特開2016-182234(P2016-182234A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-182234(P2016-182234A)
(43)【公開日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160926BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
   A63F7/02 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-64032(P2015-64032)
(22)【出願日】2015年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(72)【発明者】
【氏名】澤田 信次
(72)【発明者】
【氏名】吉水 亮太郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB53
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ステージを経由する遊技球の落下方向を安定させて下方に位置する入球口への入球確率を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】転動ステージの中央部に形成された高確放出路420は、その輪郭が口をすぼませた逆U字型の形状を成しており、奥行方向でみて最奥部すなわちU字の底に当たる箇所の中心部に突起422が設けられ、これを基準として略等間隔となる2箇所の位置に他の突起424,426が設けられている。これら計3個の突起が高確放出路420の入口から出口まで連続して形成されているため、通過する遊技球の可動範囲を狭めて重心の位置を一定の範囲内に収めることができる。これにより、高確放出路420を抜け出す段階で遊技球を真下に位置する3方向振り分け装置200の導入口202に向けて安定した状態で落下させることができ、高い確率で遊技球を入賞させることが可能となる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域内に配置され、前記遊技領域内に打ち込まれて流下した遊技球が入球する入球口と、
前記遊技領域内の前記入球口より上方に配置されて遊技球を転動させる転動面を有したステージと、
前記入球口の直上となる位置で前記ステージの前記転動面に開口し、前記転動面から前記開口の内側に入り込んだ遊技球の運動を直下方向に収束させて前記転動面から前記入球口に向けて落下させる放出路と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記放出路は、
前記開口の内側に突き出して形成された3つの案内部を有しており、これら3つの案内部が遊技球の外面を周方向の3箇所で案内することにより、遊技球の運動を直下方向に収束させることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記放出路は、
前記開口の内側で遊技球の周方向に等間隔で配置された3つの案内部を有することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の遊技機において、
前記放出路は、
前記開口の内側で前記ステージの奥行方向でみた最奥の位置に1つの案内部を有し、この案内部を起点として周方向の両側に等間隔を置いて他の2つの案内部を有することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技機において、
前記ステージは、
前記遊技領域が形成される盤面の前面側に遊技球の直径より大きい奥行きで前記転動面が形成されており、
前記放出路は、
前記転動面の最奥から遊技球の転動に必要な分の間隔を置いて前記開口が形成されており、遊技球の転動方向でみた前記開口の大きさが遊技球の直径より大きい一方、奥行き方向でみた前記開口の大きさが転動方向でみた前記開口の大きさより小さく、前記開口内にて前記ステージの手前側に開放されていることを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の遊技機において、
前記放出路は、
前記開口から重力方向へ所定長さに延びており、前記所定長さ分の遊技球の落下に伴い遊技球の運動を直下方向に収束させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域内を流下する遊技球を入球口の上方で転動させた後に落下させる構造を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機に関する先行技術として、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が遊技盤ユニットの少なくとも一側に設けられた球案内通路(いわゆるワープ)を通過すると、ステージ上で遊技球がある程度の転動を経た後ステージから放出されて始動入賞口や始動ゲートに入球するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この先行技術では、ステージ奥の中央付近に始動チャッカー導入口が形成されており、この導入口に通じる球案内路は、ステージ奥で下方に延びた後に手前側に屈曲されて緩やかに傾斜して延びている。球案内路の終端は遊技盤面にて手前側に開口し、球放出口として形成されており、球放出口の下方に始動チャッカーが設けられている。
【0004】
上記の先行技術によれば、遊技球を始動チャッカーに向けて落下させる直前の段階において、奥行き方向にある程度の長さを有する球案内路上を直線的に転動させることで遊技球の動きを安定させることができる。このため、球放出口から落下した遊技球をその下方に位置する始動チャッカーに高確率で入球させることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−237786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した先行技術は、構造上、遊技盤の厚み方向に十分な長さ(空間)を確保した上で球案内路を設けることができる場合には、遊技球を始動チャッカー等の入賞口に入球させ易くする手法としてある程度有効であると考えられる。
