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特開2016-196868セラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-196868(P2016-196868A)
(43)【公開日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】セラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20161028BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20161028BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20161028BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20161028BHJP
【FI】
   F01N3/28 301P
   F01N3/20 KZAB
   B01J35/04 301A
   B01D53/94 222
   B01D53/94 245
   B01D53/94 280
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-77746(P2015-77746)
(22)【出願日】2015年4月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】古賀 祥啓
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 建人
【テーマコード(参考)】
3G091
4D048
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB01
3G091BA10
3G091BA14
3G091BA15
3G091BA19
3G091CA04
3G091GA16
3G091GB17X
4D048AA06
4D048AA13
4D048AA18
4D048AB01
4D048AB02
4D048BA06Y
4D048BA10Y
4D048BA30Y
4D048BA31Y
4D048BA45Y
4D048BB02
4D048BB12
4D048EA02
4D148AA06
4D148AA13
4D148AA18
4D148AB01
4D148AB02
4D148BA06Y
4D148BA10Y
4D148BA30Y
4D148BA31Y
4D148BA45Y
4D148BB02
4D148BB12
4D148EA02
4G169AA01
4G169AA03
4G169CA03
4G169CA07
4G169CA08
4G169CA13
4G169CA14
4G169CA15
4G169EA18
4G169EA25
(57)【要約】
【課題】熱によって生じる圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度が得られるとともに半径方向に沿った通電経路を長くとることができるセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒を提供する。
【解決手段】本体21の径方向に隣接する内側のセル30と外側のセル30とがずれて配置されるので、急激な温度上昇や降下があっても熱によって径方向に大きく膨張や収縮することがなく、圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度を得ることができる。また、内側のセル30と外側のセル30がずれて配置されるので、円弧壁31、32および直線壁33、34を経由する本体21の中心23と外壁22との間の最短半径方向経路長さR1が、本体21の外殻半径寸法R2よりも大きくなる。これにより、通電経路が長くなるので、例えば排気浄化装置10Aに好適に用いることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の外壁を備える本体と、
前記本体の内側において区画され、前記本体の長手方向に沿って連続する多数のセルとを有し、
前記各セルは、前記外壁と同心の一対の円弧壁と、前記外壁の径方向に沿う一対の直線壁とにより区画され、
前記本体の長手方向に対して垂直に切断した断面において、前記円弧壁および前記直線壁のうちの少なくとも一方を経由する前記本体の中心と前記外壁との間の最短半径方向経路長さが前記本体の外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法よりも大きいことを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のセラミックハニカム構造体であって、
