特開2016-201591(P2016-201591A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-201591(P2016-201591A)
(43)【公開日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】発振器
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20161104BHJP
【FI】
   H03B5/32 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-78358(P2015-78358)
(22)【出願日】2015年4月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朋仁
(72)【発明者】
【氏名】溝口 正大
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA35
5J079BA39
5J079FA01
5J079FB43
5J079HA03
5J079HA07
5J079HA09
5J079HA25
(57)【要約】
【課題】複数の発振信号を出力する発振器における配線パターン間の干渉を抑制する。
【解決手段】発振器1は、水晶振動子10を用いて複数の発振信号を出力可能なIC20と、IC20と接続されている基板部31と、を備える。基板部31は、水晶振動子10と電気的に接続されている振動子ランド32a及び振動子ランド32eと、電源と電気的に接続されている電源ランド32cと、振動子ランド32aと電源ランド32cとの間に位置し、IC20からの第1発振信号を外部へ出力する第1出力ランド32bと、を有し、第1出力ランド32bからの配線パターン33bは、振動子ランド32aと振動子ランド32eとの間を通過している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶振動子を用いて複数の発振信号を出力可能な発振回路と、前記発振回路と接続されている基板と、を備える発振器であって、
前記基板は、
前記水晶振動子と電気的に接続されている第1振動子ランド及び第2振動子ランドと、
電源と電気的に接続されている電源ランドと、
前記第1振動子ランドと前記電源ランドとの間に位置し、前記発振回路からの第1発振信号を外部へ出力する第1出力ランドと、を有し、
前記第1出力ランドからの配線パターンは、前記第1振動子ランドと前記第2振動子ランドとの間を通過している、発振器。
【請求項2】
前記第1振動子ランド、前記第2振動子ランド、前記電源ランド、及び前記第1出力ランドは、前記基板の主面に形成され、
前記主面において、前記第1出力ランドからの配線パターンは、前記第1振動子ランドと前記電源ランドを結ぶ仮想線に対して第1の側に形成されており、かつ前記電源ランドからの配線パターンは、前記仮想線に対して前記第1の側とは反対の第2の側に形成されている、
請求項1に記載の発振器。
【請求項3】
前記基板の主面において、前記第1出力ランドからの配線パターンと前記電源ランドからの配線パターンとの間の距離は、前記第1出力ランドと前記電源ランドの間の距離以上の大きさである、
請求項1又は2に記載の発振器。
【請求項4】
前記第1発振信号とは異なる第2発振信号を外部へ出力する第2出力ランドを更に備え、
前記電源ランドは、前記第1出力ランドと前記第2出力ランドとの間に位置し、
前記基板の主面において、前記第2出力ランドからの配線パターンと前記電源ランドからの配線パターンとの間の距離は、前記第2出力ランドと前記電源ランドの間の距離以上の大きさである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の発振器。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子を用いた発振回路で複数の発振信号を出力可能な発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、所定周期の安定した発振信号を供給し続けるタイミングデバイスが用いられている。このようなタイミングデバイスとして、水晶振動子を用いた発振器が広く普及している。
近年、発振器として、下記の特許文献1に記載のように、一つの水晶振動片で2つの発振信号を出力するデュアルモード発振器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−236466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の発振信号を出力する発振器では、基板における配線パターンが増えるため、配線が複雑になる。そして、限られたスペースで複数の配線パターンを隣接するように配線する場合には、各配線パターンが接続されている端子間で静電容量の結合が大きくなってしまい、配線パターン間で干渉が発生してしまう。この結果、発振器の周波数特性が悪化する恐れがある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数の発振信号を出力する発振器における配線パターン間の干渉を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、水晶振動子を用いて複数の発振信号を出力可能な発振回路と、前記発振回路と接続されている基板と、を備える発振器であって、前記基板は、前記水晶振動子と電気的に接続されている第1振動子ランド及び第2振動子ランドと、電源と電気的に接続されている電源ランドと、前記第1振動子ランドと前記電源ランドとの間に位置し、前記発振回路からの第1発振信号を外部へ出力する第1出力ランドと、を有し、前記第1出力ランドからの配線パターンは、前記第1振動子ランドと前記第2振動子ランドとの間を通過している発振器を提供する。
