技術分野
高周波の電気信号の伝送に適した同軸コネクタに関する。具体的には、同軸コネクタを基板に実装した際に生じるインピーダンス整合の乱れを低減する構造を備える同軸コネクタ
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】従来の同軸コネクタでは、実装の際にディップ端子に付ける半田量の違い、同軸コネクタを実装する基板の厚みの違いによって、同軸コネクタと基板とのインピーダンス整合が乱れ、高周波信号の反射特性が悪化する等の問題があった。 【解決手段】外部導体と、一方の端部に相手側コネクタの中心端子と接続するための接触部を備え、他方の端部に基板の配線に接続するための実装部を備える中心端子と、該中心端子を保持して前記外部導体に収容される絶縁体とを含む同軸コネクタであって、実装部の少なくとも端面を含む先端部分を基板に対して垂直になるように構成し、先端部分を除いた実装部の一部分に、半田バリア部を形成することで、実装部の先端部分よりも接触部側に付けられる半田の吸い上がりを防止して、半田量及び基板厚に影響を受けないインピーダンス整合の調整が容易に可能な同軸コネクタを提供する。 【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
近年、音響・映像(AV)機器等の電子機器に搭載されたデータ処理装置の能力が向上し、電子機器において膨大なデータを処理できるようになった。それに伴って、大量のデータが電子機器間を送受信されるようになった。例えば、デジタルテレビ放送用のテレビ、カメラ及び編集機器等の機器間を送受信されるデータでは、従来のフルハイビジョンテレビのデータ転送速度は3Gbpsであったが、2011年頃から登場した4Kテレビのデータ量は大幅に増加するので、データ転送速度を6Gbpsや12Gbpsに高めることが検討されている。
そのためには、同軸コネクタ及び同軸ケーブルは、従来よりも高い周波数の電気信号を伝送しなければならず、特に、電子機器と同軸ケーブルを接続する同軸コネクタにおける、高周波の信号の反射特性等による損失を抑えるために、同軸コネクタ自体のインピーダンス整合を行う必要がある。同軸コネクタ自体に生じるインピーダンスは、同軸コネクタを構成する中心端子と外部導体との間の距離等に依存して変化する。
したがって、同軸コネクタのインピーダンス整合をとるためには、中心端子と外部導体の距離を可能な限り一定に保つ必要がある。しかしながら、上述したような従来型の同軸コネクタでは、中心端子の実装部は外部導体の外側にあるので、実装先の基板を考慮してインピーダンス整合を調整しなければならない。そのため、同軸コネクタの中心端子の実装部を基板に実装する際に使用する半田の量や基板の厚さの違いによって、インピーダンスにばらつきが生じ、インピーダンス整合をとることが非常に困難になるという課題が生じる。
例えば、図11に示すような、中心端子の実装部93(ディップ端子)を備える同軸コネクタ90では、実装の際にディップ端子に付ける半田の量の違い、同軸コネクタを実装する基板の厚さの違いによって、同軸コネクタ90と基板100とのインピーダンス整合が乱れ、高周波信号の反射特性が悪化するという問題が生じ得る。ディップ端子への半田付けは、端子の周囲に半田のフィレットを形成することになるので、端子と外部導体の距離を常に一定することはできず、同じ型の同軸コネクタでも、基板に実装した際に、半田量よってインピーダンス整合等の特性に、ばらつきが生じる。
また、ディップ端子を差し込む基板の厚みに違いがあると基板内に隠れたディップ端子の長さと基板から露出したディップ端子の長さが異なることによる影響や、基板内層の銅箔の影響を考慮してインピーダンス整合をとる必要があり、同じ型の同軸コネクタであってもそれぞれの基板に対する特性のばらつきを抑えることは困難である。
図12は、図11に示すような従来型の同軸コネクタを用いて、半田量の違いによる反射特性の差(図12(a))及び、基板厚の違いによる反射特性の差(図12(b))を示すグラフである。グラフの縦軸は、電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)であり、高周波の伝送線路上の進行波と反射波の関係を表す値である。電圧定在波比が1に近いほど性能が良くインピーダンス整合がとれていることを示す。一般的には、この比が1.4以内であれば許容範囲内である。グラフの横軸は、同軸コネクタを伝送する信号の周波数を表す。
図12(a)は、基板厚tが1.6mmの基板に半田の量を多くして実装した同軸コネクタに伝送させる信号の周波数を変化させて測定した電圧定在波比の変化を表すグラフと、基板厚tが1.6mmの基板に半田の量を少なくして基板に実装した同軸コネクタに対して、信号の周波数を変化させて測定した電圧定在波比の変化を表すグラフを示す。図12(b)は、半田の量を一定にし、基板厚tが0.8mm、1.0mm及び1.6mmの基板にそれぞれ実装した同軸コネクタに対して、信号の周波数を変化させて測定した電圧定在波比の変化を表す各グラフを示す。
図12(a)及び(b)に示されるグラフから明らかなように、半田量の違い及び基板厚の違いによって、基板に実装された同軸コネクタの特性(電圧定在波比)に大きなばらつきが生じる。このばらつきが、同軸コネクタを基板に実装する際に、インピーダンス整合の調整をより困難なものにする。
