【解決手段】画素構造は、基板と、対向基板と、走査線及びデータ線と、能動素子と、画素電極と、保護層とを含む。画素電極は、少なくとも1つのブロック状電極と、複数の第1枝電極とを有する。保護層は、少なくとも1つのブロック状突起パターンと、複数の分岐突起パターンと、複数の凹溝とを含む。第1枝電極は、ブロック状突起パターン上に設けられる。ブロック状電極の正射影エッジと、最も近い1本目の第1枝電極の正射影エッジとの間にギャップ幅W1を有し、0μm<W1≦4μmの関係を満たす。ブロック状電極の正射影エッジと、ブロック状突起パターンの正射影エッジとの間に距離W2を有し、2μm≦W2≦5.5μmの関係を満たす。
前記画素電極は、少なくとも1つのブロック状電極と、前記ブロック状電極に接続される複数の外側枝電極とをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の画素構造。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示パネル1000を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態の表示パネル1000は、基板10と、対向基板20と、表示媒体30と、画素アレイ層12を有している。本発明において、表示パネル1000は、例えば、液晶表示パネルである。
【0017】
基板10の材料としては、ガラス、石英、有機ポリマー、又は他の類似材料が挙げられる。
【0018】
対向基板20は、基板10に対向配置されている。対向基板20の材料としては、ガラス、石英、有機ポリマー、又は他の類似材料が挙げられる。対向基板20は、基板10に対向する側に共通電極22が配置されている。共通電極22の材料は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウムスズ酸化物(ATO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウムゲルマニウム酸化亜鉛(IGZO)等の金属酸化物、グラフェン、カーボンナノチューブ、他の適切な材料、又はこれらの材料のうちの少なくとも2つを積層した層であってもよい。
【0019】
表示媒体30は、基板10と対向基板20との間に配置されている。表示媒体30は、複数の液晶分子(図示せず)を含んでいる。本実施形態の表示パネル1000は、表示媒体30において、液晶分子を有するだけでなく、モノマー化合物も含んでいる。換言すれば、表示媒体30は、表示パネル1000においてモノマー化合物の硬化プロセスが行われる前に、液晶分子及びモノマー化合物を含んでいる。表示パネル1000においてモノマー化合物の硬化プロセスが行われる際には、モノマー化合物が画素アレイ層12の表面上にポリマー薄膜が形成されるように重合される。ポリマー薄膜は、液晶分子を配向させることが可能であるため、配向膜と呼ばれてもよい。硬化プロセスは、光重合法、熱重合法、又はこれらの組み合わせであってもよい。上記硬化プロセスに応じて、液晶分子にレチルト角を発生させるように、電圧を印加してもよい。このように、表示媒体30は、表示パネル1000においてモノマー化合物の硬化プロセスが行われた後、主に液晶分子で構成されている。
【0020】
画素アレイ層12は、基板10上に配置され、その上方に表示媒体30が覆われている。画素アレイ層12は、複数の画素構造100によって構成されている。
図2を参照して、画素構造100の設計について詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る画素アレイ層12を示す概略上面図である。説明上の便宜のため、
図2において、画素アレイ層12のうち3×3画素構造100のみが示されている。ただし、当業者であれば、
図1に示される画素アレイ層12は、実際にアレイ状に配列された複数の画素構造100から構成されていることを理解すべきである。
【0021】
図2に示すように、画素構造100は、走査線SL、データ線DL、能動素子T、画素電極PE、及び保護層(図示せず)を含んでいる。
【0022】
走査線SLの延在方向は、データ線DLの延在方向とは異なっている。好ましくは、データ線DL及び走査線SLの延在方向が互いに直交しているが、これに限定されない。また、走査線SLとデータ線DLは、異なるフィルム層に配置され、絶縁層(図示せず)がその間に挟まれている。走査線SL及びデータ線DLは、画素構造100の駆動信号(例えば、走査信号及びデータ信号)を送信するのに用いられる。一般的に、走査線SL及びデータ線DLは、金属材料で作られているが、これに限定されない。本発明の他の実施形態では、走査線SL及びデータ線DLの材料は、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、グラフェン、カーボンナノチューブ、他の適切な導電性材料、又はこれら材料のうち少なくとも2つを積層した層であってもよい。
【0023】
能動素子Tは、走査線SLとデータ線DLとに電気的に接続されている。ここで、能動素子Tは、例えば、ゲート、チャネル層、ドレイン、及びソースを含む薄膜トランジスタ(TFT)である。ゲートは、走査線SLに電気的に接続され、ソースは、データ線DLと電気的に接続されている。言い換えれば、制御信号が走査線SLに入力される場合、走査線SLとゲートとの間が電気的に導通され、制御信号がデータ線DLに入力される場合、データ線DLとソースとの間が電気的に導通される。チャネル層は、ゲートの上方、ソース及びドレインの下方に配置されている。本実施形態において、能動素子Tは、例えば、ボトムゲート型TFTであってもよいが、これに限定されない。他の実施形態において、能動素子Tは、チャネル層がゲートの下方、ソース及びドレインの下方に配置されトップゲート型TFTであってもよい。チャネル層の材料としては、ポリシリコン、微結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、金属酸化物半導体材料、有機半導体材料、グラフェン、カーボンナノチューブ、その他の適切な導電性材料、又はこれら材料のうち少なくとも2つを積層した層であってもよい。
【0024】
画素電極PEは、能動素子Tに電気的に接続されている。例えば、画素電極PEは、コンタクト窓(符号は付せず)を介して能動素子Tのドレイン電気的に接続されることができる。画素電極PEは、例えば、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、インジウムゲルマニウム酸化亜鉛等の金属酸化物、グラフェン、カーボンナノチューブ、他の適切な材料、又はこれら材料のうち少なくとも2つを積層した層であってもよい。
【0025】
保護層は、画素電極PEの下方に配置されている。保護層の材料は、例えば、無機材料、有機材料、これらの材料の単一な混合層又は積層であってもよい。無機材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、グラフェンの窒化物、グラフェンの酸化物、グラフェンの酸化窒化物、窒化炭素ナノチューブ、酸化炭素カーボンナノチューブ、炭素酸化窒化カーボンナノチューブ、他の適切な材料、又はこれら材料のうちの少なくとも2つを積層した層であってもよい。有機材料としては、例えば、無色のフォトレジスト、透光性を有するカラーフォトレジスト、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene,BCB)、ポリイミド(PI)、ポリメタクリレート(PMA)、その他の適切な材料、又はこれら材料のうち少なくとも2つを積層した層であってもよい。
【0026】
本発明の液晶表示パネルにおいては、凹凸構造を有する画素構造が要求される。上記要求を満たすために、本発明の画素構造における画素電極PE及び保護層は、異なる方法で設計される。以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施例に係る画素構造について、詳しく説明する。このように、画素構造における画素電極PE及び保護層の設計を明確にすることができる。
【0027】
図3は、本発明の第1実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図4は、
図3の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図5は、
図3の画素電極と
図4の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図3に示すように、画素電極120は、少なくとも1つのブロック状電極(板状電極とも称する)122と、複数の第1枝電極124とを有している。具体的に、ブロック状電極122は、画素電極120におけるパターン化されていない電極領域である。つまり、ブロック状電極122には、任意の開口(opening)、穴(hole)、スリット(slit)、凹溝(groove)、又はギャップ(gap)が存在していない。それに対し、第1枝電極124は、画素電極120におけるパターン化された電極領域である。画素電極120は、主電極126をさらに含んでもよい。複数の第1枝電極124は、主電極126に接続され、隣接する2つの第1枝電極124の間に、及び主電極126と隣接する第1枝電極124との間には、スリット(符号は付せず)を有している。
