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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-183701(P2016-183701A)
(43)【公開日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】圧力緩衝装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/32 20060101AFI20160926BHJP
   F16F 9/36 20060101ALI20160926BHJP
   F16J 15/18 20060101ALI20160926BHJP
【FI】
   F16F9/32 R
   F16F9/36
   F16J15/18 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-63407(P2015-63407)
(22)【出願日】2015年3月25日
(11)【特許番号】特許第5785345号(P5785345)
(45)【特許公報発行日】2015年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000146010
【氏名又は名称】株式会社ショーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 邦生
(72)【発明者】
【氏名】城谷 哲也
【テーマコード(参考)】
3J043
3J069
【Fターム(参考)】
3J043AA13
3J043DA20
3J069AA54
3J069CC21
3J069DD01
3J069DD06
3J069EE11
(57)【要約】
【課題】圧力緩衝装置において、シール部材に対して適量の液体を供給する。
【解決手段】油圧緩衝装置1は、オイルを収容する第1シリンダ11と、第1シリンダ11の一方側に向けて第1シリンダ11の内側に挿入されるとともに、第1シリンダ11の他方側にて第1シリンダ11の外側に突出し、第1シリンダ11に対して移動可能に設けられるロッド部材21と、ロッド部材21が貫通する貫通孔を有し、第1シリンダ11の他方側を覆うロッドガイド15と、第1シリンダ11の他方側であってロッド部材21の半径方向の外側に設けられるオイルシール16と、第1シリンダ11内からオイルシール16側に向かうオイルの流路を形成する溝部157Tと、溝部157Tを流れるオイルの流れを絞る小径部T2とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容するシリンダと、
前記シリンダの一方側に向けて前記シリンダの内側に挿入されるとともに、前記シリンダの他方側にて前記シリンダの外側に突出し、前記シリンダに対して移動可能に設けられるロッド部材と、
前記ロッド部材が貫通する貫通孔を有し、前記シリンダの前記他方側を覆う覆い部材と、
前記シリンダの前記他方側であって前記ロッド部材の半径方向の外側に設けられるシール部材と、
前記シリンダ内から前記シール部材側に向かう前記液体の流路を形成する流路部と、
前記流路部を流れる前記液体の流れを絞る絞り部と、
を備える圧力緩衝装置。
【請求項2】
前記覆い部材の半径方向の内側に設けられ、前記ロッド部材を移動可能に支持する軸受部材を備え、
前記絞り部は、前記軸受部材と前記覆い部材との間に形成される請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項3】
前記絞り部は、前記覆い部材に形成される請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項4】
前記シール部材よりも前記シリンダ内側に配置される環状部材を備え、
前記絞り部は、前記環状部材に形成される請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項5】
前記シリンダ内側から前記シール部材に向けた前記液体の流れを許容し、前記シール部材側から前記シリンダ内側に向けた前記液体の流れを制限する許容制限部を有する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力緩衝装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の懸架装置は、走行中に路面から車体へ伝達される振動を適切に緩和して、乗心地や操縦安定性を向上させるために減衰力発生器を用いた圧力緩衝装置を備えている。そして、圧力緩衝装置には、例えばシリンダ内に移動可能に設けられてシリンダ内を区画するピストンと、ピストンに接続するロッド部材とが設けられ、ピストンの移動に伴って生じる液体の流れに抵抗を与えることで減衰力を発生させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−506055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロッド部材の外側には、シリンダ内の液体の流出を抑制するシール部材が設けられている。そして、シリンダ内の液体の一部をシール部材に供給することで、例えばシール部材とロッド部材との間における液密性を高めようとする場合がある。このような場合において、シリンダ内からシール部材への液体の供給量が適量であることが好ましい。
