【実施例】
【0074】
  以下、実施例について図を参照しつつ説明する。
【0075】
  (1)第1実施例
  以下、
図1から
図2を参照して、第1実施例のアクチュエータ1について説明する。
図1は、上面側から観察した第1実施例のアクチュエータ1の構成の一例を示す平面図である。
図2は、下面側から観察した第1実施例のアクチュエータ1の構成の一例を示す平面図である。尚、
図1及び
図2(更には、
図3から
図8)では、X軸、Y軸及びZ軸によって規定される仮想的な3次元空間を用いながら、アクチュエータ1の説明を進める。
【0076】
  図1及び
図2(a)に示すように、第1実施例のアクチュエータ1は、例えばレーザ光のスキャニングに用いられるプレーナ型電磁駆動アクチュエータ(即ち、MEMSスキャナ)である。アクチュエータ1は、外側支持体110と、一対のトーションバー130と、内側支持体210と、一対のトーションバー230と、可動部120と、駆動コイル140と、一対の永久磁石160と、一対の電源端子170とを備えている。また、
図1に示すように、可動部120の一方の面(例えば、上面又は表側の面)には、ミラー121が形成されている。また、
図2に示すように、可動部120の他方の面(例えば、下面又は裏側の面)には、リブ123が形成されている。
【0077】
  外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、一対のトーションバー230、可動部120及びリブ123は、例えばシリコン基板等の非磁性基板から一体的に形成されている。即ち、外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、一対のトーションバー230及び可動部120は、例えばシリコン基板等の非磁性基板の一部が除去されることにより間隙が形成されることで形成されている。このときの形成プロセスとして、MEMSプロセスが用いられることが好ましい。尚、シリコン基板に代えて、任意の弾性材料から、外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、一対のトーションバー230、可動部120及びリブ123が一体的に形成されてもよい。
【0078】
  外側支持体110は、内側支持体210を取り囲むような枠形状を有している。外側支持体110は、内側支持体210の両側に位置する(言い換えれば、内側支持体210の両側から当該内側支持体210を挟み込む)一対のトーションバー130によって内側支持体210と接続されている。尚、
図1及び
図2(a)は、外側支持体110の形状が枠形状となる例を示しているが、外側支持体110の形状が枠形状に限定されないことは言うまでもない。例えば、外側支持体110の形状は、その一部が開口している枠形状となってもよい。
【0079】
  内側支持体210は、可動部120を取り囲むような枠形状を有している。内側支持体210は、一対のトーションバー130が伸長する方向(つまり、一対のトーションバー130の長手方向であり、
図1及び
図2(a)中X軸の方向)に沿った回転軸を中心に揺動可能なように一対のトーションバー130によって外側支持体110に軸支されている。内側支持体210は、更に、可動部120の両側に位置する(言い換えれば、可動部120の両側から当該可動部120を挟み込む)一対のトーションバー230によって可動部120と接続されている。内側支持体210の上面には、駆動コイル140が形成されている。但し、駆動コイル140は、内側支持体210の内部又は下面に形成されてもよい。尚、
図1及び
図2(a)は、内側支持体210の形状が枠形状となる例を示しているが、内側支持体210の形状が枠形状に限定されないことは言うまでもない。例えば、内側支持体210の形状は、その一部が開口している枠形状となってもよい。
【0080】
  可動部120は、一対のトーションバー230が伸長する方向(つまり、一対のトーションバー230の長手方向であって、
図1及び
図2(a)中Y軸の方向)に沿った回転軸を中心に揺動可能なように一対のトーションバー230によって内側支持体210に軸支されている。
【0081】
  図1に示すように、可動部120の上面には、レーザ光を反射するミラー121が形成される。ミラー121が上面に形成される可動部120は、例えば、板状の(言い換えれば、平面状の)部材であることが好ましい。
【0082】
  また、ミラー121がレーザ光を好適に反射するためには、ミラー121の平坦性が維持されていることが好ましい。ミラー121の平坦性が維持されるためには、可動部120の平坦性が維持されていることが好ましい。従って、
図2(a)に示すように、可動部120の平坦性を維持するために、可動部120の下面(つまり、ミラー121が形成される面とは反対側の面)には、リブ123が形成される。
【0083】
  リブ123は、可動部120の平坦性を確保することができる所望の態様で可動部120の下面上を延伸するように形成されている。
図2(a)に示す例では、リブ123は、可動部120の概ね中心を通過すると共に可動部120を支持する内側支持体210の回転軸(例えば、
図2(a)のX軸)に沿って延伸する第1リブ部分123−1と、可動部120の概ね中心を通過すると共に可動部120の回転軸(例えば、
図2(a)のY軸)に沿って延伸する第2リブ部分123−2と、第2リブ部分123−2の端部を起点として内側支持体210の回転軸(例えば、
図2(a)のX軸)に沿って延伸する第3リブ部分123−3と、第3リブ部分123−3の端部を起点として可動部120の回転軸(例えば、
