【解決手段】このカード処理装置は、カード挿入口3から挿入されるカード2よりも押え部材16が上側に配置されてカード2の挿入および排出が可能となる挿入排出可能位置17Aと、押え部材16がカード2の上面に接触してカード2の上面を押さえることが可能な位置であって挿入排出可能位置17Aよりも下側の位置である挿入完了位置との間で移動する移動部17と、挿入排出可能位置17Aで移動部17を保持する保持位置18Aと挿入完了位置へ移動部17が移動するように退避する退避位置との間でスライドする保持部材18を備えている。このカード処理装置では、カード挿入口3から挿入され当接部材19に当接したカード2がさらに挿入されると、保持部材18が保持位置18Aから退避位置にスライドして移動部17が挿入排出可能位置17Aから挿入完了位置に移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のカードリーダ等のカード処理装置においては、ユーザの操作性を高めるため、カード処理装置へのカードの挿入が完了したというカードの挿入完了感(クリック感)が得られることが好ましい。そこで、本発明の課題は、良好なカードの挿入完了感を得ることが可能なカード処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明のカード処理装置は、カードが挿入されるとともにカードが排出されるカード挿入口を備えるとともに、カード挿入口から挿入されたカードの厚さ方向の一方を第1方向とし、カードの厚さ方向の他方を第2方向とすると、カード挿入口から挿入されたカードの第1方向側に配置され第1方向側からカードに接触可能な支持部材とカード挿入口から挿入されたカードの第2方向側の面を押さえるための押え部材とを有し、カード挿入口から挿入されるカードよりも押え部材が第2方向側に配置されてカード挿入口へのカードの挿入およびカード挿入口からのカードの排出が可能となる挿入排出可能位置と、押え部材がカードの第2方向側の面に接触してカードの第2方向側の面を押さえることが可能な位置であって挿入排出可能位置よりも第1方向側の位置である挿入完了位置との間でカードの厚さ方向へ移動可能な移動部と、挿入排出可能位置で移動部を保持する保持位置と挿入完了位置へ移動部が移動するように退避する退避位置との間でカードの挿入方向およびカードの排出方向にスライド可能な保持部材と、カード挿入口から挿入されたカードの先端が当接する当接部材と、カードの排出方向へ当接部材を付勢する第1の付勢部材と、移動部を第1方向へ付勢する第2の付勢部材と、挿入完了位置から挿入排出可能位置へ移動部を移動させるための駆動源とを備え、カードの挿入時に、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、保持部材が保持位置から退避位置にスライドして移動部が挿入排出可能位置から挿入完了位置に移動し、カードの排出時には、駆動源の動力によって挿入完了位置から挿入排出可能位置に移動部が移動し、当接部材によってカードの排出方向へカードが押されて、カード挿入口からカードが排出されることを特徴とする。
【0006】
本発明のカード処理装置は、カード挿入口から挿入されるカードよりも押え部材が第2方向側に配置されてカード挿入口へのカードの挿入およびカード挿入口からのカードの排出が可能となる挿入排出可能位置と、押え部材がカードの第2方向側の面に接触してカードの第2方向側の面を押さえることが可能な位置であって挿入排出可能位置よりも第1方向側の位置である挿入完了位置との間でカードの厚さ方向へ移動可能な移動部と、挿入排出可能位置で移動部を保持する保持位置と挿入完了位置へ移動部が移動するように退避する退避位置との間でカードの挿入方向およびカードの排出方向にスライド可能な保持部材とを備えている。また、本発明では、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、保持部材が保持位置から退避位置にスライドして移動部が挿入排出可能位置から挿入完了位置に移動する。すなわち、本発明では、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、挿入排出可能位置よりも第1方向側の位置である挿入完了位置に移動部が移動して、押え部材がカードの第2方向側の面を押さえる。そのため、本発明では、良好なカードの挿入完了感を得ることが可能になる。
【0007】
また、本発明のカード処理装置は、挿入完了位置から挿入排出可能位置へ移動部を移動させるための駆動源を備えており、カードの排出時には、駆動源の動力によって挿入完了位置から挿入排出可能位置に移動部が移動し、当接部材によってカードの排出方向へカードが押されて、カード挿入口からカードが排出される。したがって、本発明では、良好なカードの挿入完了感を得るために、カードの挿入時に挿入排出可能位置よりも第1方向側の位置である挿入完了位置に移動部が移動しても、カードを自動で排出することが可能になる。
【0008】
本発明において、当接部材は、保持部材に固定されているか、または、保持部材と一体で形成されており、カードの挿入時に、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、当接部材と一緒に保持部材がカードの挿入方向へ移動して退避位置にスライドすることが好ましい。このように構成すると、カード処理装置の構成を比較的簡素化することが可能になる。