【0005】
本発明は、圧力緩衝装置において、シール部材に対して適量の液体を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、液体を収容するシリンダと、前記シリンダの一方側に向けて前記シリンダの内側に挿入されるとともに、前記シリンダの他方側にて前記シリンダの外側に突出し、前記シリンダに対して移動可能に設けられるロッド部材と、前記ロッド部材が貫通する貫通孔を有し、前記シリンダの前記他方側を覆う覆い部材と、前記シリンダの前記他方側であって前記ロッド部材の半径方向の外側に設けられるシール部材と、前記シリンダ内から前記シール部材側に向かう前記液体の流路を形成する流路部と、前記流路部を流れる前記液体の流れを絞る絞り部と、を備える圧力緩衝装置である。
このような構成とすることにより、流路部を流れる液体の流れを絞る絞り部によって、シール部材に対して適量の液体を供給することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧力緩衝装置において、シール部材に対して適量の液体を供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1の油圧緩衝装置の全体構成図である。
図2】(A)は、実施形態1のシリンダ部の他方側の端部における拡大図であり、(B)は、ロッドガイドの詳細図である。
図3】(A)は、図2に示すIIIA−IIIAの断面図であり、(B)は、図2に示すIIIB−IIIBの断面図である。
図4】(A)は、実施形態2のシリンダ部の他方側の端部における拡大図である。(B)は、(A)に示すIVB−IVBの断面図である
図5】実施形態3のシリンダ部の他方側の端部における拡大図である。
図6】実施形態4のシリンダ部の他方側の端部における拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
−実施形態1−
図1は、実施形態1の油圧緩衝装置1の全体構成図である。
なお、以下の説明においては、図1に示す油圧緩衝装置1の軸方向における図中下側を「一方側」と称し、図中上側を「他方側」と称する。また、油圧緩衝装置1の半径方向の中心側を「内側」、半径方向の外側を「外側」と称する。
【0010】
<油圧緩衝装置1の構成・機能>
図1に示すように、油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、シリンダ部10と、他方側がシリンダ部10の一方側に向けてシリンダ部10の内部に挿入されるとともに、シリンダ部10の他方側にてシリンダ部10の外側に突出し、シリンダ部10に対して軸方向に移動可能に設けられるロッド部20と、ロッド部20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の半径方向の外側に設けられる外側バルブ部40と、シリンダ部10の一方側の端部に配置されるボトムバルブ部50と、を備えている。
そして、油圧緩衝装置1は、例えば四輪自動車や二輪自動車等において車体と車軸との間に設けられて、シリンダ部10に対するロッド部20の振幅運動の減衰を行う。
【0011】
シリンダ部10は、第1シリンダ11と、第1シリンダ11の外側に設けられる第2シリンダ12と、第2シリンダ12のさらに外側に設けられる第3シリンダ13と、第3シリンダ13の軸方向の一方側の端部に設けられる底部14と、ロッド部20の半径方向の外側に設けられるロッドガイド15と、ロッドガイド15の内側であって他方側に設けられるオイルシール16と、ロッドガイド15の内側であって一方側に設けられるガイドブッシュ17と、ガイドブッシュ17の他方側に設けられる樹脂リング18と、を有している。
【0012】
ロッド部20は、本実施形態では、軸方向に延びて形成されるロッド部材21と、ロッド部材21の一方側の端部に設けられる一方側取付部21aと、ロッド部材21の他方側の端部に設けられる他方側取付部21bとを有する。そして、ロッド部材21の一方側取付部21aは、ピストン部30を保持する。また、ロッド部材21の他方側取付部21bには、油圧緩衝装置1を自動車などの車体などに連結するための連結部材(不図示)が取り付けられる。
【0013】
ピストン部30は、第1シリンダ11内において、軸方向に摺動可能に設けられる。この第1シリンダ11内に設けられたピストン部30は、第1シリンダ11内の空間を、第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する。また、ピストン部30は、第1油室Y1と第2油室Y2との間にてオイルが流れる経路を有している。
【0014】
