特開2016-185549(P2016-185549A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2016-185549レーザ加工機およびレーザ加工機用ワーク治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-185549(P2016-185549A)
(43)【公開日】2016年10月27日
(54)【発明の名称】レーザ加工機およびレーザ加工機用ワーク治具
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/10 20060101AFI20160930BHJP
【FI】
   B23K26/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-65991(P2015-65991)
(22)【出願日】2015年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】小室 陽平
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD12
4E168CB03
4E168CB07
4E168HA08
4E168JA02
(57)【要約】
【課題】加工ヘッドと対向する部分を支持するワーク支持部材を、加工ヘッドと一体に移動するステージに追従して移動させることで、加工ヘッドによる加工精度を高精度に維持にできるレーザ加工機およびレーザ加工機用ワーク治具を提供すること。
【解決手段】図7(d)に示すように、ワーク治具2を加工ヘッド50側(矢印Z方向)に押し上げ、立壁21bを垂壁48と対向壁49との間に嵌挿させる。これにより、立壁21bが立設される各スライド部材18に連結されるワーク支持部材17と、垂壁48が垂設されるステージ40とが連結され、以降は、ステージ40が矢印Y方向に移動するのに追従してワーク支持部材17を矢印Y方向に移動される。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板のワークの一方の面に向けてレーザ光を照射する加工ヘッドを備え、その加工ヘッドから照射されるレーザ光によって前記ワークにレーザ加工を施すレーザ加工機において、
前記ワークを把持する矩形状の枠体と、その枠体の一対の縦フレームに沿って移動可能に、その一対の縦フレーム間に橋架され、前記加工ヘッドと対向する部分を前記ワークの他方の面から支持するワーク支持部材とを有するワーク治具を挿脱可能に載置する載置部と、
その載置部に載置される前記ワーク治具に対し、前記ワークの一方の面との間に所定間隔を空けて前記一対の縦フレーム間を跨いで延設され、前記加工ヘッドを前記一対の縦フレーム間において移動可能に支持すると共に、前記加工ヘッドと一体に前記一対の縦フレームに沿って移動可能に支持されるステージと、
そのステージと前記ワーク支持部材とを連結し、前記ステージが前記一対の縦フレームに沿って移動するのに追従して前記ワーク支持部材を前記一対の縦フレームに沿って移動させる連結部材とを備えていることを特徴とするレーザ加工機。
【請求項2】
前記ワーク治具を前記加工ヘッド側に押し上げるリフト装置を備え、
前記ワーク支持部材は、前記一対の縦フレームの少なくとも一方と前記ワークの縁部との間から立設される立壁を備え、
前記連結部材は、
前記ステージから前記立壁と対向する位置に垂設される垂壁と、
その垂壁との間に、前記リフト装置によって前記ワーク治具が押し上げられた場合に前記立壁が嵌挿されるスペースを空けて前記垂壁と対向配置される対向壁とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項3】
前記立壁は、その先端部であって前記ステージの移動方向と交差する方向の略中央部に先端が開放された切り欠き部を備え、
前記連結部材は、前記垂壁と前記対向壁との間に橋架され、前記リフト装置によって前記ワーク治具が押し上げられた場合に前記切り欠き部に嵌挿される嵌挿部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工機。
【請求項4】
前記載置部に前記ワーク治具を挿入する挿入口と、
前記載置部に前記ワーク治具が載置される状態において、前記ワーク支持部材の移動が規制される所定位置まで前記ステージを前記挿入口側に移動させる移動手段と、
その移動手段によって前記ステージを前記所定位置まで移動させた場合に前記リフト装置を作動させ前記ワーク治具を前記加工ヘッド側に押し上げるリフト手段とを備え、
前記垂壁は、前記ワーク治具が前記載置部に載置される状態で前記立壁と重畳する位置まで垂下されており、
前記対向壁は、前記垂壁よりも前記挿入口側に設けられると共に前記ワーク治具が前記載置部に載置される状態で前記立壁の先端よりも上方に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載のレーザ加工機。
【請求項5】
