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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-186723(P2016-186723A)
(43)【公開日】2016年10月27日
(54)【発明の名称】商品・役務提供装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20160930BHJP
   G07F 17/26 20060101ALI20160930BHJP
【FI】
   G07F9/00 Z
   G07F17/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-66762(P2015-66762)
(22)【出願日】2015年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】511256200
【氏名又は名称】株式会社e−Junction
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】浅田 正之
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044AA05
3E044CA02
3E044DA05
(57)【要約】
【課題】利用者にとって普段購入している商品や普段提供を受けている役務を容易に購入したり提供を受けたりする。
【解決手段】本発明の一実施形態として、受付処理部と、設定情報取得部と、提供処理部とを備える商品・役務提供装置が提供される。受付処理部は、対価の支払いに対して提供される商品・役務の選択情報および認証情報を受信する。設定情報取得部は、受付処理部により認証情報が受信されると、受信された認証情報に関連付けて記憶されている設定情報を取得する。提供処理部は、設定情報取得部により取得された設定情報により指定される商品または役務を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対価の支払いに対して提供される商品・役務の選択情報および認証情報を受信する受付処理部と、
前記受付処理部により認証情報が受信された場合、前記認証情報に関連付けて記憶されている設定情報を取得する設定情報取得部と、
前記認証情報の取得回数に応じて、前記設定情報取得部により取得された設定情報により指定される商品または役務を提供する提供処理部と
を備える商品・役務提供装置。
【請求項2】
前記設定情報には、前記提供処理部により提供される商品または役務の提供に対する対価の決済のための情報を含む請求項1に記載の商品・役務提供装置。
【請求項3】
前記受付処理部により受信された認証情報により、利用者の認証を行う認証部を有し、
前記設定情報取得部は、前記認証部による認証が成功した場合に前記設定情報を取得する請求項1または2に記載の商品・役務提供装置。
【請求項4】
前記設定情報は、商品・役務提供装置の識別情報にも関連付けて記憶されており、
前記設定情報取得部は、前記受付処理部により受け付けられた認証情報および商品・役務提供装置の識別情報に関連付けられて記憶されている設定情報を取得する請求項1から3のいずれか一に記載の商品・役務提供装置。
【請求項5】
前記設定情報は、商品・役務提供装置と通信回線を介して通信可能なサーバに認証情報および商品・役務提供装置の識別情報に関連付けられて記憶され、
設定情報取得部は、前記通信回線を介して前記サーバに設定情報の要求を行い、設定情報を受信し取得する請求項4に記載の商品・役務提供装置。
【請求項6】
前記設定情報は、写真撮影遊戯装置における撮影画像の利用者の像を補正する情報を含む請求項1から5のいずれか一に記載の商品・役務提供装置。
【請求項7】
対価の支払いに伴い提供される商品・役務の選択情報および認証情報を読み取る読取装置および提供処理装置が接続されたコンピュータに、
前記読取装置に、認証情報の読み取られると、前記読取をさせた認証情報に関連付けて記憶されている設定情報の取得をさせ、
前記認証情報の取得回数に応じて、前記取得をさせた設定情報により指定される商品または役務の提供を前記提供処理装置にさせるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、商品・役務提供装置などに関する。特に、自動販売機などに用いて動作させることが可能な商品・役務提供装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の自動販売機が多数設置されている。このような自動販売機は、購入者の操作のみにより物品が販売できるので、販売を行う人を配置する必要がなく、販売に伴う人件費を圧縮することができる。また、1台の自動販売機により複数の商品が販売可能であるので、購入者の希望する商品が販売されていないという機会損失を小さくすることができ、売上額を向上させることもできる。
