(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-201296(P2016-201296A)
(43)【公開日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20161104BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-81576(P2015-81576)
(22)【出願日】2015年4月13日
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】太田 弦
【テーマコード(参考)】
5E123
【Fターム(参考)】
5E123AB30
5E123AB45
5E123AB76
5E123AC25
5E123BA07
5E123BB01
5E123BB05
5E123CD01
5E123DB09
5E123DB11
5E123DB33
5E123DB36
5E123EA02
(57)【要約】
【課題】ハウジングに保持された複数のコンタクトのうちの一部が基板に対して電気的に接続されていない状態が発生することを抑制できる表面実装型のコネクタを提供する。
【解決手段】複数のコンタクト11は、基板100に対して電気的に接続される接続部11aをそれぞれ有する。ハウジング12は、複数のコンタクト11を整列した状態で保持する。熱硬化性接着剤14は、加熱されて硬化する前の状態でハウジング12に付着して配置され、コネクタ1が基板100に実装されて加熱されることで、硬化して体積が収縮する。熱硬化性接着剤14は、基板100の表面100aに対向するハウジング12の底面12bにおいて、底面12bの少なくとも一部に付着した状態で配置されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に実装されるコネクタであって、
前記基板に対して電気的に接続される接続部をそれぞれ有する複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトが整列した状態で当該複数のコンタクトを保持するハウジングと、
加熱されて硬化する前の状態で前記ハウジングに付着して配置され、当該コネクタが前記基板に実装されて加熱されることで、硬化して体積が収縮する熱硬化性接着剤と、
を備え、
前記熱硬化性接着剤は、前記基板の表面に対向する前記ハウジングの底面において、当該底面の少なくとも一部に付着した状態で配置されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記熱硬化性接着剤は、加熱されて硬化する前の状態の熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記熱硬化性接着剤は、当該コネクタにおいて前記複数のコンタクトが並んで配置される方向であるコネクタ幅方向に亘って、前記ハウジングの底面に付着して配置されていることを特徴とする、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面に実装されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板が他の基板或いはフラットケーブル等と電気的に接続される際には、基板の表面に実装されるコネクタが用いられている。このような表面実装型のコネクタとして、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に開示されたコネクタは、複数のコンタクト(複数の第1プラグ端子121、複数の第2プラグ端子122)と、複数のコンタクトを保持するハウジング(プラグ絶縁体311)と、を備えている。複数のコンタクトは、整列した状態でハウジングに保持されている。そして、複数のコンタクトは、基板に対して電気的に接続される接続部(外部接続端子121c、外部接続端子122c)をそれぞれ有している。
【0004】
また、ハウジングには、基板に対向するハウジングの底面(基板載置面123b’’)に複数のL型突起が設けられている。L型突起は、基板を貫通するように設けられ、その先端側にフックが設けられている。特許文献1のコネクタは、L型突起が基板を貫通してL型突起の先端のフックが基板に係合することで、基板に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−26107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたコネクタは、L型突起が基板を貫通してL型突起の先端のフックが基板に係合することで、基板に固定される。このようにコネクタが基板に固定されることで、複数のコンタクトの各接続部が基板に接触して電気的に接続されることになる。
【0007】