図2(a)のY軸)に沿って延伸する第4リブ部分123−4とを含んでいる。このようなリブ123の延伸の態様は、内側支持体210の回転軸(Y軸)及び可動部120の回転軸(X軸)に沿った方向における可動部120の剛性を極力確保しつつも、可動部120とトーションバー230との接続部分からリブ123を離すという観点から決定されている。
【0084】
  尚、
図2(a)に示すリブ123の延伸の態様が一例であることは言うまでもない。従って、リブ123は、
図2(a)に示す延伸の態様とは異なる態様で延伸してもよい。例えば、
図2(b)に示すように、リブ123は、可動部120の概ね中心に中心が一致する円形の第1リブ部分123−1と、当該第1リブ部分123−1を起点として可動部120の回転軸(例えば、
図2(b)のY軸)に沿って延伸する第2リブ部分123−2とを含んでいてもよい。
【0085】
  一対のトーションバー130は、内側支持体210が外側支持体110に対して揺動可能なように、内側支持体210と外側支持体110とを接続する。一対のトーションバー130の弾性によって、内側支持体210は、一対のトーションバー130が伸長する方向に沿った軸を回転軸として回転するように遥動する。つまり、内側支持体210は、
図1及び
図2におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。このとき、可動部120は、一対のトーションバー230を介して内側支持体210に接続されている。従って、内側支持体210の遥動に伴って、可動部120は、実質的には、
図1及び
図2におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。
【0086】
  一対のトーションバー230の夫々は、可動部120が内側支持体210に対して揺動可能なように、可動部120と内側支持体210とを接続する。一対のトーションバー230の弾性によって、可動部120は、一対のトーションバー230が伸長する方向に沿った軸を回転軸として回転するように遥動する。つまり、可動部120は、
図1及び
図2におけるY軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。
【0087】
  駆動コイル140は、例えば、内側支持体210の上で延伸するコイルである。駆動コイル140は、例えば相対的に導電率の高い材料(例えば、金や銅等)を用いて形成されてもよい。また、駆動コイル140は、めっきプロセスやスパッタリング法等の半導体製造プロセスを用いて形成されてもよい。或いは、駆動コイル140は、外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、複数の一対のトーションバー230、可動部120及びリブ123を形成するためのシリコン基板に対してインプラント法を用いて埋め込まれてもよい。尚、
図1上では、図面の見やすさを重視して、駆動コイル140の外形を簡略化して記載してあるが、実際には、駆動コイル140は、内側支持体210の表面上に形成された一又は複数の巻き線によって構成されている。
【0088】
  駆動コイル140には、外側支持体110上に形成されている一対の電源端子170及び当該一対の電源端子170と駆動コイル140とを電気的に接続するための配線150であって且つ一対のトーションバー130上に形成された配線150を介して、電源から制御電流が供給される。制御電流は、内側支持体210及び可動部120を遥動させるための制御電流であって、典型的には、内側支持体210が遥動する周波数と同期した周波数の信号成分及び可動部120が遥動する周波数と同期した周波数の信号成分を含む交流電流である。尚、電源は、アクチュエータ1自身が備えている電源であってもよいし、アクチュエータ1の外部に用意される電源であってもよい。
【0089】
  一対の永久磁石160は、外側支持体110の外部に取り付けられている。但し、一対の永久磁石160は、駆動コイル140に対して所定の静磁界を印加することができる限りは、どのような箇所に取り付けられてもよい。一対の永久磁石160は、駆動コイル140に対して所定の静磁界を印加することができるように、その磁極の向きが適切に設定されていることが好ましい。尚、一対の永久磁石160には、静磁界の強度を高めるために、ヨークが付加されていてもよい。
【0090】
  このような第1実施例のアクチュエータ1が動作する(具体的には、可動部120が遥動する)場合には、まず、電源から、電源端子170及び配線150を介して、駆動コイル140に対して制御電流が供給される。このとき駆動コイル140に対して供給される制御電流は、内側支持体210を遥動させるための信号(具体的には、内側支持体210の遥動の周期に同期した信号)と可動部120を遥動させるための信号(具体的には、可動部120の遥動の周期に同期した信号)とが重畳された電流であることが好ましい。一方で、駆動コイル140には、一対の永久磁石160によって静磁界が印加されている。従って、駆動コイル140には、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因した力(つまり、ローレンツ力)が生ずる。その結果、駆動コイル140が形成されている内側支持体210は、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因したローレンツ力によって遥動する。つまり、内側支持体210は、
