特開2016-197638(P2016-197638A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-197638(P2016-197638A)
(43)【公開日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】プリント配線板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20161028BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20161028BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20161028BHJP
【FI】
   H05K1/02 A
   H05K3/46 B
   H05K3/46 Q
   H01L23/12 F
   H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-76239(P2015-76239)
(22)【出願日】2015年4月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 浩二
(72)【発明者】
【氏名】足立 武馬
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA43
5E316BB16
5E316CC04
5E316CC09
5E316DD02
5E316DD16
5E316DD17
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD47
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF14
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG23
5E316GG26
5E316GG28
5E316HH33
5E316JJ02
5E316JJ03
5E338AA03
5E338AA05
5E338AA16
5E338BB61
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】プリント配線板に搭載される電子部品の搭載の容易化および搭載位置精度の向上、ならびに、プリント配線板の小型化。
【解決手段】実施形態のプリント配線板は、ビルドアップ配線構造20の平面形状での中央部に、電子部品接続用のパッドに接続される電極26と電極26の周囲を被覆する絶縁層27からなり、積層方向の高さの高い高層領域Hが形成されている。そして、高層領域Hの周囲の少なくとも一部に高層領域Hの高さより低い低層領域Lが形成され、電極26はビルドアップ配線層25を構成する樹脂絶縁層21とは異なる材料からなる絶縁層27により被覆されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア絶縁層を内部に含み、第1面と該第1面の反対面である第2面を有するコア基板と、
前記コア基板の少なくとも第1面上に積層され、樹脂絶縁層と導体層とを有する少なくとも1層のビルドアップ配線層を含むビルドアップ配線構造と、
を有するプリント配線板であって、
前記ビルドアップ配線構造の平面形状での中央部に、電子部品接続用のパッドに接続して形成される電極と該電極の周囲を被覆する絶縁層とからなり、積層方向の高さの高い高層領域が形成され、
該高層領域の周囲の少なくとも一部に前記高層領域の前記絶縁層のトップ面よりも低い位置に露出面を有する低層領域が形成され、
前記絶縁層は前記ビルドアップ配線層を構成する樹脂絶縁層または前記コア基板を構成するコア絶縁層とは異なる材料で形成されている。
【請求項2】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記低層領域に露出する前記ビルドアップ配線構造の一部が除去されることにより、前記低層領域がさらに低くされている。
【請求項3】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記電極が柱状の導体ポストからなり、該導体ポストの高さが50μm以上である。
【請求項4】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記低層領域が凹部状に分離して2つ以上に形成されている。
【請求項5】
請求項4記載のプリント配線板であって、前記低層領域が前記高層領域を挟んで対向する位置に一対で形成されている。
【請求項6】
請求項5記載のプリント配線板であって、前記一対の低層領域と90度離れてさらに別の一対の低層領域が前記高層領域を挟んで形成されている。
【請求項7】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記低層領域が前記高層領域の少なくとも一辺から外周側の全体に形成されている。
【請求項8】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記低層領域の露出面には電子部品または他の配線板との接続用パッドが形成されてされずに、該低層領域の前記ビルドアップ配線構造の内層には、電子部品接続用の電極に接続される配線層が形成されている。
【請求項9】
請求項3記載のプリント配線板であって、前記導体ポストが電解めっき膜により形成されている。
【請求項10】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記電極の周囲を被覆する絶縁層がモールド用の樹脂からなり、該モールド用の樹脂は、熱膨張率が6ppm/℃以上、25ppm/℃以下、かつ、弾性率が5GPa以上、30GPa以下の材料からなる。
【請求項11】
