特開2016-202083(P2016-202083A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2016202083-人工土壌粒子、及び人工土壌培地 図000004
  • 特開2016202083-人工土壌粒子、及び人工土壌培地 図000005
  • 特開2016202083-人工土壌粒子、及び人工土壌培地 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-202083(P2016-202083A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】人工土壌粒子、及び人工土壌培地
(51)【国際特許分類】
   A01G 1/00 20060101AFI20161111BHJP
【FI】
   A01G1/00 303E
   A01G1/00 303B
   A01G1/00 303D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-88126(P2015-88126)
(22)【出願日】2015年4月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】石坂 信吉
(72)【発明者】
【氏名】高馬 英樹
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022BA02
2B022BA03
2B022BA04
2B022BA12
2B022BA21
2B022BB01
(57)【要約】
【課題】通気性を確保しながら、植物の生育に必要な水分を吸収、保持することができる人工土壌粒子を提供する。
【解決手段】複数の繊維1を集合してなる繊維塊状体10を備えた人工土壌粒子50であって、繊維塊状体10は、疎水性を有する第一樹脂3と、少なくとも部分的に親水化処理された第二樹脂4と、を含む結合材により、繊維1が相互に固着されており、繊維塊状体10は、第一樹脂3を介して繊維1が連続状に接触し、第二樹脂4を介して繊維1が点状に接触するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維を集合してなる繊維塊状体を備えた人工土壌粒子であって、
前記繊維塊状体は、疎水性を有する第一樹脂と、少なくとも部分的に親水化処理された第二樹脂と、を含む結合材により、前記繊維が相互に固着されている人工土壌粒子。
【請求項2】
前記繊維塊状体は、前記第一樹脂を介して前記繊維が連続状に接触し、前記第二樹脂を介して前記繊維が点状に接触するように構成されている請求項1に記載の人工土壌粒子。
【請求項3】
前記結合材は、前記第一樹脂として弾性率が5〜50MPaの軟質樹脂を含み、前記第二樹脂として弾性率が100〜1500MPaの硬質樹脂を含む請求項1又は2に記載の人工土壌粒子。
【請求項4】
前記結合材は、前記第一樹脂としてラテックスゴムを含み、前記第二樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含む請求項1〜3の何れか一項に記載の人工土壌粒子。
【請求項5】
前記結合材は、前記第一樹脂と前記第二樹脂との配合比率が重量比で0.3:1〜5:1に調整されている請求項1〜4の何れか一項に記載の人工土壌粒子。
【請求項6】
前記繊維塊状体100ccに対して水100ccを吸収させたとき、前記繊維塊状体の初期液相率が10〜30容量%となり、初期気相率が40〜60容量%となるように設定されている請求項1〜5の何れか一項に記載の人工土壌粒子。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の人工土壌粒子を用いた人工土壌培地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の繊維を集合してなる繊維塊状体を備えた人工土壌粒子、及び当該人工土壌粒子を用いた人工土壌培地に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生育条件がコントロールされた環境下で野菜等の植物を栽培する植物工場が増加している。これまでの植物工場は、レタス等の葉物野菜の水耕栽培が中心であったが、最近では水耕栽培には向かない根菜類についても植物工場での栽培を試みる動きがある。
【0003】
根菜類等を栽培する人工土壌の開発にあたっては、天然土壌と同等の植物育成力を達成しながら、保水性を適切に維持、管理できる機能が求められる。特に、人工土壌培地内に適切な量の水分を吸収、保持させることは、植物の種類に応じた最適な栽培スケジュールを実現するために必要なことである。
【0004】