【0003】
物品の自動販売機に加えて、例えば空港の待合室や銭湯などにはマッサージ機などに代表される役務の自動提供装置が設置されており、マッサージ機の場合には利用者が対価を支払うことによりマッサージという役務が提供される。このような役務の自動提供装置も購入者の操作のみにより物品が販売できるので、人件費を圧縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−18357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、物品の自動販売機においては多数の商品が販売されるので、購入しようとする者にとっては、どの商品を購入するべきか迷う場合が多い。また、役務の自動提供装置においても、例えば、マッサージ機の種々の設定を行う必要があり、複雑な操作が利用者に要求される。このため、自動販売機、自動提供装置の利用が控えられる場合がある。
【0006】
本願発明は、以上の諸事情などに鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態として、受付処理部と、設定情報取得部と、提供処理部とを備える商品・役務提供装置が提供される。受付処理部は、対価の支払いに伴い提供される商品・役務の選択情報および認証情報を受信する。設定情報取得部は、受付処理部により認証情報が受信された場合、前記認証情報に関連付けて記憶されている設定情報を取得する。提供処理部は、前記認証情報の取得回数に応じて、設定情報取得部により取得された設定情報により指定される商品または役務を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態として、認証情報を読み取る読取装置および提供処理装置が接続されたコンピュータを、受付処理部と、設定情報取得部と、提供処理部とを備える商品・役務提供装置として動作させるためのプログラムが提供される。すなわち、対価の支払いに伴い提供される商品・役務の選択情報および認証情報を読み取る読取装置および提供処理装置が接続されたコンピュータに、読取装置に、選択情報または認証情報の読み取りをさせ、読取をさせた情報が認証情報である場合に、その認証情報に関連付けて記憶されている設定情報の取得をさせ、前記認証情報の取得回数に応じて、前記取得をさせた設定情報により指定される商品または役務の提供を前記提供処理装置にさせるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、利用者にとって普段購入している商品や普段提供を受けている役務を容易に購入したり提供を受けたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置の機能ブロック図である。
図2】本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置が使用するデータ構造の一例図である。
図3】(A)本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を用いて構成される自動販売機の外観の一例図である。(B)本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を用いて構成される自動販売機の外観の一例図である。
図4】本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置の処理を含む処理のフローチャートである。
図5】(A)本願発明の一実施に係る写真撮影遊戯装置の各空間の構成を示す図である。(B)本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置の斜視図である。
図6】(A)本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置の受付空間に表示される画面の一例図である。(B)本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置の受付空間に表示される画面の一例図である。(C)本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置の受付空間に表示される画面の一例図である。
図7】本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願発明を実施するための形態について、実施形態および実施例を用いて説明する。なお、本願発明は、以下に説明する実施形態および実施例に限定して解釈されることはない。本願発明は、以下に説明する実施形態を種々に変形して実施することが可能である。
【0012】
図1は、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置の機能ブロック図である。商品・役務提供装置10は、受付処理部11、認証部12、設定情報取得部13、提供処理部14を有する。