外側バルブ部40は、本実施形態では、第3シリンダ13の側部に設けられる。より詳細には、外側バルブ部40は、連絡路Lおよびリザーバ室Rに連絡している。そして、連絡路Lとリザーバ室Rとの間を流れるオイルに対して抵抗を付与し、減衰力を発生させる。なお、本実施形態では、外側バルブ部40は、オイルが流れる流路断面積を変化させることできる。すなわち、外側バルブ部40において、発生させる減衰力を変更することが可能である。なお、外側バルブ部40において、流路断面積を変更するのにソレノイドを用いることができる。
【0015】
ボトムバルブ部50は、第1シリンダ11および第2シリンダ12の一方側の端部に取り付けられる。そして、ボトムバルブ部50は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。また、ボトムバルブ部50は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを連絡する油路を有している。
【0016】
そして、本実施形態に係る油圧緩衝装置1の概略構成を説明する。
図1に示すように、実施形態1の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、オイル(液体)を収容する第1シリンダ11(シリンダ)と、第1シリンダ11の一方側に向けて第1シリンダ11の内側に挿入されるとともに、第1シリンダ11の他方側にて第1シリンダ11の外側に突出し、第1シリンダ11に対して移動可能に設けられるロッド部材21(ロッド部材)と、ロッド部材21が貫通する貫通孔を有し、第1シリンダ11の他方側を覆うロッドガイド15(覆い部材)と、第1シリンダ11の他方側であってロッド部材21の半径方向の外側に設けられるオイルシール16(シール部材)と、第1シリンダ11内からオイルシール16側に向かうオイルの流路を形成する溝部157T(流路部)と、溝部157Tを流れるオイルの流れを絞る小径部T2(絞り部)とを備える。
以下、これらの構成について詳述する。
【0017】
図2(A)は、実施形態1のシリンダ部10の他方側の端部における拡大図であり、図2(B)は、ロッドガイド15の詳細図である。
図3(A)は、図2に示すIIIA−IIIAの断面図であり、図3(B)は、図2に示すIIIB−IIIBの断面図である。
[シリンダ部10の構成・機能]
図1に示すように、第1シリンダ11は、円筒状の部材である。第1シリンダ11の内側には、オイルが収容される。また、第1シリンダ11の内側には、ロッド部材21の一方側の一部およびピストン部30が移動可能に配置される。
第2シリンダ12は、円筒状の部材である。第2シリンダ12は、第1シリンダ11の外側であって、第3シリンダ13の内側に設けられる。そして、第2シリンダ12は、第1シリンダ11との間にオイルが流れる連絡路Lを形成する。
第3シリンダ13は、円筒状の部材である。そして、第3シリンダ13は、第2シリンダ12との間にリザーバ室R形成する。
【0018】
底部14は、第3シリンダ13の一方側の端部を塞ぐ。また、底部14は、ボトムバルブ部50を支持する。さらに、本実施形態では、底部14は、ボトムバルブ部50を介して、第1シリンダ11および第2シリンダ12を支持する部材としても機能する。
【0019】
(ロッドガイド15)
図2(A)に示すように、ロッドガイド15は、半径方向の内側にて軸方方向に延びる貫通孔を有し、略円筒状に形成される。そして、ロッドガイド15は、半径方向の内側にロッド部材21が貫通され、ロッド部材21の移動を案内する。
なお、本実施形態のロッドガイド15の材料には、金属等を用いることができる。
【0020】
そして、本実施形態のロッドガイド15は、半径方向の外側において、軸方向の他方側に形成される第1外径部151と、第1外径部151の一方側に形成される第2外径部152と、第2外径部152の一方側に形成される第3外径部153とを有している。
また、ロッドガイド15は、半径方向の内側において、軸方向の他方側に形成されるシール保持部154と、シール保持部154の一方側に形成されるロッド対向部155と、ロッド対向部155の一方側に形成されるリング保持部156と、リング保持部156の一方側に形成されるブッシュ保持部157とを有している。
【0021】
第1外径部151の外径は、第3シリンダ13の内径と等しくなるように形成される。そして、ロッドガイド15は、第1外径部151にて第3シリンダ13に嵌め込まれる。
第2外径部152の外径は、第2シリンダ12の内径と等しくなるように形成される。そして、ロッドガイド15は、第2外径部152にて第2シリンダ12に嵌め込まれる。
【0022】
第3外径部153の外径は、第1シリンダ11の内径と等しくなるように形成される。そして、ロッドガイド15は、第3外径部153にて第1シリンダ11に嵌め込まれる。
また、第3外径部153は、半径方向の外側であって、軸方向に延びる外周溝153Tを有している。外周溝153Tは、第1シリンダ11との間にオイルが流れる流路を形成する。本実施形態では、外周溝153Tは、第1シリンダ11の内側(第2油室Y2)と、第1シリンダ11の外側(連絡路L)とを連絡する。
【0023】