保水性を有する従来の人工土壌として、無機物質材からなる粒体を有機植物繊維等からなる有機物質材に絡ませるとともに、結合剤によって粒状に固結した多孔質構造を有する人工団粒体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の人工団粒体は、有機物質材として有機植物繊維等を用いることにより、保水性を向上させようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−204245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の人工団粒体は、親水性の高い有機植物繊維を使用して多孔質構造を形成しているため、当該多孔質構造の孔隙に水分を保持することができると考えられる。しかし、有機植物繊維を造粒した団粒体は、団粒体の表面に有機植物繊維が存在しているため団粒体表面における水分の保持力が強く、当該団粒体を使用して人工土壌培地を形成すると、団粒体どうしの間隙に水分が保持され、排出され難くなる虞があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、通気性を確保しながら、植物の生育に必要な水分を吸収、保持することができる人工土壌粒子、及び当該人工土壌粒子を用いた水分環境が良好な人工土壌培地を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る人工土壌粒子の特徴構成は、
複数の繊維を集合してなる繊維塊状体を備えた人工土壌粒子であって、
前記繊維塊状体は、疎水性を有する第一樹脂と、少なくとも部分的に親水化処理された第二樹脂と、を含む結合材により、前記繊維が相互に固着されていることにある。
【0009】
本構成の人工土壌粒子によれば、疎水性を有する第一樹脂と、少なくとも部分的に親水化処理された第二樹脂とを含む結合材により、繊維塊状体の繊維が相互に固着されているため、繊維の表面が疎水性の領域と親水性の領域とを適度に備えることになる。その結果、人工土壌粒子は、通気性と保水性とのバランスに優れたものとなり、植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。
【0010】
本発明に係る人工土壌粒子において、
前記繊維塊状体は、前記第一樹脂を介して前記繊維が連続状に接触し、前記第二樹脂を介して前記繊維が点状に接触するように構成されていることが好ましい。
【0011】
本構成の人工土壌粒子によれば、繊維塊状体は、第一樹脂を介して繊維が連続状に接触するため、疎水性の連続的な接触領域が形成される。これにより、人工土壌粒子内に水分が存在し難い領域を形成することができ、通気性を確保することができる。一方、繊維塊状体は、第二樹脂を介して繊維が点状に接触するため、親水性の点状の接触領域が複数形成される。この点状の接触領域の間には空隙が形成され、水分を保持することができる。このように、本構成の人工土壌粒子は、繊維どうしの接触形態(固着状態)を変えることにより、一定以上の通気性及び保水性を確保するものであり、保水材等に頼らず実質的に人工土壌粒子の構造だけで植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。
【0012】
本発明に係る人工土壌粒子において、
前記結合材は、前記第一樹脂として弾性率が5〜50MPaの軟質樹脂を含み、前記第二樹脂として弾性率が100〜1500MPaの硬質樹脂を含むことが好ましい。
【0013】
本構成の人工土壌粒子によれば、第一樹脂及び第二樹脂として適切な弾性率を有する軟性樹脂及び硬質樹脂を夫々選択しているので、疎水性の連続的な接触領域及び親水性の点状の接触領域が繊維塊状体内に夫々確実に形成され、植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。
【0014】
本発明に係る人工土壌粒子において、
前記結合材は、前記第一樹脂としてラテックスゴムを含み、前記第二樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。
【0015】
本構成の人工土壌粒子によれば、結合材に含まれる樹脂として適切な樹脂を夫々選択しているので、疎水性の連続的な接触領域及び親水性の点状の接触領域が繊維塊状体内に夫々確実に形成され、植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。また、第一樹脂として安価なラテックスゴムを用いているため、製造コストを低減しながら、強度に優れた人工土壌粒子を構成することができる。
【0016】
本発明に係る人工土壌粒子において、
前記結合材は、前記第一樹脂と前記第二樹脂との配合比率が重量比で0.3:1〜5:1に調整されていることが好ましい。
【0017】
本構成の人工土壌粒子によれば、第一樹脂と第二樹脂との配合比率が適切な範囲に調整されているため、繊維塊状体内において、疎水性の連続的な接触領域と親水性の点状の接触領域とが適度な割合で形成される。その結果、通気性と保水性とのバランスに優れたものとなり、植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。
【0018】
本発明に係る人工土壌粒子において、
前記繊維塊状体100ccに対して水100ccを吸収させたとき、前記繊維塊状体の初期液相率が10〜30容量%となり、初期気相率が40〜60容量%となるように設定されていることが好ましい。
【0019】
本構成の人工土壌粒子によれば、繊維塊状体の初期液相率及び初期気相率が適切な範囲に設定されているため、人工土壌粒子は、通気性と保水性とのバランスが優れたものとなり、植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。
