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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-187991(P2016-187991A)
(43)【公開日】2016年11月4日
(54)【発明の名称】車両の前輪懸架構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20161007BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20161007BHJP
   B60G 7/00 20060101ALI20161007BHJP
【FI】
   B62D21/00 A
   B62D25/20 C
   B60G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-68204(P2015-68204)
(22)【出願日】2015年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】谷田 純児
(72)【発明者】
【氏名】水口 健夫
(72)【発明者】
【氏名】安田 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】板垣 智紀
【テーマコード(参考)】
3D203
3D301
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA13
3D203BA15
3D203BB16
3D203BB17
3D203BB20
3D203BB22
3D203CA23
3D203CA28
3D203CA53
3D203CB03
3D203CB09
3D203CB19
3D203DA02
3D203DA11
3D203DA15
3D203DA22
3D203DA83
3D203DB07
3D301AA59
3D301AA72
3D301AB29
3D301CA09
3D301CA45
3D301CA46
3D301DA90
3D301DB13
3D301DB19
3D301DB22
3D301DB60
(57)【要約】
【課題】衝突時の荷重を効率よくサイドメンバに伝達する。
【解決手段】車両の前突時、サイドメンバ12から入力した荷重は、サブフレーム22を介してサスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端の前部1804に作用し、これによりサスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端の前部1804は後方に変形する。また、前輪16に入力した荷重によりロアアーム20は、前取り付け部2002を支点として後取り付け部2004が車幅方向内側に揺動しようとする。ロアアーム20の後取り付け部2004の車幅方向内側に、リンフォース36が位置しているため、ロアアーム20の後取り付け部2004がリンフォース36に当接し、ロアアーム20の車幅方向内側への変位が抑制される。したがって、車両10の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することが抑制される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに上下に間隔をおいたロアメンバプレートとアッパメンバプレートの縁部が合わされることで構成され、左右の前輪の間で車幅方向に延在し、その車幅方向両端において車両前後方向の両端がサイドメンバに取着され、前記車幅方向両端において車両前後方向の中間部に車幅方向外方に向けられた開口を有するサスペンションクロスメンバと、
車幅方向の外側の端部で前輪を支持し、車幅方向の内側の端部に前後に間隔をおいて前取り付け部と後取り付け部とが設けられたロアアームとを備え、
前記前取り付け部と前記後取り付け部とは、前記開口からロアメンバプレートとアッパメンバプレートとの間に挿入され、前記サスペンションクロスメンバにそれぞれ揺動可能に結合される、
車両の前輪懸架構造であって、
前記後取り付け部の車幅方向内側に、ロアメンバプレートとアッパメンバプレートとを連結し車両の前後方向に延在するリンフォースが設けられている、
ことを特徴とする車両の前輪懸架構造。
【請求項2】
前記後取り付け部の車両後方に、ロアメンバプレートとアッパメンバプレートとの少なくとも一方の縁部が上下方向に延在しそれらロアメンバプレートとアッパメンバプレートとを連結する連結壁として設けられ、
平面視した場合、前記連結壁は、前記リンフォースの車両後方に位置し、車両の前方に至るにつれて車幅方向内側に変位する傾斜で延在している、
ことを特徴とする請求項1記載の車両の前輪懸架構造。
【請求項3】
前記リンフォースの車両前方に位置する前記サスペンションクロスメンバの箇所に、ロアメンバプレートから起立しアッパメンバプレートを貫通して上方に延在しサイドメンバに取着されるブラケットが設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の車両の前輪懸架構造。
【請求項4】
