【解決手段】映像中継装置200を介して周辺機器と接続された映像生成装置300において、バージョン取得部10は、映像中継装置200にインストールされたファームウェアのバージョンに関する情報を映像中継装置200から取得する。アップデート要求部30は、映像中継装置200にインストールされたファームウェアのバージョンが、映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェアが要求するファームウェアのバージョンより古い場合に、基本ソフトウェアに内包された中継装置用のファームウェアを映像中継装置200に供給し、映像中継装置200にインストールされたファームウェアをアップデートさせる。
前記バージョン取得部はさらに、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を前記中継装置から取得し、
前記バージョン比較部はさらに、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンと、当該情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンとを比較し、
当該情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンが、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する基本ソフトウェアのバージョンより古い場合に、前記基本ソフトウェアの最新バージョンをダウンロードして当該情報処理装置の基本ソフトウェアをアップデートするアップデート部をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記バージョン通知部はさらに、当該中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を前記情報処理装置に通知することを特徴とする請求項5または6に記載の中継装置。
前記バージョン取得部はさらに、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を前記中継装置から取得し、
前記バージョン比較部はさらに、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンと、当該情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンとを比較し、
前記情報処理装置は、当該情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンが、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する基本ソフトウェアのバージョンより古い場合に、前記基本ソフトウェアの最新バージョンをダウンロードして当該情報処理装置の基本ソフトウェアをアップデートするアップデート部をさらに含み、
前記バージョン通知部はさらに、当該中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を前記情報処理装置に通知することを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
情報処理装置と、前記情報処理装置に周辺機器を接続するための中継装置とを含む情報処理システムにおいて中継装置のファームウェアまたは情報処理装置の基本ソフトウェアをアップデートする方法であって、
前記中継装置にインストールされたファームウェアのバージョンに関する情報を前記中継装置から取得するバージョン取得ステップと、
前記中継装置にインストールされたファームウェアのバージョンと、前記情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアが要求するファームウェアのバージョンとを比較するバージョン比較ステップと、
前記中継装置にインストールされたファームウェアのバージョンが、前記情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアが要求するファームウェアのバージョンより古い場合に、前記基本ソフトウェアに内包された中継装置用のファームウェアを前記中継装置に供給し、前記中継装置にインストールされたファームウェアをアップデートさせるアップデート要求ステップとを含むことを特徴とするソフトウェアアップデート方法。
前記バージョン取得ステップはさらに、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を前記中継装置から取得し、
前記バージョン比較ステップは、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する前記基本ソフトウェアのバージョンと、前記情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンとを比較し、
前記情報処理装置にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンが、前記中継装置にインストールされたファームウェアが要求する基本ソフトウェアのバージョンより古い場合に、前記基本ソフトウェアの最新バージョンをダウンロードして前記情報処理装置の基本ソフトウェアをアップデートするアップデートステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のソフトウェアアップデート方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施の形態に係る映像システムの構成図である。
【0013】
映像生成装置300は、本願の情報処理装置の一例であり、より具体的には、たとえばゲーム機やパーソナルコンピュータであり、コンピュータグラフィックスによって映像を生成する。映像生成装置300は、図示しないがネットワークに接続して通信することができ、サーバからデータを受信したり、他の端末にデータを送信することができる。