【0020】
上記課題を解決するための本発明に係る人工土壌培地の特徴構成は、
上記何れか一つに記載の人工土壌粒子を用いたことにある。
【0021】
本構成の人工土壌培地によれば、本発明の人工土壌粒子を使用していることから、通気性と保水性とのバランスに優れたものとなる。従って、人工土壌培地の水分環境を植物の栽培に適した良好な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第一実施形態に係る人工土壌粒子の模式図である。
図2図2は、本発明の人工土壌粒子の空隙と、空隙内に吸収される水分との関係を概念的に示したモデル図である。
図3図3は、第二実施形態に係る人工土壌粒子の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る人工土壌粒子、及び人工土壌培地に関する実施形態を図1図3に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
【0024】
<人工土壌粒子>
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態に係る人工土壌粒子50の模式図である。人工土壌粒子50は、繊維1を造粒してなる繊維塊状体10を有する。繊維塊状体10は、繊維1が絡み合った粒状物として形成され、繊維1の間には空隙2が存在し、当該空隙2に水分を吸収、保持することができる。つまり、人工土壌粒子50のベースとなる繊維塊状体10が保水性を有するため、外部環境が湿潤状態となった場合は、外部環境に存在する水分を人工土壌粒子50内に吸収、保持することができる。このように、人工土壌粒子50は、土壌として求められる保水性を維持しながら、外部環境との通気性を一定以上に確保することができる。その結果、植物の根腐れ等を防止することができる。他方、外部環境が乾燥状態となった場合は、繊維塊状体10の空隙2に保持された水分が外部環境に放出される。これにより、植物は、水分を容易に利用することができる。このように、人工土壌粒子50は、繊維塊状体10を形成する繊維1の間に存在する空隙2によって、優れた保水性と通気性との良好なバランスを実現している。
【0025】
繊維塊状体10を構成する繊維1は、繊維塊状体10内の空隙2に十分な水分を保持できるよう、有機繊維を使用することが好ましい。有機繊維は比較的柔軟であるため、繊維塊状体10を構成する繊維1どうしが複雑に絡み合って多数の空隙2を形成する。これにより、繊維塊状体10の保水性が高まり、人工土壌粒子50に吸収された水分を植物が容易に利用可能な水、いわゆる易効水として保持することができる。その結果、植物の成長を促すことができる。有機繊維は、天然有機繊維、又は合成有機繊維の何れも使用可能である。天然有機繊維としては、例えば、絹、羊毛、綿、セルロース繊維等を挙げることができる。合成有機繊維としては、例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維等を挙げることができる。これらの有機繊維のうち、天然有機繊維であるセルロース繊維が好ましく使用される。なお、繊維塊状体10に使用する繊維1として、天然有機繊維と合成有機繊維とを混繊したものを使用することも可能である。
【0026】
繊維塊状体10を構成する繊維1の繊維長は、人工土壌粒子50の保水性と関係する。繊維1の繊維長を調節することにより、繊維1と水との吸着力を制御することができる。繊維1の繊維長は、0.5〜2000μmが好ましい。繊維長が0.5μmより短いと、十分な保水性が得られなくなる。一方、繊維長が2000μmより長いと、水分と繊維との吸着力が強くなり過ぎて、植物が利用できる易効水が少なくなる。
【0027】
人工土壌粒子50の粒径は、栽培対象の植物により適宜選択されるが、好ましくは1〜10mmであり、より好ましくは2〜8mmであり、さらに好ましくは2〜5mmである。人工土壌粒子50の粒径が1mm未満の場合、人工土壌粒子50を用いて人工土壌培地を構成したときに人工土壌粒子50間の間隙が小さくなり、間隙の毛管力により水分が過剰に保持されることになる。その結果、排水性が低下することにより植物の根から酸素を吸収し難くなり、根腐れが発生する虞がある。一方、人工土壌粒子50の粒径が10mmを超えると、人工土壌粒子50を用いて人工土壌培地を構成したときに人工土壌粒子50間の間隙が大きくなり、排水性が過剰になって植物が十分な水分を吸収し難しくなったり、人工土壌培地が疎になって植物が横倒れする虞がある。人工土壌粒子50の粒径は、篩掛け等により調整することができる。
【0028】
人工土壌粒子50は、高い吸湿性を有する無機多孔質材を含有してもよい。この場合、人工土壌粒子50を灌水すると、水分が無機多孔質材を介して人工土壌粒子50に速やかに吸収され、空隙2内に保持される。従って、灌水の初期段階や灌水が少量の場合でも、植物は人工土壌粒子50内に吸収された水分を利用することができる。その結果、栽培植物への水遣りの回数を減らすことができ、作業者の労力を低減することが可能となる。使用可能な無機多孔質材としては、例えば、珪藻土、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト、ベントナイト、クレー、多孔質ガラスビーズ等が挙げられる。これらの無機多孔質材は、単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。好ましい無機多孔質材は、珪藻土である。人工土壌粒子50のベースとなる繊維塊状体10を造粒する際、繊維1に珪藻土を添加すると、珪藻土が水分を吸収して粘性を示すため、繊維1どうしを容易に接着させることができる。