【0013】
受付処理部11は、商品・役務提供装置10の利用者からの操作の受け付けの処理を行う。この受け付けの処理には、利用者が購入または提供を受けたい商品または役務の選択が受け付けられる。例えば、従来の自動販売機のように、商品に対応しているボタンの押下を検出する。また、どのような役務をどのような形態で受けたいかの設定の操作を検出する。
【0014】
さらに本願発明の一実施形態においては、受付処理部11は、認証情報を受信する。認証情報は、利用者の所持する携帯端末やICカードなどから受信する。この場合、携帯端末は、NFC(Near Field Communication)の機能などを有しており、受付処理部11と近距離無線通信が可能である。携帯端末は、近距離無線通信を用いて、受付処理部11に認証情報を含む認証情報を送信する。識別情報は、例えば、利用者を認証するための情報である。また、利用者がICカードを利用する場合には、ICカードにRFID(Radio Frequency Identifier)機能が備わっており、ICカードは、携帯端末と同様に、受付処理部11に認証情報を送信する。
【0015】
受付処理部11が、携帯端末やICカードなどから認証情報を受信すると、その認証情報を認証部12に転送する。
【0016】
認証部12は、受付処理部11から転送された認証情報を用いて、認証を行う。この場合、携帯端末やICカードなどを所持している利用者を認証する。これにより本人が認証情報を受付処理部11に受信させたことが確認される。例えば、PINを更に受信し、認証する。認証部12は、受付処理部11から転送された認証情報などが、あらかじめ登録されている情報と適合しているかどうかを判断する。この場合、あらかじめ登録されている情報は、商品・役務提供装置10が有する記憶装置(図示せず)に記憶されていてもよいし、商品・役務提供装置10と通信が可能なサーバなどに記憶されていてもよい。後者の場合には、認証部12は、受付処理部11から転送された認証情報をサーバに転送し、サーバに認証を行わせてその結果を受信する。あるいは、受付処理部11から転送された認証情報の一部を送信し、受付処理部11から転送された認証情報に関連する情報を要求し、返信される認証情報などを用いて認証を行う。
【0017】
また、認証部12は、受付処理部11から転送された認証情報が電子証明書により署名がされていれば、その署名が正しいかどうかによって認証を行うことができる。
【0018】
認証部12により認証が成功すると、認証部12は、認証が成功した旨の情報と受付処理部11から転送された認証情報に含まれまたは関連付けて記憶されている識別情報を受付処理部11に転送する。ここに識別情報とは利用者の識別情報であったり、携帯端末やICカードなどの物の識別情報であったりする。
【0019】
受付処理部11が、認証部12から認証が成功した旨の情報と識別情報の転送を受けると、識別情報を設定情報取得部13に転送する。
【0020】
設定情報取得部13は、受付処理部11から転送された識別情報の転送を受けると、その識別情報に関連付けて、設定情報が記憶されているかどうかを判断する。設定情報は、商品・役務提供装置10が有する記憶装置に記憶されていてもよいし、商品・役務提供装置10と通信が可能なサーバなどに記憶されていてもよい。後者の場合には、商品・役務提供装置10は、サーバに利用者の識別情報を送信し、識別情報に関連付けて、設定情報が記憶されているかどうかの判断を依頼する。
【0021】
図2は、識別情報と、設定情報とを関連付けて格納するテーブルのデータ構造の一例を示す。例えば、識別情報が5678であれば、Dが設定情報として関連付けられている。このようなデータ構造により、識別情報に関連付けて、設定情報が記憶されているかどうかの判断を行うことができ、また、識別情報に関連付けて、設定情報が記憶されていれば、その設定情報を取得することができる。
【0022】
設定情報とは、利用者があらかじめ商品・役務提供装置10から提供を受けたい商品や役務を指定する情報を含む。例えば、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を用いる飲料の自動販売機であれば、特定の銘柄、また必要であれば容量の飲料を指定する情報を含む。また、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を用いるマッサージ機であれば、マッサージの強さ、マッサージの継続時間やマッサージを行う部位を指定する情報を含む。
【0023】
もし、利用者の識別情報に関連付けて、設定情報が記憶されていれば、設定情報取得部は、設定情報を読み出したりサーバより受信したりして取得する。
【0024】