薄板のワークの一方の面に向けてレーザ光を照射する加工ヘッドと、前記ワークの一方の面との間に所定間隔を空けて前記ワークを跨いでX方向に延設され、前記X方向に前記加工ヘッドを移動可能に支持すると共に、その加工ヘッドと一体に前記X方向と垂直方向とに直交するY方向に移動可能に支持されるステージとを備えるレーザ加工機に対して挿脱可能に載置され、前記ワークを把持する矩形状の枠体を備えるレーザ加工機用ワーク治具において、
前記枠体の一対の縦フレームに沿って移動可能に、その一対の縦フレーム間に橋架され、前記加工ヘッドと対向する部分を前記ワークの他方の面から支持するワーク支持部材と、
前記ステージと前記ワーク支持部材とを連結し、前記ステージが前記一対の縦フレームに沿って移動するのに追従して前記ワーク支持部材を前記一対の縦フレームに沿って移動させる連結部材とを備えていることを特徴とするレーザ加工機用ワーク治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レーザ加工機およびレーザ加工機用ワーク治具に関し、特に、ワークの下面から加工ヘッドと対向する部分を支持するワーク支持部材を、加工ヘッドと一体に移動するステージに追従して移動させることで、加工ヘッドによる加工精度を高精度に維持できるレーザ加工機およびレーザ加工機用ワーク治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、板厚が0.03mm〜0.5mm程度の金属薄板(ワーク)に対し、集光したレーザ光を照射するとともに、アシストガスを噴射して高精度・高品質な微細切断を行うレーザ加工機が知られている。加工対象となるワークは、レーザ加工機とは別体のワーク治具に引張した状態で固定され、そのワークを固定したワーク治具がレーザ加工機に載置され、ワークに対してレーザ加工が施される。
【0003】
このレーザ加工機に用いられるワーク治具に関し、下記特許文献1には、次のワーク固定治具が記載されている。即ち、このワーク固定治具には、矩形状に形成された枠体の縦フレーム間に、縦フレームに沿って移動可能なワーク支持部材が掛け渡され、そのワーク支持部材によってレーザ加工機の加工ヘッドと対向する部分がワークの下面から支持されている。また、ワーク支持部材には、加工ヘッドを挟んで縦フレーム間に延設される2本の加工ヘッド追従部材が連結されている。そのため、加工ヘッドが縦フレームに沿って移動すると、加工ヘッドが加工ヘッド追従部材に当接し、その加工ヘッドの移動に追従して、加工ヘッド追従部材と連結されているワーク支持部材が加工ヘッドと対向する位置に移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−230503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているワーク固定治具では、加工ヘッドを加工ヘッド追従部材に当接させることで、ワーク支持部材を加工ヘッドと対向する位置に移動させているので、加工ヘッドが加工ヘッド追従部材から受ける圧力によって、加工ヘッドがズレ、加工ヘッドよる加工精度に悪影響を及ぼす可能性があった。
本発明は、上記した課題を解決すべく、ワークの下面から加工ヘッドと対向する部分を支持するワーク支持部材を、加工ヘッドと一体に移動するステージに追従して移動させることで、加工ヘッドによる加工精度を高精度に維持できるレーザ加工機およびレーザ加工機用ワーク治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレーザ加工機は、
薄板のワークの一方の面に向けてレーザ光を照射する加工ヘッドを備え、その加工ヘッドから照射されるレーザ光によって前記ワークにレーザ加工を施すものであって、前記ワークを把持する矩形状の枠体と、その枠体の一対の縦フレームに沿って移動可能に、その一対の縦フレーム間に橋架され、前記加工ヘッドと対向する部分を前記ワークの他方の面から支持するワーク支持部材とを有するワーク治具を挿脱可能に載置する載置部と、その載置部に載置される前記ワーク治具に対し、前記ワークの一方の面との間に所定間隔を空けて前記一対の縦フレーム間を跨いで延設され、前記加工ヘッドを前記一対の縦フレーム間において移動可能に支持すると共に、前記加工ヘッドと一体に前記一対の縦フレームに沿って移動可能に支持されるステージと、そのステージと前記ワーク支持部材とを連結し、前記ステージが前記一対の縦フレームに沿って移動するのに追従して前記ワーク支持部材を前記一対の縦フレームに沿って移動させる連結部材とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載のレーザ加工機によれば、薄板のワークはワーク治具の枠体に把持されて載置部に載置される。載置部に載置されるワーク治具に対しては、ステージがワークの一方の面との間に所定間隔を空けて一対の縦フレーム間を跨いで延設されている。かかるステージには、加工ヘッドが一対の縦フレーム間を移動可能に支持されている。薄板のワークには、その一方の面に向けて加工ヘッドから照射されるレーザ光によってレーザ加工が施される。一方、ワーク治具には、枠体の一対の縦フレーム間にワーク支持部材が橋架されており、そのワーク支持部材によって加工ヘッドと対向する部分がワークの他方の面から支持されている。これにより、ワークに弛みや垂れが生じず、ワークディスタンス(ワークと加工ヘッドとの間の間隔)の変動が防止される。
