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特開2016-185906ガラス板の折割方法及びその折割装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-185906(P2016-185906A)
(43)【公開日】2016年10月27日
(54)【発明の名称】ガラス板の折割方法及びその折割装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/033 20060101AFI20160930BHJP
   C03B 33/03 20060101ALI20160930BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20160930BHJP
【FI】
   C03B33/033
   C03B33/03
   B28D5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-137183(P2016-137183)
(22)【出願日】2016年7月11日
(62)【分割の表示】特願2015-13773(P2015-13773)の分割
【原出願日】2015年1月27日
(31)【優先権主張番号】特願2014-235114(P2014-235114)
(32)【優先日】2014年11月19日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【テーマコード(参考)】
3C069
4G015
【Fターム(参考)】
3C069AA02
3C069BA00
3C069BB01
3C069BC07
3C069CA11
3C069CB01
3C069EA01
3C069EA02
3C069EA04
4G015FA04
4G015FB01
4G015FC02
4G015FC04
4G015FC11
(57)【要約】
【課題】狭巾の耳部を簡単且つ精確に折割及び分離できる折割方法及び装置を提供すること。
【解決手段】折割装置1Aは、上面にガラス板2を平面状に支持する支持装置7と、支持装置7の上方においてNC制御されて支持装置7に対して水平面内でX軸方向及びY軸方向に移動させられる一対の折割ヘッド5と、一対の折割ヘッド5の夫々を夫々で水平面内においてX軸方向及びY軸方向に移動させる一対の移動装置27と、ガラス板2を搬送する搬送装置45と、基台14と、基台14の上方に設けられた架台28とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を押圧ローラで部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、切線の法線方向に転がり方向の向きを合せた押圧ローラで耳部を押圧しつつ当該押圧ローラを法線方向であってガラス板の周縁に向って回転移動させるガラス板の折割方法。
【請求項2】
ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を押圧ローラで部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、切線からガラス板の周縁に向って耳部を横断する方向に転がり方向の向きを合せた押圧ローラで耳部を押圧しつつ当該横断する方向に当該押圧ローラを回転移動させるガラス板の折割方法。
【請求項3】
ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を横長の押圧体で部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、切線からガラス板の周縁に向って耳部を横断する方向に対して交差する方向に長手方向を合せた押圧体で耳部を押圧しつつ押圧体を当該横断する方向に滑り移動させるガラス板の折割方法。
【請求項4】
ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を押圧体で部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、押圧体で耳部を押圧しつつ切線からガラス板の周縁に向う方向に押圧体を滑り移動させるガラス板の折割方法。
【請求項5】
ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部の折割予定位置において当該耳部を押圧体で押圧する一方、押圧体による押圧方向と逆の方向から押圧体で押圧される耳部を支持する支持体を耳部でのガラス板の周縁から切線に向う方向に移動させて耳部を折割分離するガラス板の折割方法。