図2(B)に示すように、シール保持部154は、ロッドガイド15の周方向に沿った環状の溝として形成される。そして、シール保持部154は、半径方向の内側においてオイルシール16を保持する。
ロッド対向部155の内径は、ロッド部材21の外径よりも大きく形成される。従って、本実施形態では、ロッド対向部155とロッド部材21との間には第1間隙G1が形成される。
また、ロッド対向部155は、一方側に対向部流路155Rを有している。対向部流路155Rは、半径方向に形成される切欠きによって形成される。そして、対向部流路155Rは、樹脂リング18の軸方向の位置にかかわらず、第1間隙G1と後述する溝部157Tとの間におけるオイルの流れを可能にする。
【0024】
リング保持部156の内径は、樹脂リング18の外径よりも大きく形成される。従って、本実施形態では、リング保持部156と樹脂リング18との間には第2間隙G2が形成される。
また、リング保持部156の軸方向の幅は、樹脂リング18の軸方向の幅よりも大きく形成される。そして、本実施形態では、リング保持部156において、樹脂リング18が軸方向に移動可能な状態で保持される。
【0025】
ブッシュ保持部157の内径は、後述する溝部157Tが形成される箇所を除いて、ガイドブッシュ17の外径と等しくなるように形成される。そして、ブッシュ保持部157は、半径方向の内側にてガイドブッシュ17を保持する。
また、ブッシュ保持部157は、軸方向に延びて形成される溝部157Tを有する。溝部157Tは、一方側にて第1シリンダ11内(第2油室Y2)に連絡し、他方側にてリング保持部156(第2間隙G2)に連絡する。そして、溝部157Tは、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けたオイルの経路を形成する。
さらに、溝部157Tは、一方側に形成される大径部T1と、大径部T1の他方側に形成される小径部T2とを有する。
【0026】
また、図3(A)および図3(B)に示すように、本実施形態では、溝部157Tは、複数(本実施形態では3本)設けられる。そして、複数の溝部157Tは、ロッドガイド15の周方向において略等間隔に配置される。
そして、小径部T2におけるオイルの流路断面積は、大径部T1におけるオイルの流路断面積と比較して小さく設定されている。大径部T1における流路断面積は、後述するように、第2油室Y2のオイルを導き入れやすくなるように設定されている。
一方で、小径部T2は、オイルの流れ方向において上流側(本実施形態では大径部T1側)におけるオイルの流路断面積よりも小さい流路断面積の箇所を形成する。これにより、小径部T2は、オイルの流れを絞るように作用する。そして、小径部T2における流路断面積は、大径部T1からオイルシール16に対して適切な量のオイルが向かうように設定している。
【0027】
以上のように、実施形態1において、第1シリンダ11(シリンダ)内からオイルシール16(シール部材)に向けてオイル(液体)を供給する経路となる溝部157T(流路部)は、ロッドガイド15(覆い部材)に形成される。さらに、溝部157Tを流れるオイルの流れを絞る小径部T2(絞り部)は、ロッドガイド15に形成される。つまり、小径部T2(絞り部)は、ロッドガイド15とガイドブッシュ17(軸受部材)との間に形成される。
【0028】
なお、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けたオイルの流路は、上記の溝部157Tに限定されない。例えば、第1シリンダ11内からオイルを導き入れることができれば良く、ロッドガイド15の周方向に形成される環状の溝であっても良い。この場合には、他方側(オイルシール16側)にて小径部T2(絞り部)に相当する構成として、オイルの流路断面積が小さくなるような構造を設ければ良い。
【0029】
(オイルシール16)
図2(A)に示すように、オイルシール16は、概形が略円筒状に形成された部材である。オイルシール16は、本実施形態では、ロッドガイド15の他方側の端部に形成されるシール保持部154に取り付けられている。また、オイルシール16は、他方側にて第3シリンダ13の端部によってロッドガイド15に押さえつけられる。
【0030】
(ガイドブッシュ17)
ガイドブッシュ17は、略円筒状に形成された部材である。そして、ガイドブッシュ17(軸受部材)は、ロッドガイド15(覆い部材)の半径方向の内側に設けられる。そして、ガイドブッシュ17は、ロッド部材21を軸方向において移動可能に支持する。
また、図2(B)に示すように、ガイドブッシュ17の内径は、ロッド部材21の外径よりも大きく設定される。従って、ガイドブッシュ17とロッド部材21との間には第3間隙G3が形成される。なお、本実施形態の第3間隙G3には、オイルが流入可能になっている。
なお、ガイドブッシュ17の材料には、例えば鉄等の金属を用いることができる。さらに、ガイドブッシュ17の内周部には、例えばテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂による表面処理を施すことができる。
【0031】
(樹脂リング18)