【0007】
また、前記第1振動子ランド、前記第2振動子ランド、前記電源ランド、及び前記第1出力ランドは、前記基板の主面に形成され、前記主面において、前記第1出力ランドからの配線パターンは、前記第1振動子ランドと前記電源ランドを結ぶ仮想線に対して第1の側に形成されており、かつ前記電源ランドからの配線パターンは、前記仮想線に対して前記第1の側とは反対の第2の側に形成されていることとしてもよい。
【0008】
また、前記基板の主面において、前記第1出力ランドからの配線パターンと前記電源ランドからの配線パターンとの間の距離は、前記第1出力ランドと前記電源ランドの間の距離以上の大きさであることとしてもよい。
【0009】
また、前記発振器は、前記第1発振信号とは異なる第2発振信号を外部へ出力する第2出力ランドを更に備え、前記電源ランドは、前記第1出力ランドと前記第2出力ランドとの間に位置し、前記基板の主面において、前記第2出力ランドからの配線パターンと前記電源ランドからの配線パターンとの間の距離は、前記第2出力ランドと前記電源ランドの間の距離以上の大きさであることとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の発振信号を出力する発振器における配線パターン間の干渉を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る発振器1の構成を示す図である。
図2】IC20の端子の配列状態を示す模式図である。
図3】基板部31に形成された配線パターン及びランドの配線状態を示す模式図である。
図4】比較例に係るIC920の端子の配列状態を示す模式図である。
図5】比較例に係る基板部931に形成された配線パターン及びランドの配線状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<発振器の構成>
図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る発振器1の構成の一例について説明する。
図1は、一実施形態に係る発振器1の構成を示す図である。
【0013】
発振器1は、携帯機器等の様々な電子機器に搭載可能であり、水晶振動子を用いた発振回路で所定周波数の安定した発振信号を供給し続けるタイミングデバイスである。本実施形態に係る発振器1は、周波数が異なる複数の発振信号(ここでは、30MHzに対応する発振信号と25MHzに対応する発振信号)を出力可能である。
【0014】
図1に示すように、発振器1は、水晶振動子10と、IC20と、ベース部材30と、カバー部材40とを有する。
水晶振動子10は、例えば、圧電体である水晶片を2つの電極で挟んだ構造を成している。2つの電極は、それぞれIC20と電気的に接続される。水晶振動子10は、ベース部材30の凹部30aに収容されている。
【0015】
IC20は、電子回路を形成しており、水晶振動子10を用いて30MHz(第1周波数)に対応する第1発振信号と25MHz(第2周波数)に対応する第2発振信号とを出力する発振回路の機能を有する。IC20は、ベース部材30の凹部30aに、水晶振動子10の下方に位置するように収容されている。IC20は、ベース部材30の基板部31に対向する下面21に複数の端子を有する。IC20の端子は、それぞれ基板部31に形成されたランドと接続されている。
【0016】
図2は、IC20の端子の配列状態を示す模式図であり、IC20を下面21側から見た図である。図2に示すように、IC20の下面21には、振動子端子22a、第1出力端子22b、電源端子22c、第2出力端子22d、振動子端子22e、第3出力端子22f、切替端子22g、及び接地端子22hが形成されている。
【0017】
振動子端子22aは、水晶振動子10の電極と電気的に接続される端子である。第1出力端子22bは、30MHzの第1発振信号を出力するための端子である。電源端子22cは、電源と電気的に接続される端子である。第2出力端子22dは、25MHzの第2発振信号を出力するための端子である。
【0018】
振動子端子22eは、水晶振動子10の電極と電気的に接続される端子である。第3出力端子22fは、ここでは、30MHzの第1発振信号と25MHzの第2発振信号とのうちの一方を選択して出力するための端子である。切替端子22gは、第3出力端子22fが出力する発振信号(第1発振信号又は第2発振信号)を切り替えるための端子である。接地端子22hは、IC20を接地するための端子である。
【0019】
図2に示すように、振動子端子22a、第1出力端子22b、電源端子22c、及び第2出力端子22dは、IC20の長手方向(X方向)に沿って所定間隔で一列に配列している。同様に、振動子端子22e、第3出力端子22f、切替端子22g、及び接地端子22hも、IC20の長手方向に沿って所定間隔で一列に配列している。また、IC20の短手方向(Y方向)における端子の間隔は、同じ大きさである。