しかし、整列した状態でハウジングに保持される複数のコンタクトは、必ずしもハウジングに対して全く同じ状態で保持されているとは限らず、通常、ある程度のばらつきがある。即ち、全てのコンタクトにおいて、ハウジングに対して保持されている姿勢或いはハウジングに保持された状態での基板に対する相対位置が、全く同じとは限らず、通常、それらには、ある程度のばらつきがある。このため、特許文献1のコネクタによると、上記のばらつきの程度によっては、ハウジングに保持された複数のコンタクトのうちの一部のコンタクトにおいて、接続部が基板に接触していない状態が発生し、その一部のコンタクトが基板に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまう虞がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、ハウジングに保持された複数のコンタクトのうちの一部のコンタクトが基板に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまうことを抑制することができる表面実装型のコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係るコネクタは、基板の表面に実装されるコネクタであって、前記基板に対して電気的に接続される接続部をそれぞれ有する複数のコンタクトと、前記複数のコンタクトが整列した状態で当該複数のコンタクトを保持するハウジングと、加熱されて硬化する前の状態で前記ハウジングに付着して配置され、当該コネクタが前記基板に実装されて加熱されることで、硬化して体積が収縮する熱硬化性接着剤と、を備え、前記熱硬化性接着剤は、前記基板の表面に対向する前記ハウジングの底面において、当該底面の少なくとも一部に付着した状態で配置されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によると、コネクタが実装される際、コネクタは、ハウジングの底面に配置された熱硬化性接着剤によって基板の表面に接着され、基板の表面に実装される。そして、コネクタが基板の表面に接着されて実装された状態で、コネクタ及び基板にリフロー炉等の加熱処理設備を用いた加熱処理が施されることで、ハウジングの底面と基板の表面とを接着している熱硬化性接着剤が硬化し、その体積が収縮する。これにより、基板の表面に接着されたハウジングの底面が基板の表面に向かって押し付けられるように変位する。これに伴い、基板の表面に接触して電気的に接続される複数のコンタクトの接続部も、基板の表面に対して押し付けられることになる。このため、複数のコンタクトにおいて、ハウジングに対して保持されている姿勢或いはハウジングに保持された状態での基板に対する相対位置にばらつきがあっても、各接続部が基板の表面に対してより強固に押し付けられる。これにより、全てのコンタクトの接続部を容易に基板に接触させることができる。よって、複数のコンタクトのうちの一部のコンタクトにおいて接続部が基板に接触していない状態が発生することを抑制でき、その一部のコンタクトが基板に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまうことを抑制することができる。
【0011】
従って、上記の構成によると、ハウジングに保持された複数のコンタクトのうちの一部のコンタクトが基板に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまうことを抑制することができる表面実装型のコネクタを提供することができる。
【0012】
(2)前記熱硬化性接着剤は、加熱されて硬化する前の状態の熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0013】
この構成によると、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性接着剤をハウジングの底面に塗布した簡素な構造により、複数のコンタクトのうちの一部が基板に対して電気的に接続されていない状態が発生することを抑制できる表面実装型のコネクタを構成することができる。
【0014】
(3)前記熱硬化性接着剤は、当該コネクタにおいて前記複数のコンタクトが並んで配置される方向であるコネクタ幅方向に亘って、前記ハウジングの底面に付着して配置されていることが好ましい。
【0015】
この構成によると、熱硬化性接着剤が、ハウジングの底面においてコネクタ幅方向に亘って配置される。このため、コネクタが基板の表面に実装されて加熱処理が施された際、コネクタ幅方向に並んだ複数のコンタクトの各接続部を基板の表面に対してより強固に押し付けることができる。これにより、複数のコンタクトのうちの一部が基板に対して電気的に接続されていない状態が発生することを更に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ハウジングに保持された複数のコンタクトのうちの一部のコンタクトが基板に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまうことを抑制することができる表面実装型のコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るコネクタの斜視図であって、コネクタが実装される基板とともに示す図である。