コア絶縁層を内部に含み、第1面と該第1面の反対面である第2面を有し、前記第1面および第2面にそれぞれ形成される第1導体層および第2導体層を有するコア基板を用意することと、
前記コア基板の少なくとも前記第1面に樹脂絶縁層を形成し、前記樹脂絶縁層に前記第1導体層と接続されるビア導体を形成すると共に、前記樹脂絶縁層の前記第1導体層と反対面である第3面に電子部品接続用のパッドを含む第3導体層を形成することによりビルドアップ配線層を形成することと、
を有するプリント配線板の製造方法であって、
前記パッドは前記樹脂絶縁層の前記第3面の中央部に形成され、
前記パッド上に電極を形成し、該電極の周囲を絶縁層で被覆することにより、前記電極および前記絶縁層からなる高層領域が形成され、
該高層領域の周囲の少なくとも一部の前記絶縁層が除去されることにより前記高層領域より積層方向の高さの低い低層領域が形成され、
前記絶縁層は前記ビルドアップ配線層を構成する樹脂絶縁層または前記コア基板を構成するコア絶縁層とは異なる材料で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルドアップ配線構造の中央部を、電子部品接続用の電極が形成された高層領域とし、その周囲に高層領域より低い低層領域を有するプリント配線板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、キャビティ回路パターンを含む内部回路層を備えるベース基板上に外部回路層が形成され、外部回路層の中心部を除去することで、キャビティを備える回路基板を開示している。このキャビティは、外部回路層を形成する前に、ベース基板上にレーザストッパ層を形成し、キャビティの周囲にレーザドリルにより切り込みを入れてその内側の絶縁層および金属層を除去することで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013−520007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の印刷回路基板では、内部回路層上に外部回路層が積層され、外部回路層にキャビティが形成される。特許文献1の印刷回路基板のように高層領域で囲まれた低層領域(キャビティ)が有ると、電極間ピッチの狭い部品等を高精度に配置しにくいことが考えられる。また、四方が高層領域により囲まれるキャビティを形成することは、作業工程を複雑にすると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、コア絶縁層を内部に含み、第1面と該第1面の反対面である第2面を有するコア基板と、前記コア基板の少なくとも第1面上に積層され、樹脂絶縁層と導体層とを有する少なくとも1層のビルドアップ配線層を含むビルドアップ配線構造と、を有する。そして、前記ビルドアップ配線構造の平面形状での中央部に、電子部品接続用のパッドに接続して形成される電極と該電極の周囲を被覆する絶縁層とからなり、積層方向の高さの高い高層領域が形成され、該高層領域の周囲の少なくとも一部に前記高層領域の前記絶縁層のトップ面よりも低い位置に露出面を有する低層領域が形成され、前記絶縁層は前記ビルドアップ配線層を構成する樹脂絶縁層または前記コア基板を構成するコア絶縁層とは異なる材料で形成されている。
【0006】
本発明のプリント配線板の製造方法は、コア絶縁層を内部に含み、第1面と該第1面の反対面である第2面を有し、前記第1面および第2面にそれぞれ形成される第1導体層および第2導体層を有するコア基板を用意することと、前記コア基板の少なくとも前記第1面に樹脂絶縁層を形成し、前記樹脂絶縁層に前記第1導体層と接続されるビア導体を形成すると共に、前記樹脂絶縁層の前記第1導体層と反対面である第3面に電子部品接続用のパッドを含む第3導体層を形成することによりビルドアップ配線層を形成することと、を有する。そして、前記パッドは前記樹脂絶縁層の前記第3面の中央部に形成され、前記パッド上に電極を形成し、該電極の周囲を絶縁層で被覆することにより、前記電極および前記絶縁層からなる高層領域が形成され、該高層領域の周囲の少なくとも一部の前記絶縁層が除去されることにより前記高層領域より積層方向の高さの低い低層領域が形成され、前記絶縁層は前記ビルドアップ配線層を構成する樹脂絶縁層または前記コア基板を構成するコア絶縁層とは異なる材料で形成されている。
【0007】
本発明の実施形態のプリント配線板によれば、電子部品搭載用の電極がビルドアップ配線構造の中央部に高層領域として形成される。この高層領域として突出した領域に電子部品を精度よく容易に搭載することができる。また、高層領域の周囲に形成される低層領域に他の電子部品を配置することができる。
【0008】
本発明の実施形態のプリント配線板の製造方法によれば、ビルドアップ配線層などが積層された後にその一部が除去されることにより凹状部が形成されるのと異なり、非常に製造工程が容易で、プリント配線板が安価に製造され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態のプリント配線板を説明するための断面図。
図2A図1の低層領域の形状例を示す図。
図2B図1の低層領域の形状例を示す図。
図2C図1の低層領域の形状例を示す図。
図2D図1の低層領域の形状例を示す図。
図2E図1の低層領域の形状例を示す図。
図2F図1の低層領域の形状例を示す図。
図2G図1の低層領域の形状例を示す図。
図2H図1の低層領域の形状例を示す図。
図2I図1の低層領域の形状例を示す図。
図3】本発明の他の実施形態のプリント配線板を説明するための断面図。