前記リンフォースの車両前方で前記リンフォースの車幅方向内側に位置する前記サスペンションクロスメンバの箇所に、上下方向に延在してロアメンバプレートとアッパメンバプレートとを連結する補強部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の車両の前輪懸架構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の前輪懸架構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サスペンションクロスメンバに左右の前輪を支持するロアアームが揺動可能に結合された車両の前輪懸架構造が提供されている。
サスペンションクロスメンバは、軽量化などの観点から、アッパメンバプレートとロアメンバプレートとを重ね合わせてそれらの縁部が合わされることで閉断面構造を呈するように構成されている。
サスペンションクロスメンバは、左右の前輪の間で車幅方向に延在しその車幅方向両端の後部に車幅方向外方に向けられた開口が設けられ、その車幅方向の両端がサイドメンバに取着されている。
ロアアームの前輪を支持する側と反対側は、車両前後方向の前方に位置する前側アームと、後方に位置する後側アームとに分岐している。
前側アームはサスペンションクロスメンバの閉断面の外側でサスペンションクロスメンバの車幅方向両端の前部に前取り付け部を介して揺動可能に結合されている。
後側アームは開口からロアメンバプレートとアッパメンバプレートとの間に挿入され、サスペンションクロスメンバの車幅方向両端の後部に後取り付け部を介して揺動可能に結合されている。
このような構造では、車両制動時など、ロアアームを介して車両後方に向かう外力が前側アームおよび後側アームを介してサスペンションクロスメンバに作用する。
このような外力は、サスペンションクロスメンバの前部を回転させるようとする分力として作用し、このような分力が開口のうち前側アーム側の乖離開始点に作用することでアッパメンバプレートとロアメンバプレートとが剥がれることが懸念される。
そこで、特許文献1では、開口の乖離開始点におけるアッパメンバプレートとロアメンバプレートとの剥がれを抑制するために、アッパメンバプレートとロアメンバプレートとの間に、後側アームの支持点よりも車幅方向内側に設けられ、周縁が開口の前側アーム側の乖離開始点からアッパメンバプレートの内面およびロアメンバプレートの内面に沿って車両前後方向に向けて延び、かつ、アッパメンバプレートとロアメンバプレートとに接合されたリンフォースを設け、リンフォースを前側アーム側の乖離開始点の近傍でアッパメンバプレートとロアメンバプレートとに接合する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−203240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロアアームが前取り付け部と後取り付け部との2箇所でサスペンションクロスメンバに連結されている場合、車両前突時に、前輪に対して後方に向かう荷重が入力すると、ロアアームは前取り付け部を支点として車幅方向内側に揺動する。
車両前突時の荷重は、ロアアームからサスペンションクロスメンバを介して後方のサイドメンバに効率よく伝達されることが衝突エネルギーを車体で分散吸収する上で好ましい。
そのため、ロアアームの車幅方向内側への揺動を抑制すると、ロアアームに加わる荷重を後方のサイドメンバへより効率よく伝達する上で有利となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、衝突時の荷重を効率よくサイドメンバに伝達する上で有利な車両の前輪懸架構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、互いに上下に間隔をおいたロアメンバプレートとアッパメンバプレートの縁部が合わされることで構成され、左右の前輪の間で車幅方向に延在し、その車幅方向両端において車両前後方向の両端がサイドメンバに取着され、前記車幅方向両端において車両前後方向の中間部に車幅方向外方に向けられた開口を有するサスペンションクロスメンバと、車幅方向の外側の端部で前輪を支持し、車幅方向の内側の端部に前後に間隔をおいて前取り付け部と後取り付け部とが設けられたロアアームとを備え、前記前取り付け部と前記後取り付け部とは、前記開口からロアメンバプレートとアッパメンバプレートとの間に挿入され、前記サスペンションクロスメンバにそれぞれ揺動可能に結合される車両の前輪懸架構造であって、前記後取り付け部の車幅方向内側に、ロアメンバプレートとアッパメンバプレートとを連結し車両の前後方向に延在するリンフォースが設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記後取り付け部の車両後方に、ロアメンバプレートとアッパメンバプレートとの少なくとも一方の縁部が上下方向に延在しそれらロアメンバプレートとアッパメンバプレートとを連結する連結壁として設けられ、平面視した場合、前記連結壁は、前記リンフォースの車両後方に位置し、車両の前方に至るにつれて車幅方向内側に変位する傾斜で延在していることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記リンフォースの車両前方に位置する前記サスペンションクロスメンバの箇所に、ロアメンバプレートから起立しアッパメンバプレートを貫通して上方に延在しサイドメンバに取着されるブラケットが設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記リンフォースの車両前方で前記リンフォースの車幅方向内側に位置する前記サスペンションクロスメンバの箇所に、上下方向に延在してロアメンバプレートとアッパメンバプレートとを連結する補強部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、車両が前突することで車輪を介してロアアームに入力した荷重によりロアアームの後取り付け部が前取り付け部を支点として車幅方向内側に揺動しようとした場合、ロアアームの後取り付け部がリンフォースに当接し、ロアアームの車幅方向内側への変位が抑制される。
