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特開2016-182813通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-182813(P2016-182813A)
(43)【公開日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/26 20060101AFI20160926BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20160926BHJP
   A41D 13/015 20060101ALI20160926BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20160926BHJP
   A41D 13/08 20060101ALI20160926BHJP
   B32B 25/10 20060101ALI20160926BHJP
   B32B 3/24 20060101ALI20160926BHJP
【FI】
   B32B5/26
   A41D13/002
   A41D13/015
   A41D13/06 105
   A41D13/08
   B32B25/10
   B32B3/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-61697(P2016-61697)
(22)【出願日】2016年3月25日
(31)【優先権主張番号】104204589
(32)【優先日】2015年3月26日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516089854
【氏名又は名称】蔡 政達
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】蔡 政達
【テーマコード(参考)】
3B011
4F100
【Fターム(参考)】
3B011AA11
3B011AA13
3B011AC04
4F100AK01D
4F100AK01E
4F100AK03D
4F100AK03E
4F100AK46D
4F100AK46E
4F100AK51D
4F100AK51E
4F100AK68D
4F100AK68E
4F100AL01D
4F100AL01E
4F100AR00D
4F100AR00E
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA07
4F100DC11D
4F100DC11E
4F100DG01B
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4F100GB66
4F100GB72
4F100JB16D
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4F100JD02B
4F100JD02C
4F100JD02D
4F100JD02E
4F100JK07
4F100JK07A
4F100JK07B
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4F100JK07D
4F100JK07E
4F100JL12D
4F100JL12E
4F100JM02D
4F100JM02E
4F100YY00D
4F100YY00E
(57)【要約】
【課題】 通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 通気性と反発性とを兼ね備えたサンドイッチ複合ファブリックは層状ファブリック1及び層状ファブリック1上に粘着して接合する弾性層2を有する。層状ファブリック1はサンドイッチファブリックと俗称される。弾性層2には実質的に均一に分布する複数の穿孔11を設置し、弾性層2の弾性及び弾性層2上の各穿孔11により、反発性を提供し、層状ファブリック1そのものの通気性を兼ね備え、ファブリックの弾性要求が比較的高いプロテクターなどの製品、及び一般の衣服に応用できる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法は、以下を含み、
2個の織布層及び糸層を有し、前記糸層が2個の織布層の間に位置し前記2個の織布層を連接する層状ファブリックの上に、厚みが0.01mm〜1.5mmの間である弾性層を結合するステップと、
穿孔処理を行い、少なくとも前記弾性層上に、複数の穿孔を設置するステップ、を含み、
各前記穿孔の面積は、0.01mm2〜50mm2の間であることを特徴とする通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項2】