【0008】
ステージは、加工ヘッドと一体に一対の縦フレームに沿って移動可能に支持されている。一方、ワーク治具のワーク支持部材は、一対の縦フレームに沿って移動可能に構成されている。そして、かかるステージとワーク支持部材とは連結部材によって連結されている。よって、ステージを加工ヘッドと一体に一対の縦フレームに沿って移動させる場合には、それに追従してワーク支持部材が一対の縦フレームに沿って移動される。即ち、ワーク支持部材はステージに追従して移動し、加工ヘッドに圧力を掛けずに、加工ヘッドと対向する部分にワーク支持部材を移動させることができる。従って、かかる圧力によって加工ヘッドがズレることがなく、加工ヘッドによる加工精度を高精度に維持できるという効果がある。
【0009】
請求項2記載のレーザ加工機によれば、請求項1記載のレーザ加工機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ワーク支持部材には、一対の縦フレームの少なくとも一方とワークの縁部との間から立壁が立設されている。ステージからは立壁と対向する位置に垂壁が垂設されている。垂壁には対向壁が対向配置されており、垂壁と対向壁との間には、リフト装置によってワーク治具が押し上げられた場合に立壁が嵌挿されるスペースが形成されている。よって、ステージを一対の縦フレームに沿って移動させる場合には、垂壁または対向壁がワーク支持部材から立設される立壁に当接し、垂壁または対向壁によって立壁を押圧することでワーク支持部材をステージに追従して移動させることができる。従って、例えば、対向壁に代えて垂壁と立壁とを連結する連結部品を用意し、その連結部品で垂壁と立壁とを連結するよりも、簡単な構成でステージとワーク支持部材とを連結してワーク支持部材をステージに追従して移動させることができるという効果がある。
【0010】
請求項3記載のレーザ加工機によれば、請求項2記載のレーザ加工機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、立壁の先端部には、ステージの移動方向と交差する方向の略中央部に先端が開放された切り欠き部が形成されている。垂壁と対向壁との間には嵌挿部材が橋架されており、リフト装置によってワーク治具が押し上げられた場合には、その嵌挿部材が切り欠き部に嵌挿される。よって、ステージの移動方向と交差する方向にワーク支持部材がズレるのが抑制され、円滑にステージの移動に追従してワーク支持部材を移動させることができるという効果がある。
【0011】
請求項4記載のレーザ加工機によれば、請求項2又は3記載のレーザ加工機の奏する効果に加え次の効果を奏する。即ち、ワーク治具が載置部に載置される状態において対向壁は立壁の先端よりも上方に設けられ、垂壁は立壁と重畳する位置まで垂下されている。そのため、挿入口からワーク治具を挿入しても立壁が垂壁よりも奥方に進入するのが垂壁によって阻止され、立壁は垂壁よりも挿入口側に位置される。そのため、挿入口からワーク治具を挿入し、ワーク治具が載置部に載置される状態において移動手段によってステージを挿入口側に向けて移動させると、挿入口側の立壁が垂壁に押されてワーク支持部材の移動が規制される所定位置まで移動される。そして、対向壁は垂壁に対して挿入口側に設けられているので、ステージを所定位置まで移動させると、垂壁と対向壁との間に形成されるスペースが立壁の上方に位置される。よって、ステージを所定位置まで移動させた場合にリフト手段によってリフト装置を作動させワーク治具を加工ヘッド側に押し上げると立壁が垂壁と対向壁との間のスペースに嵌挿される。従って、その後は、ステージの移動に追従してワーク支持部材を移動させることができる。即ち、垂壁と対向壁との間に形成されるスペースと、そのスペースに嵌挿される立壁との位置合わせを自動でできるので、手間無く、ワーク支持部材をステージの移動に追従させることができるという効果がある。
【0012】
請求項5記載のレーザ加工機用ワーク治具によれば、請求項1記載のレーザ加工機と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】レーザ加工機とワーク治具とを示す斜視図である。
図2】ワーク治具の平面図である。
図3】(a)は、図2に示すIIIa−IIIa断面線におけるワーク治具の部分断面図であり、(b)は、図2に示す矢印IIIb方向から視たワーク治具2の部分正面図である。
図4】レーザ加工機の正面図である。
図5図4に示すV−V断面線におけるレーザ加工機の部分断面図である。
図6】(a)は、レーザ加工機1の電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、加工処理を示すフローチャートである。