【請求項6】
ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部の折割予定位置において当該耳部を押圧体で押圧する一方、押圧体による押圧方向と逆の方向から押圧体で押圧される耳部を支持する支持体を耳部でのガラス板の周縁から切線に向う方向に切線を通り越して移動させて耳部を折割分離するガラス板の折割方法。
【請求項7】
ガラス板に形成された切線の内側に位置するガラス板の本体部から切線の外側に位置するガラス板の耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、ガラス板を押圧体で押圧する一方、押圧体による押圧方向と逆の方向からガラス板を支持体で支持し、耳部を横断する方向に押圧体及び支持体のうちの一方を移動させて耳部を本体部から折割分離するガラス板の折割方法。
【請求項8】
切線が形成されたガラス板を押圧する押圧体と、この押圧体による押圧方向と逆の方向からガラス板を支持する支持体と、切線の外側に位置するガラス板の耳部を横断する方向に押圧体及び支持体のうちの一方を移動させる移動装置とを具備しており、移動装置による押圧体及び支持体のうちの一方の移動で、切線の内側に位置するガラス板の本体部から耳部を折割分離するようになっているガラス板の折割装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車窓ガラス等の切断生産工程における、切線形成後のガラス板の折割方法及びその折割装置に関する。
【0002】
本発明は、ガラス板にカッタホイールにより、切線を形成し、切線とガラス板の周縁との間の耳部を折割分離するガラス板の折割方法及びその折割装置に係る。
【0003】
また、本発明は、特に、素板ガラスの寸法いっぱいに切線を形成し、この切線とガラス板の周縁との間の狭い部分、即ち、狭い耳部を折割分離するに適するガラス板の折割方法及びその折割装置に係る。
【背景技術】
【0004】
特許文献1には、押圧ローラを備えた折割ヘッドを切線に沿って移動させ、その押圧ローラを角度制御して切線に沿って向けながら押圧転動移動をさせて角部の折割分割を行う方法及び装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、突き打ちする押圧装置を備えた折割ヘッドが切線の周りを回りながら必要箇所ごとにおいて、耳部に突きを加えて折割分離を行う方法及び装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−164441号公報
【特許文献2】特許第2890137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動車窓ガラスの加工生産は、生産単価を低く抑えるため素板ガラスの寸法を小さくし、素板ガラスの寸法いっぱいに切線を形成し、耳部の巾(耳幅)を出来るだけ狭くし、廃棄カレットの減量を図っている。
【0008】
耳部の巾が狭くなると、従来の折割方法及び装置においては、その押圧ローラ及び突き装置を耳部のみに押圧及び突き打ちを加えることは困難である。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは狭巾の耳部を簡単且つ精確に折割及び分離できる折割方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を押圧ローラで部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、切り線の法線方向に転がり方向の向きを合せた押圧ローラで耳部を押圧しつつ当該押圧ローラを法線方向であってガラス板の周縁に向って回転移動させることにある。
【0011】
また、本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を押圧ローラで部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、切線からガラス板の周縁に向って耳部を横断する方向に転がり方向の向きを合せた押圧ローラで耳部を押圧しつつ当該横断する方向に当該押圧ローラを回転移動させることにある。
【0012】