前記層状ファブリックの上に粘着剤を塗布する方式、或いは、前記層状ファブリックの上に粘着剤を吹き付ける方式で、前記弾性層と結合することを特徴とする請求項1に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項3】
前記弾性層は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜、或いは、熱溶融フィルムのうちの任意の一つ或いは複数の組合せであり、弾性ファブリックをさらに有し、
先に熱圧着方式により、前記弾性ファブリックを、前記弾性層のどちらか一面に粘着して接合し、
次に、熱圧着方式により、前記層状ファブリックを、前記弾性層のもう一つの面に粘着して接合することを特徴とする請求項1に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項4】
前記弾性層は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜、或いは、熱溶融フィルムのうちの任意の一つ或いは複数の組合せであり、
前記弾性層の製造過程において、溶融状態を呈する時、網状の形態により、前記層状ファブリックと粘着して接合し、その固化後に、網状の前記弾性層を形成し、前記層状ファブリックを粘着して接合し、各前記穿孔を区画することを特徴とする請求項1に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項5】
前記弾性層は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜、或いは、熱溶融フィルムのうちの任意の一つ或いは複数の組合せであり、弾性ファブリックをさらに有し、
前記弾性層の製造過程において、溶融状態を呈する時、網状の形態により、前記層状ファブリックと前記弾性ファブリックとの間に粘着して結合し、その固化後に、網状の前記弾性層を形成し、前記層状ファブリック及び前記弾性ファブリックを粘着して接合し、各前記穿孔を区画することを特徴とする請求項1に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項6】
前記弾性層は、相互に粘着結合する第一熱溶融フィルム及び第二熱溶融フィルムを有し、
前記第一熱溶融フィルムは第一溶融点を有し、前記第二熱溶融フィルムは第二溶融点を有し、前記第一溶融点は前記第二溶融点より低い融点であり、熱圧着の方式により、前記層状ファブリックを、前記第一熱溶融フィルムの上に粘着して接合し、前記熱圧着の温度は、前記第一溶融点より高く前記第二溶融点より低い温度であることを特徴とする請求項1に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項7】
前記弾性層の材質は、天然ゴム、熱塑性ゴム、スチレン・ブタジエンゴム或いはクロロプレンゴム、および、合成ゴム或いはシリコンのうち任意の一種であり、
前記弾性層は、熱圧着製造プロセスにより製造され、
前記弾性層は、熱圧着製造プロセスによる製造過程において、前記弾性層が完全に固化せず、しかも黏性を有する時、粘性を有する前記弾性層と前記層状ファブリック及び前記弾性ファブリックとは粘着して結合し、
前記弾性層が完全に固化後、前記層状ファブリック、前記弾性層及び前記弾性ファブリックの上において、穿孔処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項8】
各前記穿孔は、実質的に均一に前記弾性層の全区域或いは局部区域に分布されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法。
【請求項9】
通気性と弾性を有するサンドイッチ複合ファブリックであって、
層状ファブリックおよび弾性層を備え、
前記層状ファブリックは、2個の織布層及び糸層を有し、
前記糸層は、前記2個の織布層の間に位置し、前記2個の織布層を連接し、
前記弾性層は、前記層状ファブリックの上に結合されており、前記弾性層の厚みは、0.01mm〜1.5mmの間であり、前記弾性層には、複数の穿孔が設置されており、各前記穿孔の面積は、0.01mm2〜50mm2の間であり、各前記穿孔は実質的に均一に前記弾性層の全区域或いは局部区域に分布されていることを特徴とする通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック。
【請求項10】
前記弾性層の上に結合されている弾性ファブリックをさらに備え、