したがって、車両の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することが抑制される。
そのため、車両の前突によりサスペンションクロスメンバに伝達された荷重をサスペンションクロスメンバの車幅方向両端の後部から後方のサイドメンバに効率よく伝達する上で有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、車両の前突時、車幅方向内側に揺動するロアアームの後取り付け部からの荷重がリンフォースに加わりリンフォースが車幅方向内側に変位しようとした場合、リンフォースの後部が連結壁に当接することでリンフォースの後部の車幅方向内側への変位が抑制されるため、請求項1の効果を高める上で有利となる。
請求項3記載の発明によれば、車両の前突時、リンフォースの前部と後部とが、ブラケットと連結壁とで挟持され、リンフォースの車幅方向内側への変位がブラケットと連結壁とによってより効果的に阻止されるため、請求項1の効果を高める上で有利となる。
請求項4記載の発明によれば、車両の前突時、車幅方向内側に揺動するロアアームの後取り付け部からの荷重がリンフォースに加わりリンフォースが車幅方向内側に変位しようとした場合、リンフォースの前部が補強部材に当接することでリンフォースの前部の車幅方向内側への変位が抑制されるため、請求項1の効果を高める上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の車両の前輪懸架構造の側面図である。
図2】実施の形態の車両の前輪懸架構造を車両下方から見た図である。
図3】実施の形態の車両の前輪懸架構造の斜視図である。
図4】サスペンションクロスメンバの要部を示す斜視図である。
図5】サスペンションクロスメンバの一部を切り欠いた斜視図である。
図6】サスペンションクロスメンバからアッパメンバプレートを取り除いた状態を示す平面図であり、(A)は車両が前突する前の状態を示す図、(B)は車両が前突した後の状態を示す図である。
図7図6(A)のAA線図である。
図8図6(A)のBB線図である。
図9】サスペンションクロスメンバとステーとサイドメンバとの取り付け構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1から図9において、符号FRは車両前方、符号RRは車両後方、符号UPは車両上方、符号DOWNは車両下方、符号HLは車幅方向を示している。
図1図2図3に示すように、本発明が適用される車両10は、車幅方向に間隔をおいて車両10前後方向に延在する一対のサイドメンバ12と、車幅前後方向に間隔をおいて車幅方向に延在し一対のサイドメンバ12を連結する不図示の複数のクロスメンバと、本実施の形態に係る前輪懸架構造14とを含んで構成されている。
サイドメンバ12は、水平方向に延在する前部12Aと、前部12Aの後端から車両後方に至るにつれて下方に変位する傾斜部12Bと、傾斜部12Bの後端から水平方向で後方に延在する中間部12Cとを含んでいる。
また、サイドメンバ12の前端には車幅方向に延在するバンパリンフォース13の両端が接続されている。
【0009】
前輪懸架構造14は、左右の前輪16の間で車幅方向に延在しその車幅方向両端がサイドメンバ12に取着されたサスペンションクロスメンバ18と、前輪16を支持しサスペンションクロスメンバ18に揺動可能に結合される一対のロアアーム20とを含んで構成されている。
サスペンションクロスメンバ18は、互いに上下に間隔をおいたロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bの縁部が合わされることで構成されている。
サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端において車両10前後方向の中間部に、車幅方向外方に向けられた開口1802が設けられている。
【0010】
サスペンションクロスメンバ18は、車幅方向の両端の前部1804と、車幅方向の両端の中間部1806と、車幅方向の両端の後部1808との6箇所がサイドメンバ12の下面に取着されている。
詳細に説明すると、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端において車両10前後方向の前部1804は、車両10の前後に延在するサブフレーム22を介してサイドメンバ12の前部12Aに取着されている。すなわち、図1に示すように、サブフレーム22の前端は、サイドメンバ12の前部12Aから下方に突設された不図示の取り付け部に当て付けられた状態でボルトにより締結されている。図4図5に示すように、サブフレーム22の後端は、アッパメンバプレート18Bとロアメンバプレート18Aとの間に挟まれ、アッパメンバプレート18Bとサブフレーム22の後端とロアメンバプレート18Aとを貫通したボルト2とナットにより締結されている。
【0011】
図1に示すように、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端寄りの箇所において車両10前後方向の中間部1806は、ブラケット24を介してサイドメンバ12の傾斜部12Bに取着されている。
