【解決手段】 EUTRANに含まれる基地局装置は、運用の状況を示す情報を含むログ情報を自装置が保持する記録媒体に書き込む書き込み手段と、前記書き込み手段による前記ログ情報の書き込みエラーを検出する書き込みエラー検出手段と、前記書き込みエラーが検出された前記ログ情報を含むメッセージを作成すると共に、予めアドレスが格納される通信可能な転送先に、前記メッセージを所定のプロトコルにしたがって転送する転送手段とを備える。
EUTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)に含まれる基地局装置であって、
運用の状況を示す情報を含むログ情報を自装置が保持する記録媒体に書き込む書き込み手段と、
前記書き込み手段による前記ログ情報の書き込みエラーを検出する書き込みエラー検出手段と、
前記書き込みエラーが検出された前記ログ情報を含むメッセージを作成すると共に、予めアドレスが格納される通信可能な転送先に、前記メッセージを所定のプロトコルにしたがって転送する転送手段と
を備えた基地局装置。
前記転送手段は、複数の前記転送先のアドレスと、それぞれの転送先に転送可能なログ情報のサイズを示す最大転送サイズを保持し、それぞれの転送先に転送済みのログ情報のサイズと、それぞれの転送先に転送可能な最大転送サイズとに基づいて、前記メッセージの転送先を決定する
請求項1記載の基地局装置。
前記転送手段は、さらに、前記転送先としての優先順位を示す情報を保持し、所定の優先順位を保持する転送先に転送済みのログ情報のサイズが、前記最大転送サイズを超えた場合は、当該転送先の次の優先順位を保持する転送先を、前記メッセージの転送先として決定する
請求項1または請求項2記載の基地局装置。
前記転送先は、前記EUTRANに含まれる他の基地局装置、コアネットワークに含まれる、自装置を管理する装置、MME(Mobility Management Entity)、SGW(Serving Gateway)の少なくともいずれかである
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の基地局装置。
前記基地局装置は、複数の前記転送先のアドレスと、それぞれの転送先に転送可能なログ情報のサイズを示す最大転送サイズを保持し、前記メッセージの転送にあたり、それぞれの転送先に転送済みのログ情報のサイズと、それぞれの転送先に転送可能な最大転送サイズとに基づいて、前記メッセージの転送先を決定する
請求項6記載のログ取得方法。
前記基地局装置は、さらに、前記転送先としての優先順位を示す情報を保持し、前記メッセージの転送にあたり、所定の優先順位を保持する転送先に転送済みのログ情報のサイズが、前記最大転送サイズを超えた場合は、当該転送先の次の優先順位を保持する転送先を、前記メッセージの転送先として決定する
請求項6または請求項7記載のログ取得方法。
【背景技術】
【0002】
近年のモバイルデータ使用量の増大に対応するため、携帯通信端末の通信規格であるLTEを用いた移動通信網が広く構築されている。LTEは、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(以降、「EUTRAN」と称する)と呼ばれる無線アクセスを利用して、エンドユーザにおけるスループットを大幅に改善すると共に、高周波数利用効率を実現している。
【0003】
GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)のような2Gネットワーク、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)のような3Gネットワークでは、回線交換方式とパケット交換方式の両方を備えていた。そして、音声通信は回線交換ネットワーク、データ通信はパケットネットワークを使用するというように、2つのネットワークが併存していた。
【0004】
これに対してLTEネットワークでは、音声もVoIP(Voice over IP)としてパケット化し、すべての情報をパケットとして伝送している。
【0005】
LTEネットワークは、無線アクセス制御機能を備え、ユーザ端末(UE:User Equipment)とインタフェースをとる基地局装置、すなわちEvolved NodeB(以降、「eNodeB」または「eNB」と称する)で構成される。
【0006】
上述の3Gネットワークとの違いとして、LTEネットワークは、RNC(Radio Network Controller)を持たない構成を有している。EUTRANには、基地局装置(eNB)のみが設置され、eNBは直接コアネットワークに接続される。
【0007】
3Gネットワークにおいて、端末からの発着信制御や無線チャネル割り当て制御などRNCが担っていた制御機能を、LTEでは、eNBとコアネットワークとに分散させている。この構成により、処理遅延の削減や、機器構成やネットワーク構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。
【0008】