なお、設定情報は、認証情報の利用者、携帯端末またはICカードなどの識別情報に関連づけられているとともに、さらに、商品・役務提供装置10の識別情報とも関連づけて記憶されていてもよい。この場合、サーバは、識別情報および商品・役務提供装置10のIDに関連付けられた設定情報が記憶されているかどうかの判断をし、そのような設定情報が記憶されていれば、商品・役務提供装置10に返信することができる。これにより、一つの利用者、携帯端末またはICカードの識別情報に、複数の商品・役務提供装置10の識別情報ごとの設定情報を関連づけることができ、それぞれの商品・役務提供装置10において、異なる商品・役務が提供される場合に対応することができる。。また、ある商品・役務提供装置10では提供可能な商品・役務が別の商品・役務提供装置10では提供できない場合に、代替として提供する商品・役務を指定することができる。
【0025】
なお、設定情報は、認証情報の利用者、携帯端末またはICカードなどの識別情報に関連づけられていたり、認証情報に含まれていたりしてもよい。この場合、認証部12は、認証に成功した旨の情報と、設定情報を受付処理部11に転送し、受付処理部11は、設定情報取得部13に転送し、設定情報取得部13が、設定情報を取得する。
【0026】
設定情報は、認証情報の利用者、携帯端末またはICカードの識別情報に関連づけられているとともに、さらに、商品・役務提供装置10の識別情報とも関連づけて記憶される場合には、設定情報は、商品・役務提供装置10と通信回線を介して通信可能なサーバに記憶されていることが好ましい。この場合、設定情報取得部13は、通信回線を介してサーバに認証情報の利用者、携帯端末またはICカードの識別情報および商品・役務提供装置10の識別情報を送信して、設定情報を要求する。設定情報がサーバに記憶されていれば、設定情報取得部13は、サーバより設定情報を受信する。
【0027】
設定情報取得部13が、設定情報を取得すると、設定情報を提供処理部14に転送する。
【0028】
提供処理部14は、設定情報取得部13より設定情報の転送を受けると、設定情報に従った商品や役務の提供を行う。例えば、設定情報により指定された銘柄の飲料を利用者に提供したり、設定情報により指定されるマッサージの強さ、継続時間やマッサージを行う部位によりマッサージを行ったりする。
【0029】
以上のように、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置によれば、利用者は、携帯端末の情報やICカードなどを読み取らせることにより、提供される商品や役務の指定を行うことができる。これにより、利用者は、煩雑な操作から解放される。
【0030】
なお、設定情報には、商品・役務の提供についての対価の決済のための情報が含まれていてもよい。例えば、提供処理部14により、商品や役務の提供がされると、設定情報に含まれる対価の決済の情報を用いて、決済が行われる。設定情報に含まれる対価の決済の情報の一例としては、クレジットカード情報などを挙げることができる。
【0031】
図3は、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を使用して構成した自動販売機の外観の一例を示す。図3(A)において、自動販売機30は、購入可能な商品を陳列している部分31と、商品を購入するためのボタンを配置している部分32とを有している。商品を購入する利用者は、例えば、部分31に陳列されている商品の下に配置されているボタンを押すことにより、商品を選択することができる。また、商品の対価は、硬貨投入口33に投入することができる。したがって、利用者は、通常の自動販売機のように、硬貨を商品の対価として投入し、商品を選択するボタンを押すことにより、商品を購入することができる。
【0032】
また、ディスプレイ35に「商品ボタン」に加えて「携帯でタッチ」と表示されているように、利用者は、携帯端末を読取装置34にかざすなどすることにより、携帯端末の有するNFC機能などを用いて、受付処理部11に送信する識別情報を読み取らせて、受付処理部11に認証情報を送信することができる。
【0033】
上述したように、認証部12が、受付処理部11から転送された認証情報を用いて認証を行い、認証が成功すれば、設定情報取得部13は、設定情報が記憶されているかどうかを判断し、記憶されていれば、設定情報を取得する。
【0034】
設定情報取得部13が設定情報を取得すると、図3(B)に示すように、ディスプレイ35に「いつもの?」というような質問を表示するようにしてもよい。この表示を見た利用者が、これでよいと考えれば、「OK」37が表示されているボタンを押下し、そうでなければ、「NG」38が表示されているボタンを押下する。利用者が「OK」37が表示されているボタンを押下すると、設定情報が提供処理部14に転送され、提供処理部14は、商品を商品取り出し口36に送出する。また、利用者が「NG」38が表示されているボタンを押下すると、商品の購入はキャンセルされる。あるいは、利用者は、設定情報に指定されていない商品を選択することができる。この場合、設定情報に代金の決済のための情報が含まれていれば、その情報を用いて決済が行われてもよい。