図7】レーザ加工機の垂壁とワーク治具の立壁とを連結する様子を時系列に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るレーザ加工機1およびレーザ加工機用ワーク治具2(以下、「ワーク治具2」と称す)の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、レーザ加工機1とワーク治具2とを示す斜視図である。尚、図中矢印X方向と矢印Y方向とは、水平面に対して平行で互いに直交する方向、矢印Z方向は水平面に対して直交する方向を示す。
【0015】
本実施形態のレーザ加工機1およびワーク治具2は、特に、ワーク治具2の第1,第2縦フレーム11,12に沿って移動可能に設けられワークWを下面から支持するワーク支持部材17を、レーザ加工機1のステージ40に追従して矢印Y方向(第1,第2縦フレーム11,12に沿った方向)に移動させることで加工ヘッド50による加工精度を高精度に維持するものである。
【0016】
レーザ加工機1は、ワーク治具2に固定されたワークWに対し、加工ヘッド50からレーザ光を照射し、ワークWに対して微細な貫通孔を形成する加工装置である。加工対象となるワークWは、電子部品の基板に半田を塗布する際にマスキングを行うためのステンレス板であり、板厚が0.03mm〜0.5mmの矩形状の薄板である。ワークWの長手方向の長さは約600mmであり、ワークWの長手方向と直交する方向の長さは約480mmである。ワーク治具2は、ワークWを引っ張ることにより、テンションを付与した状態で固定するものである。ワーク治具2は、ワークWを固定した状態でレーザ加工機1へ持ち運ばれ、レーザ加工機1の載置部30に載置される。
【0017】
まず、図2図3を参照して、ワーク治具2について具体的に説明する。図2はワーク治具2の平面図であり、図3(a)は、図2に示すIIIa−IIIa断面線におけるワーク治具2の部分断面図であり、図3(b)は、図2に示す矢印IIIb方向から視たワーク治具2の部分正面図である。
【0018】
図2に示すように、ワーク治具2は、その外形が矩形状に形成された枠体であり、互いに平行に延びる第1縦フレーム11及び第2縦フレーム12と、その第1縦フレーム11と第2縦フレーム12との間に橋架され、互いに平行に延びる固定側横フレーム13、可動側横フレーム14、横フレーム15を有している。
【0019】
第1,第2縦フレーム11,12は、その両端部が固定側横フレーム13と、横フレーム15とにボルト(図示せず)を介して連結されている。第1,第2縦フレーム11,12の長手方向の長さは約660mmである。第1,第2縦フレーム11,12には、後述するスライド部材18を第1,第2縦フレーム11,12に沿ってスライドさせるガイドレール11a,12aが形成されている。
【0020】
固定側横フレーム13、可動側横フレーム14、横フレーム15は、その長手方向の長さは約500mmである。固定側横フレーム13は、ワークWの一端側を把持するクランププレートであり、その位置が固定されている。可動側横フレーム14は、ワークWの他端側を把持するクランププレートであり、両端にガイド部材14aを有している。ガイド部材14aは、第1,第2縦フレーム11,12に沿って摺動可能に取付けられている。可動側横フレーム14は、ガイド部材14aが第1,第2縦フレーム11,12に沿って摺動することによって、第1,第2縦フレーム11,12に沿ってスライド可能である。また、可動側横フレーム14は、第1,第2縦フレーム11,12の端部のうち、固定側横フレーム13が連結されている端部とは反対側の端部に向けて摺動可能だが、かかる反対側の端部には、横フレーム15が連結されている。よって、かかる反対側の端部から可動側横フレーム14が脱落するのを横フレーム15によって防止できる。
【0021】
可動側横フレーム14と、横フレーム15とは、横フレーム15を貫通し可動側横フレーム14に螺着されるネジ16によって、可動側横フレーム14と、横フレーム15との間の間隔が調節可能に構成されている。これにより、ワークWに適度なテンションが付与でき、レーザ加工中にワークWに弛み、又は断裂や伸びが生じるのを防止できる。
【0022】
具体的には、まず、ワークWの一端側を固定側横フレーム13に把持させ、ワークWの他端側を可動側横フレーム14に把持させる。次に、ネジ16を回転させて、ガイド部材14aを介して可動側横フレーム14を固定側横フレーム13から離間する方向にスライドさせる。このとき、ワークWに適度なテンションが付与するように、ネジ16の回転量を調節する。こうして、ワークWに適度なテンションが付与された状態を維持しつつ、レーザ加工機1に持ち運ぶことができる。
【0023】
また、ワーク治具2には、固定側横フレーム13、可動側横フレーム14、横フレーム15と平行に延びる2本のワーク支持部材17と、ワーク支持部材17の両端部が連結(固定)されている各スライド部材18と、各スライド部材18のスライドを規制するストップブロック24とが設けられている。
【0024】