本実施例において、例として、2つのブロック状電極122は、主電極126の両側に配置されている。つまり、第1枝電極124及び主電極126は、2つのブロック状電極122が互いに直接接触しないように、2つのブロック状電極122の間に配置されているが、これに限定されない。他の実施例において、画素電極120は、1つのブロック状電極122と、複数の第1枝電極124、主電極126とを有していてもよい。本発明のブロック状電極122の(基板への)正射影形状は、多角形状を有し、本実施例において、例として五角形状を有しているが、これに限定されない。このように、第1枝電極124及びブロック状電極122の(基板への)正射影の輪郭形状によって様々な形状、例えば、矩形又はジグザグ状(zigzag)が形成されることができるが、これに限定されない。
【0028】
図4に示すように、保護層140は、少なくとも1つのブロック状突起パターン142と、複数の分岐突起パターン144とを有している。また、分岐突起パターン144の間に、凹溝145を有している。具体的に、ブロック状突起パターン(板状突起パターンとも称する)142は、保護層140におけるかなり大きな面積を占有し、パターン化されていない突起領域である。つまり、ブロック状突起パターン142には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。分岐突起パターン144及び凹溝145が形成される箇所は、保護層140における凹凸構造を有する領域である。
本実施例において、保護層140は、複数の分岐突起パターン144に接続される主突起パターン146を有している。隣接する2つの分岐突起パターン144の間に、及び主突起パターン146と隣接する分岐突起パターン144との間には、凹溝145を有している。本実施例において、ブロック状突起パターン142は、2つの別個の領域にある分岐突起パターン144が互いに直接接触しないように、この2つの別個の領域にある分岐突起パターン144の間に配置されている。このように、2つの別個の領域にある分岐突起パターン144は、それぞれ、主突起パターン146を有し、2つの別個の領域における主突起パターン146が互いに直接接触・接続せず、ブロック状突起パターン142を介して接続されているが、これに限定されない。他の実施例において、保護層140は、2つのブロック状突起パターン142と、複数の領域にある分岐突起パターン144と、主突起パターン146とを有してもよい。
【0029】
図5は、
図3の画素電極120と
図4の保護層140が重なっていることを示す概略図である。
図3〜
図5を併せて参照すると、画素電極120は、保護層140の上方に形成され、画素電極120のブロック状電極122は、保護層140の複数の分岐突起パターン144上をコンフォーマルに覆い、複数の分岐突起パターン144により突起し、複数の凹溝145により凹み、複数の第2枝電極128が形成されるように設けられている。画素電極120の主電極126及び第1枝電極124は、保護層140のブロック状突起パターン142上に形成されている。画素電極120の主電極126は、保護層140の主突起パターン146と交差して配置されてもよいが、これに限定されない。主電極126及び主突起パターン146は、
図5に示すように、互いに直交していることが好ましい。ちなみに、画素電極120の主電極126は、2つの交差する方向、例えば、行方向及び列方向に配列された電極を含んでいる。その2つの方向のいずれか一方は、実質的に主突起パターン146に平行であり、他方は、主突起パターン146に実質的に交差している(例えば、実質的に垂直である)。
【0030】
図6は、
図5のK1領域を示す概略拡大図である。
図7は、
図5中のI−I’線に沿った概略断面図である。
図5、
図6及び
図7を併せて参照する。分岐突起パターン144の幅L1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。また、分岐突起パターン144の間隔S1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S1は、凹溝145の幅とみなすことができる。第1枝電極124の幅L2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。第1枝電極124の間隔S2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S2は、スリット(符号は付せず)の幅とみなすことができる。このように、幅L1,L2及び間隔S1,S2を調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。
【0031】
具体的に、画素電極120のブロック状電極122のエッジ122eは、さらに、保護層140のブロック状突起パターン142上まで延びている。ブロック状電極122の(基板への)正射影エッジ122eと、最も近い1本目の第1枝電極124aの(基板への)正射影エッジ124eとの間にギャップ幅W1を有している。透過率を考慮して、ギャップ幅W1は、0μm<W1≦4μmの関係を満たし、1μm≦W1≦3μmの関係を満たすことが好ましく、約2μmであることが最も好ましい。ブロック状電極122の正射影エッジ122eと、ブロック状突起パターン142の(基板への)正射影エッジ142eとの間に距離W2を有している。透過率を考慮して、距離W2は、2μm≦W2≦5.5μmの関係を満たし、約3μmであることが最も好ましい。
【0032】
なお、
図7に示すように、画素電極120のブロック状電極122のエッジ122eは、保護層140のブロック状突起パターン142上まで延びている。具体的に、ブロック状電極122と1本目の第1枝電極124aとの間の境界は、保護層140の分岐突起パターン144の凹溝145内に設けられず、保護層140のブロック状突起パターン142の突起した領域に設けられるように形成されている。本実施において、分岐突起パターン144の凹溝145のそれぞれの深さdは、例えば、0.1μm≦d≦0.3μmの関係を満たすが、これに限定されない。
【0033】
特に、画素構造のブロック状電極122と1本目の第1枝電極124aとの間の境界は、保護層140のブロック状突起パターン142上に設けられている。本実施例の画素構造によれば、W2ジャンクション(即ち、平面視でブロック状電極122とブロック状突起パターン142とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層140の分岐突起パターン144及び凹溝145によって形成される画素構造において、傾斜側壁(taper)に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率を有する表示パネルが得られることができる。
【0034】
図8は、本発明の他の実施例に係る
図5中のI−I’線に沿った画素構造を示す概略断面図である。
図8に示す実施例は、
図5〜
図7に示す実施例に類似するため、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように、画素電極120の下方に、保護層140のほか、カラーフィルタ層160がさらに配置されてもよい。保護層140は、無機材料、有機材料、又は上記の材料を積層した層を用いてもよい。なお、カラーフィルタ層160の色に対する干渉を低減させるため、保護層140の有機材料は、カラーレジストから選択することが好ましくない。ここで、カラーフィルタ層160は、例えば、緑色フィルタ層、青色フィルタ層、及び赤色フィルタ層のうちの少なくとも1つによって構成されている。
【0035】
図9は、本発明の第2実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図10は、
図9の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図11は、
図9の画素電極と
図10の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図9に示すように、画素電極220は、少なくとも1つのブロック状電極(板状電極とも称する)222と、複数の第1枝電極224と、主電極226と、外側枝電極228とを有している。具体的に、ブロック状電極222は、画素電極220におけるパターン化されていない電極領域である。つまり、ブロック状電極222には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。それに対し、第1枝電極224、主電極226、及び外側枝電極228は、画素電極220におけるパターン化された電極領域である。本実施例において、複数のブロック状電極222は、主電極226の両側に配置されている。複数の第1枝電極224は、ブロック状電極222が互いに隣接する側に配置され、ブロック状電極222のエッジ222eに近いように設けられている。また、複数の第1枝電極224は、主電極226に接続され、隣接する2つの第1枝電極224の間に、及び主電極226と隣接する第1枝電極224との間には、スリット(符号は付せず)を有している。複数の外側枝電極228は、ブロック状電極222のエッジ222eとは反対側に配置され、ブロック状電極222の他のエッジ222fに沿って放射状に外向きに延びている。隣接する2つの外側枝電極228の間にスリット(符号は付せず)を有している。
図9に示すように、ブロック状電極222は、エッジ222eがエッジ222fに直接接続されていない。本発明のブロック状電極222の(基板への)正射影形状は、多角形状を有し、本実施例において、例として、六角形状を有しているが、これに限定されない。このように、外側枝電極228及びブロック状電極222の(基板への)正射影の輪郭形状によって五角形に形成されてもよい。第1枝電極224、外側枝電極228及びブロック状電極222の(基板への)正射影の輪郭形状によって様々な形状、例えば、矩形又はジグザグ状(zigzag)が形成されることができるが、これに限定されない。
【0036】
