(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-19282(P2016-19282A)
(43)【公開日】2016年2月1日
(54)【発明の名称】高周波アンテナ装置及びこれを有する温度検出システム
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/16 20060101AFI20160105BHJP
H01Q 1/50 20060101ALI20160105BHJP
H01P 5/04 20060101ALI20160105BHJP
G01K 7/32 20060101ALI20160105BHJP
G01K 1/14 20060101ALI20160105BHJP
【FI】
H01Q9/16
H01Q1/50
H01P5/04 A
H01P5/04 C
G01K7/32 S
G01K1/14 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-262393(P2014-262393)
(22)【出願日】2014年12月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0084593
(32)【優先日】2014年7月7日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ヘ グン
【テーマコード(参考)】
2F056
5J046
【Fターム(参考)】
2F056CL07
5J046AA04
5J046AA18
5J046AB07
5J046TA03
5J046TA04
(57)【要約】
【課題】本発明の一実施例は、高周波アンテナ装置を有する温度検出システムに関する。
【解決手段】本発明の一具現例による温度検出装置は、接地基板、第1導線及び第2導線を有するアンテナ部、一端が上記第1導線と連結され、他端が上記接地基板と連結される第1給電線、及び上記第2導線と連結され、上記第1給電線と第1間隔ほど離れて配置され、上記接地基板と第2間隔ほど離れて配置される第2給電線を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地基板と、
第1導線及び第2導線を有するアンテナ部と、
一端が前記第1導線と連結され、他端が前記接地基板と連結される第1給電線と、
前記第2導線と連結され、前記第1給電線と第1間隔ほど離れて配置され、前記接地基板と第2間隔ほど離れて配置される第2給電線と、を含む、高周波アンテナ装置。
【請求項2】
一端が前記第2給電線と連結され、他端が接続部と連結されて前記第2給電線と前記接続部との高周波信号を伝達する第3給電線を含む、請求項1に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項3】
前記第3給電線は、前記第2給電線と前記接続部との間に連結される内部導体、及び前記接地基板と連結され、前記内部導体を収容する内部空間を含む外部導体を含む、請求項2に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項4】
前記第1間隔及び前記第2間隔は同一である、請求項1から3のいずれか1項に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項5】
前記第1間隔または前記第2間隔は下記数学式2によって決定される、請求項1から3のいずれか1項に記載の高周波アンテナ装置。
【数2】
(ここで、
、Wは第2給電線の幅、tは第1間隔または第2間隔、Zは第2給電線のインピーダンス)
【請求項6】
前記第1間隔を調節する第1間隔調節部を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項7】
前記第2間隔を調節する第2間隔調節部を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項8】
前記第1給電線はステンレススチール(SUS)で形成される、請求項1から7のいずれか1項に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項9】
前記第2給電線及び第3給電線は黄銅で形成される、請求項2から8のいずれか1項に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項10】
接地基板と、
第1導線及び第2導線を有するアンテナ部と、
一端が前記第1導線と連結され、他端が前記接地基板と連結される第1給電線と、
前記第2導線と連結され、前記第1給電線と第1間隔ほど離れて配置され、前記接地基板と第2間隔ほど離れて配置される第2給電線と、
前記第2給電線と接続部との間に連結される内部導体、及び前記接地基板と連結され、前記内部導体を収容する内部空間を含む外部導体を有する第3給電線と、を含む、高周波アンテナ装置。
【請求項11】
前記第1間隔を調節する第1間隔調節部を含む、請求項10に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項12】
前記第2間隔を調節する第2間隔調節部を含む、請求項10または11に記載の高周波アンテナ装置。
【請求項13】
周辺の温度を感知し、前記周辺の温度情報を含む高周波信号を出力する温度センサと、
前記温度センサから高周波信号を受信する高周波アンテナ装置と、