【0035】
また、「OK」37が表示されているボタンおよび「NG」38が表示されているボタンを用いることに替え、利用者が携帯端末やICカードなどを一度、読取装置34から離し、再度、携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざして再度、認証情報を読み取らせることにより、「OK」37が表示されているボタンが押下されることと同じ結果が得られるようになっていてもよい。また、利用者が携帯端末やICカードなどを一度、読取装置34から離し、その後所定の時間内に携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざして認証情報を読み取らせなければ、「NG」38が表示されているボタンが押下されることと同じ結果が得られるようになっていてもよい。
【0036】
また、所定の時間内に携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざした回数に応じて、「OK」37が表示されているボタンが押下されたか、「NG」38が表示されているボタンが押下されることと同じ結果が得られるようになっていてもよい。例えば、偶数回かざすことによって、「OK」37が表示されているボタンが押下されることと同じ結果が得られ、奇数回かざすことによって、「NG」38が表示されているボタンが押下されることと同じ結果が得られるようになっていてもよい。携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざした回数は、読取装置34が、何回同じ認証情報を読み取ることができたかどうかにより検出することもできる。例えば、携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざすと、認証情報が読み取られ、「いつもの?」というような質問が表示される。利用者は、もう一度携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざして認証情報が読み取られると、「OK」37が表示されたボタンが押下されることと同じ結果が得られる。しかし、再度携帯端末やICカードなどを読取装置34にかざして認証情報が読み取られなければ、タイムアウトが発生し「NG」38が表示されているボタンが押下されたり、認証情報の読み取りのキャンセルがされたりしたのと同じ結果が得られる。あるいは、商品などに対応したボタンを押下し、「NG」38が表示されているボタンが押下されたのと同じ結果が得られる。このように、かざした回数または/および認証情報の読取回数を検出することにより、利用者は、ボタンを押下することなく、携帯端末やICカードなどを所持したまま、操作を行うことができる。
【0037】
このように、自動販売機30は、通常、商品(役務)の選択のためにボタンなどの操作を行う代わりに、携帯端末の情報やICカードなどを読み取らせることにより、提供される商品や役務の指定を行うことができる。もちろん、携帯端末の情報やICカードなどを所持していなくても、通常の自動販売機のように、商品(役務)の選択のためにボタンなどの操作を行い、対価の硬貨や紙幣の投入を行って、商品(役務)の提供を受けることができる。ただし、携帯端末の情報やICカードなどを読み取らせるときと、商品(役務)の選択のためにボタンなどの操作が行われるときとは、異なる時である。すなわち、自動販売機30は、対価の支払いに伴い提供される商品・役務の選択情報と認証情報とを異なる時に取得ないし受信する。もし、認証情報が取得ないし受信された場合には、その認証情報に関連付けて記憶されている設定情報を取得し、取得された設定情報により指定される商品または役務を提供することになる。
【0038】
図4は、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を使用して構成した自動販売機の処理のフローチャートを示す。したがって、このフローチャートには、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置の処理が含まれている。ステップS41の処理として、商品・役務ボタンが押下されたかどうかを判断する。商品・役務ボタンは、図3の部分32に配列されているボタンに相当する。
【0039】
もし、商品・役務ボタンが押下されれば、代金の収受をしているかどうかをステップS42の処理として判断し、代金の収受がされていれば、ステップS47に処理を移行させ、商品・役務の提供を行う。また、ステップS42の処理において、代金の収受がおこなわれていなければ、ステップS41へ戻る。
【0040】
