(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-183233(P2016-183233A)
(43)【公開日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】水燃料添加剤、その使用方法および製造方法
(51)【国際特許分類】
C10L 1/12 20060101AFI20160926BHJP
C12N 9/50 20060101ALN20160926BHJP
C12N 9/04 20060101ALN20160926BHJP
【FI】
C10L1/12
C12N9/50
C12N9/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-63579(P2015-63579)
(22)【出願日】2015年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】515082483
【氏名又は名称】株式会社メイプル娯楽部
(74)【代理人】
【識別番号】100112416
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 定信
(72)【発明者】
【氏名】島中 貞夫
(72)【発明者】
【氏名】村谷 益巳
【テーマコード(参考)】
4B050
4H013
【Fターム(参考)】
4B050CC07
4B050KK01
4B050LL10
4H013CA01
4H013CA03
(57)【要約】
【課題】 エンジンの燃費向上および排気ガスに含まれる大気汚染物質の削減を図りながら、安価に市場に提供可能にする。
【解決手段】 水燃料添加剤が、容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体として、またはプロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群の酵素群またはこれにカタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼを含む酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体として、それぞれ作られる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体であることを特徴とする水燃料添加剤。
【請求項2】
プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体であることを特徴とする水燃料添加剤。
【請求項3】
前記プロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群の酵素群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含むことを特徴とする請求項2記載の水燃料添加剤。
【請求項4】
容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体と、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体と、を含むことを特徴とする水燃料添加剤。
【請求項5】
前記プロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群の酵素群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含むことを特徴とする請求項4記載の水燃料添加剤。
【請求項6】
ゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた水分解触媒能力を持つ母体に水を投入することによって、強アルカリ性の水素電子と水素イオンを含む母体に希釈し、一方、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持った母体に希釈し、希釈したこれらの母体を燃料に添加して使用することを特徴とする水燃料添加剤の使用方法。
【請求項7】
前記プロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群の酵素群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含むことを特徴とする請求項6記載の水燃料添加剤の使用方法。
【請求項8】
ゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末を容器内で撹拌混合し、この混合物中に海洋深層水を投入してさらに撹拌することにより、常温常圧下で前記混合物の酸化還元反応を促し、強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体を製造することを特徴とする水燃料添加剤の製造方法。
【請求項9】
プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ水燃料添加剤を製造することを特徴とする水燃料添加剤の製造方法。
【請求項10】
前記プロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群の酵素群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含むことを特徴とする請求項9記載の水燃料添加剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばディーゼルエンジンやボイラ等の燃料として用いられる灯油、軽油、重油などのような液体燃料等に添加することにより、燃費の削減および温室効果ガス削減を実現する水燃料添加剤、その使用方法および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジンの燃焼促進組成物として、有機金属化合物を使用するものが、例えば特許文献1に示されている。また、有機ポリシロキサン化合物を含有する燃料促進剤が、例えば特許文献2に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−54497号公報
【特許文献2】特開2001−192680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の有機金属化合物を用いる燃焼促進組成物にあっては、石油系燃料に対する溶解性が悪く、大きな燃焼促進が期待できない。また、有機ポリシロキサン化合物を含有する燃焼促進剤にあっては、十分な石油系燃料に対する溶解性効果が得られるものの、特殊な化学構造を持つことにより、製造コストが高く、不経済で汎用性に劣るという不都合があった。
【0005】
本発明は前記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、添加剤添加水燃料を添加することでディーゼルエンジン、ボイラ等の燃費向上および排気ガスに含まれる大気汚染物質の削減を図りながら、安価に市場に提供できる水燃料添加剤、この水燃料添加剤の使用方法およびこの水燃料添加剤の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的達成のために、本発明にかかる水燃料添加剤は、容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる水燃料添加剤は、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混合し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体であることを特徴とする。