【
図4】コネクタの斜視図であって、コネクタを底面側から見た状態を示す図である。
【
図5】コネクタの斜視図であって、コネクタを
図4とは異なる方向から見た状態を示す図である。
【
図7】コネクタが基板の表面に実装された状態のコネクタ及び基板の斜視図であって、加熱処理が行われる前の状態を示す図である。
【
図8】コネクタが基板の表面に実装された状態のコネクタ及び基板の側面図であって、加熱処理が行われる前の状態を示す図である。
【
図9】コネクタが基板の表面に実装された状態のコネクタ及び基板の斜視図であって、加熱処理が行われた後の状態を示す図である。
【
図10】コネクタが基板の表面に実装された状態のコネクタ及び基板の側面図であって、加熱処理が行われた後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、基板の表面に実装される表面実装型のコネクタとして、種々の用途に広く適用することができるものである。
【0019】
[コネクタの概略]
図1は、本発明の一実施の形態に係るコネクタ1の斜視図であって、コネクタ1が実装される基板100とともに示す図である。
図2は、コネクタ1及び基板100の正面図である。
図3は、コネクタ1及び基板100の側面図である。
図4は、コネクタ1の斜視図であって、コネクタ1を底面側から見た状態を示す図である。
図5は、コネクタ1の斜視図であって、コネクタ1を
図4とは異なる方向から見た状態を示す図である。
図6は、コネクタ1の底面図である。
【0020】
図1乃至
図3においては、コネクタ1が基板100の表面100aに実装されていない状態を示しており、コネクタ1が基板100の表面100aに実装される方向を矢印Aで示している。また、
図1乃至
図3にて一部のみが切欠き状態で模式的に図示された基板100は、表面100aにおいて回路パターンが設けられた基板として構成されている。尚、
図1乃至
図3では、基板100の表面100aにおける回路パターンのうちの一部の回路パターン100bが図示され、その他の回路パターンの図示は省略されている。
【0021】
コネクタ1は、基板100と、他の基板(図示省略)或いはフラットケーブル(図示省略)等とを電気的に接続するために用いられる。コネクタ1は、基板100の表面100aに実装される。そして、コネクタ1は、他の基板或いはフラットケーブル等に接続された相手側コネクタ(図示省略)に対して電気的及び機械的に接続される。本実施形態では、コネクタ1が、プラグ型の相手側コネクタが嵌合して接続されるレセプタクル型(ソケット型)のコネクタとして設けられた形態を例示している。コネクタ1は、複数のコンタクト11、ハウジング12、補強金具13、熱硬化性接着剤14、等を備えて構成されている。
【0022】
[コンタクト]
複数のコンタクト11は、基板100に対して電気的に接続される接続部11aをそれぞれ有している。各コンタクト11は、導電性の金属材料で形成され、一方の端部に接続部11aが設けられる。そして、各コンタクト11は、他方の端部において前述の相手側コネクタに保持される相手側コンタクト(図示省略)に対して電気的に接続される。
【0023】
また、複数のコンタクト11は、ハウジング12において平行に形成された複数のスリットのそれぞれに嵌め込まれている。これにより、複数のコンタクト11は、一列に整列した状態でハウジング12に保持される。そして、一列に整列した状態の複数のコンタクト11は、互いに平行に配置されている。また、各接続部11aは、互いに略平行な方向に沿って、ハウジング12から片持ち状に突出した状態で延びている。コネクタ1が基板100の表面100aに実装される際には、各接続部11aは、各回路パターン100bにはんだ付けされる。尚、
図1乃至
図3においては、はんだペーストが塗布された状態の回路パターン100bが模式的に図示されている。
【0024】
[ハウジング、補強部材]
ハウジング12は、複数のコンタクト11が整列した状態で複数のコンタクト11を保持する。ハウジング12は、樹脂材料等の絶縁性材料で形成されている。ハウジング12には、複数のコンタクト11のそれぞれが挿入されて嵌め込まれる複数のスリットが設けられている。また、ハウジング12には、前述の相手側コネクタが嵌合する開口12aが設けられている(
図5を参照)。
【0025】