ステップS41の処理において、商品・役務ボタンが押下されたのではなく、携帯端末やICカードから送信された認証情報を受付処理部11が受信したと判断される場合には、ステップS43の処理へ移行し、認証部12による認証が成功したかどうかを判断する。認証部12により認証が成功しなければ、ステップS41へ処理を戻す。また、認証部12により認証が成功すれば、ステップS44に処理を移行させ、設定情報取得部13が、設定情報が記憶されているかどうかを判断する。もし、記憶されていれば、ステップS45へ処理を移行させ、設定情報を読み出し、ステップS47へ処理を移行させ、提供処理部14により、商品・役務の提供を行う。また、ステップS44において設定情報が記憶されていなければ(いいかえると、デフォルト(いつもの)商品・役務を指定する設定情報が記憶されていなければ)、例えばステップS46に処理を移行させ、商品・役務の選択を受け付け、選択が受け付けられた商品・役務をステップ47において提供することができる。
【0041】
なお、ステップS44において、自動販売機が、設定情報により指定されている商品を販売していなかったり、品切れになっていたりしている場合にも、ステップS46へ処理を移行させることができる。
【0042】
(実施例)
以下、本願発明の一実施形態に係る商品・役務提供装置を、写真撮影遊戯装置に用いて構成した場合の実施例について説明する。すなわち、本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置について説明する。
【0043】
図5(A)は、写真撮影遊戯装置が、仕切り壁やカーテンなどを用いて提供する空間の構成を示す。写真撮影遊戯装置100は、空間として、受付空間101と、撮影空間102と、編集空間1(103)と、編集空間2(104)とを提供する。利用者(一人または複数人)は、まず、受付空間101において受付を行う。受付空間101における受付において、例えば、利用者は、後に撮影空間102において撮影して得られる撮影画像に対する補正の内容、程度(顔の肌を白めにすることや、眼の大きさを実際よりも大きくする)を指示したり、撮影した画像をサーバからダウンロードするための情報(例えば、撮影した画像のURLや、ダウンロードする際の認証情報(パスワード))を送付するための利用者のメールアドレス、携帯電話の番号、SNS(Social Network System)における利用者IDなどを入力したりする。
【0044】
なお、利用者は、携帯端末やICカードなどから認証情報を写真撮影遊戯装置100の読取装置にかざして、認証情報を読み取らせ、受付処理部11に認証情報を受信させ、認証部12による認証の後、設定情報取得部13により設定情報を取得させることができる。この場合、設定情報には、補正の内容、程度を示す情報や、撮影した画像をサーバからダウンロードするための情報を送付するための利用者のメールアドレス、携帯電話の番号、SNSにおける利用者IDなどが含まれるようにすることができる。これにより、利用者は、入力の手間を省くことができる。写真撮影遊戯装置100の仕様やバージョンの違いにより、写真撮影遊戯装置100への入力や操作の仕方が違っていても、利用者は入力や操作の違いを意識する必要がなくなる。
【0045】
受付空間101における受付の後に、利用者は撮影空間102に移動し、利用者自身の撮影を行う。複数の利用者が1つの団体として写真撮影遊戯装置100を利用する場合には、撮影空間102において、その団体の複数の利用者の撮影を行うことができる。この場合、それぞれの撮影画像は、複数の利用者をカメラにより同時に撮影することにより得ることができる。撮影空間102における撮影が終了すると、利用者は、他の利用者が利用していない編集空間1(103)と編集空間2(104)とのいずれかに移動を行い、撮影空間102において撮影された撮影画像に基づいて生成画像を生成する。すなわち、撮影画像に文字を書き入れたりマークを書き入れたりする編集などの加工を行い、生成画像を生成する。編集などの加工が終われば、図示されていない印刷装置により、生成画像をシールなどに印刷することができる。また、生成画像を写真撮影遊戯装置100からネットワークを介してサーバにアップロードすることができる。
【0046】
なお、利用者が写真撮影遊戯装置100の利用を開始してから、生成画像の印刷やサーバへのアップロードが行われるまでの間に、利用者に課金が行われる場合には、利用者はその課金に対する対価の支払いを行う。この対価の支払に関する情報を設定情報に含ませることにより、対価の決済を自動的に行うこともできる。
【0047】
図5(B)は、本発明の一実施形態に係る写真撮影遊戯装置100の斜視図である。写真撮影遊戯装置100は、区画111と区画112と区画113とを有している。区画111と区画112と区画113とのそれぞれは、出入口114、115および116が例えばカーテンにより仕切られ、区画111と区画112と区画113との間は例えば壁によって仕切られている。
【0048】