図1におけるX軸を回転軸として回転するように遥動する。このとき、可動部120は、複数の一対のトーションバー230を介して内側支持体210に接続されている。従って、内側支持体210の遥動に伴って、可動部120は、実質的には、
図1におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。
【0091】
  加えて、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因したローレンツ力は、慣性力として可動部120に伝達される。その結果、可動部120は、
図1におけるY軸を回転軸として回転するように遥動する。
【0092】
  このように、第1実施例のアクチュエータ1によれば、可動部120の2軸駆動が行われる。
【0093】
  尚、第1実施例では、ローレンツ力そのものを用いて内側支持体210を遥動させ且つローレンツ力を慣性力として用いて可動部120を遥動させることで、可動部120の2軸駆動が行われている。しかしながら、可動部120を遥動させるローレンツ力を発生させるための駆動コイルを、可動部120上に形成してもよい。この場合には、一対のトーションバー230には(更には、内側支持体210や一対のトーションバー130や外側支持体110)には、外側支持体110上の電源端子170から可動部120上の駆動コイルにつながる配線が形成されることが好ましい。
【0094】
  第1実施例では特に、
図1及び
図2に示すように、可動部120は、一又は複数の突出部分(
図1及び
図2に示す例では、4つの突出部分)122を備えている。更に、
図2に示すように、リブ123は、突出部分122上にまで延伸するように形成されている。
【0095】
  以下、
図3を参照しながら、可動部120が備える突出部分122及び当該突出部分122上にまで延伸するリブ123について説明する。
図3は、可動部120の下面の一部を拡大して示す下面図である。
【0096】
  図3(a)に示すように、突出部分122は、当該突出部分122の周囲の領域部分(言い換えれば、突出部分122に隣接する領域部分)と比較して突き出している領域部分である。より具体的には、突出部分122は、可動部120の下面に沿った方向(つまり、XY平面に沿った方向)に向かって且つ可動部120の外部に向かって突き出している。言い換えれば、突出部分122は、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の中心(例えば、第1リブ部分123−1と第2リブ部分123−2との交点)から離れる方向に向かって突き出している。更に言い換えれば、突出部分122は、突出部分122を備えていないと仮定した場合の可動部120の仮想的な外縁(
図3(a)中の点線参照)から、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の外部に向かって突き出ている。つまり、可動部120の一部は、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の外部に向かって突き出している。
【0097】
  尚、
図3(a)に示す突出部分122の形状はあくまで一例である。従って、突出部分122は、突出部分122が周囲の領域部分と比較して突き出している(例えば、突出部分122を備えていないと仮定した場合の可動部120の仮想的な外縁から突き出している)限りは、どのような形状を有していてもよい。
【0098】
  突出部分122は、可動部120と一体化されている(言い換えれば、同一の構造物から一体的に形成されている)ことが好ましい。但し、突出部分122は、可動部120に対して事後的に付加された(言い換えれば、接続された又は取り付けられた)構造を有していてもよい。但し、後に詳述するように、アクチュエータ1は、SOI(Silicon  On  Insulator)ウェハから製造されることが多い。この場合、可動部120及び突出部分122は、SOIウェハの第1シリコン層(言い換えれば、デバイス層又は活性層)等から一体的に形成されることが好ましい。
【0099】
  また、突出部分122は、可動部120と同一平面上に位置することが好ましい。言い換えれば、突出部分122の下面と可動部120の下面とが同一平面上に位置することが好ましい。但し、突出部分122は、可動部120と同一平面上に位置していなくともよい。尚、アクチュエータ1がSOIウェハから製造される場合には、可動部120及び突出部分122がSOIウェハの第1シリコン層等から一体的に形成されるがゆえに、可動部120と突出部分122とは同一平面上に位置することになる。
【0100】
  また、突出部分122の厚さと可動部120の厚さとが同一になることが好ましい。但し、突出部分122の厚さと可動部120の厚さとが同一でなくともよい。尚、アクチュエータ1がSOIウェハから製造される場合には、可動部120及び突出部分122がSOIウェハの第1シリコン層等から一体的に形成されるがゆえに、可動部120の厚さと突出部分122の厚さとは同一になる。
【0101】
  尚、
図3(a)に示す例では、突出部分122は、可動部120の回転軸(
図3(a)のY軸)に沿った方向に向かって突き出している。これは、回転軸周りの可動部120の慣性モーメントの増大を抑制するためである。
【0102】