【0014】
映像生成装置300に接続ケーブル240を用いてカメラ310を接続してもよい。また、映像生成装置300にワイヤレスコントローラ320やモーションコントローラ330を無線で接続してもよい。
【0015】
映像生成装置300には接続ケーブル230を用いて映像中継装置200がUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースで接続される。映像中継装置200には専用ケーブル260を用いてヘッドマウントディスプレイ100が接続される。ヘッドマウントディスプレイ100は、本願の周辺機器の一例である。
【0016】
映像生成装置300のHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)出力端子と映像中継装置200のHDMI入力端子が接続ケーブル210で接続される。また、映像中継装置200のHDMI出力端子とディスプレイ400のHDMI入力端子が接続ケーブル220で接続される。
【0017】
映像中継装置200は電源ケーブル250によって電源に接続される。ここでは映像中継装置200は常時電源がオンにされていることを前提とするが、もちろん周辺機器であるヘッドマウントディスプレイ100を利用しない場合は電源を落としてもかまわない。
【0018】
映像中継装置200は、映像生成装置300から出力される映像をディスプレイ400およびヘッドマウントディスプレイ100に中継する。映像生成装置300が生成した映像は映像生成装置300のHDMI出力端子より出力され、接続ケーブル210を介して映像中継装置200のHDMI入力端子に入力される。
【0019】
映像中継装置200のHDMI入力端子に入力された映像は、そのまま映像中継装置200のHDMI出力端子から出力され、接続ケーブル220を介してディスプレイ400のHDMI入力端子に入力される。それと同時に、映像中継装置200のHDMI入力端子に入力された映像は、ヘッドマウントディスプレイ100に適した画像フォーマットに変換され、専用ケーブル260を介してヘッドマウントディスプレイ100に入力される。
【0020】
すなわち、映像中継装置200は、映像生成装置300の映像をそのままディスプレイ400に中継するとともに、映像生成装置300の映像をヘッドマウントディスプレイ100向けに変換してヘッドマウントディスプレイ100に中継する。これにより、ヘッドマウントディスプレイ100を装着したユーザが眼前で映像を見ることができると同時に、他のユーザはディスプレイ400によって通常に映像を見ることができる。映像中継装置200は、映像生成装置300の映像を適宜変換して複数のディスプレイに分配する変換・分配器として機能する。
【0021】
映像生成装置300にはゲームなどのアプリケーションのコマンドを実行するための基本ソフトウェアがインストールされている。映像中継装置200にはヘッドマウントディスプレイ100用のファームウェアがインストールされている。これらの基本ソフトウェアやファームウェアは適宜アップデートされる必要がある。基本ソフトウェアおよびファームウェアのアップデートに必要なデータは、映像生成装置300に挿入される記録媒体から映像生成装置300の記憶領域に読み込まれるか、サーバからネットワークを介して映像生成装置300の記憶領域にダウンロードされる。
【0022】
図2A〜
図2Cは、映像中継装置200のファームウェアをアップデートする手順を説明する図である。
【0023】
映像生成装置300にインストールされる基本ソフトウェア500には、映像中継装置200にインストールされるべきヘッドマウントディスプレイ100用のファームウェア510が内包されている。これはコンピュータのオペレーティングシステムに各種周辺機器のドライバが内包されていることと似ている。オペレーティングシステムに内包された周辺機器のドライバは当該周辺機器が利用される段階で読み出されてコンピュータにインストールされる。これと同様に、基本ソフトウェア500に内包されたヘッドマウントディスプレイ100用のファームウェア510はヘッドマウントディスプレイ100の利用に先立ち、映像中継装置200にインストールされる。
【0024】
図2Aに示すように、映像生成装置300には当初、バージョン3.00の基本ソフトウェア500がインストールされている。バージョン3.00の基本ソフトウェア500にはバージョン1.00のファームウェア510が内包されている。また、映像中継装置200にはバージョン1.00のファームウェア520がインストールされている。ヘッドマウントディスプレイ100の電源はオフになっている。
【0025】
映像生成装置300にゲームなどのアプリケーションが格納された記録媒体530が挿入される。記録媒体530には、最新バージョンの基本ソフトウェアがアプリケーションとともに格納されている。ここでは、記録媒体530にはバージョン4.00の基本ソフトウェア502が格納されており、この基本ソフトウェア502にはバージョン2.00のファームウェア512が内包されている。バージョン2.00のファームウェア512は、バージョン4.00の基本ソフトウェア502で動作が確認された最新バージョンのファームウェアである。
【0026】
図2Bに示すように、映像生成装置300は、記録媒体530の挿入時に記録媒体530に格納された基本ソフトウェアのバージョンと映像生成装置300にインストール済みの基本ソフトウェアのバージョンとを比較し、前者の方が新しい場合に、記録媒体530から最新バージョン4.00の基本ソフトウェア502を読み出し、インストール済みの基本ソフトウェアをアップデートする。記録媒体530に格納された基本ソフトウェア502には最新バージョン2.00のファームウェア512も内包されているため、このアップデートにより、映像生成装置300の基本ソフトウェア500のバージョンが4.00になるとともに、基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510のバージョンが2.00になる。