前記弾性ファブリックは、針織弾性ファブリック、弾性接着ファブリック、OKファブリック、遠赤外線弾性ファブリック、マイナスイオン弾性ファブリック、抗菌弾性ファブリック、トルマリン弾性ファブリック、竹炭弾性ファブリック、ゲルマニウム弾性ファブリック、吸湿ドライ弾性ファブリック、クール弾性ファブリック、発熱弾性ファブリック、チタン弾性ファブリック、合成繊維弾性ファブリック、及び、天然繊維弾性ファブリックのうちの任意の一種であることを特徴とする請求項9に記載の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック及びその製造方法に関し、特に通気性が優れしかも反発性が良好なサンドイッチ複合ファブリック及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サンドイッチファブリックと俗称されるファブリックは、三層構造を有する層状ファブリックである。
その三層は、それぞれ上織布、下織布、及び上織布と下織布を連接する中間ガーゼである。
この三層は、縦糸と横糸を交互に織ることで形成される。
サンドイッチファブリックの層状構造及びその表面の多くの孔隙により、空気はサンドイッチファブリックを流通し易い。
これにより、サンドイッチファブリックは一般に、通常の平板面ファブリックに比べ、より良い通気性を有し、しかも皮膚に触れた時にサラッと快適に感じる。
よって、現在ではバッグ、靴材、及びマットレス等さまざまな領域に応用されている。
【0003】
しかしながら、一般的に、サンドイッチファブリックの弾性はあまり良くなく、適当な引き伸ばし、延展は可能だが、良好な回復力を備えていない。
よって、サンドイッチファブリックの応用範囲は広いことは広いが、ファブリックに対する弾性要求が比較的高い肘パッド、膝パッド等プロテクターなどの製品には応用されていない。
【0004】
現在市場では、適当な伸縮弾性を備える弾性伸縮サンドイッチファブリックが見られる。
それは、編織過程において、弾性繊維(OP、Lycra)、包弾性繊維(Spandex或いはElastane)或いはラバー系を混用し、サンドイッチファブリックに弾性をもたせたものである。
この種の弾性伸縮サンドイッチファブリックは、ファブリックの弾性に対する要求が、それほど高くない女性用下着に多く使用されている。
だが、この種の弾性伸縮サンドイッチファブリックを、ファブリックの弾性に対する要求が高い膝パッド、肘パッド等プロテクターなどの製品に応用するには、弾力不足の嫌いがある。
【0005】
よって、サンドイッチファブリックの応用範囲を広げようとするなら、サンドイッチファブリックの弾性を高める必要がある。
伝統的には、2種以上のファブリックを結合し、複合ファブリックとする方法がとられ、これにより結合後の複合ファブリックは、結合した各ファブリックそれぞれの特性を備える。
だが、従来の結合方法は、サンドイッチファブリックとその他の高い弾性を備えるファブリックとの結合、或いはサンドイッチファブリックとその他弾性体との結合には、適用されない。
それは、従来の結合方式は、ファブリック上に粘着剤を塗布し、もう一つのファブリックを接着するが、粘着剤は普通液体であるため、粘着剤を直接サンドイッチファブリック上に塗布すると、サンドイッチファブリックの微孔隙中にしみ込み、表面に残る粘着剤が少なくなる。
これにより、サンドイッチファブリックとその他ファブリック、或いはその他弾性体とを粘着接合後、その粘着接合堅固性が不十分で、しかもサンドイッチファブリック中、下層に染み込んだ粘着剤は、凝固後に硬くなり滞留し、サンドイッチファブリックを硬直させてしまい、これにより伸縮性と柔軟性が失われてしまう。
その他ファブリック或いは弾性体を結合して、サンドイッチファブリックの弾性を高めるなど望むべくもない。
【0006】
従来の技術では、粘着剤を吹き付ける方式で、二つのファブリックを粘着接合し、粘着剤の使用量を節減し、滞留の影響を低下させる。
しかし、サンドイッチファブリック上に応用する際に、粘着剤をサンドイッチファブリック上に吹きつければ、表面に残る粘着剤はより少なくなるため、その他ファブリックと粘着させる際の堅固性がさらに弱くなる。
それにより、繰り返し引っ張られる使用過程において、サンドイッチファブリックと結合されるその他ファブリック或いは弾性体が離れる現象が起きる可能性がある。
よって、高弾力が求められるプロテクター製品への応用など、言うまでもなく無理なことである。
【0007】
特許文献1に開示する「Spacer fabric with integral, exposed loops andmethod ofmaking」は、織造方法を利用し、露出した完全繊維フックを有するサンドイッチファブリックを編織し、接着ファブリック(すなわち、俗に言う面ファスナー)のオスフックとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第US7426840B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記先行技術は、織造方法により製造するが、改善の目的が本発明とは異なる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はサンドイッチファブリックの弾性をさらに高め、サンドイッチファブリックの応用をさらに広げ、しかも弾性に対する要求が高い肘パッド或いは膝パッド等のプロテクターに応用できる通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリック及びその製造方法に関する。