前記本体の径方向に沿って隣り合うセルのうち、一方のセルにおける前記直線壁と、他方のセルにおける前記直線壁とが同一平面に沿わないように配置されることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項3】
請求項1に記載のセラミックハニカム構造体であって、
前記本体の径方向に沿って互いに隣り合う5以下の同心円層を有する第1同心円層部および第2同心円層部を備え、
前記第1同心円層部および前記第2同心円層部は、それぞれの前記直線壁が同一平面に沿って配置され、
前記第1同心円層部における前記各直線壁と、前記第2同心円層部における前記各直線壁とが同一平面に沿わないように配置されることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項4】
請求項3に記載のセラミックハニカム構造体であって、
前記本体の中心に円筒形状の中心セルを有することを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項5】
請求項4に記載のセラミックハニカム構造体であって、
前記中心セルが半径Rであり、
前記中心セルの外側に隣り合う前記同心円層の外側の前記円弧壁の曲率が1/3Rであり、
半径3Rの前記同心円層の外側に隣り合う他の同心円層の外側の前記円弧壁が順次半径5R、7R、9R、…、(2n−1)Rの曲率を有することを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のセラミックハニカム構造体であって、
前記中心セルの外側に隣り合う前記同心円層は8セルを有し、
8セルの前記同心円層の外側に隣り合う他の同心円層が順次16セル、16セル、24セルを有し、
24セルの前記同心円層の外側における他の同心円層が、当該同心円層の内側の同心円層のセル数と同じ、あるいは同心円層のセル数に8を加えたセル数を有することを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項7】
請求項3ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載のセラミックハニカム構造体であって、
前記同心円層における各セルの開口面積の比率が0.9〜1.1であるとともに、前記同心円層における各セルの開口面積と、外側に隣り合う他の同心円層における各セルの開口面積との比率が0.56〜1.8であることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
【請求項8】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載のセラミックハニカム構造体における前記外壁、前記円弧壁および前記直線壁が導電性を有するセラミックスにより構成されており、前記円弧壁および前記直線壁の表面に触媒が担持されており、前記セラミックハニカム構造体に通電電極が接続されて構成されることを特徴とする通電加熱式触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の排気系に用いられる触媒を担持するのに好適なセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の排気経路上に設けられ、エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置として通電加熱式触媒(Electrically Heated Catalyst:EHC)が知られている。このようなEHCは、触媒が担持されたセラミックハニカム構造体およびセラミックハニカム構造体に通電するための電極を有する。
【0003】
特許文献1には、放射状に配列されたセルを備えたセラミックハニカム構造体が示されている。
図5に示すように、このセラミックハニカム構造体100は、複数のガス導通セル101からなる網状組織を呈しており、円筒状の外皮102の内部に収容されている。ガス導通セル101は、放射状セルとして形成されており、外皮102の半径方向である半径方向ウェブ103と、外皮102の接線方向と平行な接線方向ウェブ104との間に画成されている。
また、セラミックハニカム構造体100は、45度単位で扇形状に作製した8ピースを外皮102の内部に収容して円筒形状に形成されている。各ピースにおいては、半径方向に複数のグループGRi−1、GR、GRi+1、…に分かれており、各グループGR内では半径方向ウェブ103が半径方向に一直線上に連続している。なお、半径方向に隣接するグループGR間では、半径方向ウェブ103は一直線上になく、ずれて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−532605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1に記載のセラミックハニカム構造体100においては、各ピース内において半径方向ウェブ103が半径方向に一直線上に連続するとともに接線方向ウェブ104が接線方向(円周方向)に連続して格子状に形成されているので、各セル101の対角方向に沿って作用する圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度が得られない。
