確認できる。なお、参加者の人数は催事の内容や規模等に応じて変わり、
図17に示す人数に限らない。
【0090】
上述した実施の形態1では、狭域A1として部屋(講義室101)を適用した(
図5を参照)。この形態に代えて、部屋を仕切物(例えばカーテンや衝立など)で仕切ることにより、複数の狭域に分けてもよい。複数の狭域に分けても、ある端末機は、指定された他の端末機に表示された端末割当符号SADが正確に入力されないと同じ狭域に位置していると認証されない(
図4〜
図9を参照)。部屋に限らず、建築物や広場などでも同様である。したがって、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
上述した実施の形態1,2では、サーバーとしてLBCSP20を適用する構成とした(
図1を参照)。この形態に代えて、LBCSP20以外の処理装置(コンピュータやメインフレーム等)を適用してもよい。サーバーの相違に過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
【0092】
上述した実施の形態1,2では、端末割当文字NADは数字からなり、端末割当符号SADは英文字と数字からなる構成とした(
図7,
図13等を参照)。この構成に代えて、端末割当文字NADには数字以外の文字(例えば氏名等)を適用してもよく、端末割当符号SADは英文字と数字以外の符号(一次元コード,二次元コード,図形,画像,模様)を適用してもよい。認識状況(例えば端末機31〜3zが有する機能,狭域A1〜An,日時など)に応じて適切な符号を割り当てることができるので、同じ狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機をより的確に認証することができる。
【0093】
〔作用効果〕
上述した実施の形態1,2および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
【0094】
(1)端末機認証システム10は、LBCSP20(サーバー)を有し、複数の端末機31〜3zのうちで二以上の端末機が同じ狭域A1〜Anに位置することを認証する。LBCSP20は、端末機特定情報21aと狭域特定情報21bとが記録される記録部21と、端末割当文字NAD(NAD1〜NAD5等)および端末割当符号SAD(SAD1〜SAD5等)を割り当てるとともに端末機31〜3zに送信する端末割当部22と、一以上の他の端末機31〜3zを特定して端末割当符号SADを問い合わせる端末情報問合部23と、端末機(例えば端末機31)から一以上の他の端末機(例えば端末機32〜3z)に関する端末割当符号SADを受信すると同じ狭域A1〜Anに位置することを認証する端末認証部24とを有する。端末機31〜3zは、自身の端末機特定情報21aを送信する特定情報送信部31aと、端末割当文字NADや端末割当符号SADを報知する報知部31bと、他の端末機31〜3zに報知された端末割当符号SADを入力して送信する情報入力送信部31cとを有する(
図1等を参照)。
【0095】
上記の構成によれば、まずLBCSP20は端末機31〜3zごとかつ狭域A1〜Anごとに端末割当文字NADおよび端末割当符号SADを割り当てて送信する。次に、各端末機(例えば端末機31)はLBCSP20から指定された端末割当文字NADが割り当てられた他の端末機(例えば端末機32〜3z)にかかる端末割当符号SADを入力してLBCSP20に送信する。そして、二以上の端末機から送信された端末割当符号SADに基づいて、同じ狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機を認証する。このように端末割当文字NADおよび端末割当符号SADに基づいて二以上の端末機を認証することができるので、基地局に左右されず、複数の狭域A1〜Anがある場合や位置情報が無い場合でも、同じ狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機を認証できる。また、GPS機能を持たない端末機でも認証することができる。
【0096】
(2)記録部21には、端末機特定情報21aとともに、端末機31〜3zの所有者に関する生体情報が記録される。情報入力送信部31cは、他の端末機31〜3zの所有者に関する生体情報を入力してLBCSP20に送信し、端末認証部24は、送信された生体情報に基づいて端末割当符号SADを特定し、端末機31〜3zと他の端末機31〜3zとが同じ狭域A1〜Anに位置することを認証する構成とした(
図2を参照)。この構成によれば、端末割当符号SADを入力することなく、端末機31〜3zの所有者に関する生体情報に基づいて端末割当符号SADを特定する。端末割当符号SADの入力と同様に、端末割当文字NADおよび端末割当符号SADに基づいて二以上の端末機を認証することができる。したがって、基地局に左右されず、複数の狭域A1〜Anがある場合や位置情報が無い場合でも、同じ狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機を認証できる。
【0097】
(3)報知部31bは、端末割当文字NADおよび端末割当符号SADを表示器に表示する構成とした(
図7,
図13を参照)。この構成によれば、端末割当文字NADや端末割当符号SADを容易に認識することができる。
【0098】
(4)端末割当文字NADは数字からなり、端末割当符号SADは英文字と数字からなる構成とした(
図7,
図13を参照)。この構成によれば、端末割当文字NADは数字であるので、認識が容易に行える。端末割当符号SADは英文字と数字であるので、入力を容易に行える。
【0099】
(5)情報入力送信部31cは、近距離無線通信によって、他の端末機31〜3zから端末割当符号SADを入力する構成とした。この構成によれば、他の端末機31〜3zに報知される端末割当符号SADを確実に入力できる。入力ミスを防止することができ、同じ狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機を素早く認証することができる。
【0100】
(6)狭域特定情報21bは、端末機31〜3zが位置する座席に関する座席情報であり、端末情報問合部23は、端末機31〜3zの座席情報に基づいて、近隣する座席に位置する一以上の他の端末機31〜3zを特定する構成とした(
図3,
図5を参照)。この構成によれば、二以上の端末機を認証するにあたり、各端末機31〜3zは近隣する座席に位置する他の端末機31〜3zにかかる端末割当符号SADを入力して、LBCSP20に送信すればよい。LBCSP20は、座席情報と照らし合わせて、同じ狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機を正確に認証することができる。
【0101】
(7)端末割当部22は、端末機31〜3zから受信した狭域特定情報21bが記録部21に記録されていない場合には、記録部21に追加して記録し、端末認証部24は、追加して記録された狭域特定情報21bに基づいて、端末機31〜3zと他の端末機31〜3zとが同じ狭域A1〜Anに位置することを認証する構成とした。この構成によれば、LBCSP20の記録部21に予め狭域特定情報21bとして記録されていない狭域A1〜Anであっても、新たに狭域特定情報21bとして記録する。よって、新たな狭域A1〜An内に位置する二以上の端末機を認証することができる。