  また、突出部分122と当該突出部分122の周囲の領域部分との境界は、角が丸めこまれるフィレット加工(或いは、面取り加工、湾曲加工又は丸め加工等)が行われることが好ましい。但し、突出部分122と当該突出部分122の周囲の領域部分との境界は、角が丸めこまれるフィレット加工(或いは、面取り加工、湾曲加工又は丸め加工等)が行われていなくともよい。
【0103】
  図3(a)に示すように、リブ123は、突出部分122にまで延伸するように形成されている。言い換えれば、リブ123は、突出部分122以外の領域部分から突出部分122に向かって連続的に延伸するように形成されている。つまり、リブ123は、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の外部に向かって突出部分122と共に突き出すように形成されている。
図3(a)に示す例では、リブ123は、リブ123が備える第4リブ部分123−4が突出部分122にまで延伸するように形成されている。
【0104】
  突出部分122上では、リブ123の回転軸側(トーションバー230側)の外縁は、突出部分122の回転軸側の外縁から離間している(離れている)ことが好ましい。つまり、可動部120の回転軸から見て(言い換えれば、トーションバー230から見て)、可動部120の回転軸に交わる(典型的には、直交する)方向に沿って、突出部分122のうちリブ123が形成されていない領域部分と突出部分122のうちリブ123が形成されている領域部分とがこの順に現れるように、リブ123が形成されていることが好ましい。
【0105】
  一方で、リブ123の回転軸側とは反対側の外縁は、突出部分122の回転軸側とは反対側の外縁から離間していなくともよい。但し、リブ123の回転軸側とは反対側の外縁は、突出部分122の回転軸側とは反対側の外縁から離間していてもよい。
【0106】
  尚、可動部120は、突出部分122を、トーションバー230と可動部120との接続部分の近傍に備えていることが好ましい。言い換えれば、可動部120は、このような突出部分122を、リブ123のうちトーションバー230と可動部120との接続部分に近接する(或いは、最も近接する)リブ部分の延伸の態様に合わせて備えていることが好ましい。例えば、
図3に示す例では、リブ123が備える4つのリブ部分のうちトーションバー230と可動部120との接続部分に近接する(或いは、最も近接する)のは、第4リブ部分123−4である。従って、
図3(a)に示す例では、可動部120は、第4リブ部分123−4の延伸の態様に合わせて、突出部分122を備えている。具体的には、可動部120は、第4リブ部分123−4が延伸する方向に向かって突き出す突出部分122を備えている。
【0107】
  また、
図3(b)に示すように、リブ123は、突出部分122から、可動部120の下面に沿った方向(つまり、XY平面に沿った方向)に向かって且つ可動部120の外部に向かって更に突き出していてもよい。つまり、リブ123は、その一部が突出部分122から更に突き出た形状を有していてもよい。
【0108】
  このような第1実施例のアクチュエータ1によれば、突出部分122にまでリブ123が延伸しているがゆえに、可動部120の遥動に伴ってリブ123の付け根(言い換えれば、リブ123と可動部120との接続部分)に加わる応力を緩和することができる。特に、可動部120の遥動に伴って、トーションバー230と可動部120との接続部分の近傍に位置するリブ123の付け根に加わる応力を緩和することができる。言い換えれば、可動部120の遥動に伴うリブ123の付け根における応力の集中を緩和することができる。
【0109】
  以下、
図4及び
図5を参照しながら、リブ123の付け根に加わる応力の緩和について説明する。
図4は、可動部120の下面の一部を拡大して示す下面図である。
図5は、突出部分122を備えていない比較例のアクチュエータにおける可動部120の下面の一部を拡大して示す下面図である。
【0110】
  一般的に、一対のトーションバー230によって支持された可動部120が遥動する場合には、トーションバー230又は可動部120の硬さが急激に変化する領域部分に応力が集中しやすい傾向がある。ここで、トーションバー230又は可動部120は、トーションバー230又は可動部120の幅(具体的には、可動部120の回転軸に直交する方向に沿った長さ)が広くなるほど硬くなる傾向がある。
【0111】
  そうすると、
図4に示すように、第1実施例のアクチュエータ1においては、トーションバー230から可動部120に向かう方向に沿って、当初はトーションバー230又は可動部120の幅が徐々に広くなっていく一方で(
図4中の、幅A及び幅B参照)、突出部分122が現れる位置において可動部120の幅が急激に広くなることが分かる(
図4中の幅C参照)。つまり、突出部分122の回転軸側の外縁と当該突出部分122の周囲の領域部分との境界において、可動部120の幅が急激に広くなることが分かる(
図4中の幅C参照)。従って、可動部120の遥動に伴う応力は、可動部120の幅が急激に広くなる位置(つまり、突出部分122の回転軸側の外縁と周囲の領域部分との境界であって、
図4中の点線で示した丸印参照)に集中することになる。その結果、可動部120の遥動に伴う応力は、突出部分122の回転軸側の外縁と周囲の領域部分との境界から離れた位置に形成されているリブ123(或いは、当該リブ123の付け根)に集中することがない。つまり、突出部分122の回転軸側の外縁と周囲の領域部分との境界から離れた位置に形成されているリブ123(或いは、当該リブ123の付け根)に加わる応力が緩和される。
【0112】
  尚、参考までに、