【0009】
本発明において、たとえば、支持部材は、第1方向へ突出する第1突出部を備え、保持部材は、第2方向へ突出するとともに保持位置において第1突出部の第1方向端に当接する第2突出部を備え、カードの挿入時に、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、保持部材がカードの挿入方向へ移動して、第1突出部と第2突出部との当接状態が解除され、移動部が挿入排出可能位置から挿入完了位置に移動する。
【0010】
本発明において、駆動源は、移動部に連結され、移動部を第2方向へ移動させることが好ましい。このように構成すると、駆動源によって、移動部が直接、第2方向へ移動させられるため、移動部を確実に第2方向へ移動させることが可能になる。
【0011】
本発明において、カード処理装置は、保持部材を保持位置でロックするロック部材と、保持部材をカードの排出方向へ付勢する第3の付勢部材とを備え、当接部材は、ロック部材に固定されているか、または、ロック部材と一体で形成されており、第1の付勢部材は、ロック部材が保持部材をロックするロック位置に向かってロック部材を付勢し、カードの挿入時に、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、ロック部材による保持部材のロック状態が解除され、保持部材がカードの排出方向へ移動して退避位置へスライドしても良い。
【0012】
この場合には、たとえば、支持部材は、第1方向へ突出する第1突出部を備え、保持部材は、第2方向へ突出するとともに保持位置において第1突出部の第1方向端に当接する第2突出部を備え、カードの挿入時に、カード挿入口から挿入され当接部材に当接したカードがさらに挿入されると、ロック部材による保持部材のロック状態が解除されて、保持部材がカードの排出方向へ移動し、第1突出部と第2突出部との当接状態が解除されて、移動部が挿入排出可能位置から挿入完了位置に移動する。
【0013】
また、この場合には、たとえば、第1突出部の、カードの排出方向側の面は、第1方向に向かうにしたがってカードの挿入方向へ向かうように傾斜する傾斜面となっており、駆動源は、保持部材に連結され、カードの挿入方向へ保持部材をスライドさせる。
【0014】
本発明において、カード処理装置は、カードに記録された磁気データの読取りおよびカードへの磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッドを備え、カードは、略長方形状に形成され、カードには、磁気データが記録される帯状の磁気ストライプがカードの長手方向に沿って形成され、カードの短手方向とカードの挿入方向とが一致するようにカード挿入口にカードが挿入されることが好ましい。このように構成すると、犯罪者がカード処理装置のカード挿入口に磁気ヘッドを取り付けて、この磁気ヘッドでカードの磁気データを不正に取得するいわゆるスキミングを防止することが可能になる。
【0015】
本発明において、カード処理装置は、カード挿入口が形成されるとともに移動部、保持部材および当接部材が配置されるカード挿入部と、磁気ヘッドが配置される本体部とを備え、カード挿入部と本体部とは、カードの厚さ方向とカードの挿入方向とに直交する直交方向で隣接配置され、本体部は、本体部内でカードを搬送するカード搬送機構を備え、カード挿入部には、移動部が挿入完了位置にあるときにカードの第1方向側の面に接触する第1ローラが配置され、押え部材は、移動部が挿入完了位置にあるときにカードの第2方向側の面に接触する第2ローラであり、カード搬送機構、第1ローラおよび第2ローラによって、直交方向において、カード挿入部と本体部との間でカードが搬送されることが好ましい。このように構成すると、直交方向へ磁気ヘッドを移動させるヘッド移動機構をカード処理装置が備えていなくても磁気ヘッドによって磁気データの読取りや記録を行うことが可能になる。したがって、カード処理装置の構成を簡素化することが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明のカード処理装置では、良好なカードの挿入完了感を得ることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(カード処理装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカード処理装置1の概略平面図である。
【0020】
本形態のカード処理装置1は、カード2に記録されたデータの読取りやカード2へのデータの記録を行うための装置であり、たとえば、ATM等の所定の上位装置に搭載されて使用される。このカード処理装置1は、カード2が挿入されるとともにカード2が排出されるカード挿入口3が形成されるカード挿入部4と、本体部5とを備えている。また、カード処理装置1は、カード2に記録された磁気データの読取りおよびカード2への磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッド6を本体部5の内部に備えている。本体部5は、本体部5の内部でカード2を搬送するカード搬送機構7を備えている。