前記高周波アンテナ装置を介して前記温度センサに駆動信号を送信し、前記高周波アンテナ装置を介して前記高周波信号の伝送を受け、前記高周波信号に含まれる温度情報を検出する制御部と、を含む、温度検出システム。
【請求項14】
前記温度センサは、表面弾性波センサである、請求項13に記載の温度検出システム。
【請求項15】
前記高周波アンテナ装置は、
接地基板と、
第1導線及び第2導線を有するアンテナ部と、
一端が前記第1導線と連結され、他端が前記接地基板と連結される第1給電線と、
前記第2導線と連結され、前記第1給電線と第1間隔ほど離れて配置され、前記接地基板と第2間隔ほど離れて配置される第2給電線と、
前記第2給電線と前記制御部と連結される接続部との間に連結される内部導体、及び前記接地基板と連結され、前記内部導体を収容する内部空間を含む外部導体を有する第3給電線と、を含む、請求項13または14に記載の温度検出システム。
【請求項16】
前記高周波アンテナ装置は、前記第1間隔を調節する第1間隔調節部を含む、請求項15に記載の温度検出システム。
【請求項17】
前記高周波アンテナ装置は、前記第2間隔を調節する第2間隔調節部を含む、請求項15または16に記載の温度検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波アンテナ装置及びこれを有する温度検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体オーブンのような高温の熱工程装備には、温度を精密に調節するために、内部で温度を直接測定する温度検出システムが切実に求められる。
【0003】
従来は、測定が困難な構造物または設備に適用できる無電源、無線センサであるSAW(Surface Acoustic Wave)センサを用いて温度を検出したが、SAWセンサから高周波信号を受信する高周波アンテナを構成するPCB(Printed Circuit Board)及び同軸ケーブルの場合、被覆または誘電体材料の特性によって160℃以下の環境においてのみ使用することができた。
【0004】
このため、半導体オーブンのような高温の熱工程装備などの場合、高温(500℃以上)の厳しい環境では温度などの検出のためのSAWセンサ及びアンテナを用いた無線通信が制限されるという問題があった。
【0005】
下記特許文献1は、同軸ダイポールアンテナに関するものであるが、上述の問題に対する解決策は提示できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2005−0108879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのもので、接地基板と連結される第1給電線、及び第1間隔ほど離れて配置されて高周波信号を伝達する第2給電線を形成することにより、高温の環境においても高周波信号を伝達することができる高周波アンテナ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の技術的な側面は、高周波アンテナ装置を提案する。上記高周波アンテナ装置は、接地基板と、第1導線及び第2導線を有するアンテナ部と、一端が上記第1導線と連結され、他端が上記接地基板と連結される第1給電線と、上記第2導線と連結され、上記第1給電線と第1間隔ほど離れて配置され、上記接地基板と第2間隔ほど離れて配置される第2給電線と、を含む。
【0009】
一実施例において、上記高周波アンテナ装置は、一端が上記第2給電線と連結され、他端が接続部と連結されて上記第2給電線と上記接続部との高周波信号を伝達する第3給電線をさらに含むことができ、上記第3給電線は、上記第2給電線と上記接続部との間に連結される内部導体、及び上記接地基板と連結され、上記内部導体を収容する内部空間を含む外部導体を含むことができる。
【0010】
本発明の第2の技術的な側面は、温度検出システムを提案する。上記温度検出システムは、周辺の温度を感知し、上記周辺の温度情報を含む高周波信号を出力する温度センサと、上記温度センサから高周波信号を受信する高周波アンテナ装置と、上記高周波アンテナ装置を介して上記温度センサに駆動信号を送信し、上記高周波アンテナ装置を介して上記高周波信号の伝送を受け、上記高周波信号に含まれる温度情報を検出する制御部と、を含む。
【0011】
一実施例において、上記高周波アンテナ装置は、接地基板と、第1導線及び第2導線を有するアンテナ部と、一端が上記第1導線と連結され、他端が上記接地基板と連結される第1給電線と、上記第2導線と連結され、上記第1給電線と第1間隔ほど離れて配置され、上記接地基板と第2間隔ほど離れて配置される第2給電線と、上記第2給電線と上記制御部と連結される接続部との間に連結される内部導体、及び上記接地基板と連結され、上記内部導体を収容する内部空間を含む外部導体を有する第3給電線と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施例によると、マイクロストリップ線路構造及び同軸ケーブルの原理を用いることにより、高温のような厳しい環境においても無線通信を行うことができる。
【0013】
また、信号線と接地との間隔を調節することにより、必要に応じて自由にインピーダンスを調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例による温度検出システムを説明するための構成図である。
【
図2】本発明の一実施例による高周波アンテナ装置の一実施例を説明するための図面である。
【
図3】本発明の他の一実施例による高周波アンテナ装置の一実施例を説明するための図面である。