また、図1(B)においては、区画111から見て区画112および区画113とは反対側の壁面110は、受付空間101を形成している。すなわち、壁面110には、ディスプレイ110−1とカメラ110−2とが配置されている。利用者は、ディスプレイ110−1に表示された内容に対して、図示されない入力装置を用いて入力を行い、指示を行う。あるいは、ディスプレイ110−1はタッチパネルと一体化されており、利用者がディスプレイ110−1にタッチすることで、指示を行うことができる。
【0049】
カメラ110−2は、必須の構成ではないが、受付時の利用者それぞれを撮影する。これにより、利用者ごとに人物の認識をするための情報と受付時に受け付けた補正の内容、程度などを表わす補正に関する情報とを関連付けて記憶する。その後、撮影空間102において撮影がされると、撮影した画像に撮影された利用者それぞれを、利用者の人物の認識をするための情報を用いて認識し、利用者ごとに受付時に受け付けられた補正などを施すために用いられる。利用者の人物の認識をするための情報としては、利用者の目や鼻などの位置関係などから得られる顔の特徴情報を抽出し、画像に写っている人物の像がその利用者の像であるかどうかを判断するデータを用いることができる。また、利用者の服装の色などのデータも用いることできる。
【0050】
区画111が撮影空間102に対応している。区画111の内部には、撮影用のカメラと、利用者に撮影時にとるポーズなどの指示を行ったり、カメラにより撮影された画像を表示したりするための表示装置と、表示装置の表示に指示を行うなどの入力装置が備えられている。また、必要に応じては、フラッシュなどの照明機器も備えられている。また、利用者の気分を盛り上げるなどのための音楽の再生のためのスピーカーなども備えられていてもよい。なお、表示装置にタッチパネルを備えることにより、表示装置と入力装置とが一体になっていてもよい。
【0051】
利用者が区画111において撮影を終了すると、表示装置などに表示された指示やスピーカーから再生される音声の指示などにより、編集空間1(103)に対応する区画112または編集空間2(104)に対応する区画113に移動する。区画112および区画113のそれぞれには、表示装置と入力装置とが備えられている。表示装置と入力装置とは一体となっていてもよい。利用者は、区画112または区画113の表示装置に、区画111において撮影された撮影画像を表示し、複数の撮影画像があれば、その中から選択を行う。また、撮影画像に背景画像を付加したり、入力装置を用いて撮影画像に様々な文字、模様などの部分画像の付加を行ったりする加工などの作業を行い、生成画像を生成する。言い換えると撮影画像に基づいて生成画像が生成される。
【0052】
利用者は、区画112または区画113における作業を終えると、区画112または区画113や他の場所に備えられた印刷装置に編集画像を印刷して出力する。あるいは、ネットワークを介してサーバに生成画像がアップロードされる。サーバに生成画像がアップロードされる際には、撮影画像に背景画像を付加したり、入力装置を用いて撮影画像に様々な文字、模様などの部分画像の付加を行ったりする前の撮影画像もアップロードされてもよい。
【0053】
図6は、本願発明の一実施形態に係る写真撮影遊戯装置100の受付空間101に表示される画面の一例を示すための図である。図2(A)において、壁面110に備えられた表示装置110−1に、「会員の人」201の表示がされているボタンと、「一般の人」202の表示がされているボタンとが表示されている。「会員の人」201の表示されているボタンは、利用者がすでに会員登録をしている場合に押下するボタンであり、「一般の人」202の表示がされているボタンは、そうでない場合に押下するボタンである。
【0054】
図6(B)は、「会員の人」201の表示されているボタンが押下された場合に、次に受付空間に表示される画面の一例である。会員番号を入力するためのフィールド203およびパスワードを入力するためのフィールド204が表示される。そこで、会員である利用者は、フィールド203およびフィールド204に入力を行い、「OK」が表示されたボタンを押下する。あるいは、会員である利用者は、フィールド203およびフィールド204に入力を行うかわりに、NFC機能などを有する携帯端末やICカードなどを読取装置110−3にかざすこともできる。これにより、会員番号およびパスワードと同等の情報が写真撮影遊戯装置100に入力される。
【0055】