図4A図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4B図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4C図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4D図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4E図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4F図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4G図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4H図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4I図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4J図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図4K図1に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図5A図1に示されるプリント配線板の他の製造方を示す図。
図5B図1に示されるプリント配線板の他の製造方を示す図。
図5C図1に示されるプリント配線板の他の製造方を示す図。
図6A図3に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図6B図3に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図6C図3に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図6D図3に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図6E図3に示されるプリント配線板の製造方法を示す図。
図7図1の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のプリント配線板およびその製造方法の一実施形態が、図面を参照して説明される。図1は、第1の実施形態のプリント配線板1の断面を説明する図である。プリント配線板1は、コア絶縁層11を内部に有し、第1面F1とその第1面F1の反対面である第2面F2とを有するコア基板10と、そのコア基板10の少なくとも第1面F1上に積層され、樹脂絶縁層21と導体層23とを有する少なくとも1層のビルドアップ配線層25を含むビルドアップ配線構造20とを有する。そして、ビルドアップ配線構造20の平面形状での中央部に、電子部品接続用の電極26とその電極26の周囲を被覆する絶縁層27からなり、積層方向の高さの高い高層領域Hが形成されている。ここに「中央部」は、ビルドアップ配線構造20の平面形状での中心部を意味するものではなく、端部よりも中心側の領域であることを意味する。そして、高層領域Hの周囲の少なくとも一部に高層領域Hの絶縁層27のトップ面Tよりも低い位置に露出面を有する低層領域Lが形成され、絶縁層27はビルドアップ配線層25またはコア基板10を構成する第1樹脂絶縁層21、コア絶縁層11とは異なる材料で形成されている。
【0011】
高層領域Hとは、電極26と電極26の周囲を被覆する絶縁層27の領域(電極部28)を意味する。絶縁層27のトップ面(上面)Tよりも低い位置に露出面がある領域が低層領域Lである。従って、高層領域Hのトップ面Tと同じ高さのトップ面を有していても電極26の周囲でない絶縁層17の部分は、高層部27dとして区別されている。実施形態によれば、ハンダバンプなどにより接続される場合でも、非常に安定した接続が得られる。しかも、例えば中心部に、プリント配線板と接続される電極パッドを有するIC等の電子部品を搭載する場合に、電子部品の中心部とプリント配線板の中央部とが一致して、安定した半導体パッケージが得られる。また、IC等の電子部品が、プリント配線板と接続される電極パッドの周囲に、低層領域に実装される電子部品と接続される電極パッドを有する場合には、高層領域Hに実装されるIC等の電子部品と低層領域Lに実装される電子部品とを直接接続することも可能になると考えられる。その結果、複雑な半導体パッケージでも、非常にコンパクトに形成され得る。
【0012】
搭載される電子部品の例は、半導体素子、受動素子(キャパシタや抵抗器など)、配線層を有するインターポーザ、再配線層を有する半導体素子、WLP(Wafer Level Package)等である。
【0013】
図1に示される例では、コア絶縁層11が1枚の絶縁基板11で形成されている。しかし、金属板の両面に絶縁層が形成されたものでもよい。また、絶縁層と導体層が複数層積層されていてもよい。いずれかの絶縁層または絶縁基板がコア絶縁層11である。図1の例のコア基板10では、絶縁基板11の第1面F1に第1導体層13が形成されている。絶縁基板11の第2面F2には第2導体層14が形成されている。そして、第1導体層13と第2導体層14を接続するスルーホール導体12が絶縁基板11を貫通して形成されている。絶縁基板11は、例えばエポキシ樹脂等からなる樹脂組成物にシリカやアルミナの粉末等の無機材が混入され、さらにガラス繊維等の補強材が入れられた樹脂基板が用いられ得る。絶縁基板11の厚さは、80μm以上、150μm以下程度である。スルーホール導体12は、絶縁基板11の両面F1、F2側から形成される開口内に、例えば電解めっき等により導電体が埋め込まれることで形成されている。第1導体層13および第2導体層14は、例えばスルーホール導体12と同時に電解めっきにより所定のパターンで形成される。なお、絶縁基板11の内層に導体層が形成されていてもよく、スルーホール導体12に代えて、または、スルーホール導体12と共にビア導体が形成されていてもよい。その場合、ビア導体は、第1導体層13もしくは第2導体層14と内層の導体層とを接続していてよく、および/または、内層の導体層同士を接続していてもよい。
【0014】