【0029】
ここで、人工土壌粒子50は、繊維1が絡み合った塊状体であるため、繊維1が表面に露出している。このため、人工土壌粒子50を用いて人工土壌培地を構成すると、繊維1の種類によっては人工土壌粒子50の間に形成される間隙に水分が強く保持され、排水性が低下し、人工土壌培地の通気性が悪化する場合がある。そこで、本発明では、人工土壌粒子50のベースとなる繊維塊状体10を形成するにあたり、疎水性を有する第一樹脂と、少なくとも部分的に親水化処理された第二樹脂とを含む結合材を用いて繊維1どうしを固着している。このようにして形成された繊維塊状体10は、第一樹脂により形成される疎水性領域と、第二樹脂により形成される親水性領域とを適度に備えるめ、通気性と保水性とのバランスに優れた人工土壌粒子50となり得る。
【0030】
図2は、図1に示した人工土壌粒子50を部分的に拡大したものであり、第一樹脂及び第二樹脂を使用した人工土壌粒子50の空隙2と、空隙2内に吸収される水分Wとの関係を概念的に示したモデル図である。図2(a)は灌水などにより水分が供給される前の人工土壌粒子50の空隙2の状態を示し、図2(b)は灌水などにより供給された水分Wが人工土壌粒子50の空隙2を満たした状態を示している。繊維塊状体10は、疎水性を有する第一樹脂3と、少なくとも部分的に親水化処理された親水性を有する第二樹脂4とを含む結合材を用いて複数の繊維1を相互に固着し、粒状化したものである。ここで、第一樹脂3は、弾性率が5〜50MPaの軟質樹脂であることが好ましい。このような軟質樹脂を用いて繊維1を造粒すると、図2(a)に示すように、第一樹脂3を介して繊維1どうしが連続状に接触して固着する。これにより、繊維塊状体10内に水分Wが存在し難い疎水性領域が形成され、人工土壌粒子50の通気性が確保される。第一樹脂3の弾性率が50MPaより大きい場合、繊維1どうしを連続的に固着することが難しくなり、人工土壌粒子50に疎水性領域を形成し難くなる。ただし、第一樹脂3の弾性率が5MPaより小さい場合は、第一樹脂3によって固着されていた繊維1が剥がれ易くなり、人工土壌粒子50の形状を長期に亘って維持することが難しくなる。第二樹脂4は、弾性率が100〜1500MPaの硬質樹脂であることが好ましい。このような硬質樹脂を用いて繊維1を造粒すると、図2(a)に示すように、第二樹脂4を接点として繊維1が点状に接触して固着する。これにより、繊維塊状体10内に点状の接触領域が複数形成される。この複数の点状の接触領域の間には親水性の空隙2が形成されるため、人工土壌粒子50は一定の保水性を確保することができる。第二樹脂4の弾性率が100MPaより小さい場合、繊維1どうしを点状に固着させることが困難となり、保水性が低下する。ただし、第二樹脂4の弾性率が1500MPaより大きい場合は、樹脂の溶融温度が高いため繊維1どうしを固着させるためには高温に曝す必要があり、繊維1が劣化する虞がある。このように、本発明の人工土壌粒子50は、結合材に使用する樹脂の硬さ(弾性率)を調整することで、繊維1どうしの接触状態を変えることができ、その結果、人工土壌粒子50内に親水性領域を確保しながら、一定の疎水性領域を形成することができる。特に、人工土壌粒子50の表面においては、軟質樹脂の第一樹脂3により、繊維1どうしが第一樹脂3を介して連続的に接触及び固着しているため、人工土壌粒子50の表面に一定の疎水性領域が形成され、繊維塊状体10の表面の親水性が高くなり過ぎないよう維持されている。従って、図2(b)に示すように、例えば、灌水により人工土壌粒子50に水を供給しても、表面が完全に水分に覆われることはなく、人工土壌粒子50を用いて人工土壌培地を構成したときに人工土壌粒子50の間に形成される間隙に一定以上の通気性を確保することができる。また、繊維塊状体10内にも一定の疎水性領域が含まれるため、人工土壌粒子50そのものの通気性も確保することができる。本発明の人工土壌粒子50は、繊維1どうしの接触形態(固着状態)を変えることにより、一定以上の通気性及び保水性を確保するものであり、保水材等に頼らず実質的に人工土壌粒子50の構造だけで植物の栽培に適した良好な水分環境を維持することができる。
【0031】
第一樹脂3としては、例えば、天然ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性スチレン−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックス、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性メチルメタクリレート−ブタジエンラテックス、アクリレートラテックス等の軟質樹脂を使用することができる。これらの軟質樹脂のうち、カルボキシル変性スチレン−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、アクリレートラテックスが好ましい。これらの軟質樹脂は、ラテックスの中でも比較的親水性であり、強度に優れた人工土壌粒子を構成することができる。