【0007】
しかしながら、構造上の制約から遊技盤の厚み方向に十分な空間を確保できない場合、こうした手法は採用することができない。例えば、ステージの背後に何らかの可動体や装飾体を配置する構造の遊技盤においては、可動体等を配置する分だけステージの奥行きは狭まるため、ステージから放出される前に遊技球の動きを安定させようとしても、そのために十分な空間を割くことは困難である。
【0008】
そこで本発明は、構造上の制約に関わらず遊技球の動きを安定させることができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
解決手段1:すなわち本解決手段の遊技機は、遊技領域内に配置され、前記遊技領域内に打ち込まれて流下した遊技球が入球する入球口と、前記遊技領域内の前記入球口より上方に配置されて遊技球を転動させる転動面を有したステージと、前記入球口の直上となる位置で前記ステージの前記転動面に開口し、前記転動面から前記開口の内側に入り込んだ遊技球の運動を直下方向に収束させて前記転動面から前記入球口に向けて落下させる放出路とを備える。
【0010】
本解決手段の遊技機において、遊技領域内に打ち込まれた遊技球は、遊技領域を流下する過程で入球口に無作為に入球し得るが、その前に入球口より上方の位置でステージに到達する場合がある。ステージに到達した遊技球は転動面上にて転動しつつ、放出路に入り込むこともあれば、放出路とは別の位置から落下することもある。放出路とは別の位置から落下した遊技球は再び遊技領域内に放出されて流下し、また無作為に入球口に入球し得ることもあるが、その確率は球放出路の場合と比較して極端に低くなる。これに対し、放出路に入り込んだ遊技球は、その直下方に位置する入球口に高い確率(例えば9割以上の確率)で入球し得ることになる。
【0011】
すなわち、本解決手段では、ステージの転動面から放出路(開口)に入り込んだ遊技球が落下する際、それまでの転動による動きの影響で遊技球の運動は不安定・不規則となる(いわゆる「暴れ」が生じる)が、このとき遊技球の運動は直下方向に収束されて安定化する。これにより、遊技球を放出路から入球口に向けて落下させる際に、その落下方向を安定させ、ある程度の高確率で入球させることができる。
【0012】
解決手段2:本解決手段の遊技機は、解決手段1において、前記放出路は、前記開口の内側に突き出して形成された3つの案内部を有し、これら3つの案内部が遊技球の外面を周方向の3箇所で案内することにより、遊技球の運動を直下方向に収束させる。
【0013】
本解決手段によれば、以下の特徴が追加される。
すなわち、ステージの転動面から放出路(開口)に入り込んだ遊技球が落下する際、それまでの転動による動きの影響で遊技球の運動は不安定・不規則となって(いわゆる「暴れ」が生じる)が、このとき遊技球が通過し得る空間は、開口の内側に設けられた3つの案内部により規制されている。したがって、開口に案内部が設けられていない場合よりも遊技球の可動範囲を狭めることができ、遊技球の運動を水平方向でみて一定の範囲内に収めて直下方向への落下運動に収束させることができる。これにより、遊技球を放出路から入球口に向けて落下させる際に、その落下方向を安定させ、ある程度の高確率で入球させることができる。
【0014】
解決手段3:本解決手段の遊技機は、解決手段1,2において、前記放出路は、前記開口の内側で遊技球の周方向に等間隔で配置された3つの案内部を有するものである。なお、ここでは「3つの案内部が円周上で等角度に配置されている」とすることもできる。
【0015】
本解決手段によれば、放出路に入球した遊技球が落下する際に通過し得る空間が開口の内周から等距離だけ内側に離れた領域内に規制されることとなる。したがって、遊技球の可動範囲を開口の中央付近に収束させた状態で遊技球を落下させることができる。これにより、遊技球を放出路の直下の位置に配置された入球口に入球させ易くなる。
【0016】
解決手段4:本解決手段の遊技機は、解決手段2,3において、前記放出口は、前記開口の内側で前記ステージの奥行方向でみた最奥の位置に1つの案内部を有し、この案内部を起点として周方向の両側に等間隔を置いて他の2つの案内部を有するものである。
【0017】
本解決手段によれば、開口の内側における最も奥側の位置を基準とすることで自ずと3つの案内部の配置が定まり、開口の内側の最も手前の位置に案内部が設けられることはない。よって、開口の内側の最も手前に該当する箇所における何らかの部材の有無は、放出路に入球した遊技球の落下に何ら影響しない。
【0018】
本解決手段は、スペース上の制約によって、ステージの奥行きに対してゆとりのある広さを確保できない場合に特に有効である。例えば、開口の内側の最手前側に何らかの部材が存在しない場合、すなわち開口が閉じておらず開放されている場合であっても、内側に3つの案内部が存在していれば、それだけで遊技球の落下方向を安定させることのできる放出路を形成することが可能である。これにより、構造上又はスペース上の制約に影響されることなく、遊技球の落下方向を安定させることができる。
【0019】
解決手段5:本解決手段の遊技機は、解決手段4において、前記ステージは、前記遊技領域が形成される盤面の前面側に遊技球の直径より大きい奥行きで前記転動面が形成されており、前記放出路は、前記転動面の最奥から遊技球の転動に必要な分の間隔を置いて前記開口が形成されており、遊技球の転動方向でみた前記開口の大きさが遊技球の直径より大きい一方、奥行き方向でみた前記開口の大きさが転動方向でみた前記開口の大きさより小さく、前記開口内にて前記ステージの手前側に開放されているものである。
【0020】
本解決手段によれば、転動面上で放出路の開口が周方向に閉じられていない(部分円)状態であっても、上述したように3つの案内部によって十分に遊技球の落下方向を安定させることができる。その一方で、放出路の開口を閉じた形状とする必要がなければ、奥行き方向に限られたスペース内で開口と転動面とを前後に並べて配置することができるため、構造上又はスペース上の制約を受けることなく確実に放出路を構成することができる。
【0021】