【0021】
本形態では、
図1に示すX方向でカード挿入口3にカード2が挿入されるとともにカード挿入口3からカード2が排出される。具体的には、X1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が排出される。すなわち、X1方向は、カード2の挿入方向であり、X2方向は、カード2の排出方向である。また、X方向に直交する
図1のZ方向は、カード挿入口3に挿入されてカード処理装置1に取り込まれたカード2の厚さ方向である。また、カード処理装置1の内部において、カード2は、X方向とZ方向とに直交する
図1のY方向に搬送される。
【0022】
以下の説明では、X方向を「左右方向」、Y方向を「前後方向」、Z方向を「上下方向」とする。また、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左側」とするとともに、
図2(A)に示すように、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。本形態では、Z方向(上下方向)が鉛直方向(重力の方向)と一致するようにカード処理装置1が設置されている。また、本形態では、下方向(Z2方向)は、カード挿入口3に挿入されたカード2の厚さ方向の一方である第1方向となっており、上方向(Z1方向)は、カード2の厚さ方向の他方である第2方向となっている。また、本形態のY方向(前後方向)は、カード2の厚さ方向とカード2の挿入方向とに直交する直交方向である。
【0023】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の略長方形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の裏面には、磁気データが記録される帯状の磁気ストライプ2aが形成されている。磁気ストライプ2aは、略長方形状に形成されるカード2の長手方向に沿って形成されている。カード2は、カード2の短手方向と左右方向とが一致するようにカード挿入口3に挿入される。また、カード処理装置1の内部では、カード2は、カード2の長手方向と前後方向とが一致した状態で前後方向に搬送される。なお、カード2には、ICチップや通信用のアンテナがカード2に内蔵されても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0024】
カード挿入口3は、カード挿入部4の左側面に形成されている。カード挿入部4と本体部5とは、前後方向で隣り合うように配置されている。左右方向におけるカード挿入部4の幅および本体部5の幅は、カード2の短手方向の幅よりも広くなっているが、カード2の長手方向の幅よりも狭くなっている。カード挿入部4の具体的な構成および動作については後述する。
【0025】
磁気ヘッド6は、カード搬送機構7によって搬送されるカード2の磁気ストライプ2aに当接する位置に配置されている。カード搬送機構7は、カード2を搬送する複数の搬送ローラ対10を備えている。搬送ローラ対10は、プーリやベルト等の動力伝達機構11を介してモータ12に連結される駆動ローラと、駆動ローラに対向配置されるパッドローラとから構成されている。駆動ローラとパッドローラとは上下方向で対向している。また、複数の搬送ローラ対10は、前後方向において所定のピッチで配置されている。
【0026】
(カード挿入部の構成および動作)
図2(A)は、
図1に示すカード挿入部4の正面図であり、
図2(B)は、
図1に示すカード挿入部4の平面図である。
図3、
図4は、
図1に示すカード挿入部4の動作を説明するための正面図である。
【0027】
カード挿入部4の内部には、カード挿入口3から挿入されたカード2の下側に配置され下側からカード2に接触可能な支持部材15と、カード挿入口3から挿入されたカード2の上面を押さえるための押えローラ16とを有する移動部17が配置されている。移動部17は、カード挿入口3から挿入されるカード2よりも押えローラ16が上側に配置されてカード挿入口3へのカード2の挿入およびカード挿入口3からのカード2の排出が可能となる挿入排出可能位置17A(
図2(A)、
図3に示す位置)と、押えローラ16がカード2の上面に接触してカード2の上面を押さえることが可能な位置であって挿入排出可能位置17Aよりも下側の位置である挿入完了位置17B(
図4に示す位置)との間で上下方向へ移動可能となっている。本形態の押えローラ16は、押え部材である。また、本形態の押えローラ16は、移動部17が挿入完了位置17Bにあるときにカード2の上面に接触する第2ローラである。
【0028】
また、カード挿入部4の内部には、挿入排出可能位置17Aで移動部17を保持する保持位置18A(
図2(A)に示す位置)と挿入完了位置17Bへ移動部17が移動するように退避する退避位置18B(