ビルドアップ配線構造20は、図1に示される例では、コア基板10の第1面F1上に形成された第1樹脂絶縁層21、ビア導体22、およびパッド23dを含む第3導体層23により形成される第1ビルドアップ配線層25と、第1ビルドアップ配線層25上に形成される電極26および絶縁層27を含む電極部28とから形成されている。第1ビルドアップ配線層25は、図1に示される例では、1層の第1樹脂絶縁層21と1層の第3導体層23とで形成されているが、それぞれ2層以上で形成されていてもよい。その場合には、電極26に接続される配線層が、中央部の高層領域Hの外周の第1ビルドアップ配線層25に2層以上形成されている導体層のうちの下層側に形成されていてもよい。その場合でも、電極26に接続される配線は、中央部に集約される。
【0015】
第1ビルドアップ配線層25は、コア基板10上に積層された第1樹脂絶縁層21と、第1樹脂絶縁層21を貫通して第1導体層13と電気的に接続するように形成されたビア導体22と、ビア導体22と連続して第1樹脂絶縁層21のコア基板10と反対面である第3面F3上に形成されるパッド23dを含む第3導体層23とで形成されている。図示されていないが、ビア導体22と接続して配線もパッド23dと同層で形成され得る。このビア導体22およびパッド23dを含む第3導体層23は、例えば電解めっきにより形成される。第1樹脂絶縁層21にレーザにより開口が形成され、その開口内および第1樹脂絶縁層21の第3面F3の露出面に無電解めっきなどにより銅薄膜が形成される。その銅薄膜をシード層とする電解めっきにより、ビア導体22とパッド23dを含む第3導体層23が形成される。その後、シード層とした銅薄膜であって、第3導体層23と関係のない部分は除去される。
【0016】
電極部28は、パッド23d上に導体ポスト26aのような柱状導体部で形成された電極26が形成され、その周囲が絶縁層27で被覆されることにより形成される。導体ポスト26aは周囲にめっきレジスト膜を形成して電解めっきをすることにより形成される。従って、外形は円形でも角形でも自由に形成することができる。例えば円形の場合、その太さは、15μm以上であって、75μm以下である。この絶縁層27としては、例えばモールド用の樹脂(熱硬化性樹脂)27aや後述されるソルダーレジスト(感光性樹脂)27b等が用いられる。導体ポスト26aの高さが高い場合は、モールド用の樹脂27aが用いられ、高さが比較的低い導体ポスト26bの場合はソルダーレジスト27bが好ましい。このモールド用の樹脂27aは、例えばモールド成形時に用いられるような樹脂と同様の組成を有している。すなわち、熱膨張率が6ppm/℃以上、25ppm/℃以下、かつ、弾性率が5GPa以上、30GPa以下のエポキシ系の樹脂が用いられる。この樹脂と同じ組成でフィルム状に形成されたものもあり、それを用いることができる。温度を上昇させることにより、流動性が高くなり、導体ポスト26aの周囲が被覆される。このモールド用の樹脂27aで埋め込む場合には、50μm程以上、120μm以下程度の厚さが均一に埋め込むのに適しているので、導体ポスト26aもこの程度の高さに形成され得る。すなわち、高い電極部28(高層領域H)が形成される。この場合の低層領域Lの底面と高層領域Hの上面との距離(段差の高さ)h1は、50〜120μmである。
【0017】
絶縁層27は、このようなモールド用の樹脂(熱硬化性樹脂)27aでなくても、ソルダーレジスト(感光性樹脂)27bで形成されてもよい。図3を参照した第2の実施形態として後述されるが、このソルダーレジスト27bの場合も、液状のものを塗布してから硬化させることもできる。また、フィルム状のものを電極26の上に重ねて温度を上昇させることにより、隙間に流し込むことができる。このソルダーレジスト27bの場合には、露光・現像でパターニングされる関係上、あまり厚く形成することができない。そのため、電極部28の高さ、すなわち前述の段差h2が10μm以上、50μm以下にされる場合に適している。しかし、ソルダーレジスト27bは、露光、現像によりパターニングすることができるため、全面にソルダーレジスト27bの膜が形成された後に、パターニングにより簡単に一部を除去することができる。低層領域を形成することが簡単である。
【0018】
絶縁層27は、製造段階では、ビルドアップ配線構造の全面に樹脂層27f、27gとして形成される。しかし、便宜上ここでは、電極26の周囲部分のみが絶縁層27と称される。この電極26と絶縁層27の部分が電極部28で高層領域Hになっている。従って、電極部28の周囲の樹脂層27a、27b以外の樹脂層27f、27gの一部が除去された部分は低層領域Lになり、高層領域Hの周囲で除去されないで残存する樹脂層27d(図2B等参照)の部分は、高層領域Hと同じ高さであるが高層領域Hとは区別される。電極部28の周囲の少なくとも一部は除去されて、電極部28のトップ面Tよりも高さの低い低層領域Lが形成される。この低層領域Lは、配設され得る他の電子部品に応じて、その場所及び面積が定められる。図1に示される例では、図2Aに平面図が示されるように、電極部28(高層領域H)の周囲の全体の樹脂層27fが除去されている。この低層領域Lの形成例については後述される。
【0019】
高層領域H(電極部28)の周囲で、絶縁層27が残された部分は、高層領域Hと同じ高さ、すなわち高層部27dになっている。しかし、前述のように、電極部28とは区別される。この場合、この電極部28の周囲の高層部27dにも、別のパッドが、電極部28と同様の柱状導体部により形成されてもよい。
【0020】
図1に示される例では、コア基板の第1面F1側のみならず、第2面F2にも第2ビルドアップ配線層30が形成されている。第2ビルドアップ配線層30は、第1ビルドアップ配線層25と同様に形成される。すなわち、コア基板10の第2面に第2樹脂絶縁層31が形成され、ビア導体32と第4配線層33が形成されている。この第2樹脂絶縁層31も第1樹脂絶縁層21と同様の材料で同様に形成される。ビア導体32、第4配線層33も第1ビルドアップ配線層25と同様に、例えば無電解めっきによるシード層の形成と、電解めっきにより形成される。この第2ビルドアップ配線層30には、中央部より外周の領域(前述の低層領域Lが形成される場所の下層)にも配線層やパッドが形成されてもよい。また、この第2ビルドアップ配線層30も、図では1層の樹脂絶縁層31と1層の第4導体層33の例で示されているが、それぞれ2層以上で形成されてもよい。