【0027】
図2Bの映像生成装置300の基本ソフトウェア500のアップデートの時点では、ヘッドマウントディスプレイ100の電源はオフであり、この時点では映像中継装置200のファームウェア520のアップデートは行われず、古いバージョン1.00のままである。
【0028】
図2Cに示すように、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンにされると、映像中継装置200にインストール済みのファームウェア520のバージョンに関する情報が映像生成装置300に通知される。映像生成装置300は、映像中継装置200にインストール済みのファームウェア520のバージョンと、映像生成装置300の基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンとを比較し、映像中継装置200のファームウェア520のバージョンが映像生成装置300の基本ソフトウェア500が要求するバージョンよりも古い場合、基本ソフトウェア500に内包された最新バージョンのファームウェア510を映像中継装置200に供給し、映像中継装置200のファームウェアをアップデートさせる。
【0029】
ここでは、映像生成装置300の基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンは2.00以上であることが基本ソフトウェア500の所定の領域に記載されており、映像中継装置200にインストール済みのファームウェア520のバージョンはそれよりも古い1.00であるから、基本ソフトウェア500に内包された最新バージョン2.00のファームウェア510が映像中継装置200に供給され、映像中継装置200のファームウェア520のバージョンは2.00になる。
【0030】
図2A〜
図2Cで説明したように、映像生成装置300の基本ソフトウェア500がアップデートされ、基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510もアップデートされても、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンになるまでは映像中継装置200のファームウェア520はアップデートされず、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンになってから、映像生成装置300の最新バージョンの基本ソフトウェア500に内包された最新バージョンのファームウェア510によって映像中継装置200のファームウェア520がアップデートされる。
【0031】
ユーザがヘッドマウントディスプレイ100を使用しないにもかかわらず、映像中継装置200のファームウェア520のアップデートのためにユーザを待たせるのは不都合である。そこで本実施の形態のファームウェアアップデート方法では、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンにされた時点、すなわちヘッドマウントディスプレイ100を利用する時点で映像中継装置200のファームウェア520が必要に応じてアップデートされるようにした。これによりファームウェアのアップデートの際に無用なフラストレーションをユーザに与えなくて済むという利点がある。
【0032】
図3A〜
図3Cは、映像生成装置300の基本ソフトウェアをアップデートする手順を説明する図である。
【0033】
図3Aに示すように、ユーザAの映像生成装置300Aには映像中継装置200Aが接続され、映像中継装置200Aにはヘッドマウントディスプレイ100Aが接続されている。映像生成装置300Aにはバージョン4.00の基本ソフトウェア500Aがインストールされており、基本ソフトウェア500Aにはバージョン2.00のファームウェア510Aが内包されている。また、映像中継装置200Aにはバージョン2.00のファームウェア520Aがインストールされている。
【0034】
ユーザAは、映像中継装置200Aから映像中継装置200Aとヘッドマウントディスプレイ100Aを切り離して、ユーザBの映像中継装置200Bに接続する。たとえば、ユーザBはユーザAの友人であり、ユーザAは、自宅にある映像中継装置200Aとヘッドマウントディスプレイ100AをユーザBの家に持参するという状況をここでは想定している。ユーザBの映像生成装置300Bにはバージョン3.00の基本ソフトウェア500Bがインストールされており、基本ソフトウェア500Bにはバージョン1.00のファームウェア510Bが内包されている。
【0035】
図3Bに示すように、ユーザBの映像生成装置300BにユーザAの映像中継装置200Aとヘッドマウントディスプレイ100Aが接続される。この時点で、ユーザAの映像中継装置200Aにインストールされているファームウェア520Aのバージョンは2.00であるのに対して、映像生成装置300Bにインストールされている基本ソフトウェア500Bのバージョンは3.00である。映像生成装置300Bにインストールされているバージョン3.00の基本ソフトウェア500Bは、バージョン1.00のファームウェアをサポートするが、新しいバージョン2.00のファームウェア520Aには対応できない。
【0036】
ヘッドマウントディスプレイ100Aの電源がオンにされたとき、映像中継装置200Aは、映像中継装置200Aにインストールされているバージョン2.00のファームウェア520Aが要求する基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を映像生成装置300に通知する。ここでは、バージョン2.00のファームウェアはバージョン4.00以上の基本ソフトウェアを要求することがファームウェアの所定の領域に記載されており、この情報が映像生成装置300に通知される。