図4に示す位置)との間で左右方向にスライド可能な保持部材18と、カード挿入口3から挿入されたカード2の先端(右端)が当接する当接部材19と、左方向へ当接部材19を付勢する付勢部材20と、挿入完了位置17Bから挿入排出可能位置17Aへ移動部17を移動させるための駆動源21と、移動部17が挿入完了位置17Bにあるときにカード2の下面に接触する駆動ローラ22とが配置されている。本形態の付勢部材20は、第1の付勢部材であり、駆動ローラ22は、第1ローラである。なお、
図2(B)では、付勢部材20および駆動源21等の図示を省略している。
【0029】
支持部材15は、略長方形の平板状に形成されている。この支持部材15は、支持部材15の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。支持部材15の上側には、平板状に形成されるガイド部材23が配置されている。ガイド部材23は、たとえば、略長方形の平板状に形成されている。このガイド部材23は、ガイド部材23の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。上下方向における支持部材15とガイド部材23との間には、カード2の厚さよりも広い隙間が形成されており、この隙間は、カード2が搬送されるカード搬送路となっている。
【0030】
支持部材15の略中心には、上下方向に貫通する貫通孔15aが形成されている。支持部材15の、貫通孔15aの右側にも、上下方向に貫通する貫通孔15bが形成されている。ガイド部材23の略中心には、上下方向に貫通する貫通孔23aが形成されている。貫通孔15a、23aは、略同形状の四角孔状に形成されている。上下方向から見たときに、貫通孔15aと貫通孔23aとは重なっている。貫通孔15bは、貫通孔15aよりも大きな四角孔状に形成されている。なお、
図2(A)、
図3、
図4では、貫通孔15bの図示を省略している。
【0031】
支持部材15は、下方向へ突出する突出部15cを備えている。本形態では、支持部材15は、4個の突出部15cを備えている。4個の突出部15cのうちの2個の突出部15cは、支持部材15の前端側に形成され、残りの2個の突出部15cは、支持部材15の後端側に形成されている。また、支持部材15の前端側に形成される2個の突出部15cは、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配置され、支持部材15の後端側に形成される2個の突出部15cも、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配置されている。本形態の突出部15cは、第1突出部である。
【0032】
突出部15cは、前後方向から見たときの形状が等脚台形状となるブロック状に形成されている。突出部15cの下端面は、上下方向に直交する平面状に形成されている。突出部15cの左側面は、下方向に向かうにしたがって右方向へ向かうように傾斜する平面状の傾斜面となっている。突出部15cの右側面は、下方向に向かうにしたがって左方向へ向かうように傾斜する平面状の傾斜面となっている。
【0033】
押えローラ16は、固定軸26に回転可能に支持されている。固定軸26は、固定軸26の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。押えローラ16は、回転軸26の左端側に回転可能に支持されており、左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。押えローラ16の下端側部分は、貫通孔23aの中に配置されている。移動部17が上下動すると、押えローラ16の下端側部分は、貫通孔23aの中を通過する。固定軸26の右端側は、支持部材15の上面に固定される軸保持部材27に固定されている。軸保持部材27は、支持部材15から上側へ突出するように、支持部材15の右端側に固定されている。
【0034】
保持部材18は、略長方形の平板状に形成されている。この保持部材18は、保持部材18の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。保持部材18は、上方向へ突出する突出部18aを備えている。本形態では、保持部材18は、4個の突出部18aを備えている。4個の突出部18aのうちの2個の突出部18aは、保持部材18の前端側に形成され、残りの2個の突出部18aは、保持部材18の後端側に形成されている。また、保持部材18の前端側に形成される2個の突出部18aは、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配置され、保持部材18の後端側に形成される2個の突出部18aも、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配置されている。突出部18aは、前後方向から見たときの形状が長方形状となるブロック状に形成されている。突出部18aの上端面は、上下方向に直交する平面状に形成されている。4個の突出部18aのそれぞれは、4個の突出部15cのそれぞれに対応する位置に配置されており、保持部材18が保持位置18Aにあるときに、突出部18aの上端面は、突出部15cの下端面に当接している。本形態の突出部18aは、第2突出部である。
【0035】