【0008】
前記プロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群の酵素群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含んでもよい。
【0009】
本発明にかかる水燃料添加剤は、容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体と、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体と、を含むことを特徴とする。
【0010】
ここでのプロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含んでもよい。
【0011】
また、本発明にかかる水燃料添加剤の使用方法は、ゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた水分解触媒能力を持つ母体に水を投入することによって、強アルカリ性の水素電子と水素イオンを含む母体に希釈し、一方、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混入し培養して、水分解補助能力を持った母体に希釈し、希釈したこれらの母体を燃料に添加して使用することを特徴とする。
【0012】
ここでのプロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含んでもよい。
【0013】
本発明にかかる水燃料添加剤の製造方法は、ゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末を容器内で撹拌混合し、この混合物中に海洋深層水を投入してさらに撹拌することにより、常温常圧下で前記混合物の酸化還元反応を促し、強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ水燃料添加剤を製造することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる水燃料添加剤の製造方法は、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混合し培養することにより触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ水燃料添加剤を製造することを特徴とする。
【0015】
ここでのプロテアーゼとデヒドロゲナーゼ群には、カタラーゼ、オキシダーゼ群及びアミラーゼの酵素群の1部又は全部を含んでもよい。
【0016】
本発明によれば、ゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物を含む水燃料添加剤が、アルカリ水溶液中においてアルミニウム粉末、ゼオライトが水溶性のアルミン酸[AL(OH)
4(H
2O)2]を生成しつつ、水素を発生しながら溶解する。このとき酸化還元反応で大量の水素を発生するが、海洋深層水の塩類により塩基交換が行われ、ゼオライト(SiO
2)ほかの残存物に大量の水素原子と水素イオンを吸着することが可能になる。また、前記酸化還元反応による強アルカリ性の水分解触媒能力を持った母体に水を投入して撹拌することで、強アルカリ水を作ることができる。
【0017】
この添加剤添加水燃料は(化石)燃料に一体となり、窒素、ナトリウム、塩素、鉄、硫黄等他、ミネラルとの化学反応が行われ、水の分子分解が進み、その燃料の完全燃焼により硫黄酸化物の大幅削減が行われる。これによりその化石燃料と添加剤添加水燃料の完全燃焼により二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物の大幅な削減を図ることができる。
【0018】
また、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群またはこれにカタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼを含む酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混合して培養した場合には、酸化還元反応や加水分解反応にもとづく4タイプの酵素群の触媒反応を促進し、燃料の燃焼効率を高めることができる。そこで、ゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物を含んで前記母体である水燃料添加剤と、培養したプロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群またはこれにカタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼの酵素群を含む前記母体である水燃料添加剤とを、それぞれ水に添加して添加剤添加水燃料を作り、これを例えば灯油ボイラの炉内で燃焼させることで、燃料である灯油の消費量を20%でも安定した燃焼状態を実現できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、灯油、軽油、重油に添加剤添加水燃料を添加することで、ディーゼルエンジンやボイラ等における燃費向上および排気ガスに含まれる大気汚染物質の削減を含めて、燃焼状態の安定化を期待することができる。
【0020】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。本実施形態による水燃料添加剤は、容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体や、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群またはこれにカタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼを含む酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混合し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体や、あるいはこれらの両母体を含むものとして作られる。
【0022】
これらの各母体のうち、前記ゼオライトはクラッキング反応(分離化学反応)、ハイドロクラッキング反応、その他炭化水素変換反応などの触媒や吸着剤などに広く利用されており、耐熱性、耐酸性に優れ、クラッキング触媒等に好適である。また、このゼオライトは、燃焼時に触媒となり、大幅に燃焼効率を向上させ、有害ガスの発生を抑える働きをする。苦土生石灰は酸化マグネシウムを含み、窒素や二酸化炭素中でも燃焼し、それぞれ窒化マグネシウム(Mg
3N