更にまた、本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を横長の押圧体で部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、切線からガラス板の周縁に向って耳部を横断する方向に対して交差する方向に長手方向を合せた押圧体で耳部を押圧しつつ押圧体を当該横断する方向に滑り移動させることにある。
【0013】
加えて、本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部を押圧体で部分押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、押圧体で耳部を押圧しつつ切線からガラス板の周縁に向う方向に押圧体を滑り移動させることにある。
【0014】
更に加えて、本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部の折割予定位置において当該耳部を押圧体で押圧する一方、押圧体による押圧方向と逆の方向から押圧体で押圧される耳部を支持する支持体を耳部でのガラス板の周縁から切線に向う方向に移動させて耳部を折割分離することにある。
【0015】
また更に加えて、本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板の周縁と当該ガラス板に形成された切線との間の耳部の折割予定位置において当該耳部を押圧体で押圧する一方、押圧体による押圧方向と逆の方向から押圧体で押圧される耳部を支持する支持体を耳部でのガラス板の周縁から切線に向う方向に切線を通り越して移動させて耳部を折割分離することにある。
【0016】
更にまた、本発明のガラス板の折割方法は、ガラス板に形成された切線の内側に位置するガラス板の本体部から切線の外側に位置するガラス板の耳部を折割分離するガラス板の折割方法であって、耳部の折割予定位置において、ガラス板を押圧体で押圧する一方、押圧体による押圧方向と逆の方向からガラス板を支持体で支持し、耳部を横断する方向に押圧体及び支持体のうちの一方を移動させて耳部を本体部から折割分離することにある。
【0017】
本発明のガラス板の折割装置は、切線が形成されたガラス板を押圧する押圧体と、この押圧体による押圧方向と逆の方向からガラス板を支持する支持体と、切線の外側に位置するガラス板の耳部を横断する方向に押圧体及び支持体のうちの一方を移動させる移動装置とを具備しており、移動装置による押圧体及び支持体のうちの一方の移動で、切線の内側に位置するガラス板の本体部から耳部を折割分離するようになっている。
【0018】
本発明において、押圧体は、上記のように押圧ローラであってもよく、また、押圧ローラに代えて、回転しない押圧棒又は押圧部材であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ガラス板に対して耳部において押圧体又は支持体を移動させるために、狭巾の耳部に対しても簡単且つ確実に押圧を加えることができ結果、狭巾の耳部を確実に折割及び分離できる折割方法及び装置を提供することができる。
【0020】
本発明はまた、押圧ローラの回転方向の向きを耳部において切線の法線方向又はガラス板の周縁に向った横断方向に合せるため、押圧ローラとガラス板との接触線が切線に略平行となるために、押圧ローラで耳部のみを押圧することができ、而して、狭巾の耳部に対しても簡単且つ確実に押圧を加えることができ結果、狭巾の耳部を確実に折割及び分離できる折割方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の好ましい実施例の説明図である。
図2図2は、素板ガラス及び切線に対しての折割ヘッドの当て方向姿勢を示す平面説明図である。
図3図3は、図2に示す折割ヘッドの当て方向姿勢の拡大説明図である。
図4図4は、図1に示す例における折割動作の説明図である。
図5図5は、図1に示す例における折割動作の説明図である。
図6図6は、図1に示す例における押圧ローラの断面説明図である。
図7図7は、図1に示す例における押圧ローラの他の例の断面説明図である。
図8図8は、図1に示す例における押圧ローラの更に他の例の説明図である。
図9図9は、切線形成のスクライブヘッドに折割ヘッドを並設したガラス切断装置の正面説明図である。
図10図10は、本発明の好ましい他の実施例の説明図である。
図11図11は、図10に示す例における折割動作の説明図である。
図12図12は、図10に示す例における折割動作の説明図である。
図13図13は、本発明の好ましい更に他の実施例の一部説明図である。
図14図14は、図13に示す例における折割動作の説明図である。