図6(C)は、会員番号およびパスワードまたはそれと同等の情報により、認証が終了し、会員である利用者が特定された場合に、受付空間に表示される画面の一例である。会員の名称が認証情報に関連付けられた情報により「キララ」であることが判明すれば、図6(C)のように「ようこそキララさん」という表示を行うことができる。また、会員であれば、撮影画像のうち自身が撮影される像に対する補正の内容、程度を表わす補正に関する情報が認証情報と関連付けて記憶されている場合には、「いつもの補正」205が表示されたボタンを押下することにより、認証情報と関連付けて記憶されている補正の内容、程度を示す情報が用いられることになる。この利用者が上述の利用者Aであれば、IAは、認証情報と関連付けて記憶されている情報となる。また、今回は、認証情報と関連付けて記憶されている補正の内容、程度を示す情報とは別のものを使用したい場合には、「今回は別の補正」206が表示されたボタンを押下することにより、今回限りで使用する補正の内容、程度を指定することが可能である。また、今回限りで使用する補正の内容、程度を登録することにより、次に写真撮影遊戯装置100を利用するときのために設定情報を更新するようになっていてもよい。
【0056】
図7は、本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置100のハードウェア構成図を示す。ハードウェア構成としての本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置800は、CPU801、ROM802、RAM803、HDD804、入出力装置805、通信装置806、撮影装置0(811)、表示装置0(812)、入力装置0(813)、撮影装置1(815)、表示装置1(816)、入力装置1(817)、表示装置2(819)、入力装置2(820)、表示装置3(822)、入力装置3(823)および印刷装置824を有し、相互にバスやケーブル、無線通信手段により接続がされている。
【0057】
ここに、撮影装置0(811)、表示装置0(812)および入力装置0(813)は、受付空間101に配置される受付空間ユニット810を構成し、撮影装置1(815)、表示装置1(816)および入力装置1(817)は、撮影空間102に配置される撮影空間ユニット814を構成し、表示装置2(819)および入力装置2(820)は、編集空間1(103)に配置される第1の編集空間ユニット818を構成し、表示装置3(822)および入力装置3(823)は、編集空間2(104)に配置される第2の編集空間ユニット821を構成する。なお、入力装置0(813)には、読取装置110−3が含まれるとすることができる。また、第1の編集空間ユニット818、第2の編集空間ユニット821が提供処理部14の一形態であるとすることもできる。
【0058】
受付空間101における処理は、主に、受付空間ユニット810と後述のプログラムとにより、実現することができ、撮影空間102における処理、主に、撮影空間ユニット814と後述のプログラムとにより、実現することができ、編集空間1(103)、2(104)における処理は、主に、第1の編集空間ユニット818、第2の編集空間ユニット821および後述のプログラムとにより、実現することができる。なお、後述のプログラムは、複数のモジュールやサブプログラムなどから構成され、それぞれのモジュールやサブプログラムは、受付空間101、撮影空間102、編集空間1(103)、2(104)における処理のいずれかを実現するために構成されていてもよい。
【0059】
CPU801は、電源投入時に、ROM802に記憶されたプログラムを実行し、HDD804などに記憶されているプログラムを読み出し、RAM803に展開し、また、RAM803を一時作業領域として用いて、プログラムを実行する。これにより、ハードウェア構成としての写真撮影遊戯装置800にプログラムの実行により提供される機能を付加し、本願発明に係る商品・役務提供装置を利用した写真撮影遊戯装置100が実現される。
【0060】
入出力装置805は、写真撮影遊戯装置800のメンテナンスを行ったり、プログラムを変更したり、各部の動作状況を管理するために用いる入出力装置である。例えば、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを含むことができる。
【0061】
通信装置806は、通信網を介してサーバと通信を行うための装置である。例えばネットワークインターフェースを構成する。また、写真撮影遊戯装置100が利用者の携帯端末と直接的に通信を行う場合には、携帯端末との通信を行うための装置としても機能する。
【0062】
また、RAM803、HDD804は、撮影装置1(815)により撮影された撮影画像を記憶するために用い、編集空間1(103)および2(104)において利用者が撮影画像を編集可能とする。
【0063】
言い換えると、ハードウェア構成としての本願発明の一実施例に係る写真撮影遊戯装置800は、コンピュータに、受付空間ユニット810、撮影空間ユニット814、第1の編集空間ユニット818、第2の編集空間ユニット821が接続された形態となっている。
【符号の説明】
【0064】
10 商品・役務提供装置、11 受付処理部、12 認証部、13 設定情報取得部、14 提供処理部
図1
図2
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図4
図5
図6
図7