図5に示すように、突出部分122を備えていない比較例のアクチュエータでは、トーションバー230から可動部120に向かう方向に沿って、当初はトーションバー230又は可動部120の幅が徐々に広くなっていく。このような可動部120の幅が徐々に広くなる傾向は、リブ123が形成されている領域部分においても同様である。従って、比較例のアクチュエータでは、可動部120の幅が急激に変化する領域部分が存在しないがゆえに、リブ123(或いは、当該リブ123と可動部120又は突出部分122との接続部分)に加わる応力が緩和されにくい。
【0113】
  このように、第1実施例のアクチュエータ1によれば、可動部120の遥動に伴ってリブ123の付け根に加わる応力を緩和することができる。
【0114】
  尚、参考までに、リブ123の付け根に加わる応力の緩和を重視すると、
図6の左側の図面に示すように、トーションバー230と可動部120との接続部分から大きく離れた可動部120の領域部分に、リブ123(例えば、
図6に示す例では、リング状のリブ123)が形成されればよいとも考えられる。しかしながら、トーションバー230と可動部120との接続部分から大きく離れた可動部120の領域部分にリブ123を形成すると、
図6の右側の図面(特に、状態2及び状態3参照)に示すように、可動部120の平坦性を確保することが困難になってしまいかねない。しかるに、第1実施例のアクチュエータ1では、可動部120の平坦性を確保しつつもリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力を緩和することができるという実践上大変有用な効果が得られる。
【0115】
  また、上述したように、第1実施例のアクチュエータ1は、SOIウェハから製造されることが多い。この場合、
図7に示すように、可動部120及びトーションバー230が第1シリコン層(言い換えれば、デバイス層又は活性層)181から形成される一方で、リブ123が第2シリコン層(言い換えれば、ハンドル層又は支持層)183から形成される。ここで、第1シリコン層181と第2シリコン層183との間には、ボックス層(言い換えれば、酸化膜層)182が存在している。ところが、ボックス層182は、第1シリコン層181及び第2シリコン層183と比較して脆いがゆえに、可動部120の遥動に伴う応力によって破壊されやすい。このようなボックス層182の破壊は、リブ123の可動部120からの剥離につながりかねない。更には、アクチュエータ1の製造工程の関係上、
図7の右側の図面に示すように、第2シリコン層183から形成されるリブ123の付け根には、ノッチが入りやすくなっている(但し、
図7の中央の図面に示すように、通常は、第2シリコン層183から形成されるリブ123の付け根にノッチが入らないようにアクチュエータ1が製造される)。このようなノッチは、可動部120の遥動に伴う応力によるリブ123の可動部120からの剥離につながりかねない。しかるに、第1実施例では、リブ123の付け根に加わる応力の緩和が実現されるがゆえに、ボックス層182を介して第2シリコン層183(リブ123)と第1シリコン層181(可動部120)とが接続され且つリブ123の付け根にノッチが入っている場合であっても、リブ123の可動部120からの剥離が生じにくいという実践上大変有用な効果が得られる。
【0116】
  尚、上述の説明では、突出部分122が可動部120の回転軸(
図3のY軸)に沿った方向に向かって突き出している例を用いて説明を進めた。しかしながら、
図8(a)に示すように、突出部分122は、可動部120の回転軸から離れる方向に向かって突き出していてもよい。この場合であっても、可動部120の遥動に伴ってリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力が緩和される。
【0117】
  或いは、
図8(b)に示すように、突出部分122は、可動部120の回転軸に近づく方向に向かって突き出していてもよい。この場合であっても、可動部120の遥動に伴ってリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力が緩和される。更に、この場合には、突出部分122が可動部120の回転軸に近づく方向に向かって突き出していない場合と比較して、リブ123を、トーションバー230と可動部120との接続部分からできるだけ離れた領域部分に形成しやすくなる。この点からも、可動部120の遥動に伴ってリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力が緩和される。
【0118】
  (2)第2実施例
  続いて、
図9及び
図10を参照して、第2実施例のアクチュエータ2について説明する。
図9は、上面側から観察した第2実施例のアクチュエータ2の構成の一例を示す平面図である。
図10は、下面側から観察した第2実施例のアクチュエータ2の構成の一例を示す平面図である。尚、
図9及び
図10(更には、
図11から
図13)では、X軸、Y軸及びZ軸によって規定される仮想的な3次元空間を用いながら、アクチュエータ2の説明を進める。また、第1実施例のアクチュエータ1が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
【0119】
  図9及び