このように、3Gネットワークにおける基地局装置が担う機能よりも、LTEネットワークにおけるeNBが担う機能は増大しているので、eNBを確実に運用できるように保守・管理を行うことが重要となっている。eNBの保守にあたり、eNBのログ情報を管理することは、必須である。
【0009】
通信ネットワークを構成する機器のログを管理する方法としては、機器自体が備える記憶媒体にログ情報をログファイルとして出力すると共に保存する方法が採用される場合が多い。例えば、特許文献1には、携帯電話システムの保守、運用を実現する技術が開示される。ここでは、携帯電話システムに含まれる無線基地局において、障害発生回数が一定値を超えた場合に障害情報を送信すると共に、ログファイルに障害情報を蓄積し、所定の転送時期にログファイルを送信することが開示される。
【0010】
また、特許文献2には、ログレベル収集装置が開示される。このログレベル収集装置は、基地局からのイベント発生警報により通知されるイベントの種別ごとに、ログ情報の出力レベルを対応付けたテーブルを予め用意しておく。そして、ログレベル収集装置は、基地局からイベント発生警報の受信状況に応じて、ログ情報の出力レベルを求め、求めた出力レベルでログ情報を出力するように基地局に変更通知を送信すると共に、出力されたログ情報を収集して記憶する。
【0011】
また、特許文献3には、syslogプロトコルでログ情報を転送ホストに転送する画像処理装置が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係るLTEネットワーク100の構成図である。
図1に示すように、LTEネットワーク100には、無線アクセス網であるEUTRAN200と、無線アクセスに依存しないコアネットワーク300とが含まれる。
【0025】
EUTRAN200は、LTE基地局装置であるeNB10と、eNB10と通信する隣接eNB20−1、20−2、・・・、20−Nで構成される。
【0026】
コアネットワーク300は、MME(Mobility Management Entity)30−1、30−2、・・・、30−N、SGW(Serving Gateway)40−1、40−2、・・・、40−Nおよび保守管理装置50を含む。ただし、EUTRAN200およびコアネットワーク300は、それぞれ、上記構成要素の他にも構成要素を含んでもよい。
【0027】
MME30−1、30−2、・・・、30−Nは、互いに同一構成を有するので、以降、説明の便宜上、MME30−1について説明する。同じくSGW40−1、・・・、40−Nは、互いに同一構成を有するので、以降、説明の便宜上、SGW40−1について説明する。
【0028】
コアネットワーク300に含まれる各構成要素の概略を説明する。
【0029】
SGW40−1は、在圏パケットゲートウェイと呼ばれ、LTEと3Gのアクセス網(図示せず)の各網におけるユーザデータの転送経路の切り替え制御を行う。MME30−1は、端末(UE)60の移動管理、認証(セキュリティ制御)、SGW40−1とeNB10との間のユーザデータの転送経路の設定等を行う。
【0030】
保守管理装置50は、eNB10に対する保守管理を行う。
【0031】
次に、EUTRAN200に含まれるeNB10の構成について説明する。
【0032】
eNB10は、MME30−1、30−2、・・・、30−N、SGW40−1、・・・、40−Nおよび保守管理装置50と直接通信する。
【0033】
eNB10は、ユーザデータを取り扱うユーザプレーンのプロトコル階層において、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)、パケットデータ制御プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)のレイヤーを備える。
【0034】
eNB10は、また、制御を行うコントロールプレーンのプロトコル階層において、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)機能を備える。
【0035】
UE60とeNB10との間には、無線区間に適したプロトコルが使用され、ユーザデータは、上述したPDCPを使用して伝送される。UE60からeNB10にデータが伝送されると、eNB10とMME30−1(またはSGW40−1)との間でIP(Internet Protocol)伝送に適したプロトコルが使用され、ユーザデータは、GTP−U(GPRS Tunneling Protocol for User Plane)を使用して伝送される。
【0036】
コントロールプレーンでは、端末間での通話や通信を制御する信号が伝送される。すなわち、パケット呼の接続、データを伝送するための伝送路の設定、またはハンドオーバーの制御が行われる。
【0037】
eNB10は、上述のように、無線リンク制御や媒体アクセス制御等を行う機能を有する。そして、eNB10は、それらの機能の実施において、運用状況や障害状況に関する情報、すなわちログ情報を収集し、そのログ情報を記載したログファイルを自装置が保持する記録媒体に書き込む。
