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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-198276(P2016-198276A)
(43)【公開日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】血圧計
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20161104BHJP
【FI】
   A61B5/02 338A
   A61B5/02 337Z
   A61B5/02 336Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-80309(P2015-80309)
(22)【出願日】2015年4月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】栗尾 勝
(72)【発明者】
【氏名】築田 克美
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB01
4C017AC01
4C017AD01
4C017BC11
(57)【要約】
【課題】送気球の操作を停止すべきタイミングを判断しやすい血圧計を提供する。
【解決手段】血圧計1は、カフ10の内部空間12に空気を送るための送気球40と、表示部360と、内部空間12の圧力を検出する圧力センサ320と、内部空間12を減圧するためのバルブ330と、圧力センサ320からの出力に基づいて内部空間12の圧力を演算し表示部360に表示させる制御部350とを備える。制御部350は、送気球40の操作によって内部空間12の圧力を上昇させる期間において、内部空間12の圧力変動における特徴点を検出し、前記特徴点の検出に応じて、前記特徴点の圧力の継続した表示が開始されるように表示部350の表示を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カフの内部空間に空気を送るための送気球と、表示部と、前記内部空間の圧力を検出する圧力センサと、前記内部空間を減圧するためのバルブとを有する血圧計であって、
前記圧力センサからの出力に基づいて前記内部空間の圧力を演算し前記表示部に表示させる制御部を備え、
前記制御部は、前記送気球の操作によって前記内部空間の圧力を上昇させる期間において、前記内部空間の圧力変動における特徴点を検出し、前記特徴点の検出に応じて、前記特徴点の圧力の継続した表示が開始されるように前記表示部の表示を制御する、
ことを特徴とする血圧計。
【請求項2】
前記特徴点は、前記内部空間の圧力変動におけるボトムである、
ことを特徴とする請求項1に記載の血圧計。
【請求項3】
前記制御部は、前記ボトムの圧力が検出される度に、最新の前記ボトムの圧力が表示されるように前記表示部の表示を更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載の血圧計。
【請求項4】
前記制御部は、前記内部空間の圧力が所定値より大きくなったら前記ボトムの圧力の検出を開始し、前記送気球の操作が停止されたと判断されたら前記ボトムの圧力の検出を停止する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の血圧計。
【請求項5】
前記制御部は、前記内部空間の圧力を保持するリングバッファを有し、前記内部空間の圧力の降下が検出された後に前記内部空間の圧力の上昇が検出されたことに応じて、前記リングバッファに保持された圧力における最低値を前記ボトム圧力とする、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の血圧計。
【請求項6】
前記特徴点は、前記内部空間の圧力変動におけるピークの後の最初の変曲点である、
ことを特徴とする請求項1に記載の血圧計。
【請求項7】
前記制御部は、前記変曲点が検出される度に前記表示部による前記変曲点の圧力の継続した表示を開始し、前記内部空間の圧力が前記変曲点の圧力を下回った後に前記変曲点の圧力を上回ったことに応じて前記内部空間の圧力をリアルタイムで前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の血圧計。
【請求項8】
前記制御部は、前記内部空間の圧力が所定値より大きくなるまでは、前記内部空間の圧力をリアルタイムで前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の血圧計。
【請求項9】