【
図4】
図3の第3給電線の一実施例を説明するための側面図である。
【
図5】
図3の第3給電線の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例による高周波アンテナ装置がオーブンに設置された状態を説明するための図面である。
【
図7】本発明の他の一実施例による高周波アンテナ装置の一実施例を説明するための図面である。
【
図8】
図3の高周波アンテナ装置の共振周波数帯域を説明するためのグラフである。
【
図9】
図3の高周波アンテナ装置をネットワークアナライザで測定したグラフである。
【
図10】
図3の高周波アンテナ装置をネットワークアナライザで測定したスミスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施例について説明する。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施例に限定されない。また、本発明の実施例は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0016】
図1は本発明の一実施例による温度検出システムを説明するための構成図である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の一実施例による温度検出システム1は、温度センサ10、高周波アンテナ装置20、及び制御部30を含む。
【0018】
温度センサ10は、周辺温度を感知し、周辺温度による高周波信号を出力することができる。ここで、温度センサ10は表面弾性波センサであることができる。表面弾性波(Surface Acoustic Wave、SAW)センサとは、圧電基板(Piezoelectric)を用いる無電源センサで、接近または測定が困難な構造物または設備に多く用いられている。温度センサ10は、制御部30から高周波アンテナ装置20を介して駆動信号を受信すると、周辺温度を感知し、これに対応する高周波信号を出力することができる。一実施例において、表面弾性波センサは、周辺温度の他にも、圧力、トルク、振動、気体、または質量を感知して、これに対応する高周波信号を出力することができる。
【0019】
高周波アンテナ装置20は、制御部30から駆動信号を受信して温度センサ10に伝達し、温度センサ10から高周波信号を受信して制御部30に伝達することができる。ここで、温度センサ10及び高周波アンテナ装置20は温度を検出するための対象物の内部に設置されることができ、上記対象物は半導体キュアオーブンのような高温の装置であることができる。
【0020】
以下では、
図2から
図6を参照して高周波アンテナ装置20についてより詳細に説明する。
【0021】
制御部30は、高周波アンテナ装置20を介して温度センサ10に駆動信号を送信し、温度センサ10から高周波信号を受信し、上記高周波信号に対応する温度値を算出することができる。ここで、制御部30は、同軸ケーブルのような有線によって高周波アンテナ装置20と連結されることができる。
【0022】
図2は本発明の一実施例による高周波アンテナ装置の一実施例を説明するための図面である。
【0023】
図2を参照すると、本発明の一実施例による高周波アンテナ装置20は、接地基板100、アンテナ部200、第1給電線300、及び第2給電線400を含む。
【0024】
接地基板100は、第1給電線300の一面と連結されることができ、第2給電線400と第2間隔d2ほど離れて配置されることができる。一実施例において、高周波アンテナ装置20が高温のオーブン装置の内部に設置される場合、接地基板100はステンレススチール(SUS)材質で形成されることができる。
【0025】
アンテナ部200は、第1導線210及び第2導線220を含むことができる。ここで、第1導線210は第1給電線300の一端と連結されることができ、第2導線220は第2給電線400の一端と連結されることができる。第1導線210及び第2導線220は、同一延長線上において異なる長さ方向に設置されることができる。
【0026】
第1導線210と第2導線220の長さの和は、温度センサ10と送受信する駆動信号及び高周波信号の半波長の長さで形成されることができる。例えば、高周波アンテナ装置20が温度センサ10と1GHzの信号を送受信する場合、1GHzの信号の空気中の波長が30cmであるためアンテナ部200の第1導線210と第2導線220の長さの和は15cmに形成されることができ、430MHzの信号を送受信する場合、空気中の波長が90cmであるため第1導線210と第2導線220の長さの和は約45cmに形成されることができる。
【0027】
一実施例において、第1導線210及び第2導線220は、高温の環境において用いられることができるようにするために、被覆されない銅(Cu)線で形成されることができる。
【0028】
第1給電線300は、一端が第1導線210と連結され、他端が接地基板100と連結されて、接地棒の役割をすることができる。
【0029】
ここで、第1給電線300と接地基板100は、実施に必要な多様な形態で連結されることができ、
図2に示される連結構造に限定されない。
【0030】
第2給電線400は、第2導線220と連結され、第1給電線300と第1間隔d1ほど離れて配置されることができ、接地基板100と第2間隔d2ほど離れて配置されることができる。ここで、第2給電線400は、