【0011】
本発明による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法は、以下を含む。
層状ファブリック上に、弾性層を結合し、該層状ファブリックは、2個の織布層及び糸層を有する。
該糸層は、2個の織布層の間に位置し、該2個の織布層を連接する。
該弾性層の厚みは、0.01mm〜1.5mmの間で、穿孔処理を行い、少なくとも該弾性層上に、複数の穿孔を設置し、しかも各穿孔の面積は、0.01mm2〜50mm2の間である。
【0012】
本発明はさらに、層状部の上には、粘着剤を塗布、或いは粘着剤を吹き付ける方式で、該弾性層を結合する。
【0013】
本発明はさらに、該弾性層は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜或いは熱溶融フィルムの任意の一種或いはその組合せで、しかも弾性ファブリックをさらに有し、先に熱圧着方式により、該弾性ファブリックを、該弾性層のどちらか一面に粘着して接合し、次に、熱圧着方式により、該層状ファブリックを、該弾性層のもう一つの面に粘着して接合する。
【0014】
本発明はさらに、該弾性層は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜或いは熱溶融フィルムの任意の一種或いはその組合せで、しかも該弾性層は、その製造過程において溶融状態を呈する時、網状の形態により、層状ファブリックと粘着して接合し、その固化後に、網状の該弾性層を形成し、該層状ファブリックを粘着して接合し、しかも該各穿孔を区画する。
【0015】
本発明はさらに、該弾性層は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜或いは熱溶融フィルムの任意の一種或いはその組合せで、しかも弾性ファブリックをさらに有する。
該弾性層は、その製造過程において溶融状態を呈する時、網状の形態により、該層状ファブリックと該弾性ファブリックとの間に粘着して結合し、その固化後に、網状の該弾性層を形成し、該層状ファブリック及び該弾性ファブリックを粘着して接合し、しかも該各穿孔を区画する。
【0016】
本発明はさらに、該弾性層は、相互に粘着結合する第一熱溶融フィルム及び第二熱溶融フィルムを有し、該第一熱溶融フィルムは、第一溶融点を備え、該第二熱溶融フィルムは、第二溶融点を備える。該第一溶融点は、第二溶融点より低い。
しかも、熱圧着方式により、該層状ファブリックを、該第一熱溶融フィルム上に粘着して接合し、該熱圧着の温度は、該第一溶融点より高く、該第二溶融点より低い。
【0017】
本発明はさらに、該弾性層の材質は、天然ゴム、熱塑性ゴム、スチレン・ブタジエンゴム或いはクロロプレンゴム、合成ゴム或いはシリコンの任意の一種で、しかも該弾性層は、熱圧着製造プロセスにより製造され、該弾性層は、熱圧着製造プロセスによる製造過程において、該弾性層が完全に固化せず、しかも黏性を備える時、粘性を備える該弾性層と該層状ファブリック及び弾性ファブリックとは粘着して結合し、該弾性層が完全に固化後、該層状ファブリック、該弾性層及び該弾性ファブリック上において、穿孔処理を行う。
【0018】
本発明はさらに、該各穿孔は、実質的に均一に該弾性層の全区域或いは局部区域に分布する。
【0019】
本発明による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックは、層状ファブリック、弾性層を有する。
該層状ファブリックは、2個の織布層及び糸層を有する。
該糸層は、2個の織布層の間に位置し、該2個の織布層を連接する。
該弾性層は、該層状ファブリック上に結合され、該弾性層の厚みは、0.01mm〜1.5mmの間で、該弾性層には、複数の穿孔を設置し、該各穿孔の面積は、0.01mm2〜50mm2の間で、しかも該各穿孔は実質的に均一に、該弾性層の全区域或いは局部区域に分布する。
【0020】
本発明は、該弾性層上に結合する弾性ファブリックをさらに有する。
該弾性ファブリックは、針織弾性ファブリック、弾性接着ファブリック、OKファブリック、遠赤外線弾性ファブリック、マイナスイオン弾性ファブリック、抗菌弾性ファブリック、トルマリン弾性ファブリック、竹炭弾性ファブリック、ゲルマニウム弾性ファブリック、吸湿ドライ弾性ファブリック、クール弾性ファブリック、発熱弾性ファブリック、チタン弾性ファブリック、合成繊維弾性ファブリック及び天然繊維弾性ファブリックの任意の一種である。
【0021】