前記制御部は、前記送気球の操作が停止されたと判断された後は、前記内部空間の圧力をリアルタイムで前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の血圧計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送気球を有する血圧計に関する。
【背景技術】
【0002】
送気球を使ってカフに空気を送ることによってカフを膨らませ、これによって腕等を十分な圧力で圧迫し、その後、圧力を低下させながら血圧を測定する血圧計がある。送気球を握る力を強くしたり緩めたりする動作を繰り返すことによってカフの内部空間に空気を送り、該内部空間の圧力を上昇させることができる。カフの内部空間の圧力は、腕等をカフが圧迫する力に相関を有する。カフの内部空間の圧力は、一般的には、より簡単に、カフの圧力として表現されうるが、この明細書では、厳密な表現として、カフの内部空間の圧力という表現が用いられる。
【0003】
送気球を握って潰すと、カフに空気が送られ、送気球を握る力を緩めると、外部から送気球の中に空気が吸引される。このような動作のために、送気球を操作しながらカフの内部空間の圧力を上昇させる過程では、その圧力は、上昇と小さな下降とを繰り返しながら上昇してゆく。
【0004】
特許文献1には、圧力立ち上がり点と次の圧力立ち上がり点とを結ぶ直線を求め、圧力センサによる検出圧力Pnがこの直線で与えられる圧力Pcnを超えているときはPcnを表示し、超えていないときはPnを表示する血圧計が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−360524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された血圧計では、直近の2つの圧力立ち上がり点で規定される直線に基づいて、表示すべき圧力が決定されるので、送気球(ゴム球)を操作するペースが途中で変化すると、表示される圧力と実際の圧力との差が大きくなりうる。例えば、送気球を操作するペースが急に遅くなると、PnがPcnを超えなくなり、Pnがそのまま表示されうる。Pnがそのまま表示されると、表示される圧力は、上昇したり下降したりを繰り返す。医師または看護師等のユーザは、被験者の想定される最高血圧値よりも若干高い圧力までカフの内部空間の圧力を高める必要があるが、表示される圧力が上昇したり下降したりを繰り返していたのでは、送気球の操作をいつ止めたら良いのかを正しく判断することが難しい。
【0007】
本発明は、送気球の操作を停止すべきタイミングを判断しやすい血圧計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面は、カフの内部空間に空気を送るための送気球と、表示部と、前記内部空間の圧力を検出する圧力センサと、前記内部空間を減圧するためのバルブとを有する血圧計に係り、前記血圧計は、前記圧力センサからの出力に基づいて前記内部空間の圧力を演算し前記表示部に表示させる制御部を備え、前記制御部は、前記送気球の操作によって前記内部空間の圧力を上昇させる期間において、前記内部空間の圧力変動における特徴点を検出し、前記特徴点の検出に応じて、前記特徴点の圧力の継続した表示が開始されるように前記表示部の表示を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、送気球の操作を停止すべきタイミングを判断しやすい血圧計が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の1つの実施形態の血圧計の構成を示す図。
図2】血圧計によって被験者の血圧を計測する際のカフの内部空間の圧力を例示する図。
図3】本発明の第1実施形態におけるボトム圧力の検出と表示の更新を例示的に説明する図。
図4】本発明の第1実施形態におけるボトム圧力の検出方法を例示する図。
図5】本発明の第1実施形態の血圧計の動作を例示する図。
図6】本発明の第2実施形態における変曲点圧力の検出および表示を含む処理を例示的に示す図。
図7】本発明の第2実施形態におけるピークの検出方法を例示する図。
図8】本発明の第2実施形態におけるピークの後の最初の変曲点の検出方法を例示する図。
図9】本発明の第2実施形態の血圧計の動作を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
【0012】