図10に示すように、第2実施例のアクチュエータ2は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、可動部120が一又は複数の突出部分122に代えて一又は複数の空隙部分124を備えているという点で異なっている。加えて、第2実施例のアクチュエータ2は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、リブ123が空隙部分124に隣接しながら延伸するように形成されているという点で異なっている。第2実施例のアクチュエータ2のその他の構成要素については、第1実施例のアクチュエータ1のその他の構成要素と同一であってもよい。
【0120】
  以下、
図11を参照しながら、可動部120が備える空隙部分124及び当該空隙部分124に隣接しながら延伸するリブ123について説明する。
図11は、可動部120の下面の一部を拡大して示す下面図である。
【0121】
  図11に示すように、空隙部分124は、当該空隙部分124の周囲の領域部分(言い換えれば、空隙部分124に隣接する領域部分)と比較して窪んでいる領域部分である。より具体的には、空隙部分124は、可動部120の下面に沿った方向(つまり、XY平面に沿った方向)に向かって且つ可動部120の内部に向かって窪んでいる。言い換えれば、空隙部分124は、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の中心(例えば、第1リブ部分123−1と第2リブ部分123−2との交点)に近づく方向に向かって窪んでいる。更に言い換えれば、空隙部分124は、空隙部分124を備えていないと仮定した場合の可動部120の仮想的な外縁(
図11中の点線参照)から、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の内部に向かって窪んでいる。つまり、可動部120の一部は、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の内部に向かって窪んでいる。
【0122】
  尚、
図11に示す空隙部分124の形状はあくまで一例である。従って、空隙部分124は、空隙部分124が周囲の領域部分と比較して窪んでいる(或いは、空隙部分124を備えていないと仮定した場合の可動部120の仮想的な外縁から窪んでいる)限りは、どのような形状を有していてもよい。
【0123】
  また、空隙部分124は、可動部120を構成する構造物(例えば、アクチュエータ2がSOIウェハから製造される場合には、SOIウェハの第1シリコン層)を、可動部120の下面に交わる(好ましくは、直交する)方向に沿って貫通していることが好ましい。つまり、空隙部分124は、実質的には、可動部120を構成する構造物が存在していない領域部分であることが好ましい。
【0124】
  尚、
図11に示す例では、空隙部分124は、可動部120の回転軸(
図11のY軸)に沿った方向に向かって窪んでいる。これは、回転軸周りの可動部120の慣性モーメントの増大を抑制するためである。
【0125】
  また、空隙部分124によって規定される可動部120の外縁のうちの少なくとも一部(
図11に示す例では、例えば、空隙部分124の頂点によって規定される可動部120の外縁の一部)は、角が丸めこまれるフィレット加工(或いは、面取り加工、湾曲加工又は丸め加工等)が行われることが好ましい。但し、空隙部分124によって規定される可動部120の外縁のうちの少なくとも一部は、角が丸めこまれるフィレット加工(或いは、面取り加工、湾曲加工又は丸め加工等)が行われていなくともよい。
【0126】
  図11に示すように、リブ123は、空隙部分124に隣接しながら延伸するように形成されている。言い換えれば、リブ123は、空隙部分124に隣接する領域部分以外の領域部分から空隙部分124に隣接する領域部分に向かって連続的に延伸するように形成されている。
図11に示す例では、リブ123は、リブ123が備える第4リブ部分123−4が空隙部分124に隣接しながら延伸するように形成されている。
【0127】
  隣接しながら延伸するように形成されることに加えて又は代えて、リブ123は、可動部120の回転軸(
図11中のY軸)に交わる(典型的には、直交する)方向に沿って、可動部120の回転軸とリブ123との間に空隙部分124が位置するように形成されている。言い換えれば、リブ123は、リブ123と可動部120の回転軸との間の間隔(特に、可動部120の回転軸に交わる(典型的には、直交する)方向に沿った間隔)は、空隙部分124と可動部120の回転軸との間の間隔よりも大きくなるように形成されている。
【0128】
  尚、空隙部分124から見れば、リブ123(特に、第4リブ部分123−4)が形成されている領域部分は、実質的には、当該空隙部分124と比較して突き出している突出部分であるとも言える。従って、第2実施例においても、第1実施例と同様に、リブ123は、可動部120の下面に沿った方向に向かって且つ可動部120の外部に向かって突き出すように形成されているとも言える。
【0129】
  加えて、リブ123の回転軸側(トーションバー230側)の外縁は、空隙部分124の回転軸側とは反対側の外縁から離間している(離れている)ことが好ましい。つまり、可動部120の回転軸から見て(言い換えれば、トーションバー230から見て)、可動部120の回転軸に交わる(典型的には、直交する)方向に沿って、空隙部分124と、リブ123が形成されていない可動部120の領域部分と、リブ123が形成されている可動部120の領域部分とがこの順に位置するように、リブ123が形成されていることが好ましい。
【0130】