図10に示すように、保護層240は、少なくとも1つのブロック状突起パターン(板状突起パターンとも称する)242と、複数の分岐突起パターン244と、主突起パターン246と、少なくとも1つのブロック状パターン248とを有している。具体的に、ブロック状突起パターン242は、保護層240におけるかなり大きな面積を占有し、パターン化されていない突起領域である。つまり、ブロック状突起パターン242には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。分岐突起パターン244は、保護層240内の突起であり、隣接する2つの分岐突起パターン244の間に凹部である凹溝(符号は付せず)を有することにより、分岐突起パターン244及び凹溝が設けられている領域が凹凸領域になる。ブロック状パターン(板状パターンとも称する)248は、保護層240におけるかなり大きな面積を有する凹む領域であるため、板状凹みパターンともいう。ブロック状パターン248の厚さは、ブロック状突起パターン242の厚さよりも低いが、凹溝の厚さと略同一であってもよい。
本実施例において、複数の分岐突起パターン244は、主突起パターン246に接続されている。また、隣接する2つの分岐突起パターン244の間に、及び主突起パターン246と隣接する分岐突起パターン244との間には、凹溝(符号は付せず)を有している。隣接する2つの分岐突起パターン244の間の凹溝(符号は付せず)は、ブロック状パターン248に接続されている。本実施例において、ブロック状突起パターン242は、2つの別個の領域にある分岐突起パターン244が互いに直接接触しないように、この2つの別個の領域にある分岐突起パターン244の間に配置されている。このように、2つの別個の領域にある分岐突起パターン244は、それぞれ、その領域の主突起パターン246に接続されている。また、2つの別個の領域における主突起パターン246が互いに直接接触・接続せず、ブロック状突起パターン242を介して接続されている。また、本実施例において、例として、4つのブロック状パターン248が分岐突起パターン244の外側の角に設けられているが、これに限定されない。
【0037】
図11は、
図9の画素電極220と
図10の保護層240が重なっていることを示す概略図である。
図9〜
図11を併せて参照すると、画素電極220は、保護層240の上方に形成され、画素電極220のブロック状電極222は、保護層240の複数の分岐突起パターン244上をコンフォーマルに覆い、分岐突起パターン244により突起し、凹溝(符号は付せず)により凹み、複数の第2枝電極230が形成されるように設けられている。画素電極220の主電極226及び第1枝電極224は、保護層240のブロック状突起パターン242上に形成されている。画素電極220の外側枝電極228は、保護層240のブロック状パターン248上に形成され、画素電極220の主電極226は、保護層240の主突起パターン246と互い交差して配置されてもよいが、これに限定されない。主電極226及び主突起パターン246は、
図11に示すように、互いに直交していることが好ましい。ちなみに、画素電極220の主電極226は、2つの交差する方向、例えば、行方向及び列方向に配列された電極を含んでいる。その2つの方向のいずれか一方は、実質的に主突起パターン246に平行であり、他方は、主突起パターン246に実質的に交差している(例えば、実質的に垂直である)。
【0038】
図12は、
図11のK2領域を示す概略拡大図である。
図11及び
図12を併せて参照する。分岐突起パターン244の幅L1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。また、分岐突起パターン244の間隔S1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S1は、凹溝(符号は付せず)の幅とみなすことができる。第1枝電極224の幅L2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。第1枝電極224の間隔S2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S2は、スリット(符号は付せず)の幅とみなすことができる。外側枝電極228の幅L3は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。外側枝電極228の間隔S3は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S3は、スリット(符号は付せず)の幅とみなすことができる。このように、幅L1,L2,L3及び間隔S1,S2,S3を調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。
【0039】
同様に、
図12に示すように、画素電極220の第1枝電極224は、保護層240のブロック状突起パターン242上に配置されている。画素電極220のブロック状電極222のエッジ222eは、さらに、保護層240のブロック状突起パターン242まで延びている。特に、ブロック状電極222の(基板への)正射影エッジ222eと、最も近い1本目の第1枝電極224aの(基板への)正射影エッジ224eとの間にギャップ幅W1を有している。透過率を考慮して、ギャップ幅W1は、0μm<W1≦4μmの関係を満たし、1μm≦W1≦3μmの関係を満たすことが好ましく、約2μmであることが最も好ましい。ブロック状電極222の正射影エッジ222eと、ブロック状突起パターン242の(基板への)正射影エッジ242eとの間に距離W2を有している。透過率を考慮して、距離W2は、2μm≦W2≦5.5μmの関係を満たし、約3μmであることが最も好ましい。その断面図及びW1、W2は、
図7に示されている。
【0040】
特に、画素構造のブロック状電極222と1本目の第1枝電極224aとの間の境界は、保護層240の分岐突起パターン244の凹溝(符号は付せず)に形成されず、保護層240のブロック状突起パターン242上に設けられているが(
図7を参照する)、これに限定されない。本実施例では、分岐突起パターン244の凹溝(符号は付せず)の深さd(
図7を参照する)が限定されない。これにより、保護層240の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができるほか、W2ジャンクション(即ち、平面視でブロック状電極222とブロック状突起パターン242とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層240の分岐突起パターン244及び凹溝によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0041】
図13は、本発明の第3実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図14は、
図13の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図15は、
図13の画素電極と
図14の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図13に示すように、画素電極320は、少なくとも1つのブロック状電極(板状電極とも称する)322と、複数の第1枝電極324と、第1主電極326と、第2主電極328とを有している。具体的に、ブロック状電極322は、画素電極320におけるパターン化されていない電極領域である。つまり、ブロック状電極322には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。それに対し、第1枝電極324は、画素電極320におけるパターン化された電極領域である。特に、
図13に示すように、画素電極320の複数の第1枝電極324は、第1主電極326に接続される複数の第1副枝電極3241と、第2主電極328に接続される第2副枝電極3242とをさらに含んでいる。隣接する2つの第1副枝電極3241の間、及び第1主電極326と隣接する第1副枝電極3241との間には、スリット(符号は付せず)を有している。且つ、隣接する2つの第2副枝電極3242の間、及び第1主電極326と隣接する第2副枝電極3242との間には、スリット(符号は付せず)を有している。ブロック状電極322は、第1枝電極324と第2枝電極328が互いに直接接触・接続しないように、これらの第1副枝電極3241とこれらの第2副枝電極3242との間に配置されている。
本発明のブロック状電極322の(基板への)正射影形状は、多角形状を有している。本実施例において、例として、ジグザグ状(zigzag)の六角形状を有しているが、これに限定されない。ブロック状電極222は、このように、第2枝電極328及びブロック状電極322の正射影形状によって五角形に形成されてもよい。第1枝電極324、第2枝電極328、及びブロック状電極322の(基板への)正射影の輪郭形状によって様々な形状、例えば、矩形又はジグザグ状(zigzag)が形成されることができるが、これに限定されない。
【0042】
図14に示すように、保護層340は、少なくとも1つのブロック状突起パターン342と、複数の分岐突起パターン344と、第1主突起パターン346と、第2主突起パターン348とを有している。具体的に、ブロック状突起パターン(板状突起パターンとも称する)342は、保護層340におけるかなり大きな面積を占有し、パターン化されていない突起領域である。つまり、ブロック状突起パターン342には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。分岐突起パターン344は、保護層340内の突起であり、隣接する2つの分岐突起パターン344の間に凹部である凹溝(符号は付せず)を有することにより、分岐突起パターン344及び凹溝が設けられている領域が凹凸領域になる。特に、