図4図5に示すように、ブラケット24はロアメンバプレート18Aに一体に設けられている。すなわち、ブラケット24の下端が溶接によりロアメンバプレート18Aに取着され、ブラケット24はロアメンバプレート18Aから起立しアッパメンバプレート18Bを貫通して上方に延在している。
図1に示すように、ブラケット24の上端がサイドメンバ12の傾斜部12Bの下面に当て付けられた状態で、ブラケット24およびサイドメンバ12を貫通したボルトがサイドメンバ12の傾斜部12Bの上面に設けられた不図示のウェルドナットに締結されている。
【0012】
図1図9に示すように、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端において車両10前後方向の後部1808は、サイドメンバ12の傾斜部12Bに直接取着されるとともにステー26を介してサイドメンバ12の中間部12Cに取着されている。
すなわち、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端において車両10前後方向の後部1808の車幅方向内側部分は、アッパメンバプレート18Bがサイドメンバ12の傾斜部12Bの下面に当て付けられている。この状態で、アッパメンバプレート18Bの下面に配置されたスペーサ28およびステー26の前端のボルト挿通孔2602を貫通するボルト2が、サイドメンバ12の傾斜部12Bの上面に設けられたウェルドナット4に締結されている。
サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端において車両10前後方向の後部1808の車幅方向外側部分は、ステー26の前端と不図示のボルトで締結されている。
ステー26の後端は、サイドメンバ12の中間部12Cの下面に当て付けられた状態で、ステー26のボルト挿通孔2604を貫通するボルト2がサイドメンバ12の中間部12Cの上面に設けられたウェルドナット4に締結されている。
【0013】
なお、図3において、符号30はサスペンションクロスメンバ18の車両前方において不図示のパワープラントを支持するフロントマウント、符号32はサスペンションクロスメンバ18の車両後方においてパワープラントを支持するリヤマウントを示している。ガソリン車あるいはディーゼル車の場合、パワープラントはエンジンおよびトランスミッションである。電動車の場合でモータがサスペンションクロスメンバ18の前方に配置される場合、パワープラントはモータである。ハイブリッド車の場合でエンジン、トランスミッション、モータがサスペンションクロスメンバ18の前方に配置される場合、パワープラントはエンジン、トランスミッション、モータである。
本実施の形態では、フロントマウント30は、車幅方向に延在し両端が左右のサブフレーム22の前部に掛け渡されたマウントブラケット3002と、マウントブラケット3002の両端とサブフレーム22の前部とを結合するマウント部材3004とを備えている。また、リヤマウント32は、パワープラントの後部と、サスペンションクロスメンバ18のアッパメンバプレート18Bの後部の車幅方向の中央とを結合するマウント部材3202を備えている。
【0014】
ロアアーム20は、図2に示すように、車幅方向に延在し、車幅方向の外側の端部で前輪16を支持している。
図6(A)に示すように、ロアアーム20の車幅方向の内側の端部に、前後に間隔をおいて前取り付け部2002と後取り付け部2004とが設けられている。詳細には、ロアアーム20の車幅方向の内側の端部は、車幅方向の外側の端部よりも車両10の前後方向において幅広に形成され、この幅広に形成された部分の前後に前取り付け部2002と後取り付け部2004とが設けられている。
それら前取り付け部2002と後取り付け部2004とは、開口1802からロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとの間に挿入され、それぞれ前側ブッシュ34Aおよび後側ブッシュ34Bを介してサスペンションクロスメンバ18に揺動可能に結合されている。
前側ブッシュ34Aおよび後側ブッシュ34Bは、図7に示すように、ロアアーム20の前取り付け部2002と後取り付け部2004で支持された外筒3402と、外筒3402の内周面に取着された弾性部材3404と、弾性部材3404の内周面に取着された内筒3406とを備えている。
内筒3406の軸方向の両端は、アッパメンバプレート18Bとロアメンバプレート18Aとで挟持され、それらプレート18A、18Bと内筒3406を貫通する不図示のボルトを介して内筒3406がロアメンバプレート18Aに締結されている。
なお、本実施の形態では、軸心を車両10上下方向に向けたブッシュ34A、34Bを用いてロアアーム20が揺動可能にサスペンションクロスメンバ18に結合されている。しかしながら、車両10前後方向に向けた軸心回りにロアアーム20を揺動可能に支持する機構を用いてもよく、ロアアーム20を揺動可能にサスペンションクロスメンバ18に結合する構造として従来公知の様々な構造が採用可能である。
【0015】
そして、本実施の形態では、図4から図8に示すように、サスペンションクロスメンバ18にリンフォース36が設けられている。
リンフォース36は、図6(A)に示すように、後取り付け部2004の車幅方向内側の箇所で、ロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとを連結し車両10の前後方向に延在している。後取り付け部2004とリンフォース36との間は、前突時に速やかにそれらが当接するように近接している。