  尚、可動部120は、空隙部分124を、トーションバー230と可動部120との接続部分の近傍に備えていることが好ましい。言い換えれば、可動部120は、このような空隙部分124を、リブ123のうちトーションバー230と可動部120との接続部分に近接する(或いは、最も近接する)リブ部分の延伸の態様に合わせて備えていることが好ましい。例えば、
図11に示す例では、リブ123が備える4つのリブ部分のうちトーションバー230と可動部120との接続部分に近接する(或いは、最も近接する)のは、第4リブ部分123−4である。従って、
図11に示す例では、可動部120は、第4リブ部分123−4の延伸の態様に合わせて、空隙部分124を備えている。具体的には、可動部120は、第4リブ部分123−4が延伸する方向に沿って窪む空隙部分124を備えている。
【0131】
  尚、第2実施例においても、第1実施例と同様に、リブ123は、可動部120から、可動部120の下面に沿った方向(つまり、XY平面に沿った方向)に向かって且つ可動部120の外部に向かって更に突き出していてもよい。つまり、リブ123は、その一部が可動部120から更に突き出た形状を有していてもよい。
【0132】
  このような第2実施例のアクチュエータ2によれば、第1実施例のアクチュエータ1が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。つまり、可動部120の遥動に伴ってリブ123の付け根に加わる応力を緩和することができる。言い換えれば、可動部120の遥動に伴うリブ123の付け根における応力の集中を緩和することができる。
【0133】
  以下、
図12を参照しながら、リブ123の付け根に加わる応力の緩和について説明する。
図12は、可動部120の下面の一部を拡大して示す下面図である。
【0134】
  上述したように、一般的に、一対のトーションバー230によって支持された可動部120が遥動する場合には、トーションバー230又は可動部120の硬さが急激に変化する領域部分に応力が集中しやすい傾向がある。ここで、トーションバー230又は可動部120は、トーションバー230又は可動部120の幅(具体的には、可動部120の回転軸に直交する方向に沿った長さ)が広くなるほど硬くなる傾向がある。
【0135】
  そうすると、
図12に示すように、第2実施例のアクチュエータ2においては、トーションバー230から可動部120に向かう方向に沿って、当初はトーションバー230又は可動部120の幅が徐々に広くなっていく一方で(
図12中の、幅A及び幅B参照)、空隙部分124がなくなる位置において可動部120の幅が急激に広くなることが分かる(
図12中の幅C参照)。つまり、空隙部分122の頂点において、可動部120の幅が急激に広くなることが分かる(
図12中の幅C参照)。従って、可動部120の遥動に伴う応力は、可動部120の幅が急激に広くなる位置(つまり、空隙部分124の頂点であって、
図12中の点線で示した丸印参照)に集中することになる。その結果、可動部120の遥動に伴う応力は、空隙部分124の頂点から離れた位置に形成されているリブ123(或いは、当該リブ123の付け根)に集中することがない。つまり、空隙部分124の頂点から離れた位置に形成されているリブ123(或いは、当該リブ123の付け根)に加わる応力が緩和される。
【0136】
  尚、上述したように、空隙部分124から見れば、リブ123(特に、第4リブ部分123−4)が形成されている領域部分は、実質的には、当該空隙部分124と比較して突き出している突出部分であるとも言える。そうすると、第2実施例のアクチュエータ2においてリブ123の付け根に加わる応力が緩和される理由は、第1実施例のアクチュエータ1においてリブ123の付け根に加わる応力が緩和される理由と実質的には同一であるとも言える。
【0137】
  尚、上述の説明では、空隙部分124が可動部120の回転軸(
図11のY軸)に沿った方向に向かって窪んでいる例を用いて説明を進めた。しかしながら、
図13(a)に示すように、空隙部分124は、可動部120の回転軸に近づく方向に向かって窪んでいてもよい。この場合であっても、可動部120の遥動に伴ってリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力が緩和される。
【0138】
  或いは、
図13(b)に示すように、空隙部分124は、可動部120の回転軸から離れる方向に向かって窪んでいてもよい。この場合であっても、可動部120の遥動に伴ってリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力が緩和される。更に、この場合には、空隙部分124が可動部120の回転軸から離れる方向に向かって窪んでいない場合と比較して、リブ123を、トーションバー230と可動部120との接続部分からできるだけ離れた領域部分に形成しやすくなる。この点からも、可動部120の遥動に伴ってリブ123と可動部120との接続部分に加わる応力が緩和される。
【0139】
  (3)第3実施例
  続いて、
図14を参照して、第3実施例のアクチュエータ3について説明する。
図14は、第3実施例のアクチュエータ3が備える可動部120の下面の一部を拡大して示す下面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1又は第2実施例のアクチュエータ2が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
【0140】