図14に示すように、保護層340の複数の分岐突起パターン344は、第1主突起パターン346に接続される複数の第1分岐突起パターン3441と、第2主突起パターン348に接続される複数の第2分岐突起パターン3442とをさらに含んでいる。本実施形態では、例として、3つのブロック状突起パターン342を有している。第1分岐突起パターン3441は、隣接する2つのブロック状突起パターン342の間に設けられ、第2分岐突起パターン3442は、隣接する2つのブロック状突起パターン342の間に設けられ、それぞれ2つの領域にある第1分岐突起パターン3441及び第2分岐突起パターン3442は、互いに直接接触・接続されていない。2つの別個の領域における第1分岐突起パターン3441及び第2分岐突起パターン3442にそれぞれ接続される第1主突起パターン346及び第2主突起パターン348が互いに直接接触・接続せず、その間のブロック状突起パターン342を介して接続されているが、これに限定されない。
【0043】
図15は、
図13の画素電極320と
図14の保護層340が重なっていることを示す概略図である。
図13〜
図15を併せて参照すると、画素電極320は、保護層340の上方に形成され、画素電極320のブロック状電極322は、保護層340の複数の分岐突起パターン344上をコンフォーマルに覆い、分岐突起パターン344により突起し、凹溝(符号は付せず)により下向き凹み、複数の第2枝電極330が形成されるように配置されている。特に、保護層340のブロック状突起パターン342は、ブロック状突起パターン342が第1副枝電極3241及び第2副枝電極3242と重なるように、第1副枝電極3241及び第2副枝電極3242の下方に設けられている。画素電極320のブロック状電極322のエッジ322eは、保護層340の分岐突起パターン344の凹溝(
図7を参照する。図には符号は付せず)内に形成されず、保護層340のブロック状突起パターン342まで延びている。本実施例では、分岐突起パターン344の凹溝(符号は付せず)の深さが限定されない。画素電極320の第1主電極326は、保護層340の第1主突起パターン346及び第2主突起パターン348と交差して配置されてもよいが、これに限定されない。
図15に示すように、第1主電極326及び第1主突起パターン346は、互いに直交していることが好ましい。ちなみに、画素電極320の第1主電極326は、2つの交差する方向、例えば、行方向及び列方向に配列された電極を含んでいる。その2つの方向のいずれか一方は、実質的に第1主突起パターン346及び第2主突起パターン348に平行であり、他方は、第1主突起パターン346及び第2主突起パターン348に実質的に交差している(例えば、実質的に垂直である)。
【0044】
図16は、
図15のK3領域を示す概略拡大図である。
図15及び
図16を併せて参照する。第1分岐突起パターン3441の幅L1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。また、第1分岐突起パターン3441の間隔S1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S1は、凹溝(符号は付せず)の幅とみなすことができる。第1副枝電極3241の幅L2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。第1副枝電極3241の間隔S2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S2は、スリット(符号は付せず)の幅とみなすことができる。このように、幅L1,L2及び間隔S1,S2を調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。特に、
図15及び
図16を併せて参照すると、第2分岐突起パターン3442の幅及び間隔は、第1分岐突起パターン3441の幅L1及び間隔S1と略同一である。また、第1分岐突起パターン3441が第2分岐突起パターン3442の幅及び間隔と実質的に同じでも異なっていてもよいが、これに限定されない。同様に、第2副枝電極3242の幅及び間隔は、第1副枝電極3241の上記幅L2及び間隔S2と略同一である。また、第1副枝電極3241が第2副枝電極3242の幅及び間隔と実質的に同じでも異なっていてもよいが、これに限定されない。
【0045】
図16に示すように、同様に、画素電極320の第1枝電極324は、保護層340のブロック状突起パターン342上に配置されている。ブロック状電極322の(基板への)正射影エッジ322eと、最も近い1本目の第1枝電極324aの(基板への)正射影エッジ324eとの間にギャップ幅W1を有している。透過率を考慮して、ギャップ幅W1は、0μm<W1≦4μmの関係を満たし、1μm≦W1≦3μmの関係を満たすことが好ましく、約2μmであることが最も好ましい。ブロック状電極322の正射影エッジ322eと、ブロック状突起パターン342の(基板への)正射影エッジ342eとの間に距離W2を有している。透過率を考慮して、距離W2は、2μm≦W2≦5.5μmの関係を満たし、約3μmであることが最も好ましい。その断面図及びW1、W2は、
図7に示されている。
【0046】
特に、画素構造のブロック状電極322と1本目の第1枝電極324aとの間の境界は、保護層340の分岐突起パターン344(第1分岐突起パターン3441と、第2分岐突起パターン3442を含む)の凹溝(符号は付せず)に形成されず、保護層340の突起したブロック状突起パターン342上に設けられている(
図7を参照する)。本実施例では、第1分岐突起パターン3441及び第2分岐突起パターン3442の凹溝(符号は付せず)の深さd(
図7を参照する)が限定されない。これにより、本実施例の画素構造は、保護層340の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができるほか、W2ジャンクション(即ち、平面視でブロック状電極322とブロック状突起パターン342とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層340の分岐突起パターン344及び凹溝によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0047】
図17は、本発明の第4実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図18は、
図17の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図19は、
図17の画素電極と
図18の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図17に示すように、画素電極420は、少なくとも1つのブロック状電極422と複数の第1枝電極424とを有している。ブロック状電極422は、複数の副ブロック状電極4221を含んでいる。具体的に、特に、ブロック状電極(板状電極とも称する)422の副ブロック状電極4221は、画素電極420におけるパターン化されていない電極領域である。つまり、副ブロック状電極4221には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。それに対し、第1枝電極424は、画素電極420におけるパターン化された電極領域である。特に、本実施例において、隣接する2つの副ブロック状電極4221の間には、1つの第1枝電極424のみが配置されているが、これに限定されない。第1枝電極424は、主電極(符号は付せず)に接続され、第1枝電極424と、隣接する電極(例えば、副ブロック状電極4221又は他の第1枝電極424)との間には、スリット(符号は付せず)を有してもよい。また、隣接する2つのブロック状電極422が互いに直接接触・接続されていない。本発明の副ブロック状電極4221の(基板への)正射影形状は、多角形、例えばジグザグ状(zigzag)を有してもよいが、これに限定されない。このように、第1枝電極424及びブロック状電極422の(基板への)正射影の輪郭形状によって矩形又はジグザグ状が形成されることができるが、これに限定されない。
【0048】
図18を参照すると、保護層440は、少なくとも1つのブロック状突起パターン(板状突起パターンとも称する)442と、複数の分岐突起パターン444を有している。特に、
図18に示すように、保護層440の各ブロック状突起パターン442は、複数の副ブロック状突起パターン4421をさらに含んでいる。特に、本実施例において、例として、隣接する2つの副ブロック状突起パターン4421の間には、1つの分岐突起パターン444のみが配置されている。分岐突起パターン444と、隣接するパターン(例えば、副ブロック状突起パターン4421又は他の分岐突起パターン444)との間には、凹溝(符号は付せず)をさらに有してもよい。また、隣接する2つの副ブロック状突起パターン4421が互いに直接接触・接続されていない。具体的に、ブロック状突起パターン442及び副ブロック状突起パターン4421は、保護層440におけるかなり大きな面積を占有し、パターン化されていない領域である。つまり、ブロック状突起パターン442及び副ブロック状突起パターン4421には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。分岐突起パターン444及び凹溝(符号は付せず)が設けられている領域が保護層440における凹凸領域である。本実施例において、分岐突起パターン444は、主突起パターン(符号は付せず)に接続されている。特に、ブロック状突起パターン442の(基板への)正射影形状は、ジグザグ状のほか、異なる2方向の主突起パターンを互いに区別し、2方向の交点であるX字形であってもよい。