樹脂リング18は、円環状に形成された部材である。なお、樹脂リング18の材料には、例えばテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂などの樹脂材料を用いることができる。
図2(B)に示すように、樹脂リング18は、ロッド部材21の半径方向の外側に圧入される。そして、樹脂リング18の内径は、ロッド部材21の外径よりも若干大きく構成される。
なお、本実施形態において、油圧緩衝装置1は樹脂リング18が備えられているが、必ずしも必要ではなく、樹脂リング18を備えなくても良い。
【0032】
そして、樹脂リング18の幅(半径方向の内側から外側における断面の長さ)は、ガイドブッシュ17とロッド部材21との第3間隙G3よりも大きく形成される。これによって、本実施形態の樹脂リング18は、第1シリンダ11内のオイルがガイドブッシュ17とロッド部材21との第3間隙G3を通って、軸方向の他方側へと向かうことを制限する。
【0033】
[ロッドガイド15におけるオイルの流れ]
続いて、シリンダ部10の他方側に配置されるロッドガイド15周辺のオイルの流れについて説明する。
図1に示すように、例えばロッド部材21の他方側に向けた移動に伴って、ピストン部30が他方側に移動する。これによって、第2油室Y2に収容されるオイルの圧力が高まる。そして、第2油室Y2のオイルは、外周溝153T(図2(A)参照)を通って、連絡路Lに流れ出る。さらに、連絡路Lに流れたオイルは、外側バルブ部40に流れ込む。そして、本実施形態では、外側バルブ部40において減衰力が発生する。
【0034】
また、図2(B)に示すように、第2油室Y2に収容されるオイルの圧力が高まることによって、第2油室Y2のオイルは、溝部157Tの大径部T1にも流れ込む。そして、大径部T1に流れ込んだオイルは、小径部T2においてオイルの流れが絞られる。さらに、小径部T2にて絞られた後に、所定量のオイルがリング保持部156の第2間隙G2に流れ込む。最終的には、第2間隙G2のオイルは、オイルシール16に供給される。
このように、オイルシール16に適量のオイルが供給され、ロッド部材21とオイルシール16との高い液密性が維持される。
【0035】
さらに、本実施形態では、ガイドブッシュ17とロッド部材21との第3間隙G3を流れるオイルの量については、第3間隙G3自体の間隔や、樹脂リング18によって調整を図っている。ここで、ガイドブッシュ17とロッド部材21との第3間隙G3のオイル量は、例えば油圧緩衝装置1におけるロッド部材21の軸方向の移動動作に直接的に関わってくる。すなわち、第3間隙G3のオイルの量は、油圧緩衝装置1における減衰力特性に影響する。従って、本実施形態では、オイルシール16に対するオイル供給の制御に関しては、ガイドブッシュ17とロッド部材21との第3間隙G3とは別の箇所である、ガイドブッシュ17とロッドガイド15との間に形成される溝部157Tにて実現している。このように、本実施形態の油圧緩衝装置1では、オイルシール16に対するオイルの供給の経路と、ガイドブッシュ17とロッド部材21との第3間隙G3におけるオイルの経路とを別々に設けるようにしている。
【0036】
なお、上記のとおり、第1シリンダ11内からガイドブッシュ17とロッドガイド15との間を流れてオイルシール16に向かうオイルの流れを絞ることができれば良く、上述の例に限定するものではない。
例えば、溝部157Tの大径部T1の形状は、上述した軸方向に延びる溝によって形成されず、周方向にわたって形成される環状の溝であっても構わない。
【0037】
また、ロッドガイド15側ではなく、ガイドブッシュ17において、上述した溝部157T(小径部T2)と同様の機能を有する溝等を形成しても良い。
さらに、ロッドガイド15とガイドブッシュ17とは別体に構成され、上述した溝部157T(大径部T1、小径部T2)と同様の機能を有する別部材を、ロッドガイド15とガイドブッシュ17の間に取り付けるようにしても構わない。つまり、小径部T2(絞り部)は、ロッドガイド15(覆い部材)とガイドブッシュ17(軸受部材)との間に形成されれば良い。
【0038】
なお、ガイドブッシュ17とロッドガイド15の間ではなく、ロッドガイド15のみに上述した溝部157T(大径部T1、小径部T2)と同様の機能を有するオイルの開口等(流路)を形成しても良い。つまり、溝部157T(流路部)を流れるオイルの流れを絞る小径部T2(絞り部)は、ロッドガイド15に形成しても良い。
【0039】
−実施形態2−
次に、実施形態2が適用される油圧緩衝装置1について説明する。
図4(A)は、実施形態2のシリンダ部10の他方側の端部における拡大図である。また、図4(B)は、図4(A)に示すIVB−IVBの断面図である。
なお、実施形態2において実施形態1で説明した部材等と同様のものについては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0040】
まず、実施形態2に係る油圧緩衝装置1の概略構成を説明する。