2)、酸化マグネシウム(生成熱は460.7kJ/mol)となる。また、この苦土生石灰は燃焼を助ける助燃剤(じょねんざい)として用いられ、灯油、軽油、重油などに混ぜることによって燃焼効率を上げてエンジンの燃費を改善する。これにより、ディーゼルエンジンやボイラ等の燃焼室の汚れを減らし、大気中への一酸化炭素など不完全燃焼物の排出を低減できる。アルミニウム粉末は、金属の中でも燃焼熱が大きく、また粉末であるが故に全粉末の表面積が大きいので強い可燃性を有し、酸、水、アルコール、酸化剤などに触れると爆発を促すものとなる。
【0023】
そこで、かかるゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入すると、アルミニウム粉末・ゼオライトのAL成分が水溶性のアルミン酸[AL(OH)
4(H
2O)2]を生成しつつ、水素を発生させながら溶解する。この酸化還元反応で大量の水素を発生するも、海洋深層水の塩類により塩基交換が行われ、ゼオライト(SiO
2)ほかの残存物に大量の水素原子と水素イオンを吸着することが可能になる。また、前記酸化還元反応による強アルカリ性の水分解触媒能力を持った母体に水を毎回投入して撹拌することで、10年に亘り数10回〜100回の同一能力(水素電子と水素イオン)を持った略PH12.7の強アルカリ水を作ることができる。
【0024】
実施例では、ゼオライト2000g、苦土生石灰2000g、アルミニウム粉末100gを容器内で撹拌混合し、その容器内に海洋深層水10リットルを投入して容器内で反応させた上でその容器を密封する。そして、この撹拌混合および密封を10日間毎日繰り返すことで水燃料添加剤を作っている。
【0025】
また、プロテアーゼ、デヒドロゲナーゼ群、カタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼの酵素群は燃料添加剤バイオであり、燃料に僅かの量を添加するだけで、酵素パワーによって燃費向上とディーゼルエンジンフラッシングの効果を同時に実現可能となる。また、ディーゼルエンジンのカーボン等を清浄して燃焼性能を改善する。さらに、酵母、培養したものを用いることで燃焼炉の燃費向上に寄与する。
【0026】
そこでプロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群またはこれにカタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼを含む酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混合して培養することで、プロテアーゼ=タンパク質分解酵素群(加水分解反応)H
2O→OH・H、デヒドロゲナーゼ群=2水素利用(酸化還元酵素)、カタラーゼ、オキシダーゼ群=酸化還元反応(H
2O
2分解反応)、アミラーゼ=糖質分解酵素群(加水分解反応)H
2O→OH、H−4タイプの酵素群の触媒反応により培養されて、加水分解補助能力を持った酵素となる。このようにして得られた酵素をディーゼルエンジンやボイラの燃料に、水にアルカリ水を10,000分の1、酵素水を1,000分の2添加した添加剤添加水燃料を50%〜80%添加することにより、燃料の燃焼効率を高めることができる。
【0027】
実施例では、添加剤1g中の配合割合を、プロテアーゼ1百万個〜1千万個、デヒドロゲナーゼ群1百万個〜1千万個、カタラーゼ、オキシダーゼ群1百万個〜1千万個、アミラーゼ1万個〜1拾万個、酵母菌群5億個超、乳酸菌群20億個超、真性細菌群10億個、超糖蜜1リットル、海洋深層水10リットルを、容器内に投入して、酵素細菌群の培養適温である33℃〜38℃に加温して毎日撹拌し、さらに空気抜きを繰り返しながら20日間培養することで水燃料添加剤を得る。
【0028】
そこで、水道水に前述の強アルカリ水と加水分解補助能力を持った酵素の希釈水を添加した添加剤添加水燃料を例えばボイラに使用する場合において、その添加剤添加水燃料を油と混合して高速撹拌すると、水の振動、圧力分解によって水素と酸素に分子分解する。ここで、添加剤添加水燃料と油との混合比率を20:80→40:60→60:40→80:20のように徐々に上げていき、高速撹拌した混合燃料をロータリバーナにて事前に油のみで炉内温度を最低400℃〜900℃にしてある炉内に高速・高圧噴射する。
【0029】
これにより分解因子を持った混合燃料は瞬時にして水分が臨界点を超えて臨界状態になるとともに、水の水蒸気爆発により体積が瞬時に1600倍になる。このときの膨張エネルギーは水蒸気を瞬時に遠心分離や高温、高圧、熱エネルギー分解等の作用により水素と酸素に分子分離し、ミクロ爆発による微細化された油とともに水素燃焼する。ボイラが石炭燃焼ボイラの場合には、添加剤添加水燃料と微粉炭の混合噴射により段階的に燃焼させることになる。また、木質バイオマスボイラの場合には、油混合燃焼の併用システムにて燃焼させる。なお、ごみ焼却炉におけるゴミ焼却発電では酵素の添加量を10倍にする。ここで有害ガスの発生を低減するためにごみの燃焼温度はダイオキシンを発生させない900℃とする。
【0030】
燃焼実験では、ゼオライト2000g、苦土生石灰2000g、アルミニウム粉末100gおよび海洋深層水10リットルを容器内で撹拌混合することで、10日間で水燃料添加剤を得た。一方、培養した前述の酵素水と還元水をそれぞれ200ccずつ10リットルの水に添加し、添加剤添加水燃料を作る。そして、灯油ボイラの炉内温度を1000℃にして、添加剤添加水燃料を添加しながら燃焼させた。ここで、その水燃料を添加しながら最終灯油20%に対し添加剤添加水燃料80%としたことで、最初から一定の温度1000℃で燃焼状態が安定したことを確認した。なお、添加剤添加割合が増加すれば燃焼状態が良くなるものの経済効率は悪くなり、一方、添加剤添加割合が少なくなると燃焼が不安定になるので、その添加剤添加割合を適正に設定することが望ましい。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、容器内で撹拌混合したゼオライト、苦土生石灰、アルミニウム粉末の混合物中に海洋深層水を投入して得られた強アルカリ性の水分解触媒能力を持つ母体や、プロテアーゼ及びデヒドロゲナーゼ群の酵素群またはこれにカタラーゼ、オキシダーゼ群、アミラーゼを含む酵素群に、酵母、乳酸菌、真性細菌群(放線菌)の細菌バクテリア、糖蜜を混合し、これらの混合物に海洋深層水を混合し培養して得られた触媒の活性化エネルギーおよび水分解補助能力を持つ母体や、これらの各母体を含む水燃料添加剤を、灯油、軽油、重油などの液体燃料に混ぜることによって燃焼効率を上げて、ディーゼルエンジンやボイラ等における燃費を低減できる。この結果、ディーゼルエンジンやボイラ等の燃焼室の汚れを減らし、大気中への一酸化炭素などの不完全燃焼物の排出量を大幅に抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明はボイラやディーゼルエンジンの燃料等に、水に少量の添加剤を添加する添加剤添加水燃料を混合して燃焼することにより、大幅な燃費向上が見込まれ、また、温室効果ガスの大幅削減も達成できる。
また、使用方法を少しアレンジすることにより、油による発電、石炭による発電、木質バイオマス発電、ゴミ焼却発電、ガスタービン発電機等が可能である。
排気ガスが大幅に削減されるため街中でのコージェネレーションが可能である。