また、各ピースの接触部分においては、円筒(外皮102)の中心105から外皮102まで半径方向ウェブ103が一直線上に連続するので、半径方向に沿った通電経路が短くなり、EHCにおいては好ましくない。
【0006】
本発明では、前記課題を鑑み、熱によって生じる圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度が得られるとともに半径方向に沿った通電経路を長くとることができるセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明のセラミックハニカム構造体は、円筒形状の外壁を備える本体と、前記本体の内側において区画され、前記本体の長手方向に沿って連続する多数のセルとを有し、前記各セルは、前記外壁と同心の一対の円弧壁と、前記外壁の径方向に沿う一対の直線壁とにより区画され、前記本体の長手方向に対して垂直に切断した断面において、前記円弧壁および前記直線壁のうちの少なくとも一方を経由する前記本体の中心と前記外壁との間の最短半径方向経路長さが前記本体の外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法よりも大きい。
【0008】
なお、本体は、その中心に例えば円筒形状の最小部材が配置されていてもよく、円柱形状の最小部材が配置されていてもよい。
すなわち、本体の中心とは、中空、中実いずれでもよい。
【0009】
本発明のセラミックハニカム構造体によれば、円筒形状の外壁を有する本体の内側において、多数のセルが区画され、本体の長手方向に沿って連続している。各セルは、外壁と同心の一対の円弧壁と、外壁の径方向に沿う一対の直線壁とにより区画されている。
また、円弧壁および直線壁のうちの少なくとも一方を経由する本体の中心と外壁との間の最短半径方向経路長さが、本体の外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法よりも大きくなる。これにより、通電経路が長くなるので、例えばEHCに好適に用いることができる。
【0010】
さらに、本発明のセラミックハニカム構造体は、以下の態様であることが望ましい。
(1)前記本体の径方向に沿って隣り合うセルのうち、一方のセルにおける前記直線壁と、他方のセルにおける前記直線壁とが同一平面に沿わないように配置される。
このため、本体の径方向に隣接する内側のセルと外側のセルとがずれて配置されるので、円弧壁の途中に直線壁が位置することになり、各セルの配置は格子状にならない。これにより、急激な温度上昇や降下があっても熱によって径方向に大きく膨張や収縮することがないので、熱によって生じる圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度を得ることができ、クラックが発生するのを抑えることができる。
【0011】
(2)前記本体の径方向に沿って互いに隣り合う5以下の同心円層を有する第1同心円層部および第2同心円層部を備え、前記第1同心円層部および前記第2同心円層部は、それぞれの前記直線壁が同一平面に沿って配置され、前記第1同心円層部における前記各直線壁と、前記第2同心円層部における前記各直線壁とが同一平面に沿わないように配置される。
すなわち、直線壁は径方向に5層まで同一平面状に連続可能であるが、6層以上は連続しない。このため、第1同心円層部と第2同心円層部との間において直線壁がずれるので、全体のセルの配置は格子状にならず、強度を確保するとともに、ある程度直線壁を連続できるので、製作が容易になる。
【0012】
(3)前記本体の中心に円筒形状の中心セルを有する。
中心に壁が存在すると、断面半円形状あるいは断面扇形状のセルとなり、他のセルとサイズが異なったり、セル断面のアスペクト比が異なったりする可能性がある。中心に位置するセルがフィルタ中心と同心の円形セルであると、他のセルとのサイズやアスペクト比を合わせ易い。
【0013】
(4)前記中心セルが半径Rであり、前記中心セルの外側に隣り合う前記同心円層の外側の前記円弧壁の曲率が1/3Rであり、半径3Rの前記同心円層の外側に隣り合う他の同心円層の外側の前記円弧壁が順次半径5R、7R、9R、…、(2n−1)Rの曲率を有する。
このため、セルのサイズおよび形状を均一化することができる。
【0014】
(5)前記中心セルの外側に隣り合う前記同心円層は8セルを有し、8セルの前記同心円層の外側に隣り合う他の同心円層が順次16セル、16セル、24セルを有し、24セルの前記同心円層の外側における他の同心円層が、当該同心円層の内側の同心円層のセル数と同じ、あるいは同心円層のセル数に8を加えたセル数を有する。
