【解決手段】カバースタンド10は、タブレット型PC12の背面を覆う背面カバー部20と、背面カバー部に対して折り曲げ可能に接続され、タブレット型PCの一端部を装着可能な装着部28を有した端面カバー部24とを備える。背面カバー部は、一辺が端面カバー部と折り曲げ可能に接続された第1板状部20aと、一辺が第1板状部の他辺と折り曲げ可能に接続された第2板状部20bと、第1板状部と第2板状部との間を所定の折り曲げ角度に保持可能な角度保持部とを備える。そして、第1板状部と第2板状部との間を角度保持部によって所定の折り曲げ角度に保持し、第2板状部の開放端である後端部をタブレット型PCの背面に当接させることで、タブレット型PCを起立保持するスタンド姿勢に姿勢変化可能である。
電子機器の前面又は背面を覆うカバー部と、該カバー部に対して折り曲げ可能に接続され、前記電子機器の一端部を装着可能な装着部を有した端面カバー部とを備えたカバースタンドであって、
前記カバー部は、一辺が前記端面カバー部と折り曲げ可能に接続された第1板状部と、一辺が前記第1板状部の他辺と折り曲げ可能に接続された第2板状部と、前記第1板状部と前記第2板状部との間を所定の折り曲げ角度に保持可能な角度保持部とを備え、
前記カバー部を前記電子機器の前面又は背面から離間させて前記第1板状部と前記第2板状部との間を前記角度保持部によって所定の折り曲げ角度に保持し、前記第2板状部の開放端である他辺を前記電子機器の背面に当接させることで、前記電子機器を起立保持するスタンド姿勢に姿勢変化可能であることを特徴とするカバースタンド。
請求項1〜6のいずれか1項に記載のカバースタンドと、タッチ操作可能なディスプレイを備えたタブレット型のパーソナルコンピュータである前記電子機器とを備えたことを特徴とするカバースタンド付き電子機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の構成ではスタンド姿勢での安定性を確保するため、カバー部に設けた磁石の吸着力を利用してカバー部の折り畳み形状を保持している。
【0006】
ところが、タブレット型PCやスマートフォン等の電子機器は、一般に電子コンパスやデジタイザ等の磁力の影響を受け易い機器を搭載している。このため、カバースタンドの磁石の配置や使用者の使用状態によっては、これら電子コンパスやデジタイザが磁石による影響を受けて正常に動作しない懸念がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、電子機器に搭載される機器への影響をなくし、電子機器の起立姿勢での安定性を向上させることができるカバースタンド及びカバースタンド付き電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るカバースタンドは、電子機器の前面又は背面を覆うカバー部と、該カバー部に対して折り曲げ可能に接続され、前記電子機器の一端部を装着可能な装着部を有した端面カバー部とを備えたカバースタンドであって、前記カバー部は、一辺が前記端面カバー部と折り曲げ可能に接続された第1板状部と、一辺が前記第1板状部の他辺と折り曲げ可能に接続された第2板状部と、前記第1板状部と前記第2板状部との間を所定の折り曲げ角度に保持可能な角度保持部とを備え、前記カバー部を前記電子機器の前面又は背面から離間させて前記第1板状部と前記第2板状部との間を前記角度保持部によって所定の折り曲げ角度に保持し、前記第2板状部の開放端である他辺を前記電子機器の背面に当接させることで、前記電子機器を起立保持するスタンド姿勢に姿勢変化可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るカバースタンド付き電子機器は、上記構成のカバースタンドと、タッチ操作可能なディスプレイを備えたタブレット型のパーソナルコンピュータである前記電子機器とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、カバー部を構成する第1板状部と第2板状部との間を角度保持部によって所定の折り曲げ角度に保持することでスタンド姿勢に変化し、この状態で、第2板状部の開放端を電子機器の背面に当接させるだけで電子機器を所望の起立姿勢に保持することができる。これにより、カバー部及びこれを構成する角度保持部に磁石を用いることなく、安定したスタンド姿勢を維持することができ、電子機器に搭載された機器に磁力の影響を及ぼすこともない。