解決手段6:本解決手段の遊技機は、解決手段1から5において、前記放出路は、前記開口から重力方向へ所定長さに延びており、前記所定長さ分の遊技球の落下に伴い遊技球の運動を直下方向に収束させるものである。
【0022】
本発明における「放出路」は、「転動面に開口があり、その内側に3つの案内部がある」というだけの平面的な構成であってもよく、これだけの構成で十分に機能し得るものである。その上で本解決手段は、放出路に重力方向への長さを持たせることで立体的な構成としている。
【0023】
すなわち本解決手段によれば、放出路に入球した遊技球が放出路の所定長さ分を通過する過程でその運動がより収束されるため、遊技球の落下方向を一層安定させることができる。これにより、遊技球をより高い確率で入球口に入球させることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、構造上の制約に関わらず遊技球の動きを安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】パチンコ機の正面図である。
図2】パチンコ機の背面図である。
図3】遊技盤ユニットの正面図である。
図4】サブ液晶表示器が出現した状態における遊技盤ユニットの正面図である。
図5】遊技盤ユニットの一部(遊技状態表示装置)を拡大して示す正面図である。
図6】転動ステージを経由し高確放出路に入球する遊技球の様子を説明する図である。
図7】奥行方向に十分な空間を有した転動ステージにおける遊技球の落下態様を説明する図である。
図8】転動ステージの一部を省略した平面図である。
図9】突起が設けられていない放出路の輪郭を拡大して示す正面図である。
図10】高確放出路の輪郭を拡大して示す正面図である。
図11】転動ステージの一部を省略した正面図である。
図12】転動ステージを奥行方向に切断した場合の水平断面図(図11中のXII−XII線に沿う断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0027】
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0028】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0029】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0030】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0031】
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0032】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0033】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0034】
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0035】
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0036】
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0037】
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0038】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
【0039】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0040】
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えばメイン液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0041】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0042】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
【0043】
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0044】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0045】
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
【0046】
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の下部周辺に始動ゲート20、普通入賞口22,24、左始動入賞口26,中・右始動入賞口28a、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30、振り分け装置入口202及び3方向振り分け装置200等が分布して配置されている。
【0047】
なお、始動ゲート20は3方向振り分け装置200内と可変始動入賞装置28の上方の2箇所に配置されているが、以降の記述において単に始動ゲート20と称する場合は、3方向振り分け装置200内に設けられた始動ゲートを指すものとする。また、始動入賞口28aについても同様に、3方向振り分け装置200内と可変始動入賞装置28の内部の2箇所に設けられているが、以降の記述において中始動入賞口28aと称する場合は、3方向振り分け装置200内に設けられた始動入賞口を、右始動入賞口28aと称する場合は可変始動入賞装置28の内部に設けられた始動入賞口を、それぞれ指すものとする。
【0048】