図15図15は、本発明の好ましい更に他の実施例の一部説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。本発明は、これら実施例に限定されないのである。
【実施例】
【0023】
図1から図5に示すように、折割装置1Aは、上面にガラス板2を平面状に支持する支持装置7と、支持装置7の上方においてNC制御されて支持装置7に対して水平面内でX軸方向及びY軸方向に移動させられる一対の折割ヘッド5と、一対の折割ヘッド5の夫々を夫々で水平面内においてX軸方向及びY軸方向に移動させる一対の移動装置27と、ガラス板2を搬送する搬送装置45と、基台14と、基台14の上方に設けられた架台28とを備える。
【0024】
折割装置1Aは、上面に予め形成された切線3の外側に位置する耳部4と切線3の内側に位置する本体部24とを有するガラス板2を支持装置7の上面に支持した状態で、NC制御により折割ヘッド5の夫々をガラス板2の耳部4の折割予定位置の夫々へ移動させてガラス板2の耳部4の折割分離を順次行うようになっている。
【0025】
ガラス板2の上面には、切線3に加えて、必要箇所に、多くはガラス板2の角部の箇所に端切線3aが予め形成されている。
【0026】
支持装置7は、上面にガラス板2が載置される可撓性の無端ベルト6と、無端ベルト6の下に設けられた支持台機構8とを備える。
【0027】
支持台機構8は、無端ベルト6を介して本体部24の中央域10を支持するように、基台14から立設された支柱体23に取付られた固定の中央支持台9と、無端ベルト6を介してガラス板2を部分的に支持する一対の水平移動自在な部分支持台12と、一対の部分支持台12の夫々を中央支持台9の周りの外側域11においてNC制御により水平移動させるように、外側域11に設けられた一対の移動装置13とを具備している。
【0028】
移動装置13の夫々は、基台14に取付けられたX軸移動機構15と、X軸移動機構15のX移動体16に取付け支持されたY軸移動機構17とからなり、各部分支持台12は、対応のY軸移動機構17のY移動体18に取付け支持されている。
【0029】
部分支持台12の夫々は、中央支持台9と同一の高さでガラス板2を部分支持する部分支持面部19と、部分支持面部19より2〜3mm低い段差面部21とを備えており、耳部4の折割分離においては、ガラス板2の切線3での部分22及び切線3近傍の本体部24を支持し、段差面部21は、耳部4の直下に位置されて、押圧体としての回転自在な押圧ローラ20による耳部4への押圧力の付与によるガラス板2の折り曲がりと耳部4の段差面部21側への逃げとを許容する。
【0030】
無端ベルト6は、本体部24からの耳部4の折割り後であって、本体部24の搬送装置45による搬出後、無端ベルト6上に残存した折割カレットとしての耳部4を無端ベルト6上から排出するように、電動モータ71の作動によりベルト72並びにベルト72が掛け回されたプーリ73及び74を介して走行されるようになっている。
【0031】
折割ヘッド5の夫々は、支持装置7の上方において中央域10を挟んだ空間26の夫々に設けられた一対の移動装置27の夫々に保持されている。
【0032】
移動装置27の夫々は、架台28に設けられたX軸移動装置29と、X軸移動装置29のX移動体30に取付けられたY軸移動装置31とからなり、折割ヘッド5の夫々は、対応のY軸移動装置31のY移動体32に取付けられている。
【0033】
折割ヘッド5の夫々は、Y移動体32に取付けられたブラケット33と、ブラケット33に取付けられた軸受装置34と、軸受装置34に回転自在に保持されていると共に回転軸線35がガラス板2の上面、即ち部分支持面部19の支持面に直交した回転軸36と、回転軸36の下端に取付けられたエアーシリンダ装置37と、回転軸36の回転軸線35上においてエアーシリンダ装置37のピストンロッド38の下端に回転自在に取付けられた押圧ローラ20と、回転軸36をプリーベルトなどの伝動手段42を介して角度制御回転させる角度制御装置39とを具備している。
【0034】
エアーシリンダ装置37のピストンロッド38は、回転軸線35を中心とした回転軸36の回転により同期して回転されるようになっており、押圧ローラ20は、エアーシリンダ装置37へのエアー圧の切り換えによるピストンロッド38の上下動で同期して上下動されて、この上下動でガラス板2の上面に押圧接触される一方、ガラス板2の上面から上方へ引き離されるようになっている。
【0035】