当接部材19は、略長方形の平板状に形成されている。この当接部材19は、当接部材19の厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。当接部材19は、保持部材18の右端側に固定されており、保持部材18の右端から上方向へ突出している。あるいは、当接部材19は、保持部材18と一体で形成されており、保持部材18の右端から上方向へ突出している。
【0036】
付勢部材20は、たとえば、圧縮コイルバネである。したがって、以下では、付勢部材20を「圧縮コイルバネ20」と表記する。圧縮コイルバネ20の左端は、当接部材19の右面に当接している。
【0037】
駆動源21は、ソレノイドである。したがって、以下では、駆動源21を「ソレノイド21」と表記する。ソレノイド21は、たとえば、移動部17の上側に配置されている。ソレノイド21の本体21aは、カード挿入部4のフレームに固定され、ソレノイド21のプランジャ21bの下端は、移動部17に取り付けられている。また、ソレノイド21は、プランジャ21bが上下方向へ移動するように配置されている。プランジャ21bは、圧縮コイルバネ28に挿通されており、移動部17は、圧縮コイルバネ28によって下方向へ付勢されている。本形態では、ソレノイド21が通電状態になると、プランジャ21bが上側に移動して(すなわち、本体21aの中に向かって移動して)、移動部17を上方向へ移動させる。すなわち、ソレノイド21は、移動部17に連結されており、移動部17を上方向へ移動させる。本形態の圧縮コイルバネ28は、第2の付勢部材である。
【0038】
駆動ローラ22は、回転軸29に固定されている。回転軸29は、回転軸29の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、回転軸29は、カード挿入部4のフレームに回転可能に支持されている。回転軸29は、モータ30に連結されている。駆動ローラ22は、回転軸29の左端側に固定されており、左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。駆動ローラ22の上端側部分は、貫通孔15aの中に配置されている。移動部17が上下動すると、駆動ローラ22の上端側部分は、貫通孔15aの中を通過する。
【0039】
図2(A)に示すように、カード挿入口3にカード2が挿入される前の待機状態では、圧縮コイルバネ20の付勢力によって当接部材19および保持部材18が左方向へ付勢されており、保持部材18は保持位置18Aにある。このときには、保持部材18の突出部18aの上端面が支持部材15の突出部15cの下端面に当接しており、移動部17は挿入排出可能位置17Aにある。この状態で、カード挿入口3から挿入され先端(右端)が当接部材19の左面に当接したカード2がさらに挿入されると、当接部材19と一緒に保持部材18が保持位置18Aから退避位置18Bにスライドして、移動部17が挿入排出可能位置17Aから挿入完了位置17Bに移動する(
図3、
図4参照)。
【0040】
すなわち、カード挿入口3から挿入され当接部材19に当接したカード2がさらに挿入されると、保持位置18Aにあった保持部材18が当接部材19と一緒に右方向へ移動して、退避位置18Bにスライドする。保持部材18が退避位置18Bにスライドすると、突出部18aの上端面と突出部15cの下端面との当接状態が解除され、挿入排出可能位置17Aにあった移動部17が、圧縮コイルバネ28の付勢力および重力によって下降して挿入完了位置17Bに移動する。移動部17が挿入完了位置17Bに移動すると、
図4に示すように、カード2は、押えローラ16と駆動ローラ22との間に挟まれた状態になる。また、移動部17が挿入完了位置17Bに移動すると、圧縮コイルバネ20の付勢力によって突出部18aの左側面は、突出部15cの右側面に接触する。突出部18aの左側面が突出部15cの右側面に接触することで保持部材18および当接部材19の左方向への移動が規制される。
【0041】
その後、カード挿入部4の内部に配置される押えローラ16および駆動ローラ22と、本体部5の内部に配置されるカード搬送機構7とによって、前後方向において、カード挿入部4と本体部5との間でカード2が搬送される。また、本体部5の内部では、カード搬送機構7によって前後方向にカード2が搬送されて、磁気ヘッド6による磁気データの読取りや記録が行われる。
【0042】
カード処理装置1でのカード2の処理が終了してカード処理装置1からカード2が排出されるときには、まず、カード2がカード挿入部4に搬入される。その後、ソレノイド21が通電状態になって、移動部17を上昇させる。すなわち、カード2の排出時には、ソレノイド21の動力によって挿入完了位置17Bから挿入排出可能位置17Aに移動部17が移動する。移動部17が挿入排出可能位置17Aに上昇するときには、支持部材15によってカード2が持ち上げられる。また、移動部17が挿入排出可能位置17Aまで上昇すると、突出部15cの右側面と突出部18aの左側面との接触状態が解除され、退避位置18Bにあった保持部材18が圧縮コイルバネ20の付勢力によって左方向へ移動して、保持位置18Aにスライドする。このときには、保持部材18と一緒に当接部材19が左方向へ移動してカード2をカード挿入口3から排出する。すなわち、このときには、当接部材19によって左方向へカード2が押されて、カード挿入口3からカード2が排出される。