図1には、本発明の1つの実施形態の血圧計1の構成が示されている。血圧計1は、チューブ20を介してカフ10の内部空間12と連通する流路310を有する本体30と、チューブ20および流路310を介してカフ10の内部空間12に空気を送ることができるように本体30に接続される送気球40とを有する。血圧計1は、その他、圧力センサ320、バルブ330、操作部340、制御部350、表示部360およびブザー370を備えうる。圧力センサ320は、カフ10の内部空間12の圧力を検出することができるように流路310に接続されている。バルブ330は、カフ10の内部空間12を減圧することができるように流路310に接続されている。操作部340は、例えば、電源のオン・オフ、モードの設定などのためのスイッチおよびボタン等を含む。表示部360は、例えば、血圧計1の状態や、カフ10の内部空間12の圧力や、測定した血圧などを表示する。ブザー370は、エラー等を報知するために使用される。
【0013】
制御部350は、圧力センサ320からの出力に基づいてカフ10の内部空間12の圧力を演算し、それを表示部360に表示させる。ここで、制御部350は、送気球40の操作によってカフ10の内部空間12の圧力を上昇させる期間において、カフ10の内部空間12の圧力変動における特徴点を検出し、特徴点の検出に応じて、特徴点の圧力の継続した表示が開始されるように表示部360の表示を制御する。
【0014】
本発明の第1実施形態では、特徴点は、カフ10の内部空間12の圧力変動におけるボトムである。本発明の第2実施形態では、特徴点は、カフ10の内部空間12の圧力変動におけるピークの後の最初の変曲点である。
【0015】
以下では、まず、本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態では、制御部350は、送気球40の操作によってカフ10の内部空間12の圧力を上昇させる期間において、カフ10の内部空間12の圧力変動におけるボトムの圧力(以下、「ボトム圧力」)を特徴点の圧力として検出し、該ボトム圧力の検出に応じて、該ボトム圧力の継続した表示が開始されるように表示部360の表示を制御する。本発明の第1実施形態では、制御部350は、例えば、ボトム圧力が検出される度に、最新のボトム圧力(即ち、新たに検出されたボトム圧力)が表示されるように表示部360の表示を更新する。
【0016】
図2には、血圧計1によって被験者の血圧を計測する際のカフ10の内部空間12の圧力が例示的に示されている。図2において、横軸は時間であり、縦軸は圧力センサ320によって検出されるカフ10の内部空間12の圧力である。操作部340の電源スイッチが操作されることによって電源がオンされ、その後、送気球40が操作(強く握る動作と握りを緩める動作との繰り返し)されてカフ10の内部空間12の圧力が上昇し、所定値THを超えたと判断される時刻t10において、ボトム圧力の検出および表示の処理が開始される。この処理は、送気球40の操作が停止されたと判断される時刻t11まで継続される。つまり、時刻t10から時刻t11までの期間TPにおいて、ボトム圧力の検出および表示の処理が実行される。そして、送気球40の操作が停止されたと判断されると、血圧の測定(典型的には、最高血圧値および最低血圧値の検出)が開始される。血圧の測定は、例えば、圧力センサ320によって検出される圧力の変化に基づいてなされる。
【0017】
図3を参照しながら、期間TPにおけるボトム圧力の検出および表示の更新について説明する。図3において、横軸は時間であり、縦軸は圧力センサ320によって検出されるカフ10の内部空間12の圧力(より具体的には、圧力センサ320の出力に基づいて制御部350が演算によって求めた圧力)である。なお、図3において、内部空間12の圧力は曲線で示されているが、該圧力は、典型的には離散値である。制御部350は、所定のサンプリング間隔で、圧力センサ320からの出力(信号)をサンプリングし、サンプリングした出力に基づいてカフ10の内部空間12の圧力を演算する。より具体的な例を挙げると、制御部350は、例えば、サンプリングした出力に変換係数を乗じることによって、あるいは、ルックアップテーブルを参照することによって、該出力に対応する圧力を得る。
【0018】
このようにして得られるカフ10の内部空間12の圧力の数値列は、圧力変動を示している。制御部350は、この圧力変動におけるボトム圧力を特徴点の圧力として検出し、ボトム圧力が検出される度に、最新のボトム圧力(即ち、新たに検出されたボトム圧力)が表示されるように表示部360の表示を更新する。即ち、ボトム圧力が検出されると、そのボトム圧力が表示されるように表示部360に表示されている圧力が更新され、その圧力の表示は、次にボトム圧力が検出されるまで維持される。
【0019】
図4を参照しながらボトム圧力の検出方法を例示的に説明する。図4において、横軸は時間であり、縦軸は圧力センサ320によって検出されるカフ10の内部空間12の圧力(より具体的には、圧力センサ320の出力に基づいて制御部350が演算によって求めた圧力)である。図4中の○は、圧力センサ320の出力をサンプリングし、それに基づいて求めた圧力を示し、曲線は、便宜的に示されたものである。