【0049】
図19は、
図17の画素電極420と
図18の保護層440が重なっていることを示す概略図である。
図17〜
図19を併せて参照すると、画素電極420は、保護層440の上方に形成されている。画素電極420のブロック状電極422は、保護層440の複数の分岐突起パターン444上をコンフォーマルに覆い、複数の分岐突起パターン444により突起し、複数の凹溝(符号は付せず)により凹み、複数の第2枝電極426が形成されるように設けられている。画素電極420の第1枝電極424は、保護層440のブロック状突起パターン442上に配置されている。画素電極420のブロック状電極422のエッジ422eは、さらに、保護層440のブロック状突起パターン442まで延びている。
【0050】
図20は、
図19のK4領域を示す概略拡大図である。
図19及び
図20を併せて参照する。分岐突起パターン444の幅L1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。また、分岐突起パターン444とブロック状突起パターン442との間隔S1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S1は、凹溝(符号は付せず)の幅とみなすことができる。第1枝電極424のそれぞれの幅L2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。このように、幅L1,L2及び間隔S1を調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。
【0051】
同様に、
図20に示すように、画素電極420の第1枝電極424は、保護層440のブロック状突起パターン442上に配置されている。特に、ブロック状電極422の(基板への)正射影エッジ422eと、最も近い1本目の第1枝電極424aの(基板への)正射影エッジ424eとの間にギャップ幅W1を有している。透過率を考慮して、ギャップ幅W1は、0μm<W1≦4μmの関係を満たし、1μm≦W1≦3μmの関係を満たすことが好ましく、約2μmであることが最も好ましい。本実施例において、2つの隣接する副ブロック状電極4221の間に1つの第1枝電極424のみが配置されているため、ギャップ幅W1を電極間のスリットの幅と見なすことができる。また、ブロック状電極422の正射影エッジ422eと、ブロック状突起パターン442の(基板への)正射影エッジ442eとの間に距離W2を有している。透過率を考慮して、距離W2は、2μm≦W2≦5.5μmの関係を満たし、約3μmであることが最も好ましい。その断面図及びW1,W2は、
図7に示されている。
【0052】
特に、画素構造のブロック状電極422と1本目の第1枝電極424aとの間の境界は、保護層440の突起した分岐突起パターン444の凹溝(符号は付せず)に形成されず、保護層440の突起したブロック状突起パターン442上に設けられている(
図7を参照する)。本実施例では、分岐突起パターン444の凹溝(符号は付せず)の深さd(
図7を参照する)が限定されない。これにより、保護層440の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができるほか、W2領域に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層440の分岐突起パターン444及び凹溝によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0053】
図21は、本発明の第5実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図22は、
図21の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図23は、
図21の画素電極と
図22の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図21に示すように、画素電極520は、少なくとも1つのブロック状電極522と複数の第1枝電極524とを有している。ブロック状電極522は、複数の副ブロック状電極5221を含んでいる。副ブロック状電極5221は、画素電極520におけるパターン化されていない電極領域である。つまり、ブロック状電極522及び副ブロック状電極5221には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。それに対し、第1枝電極524は、画素電極520におけるパターン化された電極領域である。ちなみに、
図21に示した画素電極520は、
図17に示した画素電極420と互いに類似しており、類似の構成要素は、第4の実施に示されているので、ここで説明は省略する。この2つの実施例の相違点は、本実施例において、隣接する2つの副ブロック状電極5221の間には、2つの第1枝電極524のみが配置されているが、これに限定されない。
【0054】
図22を参照すると、保護層540は、少なくとも1つのブロック状突起パターン542と、複数の分岐突起パターン544を有している。特に、
図22に示すように、保護層540のブロック状突起パターン542は、複数の副ブロック状突起パターン5421をさらに含んでいる。ちなみに、
図22に示した保護層540は、
図18に示した保護層440と互いに類似しており、類似の構成要素は、第4の実施形態で説明されているので、ここで説明は省略する。
図22に示すように、2つの実施例の相違点は、隣接する2つの副ブロック状突起パターン5421の間には、少なくとも1つの分岐突起パターン544が配置されている。本実施例において、例として、隣接する2つの副ブロック状突起パターン5421の間には、3つの分岐突起パターン544が配置されている。
【0055】
図23は、
図21の画素電極520と
図22の保護層540が重なっていることを示す概略図である。
図21〜
図23を併せて参照すると、画素電極520は、保護層540の上方に形成され、画素電極520のブロック状電極522は、保護層540の複数の分岐突起パターン544上をコンフォーマルに覆い、複数の分岐突起パターン544により突起し、複数の凹溝(符号は付せず)により凹み、複数の第2枝電極526が形成されるように設けられている。画素電極520の第1枝電極524は、保護層540のブロック状突起パターン542上に配置されている。画素電極520のブロック状電極522のエッジ522eは、さらに、保護層540のブロック状突起パターン542まで延びている。
【0056】
図24は、
図23のK5領域を示す概略拡大図である。
図23及び
図24を併せて参照する。分岐突起パターン544の幅L1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。また、分岐突起パターン544の間隔S1は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S1は、凹溝(符号は付せず)の幅とみなすことができる。第1枝電極524の幅L2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。第1枝電極524の間隔S2は、約1μmから約10μmの範囲にあり、約2μmから約6μmの範囲であることが好ましい。ここで、間隔S2は、スリット(符号は付せず)の幅とみなすことができる。このように、幅L1,L2及び間隔S1,S2を調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。
【0057】
同様に、
図24に示すように、画素電極520の第1枝電極524は、保護層540のブロック状突起パターン542上に配置されている。特に、ブロック状電極522の(基板への)正射影エッジ522eと、最も近い1本目の第1枝電極524aの(基板への)正射影エッジ524eとの間にギャップ幅W1を有している。透過率を考慮して、ギャップ幅W1は、0μm<W1≦4μmの関係を満たし、1μm≦W1≦3μmの関係を満たすことが好ましく、約2μmであることが最も好ましい。また、ブロック状電極522の正射影エッジ522eと、ブロック状突起パターン542の(基板への)正射影エッジ542eとの間に距離W2を有している。透過率を考慮して、距離W2は、2μm≦W2≦5.5μmの関係を満たし、約3μmであることがより好ましい。その断面図及びW1、W2は、
図7に示されている。
【0058】
特に、画素構造のブロック状電極522と1本目の第1枝電極524aとの間の境界は、保護層540の突起した分岐突起パターン544の凹溝(符号は付せず)に形成されず、保護層540の突起したブロック状突起パターン542上に設けられている(
図7を参照する)。本実施例では、分岐突起パターン544の凹溝(符号は付せず)の深さd(
図7を参照する)が限定されない。これにより、保護層540の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができるほか、W2ジャンクション(即ち、平面視でブロック状電極522とブロック状突起パターン542とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層540の分岐突起パターン544及び凹溝によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0059】