【0037】
図3Cに示すように、映像生成装置300Bは、映像中継装置200Aから通知された映像中継装置200Aのファームウェア520Aが要求する基本ソフトウェアのバージョンと、映像生成装置300Bの基本ソフトウェア500Bのバージョンとを比較し、基本ソフトウェア500Bのバージョンが映像中継装置200Aから通知されたバージョンよりも古い場合、ネットワーク600を介してサーバ700から新しいバージョンの基本ソフトウェア500Bをダウンロードしてインストールする。
【0038】
ここでは、映像中継装置200Aのファームウェア520Aが要求する基本ソフトウェアのバージョンは4.00以上であり、映像生成装置300Bの基本ソフトウェア500Bのバージョンはそれよりも古い3.00であるから、サーバ700から最新バージョン4.00の基本ソフトウェアがダウンロードされ映像生成装置300Bにインストールされる。
【0039】
これにより、映像生成装置300Bの基本ソフトウェア500Bは、映像中継装置200Aのバージョン2.00のファームウェア520Aが要求する基本ソフトウェアのバージョン4.00になり、映像中継装置200Aのバージョン2.00のファームウェア520Aをサポートすることができるようになる。
【0040】
図4は、映像生成装置300の構成図である。ここでは、基本ソフトウェアおよびファームウェアをアップデートするための映像生成装置300の機能構成を主に示す。映像中継装置200の機能構成はハードウェアまたはソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせによって実現される。
【0041】
バージョン取得部10は、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520のバージョンに関する情報を映像中継装置200から受け取る。このファームウェア520のバージョンに関する情報は、映像中継装置200を映像生成装置300にUSBなどのインタフェースのケーブル230で接続し、映像中継装置200の電源を入れた際に、ケーブル230を介して映像中継装置200から映像生成装置300に伝えられる。
【0042】
バージョン比較部20は、バージョン取得部10から映像中継装置200のファームウェア520のバージョンに関する情報を受け取る。また、バージョン比較部20は、当該映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンに関する情報を取得する。
【0043】
映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンに関する情報は、基本ソフトウェア500の所定の領域に書き込まれており、その領域から読み出すことができる。映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500が要求するバージョンのファームウェア510自身は基本ソフトウェア500に内包されている。基本ソフトウェア500に内包されているファームウェア510のバージョンに関する情報を、基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンに関する情報として読み出してもよい。
【0044】
次に、バージョン比較部20は、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520のバージョンと、当該映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンとを比較し、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520のバージョンが、映像生成装置300にインストールだれた基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンより古い場合、アップデート要求部30に映像中継装置200のファームウェアのアップデートが必要である旨を通知する。
【0045】
アップデート要求部30は、バージョン比較部20からのアップデートの必要性の通知を受けて、当該映像中継装置200の基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510を映像中継装置200に供給し、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520をアップデートさせる。
【0046】
周辺機器電源状態確認部50は、映像中継装置200に接続された周辺機器の一例であるヘッドマウントディスプレイ100の電源のオン/オフ状態に関する情報を映像中継装置200から受け取り、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンになるまでアップデート要求部30に映像中継装置200のファームウェア520のアップデートをさせないように制御する。
【0047】
バージョン取得部10はさらに、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を映像中継装置200から取得し、バージョン比較部20にこの情報を渡す。
【0048】
バージョン比較部20はさらに、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンと、当該映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500のバージョンとを比較し、当該映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500のバージョンが、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンより古い場合、アップデート部40に当該映像生成装置300の基本ソフトウェア500のアップデートが必要である旨を通知する。