図4(A)および図4(B)に示すように、実施形態2の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、オイル(液体)を収容する第1シリンダ11(シリンダ)と、第1シリンダ11の一方側に向けて第1シリンダ11の内側に挿入されるとともに、第1シリンダ11の他方側にて第1シリンダ11の外側に突出し、第1シリンダ11に対して移動可能に設けられるロッド部材21(ロッド部材)と、ロッド部材21が貫通する貫通孔を有し、第1シリンダ11の他方側を覆うロッドガイド25(覆い部材)と、第1シリンダ11の他方側であってロッド部材21の半径方向の外側に設けられるオイルシール16(シール部材)と、第1シリンダ11内からオイルシール16側に向かうオイルの流路を形成する溝部257T(流路部)と、溝部257Tを流れるオイルの流れを絞る樹脂リング28の切欠部28N(絞り部)とを備える。
なお、本実施形態において、切欠部28Nは、樹脂リング28に設けられているが、樹脂リングに限らず、(樹脂リング28の半径方向外側の)ロッド部材21に、樹脂リング28の対向位置に切欠部28Nを形成しても良い。また、樹脂リング28とロッド部材21の双方の部材で切欠部28Nを形成しても良い。
以下、これらの構成について詳述する。
【0041】
実施形態2の油圧緩衝装置1は、ロッドガイド25および樹脂リング28の構成が、実施形態1のロッドガイド15および樹脂リング18とそれぞれ異なる。以下では、ロッドガイド25および樹脂リング28について、異なる点を中心に説明する。
【0042】
実施形態2のロッドガイド25は、ガイドブッシュ17を保持するブッシュ保持部257を有している。さらに、ブッシュ保持部257は、軸方向に延びて形成される溝部257Tを有している。
溝部257Tは、複数(本実施形態では3本)設けられている。なお、複数の溝部257Tは、ロッドガイド25の周方向において略等間隔に配置されている。そして、溝部257Tは、一方側にて第1シリンダ11内(第2油室Y2)に連絡し、他方側にてリング保持部156(第2間隙G2)に連絡する。そして、溝部257Tは、ロッド部材21の移動に伴って、第1シリンダ11内のオイルを導き入れ易いようにオイルの流路断面積が設定されている。
【0043】
図4(B)に示すように、樹脂リング28(環状部材)は、概形が円環状の部材である。そして、樹脂リング28は、ロッド部材21の半径方向の外側に設けられる。さらに、図4(A)に示すように、樹脂リング28は、オイルシール16(シール部材)よりも第1シリンダ11内側(軸方向の一方側)に配置される。また、樹脂リング28の内径は、ロッド部材21の外径と等しくなるように設定される。さらに、本実施形態では、樹脂リング28の外径は、リング保持部156の内径と等しくなるように設定される。
【0044】
また、本実施形態の樹脂リング28の断面形状は、V字状に形成される。本実施形態では、樹脂リング28は、半径方向の内側に設けられる接触部281と、半径方向の外側に設けられる変形部282とを有する。
接触部281は、ロッド部材21と接触する箇所を形成する。また、変形部282は、リング保持部156と接触する箇所を形成する。また、変形部282は、変形可能に構成されている。なお、樹脂リング28は、接触部281および変形部282によって形成される開口28Hが、溝部257Tが形成される一方側を向くように取り付けられる。
【0045】
そして、樹脂リング28(環状部材)は、半径方向の外側に形成される切欠部28N(絞り部)を有している。図4(B)に示すように、切欠部28Nは、複数(本実施形態では3つ)設けられる。また、複数の切欠部28Nは、樹脂リング28の周方向において等間隔に配置される。
図4(A)に示すように、樹脂リング28の切欠き28Nは、一方側にて溝部257Tに連絡し、他方側にてロッド対向部155における第1間隙G1に連絡する。また、切欠部28Nは、溝部257Tと比較して流路断面積が小さく形成される。そして、切欠部28Nは、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けたオイルの流路上に設けられる。
【0046】
以上のように構成される実施形態2の油圧緩衝装置1において、ロッド部材21の移動に伴って、第1シリンダ11内(第2油室Y2)のオイルが溝部257Tに流れ込む。そして、溝部257Tのオイルの流れは、切欠部28Nによって絞られる。その結果、切欠部28Nによって絞られたオイルが、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けて供給される。
以上説明したとおり、実施形態2の油圧緩衝装置1においても、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けて適切な量のオイルを供給することができる。
【0047】
なお、実施形態2において、樹脂リング28の外側に切欠部28Nを形成する例を説明したが、溝部257Tのオイルの流れを絞ることが出来れば良く、上記の例に限定するものではない。
例えば、樹脂リング28の半径方向の内側に切欠きを形成しても良い。さらに、切欠き以外の形状として、例えば、樹脂リング28に貫通孔を形成しても構わない。
