特開2016-192904(P2016-192904A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-192904(P2016-192904A)
(43)【公開日】2016年11月17日
(54)【発明の名称】反芻動物用飼料
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/10 20160101AFI20161021BHJP
   A23K 20/00 20160101ALI20161021BHJP
【FI】
   A23K1/18 B
   A23K1/16 304C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-73387(P2015-73387)
(22)【出願日】2015年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126169
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 淳子
(74)【代理人】
【識別番号】100130812
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 淳
(72)【発明者】
【氏名】松尾 久美子
(72)【発明者】
【氏名】新倉 宏
(72)【発明者】
【氏名】小野 裕司
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005BA03
2B005BA05
2B150AA02
2B150AB03
2B150AB10
2B150AE05
2B150AE26
2B150BA01
2B150BD01
2B150BD02
2B150BE01
2B150BE03
2B150DD42
2B150DD56
(57)【要約】
【課題】 安価な木材を原料とすることによって、ルーメンアシドーシスを起こさず、栄養価、飼料効率の高い反芻動物用飼料を提供する。
【解決手段】 木材を温度170〜190℃、圧力0.8〜1.3MPaで、5〜20分間、水蒸気処理した後、瞬時に圧解放して爆砕処理することにより得られる爆砕処理物は、木材中のリグニンやヘミセルロースが部分的に分解及び/または変性しているので、消化率が高く、有害となるフルフラール量が少ない反芻動物用飼料となる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材を温度170〜190℃、圧力0.8〜1.3MPaで、5〜20分間、水蒸気処理した後、瞬時に圧解放して爆砕処理することによって得られる爆砕処理物を含有する反芻動物用飼料。
【請求項2】
木材1質量部に対して水を0〜1000質量部添加して水蒸気処理する、請求項1記載の反芻動物用飼料。
【請求項3】
木材が広葉樹である、請求項1記載の反芻動物用飼料。
【請求項4】
木材を爆砕処理することによって得られる爆砕処理物を、直径5〜50mm×長さ5〜80mmのペレット状に圧縮成型することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の反芻動物用飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材チップを爆砕処理した爆砕処理物を含有する反芻動物用飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、牧畜分野においては、家畜の乳量の増加、増体重などを目的に、牧草などの粗飼料と、栄養価の高いトウモロコシなどの易消化性の炭水化物(デンプン等)を多く含む濃厚飼料とが併用されることが多い。
【0003】
牧草とは一般には、マメ科、イネ科などの植物であり、そのままでも飼料となり得るが、通常は牧草を乾燥し干草(乾草、わら類)としたもの、あるいは青刈りした牧草を発酵させた(サイレージ化)ものが粗飼料と呼ばれる。
【0004】
反芻動物が粗飼料を摂取し消化しうるのは、ルーメン(第一胃)を有するためである。ルーメンは、反芻動物が有する複数の胃のうち最大の容積を占め、粗飼料中のセルロース、ヘミセルロースなどの難消化性の多糖類を分解(ルーメン発酵)し得る微生物群(ルーメン微生物)が豊富に含まれている。
【0005】
しかし、粗飼料中のセルロース及びヘミセルロースは、リグニン類と結合し、それぞれリグニン−セルロース複合体及びリグニン−ヘミセルロース複合体として存在している場合が多い。係る複合体はルーメン発酵において十分に分解されないおそれがある。このため、粗飼料は飼料効率が不十分であるという問題点があった。また、未消化物が糞量の増加の一因ともなり、環境面においても望ましくないとされていた。
【0006】
また、牧草の中には多量の硝酸態窒素が含まれているものがあり、これを摂取した反芻動物が各種の亜硝酸塩中毒になることがある。亜硝酸塩中毒とは、係る牧草を摂取した場合に体内で硝酸態窒素から生産された亜硝酸が、酸素を運搬する血液中のヘモグロビンと化合して酸素を受入れられなくなり、重篤な場合には窒息する状態になり急死することもある。また、乳牛の場合には乳量低下等の症状を引き起こすことがある。