【0043】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、カード挿入口3から挿入され当接部材19に当接したカード2がさらに挿入されると、保持部材18が保持位置18Aから退避位置18Bにスライドして移動部17が挿入排出可能位置17Aから挿入完了位置17Bに移動する。すなわち、本形態では、カード挿入口3から挿入され当接部材19に当接したカード2がさらに挿入されると、挿入排出可能位置17Aよりも下側の位置である挿入完了位置17Bに移動部17が移動して、押えローラ16がカード2の上面を押さえる。そのため、本形態では、良好なカード2の挿入完了感を得ることが可能になる。
【0044】
本形態では、カード2の排出時に、ソレノイド21の動力によって挿入完了位置17Bから挿入排出可能位置17Aに移動部17が上昇し、圧縮コイルバネ20の付勢力によって退避位置18Bにあった保持部材18と一緒に当接部材19が左方向へ移動して、カード2がカード挿入口3から排出される。したがって、本形態では、良好なカード2の挿入完了感を得るために、カード2の挿入時に挿入排出可能位置17Aよりも下側の位置である挿入完了位置17Bに移動部17が移動しても、カード2を自動で排出することが可能になる。
【0045】
本形態では、カード2は、カード2の短手方向と左右方向とが一致するようにカード挿入口3に挿入されている。そのため、本形態では、犯罪者がカード挿入口3に磁気ヘッドを取り付けて、この磁気ヘッドでカード2の磁気データを不正に取得するスキミングを防止することが可能になる。また、本形態では、左右方向におけるカード挿入部4の幅がカード2の長手方向の幅よりも狭くなっているため、カード2の長手方向と左右方向とが一致するようにカード2がカード挿入口3に挿入されてもカード挿入部4にカード2は取り込まれない。したがって、本形態では、カード2の長手方向と左右方向とが一致するようにカード2がカード挿入口3に挿入されるといったカード2の誤挿入を防止することが可能になる。
【0046】
本形態では、カード処理装置1の内部において、カード2は、カード2の長手方向と前後方向とが一致した状態で前後方向に搬送されている。そのため、本形態では、前後方向へ磁気ヘッド6を移動させるヘッド移動機構をカード処理装置1が備えていなくても磁気ヘッド6によって磁気データの読取りや記録を行うことが可能になる。したがって、本形態では、カード処理装置1の構成を簡素化することが可能になる。
【0047】
(カード挿入部の変形例)
図5は、本発明の他の実施の形態にかかるカード挿入部4を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。
図6、
図7、
図8は、
図5に示すカード挿入部4の動作を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【0048】
上述した形態では、当接部材19は、保持部材18に固定されているか、あるいは、保持部材18と一体で形成されている。この他にもたとえば、
図5〜
図8に示すように、保持部材18を保持位置18Aでロックするロック部材39が設けられるとともに、当接部材19がロック部材39に固定されているか、あるいは、ロック部材39と一体で形成されていても良い。以下、この変形例にかかるカード挿入部4の構成および動作を説明する。なお、以下の説明では、上述した形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0049】
上述した形態と同様に、カード挿入部4の内部には、移動部17、保持部材18、当接部材19、ソレノイド21および駆動ローラ22等が配置されている。また、変形例にかかるカード挿入部4の内部には、ロック部材39と、左方向へ当接部材19を付勢する第1の付勢部材としての引張りコイルバネ40と、保持部材18を左方向へ付勢する第3の付勢部材としての引張りコイルバネ41とが配置されている。なお、
図5(A)、
図6(A)、
図7(A)、
図8(A)では、引張りコイルバネ40の図示を省略している。また、
図5(B)、
図6(B)、
図7(B)、
図8(B)では、ソレノイド21、ガイド部材23、圧縮コイルバネ28および引張りコイルバネ41の図示を省略している。
【0050】
支持部材15に形成される突出部15cは、前後方向から見たときの形状が台形状となるブロック状に形成されている。突出部15cの下端面は、上下方向に直交する平面状に形成されている。突出部15cの左側面は、下方向に向かうにしたがって右方向へ向かうように傾斜する平面状の傾斜面となっている。突出部15cの傾斜角度は、比較的緩やかになっている。突出部15cの右側面は、左右方向に直交する平面状に形成されている。保持部材18の右端側には、ロック部材39に接触する接触部18bが上方向へ突出するように形成されている。
【0051】
