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特開2016-197119体液内の特定の成分のレベルを検出、検査、および監視するための装置および調合物、ならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-197119(P2016-197119A)
(43)【公開日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】体液内の特定の成分のレベルを検出、検査、および監視するための装置および調合物、ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/66 20060101AFI20161028BHJP
   C12Q 1/34 20060101ALI20161028BHJP
   C12Q 1/54 20060101ALI20161028BHJP
   C12Q 1/60 20060101ALI20161028BHJP
   C12Q 1/62 20060101ALI20161028BHJP
   C12Q 1/26 20060101ALI20161028BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20161028BHJP
   G01N 33/92 20060101ALI20161028BHJP
   G01N 33/98 20060101ALI20161028BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20161028BHJP
   G01N 33/52 20060101ALI20161028BHJP
【FI】
   G01N33/66 D
   C12Q1/34
   C12Q1/54
   C12Q1/60
   C12Q1/62
   C12Q1/26
   C12M1/34 E
   G01N33/66 C
   G01N33/92 A
   G01N33/98
   G01N33/50 A
   G01N33/52 B
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-142144(P2016-142144)
(22)【出願日】2016年7月20日
(62)【分割の表示】特願2013-535107(P2013-535107)の分割
【原出願日】2011年10月21日
(31)【優先権主張番号】61/455,528
(32)【優先日】2010年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/455,532
(32)【優先日】2010年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/455,531
(32)【優先日】2010年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/462,890
(32)【優先日】2011年2月9日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】513102305
【氏名又は名称】ポップ テスト エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】アルトシュル ランディス リサ
(72)【発明者】
【氏名】ラプキン ミーロン
(72)【発明者】
【氏名】オブライアン レベッカ
【テーマコード(参考)】
2G045
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CB07
2G045DA01
2G045DA31
2G045DA33
2G045DA69
2G045DA74
2G045HA09
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA12
4B029GB09
4B063QA01
4B063QQ03
4B063QQ22
4B063QQ30
4B063QR02
4B063QR10
4B063QS02
4B063QS36
4B063QX01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルを判定するために体液の非侵襲的解析を行なうための装置、およびその装置を製作する方法を提供する。
【解決手段】装置は、体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルの可視指標を提供するために特定の成分への暴露に呼応して色を変化することができる指標調合物を含む。装置は、保持基質内に高空隙容積を規定する空隙を有する材料の保持基質を提供する。クロマゲン含有の保持部材を生成するために保持基質に対してクロマゲン調合物を加える。その後、選択された試薬は、クロマゲン含有の保持部材に対して加えられ、試薬は、特性の成分に特有の調合物を有する。その後、選択された試薬は、クロマゲン調合物と組み合わされ、それによって保持基質上に後から配置された体液の試料を受け入れるために保持基質の所定の位置に指標調合物を規定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルを判定するために前記体液の非侵襲的解析を行なうための装置を製作する方法であって、前記装置は、前記体液によって保持される前記特定の成分の存在およびレベルの可視指標を提供するために前記特定の成分への暴露に呼応して色を変化することができる指標調合物を含み、前記方法は、
保持基質内に高空隙容積を規定する空隙を有する材料の前記保持基質を提供するステップと、