図2に示されてはいないが、制御部30と連結されてアンテナ部200を介して受信した高周波信号を制御部30に送信し、制御部30から受信した駆動信号をアンテナ部200に伝達することができる。
【0031】
ここで、第1給電線300及び第2給電線400は第1間隔d1ほど離れて水平に配置されることができ、第1導線210及び第2導線220は第1給電線300と第2給電線400の対応する位置において互いに異なる方向に向かうように配置されることができる。
【0032】
一実施例において、第1給電線300は、高温の環境において用いられることができるようにするために、ステンレススチール(SUS)材質で形成されることができ、第2給電線400は黄銅材質で形成されることができる。
【0033】
ここで、第1給電線300及び第2給電線400は、第1間隔d1ほど離れて配置されることにより、第1給電線300と第2給電線400との間には第1空間aが形成されることができる。第1空間aは空気誘電層として理解されることができる。
【0034】
即ち、接地棒の役割をする第1給電線300、空気誘電層である第1空間a、及び信号を伝達する第2給電線400は、マイクロストリップ(Microstrip)線路構造を形成することができる。
【0035】
また、第2給電線400は、接地基板100と第2間隔d2ほど離れて配置されることができ、第2給電線400と接地基板100との空気誘電層を含んでマイクロストリップ線路構造を形成することができる。
【0036】
一般に、高周波アンテナの場合、信号を伝達するためのマイクロストリップ線路構造のPCB(Printed Circuit Board)が連結されているが、このようなPCBに用いられる被覆または誘電体材料の特性上、150℃以下でのみ用いられることができる。したがって、これより高い温度(例えば、500℃)の環境では使用できなくなる。
【0037】
しかし、上述の本発明の一実施例によると、耐熱性材質で形成された給電線、接地、及び空気誘電層を用いてマイクロストリップ線路構造を形成することにより、500℃以上の厳しい環境においても信号を伝達することができる。
【0038】
図3は本発明の他の一実施例による高周波アンテナ装置の一実施例を説明するための図面であり、
図4は
図3の第3給電線の一実施例を説明するための側面図であり、
図5は
図3の第3給電線の一実施例を説明するための斜視図であり、
図6は本発明の一実施例による高周波アンテナ装置がオーブンに設置された状態を説明するための図面である。
【0039】
図3を参照すると、本発明の他の一実施例による高周波アンテナ装置20は、接地基板100、アンテナ部200、第1給電線300、第2給電線400、及び第3給電線500を含むことができる。一実施例において、高周波アンテナ装置20は、
図7に示されているように、第1間隔調節部700または第2間隔調節部800をさらに含むことができる。
【0040】
図3から
図6に示されているように、本実施例における接地基板100、アンテナ部200、及び第1給電線300は上述の実施例と同一である。
【0041】
第2給電線400は、一端が第2導線220と連結され、他端が第3給電線500と連結されることができる。ここで、第2給電線400は、接地基板100と第2間隔d2を維持しながら延長されて、第3給電線500と連結されることができる。
【0042】
一実施例において、第2給電線400は、
図3のように、「L」の形状に形成されて、接地基板100との第2間隔d2を一定に維持しながら、他端が第3給電線500と連結されることができる。
【0043】
しかし、第2給電線400の形状は、このような形状に限定されず、一般の技術者が実施のためにいくらでも容易に変更することができる。
【0044】
第3給電線500は、一端が第2給電線400と連結され、他端が制御部30と連結されるための接続部600と連結されることができる。一実施例において、第3給電線500は、同軸ケーブルを用いて制御部30と連結されることができる。この場合、接続部600は、同軸ケーブルが接続されるコネクタであることができる。
【0045】
一実施例において、第3給電線500は、
図4及び
図5に示されているように、第2給電線400と接続部600との間に連結されて信号を伝達する内部導体510、及び接地基板100と連結され、内部導体を収容する内部空間bを含む外部導体520を含むことができる。
【0046】
内部導体510は、一端が第2給電線400と連結されることができる。ここで、接地基板100には、内部導体510が第2給電線400と連結できるようにする孔が形成されることができる。
【0047】
また、内部導体510の他端は、制御部30と連結できるようにする接続部600と連結されることができる。ここで、内部導体510は、黄銅材質で形成されることができる。
【0048】
外部導体520は、接地基板100と連結されることができ、内部導体510を収容することができる内部空間を有することができる。外部導体520は管形状に形成されることができ、内部導体510は外部導体520の中央に配置されて外部導体520の内周面と一定距離ほど離れて配置されることにより、内部導体510と外部導体520との間に第2空間bが形成されることができる。
【0049】
ここで、内部導体510と外部導体520との間の第2空間bは、空気誘電層として理解されることができる。
【0050】
したがって、第3給電線500は、内部導体510、外部導体520、及びこの間に形成される空気誘電層の第2空間bを含むことにより、同軸(Coaxcial)ケーブルの構造を形成することができる。
【0051】