遊技領域8aの下部分の中央位置には3方向振り分け装置200が配置されており、この内部において、左始動入賞口26、始動ゲート20及び中始動入賞口28aが横一列に配列されている。3方向振り分け装置200の上端部には振り分け装置入口202が形成されている。遊技領域8aの右側部分に連なる下部分には、まず可変入賞装置30が配置され、その中央寄りの下方には普通入賞口24と第2の始動ゲート20(可変始動入賞装置28の上方の始動ゲート20)とが隣接し、さらに第2の始動ゲート20の下方には可変始動入賞装置28が配置されている。遊技領域8aの左側部分に連なる下部分には、普通入賞口22が配置されている。3方向の振り分け機構は、特に図示していないが、例えば3つの穴の開いた回転体や、3つの方向に傾斜した面を有する回転体、3つのルートに振り分けることができる三つ又の構造物等を用いることにより遊技球を3方向に振り分けることができる。
【0049】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、3方向振り分け装置200に入球したり、或は、普通入賞口22,24や、中始動入賞口28a、左始動入賞口26に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は引き続き遊技領域8a内を流下するが、入賞口に入賞した遊技球は遊技板8bに形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0050】
また、遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、作動時の可変始動入賞装置28、開放動作時の可変入賞装置30(大入賞口)に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に3方向振り分け装置200に進入して左始動入賞口26に入球するか、始動ゲート20を通過するか、中始動入賞口28bに入球したりする。また、3方向振り分け装置200に進入しない遊技球は普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に第2の始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)に入球するか、開放動作時の可変入賞装置30(大入賞口)に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。
【0051】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、振り分け装置入口202や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0052】
一方、第2の始動ゲート20に遊技球を通過させる場合、又は、可変始動入賞装置28や可変入賞装置30、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0053】
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、一対をなす羽根型(いわゆる電チュータイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、一対の開閉部材28bは、盤面に対して直立した位置(閉鎖位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能(又は極めて困難)にしている。一方、一対の開閉部材28bが盤面に沿って左右方向に開いた(いわゆる拡開した)位置(開放位置)に移動すると、一対の開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する。なお、可変始動入賞装置28は、単一の開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口28aを開放する装置であってもよいし、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材が盤面に対して前後方向に往復動作(いわゆる突没)して右始動入賞口28aを開放する装置であってもよい。
【0054】
また可変入賞装置30は、既定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口への入球を可能にする(特別電動役物、特別入球事象発生手段)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は困難(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が容易な状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。また、可変入賞装置30は、開閉部材が盤面の内部にスライドするタイプの装置(スライド式のアタッカ)であってもよい。
【0055】
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の可動装飾体500,800等を備えている。これら可動装飾体500,800等はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。さらに可動装飾体500,800は、それぞれ固有の演出動作を行うことができる。また、演出ユニット40の内側にはメイン液晶表示器42(演出表示器)が設置されており、このメイン液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
【0056】
演出ユニット40の内部には、演出用の可動装飾体500,800とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)や各種の動力伝達機構(歯車伝達機構、リンク機構等)が付属している。可動装飾体500,800は、メイン液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動装飾体500,800を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。また、メイン液晶表示器42の下部にはサブ液晶可動役物ユニット700(サブ液晶ユニット)が配置されている。
【0057】