クロマゲン含有の保持部材を生成するために前記保持基質に対してクロマゲン調合物を加えるステップと、
次に、選択された試薬を前記保持基質に対して加えられた前記クロマゲン調合物と組み合わせるために特定の成分に特有の調合物を有する前記選択された試薬を前記クロマゲン含有の保持部材に対して加え、それによって前記保持基質上に後から配置された前記体液の試料を受け入れるために前記保持基質内の所定の位置に前記指標調合物を規定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記選択された試薬を次に加える前に前記クロマゲン含有の保持部材を保存するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保持基質の材料は、不織布の材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の約10〜12パーセントの範囲内である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記保持基質の材料は、不織布の合成高分子材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記合成高分子材料は、ポリエステルである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の約8〜12パーセントの範囲内である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記保持基質の材料は、ガラス繊維を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の約8〜12パーセントの範囲内である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記クロマゲン調合物は、同じままであるのに対して、成分に特有の調合物を有する前記選択された試薬は、複数の異なる特定の成分のうちのいずれか1つのレベルに対して反応する調合物を有する試薬から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記異なる特定の成分は、グルコース、コレステロール、エタノール、尿酸、およびガラクトースである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記クロマゲン調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5MのMBTHおよび0.05〜0.5MのDMABから実質的に構成される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記特定の成分はグルコースであり、前記成分に特有の調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5MのHEPESの存在下のほぼ等量のほぼ200U/mgの活性を有する酵素グルコースオキシダーゼおよびほぼ200U/mgの活性を有するペルオキシダーゼと、それぞれ約0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤とから実質的に構成される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特定の成分は、コレステロールであり、前記特定の成分に特有の調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5MのHEPESの存在下のほぼ180U/mgの活性を有する選択された量の酵素コレステロールエステラーゼ、ほぼ200U/mgの活性を有する同じ選択された量のペルオキシダーゼ、およびほぼ47U/mgの活性を有する前記選択された量の2倍のコレステロールオキシダーゼと、それぞれ約0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤とから実質的に構成される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記特定の成分は、エタノールであり、前記特定の成分に特有の調合物は、選択されたほぼ等量の約1%〜20%のPVP K30と、約0.5%〜5.0%のエトキシ化界面活性剤およびpH8.5の約0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、ほぼ400U/mlの活性を有する前記選択された量の2分の1のアルコールオキシダーゼと、ほぼ200U/mgの活性を有する前記選択された量の4分の1のペルオキシダーゼとから実質的に構成される請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記特定の成分は、尿酸であり、前記特定の成分に特有の調合物は、pH6.4の0.05〜0.5Mのリン酸緩衝生理食塩水中の、ほぼ10部のウリカーゼと、ほぼ15部のアスコルビン酸オキシダーゼと、ほぼ200U/mgの活性を有するほぼ6部のペルオキシダーゼとから実質的に構成される請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記特定の成分は、ガラクトースであり、前記特定の成分に特有の調合物は、約25部の10%のポリビニルアルコールおよび4200ユニットのガラクトースオキシダーゼ中のpH7.0の約5部の約0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、ほぼ200U/mgの活性を有する約5部のペルオキシダーゼと、約5部のエタノールとから実質的に構成される請求項12に記載の方法。