このため、セルのサイズおよび形状を均一化することができる。
【0015】
(6)前記同心円層における各セルの開口面積の比率が0.9〜1.1であるとともに、前記同心円層における各セルの開口面積と、外側に隣り合う他の同心円層における各セルの開口面積との比率が0.56〜1.8である。
このため、セルのサイズおよび形状を均一化することができる。
【0016】
また、前記課題を解決するための本発明の通電加熱式触媒は、前記セラミックハニカム構造体における前記外壁、前記円弧壁および前記直線壁が導電性を有するセラミックスにより構成されており、前記円弧壁および前記直線壁の表面に触媒が担持されており、前記セラミックハニカム構造体に通電電極が接続されて構成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明のセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒によれば、本体の径方向に隣接する内側のセルと外側のセルとがずれて配置されるので、急激な温度上昇や降下があっても熱によって径方向に大きく膨張や収縮することがなく、圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度を得ることができる。また、内側のセルと外側のセルがずれて配置されるので、円弧壁および直線壁を経由する本体の中心と外壁との間の最短半径方向経路長さが大きくなり、通電経路が長くなるので、通電加熱式触媒(EHC)に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係るセラミックハニカム構造体を用いた通電加熱式触媒(EHC)の断面図である。
図2】(A)はセラミックハニカム構造体の本体の長手方向に対して垂直に切断した断面図であり、(B)は(A)における“B”部分の拡大図である。
図3図2(B)における“III”部分の拡大図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るセラミックハニカム構造体の図2(B)相当図である。
図5】従来のセラミックハニカム構造体の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒について説明する。
【0020】
前記課題を解決するための本発明のセラミックハニカム構造体は、円筒形状の外壁を備える本体と、前記本体の内側において区画され、前記本体の長手方向に沿って連続する多数のセルとを有し、前記各セルは、前記外壁と同心の一対の円弧壁と、前記外壁の径方向に沿う一対の直線壁とにより区画され、前記本体の長手方向に対して垂直に切断した断面において、前記円弧壁および前記直線壁のうちの少なくとも一方を経由する前記本体の外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法よりも大きい。
【0021】
本発明のセラミックハニカム構造体によれば、円筒形状の外壁を有する本体の内側において、多数のセルが区画され、本体の長手方向に沿って連続している。各セルは、外壁と同心の一対の円弧壁と、外壁の径方向に沿う一対の直線壁とにより区画されている。
また、円弧壁および直線壁のうちの少なくとも一方を経由する本体の中心と外壁との間の最短半径方向経路長さが、本体の外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法よりも大きくなる。これにより、通電経路が長くなるので、例えばEHCに好適に用いることができる。
【0022】
なお、本体は、その中心に例えば円筒形状の最小部材が配置されていてもよく、円柱形状の最小部材が配置されていてもよい。
すなわち、本体の中心とは、中空、中実いずれでもよい。
【0023】
さらに、本発明のセラミックハニカム構造体は、以下の態様であることが望ましい。
(1)前記本体の径方向に沿って隣り合うセルのうち、一方のセルにおける前記直線壁と、他方のセルにおける前記直線壁とが同一平面に沿わないように配置される。
このため、本体の径方向に隣接する内側のセルと外側のセルとがずれて配置されるので、円弧壁の途中に直線壁が位置することになり、各セルの配置は格子状にならない。これにより、急激な温度上昇や降下があっても熱によって径方向に大きく膨張や収縮することがないので、熱によって生じる圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度を得ることができ、クラックが発生するのを抑えることができる。
【0024】
(2)前記本体の径方向に沿って互いに隣り合う5以下の同心円層を有する第1同心円層部および第2同心円層部を備え、前記第1同心円層部および前記第2同心円層部は、それぞれの前記直線壁が同一平面に沿って配置され、前記第1同心円層部における前記各直線壁と、前記第2同心円層部における前記各直線壁とが同一平面に沿わないように配置される。