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ400(ステージ)が形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ400上に放出される。転動ステージ400の上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ400上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ400の中央位置には高確放出路420(放出路)が形成されており、その両側には普通放出路410が形成されている。転動ステージ200から高確放出路420に案内された遊技球は、その真下にある3方向振り分け装置200への入口となる振り分け装置入口202(入球口)に流入しやすくなる。なお、転動ステージ400についての詳細はさらに後述する。
【0058】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や左始動入賞口26、中始動入賞口28a、右始動入賞口28a、可変入賞装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0059】
図3に示されるように、可動装飾体500,800は、非作動時には格納位置に格納されてその外形の全容を視認することができない状態となる。これらは、メイン液晶表示器42による画像の表示と同期して又は単独で演出を行う際にそれぞれの可動領域内で移動して視認可能な位置まで出現する。
【0060】
また遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
【0061】
図4は、サブ液晶可動役物ユニット700(サブ液晶ユニット)が出現した状態における遊技盤ユニットの正面図である。サブ液晶可動役物ユニット700は、その初期状態(非作動時の退避位置)では下側の一部がステージ400の後方に隠れる位置にあり、演出に合わせて作動することにより上昇すると全体が視認しやすくなる。ただし、ステージ400自体が透過性の部材(透明樹脂等)で形成されているため、サブ液晶可動役物ユニット700が後方にあっても視認性の妨げにはならないし、ステージ400の存在が液晶表示器42やサブ液晶可動役物ユニット700等による演出の邪魔になることはない。なお、サブ液晶可動役物ユニット700は、その液晶部分に演出画像を表示し或は発光し、その左右両端を支持するアーム部材の上下動に伴い上昇し、下降し、或は上昇しながら回転する等、多様に動作する。
【0062】
サブ液晶可動役物ユニット700は演出に用いられる可動体の1つであり、他の可動装飾体500,800と同様に専用の駆動源の動力伝達機構が用意されている。また、液晶を内蔵している性質上ある程度の厚みを有しており、上述のように回転動作も可能であることから、その可動領域は演出ユニット40の上下方向のみならず奥行方向にも及んでいる。
なお、本実施形態においては、ステージ400の後方にサブ液晶可動役物ユニット700が配置されているが、液晶表示器以外の可動体(例えばフィギュア、ロゴマークの造形物等)が配置されてもよい。
【0063】
図5は、遊技盤ユニット8の一部を拡大して示す正面図である。具体的には、第1特別図柄や第2特別図柄を含む遊技状態の表示が行われる遊技状態表示装置38が取り付けられた箇所を拡大して示している。
【0064】
先ず第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0065】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の左始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の中始動入賞口28a又は可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で左始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口28aに遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
【0066】
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する複数のLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0067】
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口(左始動入賞口26)の賞球数及び第2特別図柄の始動口(中・右始動入賞口)の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
【0068】
〔転動ステージの構成〕
図6は、転動ステージ400を経由して高確放出路420に入球する遊技球Baの様子を説明する図である。このうち図6中(A)は、球案内通路40dから転動ステージ400に至るまでの範囲を斜視図により示している。また図6中(B)は、転動ステージ400の中央部、より具体的には高確放出路420の正面からみて中央部付近を転動ステージ400の奥行方向に垂直に切断した断面図により示している。
【0069】
図6中(A):遊技領域8a内に打ち込まれて流下しながら球案内通路40dに辿り着いた遊技球Baは、その内部を通過して転動ステージ400上に放出される。球案内通路40dは演出ユニット40の左側縁部に設けられており、図に示される球案内通路40dの下流部分は、転動ステージ400に向けてやや下向きに傾斜して形成されている。そのため、遊技球Baは、球案内通路40dを通過する間にその速度を落とすことはなく、球案内通路40dを抜けて転動ステージ400に放出される時点においてもある程度の速度を保っている。
【0070】
〔ステージ及び転動面〕
転動ステージ400は、幅方向でみた両端が内側(中央)に向けて下降するなだらかな傾斜状に形成されており、その内側には緩やかな波形を模した面が続いている。このため転動ステージ400の上面は、遊技盤面に沿う方向(幅方向、左右方向)に帯状に延びた転動面として形成されており、転動ステージ400に放出された遊技球は、その転動面上を転動する。
【0071】