【請求項18】
体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルを判定するために前記体液の非侵襲的解析を行なうための装置であって、前記装置は、前記体液によって保持される前記特定の成分の存在およびレベルの可視指標を提供するために前記特定の成分への暴露に呼応して色を変化することができる指標調合物を含み、前記装置は、
保持基質内に高空隙容積を規定する空隙を有する材料の前記保持基質と、
前記保持基質によって保持される指標調合物であって、クロマゲン調合物と、複数の異なる特定の成分のうちのいずれか1つのレベルに対して反応する調合物から選択された成分に特有の調合物とから実質的に構成される前記指標調合物と
を備える装置。
【請求項19】
前記異なる特定の成分は、グルコース、コレステロール、エタノール、尿酸、およびガラクトースである請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記クロマゲン調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5MのMBTHおよび0.05〜0.5MのDMABから実質的に構成される請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記特定の成分は、グルコースであり、前記成分に特有の調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5MのHEPESの存在下のほぼ等量のほぼ200U/mgの活性を有する酵素グルコースオキシダーゼおよびほぼ200U/mgの活性を有するペルオキシダーゼと、それぞれ約0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤とから実質的に構成される請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記特定の成分は、コレステロールであり、前記特定の成分に特有の調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5MのHEPESの存在下のほぼ180U/mgの活性を有する選択された量の酵素コレステロールエステラーゼ、ほぼ200U/mgの活性を有する同じ選択された量のペルオキシダーゼ、およびほぼ47U/mgの活性を有する前記選択された量の2倍のコレステロールオキシダーゼと、それぞれ約0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤とから実質的に構成される請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記特定の成分は、エタノールであり、前記特定の成分に特有の調合物は、選択されたほぼ等量の約1%〜20%のPVP K30と、約0.5%〜5.0%のエトキシ化界面活性剤およびpH8.5の約0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、ほぼ400U/mlの活性を有する前記選択された量の2分の1のアルコールオキシダーゼと、ほぼ200U/mgの活性を有する前記選択された量の4分の1のペルオキシダーゼとから実質的に構成される請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記特定の成分は、尿酸であり、前記特定の成分に特有の調合物は、pH6.4の0.05〜0.5Mのリン酸緩衝生理食塩水中のほぼ10部のウリカーゼと、ほぼ15部のアスコルビン酸オキシダーゼと、ほぼ6部のペルオキシダーゼとから実質的に構成される請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記特定の成分は、ガラクトースであり、前記特定の成分に特有の調合物は、ほぼ25部の10%のポリビニルアルコールおよび4200ユニットのガラクトースオキシダーゼ中の、pH7.0のほぼ5部の約0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、ほぼ200U/mgの活性を有するほぼ5部のペルオキシダーゼと、ほぼ5部のエタノールとから実質的に構成される請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記保持基質の材料は、不織布の材料を含む請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の約8〜12パーセントの範囲内である請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記保持基質の材料は、不織布の合成高分子材料を含む請求項18に記載の装置。
【請求項29】
前記合成高分子材料は、ポリエステルである請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の約8〜12パーセントの範囲内である請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記保持基質の材料は、ガラス繊維を含む請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の約8〜12パーセントの範囲内である請求項31に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年10月23日に出願された米国仮特許出願第61/455,528号、2010年10月23日に出願された米国仮特許出願第61/455,531号、2010年10月23日に出願された米国仮特許出願第61/455,532号、および2011年2月9日に出願された米国仮特許出願第61/462,890号の利益を主張し、その全体の開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、ヒトおよび動物から試料採取された体液内の特定の成分のレベルを検出、検査、および監視することを可能にするような装置に用いられる試薬のための装置および調合物に関し、より具体的には、このような装置の構造および製造に関する。