図25は、本発明の第6実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図26は、
図25の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図27は、
図25の画素電極と
図26の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図25に示すように、画素電極620は、複数の枝電極622と、主電極624とを有している。隣接する2つの枝電極622の間には、ギャップ(スリットとも称する)626を有している。枝電極622は、主電極624に接続され、主電極624から複数の方向に沿って延びている。本実施例において、主電極624は十字形に形成されるが、これに限定されない。
【0060】
図26に示すように、保護層640は、複数の分岐突起パターン642と、主突起パターン644とを有している。隣接する2つの分岐突起パターン642の間には、少なくとも1つの溝(凹溝とも称する)646を有している。複数の分岐突起パターン642は、主突起パターン644に接続され、主突起パターン644から複数の方向に沿って延びている。本実施例において、主突起パターン644は十字形に形成されるが、これに限定されない。
【0061】
図27は、
図25の画素電極620と
図26の保護層640が重なっていることを示す概略図である。
図25〜
図27を併せて参照すると、画素電極620は、保護層640の上方に形成され、画素電極620の枝電極622のそれぞれは、保護層640の1つの溝646に対応して配置され、画素電極620のギャップ626のそれぞれは、保護層640の1つの分岐突起パターン642に対応して配置されている。枝電極622は、溝646内から隣接する両側の分岐突起パターン642上まで延びており、ギャップ626が分岐突起パターン642と重なるように配置されるが、これに限定されない。
図27に示すように、主電極624と主突起パターン644が重なるように配置されている。ちなみに、枝電極622のギャップ626は、分岐突起パターン642上に設けられているため、画素電極620の暗線を薄くすることができる。本実施例において、例として、主電極624の幅は、主突起パターン644の幅よりも実質的に大きく形成されているが、これに限定されない。
【0062】
図28は、
図27のK6領域を示す概略拡大図である。
図29は、
図27中のJ−J’線に沿った概略断面図である。
図27、
図28及び
図29を併せて参照すると、画素電極620の隣接する2つの枝電極622のギャップ626は、距離aを有し、a≠0の関係を満たす。距離aは、0μm<a≦3μmであることが好ましく、透過率を考慮して、2μmであることが最も好ましいが、これに限定されない。画素電極620の枝電極622の(基板への)正射影エッジ622eと、保護層640の溝646の(基板への)正射影エッジ646eとの間には、距離bを有し、b≠0の関係を満たす。距離bは、1.5μm≦b≦10μmであることが好ましく、1.5μmであることが最も好ましいが、これに限定されない。本実施例において、保護層640の溝646の幅cは、3μm<c≦(a+2b)μmの関係を満たす。
【0063】
また、画素電極620の枝電極622の幅L4は、約1μmから約10μmの範囲にある。保護層640の分岐突起パターン642の幅L5は、約1μmから約10μmの範囲にある。ちなみに、溝646の幅cは、分岐突起パターン642の幅L5と同じであるが、これに限定されない。本実施例において、幅L4,L5,c及び距離a,bを調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。
【0064】
特に、枝電極の幅が小さくない場合であっても、液晶分子の配向の安定性を向上させることができる。また、本実施例の画素構造は、保護層640の凹溝の深さが不十分に起因する液晶の傾斜が不安定になる問題を防止することができるほか、ジャンクションb(即ち、平面視で枝電極622と分岐突起パターン642とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層640の分岐突起パターン642によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0065】
図30は、本発明の第7実施例に係る画素構造の画素電極を示す概略上面図である。
図31は、
図30の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図32は、
図30の画素電極と
図31の保護層が重なっていることを示す概略図である。
本実施例は、
図27に示す実施例に類似するため、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付し、重複する説明は省略する。同様に、
図30に示すように、画素電極720は、複数の枝電極722と、主電極724とを有している。隣接する2つの枝電極722の間には、ギャップ(スリットとも称する)726を有している。枝電極722は、主電極724に接続され、主電極724から複数の方向に沿って延びている。
【0066】
同様に、
図31に示すように、保護層740は、複数の分岐突起パターン742と、主突起パターン744とを有している。隣接する2つの分岐突起パターン742の間には、少なくとも1つの溝(凹溝とも称する)746を有している。複数の分岐突起パターン742は、主突起パターン744に接続され、主突起パターン744から複数の方向に沿って延びている。
【0067】
図32に示す実施例と
図27に示した実施例との相違点は、画素電極720の枝電極722のそれぞれは、保護層740の分岐突起パターン742の1つに対応して配置され、画素電極720のギャップ726のそれぞれは、保護層740の溝746の1つに対応して配置されていることにある。枝電極722は、分岐突起パターン742上から隣接する両側の溝746内まで延び、ギャップ726が隣接する両側の溝746と重なるように配置されている。同様に、主電極724は、主突起パターン744と重なるように配置されている。ちなみに、本実施例において、主電極724の幅は、主突起パターン744の幅よりも大きく形成されているが、これに限定されない。
【0068】
図33は、
図32のK7領域を示す概略拡大図である。
図32及び
図33を併せて参照すると、画素電極720の隣接する2つの枝電極722のギャップ726は、距離aを有し、a≠0の関係を満たす。距離aは、0μm<a≦3μmであることが好ましく、透過率を考慮して、2μmであることが最も好ましいが、これに限定されない。画素電極720の枝電極722の(基板への)正射影エッジ722eと、保護層740の溝746の(基板への)正射影エッジ746eとの間には、距離bを有し、b≠0の関係を満たす。距離aは、1.5μm≦b≦10μmであることが好ましく、1.5μmであることが最も好ましいが、これに限定されない。本実施例において、保護層740の溝746の幅L3は、3μm<L3≦(a+2b)μmの関係を満たす。
【0069】
画素電極720の枝電極722の幅L4は、約1μmから約10μmの範囲にある。
保護層740の分岐突起パターン742の幅cは、約1μmから約10μmの範囲にある。本実施例において、幅L4,L3,c及び距離a,bを調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向が微調整されることができる。
【0070】
特に、枝電極の幅が小さくない場合であっても、液晶分子の配向の安定性を向上させることができる。また、本実施例の画素構造は、保護層740の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができるほか、ジャンクションb(即ち、平面視で枝電極722と分岐突起パターン742とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層740の分岐突起パターン742によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0071】
図34は、本発明の第8実施例に係る画素構造の画素電極820を示す概略上面図である。
図35は、
図34の画素電極の下方に設けられる保護層を示す概略上面図である。
図36は、
図34の画素電極と
図35の保護層が重なっていることを示す概略図である。
図34に示すように、画素電極820は、複数の枝電極822と、少なくとも1つのブロック状電極830と、主電極824と、複数の外側枝電極826とを有している。隣接する2つの枝電極822の間には、ギャップ(スリットとも称する)828を有している。枝電極822は、主電極824に接続され、主電極824から複数の方向に沿って延びている。ブロック状電極(板状電極とも称する)830は、画素電極820におけるパターン化されていない電極領域である。つまり、ブロック状電極830には、任意の開口、穴、スリット、凹溝、又はギャップが存在していない。ここで、複数のブロック状電極830は、主電極824の両側に設けられている。複数の枝電極822は、ブロック状電極830が互いに隣接する側に配置され、ブロック状電極830のエッジに近いように設けられている。また、複数の枝電極822は、主電極824に接続されている。複数の外側枝電極826は、ブロック状電極830の他方の側(ブロック状電極830の上記エッジとは反対側)に配置され、ブロック状電極830の他のエッジに沿って放射状に外向きに延びている。隣接する2つの外側枝電極826の間にスリット(符号は付せず)を有している。