ワーク支持部材17は、ワークWのうち少なくとも加工ヘッド50と対向する部分の下面を支持するためのものである。ワーク支持部材17は、ワークWの下面側に配置されており、ワークWの横方向の全体を支持できるようにワークWの横方向の長さよりも長くなっている。2本のワーク支持部材17は、加工ヘッド50の噴射口の先端を挟むように、加工ヘッド50から照射されるレーザ光に対して矢印Y方向(図1参照)に所定量離れて平行に配置されている。これにより、レーザ加工によって生じた溶融物(ドロス)が、2本のワーク支持部材17の間に形成された空間に落ちて、ワーク支持部材17に付着するのを防止できる。
【0025】
また、ワーク支持部材17が2本設けられているのは、1本に比べて、加工ヘッド50と対向するワークWの下面を支持し易いためである。なお、ワーク支持部材17は丸棒状であるが、ワーク支持部材17の形状は適宜変更可能であり、断面が四角又は上側が平面状の三角であっても良い。また、ワーク支持部材17はプレート状であっても良い。
【0026】
また、図3(a)に示すように、ワーク支持部材17は、軸パイプ17aと、その軸パイプ17aを内包する外パイプ17bとの2重パイプ構造に構成されている。軸パイプ17aは、外パイプ17bよりも長く、その両端がスライド部材18に連結されている。外パイプ17bは、軸パイプに17aに対してベアリング(図示せず)を介して回転可能に連結されている。
【0027】
そのため、ワーク支持部材17とワークWの下面との接触抵抗を低減でき、ワーク支持部材17がワークWの下面のバリを引きずらなくなり、ワークWの下面に生じる擦り傷をほとんど無くすことができる。従って、レーザ加工されたワークWの品質の低下を防止できると共に、擦り傷に対して行っていた研磨作業の時間を大幅に減らすことができ、ワークWの生産効率を上げることができる。加えて、ワーク支持部材17とワークWの下面との接触抵抗を低減できるため、各スライド部材18の第1,第2縦フレーム11,12に沿ったスライドを円滑にできる。
【0028】
各スライド部材18は、図3(a)に示すように、第1,第2縦フレーム11,12に沿ってワーク支持部材17をスライドさせるものである。各スライド部材18は、各ワーク支持部材17の両端部が連結した連結体19と、第1,第2縦フレーム11,12のガイドレール11a,12aに取付けられる移動体20(図2参照)と、連結体19の上面に連結される連結プレート21とを有している。
【0029】
連結体19は、略直方体形状に形成され、鉛直方向に延びる2つの取付孔19aが形成されており、各取付孔19aの中にコイルバネ19bが配置されている。コイルバネ19bは、軸パイプ17aと取付孔19aの底部分との間で僅かに圧縮していて、軸パイプ17aを上方に向けて付勢している。これにより、ワーク支持部材17がワークWの下面に向けて僅かに付勢されるようになっている。そのため、ワーク支持部材17に支持されているワークWの下面近傍が常に張っている状態を維持することができる。その結果、レーザ加工が進んでワークWに加工された孔や開口が多くなっても、レーザの焦点がずれにくく、レーザ加工の精度を安定させることができる。
【0030】
移動体20は(図2参照)、図示しないボールの転がりを利用してガイドレール11a,12aに沿って直線運動できるようになっている。即ち、これら移動体20とガイドレール11a,12aとがリニアガイド機構を形成している。尚、移動体20は、4本のボルト20a(図3(a)参照)によって連結体19に固定されている。
【0031】
連結プレート21は、ワーク支持部材17と、レーザ加工機1のステージ40とを連結するものである。図3(a)に示すように、連結プレート21は、連結体19の上面に固定されるベース壁21aと、ベース壁21aの一端から立設される立壁21bとを有している。ベース壁21aは、コイルバネ19bが取り付けられている取付孔19aを塞ぎ、連結体19の上面にボルト21cによって固定される。立壁21bは、ベース壁21aに対して略直角に屈曲して立設される。そのため、立壁21bには、所望の剛性が確保されている。
【0032】
また、立壁21bには、図3(b)に示すように、先端側が開放された切り欠き部22と、切り欠き部22を挟む保持壁23とを有している。尚、詳細は後述するが、立壁21bは、図5に示すように、レーザ加工機1のステージ40から垂設される垂壁48と、その垂壁48とボルト49aを介して対向配置される対向壁49との間(スペース)に介在される。これにより、立壁21bを含むスライド部材18と連結されているワーク支持部材17が、レーザ加工機1のステージ40とが連結される。
【0033】
また、図2に示すように、ストップブロック24は、第1,第2縦フレーム11,12に形成されるガイドレール11a,12aの一端と、可動側横フレーム14との間で、第1,第2縦フレーム11,12にボルト24aによって固定されている。ストップブロック24の可動側横フレーム14側とは反対の面にはコイルバネ24bが取り付けられており、コイルバネ24bによって各スライド部材18が当接した際の衝撃が吸収される。
【0034】
次に、図1図4図5を参照してレーザ加工機1について具体的に説明する。図4は、レーザ加工機1の正面図である。図5は、図4に示すV−V断面線におけるレーザ加工機1の部分断面図である。
【0035】