【0021】
高層領域Hと低層領域Lとの位置関係は、図2A〜2Iに示されるように、種々の形状に形成され得る。高層領域Hが形成される中央部とは、前述のように、プリント配線板1(ビルドアップ配線構造20と同じ)の中心部という意味ではなく、端部ではないという意味であるが、図2A〜2Iでは、いずれの例でも、便宜上プリント配線板1の平面形状で中心部に高層部Hが配置されている。この例に限定されるものではない。
【0022】
図2Aに示される例は、前述のように、図1に示される構造の平面図である。この例では、図の簡略化のため、電極26が4個しか示されていないが、実際にはマトリクス状に非常に多数個形成され、フリップチップタイプのICが搭載されるように形成されている。この例は、電極部28である高層領域Hの周囲は、全て絶縁層27fが除去されて第1ビルドアップ配線層25の樹脂絶縁層21の第3面F3が露出している。この面が凹部(低層領域L)の底面(露出面)である。このような形状であれば、この高層領域Hに搭載される電子部品の外周部と第1ビルドアップ配線層25との間に空隙が形成されており、この空隙部に複数の電子部品等が並べて配置されたり、リング状の電子部品が配置されたりし得る。
【0023】
図2Bに示される例は、平面形状が四角形の電極部28(高層領域H)の4辺からそれぞれプリント配線板1の端部に向かって一定幅の低層領域Lが形成されている。このようなある幅の低層領域Lが形成されることにより、配置したい電子部品が安定して配置される。すなわち、低層領域Lの幅が、配置すべき電子部品の幅に合せて形成される。なお、27dは高層領域H(電極部28)ではないが、樹脂層27fが残存して高層領域Hと同じ高さの高層部を示している。
【0024】
図2Cに示される例では、低層領域Lが、図2Bの1か所のみ形成されている。すなわち、配置したい電子部品が1個または1か所だけである場合には、その配置したい場所の1か所のみに低層領域Lが形成されればよい。高層領域Hの外周部で低層領域Lでないところは図2Bと同様の高層部27dである。
【0025】
図2D図2Eに示される例は、低層領域Lが2個形成された例であり、図2Dに示される例は、四角形の高層領域Hの隣接する2辺と端部との間にそれぞれ低層領域Lが形成されている。図2Eに示される例は、一対の低層領域Lが高層領域Hを挟んで両側に1個ずつ形成されている。この状態でさらに90°ずれた位置に別の一対の低層領域Lが形成されると、図2Bに示される形状になる。これらの形状は、この周囲に配置される電子部品の種類や個数に応じて決められる。
【0026】
図2Fに示される例は、四角形状の高層領域Hの3辺のそれぞれとプリント配線板1の端部との間に低層領域Lが形成された例である。このような形状でも、樹脂層27fの除去する部分が特定されるだけで、簡単に形成し得る。
【0027】
図2Gに示される例は、一定の幅の除去ではなく、四角形状の高層領域Hの一辺に沿った面から端部までの全ての樹脂層27fが除去された形状である。図2Gでは、一辺に沿った端部側が低層領域Lに形成され、その他の周囲は高層部27dになっている。しかし、図2Hに示されるように、隣接する2辺に沿った端部側の樹脂層27fが全て除去されて鍵型の低層領域Lにされてもよい。さらに、図2Iに示されるように、高層領域Hを挟んで対向する両辺の端部側がすべて除去された構造でもよい。4辺全ての端部側が除去された形状が、図2Aに示される形状である。
【0028】
図3は、第2実施形態のプリント配線板100の図1と同様の断面図である。この例は、電極26が背の低い(高さの低い)導体ポスト26bにより形成されたもので、図1に示される電極26よりも高さが少し低く、10μm以上、50μm以下の高さに形成される。この背の低い導体ポスト26bも外形形状は限定されない。円形の場合、その太さは15μm以上であって、75μm以下である。この背の低い導体ポスト26bも図1の実施例の導体ポスト26aと同様に、背の低い導体ポスト26bの形成場所のみに開口を有するめっきレジストなどからなるマスクが形成される。そして、その開口内に例えば電解めっきにより背の低い導体ポスト26bが形成される。この場合、絶縁層27として、導体ポスト26bの高さが低いため、ソルダーレジスト27bが用いられ得る。そのため、露光・現像によるパターニングが可能である。そのため、低層領域Lの形成のため、全面に形成されたソルダーレジスト層27gの一部除去が容易である。電極部28の構造以外の部分は、図1に示される例と同じであるので、同じ部分には同じ符号が付され、その説明が省略されている。この構造では、低層領域Lの露出面(凹部の底面)と高層領域Hの上面との距離、すなわち低層領域Lと高層領域Hとの段差h2は、10〜50μmとなる。
【0029】
次に、図1に示されるプリント配線板の製造方法が、図4A〜4Kを参照して説明される。実施形態によるプリント配線板1の製造方法は、コア絶縁層11を内部に含み、第1面F1とその第1面F1の反対面である第2面F2とを有し、第1面F1および第2面F2にそれぞれ形成される第1導体層13および第2導体層14を有するコア基板10が用意される(図4B)。コア基板10の少なくとも第1面F1に樹脂絶縁層21が形成される(図4C)。樹脂絶縁層21に第1導体層13と接続されるビア導体22を形成すると共に、樹脂絶縁層21の第1導体層13と反対面である第3面F3に電子部品接続用のパッド23dを含む第3導体層23が形成される。樹脂絶縁層21、ビア導体22および第3導体層23を有するビルドアップ配線層25が形成される(図4E)。ここで、パッド23dは第1樹脂絶縁層21の第3面F3の中央部に形成される。そして、パッド23d上に電極26用の導体ポスト26aが形成され(図4G)、導体ポスト26aの周囲が絶縁層27で被覆される(図4K)。これにより、電極26および絶縁層27からなる高層領域Hが形成され、高層領域Hの周囲の少なくとも一部の絶縁層27が除去されることにより高層領域Hより積層方向の高さの低い低層領域Lが形成されている。この絶縁層27は、後述されるように、ビルドアップ配線層25、30を構成する樹脂絶縁層21、31またはコア基板10を構成するコア絶縁層11とは異なる材料で形成されている。