【0011】
前記角度保持部は、一辺が前記第1板状部に接続された第1保持板と、一辺が前記第1保持板の他辺と折り曲げ可能に接続され、他辺が前記第2板状部に接続された第2保持板とを備え、前記第1板状部と前記第2板状部との間の折り曲げ線を跨ぐように配置されると共に、前記第1保持板の前記一辺及び前記第2保持板の前記他辺以外の部位が前記第1板状部及び前記第2板状部から離間可能な構成であってもよい。そうすると、角度保持部を第1保持板及び第2保持板からなる簡素な構造とすることができ、部品点数やコストを低減できる。しかも、角度保持部は第1板状部と第2板状部との間の折り曲げ線を跨ぐように配置されるため、第1板状部と第2板状部との間を折り曲げた際は、円滑に且つ確実に角度保持部が山形状に変形し、第1板状部と第2板状部との間の折り曲げ角度を所定角度に保持することができる。
【0012】
前記第2板状部の前記電子機器の背面に当接する前記他辺の端面には、滑り止め部材又は滑り止め加工が設けられていてもよい。そうすると、第2板状部の開放端である他辺を電子機器の背面に対してより安定して当接支持させておくことができる。
【0013】
前記角度保持部は、前記スタンド姿勢での前記電子機器の背面に対する前記第2板状部の当接角度が略直角となるように、前記第1板状部と前記第2板状部との間の折り曲げ角度を規定する構成であってもよい。そうすると、第2板状部による電子機器の支持が一層安定する。なお、前記電子機器の背面に対する前記第2板状部の他辺の当接角度が略直角であるとは、電子機器の背面に対して第2板状部が直角に当接した状態以外にも、直角を基準としてある程度の前後の角度範囲も含む概念である。
【0014】
前記カバー部は、前記電子機器の背面を覆う背面カバー部であり、前記端面カバー部の前記背面カバー部に対する接続側とは反対側の辺に接続され、前記電子機器の前面を覆う前面カバー部を備え、前記背面カバー部と前記前面カバー部とを前記端面カバー部を介して二つ折りに折り畳むことで内側に前記電子機器を収納する収納姿勢と、前記前面カバー部から前記電子機器を離間させると共に、前記第1板状部と前記第2板状部との間を前記角度保持部を介して所定の折り曲げ角度に保持して前記電子機器を起立保持するスタンド姿勢とに姿勢変化可能な構成であってもよい。
【0015】
前記前面カバー部の内面には、前記電子機器と通信可能なキーボード装置が設けられていてもよい。そうすると、起立保持した電子機器の入力手段として前面カバー部の内面に設けたキーボード装置を利用できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カバー部及びこれを構成する角度保持部に磁石を用いることなく、安定したスタンド姿勢を維持することができ、電子機器に搭載された機器に磁力の影響を及ぼすこともない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るカバースタンド及びカバースタンド付き電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るカバースタンド10を用いてタブレット型PC12を起立保持した状態(スタンド姿勢)を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示すカバースタンド10及びタブレット型PC12を背面側から見た斜視図である。
図3は、
図1に示すカバースタンド10からタブレット型PC12を外した状態を示す要部拡大斜視図であり、
図4は、カバースタンド10を開いた状態で内面側から見た要部拡大平面図である。また、
図5は、カバースタンド10を折り畳み、タブレット型PC12を内側に収納した状態(収納姿勢)を示す側面図である。
【0020】
本実施形態に係るカバースタンド10は、タブレット型PC12を机の上や椅子に座った使用者の膝の上等の設置面上で複数の傾斜角度で立てることができるスタンドとしての機能と、タブレット型PC12を収納して持ち運ぶためのカバーケースとしての機能とを備える。カバースタンド10の使用対象としては、タブレット型PC12以外の電子機器、例えば携帯電話、スマートフォン又は電子手帳等も挙げられる。
【0021】