【0020】
図4に示された例では、制御部350は、最新の圧力Pcと前回の圧力Ppとの差分Pc−Ppが2回連続で閾値TH1(負の値)を下回ったことを判断基準として、カフ10の内部空間12の圧力の降下が起こったことを検出する。図4に示された例では、時刻t1において、カフ10の内部空間12の圧力の降下が起こったことが検出される。時刻t1の後、5回分の圧力を保持しうるリングバッファに対して、圧力センサ320の出力に基づいて圧力が求められる度に当該圧力が書き込まれる。
【0021】
その後、制御部350は、最新の圧力Pcと前回の圧力Ppとの差分Pc−Ppが3回連続して閾値TH2(正の値)を上回ったことを判断基準として、カフ10の内部空間12の圧力の上昇が起こったことを検出する。図4に示された例では、時刻t2において差分Pc−Ppが閾値TH2を最初に上回っている。そして、時刻t3までで、3回連続して差分Pc−Ppが閾値TH2を上回っている。つまり、時刻t3において、カフ10の内部空間12の圧力の上昇が起こったことが検出される。これに応じて、制御部350は、リングバッファに保持された5回分の圧力のうちの最低値をボトム圧力Pbとして決定し、そのボトム圧力Pbが表示部360に表示されるように表示部360の表示を更新させる。なお、上記の判断基準やリングバッファの段数は、適宜変更可能であるし、ボトム圧力の検出方法も適宜変更可能である。
【0022】
次に、図5を参照しながら本発明の第1実施形態の血圧計1の動作を説明する。ステップS501において操作部340の電源スイッチが操作されることによって電源がオンされ、血圧計1が起動される。次いで、ステップS502において、制御部350は、初期圧力値(例えば、0mmHg)を表示部360に表示させる。次いで、ステップS503において、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力のリアルタイム表示を開始する。つまり、制御部350は、圧力センサ320の出力に基づいてカフ10の内部空間12の圧力を求める度にその圧力が表示される表示部360の表示を更新する。
【0023】
その後、送気球40が操作(強く握る動作と握りを緩める動作との繰り返し)されカフ10の内部空間12の圧力が上昇する。ステップS504において、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力の上昇を監視し、該圧力が基準値を超えたことを判断基準として、送気球40が操作されたことを検出する。
【0024】
これに応じて、ステップS505において、制御部350は、バルブ330を閉じる。その後、ステップS506において、カフ10の内部空間12の圧力が所定値THより大きくなるのを待ち、カフ10の内部空間12の圧力が所定値THより大きくなったらステップS507に進み、圧力のリアルタイム表示を中止する。
【0025】
その後のステップS508〜S510は、図2における期間TPにおける処理である。ステップS508では、図3および図4を参照しながら例示的に説明したように、制御部350は、ボトム圧力を検出し、ボトム圧力が検出されたら、ステップS509に進む。ステップS509では、制御部350は、検出されたボトム圧力をカフ10の内部空間12の圧力として表示部360に表示させる。次いで、ステップS510において、制御部350は、送気球40の操作(加圧)が停止されたかどうかを判断し、送気球40の操作が停止されたと判断したら、ステップS511に進み、そうでなければ、ステップS508に戻る。つまり、送気球40の操作が停止されたと判断されるまでボトム圧力の検出が継続される。送気球40の操作が停止されたことは、カフ10の内部空間12の圧力の変動に基づいて判断することができ、例えば、ボトム圧力の検出が所定期間なされなかった場合に送気球40の操作が停止されたと判断することができる。
【0026】
ステップS508〜S510では、以上のようにして、ボトム圧力を検出する度にそのボトム圧力が表示されるように表示部360の表示を更新し、その表示を次のボトム圧力が検出されるまで維持することによって、表示部360には実際の圧力よりも低めの圧力が表示される。したがって、医師または看護師等のユーザは、送気球の操作を停止すべきタイミングを容易に判断することができる。これにより、圧力が不十分な状態で加圧のための操作が停止されることが防止される。
【0027】
ステップS511では、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力のリアルタイム表示を再開する。つまり、制御部350は、圧力センサ320の出力に基づいてカフ10の内部空間12の圧力を求める度にその圧力が表示される表示部360の表示を更新する。