図34に示すように、ブロック状電極830の2つの上記エッジは、互いに直接接続されていない。本実施例のブロック状電極830の(基板への)正射影形状は、多角形状を有し、例えば六角形状を有するが、これに限定されない。このように、外側枝電極826及びブロック状電極830の(基板への)正射影の輪郭形状によって五角形状に形成されてもよい。枝電極822、外側枝電極826及びブロック状電極830の(基板への)正射影の輪郭形状によって、矩形又はジグザグ状が形成されることができるが、これに限定されない。外側枝電極826は、ブロック状電極830に接続されている。本実施例において、主電極824は十字形に形成されるが、これに限定されない。
【0072】
図35に示すように、保護層840は、複数の分岐突起パターン842と、主突起パターン844と、及び少なくとも1つのブロック状パターン846とを有している。隣接する2つの分岐突起パターン842の間には、少なくとも1つの溝(凹溝とも称する)848を有している。ブロック状パターン(板状パターンとも称する)846は、保護層840におけるかなり大きな面積を有する凹む領域であるため、板状凹みパターンともいう。ブロック状パターン846の厚さは、分岐突起パターン842及び主突起パターン844の厚さよりも低いが、凹溝の厚さと略同一であってもよい。複数の分岐突起パターン842は、主突起パターン844に接続され、主突起パターン844から複数の方向に沿って延びている。隣接する2つの分岐突起パターン842の間の凹溝848は、ブロック状パターン846に接続されている。また、本実施例において、例として、4つのブロック状パターン846が分岐突起パターン842の外側の角に設けられているが、これに限定されない。また、本実施例において、主突起パターン844は十字形に形成されるが、これに限定されない。
【0073】
図36は、
図34の画素電極820と
図35の保護層840が重なっていることを示す概略図である。
図34〜
図36を併せて参照すると、画素電極820は、保護層840の上方に形成され、画素電極820の枝電極822のそれぞれは、保護層840の1つの溝848に対応して配置されている。枝電極822のそれぞれは、溝848内から隣接する両側の分岐突起パターン842上まで延びており、ギャップ828が分岐突起パターン842と重なるように配置されるが、これに限定されない。外側枝電極826は、保護層840のブロック状パターン846上に配置されている。
画素電極820のブロック状電極830は、保護層840の他の領域における複数の分岐突起パターン842上をコンフォーマルに覆い、分岐突起パターン842により突起し、凹溝848により凹み、複数の第2枝電極(符号は付せず)が形成されるように設けられている。
図36に示すように、主電極824と主突起パターン844が重なっている。本実施例において、例として、主電極824の幅は、主突起パターン844の幅よりも実質的に大きく形成されているが、これに限定されない。
【0074】
図37は、
図36のK8領域を示す概略拡大図である。
図36及び
図37を併せて参照すると、画素電極820の隣接する2つの枝電極822のギャップ828は、距離aを有し、a≠0の関係を満たす。距離aは、0μm<a<3μmであることが好ましく、透過率を考慮して、2μmであることが最も好ましいが、これに限定されない。画素電極820の枝電極822の(基板への)正射影エッジ822eと、保護層840の溝848の(基板への)正射影エッジ848eとの間には、距離bを有し、b≠0の関係を満たす。距離bは、1.5μm≦b≦10μmであることが好ましく、透過率を考慮して、1.5μmであることが最も好ましいが、これに限定されない。本実施例において、保護層840の溝848の幅cは、3μm<c≦(a+2b)μmの関係を満たす。
【0075】
また、画素電極820の外側枝電極826の幅L3は、約1μmから約10μmの範囲にあり、外側枝電極826の間隔S3は、約1μmから約10μmの範囲にある。枝電極822の幅L4は、約1μmから約10μmの範囲にあり、枝電極822の間隔S4は、約1μmから約10μmの範囲にある。枝電極822の下方に配置される分岐突起パターン842の幅L5は、約1μmから約10μmの範囲にあり、枝電極822の下方に配置される分岐突起パターン842の間隔S5は、約1μmから約10μmの範囲にある。言い換えれば、間隔S5は、凹溝848の幅cとみなされる。ブロック状電極830の下方に配置される分岐突起パターン842の幅L6は、約1μmから約10μmの範囲にあり、ブロック状電極830の下方に配置される分岐突起パターン842の間隔S6は、約1μmから約10μmの範囲にある。ちなみに、本実施例において、分岐突起パターン842の幅L5,L6は、互いに同じでも異なっていてもよい。また、分岐突起パターン842の間隔S5,S6は、互いに同じでも異なっていてもよい。このように、幅L3,L4,L5,L6,c及び距離a,bを調整することにより、液晶分子は、ディスクリネーションが発生しないように、その傾斜方向を微調整することができる。
【0076】
特に、枝電極の幅が小さくない場合であっても、液晶分子の配向の安定性を向上させることができる。また、本実施例の画素構造は、保護層840の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができるほか、ジャンクションb(即ち、平面視で枝電極822と分岐突起パターン842とが重なっている箇所)に対応する液晶の効率を向上させることが可能である。また、保護層840の分岐突起パターン842によって形成される画素構造において、傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを低減することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、表示パネル1000は、上記実施例のいずれかに記載の画素構造を複数含み、少なくとも3つの画素構造より画素セルが構成されている。
特に、上記画素セルのそれぞれにおける少なくとも1つの画素構造の第1枝電極又は枝電極の幅又は間隔が、当該画素セルにおける他の画素構造の第1枝電極又は枝電極の幅又は間隔(スリット)と異なっている。例えば、表示パネル1000の1つの画素セルは、第1、第2、及び第3の実施例で説明した画素構造により形成されてもよい。そして、この画素セルにおいて、第1実施例の画素構造における第1枝電極124のそれぞれの幅L2は、第2実施例又は第3実施例の画素構造における第1枝電極224,324の幅L2と異なっていてもよい。又は、3つの画素構造のうち2つの画素構造は、第1実施例に示した画素構造を用い、他の画素構造は、第1実施例又は第2実施例に示した画素構造を用いてもよい。上記説明は単なる例示であり、発明を限定するものとして解釈されるべきではない。このように、上記第1枝電極又は枝電極の幅又は間隔を調節することにより、本発明の一実施形態に係る表示パネル1000において色ずれが発生しないように、液晶分子の配向方向を微調整することができる。
【0078】
以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施例に係る表示パネルの透過率と画素構造との関係について説明する。
【0079】
図38は、本発明の第1実施例に係る表示パネルの透過率と画素構造との関係を示す概略図である。
図39は、比較例に係る表示パネルの透過率と画素構造との関係を示す概略図である。ここで、横軸は、距離(μm)を示し、縦軸は、正規化された透過率(%)(単位なし)を示す。
図38に示すように、本発明の第1実施例に係る画素構造のブロック状電極122と、1本目の第1枝電極124aとの間の境界は、ブロック状突起パターン142の突起した領域に設けられている。つまり、
図38において、例として、ブロック状電極122は、ブロック状突起パターン142の上まで延びている。それに対し、
図39に示す比較例では、ブロック状電極122’と、1本目の第1枝電極124a’との間の境界は、分岐突起パターン144の凹溝145内に設けられている。具体的に、
図39に示すブロック状電極122’と、1本目の第1枝電極124a’との間の境界は、分岐突起パターン144の凹溝145内に設けられ、つまり、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142上まで延びておらず、凹溝145内に設けられている。ブロック状電極122’と、1本目の第1枝電極124a’との間の境界の他辺は、ブロック状突起パターン142上に設けられている。すなわち、1本目の第1枝電極124a’は、ブロック状突起パターン142上のみが設けられている。上記場合に加えて、比較例のブロック状電極122’と、1本目の第1枝電極124a’との間の境界の一辺は、分岐突起パターン144のエッジにと重なってもよい。つまり、すなわち、ブロック状電極122’は、凹溝145内にあり、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142まで延びておらず、ブロック状突起パターン142の一方の側辺の近くに設けられ、且つ1本目の第1枝電極124a’は、ブロック状突起パターン142上のみに設けられている。
【0080】
図38に示すように、第1実施例に係る表示パネルは、常に良好な透過率を有することができる。すなわち、距離W2の設計により、境界における液晶のディスクリネーション(disclination)が生じることに起因する暗線(dark line)の問題を防ぐことができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。それに対し、