【0030】
まず、図4Aに示されるように、コア絶縁層として絶縁基板11が用意される。絶縁基板11は、前述のように、例えばエポキシ樹脂等からなる樹脂組成物にシリカやアルミナの粉末等の無機材が混入され、さらにガラス繊維等の補強材が入れられた樹脂基板が用いられ得る。図4Aに示される例では、この絶縁基板11の両面に銅箔11aが貼り付けられた両面銅張基板が用いられている。この銅箔11aは無くてもよい。
【0031】
次いで、第1導体層13と第2導体層14とを接続するスルーホール導体12の形成場所に、レーザ加工等により両面側から開口が形成される。その後、図示されていないが、その開口内および銅箔11aの露出面に無電解めっき等により金属薄膜が形成される。図示されていないが、その表面に第1導体層13および第2導体層14のパターンの部分だけに開口を有するめっきレジスト膜が形成される。そして、その金属薄膜をシード層として電解めっきが施されることにより、スルーホール導体12、第1導体層13および第2導体層14が形成される。その後に、めっきレジスト膜が除去され、さらに図示されていない金属薄膜および銅箔11aの露出している部分がエッチングにより除去される。その結果、図4Bに示されるような両面に第1および第2の導体層13、14および両者を接続するスルーホール導体12を有するコア基板10が用意される。
【0032】
次に、図4Cに示されるように、コア基板10の第1面F1に第1樹脂絶縁層21が形成される。図4Cに示される例では、第1樹脂絶縁層21の第1導体層13と反対側の第3面F3に第1金属箔23aが形成されている。この第1金属箔23aは、例えば数μm程度の薄い銅箔が用いられるが、無くてもよい。この第1金属箔23aは第3導体層23が形成されるところでは、第3導体層23の一部となる。
【0033】
図4Cに示される例では、コア基板10の第2面F2にも第2樹脂絶縁層31と第2金属箔33aが形成されている。材料や厚さは、第1樹脂絶縁層21、第1金属箔23aとそれぞれ同じである。これらは第2ビルドアップ配線層30を形成するものである。
【0034】
次に、図4D〜4Eに示されるように、第1樹脂絶縁層21に第1導体層13と接続されるビア導体22が形成され、それと共に、第1樹脂絶縁層21の第1導体層13と反対面である第3面F3に第3導体層23が形成される。具体的には、第1導体層13と第3導体層23との接続場所に、第1金属箔23aの表面からレーザ加工により開口21aが形成される。そして、その表面に無電解めっき、真空蒸着、スパッタリングなどにより第1金属薄膜23bが形成される(図4D)。また、第2ビルドアップ配線層30側(コア基板10の第2面F2側)の第2樹脂絶縁層31にも、第2金属箔33a側からレーザ加工により開口31aが形成され、その開口31aおよび第2金属箔33aの表面に無電解めっき、真空蒸着、スパッタリングなどにより第2金属薄膜33bが形成される(図4D)。この開口31aも第2導体層14と第4導体層33との接続部に形成される。
【0035】
そして、図示されていないが、第3導体層23および第4導体層33のパターンが形成される部分のみを開口するめっきレジストからなるマスクが第1金属薄膜23bおよび第2金属薄膜33b上に形成される。その後、第1および第2の金属薄膜23a、33aをシード層として電解めっきが行われる。その結果、第1ビア導体22、第2ビア導体32、第1および第2の電解めっき膜23c、33cがそれぞれ形成される(図4E)。この第1および第2の電解めっき膜23c、33cの厚さは、それぞれ13μm以上、25μm以下である。この第1金属箔23a、第1金属薄膜23b、および第1電解めっき膜23cにより第3導体層23(パッド23d)が形成されている。第1樹脂絶縁層21、第1ビア導体22および第3導体層23を有するビルドアップ配線層25が形成される。図4Eでは、第3導体層23としてパッド23dのみが示されている。第2ビルドアップ配線層30側でも、第2金属箔33a、第2金属薄膜33b、第2電解めっき膜33cにより第4導体層33が形成される。この第4導体層33と第2ビア導体32と第2樹脂絶縁層31とにより第2ビルドアップ配線層30が形成されている。
【0036】
この第3導体層23の電子部品接続用のパッド23dは第1樹脂絶縁層21の第3面F3の中央部に集中して形成される。そして、図4F〜4Hに示されるように、パッド23d上に電極26が形成される。具体的には、図4Fに示されるように、第1金属薄膜23bおよび第2金属薄膜33bを残したまま、パッド23d上の電極26が形成される部分に開口61aを有するめっきレジストからなる第1マスク61が形成される。開口61aは、全面に形成された第1マスク61が部分的に除去されることにより形成される。この際、第2ビルド配線層30側にも全面にめっきレジストからなる第2マスク62が形成される。第2ビルド配線層30側には電極は形成されないので、第2マスク62には、開口は設けられない。
【0037】
その後、第1金属薄膜23bをシード層として、例えば銅のめっき液に浸漬して電解めっきが行われる。その結果、開口61a内に露出したパッド23d上に電解めっき膜が形成され、柱状導体である導体ポスト26aが形成される。この導体ポスト26aの高さ(めっき厚さ)が50〜120μm程度になるまで電解めっきが施される(図4G)。