【0028】
次いで、ステップS512では、バルブ330を開いて、カフ10の内部空間12の減圧を開始する。以下は、S513において、血圧が測定され、ステップS514において、カフ10の内部空間12が十分に排気され、ステップS515において、ステップS513で測定された血圧が表示部360に表示される。
【0029】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ここで、第1実施形態との相違点を中心として説明する。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。第2実施形態では、制御部350は、送気球40の操作によってカフ10の内部空間12の圧力を上昇させる期間において、カフ10の内部空間12の圧力変動におけるピークの後の最初の変曲点の圧力(以下、「変曲点圧力」)を特徴点の圧力として検出し、該変曲点圧力の検出に応じて、該変曲点圧力の継続した表示が開始されるように表示部360の表示を制御する。本発明の第2実施形態では、制御部350は、例えば、変曲点が検出される度に表示部360による変曲点圧力の継続した表示を開始し、カフ10の内部空間12の圧力が該変曲点圧力を下回った後に該変曲点圧力を上回ったことに応じて、カフ10の内部空間12の圧力をリアルタイムで表示部360に表示させる。
【0030】
本発明の第2実施形態では、図2に示された期間TPにおいて、変曲点圧力の検出および表示を含む処理が実行される。そして、送気球40の操作が停止されたと判断されると、血圧の測定(典型的には、最高血圧値および最低血圧値の検出)が開始される。血圧の測定は、例えば、圧力センサ320によって検出される圧力の変化に基づいてなされる。
【0031】
図6を参照しながら、期間TPにおける変曲点圧力の検出および表示を含む処理について説明する。図6において、横軸は時間であり、縦軸は圧力センサ320によって検出されるカフ10の内部空間12の圧力(より具体的には、圧力センサ320の出力に基づいて制御部350が演算によって求めた圧力)である。なお、図6において、内部空間12の圧力は曲線で示されているが、該圧力は、典型的には離散値である。制御部350は、所定のサンプリング間隔で、圧力センサ320からの出力(信号)をサンプリングし、サンプリングした出力に基づいてカフ10の内部空間12の圧力を演算する。より具体的な例を挙げると、制御部350は、例えば、サンプリングした出力に変換係数を乗じることによって、あるいは、ルックアップテーブルを参照することによって、該出力に対応する圧力を得る。
【0032】
このようにして得られるカフ10の内部空間12の圧力の数値列は、圧力変動を示している。制御部350は、この圧力変動におけるピーク後の最初の変曲点圧力を特徴点の圧力として検出し、該変曲点圧力の検出に応じて、該変曲点圧力の継続した表示が開始されるように表示部360の表示を制御する。制御部350は、例えば、変曲点が検出される度に表示部360による変曲点圧力の継続した表示を開始し、カフ10の内部空間12の圧力が該変曲点圧力を下回った後に該変曲点圧力を上回ったことに応じて、カフ10の内部空間12の圧力をリアルタイムで表示部360に表示させる。第2実施形態では、制御部350は、例えば、カフ10の内部空間12の圧力変動のピークを検出し、それをトリガーとして、該ピークの後の最初の変曲点を検出するように構成されうる。
【0033】
図7を参照しながらピークの検出方法を例示的に説明する。図7において、横軸は時間であり、縦軸は圧力センサ320によって検出されるカフ10の内部空間12の圧力(より具体的には、圧力センサ320の出力に基づいて制御部350が演算によって求めた圧力)である。図7中の菱形は、圧力センサ320の出力をサンプリングし、それに基づいて求めた圧力を示し、曲線は、便宜的に示されたものである。
【0034】
図7に示された例では、制御部350は、最新の圧力Pcと前回の圧力Ppとの差分Pc−Ppが2回連続して閾値TH3(正の値)を上回ったことを判断基準として、カフ10の内部空間12の圧力が上昇していることを検出する。図7に示された例では、時刻t11において、差分Pc−Ppが2回連続して閾値TH3(正の値)を上回っている。その後も差分Pc−Ppが2回連続して閾値TH3(正の値)を上回り、カフ10の内部空間12の圧力の上昇が続いている。
【0035】
その後、制御部350は、時刻t13において、差分Pc−Ppが2回連続して閾値TH4(負の値)を下回ったことを判断基準として、カフ10の内部空間12の圧力が下降していることを検出する。そして、2回前のサンプリング時、即ち時刻t12において圧力変動のピークがあったと判断する。このようにしてカフ10の内部空間12の圧力変動におけるピークが検出されうる。