【背景技術】
【0003】
2件の先行する特許文献1および特許文献2に、唾液の非侵襲性の解析を行なうための方法および装置が開示されており、それらの特許の実体は、参照によって本明細書に援用される。本発明は、ユーザが、体液内の特定の成分の存在およびレベルを示す色変化を提供する装置を利用して、唾液または別の口腔液、血清または血漿などの体液を使用することを可能にする調合物および装置を提供する。さらに、本発明は、容易性および経済性を高めながら、複数の特定の成分のいずれか1つの存在およびレベルを検出、検査、または監視するための広範な使用に使用可能にするこのような装置を可能にする構造および製造の方法を提供する。そのため、本発明は、いくつかの目的および有利性を達成するが、それらのうちのいくつかは、以下のように概説される。体液内の複数の特定の成分のうちの選択されたいずれか1つの存在およびレベルを検出、検査、および監視するために広範に使用するための簡易化された構造の装置を提供する。体液内の特定の成分の存在およびレベルを判定するための迅速且つ容易な非侵襲的手法における非常に高速な応答を可能にする。体液内の特定の成分の存在を検出、検査、および監視することができる装置の経済的な製造および頒布を提供する。体液内の特定の成分の存在およびレベルを判定するために色変化の簡易化された視覚的読み取りを使用可能にする。体液内の選択された特定の成分の存在を検出、検査、または監視する際に簡易的に使用するための経済的且つ信頼できる装置を提供する。健康管理における高い目標に到達し維持する際に高い経済性および利便性を享受することができる多くのユーザの利益のための広範な使用を促進する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,824,344号
【特許文献2】米国特許第7,993,283号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的および有利性は、本発明によって達成される。本発明は、体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルを判定する体液の非侵襲的解析を行なうための装置を作成する方法として簡潔に記述されてもよい。本装置は、体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルの可視指標を提供するために特定の成分への暴露に呼応して色を変更することができる指標調合物を含む。本方法は、保持基質内に高空隙容積を規定する空隙を有する材料の保持基質を提供するステップと、クロマゲン(chromagen)含有の保持部材を生成するために保持基質に対してクロマゲン調合物を加えるステップと、次に、選択された試薬を保持基質に対して加えられたクロマゲン調合物と組み合わせるために特定の成分に特有の調合物を有する選択された試薬をクロマゲン含有の保持部材に対して加え、それによって保持基質上に後から配置された体液の試料を受け入れるための保持基質の所定の位置に指標調合物を規定するステップとを含む。
【0006】
さらに、本発明は、体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルを判定するために体液の非侵襲的解析を行なうための装置を提供する。本装置は、体液によって保持される特定の成分の存在およびレベルの可視指標を提供するために特定の成分への暴露に呼応して色を変更することができる指標調合物を含む。本装置は、保持基質内に高空隙容積を規定する空隙を有する材料の保持基質と、保持基質によって保持される指標調合物とを備える。指標調合物は、クロマゲン調合物と、複数の異なる特定の成分のいずれか1つのレベルに対して反応する調合物から選択された成分に特有の調合物とから実質的に構成される。
【0007】
添付の図面に図示された本発明の好適な実施形態の以下の詳細な説明において、なおさらなる目的および有利性が明らかになる一方で、本発明は、さらに十分に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に従って構成された装置の絵画図である。
図2図1の線2−2に沿った、拡大されたやや図解的な断面図である。
図3】本発明の方法を図示するフローチャートである。
図4】本発明に従って構成された別の装置の平面図である。
図5図4の装置の使用法を示す絵画図である。
図6】本発明に従って構成された、さらに別の装置の使用法を示す絵画図である。
図7】本発明に従って構成された、さらに別の装置の使用法を示す絵画図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面、特にその図1および図2を参照すると、本発明に従って構成された装置は、20で示され、パッド22内に高空隙容積を規定する空隙24を有する材料のパッド22状の保持基質を含むように見てとれる。指標調合物は、パッド22によって保持され、パッド22内に空隙24とともに並んで、材料の繊維34によって保持されるレイヤ32の形状で、30で図示される。指標調合物30は、以下でさらに詳細に説明するように、クロマゲン調合物、および複数の成分のうちの1つに対して反応する調合物から選択された成分に特有の調合物を有する試薬から実質的に構成される。パッド22に対して加えられた体液の試料によって保持される特定の成分の存在およびレベルのパッド22上の可視指標を提供する特定の成分への暴露に呼応して指標調合物30が色を変化することができるように、成分に特有の調合物を有する試薬およびクロマゲン調合物がパッド22内で組み合わせられると現段階では言うにとどめておく。