図1に示すように、レーザ加工機1は、主に、上述したワーク治具2が載置される載置部30と、その載置部30を跨ぐ門型に形成され矢印Y方向にスライド可能に支持されるステージ40と、そのステージ40上で矢印X方向にスライド可能に支持されレーザ光を照射する加工ヘッド50とによって構成されている。
【0036】
載置部30には、図1に示すように、ワーク治具2が固定側横フレーム13側から矢印Y方向に挿入される。尚、ワーク治具2が載置部30に挿入される開口を挿入口と称す。ワーク治具2が載置部30に載置されると、ワーク治具2の第1,第2縦フレーム11,12が矢印Y方向と平行に、固定側横フレーム13、可動側横フレーム14、横フレーム15が矢印X方向と平行に載置される。
【0037】
載置部30は、図4に示すように、ワーク治具2の第1縦フレーム11が載置される第1載置面31aを有する第1載置部31と、第2縦フレーム12が載置される第2載置面32aを有する第2載置部32とによって構成されている。第1,第2載置面31a,32aは互いに平行に矢印Y方向に沿って延びている。
【0038】
また、第1載置部31には、第1載置面31aとの間に矢印Z方向に所定間隔を空けて第1受け面31bが形成され、第2載置部32には、第2載置面32aとの間に矢印Z方向に所定間隔を空けて第2受け面32bが形成されている。ワークWに対してレーザ加工を施す場合には、第1,第2載置面31a,32aに載置されているワーク治具2が、載置部30の下方に設けられているエアシリンダ60によって、第1,第2受け面31b,32bの位置まで押し上げられ、その状態でレーザ加工が施される。
【0039】
ステージ40は、図1図5に示すように、載置部30に載置されるワーク治具2との間に所定間隔を空けて矢印X方向に延出する本体部41と、その本体部41の両端から下方に垂設される脚部42とによって構成される。
【0040】
本体部41の上面中央には、矢印X方向に延出される貫通孔43が開口され、その貫通孔43を矢印Y方向に挟んだ両側には矢印X方向に延出する2本のガイドレール44,44が平行に延設されている。2本のガイドレール44,44には、加工ヘッド50と連結されたテーブル51が加工ヘッド50を貫通孔43に挿入させた状態でスライダ52,52を介して橋架されている。即ち、2本のガイドレール44,44と、スライダ52,52によってリニアガイド機構が形成されている。また、かかるリニアガイド機構によってテーブル51(加工ヘッド50)を矢印X方向に移動させるための駆動源となるX軸リニアモータ75が備えられている。X軸リニアモータ75は、図5に示すように、磁極を交互に並設した固定子75aと、コアに導線を巻回した移動子75bとによって構成されている。
【0041】
固定子75aは、ステージ40の本体部41の上面に、ガイドレール44と貫通孔43との間に矢印X方向に延設され断面視コの字型に形成された筐体53において、互いに対向する内面に配置されている。移動子75bは、その固定子75aの間に延出してテーブル51の内面に配置されている。かかるX軸リニアモータ75を駆動することで、テーブル51(加工ヘッド50)は、ガイドレール44,44に沿って矢印X方向に移動する。即ち、ステージ40は、加工ヘッド50を矢印X方向に移動可能に支持している。
【0042】
また、図4に示すように、ステージ40の脚部42の下面には、スライダ45,45が固定され、そのスライダ45,45が載置部30を挟んで矢印Y方向(紙面を貫通する方向)に延設される2本のガイドレール46,46に装着されている。即ち、2本のガイドレール46,46と、スライダ45,45によってリニアガイド機構が形成されている。また、かかるリニアガイド機構によってステージ40を矢印Y方向に移動させるための駆動源となるY軸リニアモータ76が備えられている。Y軸リニアモータ76は、磁極を交互に並設した固定子76aと、コアに導線を巻回した移動子76bとによって構成されている。
【0043】
固定子76aは、ガイドレール46,46の外側に立ち上がった支持壁80,80の内面に、ステージ40側を向けた状態で、ガイドレール46,46と平行に、ガイドレール46,46の全長にわたって配置されている。移動子76bは、ステージ40の上部外面、すなわち、脚部42の両側部であって、固定子76aと対向した状態になる位置に配置されている。かかるY軸リニアモータ76を駆動することで、ステージ40は、加工ヘッド50と一体に、ガイドレール46,46に沿って矢印Y方向に移動する。即ち、ステージ40は、加工ヘッド50と一体に矢印Y方向に移動可能に支持されている。
【0044】
更に、図5に示すように、ステージ40の本体部41には、貫通孔43の両側に矢印X方向に沿って延出する補強リブ47,47が上壁内面から垂設され、その補強リブ47,47のうち、ワーク治具2の挿入口側(ワーク治具2の可動側横フレーム14側)の補強リブ47から垂壁48が垂設されている。垂壁48はボルト47aで補強リブ47に固定されている。
【0045】