【0038】
さらに、eNB10は、ログ情報をsyslogプロトコルにより転送する機能を有する。なお、本実施形態では、syslogプロトコルによる転送とは、RFC(Request for Comment)5452に規定されるログ転送プロトコルに基づく通信方式を想定している。
【0039】
図2は、本第1の実施形態に係るeNB10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、eNB10は、syslogプロトコル処理を実現するsyslog処理部110と、syslog処理部110によりログファイルが書き込まれる記録媒体120とを備える。
【0040】
syslog処理部110は、転送制御部130と、書き込み制御部140とを備える。転送制御部130は、syslogメッセージ転送部131および転送管理テーブル132を備える。書き込み制御部140は、書き込みエラー検出部141および書き込み部142を備える。記録媒体120は、ログファイル121を格納する。
【0041】
syslog処理部110は、通常、ログ情報を記載したログファイル121を、書き込み制御部140により記録媒体120に書き込む。記録媒体120は、HDD(Hard Disc Drive)などから構成される。記録媒体120に書き込まれたログファイル121は、管理者等により回収されることで、eNB10の動作の解析が可能である。
【0042】
図3は、本第1の実施形態に係るeNB10の動作を示すフローチャートである。
図3を参照して、eNB10の動作について説明する。
【0043】
書き込み制御部140は、収集したログ情報を記載したログファイルを、書き込み部142により、記録媒体120に書き込む(S201)。書き込み部142がログファイルの書き込みに失敗すると、書き込みエラー検出部141は、書き込みエラーを検出する(S202)。
【0044】
書き込みエラー検出部141は、書き込みエラーを検出すると、転送制御部130にログ情報の転送を指示する(S203)。転送制御部130は、上記指示に基づいて、転送先ノードにsyslogメッセージを送信することによりログ情報を送信する。
【0045】
転送先ノードとは、LTEネットワーク100においてeNB10が通信可能な装置であり、少なくとも、隣接eNB20−1、20−2、・・・、20−N、MME30−1、30−2、・・・、30−N、SGW40−1、・・・、40−Nおよび保守管理装置50のいずれかである。
【0046】
具体的には、転送制御部130におけるsyslogメッセージ転送部131は、上記指示に応じて、転送管理テーブル132に基づいてsyslogメッセージを作成する(S204)。
図4は、転送管理テーブル132の構成を示す図である。
図4に示すように、転送管理テーブル132は、転送先アドレスを保持する。転送先アドレスとは、eNB10がsyslogメッセージを転送する転送先ノードのIPアドレスを示す。ここでは、転送管理テーブル132は、転送先アドレスとして、隣接eNB20−1と、保守管理装置50のIPアドレスを含む。
【0047】
ここで、保守管理装置50は、転送管理テーブル132に、運用状況に応じてログ情報の転送先として最適な装置のIPアドレスを設定できる。保守管理装置50は、また、転送先アドレス等を変更したり、設定内容を確認したりすることもできる。保守管理装置50は、転送先アドレスとして複数のアドレスを設定してもよい。
【0048】
syslogメッセージ転送部131は、転送管理テーブル132に含まれる転送先アドレスを宛先とし、書き込みに失敗したログ情報をメッセージ内容として、syslogメッセージを作成する。そして、作成したsyslogメッセージを、syslogプロトコルに定義されるポートを介して、転送先ノード(ここでは隣接eNB20−1と保守管理装置50)に送信する(S205)。
【0049】
転送先ノードである隣接eNB20−1と保守管理装置50、および、隣接eNB20−1、20−2、・・・、20−N、MME30−1、30−2、・・・、30−N、SGW40−1、・・・、40−Nでは、syslogデーモンが起動している。syslogデーモンは、syslogプロトコルにしたがって受信したログ情報の書き込み先が記載された設定ファイルを保持する。syslogデーモンは、この設定ファイルにしたがって、受信したログ情報を書き込み先に書き込む(S206、S207)。syslogデーモンは、ログ情報を、例えば自装置が備える記憶媒体に書き込む。
【0050】
以上のように、本第1の実施形態によれば、eNB10は、書き込み部142によるログファイルの記録媒体120への書き込みに失敗すると、syslogメッセージ転送部131は、書き込みを失敗したログ情報を含むsyslogメッセージを、syslogプロトコルに従って予め保守管理装置50により設定された転送先ノードに送信する。
【0051】