ここで、外部導体520はステンレススチール(SUS)材質で形成されることができ、内部導体510は黄銅材質で形成されることができる。
【0052】
このように、本実施例による高周波アンテナ装置20は、耐熱性材質で形成され、空気誘電層を含んで同軸ケーブルの構造を形成することにより、高温の環境においても高周波信号を制御部30または温度センサ10に伝達することができる。
【0053】
ここで、第3給電線500のインピーダンスは、下記数学式1によって決定されることができる。
【0054】
【数1】
(ここで、Zは第3給電線のインピーダンス、εは空気誘電層の誘電常数、Dは外部導体の直径、dは内部導体の直径)
【0055】
一実施例において、第3給電線500は、外部導体520の内周面と内部導体510との間に挿入されて、一定間隔が維持されるようにする間隔維持部530をさらに含むことができる。これは、セラミック材質で形成されることができる。
【0056】
一実施例において、高周波アンテナ装置20は、
図6のように、オーブン40のような高温の装備内部に設置されることができる。
【0057】
この場合、高周波アンテナ装置20の接地基板100がオーブン40のハウジング内部のいずれか一つの壁面42に付着されることができる。このとき、上記壁面42は、オーブン40のハウジング外部にある制御部30と連結されるようにするために、第3給電線500が通過されるようにする管形状の孔44が形成されることができる。
【0058】
この場合、上記管形状の孔44は、第3給電線500の外部導体520の役割をすることができる。即ち、第3給電線500は、外部導体520を除外した内部導体510のみで構成されることができる。
【0059】
ここで、上記管形状の孔44の直径は、上記数学式1に基づいて目標インピーダンス、内部導体の直径、及び空気誘電層の誘電常数によって決定されることができる。
【0060】
図7は本発明の他の一実施例による高周波アンテナ装置の一実施例を説明するための図面である。
【0061】
図7を参照すると、本発明の他の一実施例による高周波アンテナ装置20は、接地基板100、アンテナ部200、第1給電線300、第2給電線400、第3給電線500、第1間隔調節部700、及び第2間隔調節部800を含むことができる。
【0062】
第1間隔調節部700は、第1給電線300と第2給電線400との距離である第1間隔d1を調節することができる。ここで、第1間隔調節部700は、第1給電線300と第2給電線400との間隔を微細調整するマイクロゲージ710をさらに含むことができる。
【0063】
第2間隔調節部800は、接地基板100及び第2給電線400に付着されることで、第2間隔d2を調節することができる。
【0064】
ここで、第1間隔d1及び第2間隔d2は同一であることができ、第1間隔d1または第2間隔d2の距離は下記数学式2によって決定されることができる。
【0065】
【数2】
(ここで、
、Wは第2給電線の幅、tはd1またはd2、Zは第2給電線のインピーダンス)
【0066】
図8は
図3の高周波アンテナ装置の共振周波数帯域を説明するためのグラフであり、
図9は
図3の高周波アンテナ装置をネットワークアナライザで測定したグラフであり、
図10は
図3の高周波アンテナ装置をネットワークアナライザで測定したスミスチャートである。
【0067】
例えば、第2給電線400のインピーダンスがZ=50Ω、第2給電線400の幅Wが4.1mmである場合、数学式2による第1間隔d1及び第2間隔d2は0.83mmである。また、第3給電線500のインピーダンスがZ=50Ω、第3給電線500の内部導体の直径が4.1mmである場合、数学式1による外部導体の直径は9.5mmである。
【0068】
図8及び
図9のグラフ及び
図10のスミスチャートは、上記一例によるアンテナ装置の周波数帯域及びその特性を説明するためのものである。
【0069】
図8は上記例における高周波アンテナ装置20の周波数による反射損失(Return Loss)dB(S(1,1))を示す。これにより、上記例による高周波アンテナ装置20は、共振周波数帯域が最大利得から3dB離れた地点を選択すると、150〜770MHzの広帯域で動作できることが分かる。また、
図9及び
図10を参照すると、上記例による高周波アンテナ装置の中心周波数は436MHz、このときの特性インピーダンスは47Ωで、50Ωである第3給電線500とマッチングされることが分かる。
【0070】
上述の実施例による高周波アンテナ装置は、空気層を誘電体にするアンテナ基板が金属及びセラミック材料のみで構成されるため、さらに高温(〜1000℃)の環境において設置されることができる。このような高温用アンテナは、厳しい環境を具体的にモニタリングできるSAW(表面弾性波、Surface Acoustic Wave)、圧力、変形、トルク、温度、振動、気体、質量センサなどのリアルタイム無線通信に用いられることができる。その外にも、高周波を用いた多様な通信装備などに応用されることができる。
【0071】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0072】
1 温度検出システム
10 温度センサ
20 高周波アンテナ装置
30 制御部
40 オーブン
100 接地基板
200 アンテナ部
210 第1導線
220 第2導線
300 第1給電線
400 第2給電線
500 第3給電線
510 内部導体
520 外部導体
600 接続部
700 第1間隔調節部
800 第2間隔調節部