【0038】
その後、第1および第2マスク61、62が除去される(図4H)。第1および第2マスク61、62の除去は、レジスト剥離液、例えば有機酸系の薬液等に浸漬することにより行われる。その後、全体を銅のエッチング液に浸漬することで、第1金属薄膜23b、第1金属箔23aおよび第2金属薄膜33b、第2金属箔33aの露出部分(電解めっき膜が形成されない部分)が除去される。この第1および第2金属薄膜23b、33b、および第1および第2金属箔23a、33aはそれぞれ非常に薄いため、特にマスクをすることなくエッチング液に浸漬される。しかし、電極26や第3および第4の導体層23、33の露出部分をマスクして行われれば、電極26や第3および第4導体層23、33の露出部分が減ぜられることは無い。
【0039】
その後、図4I〜4Kに示されるように、電極26の周囲が絶縁層27で被覆され、低層領域Lが形成される(図4K)。具体的には、第1ビルドアップ配線層25の上に、モールド用の樹脂からなる樹脂層27fが全面で、導体ポスト26aを被覆する程度に形成される。このモールド用の樹脂層27fは、前述のように、モールド成形用の樹脂と同様の樹脂が用いられるが、ここではそのような樹脂材料がフィルム状にされたものが用いられる。その樹脂フィルムが導体ポスト26a上に配置され、温度を上昇させることにより、流動性が上がり、導体ポスト26aの間隙部に流れ落ちる(図4I)。
【0040】
その後、樹脂層27fの露出面が研磨され、導体ポスト26aの端面が露出される(図4J)。この研磨は、例えばバフ研磨等により行われる。電解めっきにより形成される導体ポスト26aは電流密度のバラツキなどによりその高さにバラツキが生じやすい。そのため、樹脂層27fが導体ポスト26aの表面を覆うくらいに形成され、その後に、導体ポスト26aの表面を露出させるように形成される。これにより、複数の導体ポスト26aの高さが一定となり電極26が形成される。
【0041】
その後、低層領域Lとされる場所の樹脂層27aが部分的に除去される(図4K)。この樹脂層27fは、ルータドリルで削ったり、レーザ光照射により削り取られたりすることができる。ルータドリルが用いられると、その深さ制御を厳密に制御されるので、予め第1ビルドアップ配線層25の第1樹脂絶縁層21の第3面F3までの距離を測定しておくことにより、正確に樹脂層27fのみが除去される。樹脂絶縁層27fの不要部分が除去されることにより、低層領域Lが形成さると共に、高層領域Hも確定する。この状態でさらに温度が上昇されることにより、樹脂層27aは完全に硬化して絶縁層27になる。図4Kには示されていないが、前述の図2B等により説明されたように、低層領域Lが形成されない部分の、高層領域Hの周囲の絶縁層27の部分は高層部27dとして区別されている。高層領域Hは、電極部28を示している。
【0042】
その後、第2ビルドアップ配線層30の露出面にソルダーレジスト層41が形成され、接続用パッドの部分に開口41aが形成されることにより、図1に示されるプリント配線板1が得られる。なお、図示されていないが、電極26および第4導体層33の露出面には、OSP、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Sn等の表面処理が行われる。
【0043】
実施形態によるプリント配線板1は、IC等の電子部品搭載用の電極部28がプリント配線板1の中央部に高層領域Hとして形成されている。そのため、特に、プリント配線板1に接続される電極パッドがパッケージ本体の中央部に形成されるICなどの電子部品の場合には、電極パッドの配置領域がプリント配線板1の中央部と整合し、非常に安定した搭載がなされる。特に、ICなどの電子部品が、そのパッケージの外周部にメモリ素子などの他の電子部品との接続用パッドを有している場合には、そのような他の電子部品を高層領域Hの周囲に形成される低層領域Lに配設し、IC等と電気的に接続することができる。両者が直接接続されることも可能となり得る。従って、このプリント配線板1によれば、ICや他の電子部品を非常にコンパクトに搭載することができ、小型化および薄型化が要求される電子部品に対応することができる。
【0044】
実施形態では、樹脂層27fの一部が除去されて低層領域Lが形成されている。その樹脂層27fの一部を除去するのに、前述の例では、ルータドリル、またはレーザ光照射により削り取られていた。しかし、例えば樹脂層27fの形成前に、分離膜が第1ビルドアップ配線層25の第1樹脂絶縁層21の表面に設けられ、その上に樹脂層27fが形成されてもよい。そうすることにより、除去部分の周囲だけがルータドリルまたはレーザ光の照射により切断されることにより、分離膜ごと除去され、低層領域Lにする部分の樹脂層27fが部分的に簡単に除去される。この製造工程が図5A〜5Cに示されている。
【0045】
すなわち、図5Aは前述の製造工程の図4Hに相当する図である。換言すると、これまでの工程は、図4A〜4Gに示される工程で形成される。この図5Aの導体ポスト26aが形成された状態で、低層領域Lが形成される領域の第1ビルドアップ配線層25の表面(厳密には第1樹脂絶縁層21の第3面F3)上に分離膜63が形成される。分離膜63は、第1樹脂絶縁層21と容易に分離できる材料で、例えばポリイミド等が用いられる。そして、この上に前述と同様の方法により樹脂層27fが形成される(図5B)。その後、この表面が研磨されて導体ポスト26aの端部が露出される(図5C)。この工程は、前述の図4Jと同様の工程である。引き続き、低層領域Lの形成場所の周囲を、例えばルータドリルまたはレーザ光照射により図5CのCで示されるように、樹脂層27fの表面側から分離膜63に達するまで切断される。矩形状の低層領域Lの一辺はプリント配線板1の端部に面しているため切断する必要はなく、コの字状に低層領域Lの3辺に沿って切断される。その結果、分離膜63は第1ビルドアップ配線層25から容易に分離され、前述の図4Kに示される構造になる。この方法は、ルータドリルまたはレーザ光照射による切込み深さを厳密に制御しなくてよい。分離膜63に至れば、少々深すぎる切込みでも、分離膜が損傷するだけである。その後は、前述と同様の工程で、ソルダーレジスト層41が形成されることにより、図1に示されるプリント配線板1が得られる。