以上のような課題を解決するために、外部導体と、一方の端部に相手側コネクタの中心端子と接続するための接触部を備え、他方の端部に基板の配線に接続するための実装部を備える中心端子と、該中心端子を保持して前記外部導体に収容される絶縁体とを含む同軸コネクタであって、実装部の少なくとも先端部分を基板に対して垂直になるように構成し、先端部分を除いた実装部の一部分に、ニッケルバリア部等の半田バリア部を形成することで、実装部の先端部分に付けられる半田の吸い上がりを防止し、さらに、実装部の先端部分の幅を狭くする(断面積を狭くする)こと、又は、絶縁体で支持される実装部と当該絶縁体との隙間を該絶縁体の突起部で狭くすることで、先端部分に半田を付けた際にフィレットが形成されても、先端部分の周囲に半田を留めて、実装部の幅の範囲内に半田を収めることができ、結果として、半田量及び基板厚に影響を受けず、かつ、外部導体と中心端子の距離を一定に保つことができ、インピーダンス整合の調整が容易に可能な同軸コネクタを提供する。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明に係る同軸コネクタの1つの実施形態として、同軸コネクタは、
外部導体と、中心端子と、該中心端子を保持して前記外部導体に配される絶縁体とを含み、
前記外部導体は、相手側コネクタと接続するための嵌合部と、基板に実装するための基部を含み、
前記中心端子は、一方の端部に相手側コネクタと接続するための接触部を備え、他方の端部に基板の配線に接続するための実装部を備え、
前記実装部は・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明に係る同軸コネクタは、中心端子の実装部を基板に対して垂直に接触するように構成したことで、基板厚の違いに関係なくインピーダンスの調整を容易に行うことができる。また、中心端子の実装部の先端部分の幅を狭くする(断面積を小さくする)こと、又は、絶縁体で支持される実装部と当該絶縁体との隙間を該絶縁体の突起部で狭くすることで、実装部の先端部分に半田を付けた際にフィレットが形成されても、実装部の先端部分の周囲に半田を留めて、実装部及びその先端部分の断面積の変化を抑えることができるので、半田の量を容易にコントロールすることができ、半田量の違いによるインピーダンスのばらつきを抑えることができる。さらに、実装部の先端部分を除いた部分に、半田に対して低濡れ性の領域、すなわち、半田バリア部を形成したことで、実装部の先端部分に付けられる半田の吸い上がりを防止することができるので、と同様に、半田の量を容易にコントロールすることができ、半田量の違いによるインピーダンスのばらつきを抑えることができる。
の構成を備える、本発明に係る同軸コネクタは、基板厚の違い及び半田量の違いによって生じるインピーダンスの変化を十分に抑えることができるので、インピーダンス整合を乱すことなく同軸コネクタを基板に容易に実装することができる。
また、本発明に係る同軸コネクタは、絶縁体に設けられた先端支持部及び後端支持部によって、中心端子の接触部又はその近傍部分、及び、実装部又はその近傍部分の2か所のみを支持し、中心端子のその他の部分の周囲に空間を設けることで、その他の部分は何にも接触することないため、絶縁体との接触によるインピーダンスの乱れを予め防止し、中心端子の周囲の状態をほぼ一定の状態に保つことができる。これにより、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。同様に、外部導体内に、中心端子の中間部の周囲を取り囲み、中間部と平行に延びた、絶縁体を支持する絶縁体支持部を設けることで、外部導体の絶縁体支持部と中心端子間の距離も一定に保つことができ、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。
このように、本発明に係る同軸コネクタは、インピーダンスの調整を容易に行うことができるため、同軸コネクタ自体のインピーダンス整合を安定させることができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の一同軸コネクタの部品構成を示す分解図である。
【図2】 基板に実装された本発明の一同軸コネクタを示す図である。
【図3】 基板に実装された本発明の一同軸コネクタを、A−A線に沿って切断した断面図である。
【図4】 基板に実装された本発明の一同軸コネクタを、それぞれB−B線、C−C線、D−D線及びE−E線に沿って切断した断面図である。
【図5】 本発明の別の同軸コネクタの部品構成を示す分解図である。
【図6】 基板に実装された本発明の別の同軸コネクタを示す図である。
【図7】 基板に実装された本発明の別の同軸コネクタの背面図である。
【図8】 基板に実装された本発明の別の同軸コネクタを、A−A線に沿って切断した断面図である。
【図9】 基板に実装された本発明の別の同軸コネクタを、それぞれB−B線、C−C線、D−D線及びE−E線に沿って切断した断面図である。
【図10】 半田量の違いと基板厚の違いによって生じる本発明の一同軸コネクタの特性の変化を表すグラフである。
【図11】 基板に実装された従来型の同軸コネクタの一例を示す図である。
【図12】 半田量の違いと基板厚の違いによって生じる従来型の同軸コネクタの特性の変化を表すグラフである。
10 同軸コネクタ
11 外部導体
12 嵌合部
13 基部
14 実装脚
15 絶縁体収容部
16 端子収容部
17 平面部
18 絶縁体支持部
19 開口部
20 中心端子
21 接触部
22 実装部
23 開口部
24 半田バリア部
30 絶縁体
31 先端支持部
32 後端支持部
40 基板
41 プリント配線
42 パッド
50 同軸コネクタ
51 外部導体
52 嵌合部
53 基部
54 実装脚
55 絶縁体収容部
56 段状部
60 中心端子
61 接触部
62 実装部
63 傾斜部
64 半田バリア部
70 絶縁体
71 先端支持部
72 後端支持部
73 支持腕
74 突起部
80 基板
81 プリント配線
82 パッド
90 同軸コネクタ
91 外部導体
92 実装脚
93 実装部
100 基板
101 プリント配線
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