図39で分かるように、ブロック状電極122’と、1本目の第1枝電極124a’との間の境界には、透過率が著しく低下する。これは、ここでの液晶分子のツイスト(twist)角度が、偏光板との所定の45度からずれて、透過率が大幅に低下するためである。また、比較例において、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142の一方の側辺の近くに設けられる場合であっても、透過率は、依然として著しく低下する。すなわち、距離W2を有しない場合(例えば、W2が0以下)、上記境界における液晶のディスクリネーション(disclination)が生じることに起因する暗線(dark line)が発生する。W2が0である場合、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142の側辺に接触しているが、凹溝145内に設けられていることを示している。W2が0未満である場合、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142の側辺から離れ、ブロック状電極122’の(基板への)正射影は、ブロック状突起パターン142上に設けられず、凹溝145内又は分岐突起パターン144上に設けられていることを示している。
図38に示すW2及び境界に関連する効果及び説明は、例えば、
図12、
図16、
図20、
図24に示めした上記実施例にも適用可能である。また、本実施例は、
図39に示した比較例に比べて、上記実施例の効果を有している。
【0081】
図40は、発明の第1実施例に係る表示パネルの透過率とW1との関係を示す概略図である。
図40に示しように、横軸は、ギャップ幅W1の距離(μm)を示し、縦軸は、正規化(normalized)された透過率(%)(単位なし)を示す。菱形の点を結ぶ曲線は、第1実施例で説明した表示パネルに対応し、正方形の点を結ぶ曲線は、第1実施例で説明した他の表示パネルに対応している。
図6、
図7及び
図40を併せて参照する。具体的に、この2つの表示パネルにおいて、距離W2の幅は、約4μmであり、保護層の凹溝の深さdは、約0.2μmである。2つの表示パネルの相違点は、菱形の点を結ぶ曲線によって示される表示パネルの分岐突起パターン144の幅L1/間隔S1は、約4μm/4μmであり、第1枝電極124の幅L2/間隔S2は、約4μm/2μmである。一方、正方形の点を結ぶ曲線によって示される表示パネルの分岐突起パターン144の幅L1/間隔S1は、約4μm/4μmであり、第1枝電極124の幅L2/間隔S2は、約4μm/4μmである。
図40から分かるように、ギャップ幅W1が約0μm<W1≦4μmである場合、透過率は、約85%以上に達し、ギャップ幅W1が約1μm≦W1≦3μmである場合、透過率は、約95%以上に達し、ギャップ幅W1が約2μmである場合、透過率は、100%に近くなることができる。ちなみに、異なる表示モードには、異なる透過率が用いられるが、光の使用率を考慮すると、透過率が85%以上であることが適切である。
【0082】
図41は、本発明の第1実施例に係る表示パネルの透過率とW2との関係を示す概略図である。
図41に示しように、横軸は、距離W2の距離(μm)を示し、縦軸は、正規化された透過率(%)(単位なし)を示す。三角形の点を結ぶ曲線は、第1実施例で説明した表示パネルに対応し、正方形の点を結ぶ曲線は、第1実施例で説明した他の表示パネルに対応している。W2が0より大きい場合(正の値「+」を有する)、ブロック状電極122のエッジの(基板への)正射影は、ブロック状突起パターン142上に設けられていることを示している。W2が0である場合、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142の側辺に接触しているが、凹溝145内に設けられていることを示している。W2が0より小さい場合(負の値「−」を有する)、ブロック状電極122’のエッジは、ブロック状突起パターン142の側辺から離れ、ブロック状電極122’の(基板への)正射影は、ブロック状突起パターン142上に設けられず、凹溝145内又は分岐突起パターン144上に設けられていることを示している。
図6、
図7及び
図41を併せて参照する。具体的に、この2つの表示パネルにおいて、ギャップ幅W1は、約2μmであり、保護層の凹溝の深さdは、約0.2μmである。2つの表示パネルの相違点は、三角形の点を結ぶ曲線によって示される表示パネルの分岐突起パターン144の幅L1/間隔S1は、約4μm/4μmであり、第1枝電極124の幅L2/間隔S2は、約4μm/2μmである。一方、正方形の点を結ぶ曲線によって示される表示パネルの分岐突起パターン144の幅L1/間隔S1は、約4μm/4μmであり、第1枝電極124の幅L2/間隔S2は、約4μm/4μmである。
図41から分かるように、ギャップ幅W1は、最も好ましい値である約2μmであり(すなわち、最大透過率を有する)、距離W2は、0.5μmの≦W2≦7μmである場合、2つの表示パネルの透過率は、約98%以上を達することが可能である。ちなみに、製造ばらつき(例えば、マスクずれ(PEP shift))を考慮して、選択された距離W2が約1.5μmの範囲内であれば、表示パネルの透過率が少なくとも約98%に達する。W2が0又は0未満(負の値「−」を有する)である場合、表示パネルの透過率が98%以下である。このように、
図41から分かるように、選択された距離W2は、2μm≦W2≦5.5μmの範囲内であることが好ましく、3μmであることが最も好ましい。
図40及び
図41で説明したW1及びW2について、例えば、
図12、
図16、
図20、
図24に示めした実施例などにも適用可能である。また、本実施例は、上記実施例の効果を有している。
【0083】
図42は、本発明の第6実施例に係る表示パネルの透過率とa,bとの関係を示す概略図である。
図42に示すように、横軸は、距離(μm)を示し、縦軸は、正規化された透過率(%)(単位なし)を示す。菱形の点を結ぶ曲線は、第6実施例で説明した表示パネルに対応し、その距離bが約3μmである。正方形の点を結ぶ曲線は、第6実施例で説明した他の表示パネルに対応し、その距離aが約2μmである。まず、菱形の点を結ぶ曲線を参照すると、距離aが約0μm<a<3μmである場合、透過率は、約85%以上に達し、距離aが約2μmである場合、透過率は、100%に近くなることができる。特に、本実施例の画素電極は、複数の枝電極であるため、2つの枝電極の間のギャップの距離aは、a≠0μmの関係を必ず満たすことが分かる。次に、正方形の点を結ぶ曲線を参照すると、距離bが約0μm<b≦10μmの関係を満たす場合、透過率は、85%以上に達することができる。ちなみに、本実施例において、画素電極の枝電極が保護層の分岐突起パターン上まで延びているので、その距離bは、b≠0μmの関係を満たすことが分かる。
【0084】
図43は、本発明の第6実施例に係る表示パネルの透過率とマスクずれ距離との関係を示す概略図である。
図43に示すように、横軸は、マスクずれ距離(PEP shift,μm)を示し、縦軸は、正規化された透過率(%)(単位なし)を示す。
図43に示すように、表示パネルの距離aは、約2μmであり、距離bは、約3μmである。特に、製造プロセスにおいて、画素電極と、保護層との間には、1.5μmのマスクずれが発生する可能性がある。
図43から分かるように、マスクずれ距離が1.5μmである場合、表示パネルの透過率の変動は、約2%以内(すなわち、透過率>98%)に維持することができる。上述したように、選択された距離bは、1.5μm≦b≦10μmの関係を満たすことが好ましく、約1.5μmであることが最も好ましい。
【0085】
本実施例における保護層は、凹凸構造を有するため、溝の幅c≠0μmである。
図44は、
図27中のJ−J’線に沿った他の概略断面図である。
図44に示すように、製造プロセスにおいて、フォトレジスト及びエッチングの正確度や均一性が不十分な場合には、溝646内の保護層が劣化して表面粗さが増加して(
図44には点線枠で示す)、光漏れを引き起こす可能性がある。上記の要因を考慮すると、c>3μmを満たすことが好ましい。また、表1の実験結果によれば、本実施例において、保護層の凹溝の深さdが約0.2μmである場合、L1>S1、又はL1/S1の比が増加し、暗状態の光漏れ(L0 Leakage)が少なくなることが分かる。言い換えれば、保護層の溝646の凹んだ部分が小さいほど、暗状態の光漏れも少なくなり、コントラストを向上させることができる。保護層の分岐突起パターン642の高さが、溝646の幅に等しい場合、すなわち、(a+2b)μmである場合、コントラストを維持又は改善することができる。そこで、幅cは、3μm<c≦(a+2b)μmの関係を満たすことが好ましい。
図42、
図43及び
図44で説明したa、b及びcの設計について、例えば、
図33及び
図37に示めした上記実施例にも適用可能である。また、本実施例は、上記実施例の効果を有している。
【0087】
上述したように、本発明のいくつかの実施例の画素電極は、複数の枝電極を有し、保護層は、複数の分岐突起パターンを有している。本発明に係る画素電極は、上述した枝電極及び枝突起パターンが交差して配置されることにより構成されている。具体的に、本発明の画素電極によれば、保護層の凹溝の深さが不十分に起因する不安定に傾いた液晶の問題を防止することができ、電極のジャンクションにおける液晶の効率を向上させることができる。また、本発明の画素電極によれば、保護層の分岐突起パターンの傾斜側壁に起因する暗状態の光漏れを改善することができ、良好な透過率及びコントラストを有する表示パネルが得られることができる。
【0088】
以上、本発明の好適な実施例をあげ説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、多少の変動や潤色を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の記載を基準とする。