【0007】
粗飼料は、牧草の収穫量や作柄により影響を受け、供給量が不安定である。またわが国では粗飼料の多くを輸入に頼っているため、概して価格変動が大きく、また、輸出国の諸事情により輸入困難になる場合もあり、牧場経営を圧迫する場合がある。
【0008】
このため、牧草に代わりうる、飼料効率に優れ、亜硝酸塩中毒等の疾病を引き起こさないで、安価であり、且つ安定的に入手可能な反芻動物用飼料が望まれている。
【0009】
乳用家畜の乳量を維持し、或いは、肉用家畜の増体を維持するためは、飼料摂取量をも増加させる必要があるが、乳量の増加や体格の増強に伴うエネルギー要求量の増加率は、摂取飼料量の増加率を超えるため、飼料中の栄養濃度を高める必要がある。このため、一般に栄養量を高めるためには、トウモロコシなどの易消化性の炭水化物(デンプン)を多く含む濃厚飼料の飼料への配合率を増やすことが行われている。しかし、濃厚飼料中のデンプンなどの炭水化物は第一胃(ルーメン)のpHの急激な低下を引き起こし、結果としてルーメンアシドーシスが発生することがある。
【0010】
ルーメンアシドーシスは、反芻動物の疾病の一種であり、炭水化物に富む穀物、濃厚飼料、果実類などを急激に摂取することにより引き起こされる。ルーメンアシドーシスにおいては、ルーメン内において、グラム陽性乳酸生成菌、特にStreptcoccus bovisおよびLactobacillus属微生物が増加し、乳酸あるいは揮発性脂肪酸(volatile fatty acid:VFA)の異常な蓄積を招くため、ルーメン内のpH(5以下)が低下する。その結果、ルーメン内の原生動物及びある種の細菌の減少、あるいは消滅を引き起こす。また、急性アシドーシスは、ルーメンの鬱血や脱水症(胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動)、さらには昏睡や死をもたらす。
【0011】
ルーメンアシドーシスの予防には、飼料配合の急激な変化を避け、ルーメン発酵を安定化(pHの変動を少なくする)し、十分な反芻により唾液分泌のできる飼料給与が必要となる。これは、唾液には重曹が含まれpH調節に寄与するためである。しかし、異常な発酵を恐れ、高栄養の飼料を避けると、エネルギーが不足して乳生産量が低下してしまうという懸念もある。
【0012】
ルーメンアシドーシスを予防する飼料として、ビートパルプと廃糖蜜とを重量割合で100:5〜60の混合物からなる粉粒体の糖蜜飼料(特許文献1)、木質原料に高衝撃力を与えて粉砕し微粒子化した家畜飼料が開示されている(特許文献2)。さらに、リグノセルロース系バイオマス材料を圧力容器内で190度から225度まで加熱し、1から12分間保持した後、圧力容器内の圧力を低下させる処理(爆砕処理)を行って、動物飼料を製造する方法が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−174796号公報
【特許文献2】特開2012−105570号公報
【特許文献3】特表2013−539959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述した引用文献1のビートパルプと廃糖蜜の混合物からなる粉粒体の糖蜜飼料は、消化率をはじめとする飼料効率の点では劣る問題があった。また、引用文献2は、木質をそのまま粉砕したものでリグニンを多量に含んでおり、消化効率が低い。引用文献3では、反芻動物にとって有害であるフルフラールの生成量が多くなる。
【0015】
そこで、本発明は、安価な木材を原料とすることによって濃厚飼料に代わり得る、ルーメンアシドーシスを起こさず、栄養価、飼料効率の高い飼料であって、牧草と比較しても亜硝酸中毒のような悪影響の可能性がなく、安価で安定供給可能で経済的にも有利な飼料を提供することを課題とする。また、反芻動物の嗜好性も高いことも課題である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、木材チップを温度170〜190℃、圧力0.8〜1.3MPaで、5〜20分間水蒸気処理した後、瞬時に圧解放することにより爆砕処理して得られる爆砕処理物を反芻動物用飼料とすることにより、上記課題を解決できることを見出した。また、爆砕処理物を含む飼料はペレット状に圧縮成型することにより取扱いを容易にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、反芻動物の嗜好性が高く、従来の濃厚飼料や牧草の使用量を減らすことができるので、ルーメンアシドーシスや亜硝酸中毒などを防ぐことができる。また、本発明の反芻動物用飼料は、木材原料から製造できるので安定かつ安価に供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の反芻動物用飼料は、反芻動物に適用される。反芻動物としては、例えば、乳牛及び肥育牛などの牛、羊、山羊などが挙げられる。本発明の飼料を反芻動物に給与する時期、すなわち適用対象である反芻動物の年齢、体格、健康状態等には特に制限はないが、通常は、ルーメンの機能が形成されてからであり、代用乳が給与される哺乳期の終了以降である。