【0048】
−実施形態3−
図5は、実施形態3のシリンダ部10の他方側の端部における拡大図である。
なお、実施形態3において他の実施形態で説明した部材等と同様のものについては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
まず、実施形態3に係る油圧緩衝装置1の概略構成を説明する。
図5に示すように、実施形態3の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、オイル(液体)を収容する第1シリンダ11(シリンダ)と、第1シリンダ11の一方側に向けて第1シリンダ11の内側に挿入されるとともに、第1シリンダ11の他方側にて第1シリンダ11の外側に突出し、第1シリンダ11に対して移動可能に設けられるロッド部材21(ロッド部材)と、ロッド部材21が貫通する貫通孔を有し、第1シリンダ11の他方側を覆うロッドガイド15(覆い部材)と、第1シリンダ11の他方側であってロッド部材21の半径方向の外側に設けられるオイルシール16(シール部材)と、第1シリンダ11内からオイルシール16側に向かうオイルの流路を形成する溝部157T(流路部)と、溝部157Tを流れるオイルの流れを絞る小径部T2および樹脂リング28の切欠部28N(絞り部)とを備える。
【0050】
図5に示すように、実施形態3の油圧緩衝装置1は、実施形態1のロッドガイド15および実施形態2の樹脂リング28を有している。
このように構成される実施形態3の油圧緩衝装置1においても、ロッド部材21の移動に伴って、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けたオイルの流れを、ロッドガイド15の溝部157Tおよび樹脂リング28の切欠部28Nによって絞る。
そして、実施形態3の油圧緩衝装置1においても、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けて適切な量のオイルを供給することができる。
【0051】
−実施形態4−
図6は、実施形態4のシリンダ部10の他方側の端部における拡大図である。
なお、実施形態4において他の実施形態で説明した部材等と同様のものについては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、実施形態4に係る油圧緩衝装置1の概略構成を説明する。
図6に示すように、実施形態4の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、オイル(液体)を収容する第1シリンダ11(シリンダ)と、第1シリンダ11の一方側に向けて第1シリンダ11の内側に挿入されるとともに、第1シリンダ11の他方側にて第1シリンダ11の外側に突出し、第1シリンダ11に対して移動可能に設けられるロッド部材21(ロッド部材)と、ロッド部材21が貫通する貫通孔を有し、第1シリンダ11の他方側を覆うロッドガイド15(覆い部材)と、第1シリンダ11の他方側であってロッド部材21の半径方向の外側に設けられるオイルシール16(シール部材)と、第1シリンダ11内からオイルシール16側に向かうオイルの流路を形成する溝部157T(流路部)と、溝部157Tを流れるオイルの流れを絞る小径部T2(絞り部)と、を備える。
【0052】
図6に示すように、実施形態4の油圧緩衝装置1の基本構成は、実施形態3の油圧緩衝装置1と同様である。ただし、実施形態4においては、樹脂リング28の取り付け方向が実施形態3と異なる。また、実施形態4の樹脂リング28は、切欠き部28Nを必須の構成要素とはしていない。
【0053】
そして、実施形態4では、樹脂リング28の接触部281と変形部282とによって形成される開口28Hの方向が、オイルシール16が設けられる他方側を向くように取り付けられる。
以上のように構成される実施形態4の油圧緩衝装置1においても、ロッド部材21の移動に伴って、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けたオイルの流れを、ロッドガイド15の溝部157Tの小径部T2にて絞ることができる。そして、実施形態4の油圧緩衝装置1においても、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けて適切な量のオイルを供給することができる。
【0054】
さらに、実施形態4の油圧緩衝装置1では、樹脂リング28にチェック弁の作用を発揮させることができる。すなわち、樹脂リング28は、変形部282が他方側に向けて倒れる変形を生じる。一方で、樹脂リング28は、変形部282が一方側に向けた変形を生じにくい。これによって、本実施形態の樹脂リング28の変形部282(許容制限部)は、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けたオイルの流れを許容する。さらに、樹脂リング28は、オイルシール16側から第1シリンダ11側に向けたオイルの流れを制限する。
【0055】