タブレット型PC12は、タッチ操作可能なタッチパネル式の液晶表示部であるディスプレイ12aを備え、内部に基板、演算装置及びメモリ等の各種電子部品(図示せず)を収納した一般に公知のものである。タブレット型PC12の上端側には、例えば電子コンパス等の磁力の影響を受け易い機器12bが搭載される場合がある(
図1参照)。また、ディスプレイ12aにはデジタイザが搭載される場合がある。
【0022】
カバースタンド10は、
図5に示す収納姿勢でタブレット型PC12を内側に収納するように二つ折りに折り畳まれるカバー部材14と、カバー部材14の内側に設けられたベースプレート16とを備える。
【0023】
以下、
図1に示すようにタブレット型PC12を起立保持したスタンド姿勢での使用形態を基準とし、タブレット型PC12を使用する使用者から見た方向で、手前側を前側(前方)、奥側を後側(後方)と呼び、タブレット型PC12の起立方向を上下方向、幅方向を左右方向と呼んで説明する。
【0024】
図1、
図2及び
図5に示すように、カバー部材14は、当該カバースタンド10の外表面を形成するものであり、タブレット型PC12の背面を覆う背面カバー部(カバー部)20と、
図5に示す収納姿勢でタブレット型PC12の前面を覆う前面カバー部22と、背面カバー部20と前面カバー部22との間を折り曲げ可能に接続し、
図5に示す収納姿勢でタブレット型PC12の一端面を覆う端面カバー部24とを有する。
【0025】
前面カバー部22は、タブレット型PC12の前面を覆うことができる薄板状のカバーであり、平面視で収納するタブレット型PC12よりも前後方向に多少長い外形を有した矩形形状である(
図5参照)。前面カバー部22は、その内面に薄板状のベースプレート16が固着されることで2層構造となっている。前面カバー部22は、カバースタンド10を用いてタブレット型PC12を使用する場合に、机や膝の上等に載置される底面板となる部位である。ベースプレート16の上面にはキーボード装置26が配設されると共に、キーボード装置26の手前側にはタッチパッド27が配設されている。
【0026】
端面カバー部24は、
図5に示すようにタブレット型PC12を内側にして背面カバー部20と前面カバー部22とを二つ折りに折り畳んで収納姿勢とした場合に、ベースプレート16及びタブレット型PC12の後端面を厚み方向に覆う背表紙となる部分である。従って、端面カバー部24は、タブレット型PC12及びベースプレート16の合計厚み以上の幅を有する。端面カバー部24は、前面カバー部22との間の境界部分に左右横方向に延在する折り曲げ線A1が形成され、背面カバー部20との間の境界部分に左右横方向に延在する折り曲げ線A2が形成されている。
【0027】
端面カバー部24の内面には、左右横方向に延在した装着部28が設けられている。装着部28は、タブレット型PC12の下端面と比較して僅かに短い長さ寸法及び略同一の奥行きを有し、端面カバー部24の内面から後方斜め上方に向かって傾斜しながら突出した台形状の部材である。装着部28には、タブレット型PC12の下端面に形成された図示しない凹部と係合可能な図示しない凸形状のフック部材、或いはタブレット型PC12の下端面に対して吸着可能な図示しない磁石が設けられている。これら係合構造及び(又は)吸着構造により、タブレット型PC12を装着部28に対して着脱することができる。
【0028】
なお、装着部28に磁石を搭載した構造であっても、例えば電子コンパス等の機器12bはタブレット型PC12の上端側に設けられているため、該磁石の影響が及ぶことはない。また、ディスプレイ12aにはデジタイザが搭載されている場合であっても、デジタイザと装着部28との間には一定のスペースが設けられるため、該磁石の影響が及ぶことはない。
【0029】
このような装着部28を有することで、当該カバースタンド10のスタンド姿勢において、タブレット型PC12は水平姿勢となった端面カバー部24の上面から後方に所定角度、例えば
図5に示す収納姿勢を0度とした場合に100度〜150度程度の起立姿勢となるように設定されている(
図1、
図2及び
図7参照)。また収納姿勢において、タブレット型PC12は装着部28に装着された状態のままで、水平姿勢となった背面カバー部20及び前面カバー部22と共に水平姿勢となる(
図5参照)。
【0030】