【0019】
本発明は、木材を爆砕処理して得られる爆砕処理物を含有する反芻動物用飼料である。本発明の爆砕処理は、木材チップを温度170〜190℃、圧力0.8〜1.3MPaで、保持時間5〜20分間水蒸気処理した後、瞬時に圧解放するものである。このような条件で爆砕処理を行うことにより、木材中のリグニンやヘミセルロースが部分的に分解及び/または変性することによって、消化性が向上する。また、反芻動物にとって有害であるフルフラール類の生成量が低い。
【0020】
温度が170℃未満であるとリグニンの分解が不十分となり消化性が十分に向上しない。また、230℃を超えるとセルロースの分解が過度になり収率が低下し、フルフラール類の生成量が高くなる。
【0021】
保持時間が5分以内であるとリグニンの分解が不十分となり消化性が十分に向上しない。また、20分を超えるとリグニンが縮合するためリグニンが分解し難くなり消化性が十分に向上せず、また、フルフラール類の生成量が高くなる。
【0022】
本発明において、木材1質量部に対して水を0〜1000質量部添加して水蒸気処理を行うことが好ましい。
【0023】
原料の木材としては、例えば、広葉樹、針葉樹のいずれもが使用できる。消化性の観点からは広葉樹が好ましい。具体的には、広葉樹としては、ブナ、シナ、シラカバ、ポプラ、ユーカリ、アカシア、ナラ、イタヤカエデ、センノキ、ニレ、キリ、ホオノキ、ヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキ、アオダモ等が例示される。針葉樹としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。
【0024】
本発明において、原料となる木材は0.1〜100mmのサイズに粉砕された粉砕物を使用することが好ましく、0.1〜50mmのサイズのものを使用することがさらに好ましい。なお、本発明において、木材の粉砕物のサイズとは、篩い分け器の円形の穴の大きさによって篩い分けされたものである。木材を粉砕するための装置としては、ナイフ切削型バイオマス燃料用チッパーで粉砕処理することが好ましい。また、樹皮が混入していてもよい。
【0025】
爆砕処理を行うための装置としては、バルメット、日東高圧(株)、日本電熱(株)、(株)ヤスジマ、日本化学機械製造(株)のバッチ式の爆砕処理装置、あるいはバルメット、アンドリッツの連続式の爆砕処理装置等が挙げられる。
【0026】
本発明の反芻動物用飼料は、爆砕処理後に水分含有率を30%以下に乾燥することが好ましい。水分含有率を30%以下とすることで、生成したフルフラールを除去することができる。
【0027】
本発明の爆砕処理物を含有する反芻動物用飼料は、キューブ状又はペレット状に圧縮成型することにより、トウモロコシや牧草などの他の飼料と混合することが容易となり、さらに運搬や取扱いが容易となるので好ましい。
【0028】
キューブ状に圧縮成型する場合、縦5〜50mm×横5〜50mm×高さ5〜50mmのキューブとすることが好ましい。ペレット状に圧縮成型する場合、直径5〜50mm×長さ5〜80mmの円筒状とすることが好ましい。圧縮成型を行うための装置は特に限定されていないが、ブリケッター(北川鉄工所(株)製)、リングダイ式ペレタイザー(CPM(株)製)、フラットダイ式ペレタイザー(ダルトン(株)製)等が望ましい。
【0029】
本発明の反芻動物用飼料は、爆砕処理物100%から成るものでもよいが、栄養や嗜好性を高めるために他の飼料成分を配合してもよい。その際、全試料の固形分に対する爆砕処理物の含有量が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えば、トウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラルなど、や添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。これらの他の飼料成分は圧縮成型を行う際に、爆砕処理物に混合させてもよい。
【実施例】
【0030】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%は特に断らない限り質量%を示す。
【0031】
[実施例1]
ユーカリ ユーログランディスのチップをカッターミル(商品名:P−15、フリッチュ社製)で10mm以下に粉砕した。粉砕物の固形分200gに対して水を1000g加え、蒸気爆砕装置(日東高圧(株)製)を用いて190℃まで加温し、圧力1.3Mpa、10分間保持して水蒸気処理した後、瞬時に圧解放して爆砕処理を行った。得られた爆砕処理物を105℃、2時間で乾燥した後、水分20%に調整し、ラボフラットダイ式ペレタイザー(ダルトン社製、ディスクペレッターF−5/11−175型)にてダイ穴直径5mm、ダイ厚さ20mmのフラットダイを用いてペレット化した。