【0010】
したがって、装置20の対象エリア36に配置された、唾液試料などの体液の試料をパッド22に加えることに際して、可視の色変化の出現は、成分に特有の調合物が反応する特定の特有の成分の存在の定質的指標を少なくとも提供するだろう。いかなる可視の色変化の欠如も、唾液試料内に特定の成分がもはや有効な量で存在しないことを示すだろう。
【0011】
パッド22のための好適な材料は、必要とされる高空隙容積を提供する不織布の繊維性材料である。高空隙容積は、対象エリア36に対して加えられた体液の試料を迅速に吸収し、指標調合物30と試料との迅速な相互作用を可能にし、且つ試料によって保持される特定の成分と指標調合物との間の反応の促進により迅速な反応を促進するための周囲空気に対して相互に作用する試料および指標調合物の暴露を最大限にするための能力をもつパッド22を提供する。不織布の合成高分子材料は、市販されており、このような材料の1つは、不織布のポリエステル繊維性材料である。適当なガラス繊維不織布の繊維性材料およびセルロース不織布の繊維性材料も、また、パッド22の構造内での使用に適した形状で市販されている。好適な材料は、その材料の全容積の約8〜12パーセント範囲内の空隙容積をもつパッド22を提供するために選択される。
【0012】
装置20は、パッド22の対象エリア36に対して加えられた体液の試料において、少なくともいくつかの特定の成分(すなわち、グルコース、コレステロール、エタノール、尿酸、およびガラクトース)のうちの対応する1つの存在、および好ましくは特定の成分のレベルの指標として、1つのバリエーションが可視の色変化を提供することが可能なように、いくつかの異なるバリエーションにおいて構成される。各バリエーションは、指標調合物30の成分として、検出される成分に特有の調合物をパッド22が保持することを必要とする。しかしながら、同じクロマゲン調合物がパッド22のすべてのバリエーションにおいて機能することができるように、クロマゲン調合物は、パッド22の異なるバリエーションの中で変化しないままである。したがって、以下に記述されるように、装置20の製造および頒布は、簡易化され、且つより経済的になる。
【0013】
図1および図2と同様に、ここで図3に転じると、ステップ40において見てとれるように、装置20のパッド22は、パッド22の空隙24とともに並んで配置されたクロマゲン調合物を有するパッド22の形態のクロマゲン含有の保持部材を生成するために、パッド22の材料に対して、まずクロマゲン調合物を加えることによって製造される。次に、特定の成分に特有の調合物を有する選択された試薬は、パッド22の材料に対して以前に加えられたクロマゲン調合物に選択された試薬を組み合わせるために、ステップ42に示すように、クロマゲン含有の保持部材に対して加えられ、それによって、完成するパッド22内に指標調合物30を規定する。パッド22は、パッド22上の体液の試料を受け入れるために装置20の対象エリア36に配置される。クロマゲン調合物は、装置20のすべてのバリエーションにとって同じままであるので、すべてのバリエーションに共通の1つの成分のみ、およびその共通成分の用途のための1つのステーションのみを必要とする製造工程で、経済性を実現する。しかしながら、ステップ44において見てとれるように、中間生成物を保存するための能力によって(すなわち、パッド22の材料は、加えられるクロマゲン調合物とともに保存される)、さらなる経済性および利便性を達成する。次に加える成分に特有の調合物の選択されたいずれか1つは、いくつもの特別の装置または特別の装置の要件に従って、後になって加えられ、指標調合物を有する完成した保持部材は、ステップ46において利用可能である。選択された成分に特有の調合物と次に組み合わせるための基本的なクロマゲン含有の保持部材の供給を手元に有する能力は、完成した保持部材の在庫を直ちに生み出すこととは対照的に、異なる種類のいずれか1つにおいて、いくつもの装置20のための需要を満たす適応性およびターンアラウンドタイムを高めながら、手順48によって示すように、すべての様々な完成した装置20の多量の在庫を手元で維持する必要を低減する。
【0014】
以上で確認された種類に関して、共通のクロマゲン調合物は、以下のように調製された例において、以下の成分から実質的に構成される。すなわち、蒸留水中のほぼ等容積の約0.05〜0.5MのMBTHを、エタノール中の約0.05〜0.5MのDMABと混合させる。その混合物を、保持部材の材料内にしみ込ませ、しみ込ませた材料は、次に、材料の繊維上のコーティングされたクロマゲン調合物を有する材料を残して乾燥させる。
【0015】
以上で確認された種類の各々に関して、以下の成分に特有の調合物は効果的であり、各々の調製の一例を以下で説明する。
【0016】
体液内の特定の成分としてグルコースの存在およびレベルの判定のために、成分に特有の調合物は、以下のように調製された例において、以下の成分から実質的に構成される。すなわち、ほぼ等量の0.05〜0.5MのHEPESの存在下の蒸留水中のほぼ等量のほぼ200U/mgの活性を有する酵素グルコースオキシダーゼおよびほぼ200U/mgの活性を有するペルオキシダーゼと、それぞれ約0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤(好適な安定剤はPVP/共重合体複合体であり、その共重合体はGANTREZ(登録商標)で市販されているメチルビニルエーテル/無水マレイン酸であり、その複合体は、約7.5のpHで蒸留水中の5%のPVP K30および5%のGANTREZ(登録商標)AN 139から調製される)とを溶解する。その後、加えられた体液の試料内のグルコースの存在およびレベルに対して反応する指標調合物30を有するパッド22を完成するために、先にクロマゲン調合物をしみ込ませた材料内に、調製された成分に特有の調合物をしみ込ませる。