すなわち、直線壁は径方向に5層まで同一平面状に連続可能であるが、6層以上は連続しない。このため、第1同心円層部と第2同心円層部との間において直線壁がずれるので、全体のセルの配置は格子状にならず、強度を確保するとともに、ある程度直線壁を連続できるので、製作が容易になる。
【0025】
(3)前記本体の中心に円筒形状の中心セルを有する。
中心に壁が存在すると、断面半円形状あるいは断面扇形状のセルとなり、他のセルとサイズが異なったり、セル断面のアスペクト比が異なったりする可能性がある。中心に位置するセルがフィルタ中心と同心の円形セルであると、他のセルとのサイズやアスペクト比を合わせ易い。
【0026】
(4)前記中心セルが半径Rであり、前記中心セルの外側に隣り合う前記同心円層の外側の前記円弧壁の曲率が1/3Rであり、半径3Rの前記同心円層の外側に隣り合う他の同心円層の外側の前記円弧壁が順次半径5R、7R、9R、…、(2n−1)Rの曲率を有する。
このため、セルのサイズおよび形状を均一化することができる。
【0027】
(5)前記中心セルの外側に隣り合う前記同心円層は8セルを有し、8セルの前記同心円層の外側に隣り合う他の同心円層が順次16セル、16セル、24セルを有し、24セルの前記同心円層の外側における他の同心円層が、当該同心円層の内側の同心円層のセル数と同じ、あるいは同心円層のセル数に8を加えたセル数を有する。
このため、セルのサイズおよび形状を均一化することができる。
【0028】
(6)前記同心円層における各セルの開口面積の比率が0.9〜1.1であるとともに、前記同心円層における各セルの開口面積と、外側に隣り合う他の同心円層における各セルの開口面積との比率が0.56〜1.8である。
このため、セルのサイズおよび形状を均一化することができる。
【0029】
また、前記課題を解決するための本発明の通電加熱式触媒は、前記セラミックハニカム構造体における前記外壁、前記円弧壁および前記直線壁が導電性を有するセラミックスにより構成されており、前記円弧壁および前記直線壁の表面に触媒が担持されており、前記セラミックハニカム構造体に通電電極が接続されて構成される。
【0030】
(第1実施形態)
図1には、排気浄化装置10Aが示されている。
この排気浄化装置10Aは、自動車等の排気経路上に設けられ、エンジンから排出される排気ガスを浄化する通電加熱式触媒(以後、「EHC」と記す。)である。
排気浄化装置10Aは、外装をなす中空のケース11と、ケース11の内部に収納されたセラミックハニカム構造体20Aと、セラミックハニカム構造体20Aの外周面に設けられた電極12、13と、電極12、13にそれぞれ電気的に接続された端子14、15とを具備する。
【0031】
ケース11は、排気浄化装置10Aの外装をなすと共に、エンジンから排出される排気ガスが流動する排気管の一部をなす部材であり、略円筒状に形成されている。
セラミックハニカム構造体20Aは、SiC(炭化ケイ素)、又はコーディエライト等のセラミックスからなるハニカム構造の多孔質部材であり、白金、又はパラジウム等の触媒が担持されている。
セラミックハニカム構造体20Aは、ケース11の内径よりも若干小さい外径を有する円筒状に形成され、ケース11の内部においてケース11の内周面との間に所定の隙間(ケース11の内周面と電極12、13とが接触しない程度の隙間)を有するように配置されると共に、エンジンから排出される排気ガスがセラミックハニカム構造体20Aの内部を軸方向に通過するように配置されている。
【0032】
なお、ケース11の内周面とセラミックハニカム構造体20Aの外周面との間には、アルミナ等からなる保持部材(不図示)が設けられており、セラミックハニカム構造体20Aの位置ずれを防止すると共に、ケース11の内周面とセラミックハニカム構造体20Aの外周面との間の隙間をシールしている。
このような排気浄化装置10Aは、電源を用いて電極12、13間でセラミックハニカム構造体20Aを通電加熱することで、セラミックハニカム構造体20Aに担持された触媒を活性温度まで昇温する。これにより、エンジンから排出されてセラミックハニカム構造体20Aを通過する排気ガス中のHC(未燃炭化水素)、CO(一酸化炭素)、及びNOx(窒素酸化物)等の有害物質を、触媒反応により浄化する。
【0033】
図2(A)および図2(B)に示すように、セラミックハニカム構造体20Aは、円筒形状の外壁22を備える本体21を有する。本体21の内側には、本体21の断面方向において区画され、本体21の長手方向(図2(A)および図2(B)において紙面直交方向)に沿って連続する多数のセル30が収容されている。各セル30は、外壁22と同心の一対の円弧壁31、32と、外壁22の径方向に沿う一対の直線壁33、34とにより区画される(図3参照)。