リンフォース36は、図7図8に示すように、ロアメンバプレート18Aに取着される下部3602と、アッパメンバプレート18Bに取着される上部3604と、それら下部3602と上部3604とを接続する接続板部3606とを有している。
接続板部3606の下部と上部との間の中間部に、後取り付け部2004側に突出しつつリンフォース36の延在方向に沿って延在するビード部3610が設けられ、リンフォース36の剛性が高められている。
【0016】
また、図6(A)に示すように、後取り付け部2004の車両後方に、ロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとの少なくとも一方の縁部が上下方向に延在しそれらロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとを連結する連結壁1810として設けられている。
平面視した場合、連結壁1810は、リンフォース36の車両後方に位置し、車両前方に至るにつれて車幅方向内側に変位する傾斜で延在している。
また、図6(A)に示すように、前述したブラケット24の下端2402は、リンフォース36の車両前方に位置するサスペンションクロスメンバ18の箇所に設けられている。
そして、連結壁1810とリンフォース36の後部36Bとの間、および、ブラケット24の下端2402とリンフォース36の前部36Aとの間は、前突時に連結壁1810とブラケット24の下端2402とによりリンフォース36が速やかに挟持されるように近接している。
【0017】
また、図5図6(A)に示すように、リンフォース36の車両前方でリンフォース36の車幅方向内側に位置するサスペンションクロスメンバ18の箇所に、上下方向に延在してロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとを連結する補強部材38が設けられている。
本実施の形態では、補強部材38は、軸心を上下に向けた円筒状を呈し、補強部材38の両端がロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとに溶接により取着されている。
そして、補強部材38とリンフォース36の前部36Aとの間は近接し、前突時に補強部材38とリンフォース36の前部36Aとが速やかに当接し、リンフォース36の前部36Aの車幅方向内側への変位を補強部材38により抑制するように図られている。
【0018】
次に作用効果について説明する。
図6(A)に示す状態で、車両10が前突した場合、車体前部が潰れ、サイドメンバ12の前部12Aに荷重が入力すると共に、前輪16にも後方へ向かう荷重が入力する。
この際、サイドメンバ12の前部12Aからサブフレーム22へ入力した荷重は、サブフレーム22を介してサスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端の前部1804に作用し、これにより図6(B)に示すように、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端の前部1804は後方に変形する。
また、前輪16に入力した荷重は、ロアアーム20に伝達され、したがって、ロアアーム20は、前取り付け部2002を支点として後取り付け部2004が車幅方向内側に揺動しようとする。
したがって、ロアアーム20は、サスペンションクロスメンバ18の両端の前部1804と共に後方に変位しつつ、後取り付け部2004が前取り付け部2002を支点として車幅方向内側に揺動しようとする。
【0019】
本実施の形態では、ロアアーム20の後取り付け部2004の車幅方向内側に、リンフォース36が位置しているため、ロアアーム20の後取り付け部2004がリンフォース36に当接し、ロアアーム20の車幅方向内側への変位が抑制される。
したがって、車両10の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することが抑制される。
そのため、車両10の前突により入力した荷重は、サイドメンバ12の前部12Aからサブフレーム22を介してサスペンションクロスメンバ18に伝達されると共に、タイヤからロアアーム20を介してサスペンションクロスメンバ18に伝達される。
そして、サスペンションクロスメンバ18に伝達された荷重は、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端の後部1808から直接サイドメンバ12へ伝達され、また、サスペンションクロスメンバ18の車幅方向両端の後部1808からステー26を介してサイドメンバ12へ伝達される。
したがって、車両10の前突により入力された荷重をサスペンションクロスメンバ18からサイドメンバ12に効率よく伝達する上で有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上で有利となる。
【0020】
また、本実施の形態では、平面視した場合、連結壁1810が、リンフォース36の車両後方に位置し、車両10の前方に至るにつれて車幅方向内側に変位する傾斜で延在しているので、車幅方向内側に揺動するロアアーム20の後取り付け部2004からの荷重がリンフォース36に加わりリンフォース36が車幅方向内側に変位しようとしてもリンフォース36の後部36Bが連結壁1810に当接することでリンフォース36の後部36Bの車幅方向内側への変位が抑制される。