【0017】
体液内の特定の成分としてコレステロールの存在およびレベルの判定のために、成分に特有の調合物は、以下のように調製された例において、以下の成分から実質的に構成される。すなわち、ほぼ等量の0.05〜0.5MのHEPESの存在下の蒸留水中のほぼ等量のほぼ180U/mgの活性を有する酵素コレステロールエステラーゼおよびほぼ200U/mgの活性を有するペルオキシダーゼ、およびほぼ47U/mgの活性を有する2倍量のコレステロールオキシダーゼと、それぞれ約0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤(好適な安定剤はPVP/共重合体複合体であり、その共重合体はGANTREZ(登録商標)で市販されているメチルビニルエーテル/無水マレイン酸であり、その複合体は、約7.5のpHで蒸留水中の5%のPVP K30および5%のGANTREZ(登録商標)AN 139から調製される)とを溶解する。その後、加えられた体液の試料内のコレステロールの存在およびレベルに対して反応する指標調合物30を有するパッド22を完成するために、先にクロマゲン調合物をしみ込ませた材料内に、調製された成分に特有の調合物をしみ込ませる。
【0018】
体液内の特定の成分としてエタノールの存在およびレベルの判定のために、成分に特有の調合物は、以下のように調製された例において、以下の成分から実質的に構成される。すなわち、ほぼ等量の蒸留水中の約1%〜20%のPVP K30と、蒸留水中の約0.5%〜5%のエトキシ化界面活性剤と、pH8.5の約0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液とを一緒に、ほぼ400U/mlの活性を有する同量の2分の1のアルコールオキシダーゼと、ほぼ200U/mgの活性を有する同量の4分の1のペルオキシダーゼと一緒に混合する。その後、加えられた体液の試料内のエタノールの存在およびレベルに対して反応する指標調合物30を有するパッド22を完成するために、先にクロマゲン調合物をしみ込ませた材料内に、調製された成分に特有の調合物をしみ込ませる。
【0019】
体液内の特定の成分として尿酸の存在およびレベルの判定のために、成分に特有の調合物は、以下のように調製された例において、以下の成分から実質的に構成される。すなわち、ほぼ100mlのpH6.4の0.05〜0.5Mのリン酸緩衝生理食塩水中で、ほぼ10mgのウリカーゼと、15mgのアスコルビン酸オキシダーゼと、ほぼ200U/mgの活性を有するほぼ6mgのペルオキシダーゼとを一緒に混合する。その後、加えられた体液の試料内の尿酸の存在およびレベルに対して反応する指標調合物30を有するパッド22を完成するために、先にクロマゲン調合物をしみ込ませた材料内に、調製された成分に特有の調合物をしみ込ませる。
【0020】
体液内の特定の成分としてガラクトースの存在およびレベルの判定のために、成分に特有の調合物は、以下のように調製された例において、以下の成分から実質的に構成される。すなわち、各々がほぼ5mlのpH7.0の約0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、約200U/mgの活性を有するペルオキシダーゼと、エタノール(95%)とを一緒に、蒸留水中の約25mlの10%のポリビニルアルコールおよび4200ユニットのガラクトースオキシダーゼと一緒に混合する。その後、加えられた体液の試料内のガラクトースの存在およびレベルに対して反応する指標調合物30を有するパッド22を完成するために、先にクロマゲン調合物をしみ込ませた材料内に、調製された成分に特有の調合物をしみ込ませる。
【0021】
図4において示された本発明の実施形態において、円盤状の装置100は、先に装置20のパッド22に関連して記述された材料から構成されたパッド110を含む。パッド110は、対象エリア112における色変化と視覚的に一致し得る異なる色のパッチ116有する一体化された色ゲージ114により装置110内に実質的に囲まれた対象エリア112を提供する。前述の特許文献1および特許文献2に開示された装置のように、検出したレベルを直読するために、英数字の文字をパッチ116と並んで表示してもよい。このように、装置100は、対象エリア112に対して加えられた体液の試料によって保持される特別の特定の成分の存在およびレベルの簡易な準定性的/準定量的測定を提供する。以下に説明するように、装置100がユーザの手のひら118内に容易に配置される図5内に示されるように、準定性的/準定量的指標は、以上に記述された装置20によって提供された概して定質的の指標よりも包括的である一方で、便利であるが、本発明の他の実施形態によって提供された指標ほど包括的でない。
【0022】
図6に示す実施形態において、装置120は、前述の特許文献1および特許文献2に詳細に記述されるように構成され、体液試料によって保持される特別の特定の成分の存在およびレベルのさらに正確な定量的評価のために、感知された色変化をディスプレイ124での正確な数値表示に変換するアルゴリズムを使用する読み取り器122内に挿入される。
【0023】