【0049】
アップデート部40は、バージョン比較部20からのアップデートの必要性の通知を受けて、基本ソフトウェアの最新バージョンをネットワーク600を介してサーバ700からダウンロードし、当該映像生成装置300の基本ソフトウェア500を最新バージョンにアップデートする。
【0050】
周辺機器電源状態確認部50は、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンになるまでアップデート部40に当該映像生成装置300の基本ソフトウェア500のアップデートをさせないように制御する。
【0051】
映像生成部60は、ゲームやアプリケーションの映像を生成し、映像出力部70に渡す。映像出力部70はHDMIインタフェースの接続ケーブル210を介して映像データを映像中継装置200に伝送する。
【0052】
図5は、映像中継装置200の構成図である。映像中継装置200の機能構成はハードウェアまたはソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせによって実現される。
【0053】
バージョン通知部110は、当該映像中継装置200にインストールされたファームウェア520のバージョンに関する情報を取得して映像生成装置300に通知する。
【0054】
アップデート部120は、当該映像中継装置200にインストールされたファームウェア520のバージョンが、映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンより古い場合に、映像生成装置300から基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510を受け取り、当該映像中継装置200にインストールされたファームウェア520をアップデートする。
【0055】
周辺機器電源状態確認部130は、当該映像中継装置200に接続された周辺機器の一例であるヘッドマウントディスプレイ100の電源のオン/オフ状態に関する情報をヘッドマウントディスプレイ100から取得し、ヘッドマウントディスプレイ100の電源がオンになるまではアップデート部120に当該映像中継装置200のファームウェア520のアップデートをさせないように制御する。
【0056】
周辺機器電源状態確認部130はまた、ヘッドマウントディスプレイ100の電源のオン/オフ状態に関する情報を映像生成装置300に伝送する。
【0057】
バージョン通知部110はさらに、当該映像中継装置200にインストールされたファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンに関する情報を映像生成装置300に通知する。ファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンに関する情報は、ファームウェア520の所定の領域に書き込まれており、その領域から読み出すことができる。既に述べたように映像生成装置300は、映像中継装置200のバージョン取得部10から通知されたバージョン情報をもとに、映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェア500のバージョンが、映像中継装置200にインストールされたファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンより古い場合、映像生成装置300の基本ソフトウェア500のネットワークアップデートを実行する。
【0058】
分配部140は、映像生成装置300から映像を受け取り、その映像をHDMIインタフェースの接続ケーブル220を介してディスプレイ400に伝送する。また、分配部140は、映像生成装置300から受け取った映像をヘッドマウントディスプレイ100に搭載されたディスプレイ用に変換する変換部142を備える。
【0059】
ヘッドマウントディスプレイ100はユーザの眼前と周囲に視野角の広い映像を見せるために曲率の高い光学レンズを採用し、ユーザがレンズを介してディスプレイパネルを覗き込む構成になっている。曲率の高いレンズを用いるとレンズの歪曲収差によって映像が歪むため、曲率の高いレンズを通して見たときに正しく見えるようにあらかじめ画像を補正し、補正された画像をヘッドマウントディスプレイ100のディスプレイパネルに表示する。これにより、ユーザが曲率の高いレンズを通してディスプレイパネルを見ると正常に見える。
【0060】
変換部142は、映像生成装置300が生成した通常のディスプレイ400向けの映像を、ヘッドマウントディスプレイ100の上述のレンズ歪みを考慮した映像にあらかじめ変換し、ヘッドマウントディスプレイ100に伝送する。
【0061】
制御信号処理部150は、映像生成装置300からヘッドマウントディスプレイ100を制御する信号を受け取り、ヘッドマウントディスプレイ100に伝送するとともに、ヘッドマウントディスプレイ100から姿勢情報などのデータを受け取り、映像生成装置300に伝送する。
【0062】
図6は、本実施の形態の映像システムにおける基本ソフトウェアおよびファームウェアのアップデートの手順を示すフローチャートである。
【0063】
ユーザが周辺機器であるヘッドマウントディスプレイ100の電源をオンにする(S10)。映像生成装置300が起動されていない場合(S12のN)、映像生成装置300が起動される(S14)。映像生成装置300が起動されている場合(S12のY)、映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェアのバージョンが、映像中継装置200にインストールされたファームウェアが要求する基本ソフトウェアのバージョンより古い場合(S16のY)、基本ソフトウェアの最新バージョンをネットワーク経由でダウンロードして映像生成装置300の基本ソフトウェアをアップデートし(S18)、映像生成装置300を再起動する(S20)。