背面カバー部20は、タブレット型PC12の背面を覆うことができる薄板状のカバーであり、平面視で収納するタブレット型PC12と略同一の外形を有した矩形形状である(
図5参照)。
図5に示す収納姿勢において、背面カバー部20はタブレット型PC12及びベースプレート16(キーボード装置26)を挟んで前面カバー部22と重なるように配置される。
【0031】
背面カバー部20は、前縁部(一辺)が折り曲げ線A1を介して端面カバー部24の後縁部と折り曲げ可能に接続された第1板状部20aと、前縁部(一辺)が折り曲げ線A3を介して第1板状部20aの後縁部(他辺)と折り曲げ可能に接続された第2板状部20bとを備える。折り曲げ線A3は、第1板状部20aと第2板状部20bの間の境界部分に左右横方向に延在するように形成されている。背面カバー部20には、さらに第1板状部20aと第2板状部20bとの間を所定の折り曲げ角度に保持する角度保持部30が備えられている。
【0032】
第2板状部20bの開放端となる後縁部(他辺)31の端面には、ゴム材料等で形成された滑り止め部材32が長手方向に延在するように設けられている(
図3参照)。滑り止め部材32は、
図1及び
図2に示すスタンド姿勢でタブレット型PC12の背面に当接し、これを支持する部分である(
図7も参照)。滑り止め部材32に代えて第2板状部20bの後端部31の端面に直接的に凹凸形状等の滑り止め加工を設けてもよい。また、第2板状部20bの表面材質が所定の滑り止め性能を有している場合等には、滑り止め部材32や滑り止め加工を省略し、後端部31を直接的にタブレット型PC12の背面に当接させてもよい。本実施形態に係るカバースタンド10では、角度保持部30によってそのスタンド姿勢での角度位置が保持されるため、この第2板状部20bの端面に磁石等の吸着手段を設けなくてもタブレット型PC12を安定して支持することができる。
【0033】
図3及び
図4に示すように、角度保持部30は、第1板状部20aと第2板状部20bとの間の折り曲げ線A3を跨ぐように配設されており、第1板状部20a及び第2板状部20bより小型の板状部材である。
【0034】
角度保持部30は、前端部(一辺)が第1板状部20aの内面に接続された第1保持板30aと、前端部(一辺)が折り曲げ線B1を介して第1保持板30aの後端部(他辺)と折り曲げ可能に接続され、後端部(他辺)が第2板状部20bの内面に接続された第2保持板30bとを備える。角度保持部30は、第1保持板30aと第1板状部20aとの間の接続部に左右横方向に延在する折り曲げ線B2が形成され、第2保持板30bと第2板状部20bとの間の接続部に左右横方向に延在する折り曲げ線B3が形成されている。これにより、角度保持部30は、第1保持板30aの前端部(折り曲げ線B2)及び第2保持板30bの後端部(折り曲げ線B3)以外の部位が第1板状部20a及び第2板状部20bから離間可能となっている(
図3、
図6及び
図7参照)。
【0035】
本実施形態の場合、角度保持部30は、第1板状部20a及び第2板状部20bを形成する表面材の折り曲げ線B2,B3となる部分以外の部位を矩形状に切り抜いて形成している(
図3及び
図4に示す切抜部20c参照)。このため、
図5に示す収納姿勢において、角度保持部30は、第1板状部20a及び第2板状部20bの内面の一部を形成するように収容配置され、背面カバー部20の板厚増加に対する影響はない。勿論、背面カバー部20の板厚増加を考慮する必要がない場合等には、角度保持部30を第1板状部20a及び第2板状部20bの内面の上から取り付ける構造としてもよい。
【0036】
このようなカバー部材14は、前面カバー部22から端面カバー部24を経て背面カバー部20まで一体的に延在形成されることで当該カバースタンド10の外表面を形成する。カバー部材14の材質としては、例えばガラスエポキシ樹脂やポリカーボネイト、カーボン等からなる薄い平板を芯材とし、その周囲を皮革や人工皮革、布等で囲繞したものが用いられる。また角度保持部30は、例えば背面カバー部20の内面を形成する皮革や布等の内側に上記したような薄い平板の芯材を設けたもので構成される。
【0037】
図1、
図2及び
図5に示すように、ベースプレート16は、剛性の高い樹脂材料や金属材料の板状部材を用いて構成され、前面カバー部22の内面に固着される。このベースプレート16の上面に露出するように配設されるキーボード装置26は、無線又は有線によりタブレット型PC12と接続され、タブレット型PC12を操作するためのキーボードとして利用できる。