ペレット化した爆砕処理物は攪拌らいかい機(商品名:石川式攪拌らいかい機、(株)石川工場製)で20分間粉砕処理し、以下の方法に従って、糖化率、フルフラール量を測定し、結果を表1に示した。
・糖化率の測定:粉砕した爆砕処理物10gに対して水を90g加え、セルラーゼ(商品名:CelliCTec2、ノボザイム製)を爆砕処理物に対して5%となるように添加して、35℃で24時間処理した後、水溶液中のグルコース濃度をバイオセンサー(王子計測機器製)で測定し、糖化率を算出した。
・フルフラール量:粉砕した爆砕処理物10gに対して水を20g加えて抽出した抽出液を、GC−MS(商品名:7890A−5975C、アジレント・テクノロジー社製)で分析し、試料中に残留するフルフラール量を測定した。
【0032】
[実施例2]
ユーカリ ユーログランディスのチップを実施例1と同様にして爆砕処理を行い、ペレット化を行わない以外は、実施例1と同様にして糖化率、フルフラール量を測定した。
【0033】
[実施例3]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に170℃まで加温した以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0034】
[実施例4]
ユーカリ ユーログランディスのチップを実施例3と同様にして爆砕処理を行い、ペレット化を行わない以外は、実施例1と同様にして糖化率、フルフラール量を測定した。
【0035】
[実施例5]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に、保持時間を5分とした以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0036】
[実施例6]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に、保持時間を20分とした以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0037】
[実施例7]
ユーカリ ユーログランディスに代えてシラカンバのチップを使用した以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0038】
[実施例8]
シラカンバのチップを実施例1と同様にして爆砕処理を行い、ペレット化を行わない以外は、実施例1と同様にして糖化率、フルフラール量を測定した。
【0039】
[実施例9]
ユーカリ ユーログランディスに代えてスギのチップを使用した以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0040】
[実施例10]
スギのチップを実施例1と同様にして爆砕処理を行い、ペレット化を行わない以外は、実施例1と同様にして糖化率、フルフラール量を測定した。
【0041】
[比較例1]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に160℃まで加温した以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0042】
[比較例2]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に240℃まで加温した以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0043】
[比較例3]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に、保持時間を3分間とした以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0044】
[比較例4]
ユーカリ ユーログランディスのチップを蒸気爆砕装置で処理する際に、保持時間を30分間とした以外は、実施例1と同様にして爆砕処理を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0045】
[比較例5]
ユーカリ ユーログランディスのチップを爆砕処理を行わない以外は、実施例1と同様にしてペレット化を行い、糖化率、フルフラール量を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
表1に示されるように、実施例1〜10の爆砕処理物は糖化率が高く、残留するフルフラールは検出されなかった。実施例1〜10の爆砕処理物は反芻動物用飼料として好適であることが示唆された。比較例1、2にように爆砕処理の際の温度が範囲外である場合、あるいは比較例3、4のように保持時間が範囲外である場合には糖化率は低下した。また、比較例2、4では残留するフルフラールが存在した。