【0046】
次に、図3に示される第2実施形態の製造方法が図6A〜6Eを参照して説明される。この場合も、前述の製造工程の図4Eまでは全く同じである。すなわち、コア基板10の第1面F1に第1ビルドアップ配線層20が形成され、第2面F2に第2ビルドアップ配線層30が形成されている。その後、図6Aに示されるように、第1金属薄膜23bおよび第1金属箔23aが残されたまま、パッド23d上の電極26が形成される部分に開口64aを有するめっきレジストからなる第3マスク64が形成される。開口64aは、全面に形成されためっきレジストが部分的に除去されることにより形成される。この際、第2ビルドアップ配線層30側にも全面にめっきレジストからなる第4マスク65が形成される。
【0047】
その後、図6Bに示されるように、第1金属薄膜23bをシード層として、例えば銅のめっき液に浸漬することで電解めっきが行われる。その結果、開口64a内に露出したパッド23d上に電解めっき膜が形成され、柱状導体である背の低い導体ポスト26bが形成される。この背の低い導体ポスト26bの高さ(めっき厚さ)が10〜50μm程度になるまで電解めっきが施される。
【0048】
その後、図6Cに示されるように、第3および第4のマスク64、65が除去される。第3および第4のマスク64、65の除去は、前述の例と同様に、レジスト剥離液、例えば有機酸系の薬液等に浸漬することにより行われる。その後、全体を銅のエッチング液に浸漬することで、第1金属薄膜23b、第1金属箔23aおよび第2金属薄膜33b、第2金属箔33aの露出部分が除去される。この工程も、前述の図4Hの工程と同じである。
【0049】
その後、図6Dに示されるように、第1ビルドアップ配線層20の表面上にソルダーレジスト層27gが全面に形成される。また、第2ビルドアップ配線層30の表面にもソルダーレジスト層41bが全面に形成される。
【0050】
その後、図6Eに示されるように、ソルダーレジスト層27gの低層領域Lの形成場所が露光・現像の方法で除去される。また、第2ビルドアップ配線層30側のソルダーレジスト層41bもマザーボードなどに接続されるパッド部分が露出するように開口41aが形成され、下面側のソルダーレジスト層41とされる。
【0051】
この第2の実施形態のプリント配線板100も、製造工程的には、図1に示される第1の実施形態と殆ど同じであるが、図3に示されるプリント配線板100は電極26の高さが、図1の実施形態に比べて低い。例えばこの高層領域Hの電極26上に搭載されるIC等と低層領域Lの露出面(凹部の底面)との間の間隔h2が狭い場合に適している。このように低い電極26でよければ、電極26間および電極26の周囲を被覆する絶縁層27がソルダーレジスト層27bで形成され得る。このソルダーレジスト層27bは、露光・現像により非常に容易に部分的に除去され得る。そのため、高層領域Hと低層領域Lの形成も非常に容易であるという効果がある。
【0052】
前述の各例では、第1ビルドアップ配線層25上に、パッド23dと接続する電極26およびその周囲を被覆する絶縁層27が形成されることにより高層領域Hが形成されている。従って、低層領域Lと高層領域Hの段差はその電極26の高さにより制限される。一方、電極26は電解めっきにより形成される。また、その電極26を被覆する絶縁層27の材料も制限される。従って、その高さを自由に設定することはできない。このような場合、もし段差を大きくしたい場合には、低層領域Lの第1ビルドアップ配線層25の第1樹脂絶縁層21を除去することにより、低層領域Lの底面と高層領域の上面との距離h3を大きくすることができる。そのような構造が図7に示されている。
【0053】
このような第1樹脂絶縁層21の一部の除去は、前述のモールド用の樹脂層27aの除去をした場合と同様に、ルータドリルにより研磨されたり、レーザ光の照射により削られたりすることにより行なわれ得る。この第1樹脂絶縁層21もプリプレグなどの加熱圧縮により形成されたものであるから、容易に加工され得る。
【0054】
この場合も、前述の図5A〜5Cで説明したように、分離膜を予め第1樹脂絶縁層21の下側に設けておくことにより、低層領域Lの周囲を切断するだけで除去することができる。
【0055】
さらに、この第1ビルドアップ配線層25は、前述のように1層の樹脂絶縁層と1層の導体層には限定されていないので、複数層で形成されることにより、低層領域Lの複数層の樹脂絶縁層が除去されてもよい。その結果、低層領域Lの底面と高層領域Hの上面との距離は自由に設定することができる。図7に示される1層からなる第1ビルドアップ配線層で、低層領域Lの第1樹脂絶縁層21が除去されることにより、低層領域Lの露出面(凹部の底面)と高層領域Hの上面との距離、すなわち低層領域Lと高層領域Hとの段差の高さh3は、100〜200μm程度にできる。
【符号の説明】
【0056】
1 プリント配線板
10 コア基板
11 絶縁基板(コア絶縁層)
13 第1導体層
14 第2導体層
20 ビルドアップ配線構造
21 第1樹脂絶縁層
22 第1ビア導体
23 第3導体層
23a パッド
25 第1ビルドアップ配線層
26 電極
26a 導体ポスト
26b 背の低い導体ポスト
27 絶縁層
27a モールド用樹脂層
27b ソルダーレジスト層
27d 高層部
28 電極部
30 第2ビルドアップ配線層
31 第2樹脂絶縁層
32 第2ビア導体
33 第4導体層
41 ソルダーレジスト層
41a 開口
H 高層領域
L 低層領域
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7