【0038】
次に、以上のように構成されるカバースタンド10を
図5に示す収納姿勢から
図7に示すスタンド姿勢へと姿勢変化させる方法を説明する。
【0039】
図6は、
図5に示す収納姿勢から背面カバー部22及びタブレット型PC12を開き操作し、カバースタンド10をスタンド姿勢へと姿勢変化させる状態を示す側面図であり、
図7は、
図6に示す状態から背面カバー部22の第1板状部20aと第2板状部20bとの間を折り曲げ、カバースタンド10をスタンド姿勢とした状態を示す側面図である。
【0040】
先ず、カバースタンド10は、
図5に示す収納姿勢では、装着部28にタブレット型PC12が保持された状態で背面カバー部20及び前面カバー部22が折り曲げ線A1,A2を介して二つ折りに折り畳まれている。これにより、タブレット型PC12は、その一端面が端面カバー部24によって覆われ、背面が背面カバー部20によって覆われ、前面がベースプレート16を介して前面カバー部22によって覆われている。このため、使用者はブックカバーのようにしてカバースタンド10でタブレット型PC12を保護した状態で持ち運ぶことができる。
【0041】
次に、収納姿勢にあるカバースタンド10をスタンド姿勢に変形させ、タブレット型PC12を起立姿勢に保持する場合は、前面カバー部22を机の上や膝の上等に載置し、端面カバー部24の折り曲げ線A1,A2を介して背面カバー部20を後方へと開いて机の上等に寝かせる。その後に或いは略同時に、
図6に示すように折り曲げ線A3を介して背面カバー部20の第1板状部20aと第2板状部20bとの間を折り曲げ、第1板状部20aを机の上等に寝かせた状態のまま、第2板状部20bの開放端を上方へと持ち上げるように手前側へと折り返す。
【0042】
この第2板状部20bの折り返し動作に伴い、
図6に示すように角度保持部30の第1板状部20a及び第2板状部20bは、折り曲げ線B2,B3を介して第1保持板30a及び第2保持板30bがそれぞれ第1板状部20a及び第2板状部20bから離間するように持ち上がる。同時に折り曲げ線B1を介して第1保持板30aと第2保持板30bとの間が山形状に折れ曲がる。
【0043】
そうすると角度保持部30は、
図3及び
図7に示すように第1保持板30aと第2保持板30bとの間が折り曲げ線B1を介して略直角に折れ曲がった山形状となり、第2保持板30bの表面で第2板状部20bの内面を受け止めた状態で安定する。その結果、第1板状部20aと第2板状部20bとの間が所定の折り曲げ角度に保持される。そこで、折り曲げ線A1によって机の上等に開かれた端面カバー部24の装着部28によって後傾に立たされたタブレット型PC12の背面に対し、第2板状部20bの開放端である後端部31(滑り止め部材32)を当接させる。これにより、カバースタンド10は、タブレット型PC12を後傾の起立姿勢で所定角度に保持するスタンド姿勢となる(
図1、
図2及び
図7参照)。
【0044】
本実施形態の場合、角度保持部30は、
図7に示すスタンド姿勢でのタブレット型PC12の背面に対する第2板状部20bの当接角度が略直角となるように、第1板状部20aと第2板状部20bとの間の折り曲げ角度を規定するように設定されているため、タブレット型PC12をより安定して保持することができる。なお、タブレット型PC12の背面に対する第2板状部20bの当接角度が略直角とは、タブレット型PC12の背面に対して第2板状部20bが直角に当接した状態以外にも、直角を基準としてある程度の前後の角度範囲、例えば80度〜100度程度も含む概念であり、要は第2板状部20bでタブレット型PC12の背面を安定した保持できる状態となればよい。
【0045】
次に、カバースタンド10を
図7に示すスタンド姿勢にある状態から
図5に示す収納姿勢に変化させる場合には、背面カバー部20の第2板状部20bを折り曲げ線A3を介して開いてタブレット型PC12の背面から離間させ、背面カバー部20を端面カバー部24と共に手前側に折り畳む。これにより、再びカバー部材14が端面カバー部24によって二つ折りに折り畳まれて内側にタブレット型PC12を収納した収納姿勢となる。
【0046】