本体21の中心23には、基準セルとして半径Rの中心セル301が配置されている。中心セル301は円筒形状を呈しており、内部には壁(仕切り)を有しない。中心セル301の外側には、同心円層LYnが多数設けられている。
従って、本体21の中心23は、中空となっている。
【0034】
中心セル301の外側に隣り合う同心円層LY2の外側の円弧壁31は、中心23を中心とする1/3Rの曲率を有する。さらに、半径3Rの同心円層LY2の外側に隣り合う他の同心円層LYnにおいては、外側の円弧壁31が順次半径5R、7R、9R、…、(2n−1)Rの曲率を有する。
中心セル301の外側に隣り合う同心円層LY2は8セルを有し、8セルの同心円層LY2の外側に隣り合う他の同心円層LYnが順次16セル、16セル、24セルを有する。24セルの同心円層LYnの外側における他の同心円層LYn+1は、同心円層LYn+1の内側の同心円層LYnのセル数と同じか、あるいは同心円層LYnのセル数に8を加えたセル数を有する。
【0035】
ここで、同心円層LYnにおける任意の2つのセル30の開口面積の比率は、0.9〜1.1とするのが望ましい。
また、同心円層LYnにおける各セル30の開口面積と、外側に隣り合う他の同心円層LYn+1における各セル30の開口面積との比率は、0.56〜1.8とするのが望ましい。
【0036】
図3に示すように、セル30は、一定の幅を有する部分円弧状(扇型)の形状を呈している。
なお、セル30の径方向の幅W、すなわち直線壁33、34の長さは一定であり、例えば前述したようにW=2・Rとすることができる。また、セル30の円周方向の長さL(Li)は、同一の同心円上においては、一定の長さとなっている。長さLは、同心円層LYnの半径と、セル数から算出することができる。
【0037】
また、本体21の径方向に沿って隣り合うセル30のうち、一方のセル30における直線壁33、34と、他方のセル30における直線壁33、34とが、同一平面に沿わないように配置されている。すなわち、径方向に隣接するセル30の直線壁33、34は、円周方向にずれて配置されており、いわゆる破れ目地の配置となっている。破れ目地は、石積みや煉瓦積みなどで、鉛直(垂直)方向の接続が一つおきに食い違っている目地を云い、一般に、一直線上に配置される芋(いも)目地に比較し強度の点で優れる。
【0038】
また、円弧壁31、32および直線壁33、34を経由する本体21の中心23と外壁22との間の最短半径方向経路長さR1は、本体21の中心23と外壁22とを結ぶ外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法R2よりも大きくなる。
すなわち、最短半径方向経路長さR1は、本体21の中心23と外壁22とを結ぶ直線壁33、34の長さに、直線壁33、34のずれに対応する円弧壁31、32の長さ(外殻半径寸法R2に該当する。)を加えたものなので、外殻半径寸法R2よりも大きくなる。
【0039】
次に、本実施形態のセラミックハニカム構造体の作用、効果について説明する。
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、円筒形状の外壁22を有する本体21の内側において、多数のセル30が区画され、本体21の長手方向に沿って連続している。各セル30は、外壁22と同心の一対の円弧壁31、32と、外壁22の径方向に沿う一対の直線壁33、34とにより区画されている。また、円弧壁31、32および直線壁33、34を経由する本体21の中心23と外壁22との間の最短半径方向経路長さが、本体21の外形形状である円筒の半径である外殻半径寸法よりも大きくなる。
これにより、通電経路が長くなるので、例えばEHCに好適に用いることができる。
【0040】
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、本体21の径方向に沿って隣り合うセル30のうち、一方のセル30における直線壁33、34と、他方のセル30における直線壁33、34とが同一平面に沿わないように配置されている。
このため、本体21の径方向に隣接する内側のセル30と外側のセル30とがずれて配置されるので、円弧壁31、32の途中に直線壁33、34が位置することになり、各セル30の配置は格子状にならない。これにより、急激な温度上昇や降下があっても熱によって径方向に大きく膨張や収縮することがないので、熱によって生じる圧縮力や引っ張り力に対して十分な強度を得ることができ、クラックが発生するのを抑えることができる。
【0041】
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、本体21の中心に円筒形状の中心セル301を有する。
中心に壁が存在すると、中心セル301は断面半円形状あるいは断面扇形状のセルとなり、他のセル30とサイズが異なったり、セル断面のアスペクト比が異なったりする可能性がある。中心に位置する中心セル301が、フィルタ中心と同心の円形セルであると、他のセルとのサイズやアスペクト比を合わせ易い。