垂壁48は、ワーク治具2を載置部30に載置した状態で立壁21bと対向する位置に垂下され、その途中にワーク治具2の挿入口側(ワーク治具2の可動側横フレーム14側)に垂壁48との間に所定間隔を空けて対向壁49がボルト49aを介して連結されている。また、対向壁49よりもワーク治具2側に垂下される垂壁48の先端部48aは、ワーク治具2を載置部30に載置した状態で立壁21bの先端と高さ方向に重複する位置まで垂下されている。
【0046】
そのため、垂壁48の先端部48aを立壁21bに当接させた状態で、エアシリンダ60によってワーク治具2を加工ヘッド50側に押し上げることで、立壁21bを垂壁48と対向壁49との間に、立壁21bの切り欠き部22(図3(b)、図4の丸枠内参照)をボルト49に嵌挿させた状態で介在させることができる。これにより、立壁21bが立設される各スライド部材18と連結されているワーク支持部材17を、ステージ40が矢印Y方向に移動するのに追従して矢印Y方向に移動させることができる。従って、加工ヘッド50に圧力を掛けずに、ワーク支持部材17を矢印Y方向に移動させることができるので、かかる圧力によって加工ヘッド50がズレることがなく、加工ヘッド50による加工精度を高精度に維持できる。また、立壁21bは、切り欠き部22(図3(b)、図4の丸枠内参照)にボルト49aを嵌挿させた状態で垂壁48と対向壁49との間に介在されるので、切り欠き部22の両側に立設される保持壁23によって矢印Y方向と直交する矢印X方向へのズレが抑制され、円滑にステージ40の移動に追従してワーク支持部材17を移動させることができる。
【0047】
加工ヘッド50は、レーザ光を照射する装置であり、筒状に形成され、上方からレーザ光が導入され、それを凸レンズである集光レンズで集光し、その集光したレーザ光を集光レンズと同軸に配置される円錐筒状のノズルから対向するワークWに向けて照射し、ワークWにレーザ加工を施すものである。
【0048】
上述した通り、加工ヘッド50は、X軸リニアモータ75を駆動することで、ステージ40に対して相対的に矢印X方向にスライドさせることができる。この場合ワーク支持部材17の長さはワークWの横方向の長さより長いため、ワーク支持部材17によって常に加工ヘッド50と対向する部分の下面を支持できる。また、加工ヘッド50がステージ40と一体に矢印Y方向に移動すると、ステージ40に追従してワーク支持部材17が矢印Y方向に移動するので、この場合でも、ワーク支持部材17によって加工ヘッド50と対向する部分の下面を支持できる。このように、加工ヘッド50の動きに拘わらず、加工ヘッド50と対向する部分の下面をワーク支持部材17によって支持することができ、レーザ加工が進んでワークWに加工された孔や開口が多くなっても、ワークWに弛みや垂れが生じない。このため、ワークディスタンスの変動を防止でき、レーザ加工の精度を安定させることができる。
【0049】
図6(a)は、レーザ加工機1の電気的構成を示すブロック図である。レーザ加工装置1は、主に、CPU71、ROM72、RAM73、操作パネル74、X軸リニアモータ75、Y軸リニアモータ76、エアコンプレッサ77、加工ヘッド50によって構成されている。CPU71、ROM72、及び、RAM73は、バスラインを介して互いに接続されている。操作パネル74、X軸リニアモータ75、Y軸リニアモータ76、エアコンプレッサ77、加工ヘッド50は、入出力ポート79を介してCPU71と接続されている。
【0050】
CPU71は、ROM72やRAM73に記憶される固定値やプログラムに従って、レーザ加工機1が有している各機能の制御や、入出力ポート79と接続された各部を制御するものである。ROM72は、レーザ加工機1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、後述する図6(b)に示す加工処理を実行する加工処理プログラム72aが格納されている。RAM73は、書換可能な揮発性のメモリであり、レーザ加工機1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、RAM73には、加工パターンメモリ73aが割当てられている。加工パターンメモリ73aには、ワークWを加工する加工パターンが記憶されている。ワークWは、この加工パターンメモリ73aに記憶されている加工パターンに従ってレーザ加工される。
【0051】
操作パネル74は、レーザ加工機1の側壁に取り付けられ(図1参照)、ユーザがレーザ加工機1に加工開始指示などの各種指示を入力する装置であり、X軸リニアモータ75は加工ヘッド50を矢印X方向に移動させる駆動装置、Y軸リニアモータ76はステージ40を加工ヘッド50と一体に矢印Y方向に移動させる駆動装置、エアコンプレッサ77はエアシリンダ60を駆動する駆動装置、加工ヘッド50は、レーザ光を照射する装置である。
【0052】
図6(b)は、加工処理を示すフローチャートである。この処理は、ワークWを把持したワーク治具2が、ユーザによってレーザ加工機1の載置部30に載置され、操作パネル74を介してユーザから加工開始の指示があった場合に実行される処理である。
【0053】