本発明による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックは、本発明の製造方法により製造され、粘着して接合する弾性層により弾性を獲得し、しかもサンドイッチファブリックと弾性層との粘着接合の堅固性をも保有している。
【0022】
本発明の効果は以下のとおりである。
本発明のサンドイッチ複合ファブリックは、相互に粘着接合する層状ファブリックと弾性層を有し、これにより粘着接合後のサンドイッチ複合ファブリックは優れた弾性を有する。弾性層には複数の開孔を設置し空気の流通に有利で、層状ファブリックそのものは良好な通気性を備えるため、本発明のサンドイッチ複合ファブリックは極めて優れた通気性を備える。
本発明の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックは、弾性層上に弾性ファブリックをさらに粘着接合し、美しい外観を実現する他、弾性ファブリックにより、遠赤外線、マイナスイオン、抗菌等の効果を提供でき、或いは弾性ファブリックにより、ファブリックの接着を提供し、本発明をプロテクターに応用可能とする。
本発明の弾性層は先ず特定形状に裁断し、完全な層状ファブリック上にさらに粘着接合し、これにより粘着接合後のサンドイッチ複合ファブリックは特定の区域においてのみ弾性を備え、局部保護機能を備える3Dプロテクターとすることができる。
本発明の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法は、穿孔処理を行い、少なくとも弾性層上に複数の穿孔を設置し、これにより粘着剤の染み込みにより、層状ファブリックに起きる滞留の影響を低下させ、従来の粘着接合方法に比べ、粘着接合後のサンドイッチ複合ファブリックは優れた弾性を備える。
本発明の通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法は、粘着剤を層状ファブリックと弾性層に塗布しなくともよく、熱圧着の方式、或いは弾性層が製造過程においてまだ固化していない時に、層状ファブリックに粘着させ、これにより本発明のサンドイッチ複合ファブリックを形成し、同時に粘着接合前或いは粘着接合後に、穿孔処理を行い、これにより製造されるサンドイッチ複合ファブリックは通気性と弾性を備える。
本発明が提供する方法は、層状ファブリックと弾性層を粘着接合し、層状ファブリックと弾性層との間には、高い結合強度を備え、これにより弾性に対する要求が極めて高いプロテクターに応用する時、或いは繰り返し剥がしてくっつける必要がある接着ベルトに応用する時には、多数回の使用後に、層状ファブリックと弾性層が剥離し、或いは接着ファブリックがサンドイッチ複合ファブリック上から剥離する状況の発生を回避することができる。
本発明が提供する方法により、プロテクター産業にサンドイッチファブリックを使用でき、これによりプロテクターの通気性をさらに向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの立体構造模式図である。
図2】本発明実施形態による層状ファブリックが同様に複数の穿孔を設置し、より良い通気性を備える様子の模式図である。
図3】本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックにさらに弾性ファブリックを粘着接合する様子の模式図である。
図4】本発明実施形態による弾性ファブリックが膝パッドの接着ファブリックである模式図である。
図5】本発明実施形態による弾性ファブリックが膝パッドの接着ファブリックである時の該膝パッドの使用模式図である。
図6】本発明実施形態による弾性層を予め特定の形状に裁断後、層状ファブリック上にさらに粘着接合する様子の模式図である。
図7】本発明実施形態による弾性層を予め特定の形状に裁断後、層状ファブリック上にさらに粘着接合し、特定の伸縮可能区を有する3D膝パッドを形成した外観模式図である。
図8】本発明実施形態における3D膝パッドの使用模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(一実施形態)
図1に示す通り、本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックは、層状ファブリック1、及び弾性層2を有する。
層状ファブリック1は、2個の織布層及び糸層を有する。
糸層は、2個の織布層の間に位置し、2個の織布層を連接する。
弾性層2は、層状ファブリック1上に結合し、弾性層2の厚みは、0.01mm〜1.5mmの間で、弾性層2には、複数の穿孔21を設置し、各穿孔21の面積は、0.01mm2〜50mm2の間である。
【0025】
層状ファブリック1は、俗に言うサンドイッチファブリックである。
層状ファブリック1の立体層状構造は、良好な通気性を備え、弾性層2を粘着して結合後、弾性層2の弾力により、層状ファブリック1はさらに弾性を備える。