図7において示された実施形態において、装置130は、以上に記述されたパッド22に構造において類似し、且つ装置130内で保持されたコイル134内に整列された、試験片132を保持する。体液の試料は、試料が試験片132に向けて通過するアクセスドア140に登録された対象エリアにて、試験片132に加えられる。色変化が感知され、アルゴリズムは、ディスプレイ142で感知された色変化を正確な数値表示に変換する。試験片132の使用された部分144は、スロット146を通じて前進され、引きはがされ、そして廃棄される。
【0024】
図6および図7に図示した実施形態は、重みレベルを制御し維持することを望むユーザにとって便利に利用可能である。したがって、例えば、唾液などの、体液内のグルコースのレベルの監視に関して装置120または130の使用に際して、これらの実施形態によって提供されたアルゴリズムは、検出された血糖値を、ウェイト制御療法に関連してユーザによって理解され使用される血糖コントロールに容易に変換することができる。このように、ユーザには、血糖コントロールおよびウェイト制御の目的のために、ユーザが食事を調整し、摂取を補い、運動することを可能する、血糖コントロールを改善するための情報が提供される。
【0025】
以上に概説したすべての目的および有利性を本発明が達成することを理解されるであろう。すなわち、体液内の複数の特定の成分のうちの選択されたいずれか1つの存在およびレベルを検出、検査、および監視するのに広範に使用するための簡易化された構造の装置を提供する。体液内の特定の成分の存在およびレベルを判定するための迅速且つ容易な非侵襲的手法における非常に高速な応答を可能にする。体液内の特定の成分の存在を検出、検査、および監視することができる装置の経済的な製造および頒布を提供する。体液内の特定の成分の存在およびレベルを判定するために色変化の簡易化された視覚的読み取りを使用可能にする。体液内の選択された特定の成分の存在を検出、検査、または監視する際に簡易的に使用するための経済的且つ信頼できる装置を提供する。健康管理における高い目標に到達し維持する際に高い経済性および利便性を享受することができる多くのユーザの利益のための広範な使用を促進する。
【0026】
本発明の好適な実施形態の上記の詳細な説明を、単なる例として提供することを理解すべきである。添付された特許請求の範囲において示すように、本発明の精神および趣旨から逸脱せずに、設計、構造および手順の様々な細目が改良されてもよい。
【0027】
独占的な権利または特権が請求される本発明の実施形態は、以下のように規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2016年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液の非侵襲的解析を行なうための装置を製作する方法であって、
前記方法は、
繊維と空隙とを有する繊維性材料を含み、前記空隙の容積が全容積の8%以上12%以下である保持基質に、前記非侵襲的解析の対象である体液成分を含有する体液試料を受け入れる対象エリアを提供するステップと、
前記保持基質に対してクロマゲン調合物を加えるステップと、
前記体液成分の分解酵素を含有する試薬を、前記保持部材の繊維にしみ込まれた前記クロマゲン調合物に対して加え、前記保持基質内であり、前記対象エリアとともにある空隙に並置される前記保持部材の繊維に前記試薬をしみ込ませるステップと、
を含み、
前記体液成分の分解酵素は、グルコース分解酵素、コレステロール分解酵素、エタノール分解酵素、尿酸分解酵素、ガラクトース分解酵素のいずれかである、方法。
【請求項2】
前記選択された試薬を次に加える前に前記クロマゲン含有の保持部材を保存するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保持基質の材料は、不織布の材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記保持基質が全容積を有し、前記高空隙容積は、前記全容積の10〜12パーセントの範囲内である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記クロマゲン調合物は、同じままであるのに対して、前記試薬は、前記グルコース分解酵素を含有する試薬、前記コレステロール分解酵素を含有する試薬、前記エタノール分解酵素を含有する試薬、前記尿酸分解酵素を含有する試薬、及び前記ガラクトース分解酵素を含有する試薬から選択される少なくとも2種以上の試薬から、前記非侵襲的解析の対象である体液成分の種類に応じて選択される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】

体液の非侵襲的解析を行なうための装置であって、
前記装置は、
繊維と空隙とを有する繊維性材料を含み、前記空隙の容積が全容積の8%以上12%以下であり、前記非侵襲的解析の対象であり、グルコース、コレステロール、エタノール、尿酸、およびガラクトースから選択される体液成分を含有する体液試料を受け入れる対象エリアを有する保持基質と、
前記対象エリアとともにある空隙に並置される前記保持基質の繊維にしみ込まれている指標調合物であって、クロマゲン調合物と、前記体液成分の分解酵素を含有する試薬とを含有する前記指標調合物とを備え、
前記体液成分の分解酵素は、グルコース分解酵素、コレステロール分解酵素、エタノール分解酵素、尿酸分解酵素、ガラクトース分解酵素のいずれかである、装置。
【請求項7】
前記異なる体液成分は、グルコース、コレステロール、エタノール、尿酸、およびガラクトースであり、
前記非侵襲的解析の対象である体液成分がグルコースである場合、選択される前記試薬は、前記グルコース分解酵素を含有する試薬であり、
前記非侵襲的解析の対象である体液成分がコレステロールである場合、選択される前記試薬は、前記コレステロール分解酵素を含有する試薬であり、