  図14に示すように、第3実施例のアクチュエータ3は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、可動部120が、一又は複数の突出部分122に加えて、一又は複数の空隙部分124を備えているという点で異なっている。言い換えれば、第3実施例のアクチュエータ3は、第2実施例のアクチュエータ2と比較して、可動部120が、一又は複数の空隙部分124に加えて、一又は複数の突出部分122を備えているという点で異なっている。第2実施例のアクチュエータ2のその他の構成要素については、第1実施例のアクチュエータ1のその他の構成要素と同一であってもよい。
【0141】
  このような第3実施例のアクチュエータ3によれば、第1実施例のアクチュエータ1及び第2実施例のアクチュエータ2が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。つまり、可動部120の遥動に伴ってリブ123の付け根に加わる応力を緩和することができる。言い換えれば、可動部120の遥動に伴うリブ123の付け根における応力の集中を緩和することができる。
【0142】
  (4)第4実施例
  続いて、
図15及び
図16を参照して、第4実施例のアクチュエータ4について説明する。
図15は、上面側から観察した第4実施例のアクチュエータ4の構成の一例を示す平面図である。
図16は、下面側から観察した第4実施例のアクチュエータ4の構成の一例を示す平面図である。尚、
図15及び
図16では、X軸、Y軸及びZ軸によって規定される仮想的な3次元空間を用いながら、アクチュエータ4の説明を進める。尚、第1実施例のアクチュエータ1が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
【0143】
  図15及び
図16に示すように、第4実施例のアクチュエータ4は、可動部120の2軸駆動を行う第1実施例のアクチュエータ1と比較して、可動部120の1軸駆動を行うという点で異なっている。具体的には、第4実施例のアクチュエータ4は、外側支持体110と、一対のトーションバー230と、可動部120と、駆動コイル140と、一対の永久磁石160と、一対の電源端子170とを備えている。また、
図15に示すように、可動部120の上面(例えば、表側の面)には、ミラー121が形成されている。また、
図15及び
図16に示すように、可動部120は、一又は複数の突出部分(
図15及び
図16に示す例では、4つの突出部分)122を備えている。また、
図16に示すように、可動部120の下面(例えば、裏側の面)には、突出部分122上にまで延伸するようにリブ123が形成されている。つまり、第4実施例のアクチュエータ4は、一対のトーションバー130と、内側支持体210とを備えていないという点で、第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。
【0144】
  このような第4実施例のアクチュエータ4が動作する(具体的には、可動部120が遥動する)場合には、まず、電源から、電源端子170及び配線150を介して、駆動コイル140に対して制御電流が供給される。このとき駆動コイル140に対して供給される制御電流は、可動部120を遥動させるための信号(具体的には、可動部120の遥動の周期に同期した信号)を含む電流であることが好ましい。一方で、駆動コイル140には、一対の永久磁石160によって静磁界が印加されている。従って、駆動コイル140には、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因した力(つまり、ローレンツ力)が生ずる。その結果、駆動コイル140が形成されている可動部120は、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因したローレンツ力によって遥動する。つまり、可動部120は、
図15及び
図16におけるX軸を回転軸として回転するように遥動する。
【0145】
  このように、第4実施例のアクチュエータ4によれば、可動部120の1軸駆動が行われる。そして、可動部120の1軸駆動を行うアクチュエータ4であっても、可動部120が突出部分122を備え且つ突出部分122上にまで延伸するようにリブ123が形成されているため、第1実施例のアクチュエータ1が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
【0146】
  尚、第4実施例のアクチュエータ4においても、第2実施例のアクチュエータ2と同様に、可動部120は、一又は複数の突出部分122に代えて一又は複数の空隙部分124を備えていてもよい。或いは、第4実施例のアクチュエータ4においても、第3実施例のアクチュエータ2と同様に、可動部120は、一又は複数の突出部分122に加えて一又は複数の空隙部分124を備えていてもよい。
【0147】
  尚、第1実施例から第4実施例で説明した各構成の一部を適宜組み合わせてもよい。この場合であっても、第1実施例から第4実施例で説明した各構成の一部を適宜組み合わせることで得られるアクチュエータは、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0148】
  本発明は、前述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うアクチュエータもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。