【0036】
図8を参照しながらピーク後の最初の変曲点の検出方法を例示的に説明する。図8において、横軸は時間であり、縦軸は圧力センサ320によって検出されるカフ10の内部空間12の圧力(より具体的には、圧力センサ320の出力に基づいて制御部350が演算によって求めた圧力)である。図8中の菱形は、圧力センサ320の出力をサンプリングし、それに基づいて求めた圧力を示し、図8中の三角は、圧力の2次微分である。
【0037】
制御部350は、ピークの検出後、カフ10の内部空間12の圧力の二次微分を算出する。そして、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力の二次微分が2回連続して閾値TH5(正の値)を上回ったことを判断基準として変曲点を検出する。変曲点圧力は、この変曲点におけるカフ10の内部空間12の圧力である。
【0038】
次に、図9を参照しながら本発明の第2実施形態の血圧計1の動作を説明する。ステップS601において操作部340の電源スイッチが操作されることによって電源がオンされ、血圧計1が起動される。次いで、ステップS602において、制御部350は、初期圧力値(例えば、0mmHg)を表示部360に表示させる。次いで、ステップS603において、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力のリアルタイム表示を開始する。つまり、制御部350は、圧力センサ320の出力に基づいてカフ10の内部空間12の圧力を求める度にその圧力が表示される表示部360の表示を更新する。
【0039】
その後、送気球40が操作(強く握る動作と握りを緩める動作との繰り返し)されカフ10の内部空間12の圧力が上昇する。ステップS604において、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力の上昇を監視し、該圧力が基準値を超えたことを判断基準として、送気球40が操作されたことを検出する。
【0040】
これに応じて、ステップS605において、制御部350は、バルブ330を閉じる。その後、ステップS606において、カフ10の内部空間12の圧力が所定値THより大きくなるのを待ち、カフ10の内部空間12の圧力が所定値THより大きくなったらステップS607に進む。
【0041】
その後のステップS607〜S611は、図2における期間TPにおける処理である。ステップS607では、図7および図8を参照しながら例示的に説明したように、制御部350は、ピークの後の最初の変曲点を検出し、ピーク後の最初の変曲点が検出されたら、ステップS608に進み、圧力のリアルタイム表示を停止する。
【0042】
次いで、ステップ609では、制御部350は、カフ10の内部空間12の圧力が直前の変曲点圧力を上回ったかどうかを判定し、カフ10の内部空間12の圧力が直前の変曲点圧力を上回ったら、ステップS610に進み、圧力のリアルタイム表示を再開する。
【0043】
次いで、ステップS611において、制御部350は、送気球40の操作(加圧)が停止されたかどうかを判断し、送気球40の操作が停止されたと判断したら、ステップS612に進み、そうでなければ、ステップS607に戻る。送気球40の操作が停止されたことは、カフ10の内部空間12の圧力の変動に基づいて判断することができ、例えば、ピークの検出が所定期間なされなかった場合に送気球40の操作が停止されたと判断することができる。
【0044】
ステップS607〜S611では、以上のようにして、制御部350は、変曲点が検出される度に表示部360による変曲点圧力の継続した表示を開始し、カフ10の内部空間12の圧力が変曲点圧力を下回った後に変曲点圧力を上回ったことに応じて、カフ10の内部空間12の圧力をリアルタイムで表示部360に表示させる。したがって、医師または看護師等のユーザは、送気球の操作を停止すべきタイミングを容易に判断することができる。これにより、圧力が不十分な状態で加圧のための操作が停止されることが防止される。
【0045】
次いで、ステップS613では、バルブ330を開いて、カフ10の内部空間12の減圧を開始する。以下は、S614において、血圧が測定され、ステップS615において、カフ10の内部空間12が十分に排気され、ステップS616において、ステップS614で測定された血圧が表示部360に表示される。
【符号の説明】
【0046】
10:カフ、内部空間12、20:チューブ、30:本体、40:送気球、310:流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9