転動ステージ400の上面(転動面)は、遊技球の転動方向にある程度の間隔をおいて3箇所が開口(この例では切り欠き状に開口)されており、それぞれの開口が遊技球の放出路を形成している。具体的には先ず、転動ステージ400の中央位置に高確放出路420が形成されており、これを間に挟んで左右の略等間隔となる位置に普通放出路410が形成されている。
【0072】
また、転動ステージ400の最奥部には、転動面から上方に立ち上がるステージ壁440が形成されている。なおステージ壁440は、ちょうど球案内通路40dの屋根部分の高さまで立ち上がっている。また、転動ステージ400の転動面には平面の連続する箇所が殆ど存在しておらず、全体として転動面は曲面形状をなしている。転動ステージ400の表面(転動面)及び開口の形状については、さらに詳しく後述する。
【0073】
上記のように球速を保った状態で転動ステージ400に進入してきた遊技球Baは、まず波形に形成された転動面上を無作為な軌跡を描きながら左右に転動する。その後、球速が弱まることにより、あるいはステージ壁440に接触してステージ手前側に跳ね返された拍子に、転動ステージ400の転動面に形成された傾斜に導かれていずれかの放出路410,420に入球して下方に落下することになる。
【0074】
図6中(B):本実施形態では、転動ステージ400は奥行にあまりゆとりがなく、特に高確放出路420が形成されている位置では、転動面が遊技球Baの直径に満たない寸法Dに形成されているため、遊技球Baを前後方向(奥行き方向)に転動させうる十分な空間を有していない。この寸法Dが大きければ大きいほど、この区間を直線的に遊技球Baが転動することでその動きは安定するが、本実施形態のように寸法Dが遊技球の直径に満たない場合、この区間内での十分な動きの安定には期待できない。そのため、遊技球Baは転動ステージ400に進入してきた後、一定の方向に運動を整えられる(いわゆる「球の整流、整列がされる」)ことがないまま、動きが不安定な状態で高確放出路420に入球することとなる。なお、この図では、遊技球Baが入球する様子を高確放出路420の中央部付近における断面図により示しているが、普通放出路410においても状況は同じであり、遊技球Baはやはり直線的に連続して転動することがないまま普通放出路410に入球することとなる。
【0075】
〔比較例〕
図7は、遊技球Baが奥行方向に十分な空間を有している転動ステージ400’から落下する態様を説明する図である。図7の態様は、本実施形態に対する比較例として挙げるものである。このうち図7中(A)は、球案内通路40d’から転動ステージ400’に亘る領域を斜視図で示している。また図7中(B)は、転動ステージ400’の中央部、より具体的には球放出路40k’の正面からみて中央部付近を転動ステージ400’の奥行方向に垂直に切断した断面図により示している。
【0076】
図7中(A):比較例においても、本実施形態と同様の遊技領域内を流下して球案内通路40d’に辿り着いた遊技球Baは、その内部を通過して転動ステージ400’上に放出される。球案内通路40d’は演出ユニットの左側縁部に設けられており、転動ステージ400’に向けてやや下向きに傾斜して形成されている。よって、図6中(A)の場合と同様に、遊技球Baは、球案内通路40d’を通過したのち球速を保ったまま転動ステージ400’に放出される。
【0077】
また、比較例においても同様に、転動ステージ400’の上面(転動面)は全体が緩やかな湾曲面状に形成されている。また、ここでも同様に転動ステージ400’の奥側には、転動面から上方に立ち上がるステージ壁440’が形成されている。一方、転動ステージ400’の手前側には壁が設けられておらず、遊技球Baを落下させるための空間が開放されている。なお、ステージ中央部に設けられた球放出路40k’とそれ以外の開放部分とは、球放出路40k’の左右に設けられた遊技球Baの高さに満たない程度の仕切りによって区切られている。
【0078】
比較例の場合、球放出路40k’は緩やかな湾曲面状のステージに対し特段に落ち窪んだ形状をなしており、球放出路40k’の最奥部からステージ壁440’までの間は前後方向に延びた溝状に形成されている。また、転動ステージ400’上で球放出路40k’を間に挟んだ両側の2箇所も窪んだ形状に形成されているが、その窪みの度合は中央の球放出路40k’よりも浅い。
【0079】
転動ステージ400’に放出された遊技球Baは、その転動面上を無作為な軌跡を描きながら左右に転動する。その後、何らかの拍子にこれらの窪みに嵌まることにより、遊技球Baが窪みに沿ってステージ手前側に導かれ、球放出路40k’又は他の開放部分から遊技領域の下方に落下する。このとき、球放出路40k’には上記の溝が形成されているため、中央の窪みに嵌まった遊技球Baは、溝に沿って直線的に転動しながらその運動を整えられる(いわゆる「整流される」)。したがって、球放出路40k’から落下した遊技球Baは、その下方に位置する始動入賞口26’に安定して入球し易くなる。
【0080】
図7中(B):ここで、比較例の転動ステージ400’は、図6に示される本実施形態の転動ステージ400と比較して明らかなように、球放出路40k’が形成されている位置における奥行Dに十分なゆとりがある。具体的には、転動ステージ400’が遊技盤面(遊技釘が打ち込まれている板材の表面)よりも奥側に位置しており、ガラスユニット4bからも大きく離れているため、それだけスペース上の制約が少ない。このため、遊技球Baが球放出路40k’に入球する前段階で奥側から手前側に向かって直線的に転動することができ、動きを安定させた状態で下方に位置する始動入賞口26’に向けて落下することが可能となる。つまり、転動面から不安定な状態で遊技球Baが落下する場合に比較して、始動入賞口26’に入球する可能性がより高まることになる。
【0081】
これに対し、本実施形態の場合、スペース上の制約から転動ステージ400の奥行きに十分なゆとりがなく、比較例のように転動ステージ400’上で遊技球Baの動きを安定させることが難しいことは上述した通りである。ここで、「転動ステージ400の奥行き」は決して「適宜に設計し得る」というようなものではなく、遊技盤ユニット8のその他の構成との関係から必然的に決まってくる。すなわち、本実施形態ではメイン液晶表示器42の下部にサブ液晶可動役物ユニット700(サブ液晶ユニット)が配置されている関係上、その分だけ転動ステージ400の位置が前面側に押しやられている。その結果、比較例のように転動ステージ400’そのものを遊技盤面の奥側に配置することはできず、ガラスユニット4bの直後にまで近接せざるを得ない。したがって、本実施形態では転動ステージ400から手前側へ放出するような態様(図7中(B))で遊技球Baを落下させることができず、必然的に転動ステージ400の奥行きの範囲内で遊技球Baを下方へ落下させることしかできない。