ロック部材39は、平板状に形成されている。このロック部材39は、たとえば、上下方向から見たときの形状が略J形状となるように形成されている。ロック部材39は、カード挿入部4のフレームに回動可能に保持されており、上下方向を回動の軸方向として回動可能となっている。当接部材19は、細長い円柱状に形成されている。この当接部材19は、当接部材19の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。また、上述のように、当接部材19は、ロック部材39に固定されているか、あるいは、ロック部材39と一体で形成されている。具体的には、当接部材19は、上下方向から見たときの形状が略J形状となるロック部材39の一端側に固定されているか、あるいは、ロック部材39の一端側に形成されている。
【0052】
引張りコイルバネ40の一端側(右端側)は、当接部材19に取り付けられ、引張りコイルバネ40の他端側(左端側)は、カード挿入部4のフレームの左端側部分に固定されている。引張りコイルバネ40は、当接部材19を左方向へ付勢するとともに、ロック部材39が保持部材18をロックするロック位置39A(
図5(B)に示す位置)に向かってロック部材39を付勢している。すなわち、引張りコイルバネ40は、ロック部材39の他端側部分が保持部材18の接触部18bの左側面に接触して保持部材18の左方向への移動を規制するロック位置39Aに向かってロック部材39を付勢している。この変形例では、引張りコイルバネ40は、
図5〜
図8における時計回りの方向(時計方向)へロック部材39を付勢している。
【0053】
ソレノイド21は、たとえば、保持部材18の下側に配置されている。ソレノイド21の本体は、カード挿入部4のフレームに固定され、ソレノイド21のプランジャは、保持部材18に取り付けられている。すなわち、ソレノイド21は、保持部材18に連結されている。また、ソレノイド21は、プランジャが左右方向へ移動するように配置されている。この変形例では、ソレノイド21が通電状態になると、プランジャが右側に移動して、保持部材18を右方向へスライドさせる。
【0054】
圧縮コイルバネ28は、移動部17の上側に配置されており、移動部17を下方向へ付勢している。引張りコイルバネ41の一端側(右端側)は、保持部材18に取り付けられ、引張りコイルバネ41の他端側(左端側)は、カード挿入部4のフレームの左端側部分に固定されている。引張りコイルバネ41は、保持部材18を左方向へ付勢している。
【0055】
図5に示すように、カード挿入口3にカード2が挿入される前の待機状態では、引張りコイルバネ40の付勢力によってロック部材39はロック位置39Aに向かって付勢されており、保持部材18は、ロック部材39によって保持位置18Aでロックされている。すなわち、待機状態では、保持部材18は保持位置18Aにある。このときには、保持部材18の突出部18aの上端面が支持部材15の突出部15cの下端面に当接しており、移動部17は挿入排出可能位置17Aにある。この状態で、カード挿入口3から挿入され先端(右端)が当接部材19に当接したカード2がさらに挿入されると、ロック部材39による保持部材18のロック状態が解除され、保持位置18Aにあった保持部材18が左方向へ移動して退避位置18Bへスライドし、移動部17が挿入排出可能位置17Aから挿入完了位置17Bに移動する(
図6〜
図8参照)。
【0056】
すなわち、カード挿入口3から挿入され当接部材19に当接したカード2がさらに挿入されると、
図6(B)に示すように、ロック部材39が保持部材18の接触部18bから離れる方向(すなわち、
図5〜
図8の反時計回りの方向)へ回動し、やがて、
図7(B)に示すようにロック部材39と接触部18bとの接触状態が解除される。ロック部材39と接触部18bとの接触状態が解除されると、
図8に示すように、引張りコイルバネ41の付勢力によって保持位置18Aにあった保持部材18が左方向へ移動して、退避位置18Bにスライドする。保持部材18が退避位置18Bにスライドすると、突出部18aの上端面と突出部15cの下端面との当接状態が解除され、挿入排出可能位置17Aにあった移動部17が、圧縮コイルバネ28の付勢力および重力によって下降して挿入完了位置17Bに移動する。移動部17が挿入完了位置17Bに移動すると、
図8(A)に示すように、カード2は、押えローラ16と駆動ローラ22との間に挟まれた状態になる。なお、保持部材18が退避位置18Bにあるときには、
図8(B)に示すように、接触部18bによって時計方向へのロック部材39の回動が規制されている。
【0057】
その後、上述した形態と同様に、押えローラ16および駆動ローラ22と、カード搬送機構7とによって、カード挿入部4と本体部5との間でカード2が搬送される。また、本体部5の内部では、カード搬送機構7によってカード2が搬送されて、磁気ヘッド6による磁気データの読取りや記録が行われる。
【0058】