補強金具13は、金属材料で形成されており、複数(本実施形態では、2つ)設けられている。各補強金具13は、コネクタ1の剛性を向上させるとともに、コネクタ1を基板100の表面100aにより強固に固定するために設けられている。各補強金具13は、コネクタ1において複数のコンタクト11が並んで配置される方向であるコネクタ幅方向における両側にそれぞれ配置されている。各補強金具13は、ハウジング12に設けられたスリットに圧入された状態で嵌め込まれ、ハウジング12に固定されている。尚、上記のコネクタ幅方向については、
図2及び
図6において、両端矢印Bで図示している。コネクタ1が基板100に実装される際には、ハウジング12から露出した補強金具13の端部が、基板100の表面100aの金具固定部100cに取り付けられる。金具固定部100cは、基板100の表面100aにおいて補強金具13をはんだ付けで取り付けて固定するためのはんだペーストが塗布された部分として構成されている。
【0026】
[熱硬化性接着剤]
熱硬化性接着剤14は、加熱されて硬化する前の状態でハウジング12に塗布されることで、ハウジング12に付着して配置されている。そして、熱硬化性接着剤14は、基板100の表面100aに対向するハウジング12の底面12bにおいて、底面12bの少なくとも一部に付着した状態で配置されている。また、熱硬化性接着剤14は、前述のコネクタ幅方向に亘って、連続した状態で、ハウジング12の底面12bに付着して配置されている。更に、熱硬化性接着剤14は、略均一な厚みで、ハウジング12の底面12bに塗布されている。
【0027】
また、熱硬化性接着剤14は、加熱されて硬化する前の状態の熱硬化性樹脂を含んで構成されている。例えば、熱硬化性接着剤14は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含む接着剤として構成されている。コネクタ1が基板100の表面100aに実装される際には、ハウジング12の底面12bが基板100の表面100aに配置される。そして、熱硬化性接着剤14により、ハウジング12と基板100の表面100aとが接着される。
【0028】
尚、コネクタ1が表面100aに実装された基板100は、リフロー炉(図示省略)にて加熱され、コネクタ1の基板100へのはんだ付けが行われる。リフロー炉での加熱処理によるはんだ付けが完了すると、ハウジング12と基板100とを接着している熱硬化性接着剤14は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含んで構成されているため、硬化して体積が収縮する。即ち、熱硬化性接着剤14は、コネクタ1が基板100に実装されて加熱されることで、硬化して体積が収縮する。
【0029】
[コネクタの基板への実装]
次に、上述したコネクタ1が基板100に実装された状態について、
図7乃至
図10も参照しつつ説明する。
図7は、コネクタ1が基板100の表面100aに実装された状態のコネクタ1及び基板100の斜視図であり、
図8は、その側面図である。
図7及び
図8は、リフロー炉(図示省略)での加熱処理が行われる前の状態を示す図である。
図9は、コネクタ1が基板100の表面100aに実装された状態のコネクタ1及び基板100の斜視図であり、
図10は、その側面図である。
図9及び
図10は、リフロー炉での加熱処理が行われた後の状態を示す図である。
【0030】
コネクタ1が基板100に実装される際には、コネクタ1は、ハウジング12の底面12b側で基板100の表面100aに当接した状態で、基板100の表面100aに設置される。このとき、ハウジング12が、熱硬化性接着剤14を介して、基板100の表面100aに接着される。これにより、
図7及び
図8に示すように、コネクタ1が基板100の表面100aに実装された状態となる。
【0031】
コネクタ1が基板100の表面100aに実装された状態となると、次いで、コネクタ1及び基板100は、リフロー炉(図示省略)にて加熱される。リフロー炉でのコネクタ1及び基板100の加熱処理が終了すると、熱硬化性接着剤14は、硬化するとともに、体積が収縮する。これにより、
図9及び
図10に示すように、ハウジング12の底面12bが基板100の表面100aに向かって押し付けられるように変位する。そして、複数のコンタクト11の各接続部11aも、基板100の表面100aの各回路パターン100bに対してより強固に押し付けられる。
【0032】
尚、複数のコンタクト11においては、ハウジング12に対して保持されている姿勢或いはハウジング12に保持された状態での基板100に対する相対位置に交差の範囲内でばらつきが生じている。一方、ハウジング12の底面12bに塗布されて付着している熱硬化性接着剤14の厚み寸法は、加熱処理により硬化して収縮する際の厚み方向(即ち、底面12bに垂直な方向)の収縮量が、上記のばらつきを許容する交差の範囲よりも大きくなるように、設定されている。このため、実装前の状態において、接続部11aの位置に上記のばらつきが生じている場合であっても、基板100に実装されて加熱処理が行われた後の状態においては、上記の接続部11aの位置のばらつきが吸収される。これにより、全てのコンタクト11の接続部11aが基板100の表面100aの回路パターン100bに接触する。