【0042】
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、中心セル301が半径Rであり、中心セル301の外側に隣り合う同心円層LY2の外側の円弧壁31の曲率が1/3Rである。さらに、半径3Rの同心円層LY2の外側に隣り合う他の同心円層LYnの外側の円弧壁31が、順次半径5R、7R、9R、…、(2n−1)Rの曲率を有する。
このため、セル30のサイズおよび形状を均一化することができる。
【0043】
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、中心セル301の外側に隣り合う同心円層LY2は8セルを有し、8セルの同心円層LY2の外側に隣り合う他の同心円層LYnが順次16セル、16セル、24セルを有し、24セルの同心円層LYnの外側における他の同心円層LYn+1が、同心円層LYn+1の内側の同心円層LYnのセル数と同じ、あるいは同心円層LYnのセル数に8を加えたセル数を有する。
このため、セル30のサイズおよび形状を均一化することができる。
【0044】
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、同心円層LYnにおける各セル30の開口面積の比率が0.9〜1.1である。
すなわち、同一同心円層LYnにおける任意の2つのセル30の開口面積の比率が0.9〜1.1であるため、セル30のサイズおよび形状を均一化することができる。
【0045】
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Aによれば、同心円層LYnにおける各セル30の開口面積と、外側に隣り合う他の同心円層LYn+1における各セル30の開口面積との比率が0.56〜1.8である。
このため、セル30のサイズおよび形状を均一化することができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のセラミックハニカム構造体について説明する。
なお、前述した第1実施形態のセラミックハニカム構造体20Aと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0047】
図4に示すように、セラミックハニカム構造体20Bでは、本体21の径方向に沿って複数の同心円層LYnを有する複数の同心円層部BLiを有する。隣接する2つの同心円層部BLiのうち中心23側を第1同心円層部BL1、外側を第2同心円層部BL2とする。第1同心円層部BL1および第2同心円層部BL2は、いずれも5層以下の同心円層LYnを有する。
第1同心円層部BL1および第2同心円層部BL2の各同心円層部BLiでは、各セル30の直線壁33、34が同一平面に沿って配置されている。すなわち、同じ同心円層部BLiでは、直線壁33、34が径方向に連続している。
そして、第1同心円層部BL1および第2同心円層部BL2は、第1同心円層部BL1における各直線壁33、34と、第2同心円層部BL2における各直線壁33、34とが同一平面に沿わないように配置されている。
【0048】
次に、本実施形態のセラミックハニカム構造体20Bの作用、効果について説明する。
本実施形態のセラミックハニカム構造体20Bによれば、本体21の径方向に沿って互いに隣り合う5以下の同心円層LYnを有する第1同心円層部BL1および第2同心円層部BL2を有する。第1同心円層部BL1および第2同心円層部BL2は、それぞれの直線壁33、34が同一平面に沿って配置され、第1同心円層部BL1における各直線壁33、34と、第2同心円層部BL2における各直線壁33、34とが同一平面に沿わないように配置される。
すなわち、直線壁33、34は径方向に5層まで同一平面状に連続可能であるが、6層以上は連続しない。このため、第1同心円層部BL1と第2同心円層部BL2との間において直線壁33、34がずれるので、全体のセル30の配置は格子状にならず、強度を確保するとともに、ある程度直線壁33、34を連続できるので、製作が容易になる。
【0049】
本発明のセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のセラミックハニカム構造体および通電加熱式触媒は、例えば自動車の排気浄化装置における触媒担体として用いることができる。
【符号の説明】
【0051】
10A 排気浄化装置(通電加熱式触媒)
20A、20B セラミックハニカム構造体
21 本体
22 外壁
23 中心
30 セル
301 中心セル
31、32 円弧壁
33、34 直線壁
BLi 同心円層部
BL1 第1同心円層部
BL2 第2同心円層部
LY1〜LY11 同心円層
R1 最短半径方向経路長さ
R2 外殻半径寸法
図1
図2
図3
図4
図5