【0020】
図1に戻り、ベース部材30は、例えば基材であるセラミックスを積層した構造となっている。ベース部材30は、中央に凹部30aが形成された容器である。凹部30aは、水晶振動子10及びIC20を収容する。ベース部材30は、配線パターンが形成された基板部31を有し、IC20と接続されている。
【0021】
図3は、基板部31に形成された配線パターン及びランドの配線状態を示す模式図である。図3に示すように、ベース部材30の基板部31の上面31aには、配線パターン33a〜33hが形成されている。また、上面31aには、振動子ランド32a、第1出力ランド32b、電源ランド32c、第2出力ランド32d、振動子ランド32e、第3出力ランド32f、切替ランド32g、及び接地ランド32hが形成されている。本実施形態では、上面31aがベース部材30の主面に該当し、振動子ランド32aが第1振動子ランドに該当し、振動子ランド32eが第2振動子ランドに該当する。
【0022】
振動子ランド32aは、配線パターン33aの端部に形成されており、IC20の振動子端子22aと接合している。例えば、振動子ランド32aは、図1に示すようにAuバンプで振動子端子22aと接合している。第1出力ランド32bは、配線パターン33bの端部に形成されており、IC20の第1出力端子22bと接合している。電源ランド32cは、配線パターン33cの端部に形成されており、IC20の電源端子22cと接合している。第2出力ランド32dは、配線パターン33dの端部に形成されており、IC20の第2出力端子22dと接合している。
【0023】
振動子ランド32eは、配線パターン33eの端部に形成されており、IC20の振動子端子22eと接合している。第3出力ランド32fは、配線パターン33fの端部に形成されており、IC20の第3出力端子22fと接合している。切替ランド32gは、配線パターン33gの端部に形成されており、IC20の切替端子22gと接合している。接地ランド32hは、配線パターン33hの端部に形成されており、IC20の接地端子22hと接合している。
【0024】
本実施形態においては、振動子ランド32a及び振動子ランド32eは、それぞれ配線パターン33a、33eを介して、水晶振動子10の端子と電気的に接続されている(図1参照)。電源ランド32cは、配線パターン33cを介して、電源と電気的に接続されている。第1出力ランド32b、第2出力ランド32d及び第3出力ランド32fは、それぞれ配線パターン33b、33d、33fを介して、基板部31の裏面31b(図1)に設けられ発振信号を外部へ出力する外部端子と電気的に接続されている。例えば、配線パターン33bは、外部端子35bと接続されており、配線パターン33dは、外部端子35cと接続されている。そして、第1出力ランド32bは、IC20の発振回路からの30MHzの第1発振信号を出力し、第2出力ランド32dは、25MHzの第2発振信号を出力し、第3出力ランド32fは、30MHzの第1発振信号又は25MHzの第2発振信号を出力する。
【0025】
ところで、本実施形態では、第1出力ランド32bからの配線パターン33bは、第1出力ランド32bの隣に設けられた電源ランド32cからの配線パターン33cとは離間するように形成されている。具体的には、上面31aにおいて、第1出力ランド32bからの配線パターン33bと電源ランド32cからの配線パターン33cとの間の距離は、第1出力ランド32bと電源ランド32cの間の距離以上の大きさである。これにより、配線パターン33bと配線パターン33cとが接近することを防止できるので、配線パターン33bと配線パターン33cの間の干渉を抑制できる。この結果、第1出力ランド32bから出力される30MHzの第1発振信号を外部に適切に出力することが可能となる。
【0026】
また、上面31aにおいて、第1出力ランド32bからの配線パターン33bは、第1出力ランド32bと電源ランド32cを結ぶ仮想線(図3に示す仮想線L)に対して第1の側(図3では下側)に形成されており、かつ電源ランド32cからの配線パターン33cは、仮想線Lに対して第1の側とは反対の第2の側(図3では上側)に形成されている。これにより、配線パターン33bの形成方向と配線パターン33cの形成方向とが逆方向になるので、配線パターン33bと配線パターン33cが接近することを有効に防止できる。
【0027】
また、配線パターン33bは、振動子ランド32aと振動子ランド32eとの間を通過するように形成されている。すなわち、配線パターン33bは、振動子ランド32aからの配線パターン33aと振動子ランド32eからの配線パターン33eとの間に形成されている。かかる場合には、配線パターン33bと配線パターン33cの間の距離を大きくできるので、配線パターン33bと配線パターン33cの間の干渉をより有効に抑制できる。
【0028】
なお、配線パターン33bは、上面31aに形成されたスルーホール34bを介して、基板部31の裏面31bに配線され、裏面31bに設けられた外部端子35bと接続している。一方で、配線パターン33cは、スルーホールを介さず基板部31の隅の側面34cを介して裏面31bに配線され、裏面31bに設けられた外部端子35aと接続している。これにより、裏面31bにおいて配線パターン33bと配線パターン33cが接近することを抑制できる。