この構成を採用することにより、本第1の実施形態によれば、eNB10は、記録媒体120への書き込みに失敗したログ情報をEUTRAN200またはコアネットワーク300に含まれる装置に転送するので、eNB10のログ情報の取得に対する信頼性を向上させ、EUTRAN200における不具合発生時の原因究明にかかる保守者のOPEXを最小限に抑えることができるという効果得られる。
【0052】
また、eNB10は、記録媒体120への書き込みに失敗したログ情報のみを転送先ノードに転送するので、ネットワークトラフィックの増大を招くことなく、確実にログ情報を取得することができるという効果が得られる。
【0053】
また、eNB10の転送先ノードとして、EUTRAN200またはコアネットワーク300に含まれる装置を設定するので、ログ情報の収集のための装置を設けることなく(すなわちコストを増大することなく)、LTEネットワーク100全体でログ情報の取得を冗長化できるという効果が得られる。
【0054】
また、保守管理装置50は、eNB10に対してログ情報の転送先ノードを設定できるので、EUTRAN200またはコアネットワーク300に含まれる装置のいずれかを転送先ノードとして柔軟に設定できるという効果が得られる。
【0055】
第2の実施形態
次に、上述した第1の実施形態を基礎とする第2の実施形態について説明する。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については同じ参照番号を付与することにより、重複する説明は省略する。
【0056】
図5は、本第2の実施形態に係るeNB70の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、eNB70は、転送制御部150および書き込み制御部160を備える。転送制御部150は、上記第1の実施形態に係るeNB10の転送制御部130に加えて、サイズ制御部151を備える。また、書き込み制御部160は、上記第1の実施形態に係るeNB10の書き込み制御部140に加えて、サイズ検出部161を備える。
【0057】
本第2の実施形態に係るeNB70では、ログ情報を転送する転送先ノードの優先度およびログ情報のサイズに関する制御を行う。
【0058】
図6は、転送制御部150の転送管理テーブル132の構成を示す図である。
図6に示すように、転送管理テーブル132は、転送先アドレス、優先度、最大転送サイズ、転送済みサイズを示す各情報を保持する。転送先アドレスは、第1の実施形態と同様に、ログ情報を転送する先のIPアドレスを示す。優先度は、ログ情報を転送する先の優先順位を示す。最大転送サイズは、syslogプロトコルにしたがって転送するログ情報のサイズを制限するための最大転送サイズを示す。転送済みサイズは、syslogプロトコルにしたがって転送済みのログ情報のサイズを示す。
【0059】
転送制御部150は、転送管理テーブル132にしたがって、ログ情報を、優先度の最も高い転送先ノードにログ情報を転送する。また、転送制御部150は、syslogプロトコルにしたがって転送済みのログ情報のサイズが、最大転送サイズを超えた場合、次に優先度の高い転送先ノードへ、syslogプロトコルの転送先を切り替える。
【0060】
転送管理テーブル132に含まれる情報は、上記第1の実施形態と同様に、保守管理装置50により設定される。また、保守管理装置50は、転送管理テーブル132に含まれる情報を変更したり、設定内容を確認したりすることもできる。
【0061】
図7および
図8は、本第2の実施形態に係るeNB70の動作を示すフローチャートである。
図7および
図8を参照して、eNB70の動作について説明する。
【0062】
書き込み制御部160は、収集したログ情報を記載したログファイルを、書き込み部142により、記録媒体120に書き込む(S301)。書き込み部142がログファイルの書き込みに失敗すると、書き込みエラー検出部141は、書き込みエラーを検出する(S302)。
【0063】
書き込みエラー検出部141が書き込みエラーを検出すると、サイズ検出部161は、書き込みエラーを生じたログ情報のサイズを検出する(S303)。サイズ検出部161は、サイズを検出したログ情報を転送する指示を、転送制御部150に行う(S304)。転送制御部150は、上記指示を受けると、ログ情報をsyslogプロトコルにより転送するにあたり、サイズの確認を行う。すなわち、サイズ制御部151は、転送管理テーブル132に格納される優先度が最も高い転送先ノードに関連付けられた転送済みサイズが、最大転送サイズを超えていないか否かを確認する(S305)。超えていない場合、Syslogメッセージ転送部131は、その優先度が最も高い転送先ノードを宛先とし、上記書き込みに失敗したログ情報をメッセージ内容として、syslogメッセージを作成する(S306)。
【0064】