角度制御装置39は、NC制御モータ40及び減速機41を具備しており、減速機41においてブラケット33に取付けられており、角度制御装置39により、回転軸36、エアーシリンダ装置37及び押圧ローラ20は、一体となってガラス板2の上面に直交した回転軸線35の回りで角度制御回転される。
【0036】
例えばウレタン樹脂により成形されてなる押圧ローラ20は、図6及び図7に示すように、10mmから30mmの直径E及び10mm以上、好ましくは50mmから60mmの横幅Fを有した円筒体又は10mmから30mmの直径Eを有した球状体からなっていても、図8に示すように、図6及び図7に示す円筒体又は球状体の複数個を軸方向に10mm以上の横幅Fをもって連接したものであってもよく、押圧ローラ20の直径Eを10mmから15mmにすることにより、4mmから5mmの狭巾の耳部4をより精確に折割分離することができる。
【0037】
切線形成後のガラス板2の支持装置7上への搬入と、支持装置7から折割済みガラス板2の本体部24の搬出とを行うように、中央域10の上方に設けられた搬送装置45は、X軸方向に直動する移動体46と、移動体46に取付けられていると共に上下方向に昇降される上下動装置47と、上下動装置47の下端にガラス板2の吸着及び吸着解放を行う吸盤48とを備える。
【0038】
吸盤48は、ガラス板2の折割動作中においては、上下動装置47により下降されて、無端ベルト6を介して中央支持台9にガラス板2を押圧して動かないように固定する。
【0039】
以下、折割装置1Aにおける動作及び折割方法を説明する。
【0040】
搬送装置45の吸盤48により吸着されて搬送装置45の移動体46により中央域10に搬入されたガラス板2は、当該中央域10において吸盤48により中央支持台9に押圧させられると、部分支持台12と折割ヘッド5とは、耳部4の折割予定位置へ移動されて、ガラス板2及び無端ベルト6を挟んで対面させられる。
【0041】
ガラス板2の切線3の下に位置した部分支持面部19は、本体部24を支え、ガラス板2の耳部4の下に位置した段差面部21は、耳部4の下に耳部4の曲げ下がりを許す逃げ部を形成する。
【0042】
耳部4の上に押圧ローラ20が位置すると同時に押圧ローラ20は、回転軸線35の回りに角度制御されて、切線3の法線方向C−C又は切線3からガラス板2の周縁3bに向う方向である耳部4を横断する方向にその転がり方向の向きを合せられる。
【0043】
押圧ローラ20は、転動移動方向が法線方向C−C又は横断方向に合せられた姿勢で降下されて耳部4を押圧し、この押圧状態で法線方向C−C又は横断方向に転がり移動させられる。
【0044】
押圧ローラ20は、外周が円形であり、その回転軸が切線3に平行又はそれに近い姿勢であるため、下端の円形の接触面で耳部4のみを押圧し、そして、法線方向C−C又は横断方向に転がり移動するため、耳部4に曲げ荷重を十分に与え、耳部4下の逃げ部と相俟って耳部4の折割分離を精確に行うことになる。
【0045】
部分支持台12の移動及び折割ヘッド5は、直交したXY平面座標系でNC制御されて移動される。
【0046】
図9に示す折割装置付のガラス板切断装置1Bは、支持台59と、支持台59の両側の夫々に設けられたX軸移動装置62と、X軸移動装置62に架設されたY軸移動装置60と、Y軸移動装置60の移動体61に取付けられていると共に平面支持されたガラス板2の上をガラス板2の上面に平行して直交座標系移動を行う共通の加工ヘッド65とを備えており、加工ヘッド65には、カッタホイール64を具備した切断ヘッド66と折割ヘッド63とが並設されている。
【0047】
ガラス板切断装置1Bでは、記憶されたNC加工情報に基づいて加工ヘッド65の1回目の直交座標系移動において切断ヘッド66を動作させて、ガラス板2にカッタホイール64により切線3を形成し、次に2回目の直交座標系移動において、折割ヘッド63を動作させて、切線3の外側の耳部4の折割を行う。
【0048】
折割ヘッド63は、押圧ローラ50とスプラインシャフト52とスプラインシャフト52を角度制御する角度制御装置51と押圧ローラ50を上下動させるエアーシリンダ装置53とを備える。
【0049】
ガラス板2は、厚み2mm〜3mmの型板56を介して支持台59の上面のシート55に平面支持される。
【0050】
型板56は切線3と略々同形状同寸法に形成されており、ガラス板2の周縁3bと切線3との間の耳部4の下に空間58を形成して、折割時の耳部4の逃げを許すようになっている。
【0051】
ガラス板切断装置1Bでは、折割ヘッド63による耳部4の折割動作は、折割装置1Aと同様に行われる。