弾性層2上に設置する各穿孔21は、空気を流通させるため、本発明実施形態によるサンドイッチ複合ファブリックは、良好な通気性を保持しながら、弾性をも備える。
【0026】
該弾性層2は、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜或いは熱溶融フィルムの任意の一種或いはその組合せで、或いは天然ゴム、熱塑性ゴム、スチレン・ブタジエンゴム或いはクロロプレンゴム或いは合成ゴムの任意の一種で、これにより必要な弾性を提供する。
【0027】
穿孔21の形状には、制限がなく、円形或いは方形等あらゆる形状とできるため、弾性層2そのものも網状とでき、各穿孔21を区画できる。
各穿孔21は、好ましい状況下では、実質的には均一に弾性層2のすべての区域に分布するが、本発明は、これに限定するものではない。
各穿孔21は、実質的に均一に弾性層2の局部区域にのみ分布する形式とすることもできる。
これにより、局部区域は通気性を備え、穿孔21の分布範囲使用者の通気性範囲のニーズに基づき決める。
【0028】
図2に示す通り、本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの別種の実施形態では、その層状ファブリック1は、同様に複数の穿孔11を設置する。
しかも、各穿孔11の面積は、0.01mm2〜50mm2の間で、同様に実質的に均一に層状ファブリック1の全区域或いは局部区域に分布する。
これにより、本発明実施形態によるサンドイッチ複合ファブリックは、全区域或いは局部区域において、より良い通気性を備える。
【0029】
弾性層2には、遠赤外線材料、マイナスイオン材料、抗菌材料、トルマリン材料、竹炭パウダー材料、涼感材料、発熱材料、チタン材料或いはゲルマニウム材料の任意の一種或いはその組合せを添加でき、これにより本発明実施形態によるサンドイッチ複合ファブリックは、上述の遠赤外線或いはマイナスイオン等の効果を備える。
【0030】
図3図4及び図5に示す通り、本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックは、さらに別種の実施形態では、弾性ファブリック3は、弾性層2上に粘着接合する。
弾性ファブリック3は同様に、複数の穿孔31を設置し、通気性を拡大する。
弾性ファブリック3は例えば、針織弾性ファブリック、弾性接着ファブリック、OKファブリック、遠赤外線弾性ファブリック、マイナスイオン弾性ファブリック、抗菌弾性ファブリック、トルマリン弾性ファブリック、竹炭弾性ファブリック、ゲルマニウム弾性ファブリック、吸湿ドライ弾性ファブリック、クール弾性ファブリック、発熱弾性ファブリック、チタン弾性ファブリック、合成繊維弾性ファブリック或いは天然繊維弾性ファブリックの任意の一種である。
これにより、本発明実施形態によるサンドイッチ複合ファブリックは、弾性ファブリック3を最外層とするファブリックの美しい外観を備える他、弾性ファブリック3そのものの効果をも備える。
例えば、図4に示す通り、弾性ファブリック3が弾性接着ファブリックである時、本発明実施形態によるサンドイッチ複合ファブリックは、接着ベルトを有する肘パッド或いは膝パッド等のプロテクターに応用される。
【0031】
図6図7及び図8に示す通り、本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの別種の使用方式では、先ず弾性層2を予め特定の形状に裁断し、完全な層状ファブリック1上に粘着して結合後、特定の形状に裁断した弾性層2は、サンドイッチ複合ファブリックの特定の区域においてのみ弾性を備える。
こうして、使用者の局部に保護を提供する。
図5C中では、3D膝パッドとし、使用者に膝周囲の局部保護を提供する。
この3D膝パッドは、弾性層2の使用を節約することができる。
【0032】
続いて、本発明実施形態による通気性と弾性を備えたサンドイッチ複合ファブリックの製造方法を説明する。
層状ファブリック上に、弾性層を粘着接合する。
層状ファブリックは、2個の織布層及び糸層を有する。
糸層は、2個の織布層の間に位置し、2個の織布層を連接する。
弾性層の厚みは、0.01mm〜1.5mmの間にある。
穿孔処理を行い、少なくとも弾性層上に、複数の穿孔を設置する。
各穿孔の面積は、0.01mm2〜50mm2の間にあり、しかも各穿孔は、弾性層の全区域或いは局部区域に実質的に均一に分布し、通気性を備える。
しかも、その分布区域は、使用者の通気性必要範囲に基づき決定する。
【0033】
上述の穿孔処理は、穴開け機、或いはレーザーの任意の一種の方法を用いて行うが、これに限定するものではない。
各穿孔の最小面積は、現行穿孔技術で可能な最小サイズに符合するものとする。
【0034】
上述の弾性層の各穿孔は、層状ファブリック、すなわちサンドイッチファブリックに結合される前に、予め穿孔処理を行い、各穿孔を形成する。
次に、層状ファブリックに結合する時、先に各穿孔を有する弾性層上に粘着剤を塗布或いは噴霧し、層状ファブリックに粘着接合する。