【0064】
次に、映像中継装置200にインストールされたファームウェアのバージョンが、映像生成装置300にインストールされた基本ソフトウェアが要求するファームウェアのバージョンより古い場合(S22のY)、基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510を用いて映像中継装置200にインストールされたファームウェア520をアップデートし(S24)、映像中継装置200を再起動する(S26)。
【0065】
映像生成装置300の基本ソフトウェア500または映像中継装置200のファームウェア520に必要なアップデートが完了し、アップデート後の映像生成装置300または映像中継装置200の再起動が終わると、ログイン画面でユーザ選択がなされ(S28)、ホーム画面が表示される(S30)。
【0066】
上記の実施の形態では述べなかったが、映像中継装置200のファームウェア520は、バグフィックスなどの目的でマニュアルでアップデートされることもある。その場合は、映像生成装置300の基本ソフトウェア500のアップデートを待たずに、ネットワーク経由でサーバから直接ファームウェアをダウンロードしてアップデートすることになる。また、ヘッドマウントディスプレイ100が正常に動作しないときなどの障害時にはリカバリーメニューを用いて映像中継装置200のファームウェア520を再インストールすることもできる。
【0067】
以上述べたように、本実施の形態のソフトウェアアップデート方法によれば、映像中継装置200のファームウェア520のバージョンが、映像生成装置300の基本ソフトウェア500が要求するファームウェアのバージョンよりも古い場合、映像中継装置200のファームウェア520は、基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510によってアップデートされる。
【0068】
ヘッドマウントディスプレイ100の電源が投入されるまでは映像中継装置200のファームウェア520はアップデートされないため、ヘッドマウントディスプレイ100を利用しないにもかかわらず、映像中継装置200のファームウェア520がアップデートされるまでホーム画面が現れないで待たされるといった事態を避けることができる。
【0069】
また、映像中継装置200のファームウェア520をアップデートする際、映像生成装置300の基本ソフトウェア500に内包されたファームウェア510を用いてアップデートすることができるため、映像中継装置200のファームウェア520のアップデートを高速に行うことができる。ファームウェアの最新版をダウンロードするために映像生成装置300がネットワークに接続されている必要もない。
【0070】
また、映像生成装置300の基本ソフトウェア500のバージョンが、映像中継装置200のファームウェア520が要求する基本ソフトウェアのバージョンよりも古い場合、映像生成装置300の基本ソフトウェア500はネットワークアップデートにより最新のバージョンになる。
【0071】
この場合も、ヘッドマウントディスプレイ100の電源が投入されるまでは映像生成装置300の基本ソフトウェア500はアップデートされないため、ヘッドマウントディスプレイ100を利用しないにもかかわらず、映像生成装置300の基本ソフトウェア500がアップデートされるまで待たされるといった事態を避けることができる。
【0072】
このようにして、本実施の形態によれば、ヘッドマウントディスプレイ100が利用される時点で、映像生成装置300の基本ソフトウェア500と、映像中継装置200のファームウェア520とは互いに要求されたバージョンになることが保証される。基本ソフトウェアのバージョンとファームウェアのバージョンの関係性が規定され、自動的に互いの要求するバージョンにアップデートされるため、ゲームなどのアプリケーション側でヘッドマウントディスプレイ100などの周辺機器のファームウェアのバージョンを指定しなくても、ヘッドマウントディスプレイ100などの周辺機器を常に適切なバーションの基本ソフトウェアおよびファームウェアのもとで利用することができる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0074】
上記の実施の形態では、映像中継装置200のファームウェアをアップデートする方法を説明したが、ヘッドマウントディスプレイ100自身にもファームウェアがインストールされている。ヘッドマウントディスプレイ100のファームウェアは、映像中継装置200のファームウェアに内包されており、映像中継装置200からヘッドマウントディスプレイ100へ提供される。ヘッドマウントディスプレイ100の電源投入時に映像中継装置200のファームウェアがアップデートされたとき、ヘッドマウントディスプレイ100のファームウェアも同時にアップデートされるようにすることができる。
【0075】
また、映像生成装置300の内部に映像中継装置200の機能構成が含まれる場合、映像生成装置300と映像中継装置200とを一体化して「一体型映像生成装置」として扱うことができる。ヘッドマウントディスプレイ100は一体型映像生成装置に直接接続される。そのような場合、ヘッドマウントディスプレイ100のファームウェアのアップデートについて上記の実施の形態で述べたファームウェアアップデート方右方を適用すればよく、ヘッドマウントディスプレイ100の電源投入時に一体型映像生成装置の基本ソフトウェアに内包されたファームウェアによってヘッドマウントディスプレイ100のファームウェアがアップデートされる。
【0076】
上記の実施の形態では、周辺機器としてヘッドマウントディスプレイ100を説明したが、周辺機器はヘッドマウントディスプレイ100以外のものであってもよく、他の周辺機器のファームウェアをアップデートする場合にも上記の実施の形態のファームウェアアップデート方法を適用することができる。