以上のように、本実施形態に係るカバースタンド10は、電子機器であるタブレット型PC12の背面を覆う背面カバー部20と、背面カバー部20に対して折り曲げ可能に接続され、タブレット型PC12の一端部を装着可能な装着部28を有した端面カバー部24とを備えて構成され、背面カバー部20は、一辺が端面カバー部24と折り曲げ可能に接続された第1板状部20aと、一辺が第1板状部20aの他辺と折り曲げ可能に接続された第2板状部20bと、第1板状部20aと第2板状部20bとの間を所定の折り曲げ角度に保持可能な角度保持部30とを備える。そして、背面カバー部20をタブレット型PC12の背面から離間させて第1板状部20aと第2板状部20bとの間を角度保持部30によって所定の折り曲げ角度に保持し、第2板状部20bの開放端である後端部31をタブレット型PC12の背面に当接させることで、タブレット型PC12を起立保持するスタンド姿勢に姿勢変化可能とされている。
【0047】
このようにカバースタンド10では、背面カバー部20を構成する第1板状部20aと第2板状部20bとの間を角度保持部30によって所定の折り曲げ角度に保持することでスタンド姿勢に変化し、この状態で、第2板状部20bの開放端である後端部31をタブレット型PC12の背面に当接させるだけでタブレット型PC12を所望の起立姿勢に保持することができる。これにより、背面カバー部20及びこれを構成する角度保持部30に磁石を用いることなく、安定したスタンド姿勢を維持することができ、
図1や
図7に示すスタンド姿勢においてタブレット型PC12に搭載された機器12bやデジタイザ(図示せず)等に影響を及ぼすこともない。
【0048】
しかも、カバースタンド10は背面カバー部20に磁石を用いていないため、例えば背面カバー部20でタブレット型PC12の背面を覆った状態のまま、前面カバー部22のみを開いてタブレット型PC12を使用する形態であっても機器12b等への影響が出ることは勿論ない。
【0049】
また当該カバースタンド10では、タブレット型PC12の下端面を端面カバー部24の装着部28に装着した状態のままで収納姿勢からスタンド姿勢へと変化させることができる。これにより姿勢変化が容易であるだけでなく、前面カバー部22の上面に前後方向のスペースを大きく確保できる。このため、キーボード装置26として十分なキー数やキーピッチを有するものを用いることができ、さらにその手前にタッチパッド27やパームレストを容易に設置できるという利点がある。
【0050】
角度保持部30は、一辺が第1板状部20aに接続された第1保持板30aと、一辺が第1保持板30aの他辺と折り曲げ可能に接続され、他辺が第2板状部20bに接続された第2保持板30bとを備える。そして、角度保持部30は、第1板状部20aと第2板状部20bとの間の折り曲げ線A3を跨ぐように配置されると共に、第1保持板30aの一辺及び第2保持板30bの他辺以外の部位が第1板状部20a及び第2板状部20bから離間可能である。これにより、角度保持部30を第1保持板30a及び第2保持板30bからなる簡素な構造とすることができ、部品点数やコストを低減できる。しかも、折り曲げ線A3によって背面カバー部20の第1板状部20aと第2板状部20bとの間を折り曲げた際は、円滑に且つ確実に角度保持部30が山形状に変形するため(
図6及び
図7参照)、第1板状部20aと第2板状部20bとの間の折り曲げ角度を所定角度に保持することができる。
【0051】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0052】
例えば上記実施形態では、前面カバー部22にキーボード装置26やタッチパッド27を設けた構成を例示したが、キーボード装置26等を省略して前面カバー部22を単にタブレット型PC12の前面を覆うものとして構成してもよい。また、前面カバー部22は省略してもよい。
【0053】
上記実施形態では、背面カバー部20を第1板状部20a及び第2板状部20bで構成し、これら第1板状部20a及び第2板状部20b間に亘って角度保持部30を設けた構成を例示した。これに対し、前面カバー部22に第1板状部20a、第2板状部20b及び角度保持部30と同様な構成を設ける一方、背面カバー部20を省略し、前面カバー部22を折り曲げ線A1,A2によってタブレット型PC12の背面側に折り返し、角度保持部を介してスタンド姿勢を構築する構成としてもよい。