なお、実施形態1〜実施形態4において、ロッドガイド15(25)と、ガイドブッシュ17とが別部材によって構成される例を用いて説明したが、この態様に限定するものではない。例えば、ロッドガイド15(25)自体がガイドブッシュ17の機能を有して構成されても構わない。この場合には、ロッドガイド15(25)とガイドブッシュ17とを一体として単一の「覆い部材」と捉える。そして、この「覆い部材」に上述した溝部157Tの機能を設ければ良い。
【0056】
また、実施形態1〜実施形態4において、ロッド対向部155において、他の箇所よりも流路断面積が小さく設定され、オイルシール16に向けたオイルの流れを絞る絞り部を形成しても良い。そして、ロッド対向部155におけるオイルの流れの絞りによって、第1シリンダ11内からオイルシール16に向けて適量のオイルを供給するように構成しても良い。
さらに、オイルシール16の構成についても、上記の実施形態1〜実施形態4に限定するものではない。第1シリンダ11の他方側であってロッド部材21の半径方向の外側に設けられ、オイルの流出を抑制する部材であれば、他の構成であっても構わない。
【0057】
なお、上述した実施形態1〜実施形態4においては、第1シリンダ11、第2シリンダ12および第3シリンダ13を有する所謂三重管構造により構成される油圧緩衝装置1を例に説明した。しかしながら、例えば、第1シリンダと、第1シリンダ11の外側に設けられる第2シリンダ12とを有する所謂二重管構造の油圧緩衝装置1に適用しても構わない。
【符号の説明】
【0058】
1…油圧緩衝装置(圧力緩衝装置の一例)、11…第1シリンダ(シリンダの一例)、12…第2シリンダ、13…第3シリンダ、15(25)…ロッドガイド(覆い部材の一例)、16…オイルシール(シール部材の一例)、17…ガイドブッシュ(軸受部材の一例)、18(28)…樹脂リング(環状部材の一例)、21…ロッド部材(ロッド部材の一例)、28N…切欠部(絞り部の一例)、157T…溝部(流路部の一例)、T1…大径部、T2…小径部(絞り部の一例)、282…変形部(許容制限部の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2015年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容するシリンダと、
前記シリンダの一方側に向けて前記シリンダの内側に挿入されるとともに、前記シリンダの他方側にて前記シリンダの外側に突出し、前記シリンダに対して移動可能に設けられるロッド部材と、
前記ロッド部材が貫通する貫通孔を有し、前記シリンダの前記他方側を覆う覆い部材と、
前記シリンダの前記他方側であって前記ロッド部材の半径方向の外側に設けられるシール部材と、
前記覆い部材の半径方向の内側に設けられ、前記ロッド部材を移動可能に支持する軸受部材と、
前記シリンダ内から前記シール部材側に向かう前記液体の流路を形成する流路部と、
前記軸受部材よりも半径方向の外側にて、前記流路部を流れる前記液体の流れを絞る絞り部と、
を備える圧力緩衝装置。
【請求項2】
前記流路部は、所定の流路断面積である第1流路部と、前記第1流路部よりも前記シール部材側に形成され前記第1流路部よりも流路断面積が小さい第2流路部とを有する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項3】
前記流路部は、前記覆い部材と前記軸受部材との間に、または前記覆い部材に形成される請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項4】
前記シール部材よりも前記シリンダ内側に配置される環状部材を備え、
前記環状部材は、前記ロッド部材と前記軸受部材との間にて前記一方側から前記他方側に向けた前記液体の流れを制限する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項5】
前記シール部材よりも前記シリンダ内側に配置される環状部材を備え、
前記環状部材は、前記シリンダ内側から前記シール部材に向けた前記液体の流れを許容し、前記シール部材側から前記シリンダ内側に向けた前記液体の流れを制限する許容制限部を有する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、液体を収容するシリンダと、前記シリンダの一方側に向けて前記シリンダの内側に挿入されるとともに、前記シリンダの他方側にて前記シリンダの外側に突出し、前記シリンダに対して移動可能に設けられるロッド部材と、前記ロッド部材が貫通する貫通孔を有し、前記シリンダの前記他方側を覆う覆い部材と、前記シリンダの前記他方側であって前記ロッド部材の半径方向の外側に設けられるシール部材と、前記覆い部材の半径方向の内側に設けられ、前記ロッド部材を移動可能に支持する軸受部材と、前記シリンダ内から前記シール部材側に向かう前記液体の流路を形成する流路部と、前記軸受部材よりも半径方向の外側にて、前記流路部を流れる前記液体の流れを絞る絞り部と、を備える圧力緩衝装置である。
このような構成とすることにより、流路部を流れる液体の流れを絞る絞り部によって、シール部材に対して適量の液体を供給することができる。