カード処理装置1でのカード2の処理が終了してカード処理装置1からカード2を排出するときには、まず、カード2がカード挿入部4に搬入される。その後、ソレノイド21が通電状態になって、保持部材18を右方向へスライドさせる。すなわち、カード2の排出時には、ソレノイド21の動力によって保持部材18を退避位置18Bから保持位置18Aにスライドさせる。保持部材18が退避位置18Bから保持位置18Aへスライドするときには、突出部18aが突出部15cの左側面に形成される傾斜面に接触しながら右方向へ移動するため、移動部17が持ち上げられて、挿入完了位置17Bから挿入排出可能位置17Aに移動する。移動部17が挿入排出可能位置17Aまで上昇するときには、支持部材15によってカード2が持ち上げられる。また、保持部材18が保持位置18Aにスライドすると、接触部18bによるロック部材39の回動の規制が解除されるため、引張りコイルバネ40の付勢力によって当接部材19が左方向へ移動してカード2をカード挿入口3から排出する。すなわち、当接部材19によって左方向へカード2が押されて、カード挿入口3からカード2が排出される。
【0059】
この変形例においても、上述した形態と同様の効果を得ることができる。なお、上述した形態のように、ソレノイド21が移動部17に連結されており、ソレノイド21が移動部17を直接上昇させる場合には、この変形例と比較して、移動部17を確実に上昇させることが可能になる。
【0060】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0061】
上述した形態では、搬送ローラ対10の駆動ローラを駆動するモータ12と、駆動ローラ22を駆動するモータ30とが別個に設けられているが、共通のモータによって搬送ローラ対10の駆動ローラおよび駆動ローラ22を駆動しても良い。たとえば、モータ12によって搬送ローラ対10の駆動ローラおよび駆動ローラ22を駆動しても良い。この場合には、プーリやベルト等の動力伝達機構を介して回転軸29がモータ12に連結される。
【0062】
上述した形態では、カード搬送機構7は、複数の搬送ローラ対10を備えているが、カード搬送機構7は、複数の搬送ローラ対10に代えて、カード2を搬送するための複数のプーリおよびこのプーリに架け渡されるベルトを備えていても良い。また、上述した形態において、駆動ローラ22の代わりに、カード2を搬送するための複数のプーリおよびこのプーリに架け渡されるベルトが設けられても良い。
【0063】
上述した形態では、カード挿入部4と本体部5とは、前後方向で隣り合うように配置されているが、カード挿入部4と本体部5とは、左右方向で隣り合うように配置されても良い。この場合には、カード処理装置1の内部において、カード2は、カード2の短手方向と左右方向とが一致した状態で左右方向に搬送される。また、この場合には、カード2が左右方向に搬送されるように、搬送ローラ対10、押えローラ16および駆動ローラ22は、前後方向を回転の軸方向として回転する。
【0064】
上述した形態では、カード2は、カード2の短手方向と左右方向とが一致するようにカード挿入口3に挿入されているが、カード2は、カード2の長手方向と左右方向とが一致するようにカード挿入口3に挿入されても良い。この場合には、たとえば、カード処理装置1の内部において、カード2は、カード2の短手方向と前後方向とが一致した状態で前後方向に搬送される。また、この場合において、カード挿入部4と本体部5とが左右方向で隣り合うように配置されても良い。この場合には、カード処理装置1の内部において、カード2は、カード2の長手方向と左右方向とが一致した状態で左右方向に搬送される。
【0065】
上述した形態では、カード処理装置1は、本体部5を備えているが、カード処理装置1は、本体部5を備えていなくても良い。この場合には、磁気ヘッド6は、カード挿入部4の内部に配置される。また、この場合には、カード挿入口3から挿入されたカード2の上面を押さえるための押え部材は、押えローラ16でなくても良い。たとえば、押え部材は、ブロック状の部材であっても良い。また、この場合には、駆動ローラ22が設けられていなくても良いし、駆動ローラ22に代えてブロック状の部材が設けられていても良い。すなわち、この場合のカード処理装置1は、カード2の搬送機構を備えていない手動式のものであっても良い。
【0066】
上述した形態では、当接部材19を付勢する第1の付勢部材は、圧縮コイルバネ20または引張りコイルバネ40であるが、第1の付勢部材は、板バネ等の他のバネ部材であっても良い。同様に、上述した形態では、移動部17を下方向へ付勢する第2の付勢部材は、圧縮コイルバネ28であるが、第2の付勢部材は、引張りコイルバネや板バネ等の他のバネ部材であっても良い。また、
図5〜
図8に示す変形例において、保持部材18を左方向へ付勢する第3の付勢部材は、引張りコイルバネ41であるが、第3の付勢部材は、圧縮コイルバネや板バネ等の他のバネ部材であっても良い。また、上述した形態では、挿入完了位置17Bから挿入排出可能位置17Aへ移動部17を移動させるための駆動源は、ソレノイド21であるが、挿入完了位置17Bから挿入排出可能位置17Aへ移動部17を移動させるための駆動源は、モータであっても良い。
【0067】
上述した形態では、Z方向(上下方向)が鉛直方向(重力の方向)と一致するようにカード処理装置1が設置されているが、X方向(左右方向)またはY方向(前後方向)が鉛直方向(重力の方向)と一致するようにカード処理装置1が設置されても良い。また、上述した形態において、カード2の表面にICチップの外部接続端子が形成される場合には、カード処理装置1は、磁気ヘッド6に加えて、あるいは、磁気ヘッド6に代えて、IC接点ブロックを備えていても良い。