【0029】
また、第2出力ランド32dからの配線パターン33dも、第1出力ランド32bと第2出力ランド32dの間に位置する電源ランド32cからの配線パターン33cとは離間するように形成されている。具体的には、上面31aにおいて、第2出力ランド32dからの配線パターン33dと電源ランド32cからの配線パターン33cとの間の距離は、第2出力ランド32dと電源ランド32cの間の距離以上の大きさである。これにより、配線パターン33dと配線パターン33cとが接近することを防止できるので、配線パターン33dと配線パターン33cの間の干渉を抑制できる。この結果、30MHzの第1発振信号に加えて、25MHzの第2発振信号を外部に適切に出力することが可能となる。
【0030】
図1に戻り、カバー部材40は、ベース部材30と接合して、ベース部材30の凹部30aを密封する。カバー部材40は、平板状に形成されており、例えば封止材を介してベース部材30と接合されている。
【0031】
<本実施形態における効果>
本実施形態においては、図3に示すように、30MHzの発振信号を出力する第1出力ランド32bからの配線パターン33b、及び25MHzの発振信号を出力する第2出力ランド32dからの配線パターン33dが、第1出力ランド32bと第2出力ランド32dの間に位置する電源ランド32cからの配線パターン33cから離間するように形成されている。これにより、第1出力ランド32b、電源ランド32c、及び第2出力ランド32dが近接して配置することに起因して発生する配線パターン33b、33c、33d間の干渉を抑制できる。
【0032】
以下においては、図4及び図5に示す比較例に係る発振器と対比しながら、本実施形態による効果について更に説明する。
図4は、比較例に係るIC920の端子の配列状態を示す模式図であり、下面921側から見た図である。図5は、比較例に係るベース部材930の基板部931に形成された配線パターン及びランドの配線状態を示す模式図である。
【0033】
図4に示すように、IC920も、図2に示す発振器1のIC20と同様に、振動子端子922a、第1出力端子922b、電源端子922c、第2出力端子922d、振動子端子922e、第3出力端子922f、切替端子922g、及び接地端子922hを有する。IC920では、短手方向(Y方向)における振動子端子922aと振動子端子922eの間隔が、図2に示すIC20の振動子端子22aと振動子端子22eの間隔よりも小さい。
【0034】
また、図5に示すように、比較例に係る発振器にも、IC920の各端子と接合するランド932a〜932hと、配線パターン933a〜933hが形成されている。図3図5を対比すると分かるように、第1出力ランド932bからの配線パターン933b、及び電源ランド932cからの配線パターン933cの配線状態が、図3に示す発振器1の配線パターン33b、33cの配線状態とは異なる。具体的には、図5に示すように、配線パターン933b、933cが、第1出力ランド932bと電源ランド932cを結ぶ仮想線Lに対して同じ側(図5では上側)に形成されている。また、配線パターン933cが、第2出力ランド932dからの配線パターン933dと平行になるように形成されている。ところで、図5に示す配線状態の場合には、IC920の端子間の静電容量の結合値が大きくなってしまう。
【0035】
ここで、比較例に係る発振器のIC920の端子間の静電容量の結合値、及び本実施形態に係る発振器1のIC20の端子間の静電容量の結合値の測定結果について説明する。一般的に、端子間の静電容量の結合値が大きいと、配線パターン間の干渉の度合いも大きくなる。特に、結合値が大きくなると、配線パターンを介して出力される発振信号の波形が歪んでしまい、正常波形の発振信号を出力できない恐れがある。
【0036】
表1は、比較例の発振器の振動子端子922a、第1出力端子922b、第2出力端子922d、第3出力端子922f、及び振動子端子922eの間の静電容量の結合値を示す。なお、結合値の単位は、pFである。
【表1】
【0037】
表2は、本実施形態の発振器1の振動子端子22a、第1出力端子22b、第2出力端子22d、第3出力端子22f、振動子端子22eの間の静電容量の結合値を示す。
【表2】
【0038】
上記の表1と表2を比較すると分かるように、本実施形態の場合には、比較例に比べて全般的に端子間の静電容量の結合値が小さくなっている。結合値が小さくなることで、出力される発振信号の波形が歪むことを抑制できるので、発振器1が正常な発振信号を出力できる。また、本実施形態の場合には、振動子端子22a、第1出力端子22b、第2出力端子22d、第3出力端子22f、及び振動子端子22eの各々に対応する配線パターン33a、33b、33d、33f、33eの間の干渉も小さくなり、発振器1の特性を改善できる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0040】
1 発振器
10 水晶振動子
20 IC
30 ベース部材
31 基板部
31a 凹部底面
32a 振動子ランド
32b 第1出力ランド
32c 電源ランド
32d 第2出力ランド
32e 振動子ランド
32f 第3出力ランド
33a〜33h 配線パターン
L 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5