前記非侵襲的解析の対象である体液成分がエタノールである場合、選択される前記試薬は、前記エタノール分解酵素を含有する試薬であり、
前記非侵襲的解析の対象である体液成分が尿酸である場合、選択される前記試薬は、前記尿酸分解酵素を含有する試薬であり、
前記非侵襲的解析の対象である体液成分がガラクトースである場合、選択される前記試薬は、前記ガラクトース分解酵素を含有する試薬である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記クロマゲン調合物は、ほぼ等量の0.05〜0.5Mの3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン(MBTH)および0.05〜0.5Mの3−(ジメチルアミノ)安息香酸(DMAB)から構成される請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記体液成分は、グルコースであり、前記試薬は、0.05〜0.5Mの2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)の存在下の200U/mgの活性を有する酵素グルコースオキシダーゼおよび200U/mgの活性を有するペルオキシダーゼと、それぞれ0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤とから構成される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記体液成分は、コレステロールであり、前記試薬は、0.05〜0.5Mの2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)の存在下の180U/mgの活性を有する選択された量の酵素コレステロールエステラーゼ、200U/mgの活性を有する同じ選択された量のペルオキシダーゼ、および47U/mgの活性を有する前記選択された量の2倍のコレステロールオキシダーゼと、それぞれ0.1%〜10%の範囲内の界面活性剤の混合物と、安定剤とから構成される請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記体液成分は、エタノールであり、前記試薬は、選択された量の1%〜20%のPVP K30と、0.5%〜5.0%のエトキシ化界面活性剤およびpH8.5の0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、400U/mlの活性を有する前記選択された量の2分の1のアルコールオキシダーゼと、200U/mgの活性を有する前記選択された量の4分の1のペルオキシダーゼとから構成される請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記体液成分は、尿酸であり、前記試薬は、pH6.4の0.05〜0.5Mのリン酸緩衝生理食塩水中の10部のウリカーゼと、15部のアスコルビン酸オキシダーゼと、200U/mgの活性を有する6部のペルオキシダーゼとから構成される請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記体液成分は、ガラクトースであり、前記試薬は、25部の10%のポリビニルアルコールおよび4200ユニットのガラクトースオキシダーゼ中の、pH7.0の5部の0.05〜0.5Mのリン酸緩衝液と、200U/mgの活性を有する5部のペルオキシダーゼと、5部のエタノールとから構成される請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記保持基質の材料は、不織布の材料、好ましくは不織布の合成高分子材料、より好ましくはポリエステルを含む請求項1から5又は7から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記保持基質の材料は、ガラス繊維を含む請求項1から5又は7から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
体液の非侵襲的解析を行なう装置を製作する方法であって、
前記方法は、
繊維と空隙とを有する繊維性材料を含む保持基質に、前記非侵襲的解析の対象である体液成分を含有する体液試料を受け入れる対象エリアを提供するステップと、
クロマゲン含有の保持部材を生成するために前記保持基質に対してクロマゲン調合物を加えるステップと、
前記体液成分の分解酵素を含有する試薬を、前記保持部材の繊維にしみ込まれた前記クロマゲン調合物に対して加え、前記保持基質内であり、前記対象エリアとともにある空隙に並置される前記保持部材の繊維に前記試薬をしみ込ませるステップと、
を含み、
前記体液成分の分解酵素は、グルコース分解酵素、コレステロール分解酵素、エタノール分解酵素、尿酸分解酵素、ガラクトース分解酵素のいずれかであり、
前記クロマゲン調合物は、同じままであるのに対して、前記試薬は、前記グルコース分解酵素を含有する試薬、前記コレステロール分解酵素を含有する試薬、前記エタノール分解酵素を含有する試薬、前記尿酸分解酵素を含有する試薬、及び前記ガラクトース分解酵素を含有する試薬から選択される少なくとも2種以上の試薬から、前記非侵襲的解析の対象である体液成分の種類に応じて選択される、方法。
【請求項17】
体液の非侵襲的解析を行うキットであって、
空隙を有し、クロマゲン調合物が浸された材料で構成される保持基質と、
前記保持基質とは別に設けられ、グルコース分解酵素を含有する試薬、コレステロール分解酵素を含有する試薬、エタノール分解酵素を含有する試薬、尿酸分解酵素を含有する試薬、及びガラクトース分解酵素を含有する試薬から選択される少なくとも2種以上の試薬とを備える、キット。
【外国語明細書】
2016197119000001.pdf