【0052】
ところで、折割装置1Aでは、押圧体として回転自在な押圧ローラ20を用い、押圧ローラ20を法線方向C−C又は横断方向に転がり移動させて、耳部4を本体部24から折割分離するようにしたが、押圧体として、図10に示すように、先端面(押圧面)80が円筒面状の押圧棒81をピストンロッド38の下端に取付けて、押圧棒81による耳部4への押圧力の付与にあたっては、法線方向C−C又は耳部4を横断する方向に対して直交する方向に、先端面80の円筒面の中心82が伸びるように、押圧棒81が回転軸線35の回りで角度制御されるようにして、角度制御後の押圧棒81の降下による耳部4への先端面80での押圧棒81の押圧接触で押圧棒81により耳部4へ折割力を与え、以下、折割装置1Aと同様にして、耳部4への先端面80での押圧棒81の押圧接触を維持したままで押圧棒81を法線方向C−C又は耳部4を横断する方向に先端面80で滑り移動させて、耳部4を本体部24から折割分離させるようにしてもよい。
【0053】
押圧棒81の先端面80としては、図10に示す円筒面状に代えて、球面状であってもよく、球面状の先端面80を有した押圧棒81の場合には、押圧棒81に対する回転軸線35の回りでの角度制御を省き得る。
【0054】
また、上記では、押圧ローラ20又は押圧棒81を法線方向C−C又は耳部4の横断方向に移動させる一方、耳部4の下に耳部4の曲げ下がりを許す逃げ部を予め形成して、耳部4を本体部24から折割分離させるようにしたが、図10から図12に示すように、部分支持面部19を耳部4の下に予め位置させて、この状態で、角度制御後の押圧棒81の降下による耳部4への先端面80での押圧と同時に部分支持面部19を法線方向C−C又は耳部4の横断方向であって周縁3bから切線3に向う方向に切線3を超えて移動させて、耳部4の下に耳部4の曲げ下がりを許す逃げ部を形成し、この逃げ部の形成により、押圧棒81により耳部4へ付与される折割力で、耳部4を本体部24から折割分離させるようにしてもよい。
【0055】
更に上記では、各部分支持台12は、部分支持面部19と段差面部21とを備えているが、図13及び図14に示すように、各部分支持台12は、部分支持面部19を具備している一方、段差面部21を具備していなくてもよく、図13及び図14に示す部分支持台12では、法線方向C−C又は耳部4の横断方向であって周縁3bから切線3に向う方向に切線3を超えての部分支持面部19の移動で耳部4の下の部分支持面部19自体の周りに、耳部4の曲げ下がりを許す逃げ部が形成されるようになっている。
【0056】
段差面部21を具備しない部分支持台12は、図1から図5に示す折割装置1Aにも、用いることができる。
【0057】
押圧体としては、押圧ローラ20及び円筒面状又は球面状の先端面80を有した押圧棒81に代えて、図15に示すように、10mmから30mmの直径E、好ましくは10mmから15mmの直径E及び10mm以上、好ましくは50mmから60mmの横幅Fを有した円柱体又は円筒体からなる押圧部材91であってもよく、円筒面90を有した斯かる押圧部材91でもって、図10から図12に示す動作又は図13及び図14に示す動作と同様の動作、即ち、押圧部材91の降下による耳部4への円筒面90での押圧と同時に部分支持面部19を法線方向C−C又は耳部4の横断方向であって周縁3bから切線3に向う方向に切線3を超えて移動させて、耳部4の下に耳部4の曲げ下がりを許す逃げ部を形成し、この逃げ部の形成により、押圧部材91により耳部4へ付与される折割力で、耳部4を本体部24から折割分離させる動作を行わせるようにしてもよい。斯かる円柱体又は円筒体からなる押圧部材91においては、回転しなくてもよいが、円柱体又は円筒体の中心92で回転するようになっていてもよい。
【0058】
更には、押圧体は、耳部4の折割において耳部4を周縁3b側に押し出すように、ピストンロッド38の下端に傾けて取付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1A 折割装置
2 ガラス板
3 切線
4 耳部
5 折割ヘッド
6 無端ベルト
7 支持装置
8 支持台機構
9 中央支持台
12 部分支持台
13 移動装置
14 基台
15 X軸移動機構
16、30 X移動体
17 Y軸移動機構
18、32 Y移動体
19 部分支持面部
21 段差面部
24 本体部
27 移動装置
28 架台
29 X軸移動装置
31 Y軸移動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15