【0082】
本実施形態における遊技球Ba落下の態様が比較例の態様と大きく異なるのは、本実施形態では落下の前段階では遊技球Baの動きを安定させることが困難なところである。そこで本実施形態では、遊技球Baが落下する前の段階ではなく、落下に際して遊技球の動きを安定させるための構造を採用している。以下、この点について説明する。
【0083】
図8は、転動ステージ400について、幅方向でみた両端部を省略して表した平面図である。この図に示されるように、転動ステージ400には3つの開口(ここでは切り欠き状のもの)が形成されている。
先ず1つは、転動ステージ400の中央部に位置する高確放出路420である。高確放出路420の開口の輪郭は、大きくみると口をすぼませたU字型を逆さにしたような形状(あるいはΩ字型形状)をなしている。他の2つは、高確放出路420を間に挟んでほぼ等間隔となる両側の位置に形成された普通放出路410である。2つの普通放出路410の開口は、いずれもその輪郭が口の広がったU字型を逆さにしたような形状をなしている。通常、球案内通路40dに流入した遊技球Baは、これら3つの放出路410,420のいずれかから遊技領域8aの下部分に落下する。
【0084】
高確放出路420の形状をさらに詳しく説明する。高確放出路420の輪郭を転動ステージ400の奥行方向でみて奥側と手前側とに分別してみると、まず奥側は、中央部を除き全体的に円弧に近い形状に形成されている。この円弧の両端に連なる手前側は、円を閉じる方向に弧を延ばさずに転動ステージ400の手前側の縁の間に鋭角を成している。つまり、高確放出路420の手前側は開放されており、高確放出路420の輪郭の両端a,bを結ぶ仮想的な線分a−bの長さは、遊技球Baの直径より小さく形成されている。したがって、遊技球Baがこの開放された箇所から手前側に通り抜けることはない。また、高確放出路420の開口をU字型を逆さにして口をすぼませた形状(ガラスユニット側を切欠いたΩ字型形状)とすることで、落下過程にある遊技球Baの前面側からの視認性が高まるとともに、ガラスユニットに可能な限り近づけた空間まで有効活用してステージ400を設定できるため、ステージ400後方の空間にゆとりを与え、より大型でインパクトのある可動役物の設置が可能となる。
【0085】
開口の内側で最も奥側の中央部には突起422(案内部)が設けられており、この突起422は高確放出路420の内側に向けてせり出した形状を成している。また、突起422の位置を起点として輪郭上の略等間隔となる位置には、さらに2つの突起424,426が設けられている。言い換えると、これら2つの突起424,426は、円の中心角で捉える場合には、輪郭上の突起422の位置を起点として概ね120°離れた位置に設けられていることになる。
【0086】
〔比較例〕
図9は、突起が設けられていない放出路420’の輪郭を拡大して示す正面図である。このような開口の輪郭は、本実施形態における開口の輪郭との比較例として挙げたものである。
図9中(A):放出路420’の形状は、高確放出路420の内側に3個の突起422,424,426が設けられておらず、さらに逆U字型の口に当たる部分がすぼんでいない場合を想定したものである。より具体的には、本実施形態の高確放出路420の奥側の輪郭を成す略円弧状の線を滑らかにして突起422をなくし、これに連続する手前側の輪郭は内側にすぼませることなく、直線状に転動ステージ400の手前側の縁まで延びた形状としたものを比較例としている。言い換えると、放出路420’は整った逆U字型に形成されていることになる。
【0087】
図9中(B):比較例の放出路420’には内側に突起が設けられていないため、その分、ここに入球した遊技球Baが通過することができる空間が広い。図中に示された正円は遊技球Baの輪郭を表しており、遊技球Baは図中に網掛けで示した範囲内を自由に動くことができる。放出路420’に入球した遊技球Baは、その表面が放出路420’の内面のいずれかの箇所に接触すると、跳ね返されて反動し、さらに別の箇所に接触して再び跳ね返されるという動作を繰り返しながら落下していく(いわゆる「暴れた状態」)。
【0088】
したがって、遊技球Baが放出路420’を通過する場合には、その過程でその重心位置が大幅に変位しやすい。そして、放出路420’を抜け出すタイミングでの遊技球Baの重心位置がその後の遊技球Baが落下する方向に大きく左右し、重力に従って真下の方向に落下する場合もあれば、大きくぶれた方向に落下する場合もあり得る。この結果、構造上は放出路420’の中心の直下に始動入賞口等が配置されていたとしても、落下の際に遊技球Baの落下方向(放出路420’内での位置)が安定していないため、構造から期待されるほどには遊技球Baが始動入賞口等に入球しない。これでは、せっかく転動ステージ400’に放出路420’を設けたことの意義がなくなり、「高確率で入球する」という恩恵を享受させることができなくなる。
【0089】
次に図10は、高確放出路420の輪郭を拡大して示す正面図である。
図10中(A):比較例の放出路420’がきれいな逆U字型であったのに対し、本実施形態の高確放出路420は口をすぼませた逆U字型(Ω字型)をなしている。そして、U字の底に当たる箇所の中心部に1つの突起422があり、U字の両端がすぼんで口に至る間の箇所に1つずつ突起424,426が設けられていて、何れも高確放出路420の内側に向けてせり出している。
【0090】