【0033】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によると、コネクタ1が実装される際、コネクタ1は、ハウジング12の底面12bに配置された熱硬化性接着剤14によって基板100の表面100aに接着され、基板100の表面100aに実装される。そして、コネクタ1が基板100の表面100aに接着されて実装された状態で、コネクタ1及び基板100にリフロー炉等の加熱処理設備を用いた加熱処理が施されることで、ハウジング12の底面12bと基板100の表面100aとを接着している熱硬化性接着剤14が硬化し、その体積が収縮する。これにより、基板100の表面100aに接着されたハウジング12の底面12bが基板100の表面100aに向かって押し付けられるように変位する。これに伴い、基板100の表面100aに接触して電気的に接続される複数のコンタクト11の接続部11aも、基板100の表面100aに対して押し付けられることになる。このため、複数のコンタクト11において、ハウジング12に対して保持されている姿勢或いはハウジング12に保持された状態での基板100に対する相対位置にばらつきがあっても、各接続部11aが基板100の表面100aに対してより強固に押し付けられる。これにより、全てのコンタクト11の接続部11aを容易に基板100に接触させることができる。よって、複数のコンタクト11のうちの一部のコンタクト11において接続部11aが基板100に接触していない状態が発生することを抑制でき、その一部のコンタクト11が基板100に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまうことを抑制することができる。
【0034】
従って、本実施形態によると、ハウジング12に保持された複数のコンタクト11のうちの一部のコンタクト11が基板100に対して電気的に接続されていない状態が発生してしまうことを抑制することができる表面実装型のコネクタ1を提供することができる。
【0035】
また、本実施形態によると、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性接着剤14をハウジング12の底面12bに塗布した簡素な構造により、複数のコンタクト11のうちの一部が基板100に対して電気的に接続されていない状態が発生することを抑制できる表面実装型のコネクタ1を構成することができる。
【0036】
また、本実施形態によると、熱硬化性接着剤14が、ハウジング12の底面12bにおいてコネクタ幅方向に亘って配置される。このため、コネクタ1が基板100の表面100aに実装されて加熱処理が施された際、コネクタ幅方向に並んだ複数のコンタクト11の各接続部11aを基板100の表面100aに対してより強固に押し付けることができる。これにより、複数のコンタクト11のうちの一部が基板100に対して電気的に接続されていない状態が発生することを更に抑制することができる。
【0037】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0038】
前述の実施形態では、ハウジングの底面においてコネクタ幅方向に亘って熱硬化性接着剤が連続して配置された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、ハウジングの底面において分散して熱硬化性接着剤が配置されて形態が実施されてもよい。
【0039】
前述の実施形態では、熱硬化性接着剤がハウジングの底面に塗布された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。熱硬化性接着剤が表裏面に塗布された状態の耐熱性の両面粘着テープがハウジングの底面に貼り付けられた形態が実施されてもよい。
【0040】
前述の実施形態では、ハウジングの底面にのみ熱硬化性接着剤が配置され、コネクタが実装される基板の表面には熱硬化性接着剤が配置されていない形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。ハウジングの底面に加え、コネクタが実装される基板の表面にも熱硬化性接着剤が配置される形態が実施されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、基板の表面に実装されるコネクタに関して、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 コネクタ
11 コンタクト
11a 接続部
12 ハウジング
12b 底面
14 熱硬化性接着剤
100 基板
100a 表面