したがって、車両10の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することを抑制する上でより有利となり、前突により入力された荷重をサスペンションクロスメンバ18からサイドメンバ12に効率よく伝達する上でより有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより有利となる。
なお、連結壁1810とリンフォース36の後部36Bとの間に隙間を設けずにそれらを溶接し、一体化させておくと、リンフォース36の後部36Bの車幅方向内側への変位を抑制する上でより有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより有利となる。
【0021】
また、本実施の形態では、リンフォース36の前部36Aに位置するサスペンションクロスメンバ18の箇所にサイドメンバ12に取着されるブラケット24の下端2402が位置している。
したがって、車両10の前突時にサブフレーム22からの荷重でサスペンションクロスメンバ18が後方に変形し、これによりブラケット24の下端2402が後方に変位することでリンフォース36の前部36Aと後部36Bとが、ブラケット24の下端2402と連結壁1810とで挟持されることになる。
すなわち、リンフォース36がブラケット24の下端2402と連結壁1810とで挟持され、リンフォース36の車幅方向内側への変位がブラケット24の下端2402と連結壁1810とによってより効果的に阻止された状態となる。
そのため、車両10の前突時に車幅方向内側に揺動するロアアーム20の後取り付け部2004からの荷重がリンフォース36に加わりリンフォース36が車幅方向内側に変位しようとしてもリンフォース36の車幅方向内側への変位が抑制される。
したがって、車両10の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することを抑制する上でより一層有利となり、前突により入力された荷重をサスペンションクロスメンバ18からサイドメンバ12に効率よく伝達する上でより一層有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより一層有利となる。
なお、ブラケット24の下端2402とリンフォース36の前部36Aとの間に隙間を設けずにそれらを溶接し、一体化させておくと、リンフォース36の前部36Aの車幅方向内側への変位を抑制する上でより有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより有利となる。
【0022】
また、本実施の形態では、リンフォース36の前部36Aで車幅方向内側に位置するサスペンションクロスメンバ18の箇所に、上下方向に延在してロアメンバプレート18Aとアッパメンバプレート18Bとを連結する補強部材38が設けられているので、車幅方向内側に揺動するロアアーム20の後取り付け部2004からの荷重がリンフォース36に加わりリンフォース36が車幅方向内側に変位しようとしてもリンフォース36の前部36Aが補強部材38に当接することでリンフォース36の前部36Aの車幅方向内側への変位が抑制される。
したがって、車両10の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することを抑制する上でより有利となり、前突により入力された荷重をサスペンションクロスメンバ18からサイドメンバ12に効率よく伝達する上でより有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより有利となる。
なお、補強部材38とリンフォース36の前部36Aとの間に隙間を設けずにそれらを溶接し、一体化させておくと、リンフォース36の前部36Aの車幅方向内側への変位を抑制する上でより有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより有利となる。
【0023】
また、本実施の形態では、リンフォース36に、リンフォース36の延在方向に沿って延在するビード部3610が設けられているため、リンフォース36の剛性の向上を図る上で有利となる。
そのため、車両10の前突時に車幅方向内側に揺動するロアアーム20の後取り付け部2004からの荷重がリンフォース36に加わりリンフォース36が車幅方向内側に変位しようとしてもリンフォース36の車幅方向内側への変位が抑制される。
したがって、車両10の前突により入力した荷重が車幅方向内側に入力することを抑制する上でより一層有利となり、前突により入力された荷重をサスペンションクロスメンバ18からサイドメンバ12に効率よく伝達する上でより一層有利となり、衝突エネルギーを車体で効率よく分散吸収する上でより一層有利となる。
【符号の説明】
【0024】
10 車両
12 サイドメンバ
14 前輪懸架構造
16 前輪
18 サスペンションクロスメンバ
18A ロアメンバプレート
18B アッパメンバプレート
1802 開口
1804 前部
1806 中間部
1808 後部
1810 連結壁
20 ロアアーム
2002 前取り付け部
2004 後取り付け部
22 サブフレーム
24 ブラケット
2402 下端
26 ステー
34A 前側ブッシュ
34B 後側ブッシュ
36 リンフォース
3602 下部
3604 上部
3606 接続板部
3610 ビード部
36A 前部
36B 後部
38 補強部材
図1
図2
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図9