図10中(B):高確放出路420にはこのように3個の突起422,424,426が設けられているため、ここに入球した遊技球Baが通過できる空間が3個の突起422,424,426の間に規制される。より具体的には、高確放出路420に入球した遊技球Baが接触することができるのは、高確放出路420の内面のうち3個の突起422,424,426の表面部分(遊技球Baとの接触部分)のみである。図中に示された正円は遊技球Baの輪郭を表しており、遊技球Baが自由に動くことができる範囲は図中に網掛けで示した範囲内に限定される。網掛け部分の面積を図9中(B)に示された放出路420’の場合と比較すると、可動範囲が大幅に狭まっていることが分かる。
【0091】
本実施形態の場合、高確放出路420に入球した遊技球Baは、その表面が高確放出路420のいずれかの突起422,424,426の表面に接触すると、跳ね返されて反動し、他の突起の表面に接触して再び跳ね返されるという動作を繰り返しながら落下する。ただし、比較例の放出路420’の場合とは異なり、高確放出路420においては遊技球Baの可動範囲が狭いため、接触して跳ね返される動作を繰り返しても重心位置を一定の範囲内に収めることができ、その運動は直下方向に収束されている。したがって、高確放出路420を抜け出すタイミングで遊技球Baがどの位置にあろうとも、落下の際の運動が既に収束されているため、安定した方向(概ね高確放出路420の中心位置の直下方向)に落下させることが可能となる。
【0092】
図11は、転動ステージ400について、幅方向でみた両端部を省略して表した正面図である。この図に示されるように、転動ステージ400は全体が緩やかな波形に形成されており、波形の山にあたる中央部に高確放出路420が、これを間に挟んで波形の谷にあたる左右の位置に普通放出路410が1個ずつ設けられている。さらにこれら3個の放出路410,420の周囲には、各孔に向けて下降していくなだらかな傾斜が形成されている。このように、転動ステージ400の表面はその大半が曲面状に形成されている。また、高確放出路420は、重力方向に遊技球Baの直径よりやや大きい程度の長さを有している。
【0093】
高確放出路420の真下に当たる位置には、3方向振り分け装置200への導入口となる振り分け装置入口202が配置されている。なお、ここでは3方向振り分け装置200が転動ステージ400の真下方向に配置されていることを分かりやすく示すために、図11においては両者を誇張して近い位置に描いているが、実際には図3に示されている程度の間隔が置かれた位置に配置されている。
【0094】
高確放出路420に入球した遊技球Baは、可動範囲がこの内側に設けられた3つの突起422,424,426に規制されるため、これらの間を通過する過程で各突起422,424,426の表面に跳ね返され続けながらもその重心を一定の範囲内に収め、結果的に運動を収束させられた状態で高確放出路420を抜け出すことができる。これにより、高確放出路420を抜け出した遊技球Baは安定した方向に落下することができるため、真下に位置する振り分け装置入口202に高い確率(構造に期待される程度の高確率:例として9割以上)で入球することが可能となる。
【0095】
図12は、転動ステージ400を奥行方向(遊技盤ユニット8の厚み方向)に切断した場合の水平断面図(図11中のXII−XII切断線に沿う断面図)であり、転動ステージ400の下部、より具体的には高確放出路420の出口に近い箇所を切断した断面を示すものである。
【0096】
この図から明らかなように、3個の突起422,424,426は、重力方向に高確放出路420の出口まで連続して形成されていることが分かる。このように、3個の突起422,424,426が入口から出口まで連続して形成されていることにより、高確放出路420に入球してから抜け出すまでの全区間にわたって遊技球Baの動きを一定の範囲内に規制することができ、高確放出路420を抜け出す際には遊技球Baの動きを安定させた状態で真下に配置された振り分け装置入口202に向けて落下させることができる。
【0097】
これにより、構造から期待される程度に高い確率で遊技球Baを振り分け装置入口202に入球させて3方向振り分け装置200に案内し、結果として高い確率で左始動入賞口26又は中始動入賞口28aに入賞させることが可能となる。このようにして、球案内通路40dを経由して転動ステージ400に放出された遊技球Baを高い確率で入賞させることができるため、転動ステージ400に高確放出路420を設けたことの意義を確実なものにし、「高確率で入球する」という恩恵を享受させて遊技意欲の減退を抑えることができる。
【0098】
なお、本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
【0099】
例えば、上述した実施形態のパチンコ機1(遊技盤ユニット8)においては、高確放出路420の内側に3個の突起を配置するにあたり、まず1つ目の突起422を高確放出路420の最奥部に配置し、これを基準として略等間隔となる位置に他の2つの突起を配置したが、これに限定されず、3個の突起が略等間隔となる位置に配置されればよい。
【0100】
また、一実施形態では高確放出路420の真下に位置する「入球口」として、振り分け装置入口202を例に挙げているが、「入球口」となるものは、例えば始動入賞口26,28aや可変入賞装置30(大入賞口)であってもよい。
高確放出路420の輪郭については、奥側を円弧に近い形状としたが、高確放出路420内を通過中における遊技球Baの動きを3個の突起で規制できるものであれば、輪郭の形状も状況に応じて適切な形状や大きさを選択することができる。
【0101】
さらに、高確放出路420の高さについて、ここでは遊技球Baの直径の大きさ程度としたが、これに限定されず、高確放出路420を通過した遊技球Baを安定した状態で下方に落下させ得る長さを適宜調整して選択可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
20 始動ゲート
26 左始動入賞口
28a 中始動入賞口
40 演出ユニット
40d 球案内通路
42 液晶表示器
200 3方向振り分け装置
202 振り分け装置入口(入球口)
400 転動ステージ
410 普通放出路
420 高確放出路(放出路)
422,424,426 突起(案内部)
440 ステージ壁
500 可動装飾体
700 サブ液晶可動役物ユニット
図2
図5
図1
図3
図4
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12