CPU71は、まず、Y軸リニアモータ76を駆動して、ステージ40をセット位置まで移動させ(S1)、セット位置に到達したかを判断し(S2)、セット位置に到達していない場合には(S2:No)、S1の処理を繰り返し、セット位置に到達した場合には(S2:Yes)、エアコンプレッサ77を起動してエアシリンダ60を上昇させる(S3)。
【0054】
ここまでの処理を図7を参照しながら説明する。図7(a)〜(d)は、S1〜S3までの処理によって、垂壁48と、立壁21bとが連結されるまでの様子を示す模式図である。
【0055】
図7(a)は、ユーザがワーク治具2をレーザ加工機1の載置部30に載置した状態を示している。上述した通り、垂壁48の先端部48a(対向壁49よりもワーク治具2側)は、ワーク治具2を載置部30に載置した状態で立壁21bの先端と高さ方向に重複する位置まで垂下されている。そのため、挿入口からワーク治具2を挿入しても立壁21bが垂壁48よりも奥方に進入するのは垂壁48によって阻止され、挿入口からワーク治具2を挿入した場合、立壁21bは垂壁48よりも挿入口側(可動側横フレーム14側)に位置される。
【0056】
図7(a)の状態で、ユーザから加工開始の指示が入力されると、CPU71は、Y軸リニアモータ76を駆動させ、ステージ40を挿入口側に向けて、セット位置(スライド部材18がストップブロック24のコイルバネ24bに当接する位置)まで移動させる(図中矢印Y方向)。尚、セット位置は、予め所定の位置に定められている。
【0057】
ステージ40を矢印Y方向に移動させると、その途中で図7(b)に示すように、ステージ40から垂設される垂壁48の先端48aが立壁21bに当接する。そして、立壁21bが垂壁48に押されることで、立壁21bが立設されるスライド部材18が、それに引きずられ、図7(c)に示すセット位置まで移動される。図7(c)に示すセット位置ではスライド部材18の移動が規制され、垂壁48と対向壁49との間に形成されるスペースが立壁21bの上方に位置される。
【0058】
こうして、ステージ40をセット位置まで移動させたら、図7(d)に示すように、エアコンプレッサ77を駆動してエアシリンダ60によってワーク治具2を加工ヘッド50側(矢印Z方向)に押し上げ、立壁21bを垂壁48と対向壁49との間に嵌挿させる。これにより、立壁21bが立設される各スライド部材18に連結されるワーク支持部材17と、垂壁48が垂設されるステージ40とが連結され、以降は、ステージ40が矢印Y方向に移動するのに追従してワーク支持部材17を矢印Y方向に移動させることができる。従って、加工ヘッド50に圧力を掛けずに、ワーク支持部材17を矢印Y方向に移動させることができるので、かかる圧力によって加工ヘッド50がズレることがなく、加工ヘッド50による加工精度を高精度に維持できる。
【0059】
再び、図6(b)に戻り、説明を続ける。S3の処理が終了した場合には、加工パターンメモリに記憶されている加工パターンを読み込み(S4)、その読み込んだ加工パターンに従って加工を開始する(S5)。そして、加工終了かを判断し(S6)、終了でなければ(S6:No)、S5の処理を繰り返し、終了であれば(S7;Yes)、本処理を終了する。
【0060】
以上、本発明に係るレーザ加工機1について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0061】
上記実施形態では、ステージ40側の垂壁48と、ワーク支持部材17側の立壁21bとを連結する場合について説明したがこれに限定されない。立壁21bは無くても良く、ステージ40側の垂壁48を直接に、ワーク支持部材17と連結されたスライド部材18の適当な箇所に連結するようにしても良い。
【0062】
また、上記実施形態では、垂壁48と対向壁49との間に立壁21bを挟む場合について説明したがこれに限定されない。例えば、ボルト等で垂壁48と対向壁49とを連結しても良いし、対向壁49に代えてコの字状の部品を垂壁48に設けるようにしても良い。
【0063】
また、上記実施形態では、垂壁48、対向壁49、ボルト49aをステージ側に設け、立壁21bをワーク支持部材17側に設ける場合について説明したが、これに限定されない。立壁21bに相当する構成をステージ側に設け、垂壁48、対向壁49、ボルト49aに相当する構成をワーク支持部材17側に設けるようにしても良い。また、垂壁48、対向壁49、ボルト49aに相当する構成をステージ側に設けず、立壁21bを直接にステージ40に連結するようにしても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 レーザ加工機
2 ワーク治具(レーザ加工機用ワーク治具)
11 第1縦フレーム(一対の縦フレーム)
12 第2縦フレーム(一対の縦フレーム)
13 固定側横フレーム(一対の把持フレーム)
14 可動側横フレーム(一対の把持フレーム)
21b 立壁
40 ステージ
48 垂壁(連結部材)
49 対向壁(連結部材)
49a ボルト(嵌挿部材)
50 加工ヘッド
60 エアシリンダ(リフト装置)
S1 移動手段
S3 リフト手段
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7