一方、転送管理テーブル132に格納される優先度が最も高い転送先ノードに関連付けられた転送済みサイズが、最大転送サイズを超えている場合、サイズ制御部151は、次に優先度が高い転送先ノードに関連付けられた転送済みサイズが、最大転送サイズを超えていないか否かを確認する(S307)。サイズ制御部151は、この確認を繰り返し、転送済みサイズが、最大転送サイズを超えていない転送先ノードを特定する。そして、Syslogメッセージ転送部131は、特定された転送先ノードを宛先とし、上記書き込みに失敗したログ情報をメッセージ内容として、syslogメッセージを作成する(S306)。
【0065】
Syslogメッセージ転送部131は、作成したsyslogメッセージを、転送先ノードに送信する(S308)。そして、Syslogメッセージ転送部131は、転送したログ情報のサイズを、転送管理テーブル132における転送済みサイズに加算する更新を行う(S309)。
【0066】
例えば、
図6に示す場合、隣接eNB20−1と保守管理装置50とが共に最も優先度が高いが、保守管理装置50の転送済みサイズは、最大転送サイズを超えている。したがって、Syslogメッセージ転送部131は、隣接eNB20−1と、次に優先度の高い隣接eNB20−2にsyslogメッセージを転送する。
【0067】
隣接eNB20−1および隣接eNB20−2は、syslogデーモンは、設定ファイルにしたがって、受信したログ情報を書き込み先に書き込む(S310、S311)。
【0068】
以上のように、本第2の実施形態によれば、保守管理装置50は、eNB70に対して、転送先ノードの優先度と、転送先ノードが受信可能なサイズを設定できるので、転送先ノードの容量に応じたログ情報の転送が可能になるという効果が得られる。
【0069】
なお、上記実施形態では、転送先ノードとして、隣接eNB20−1、20−2、・・・、20−N、MME30−1、30−2、・・・、30−N、SGW40−1、・・・、40−Nおよび保守管理装置50の少なくとも何れかであることを説明したが、これに限定されない。すなわち、eNB10とTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を介して通信可能であり、syslogデーモンが起動している装置であればよい。保守管理装置50は、そのような装置のIPアドレスを、eNB10に設定することにより、syslogメッセージの転送先ノードとして設定することができる。また、隣接eNB20−1、20−2、・・・、20−Nは、eNB10と同様の構成を備えると共に、eNB10と同様に、MME30−1、30−2、・・・、30−N、SGW40−1、・・・、40−Nおよび保守管理装置50の少なくともいずれかに、書き込みに失敗したログ情報を含むsyslogメッセージを転送してもよい。
【0070】
第3の実施形態
図9は、本発明の第3の実施形態に係る基地局装置80の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、基地局装置80は、EUTRANに含まれる。
【0071】
基地局装置80は、書き込み部81、書き込みエラー検出部82および転送部83を備える。
【0072】
書き込み部81は、運用の状況を示す情報を含むログ情報を自装置が保持する記録媒体に書き込む。書き込みエラー検出部82は、書き込み部81によるログ情報の書き込みエラーを検出する。
【0073】
転送部83は、書き込みエラーが検出されたログ情報を含むメッセージを作成すると共に、予めアドレスが格納される通信可能な転送先に、メッセージを所定のプロトコルにしたがって転送する。
【0074】
上記構成を採用することにより、本第3の実施形態によれば、コストやネットワークトラフィックの増大を招くことなく、確実にログ情報を取得することができるという効果が得られる。
【0075】
なお、
図2、
図5および
図9に示した基地局装置の各部は、
図10に例示するハードウエア資源において実現される。すなわち、
図9に示す構成は、
図2、
図5および
図9に示した基地局装置における、転送制御部130、150および書き込み制御部140は、メモリ11に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ11において実行するCPU(Central Processing Unit)15によって構成される。なお、基地局装置およびその各機能ブロックのハードウエア構成は、上述の構成に限定されない。
【0076】
また、各実施形態を例に説明した本発明は、基地局装置に対して、上記説明した機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、そのコンピュータ・プログラムを、CPU15が実行することによって達成される。
【0077】
また、係る供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能なメモリ(一時記憶媒体)またはハードディスク装置等のコンピュータ読み取り可能な記憶デバイスに格納すればよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムを表すコード或いは係るコンピュータ・プログラムを格納した記憶媒体によって構成されると捉えることができる。