各穿孔位置には、粘着剤を備えないため、層状ファブリックが対応する各穿孔の位置は、粘着剤に覆われない。
よって、粘着剤が微孔隙に染み込み滞留の問題を引き起こすことはなく、これによりサンドイッチファブリックは各穿孔位置において、もともとの引き伸ばし性を保有し、弾性層と複合後のサンドイッチ複合ファブリックは、弾性層が提供する弾性を備える。
【0035】
一方、弾性層は、層状ファブリックと結合後、弾性層と層状ファブリックに対して穿孔処理を行う。
穿孔処理は、少なくとも弾性層上に完全な穿孔を形成する。
これにより、弾性層は、実質的に均一に分布する各穿孔により、引き伸ばしが容易となり、サンドイッチ複合ファブリック全体も、容易に引き伸ばされ、しかも滞留の影響はより小さくなる。
【0036】
さらに、弾性層は、粘着剤と層状ファブリックとを結合させなければならないと言うわけではない。
例えば、弾性層が熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜或いは熱溶融フィルムの任意の一種或いはその組合せである時、弾性層は、熱圧着方式により、層状ファブリックと結合される。
【0037】
但し、熱圧着の方式を使用すれば、弾性層が熱圧着ローラーの表面に接触し、平坦でなくなる恐れがある。
そのため、実施形態では、先に弾性層のどちらか一面と弾性ファブリックとを、熱圧着方式により相互に粘着して接合し、さらに弾性層のもう一面と層状ファブリックとを、熱圧着方式により相互に粘着して接合する。
【0038】
弾性層に対して先ず穿孔処理を行い、次に弾性ファブリックと熱圧着し、或いは弾性層と弾性ファブリックとを粘着して接合後、次に弾性層と弾性ファブリックに穿孔処理を行い、或いは弾性層、弾性ファブリックと層状ファブリックとを粘着接合後、次に弾性層、弾性ファブリックと層状ファブリックとに穿孔処理を行う。
これにより、少なくとも弾性層上に各穿孔を設置後、複合後の複合サンドイッチファブリックは弾性を備え、しかも滞留の影響は小さくなり、各穿孔により同様に通気性を備える。
【0039】
この他、弾性層は、相互に粘着結合する第一熱溶融フィルム及び第二熱溶融フィルムを有する複合膜とできる。
第一熱溶融フィルムは、第一溶融点を備え、第二熱溶融フィルムは、第二溶融点を備える。
しかも、第一溶融点は、第二溶融点より低い。
粘着接合時には、熱圧着方式により、層状ファブリックを第一熱溶融フィルム上に粘着して接合し、しかも熱圧着の温度は、第一溶融点より高く、第二溶融点より低い。
これにより、熱圧着ローラーの温度が第二溶融点より高いことで、第二熱溶融フィルム表面が、溶融し、凝固後に平坦でなくなることを回避できる。
【0040】
さらに、弾性層が、熱塑性弾性体薄膜、熱可塑性弾性体ポリアミド共重合体薄膜、ポリウレタン薄膜、エチレン/ビニルアセテート共重合体薄膜、ポリオレフィン薄膜或いは熱溶融フィルムの任意の一種或いはその組合せである時、弾性層は、その製造過程において溶融状態を呈する時、網状の形態により、層状ファブリックと粘着して結合でき、固化後に、サンドイッチ復合ファブリックを形成し、各穿孔を有し、弾性と通気性を備える。
或いは、その製造過程において溶融状態を呈する時、網状の形態により、層状ファブリックと弾性ファブリックとの間に同時に粘着して結合し、固化後に、サンドイッチ復合ファブリックを形成し、各穿孔を有し、弾性と通気性を備える。
【0041】
さらに、弾性層の材質が、天然ゴム、熱塑性ゴム、スチレン・ブタジエンゴム或いはクロロプレンゴム、合成ゴム或いはシリコンの任意の一種である時には、弾性層は、その製造過程において(通常は熱圧着製造プロセス)しかも溶融状態を呈する時には、溶融し、しかも粘性を備える弾性層と層状ファブリック及び弾性ファブリックとは粘着して結合し、弾性層が完全に固化後、層状ファブリック、弾性層及び弾性ファブリック上で、穿孔処理を行い、サンドイッチ復合ファブリックを形成し、弾性と通気性を備える。
【0042】
図4及び図5に示す通り、前述の任意の方法で、層状ファブリック1、弾性層2及び弾性ファブリック3を粘着接合した後、しかも弾性ファブリック3は、弾性接着ファブリックで、従来の粘着接合方法を使用した時に比べ、層状ファブリック1、弾性層2及び弾性ファブリック3の間は、比較的高い結合強度を備える。
よって、肘パッド或いは膝パッドなどのプロテクターとする時、通気性と弾性を備える他、繰り返し使用の後も、弾性接着ファブリックと層状ファブリックとの剥離の恐れがない。
【0043】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0044】
1 層状ファブリック、
11 穿孔、
2 弾性層、
21 穿孔、
3 弾性ファブリック、
31 穿孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8