【0032】
第二樹脂4としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチロール系樹脂等の硬質樹脂を使用することができる。ただし、これらの硬質樹脂は、少なくとも部分的に親水化処理されていることが必要である。好ましい硬質樹脂は、少なくとも部分的に親水化処理されたポリオレフィン系樹脂である。
【0033】
第一樹脂3と第二樹脂4との配合比率は、重量比で0.3:1〜5:1に調整されることが好ましい。第一樹脂3と第二樹脂4との配合比率が0.3:1より小さくなると(すなわち、第一樹脂3が第二樹脂4に対して0.3倍未満となると)、人工土壌粒子50に十分な疎水性領域を形成することができず、通気性が低下する虞がある。一方、第一樹脂3と第二樹脂4との配合比率が5:1より大きくなると(すなわち、第一樹脂3が第二樹脂4に対して5倍超となると)、人工土壌粒子50に過剰に疎水性領域が形成されるため、保水性が低下する虞がある。
【0034】
ところで、土壌に植栽した植物が成長するためには、灌水を行った後、土壌が一定以上の通気性及び保水性を確保している必要がある。例えば、1回の灌水で土壌の体積含水率が最大になると、通気性が悪化して植物の根腐れが生じる虞がある。また、1回の灌水で土壌の体積含水率が十分に増加しない場合は、長期に亘って植物に十分な水分を供給することが困難となるため、灌水の間隔を短くする必要がある。この点、本発明の人工土壌粒子50は、ベースとなる繊維塊状体10が第一樹脂3と第二樹脂4とを含む結合材を用いて繊維を造粒したものであるため、通気性と保水性との適度なバランスが維持されており、人工土壌粒子50を用いて人工土壌培地を構成した場合、液相率及び気相率を適切な範囲に設定することができる。人工土壌粒子50の液相率及び気相率は、初期液相率及び初期気相率によって評価することができる。ここで、「初期液相率」とは、乾燥状態の人工土壌粒子100ccに対して水100ccを吸水させた場合の当該人工土壌粒子に保持される水分量(三相分布における液相率)であり、「初期気相率」とは、乾燥状態の人工土壌粒子100ccに対して水100ccを吸水させた場合の当該人工土壌粒子に維持される空隙率(三相分布における気相率)である。人工土壌粒子50の通気性及び保水性をバランスよく維持するためには、繊維塊状体10の初期液相率が10〜30容量%となり、初期気相率が40〜60容量%となるように設定され、好ましくは、繊維塊状体10の初期液相率が15〜30容量%となり、初期気相率が45〜60容量%となるように設定される。繊維塊状体10の初期液相率を10容量%未満に、又は初期気相率を60容量%より大きく設定すると、植物に対して十分な水分を供給することが困難になる。一方、繊維塊状体10の初期液相率を30容量%より大きく、又は初期気相率を45容量%未満に設定すると、通気性が低下して植物の根腐れが生じる虞がある。なお、植物が成長するためには、灌水後、土壌が一定以上の水分量を保持する必要があるため、人工土壌粒子50の最大体積含水率は30容量%以上に設定することが好ましい。
【0035】
(第二実施形態)
図3は、第二実施形態に係る人工土壌粒子51の模式図である。人工土壌粒子51は、第一実施形態の人工土壌粒子50を構成する繊維塊状体10の外表面を通水性膜20で被覆したものである。図3では、繊維塊状体10の外表面の全体が通水性膜20で被覆されているが、外表面の少なくとも一部が被覆されていればよい。通水性膜20は、繊維塊状体10と外部環境との通水性をコントロールするものであり、水分が通過可能な微細孔を有する膜として、あるいは、水分が一方側から浸透して他方側に移動可能な浸透性膜として構成することができる。人工土壌粒子51は、通水性膜20における微細孔のサイズ、膜厚、材質を変更することにより、保水性及び吸水性を調整することができる。また、通水性膜20は、人工土壌粒子51の強度維持及び耐久性向上にも寄与する。従って、本実施形態に係る人工土壌粒子51は、通水性膜20を介して外部環境からの水分の取り込み、及び外部環境への水分の放出が可能でありながら、強度及び耐久性にも優れており、利用価値が高いものとなる。
【0036】
通水性膜20は、繊維塊状体10を構成する繊維の絡み合い部分(繊維同士が接触する部分)を補強するように、繊維塊状体10の外表部から若干内側に浸透した状態にまで厚みを形成してもよい。これにより、人工土壌粒子51の強度及び耐久性をさらに向上させることができる。通水性膜20の膜厚は、1〜200μmに設定され、好ましくは10〜100μmに設定され、より好ましくは20〜60μmに設定される。通水性膜20の材質は、水に不溶性で酸化され難いものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチロール系樹脂が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンが好ましい。また、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム等のゲル化剤を使用することも可能である。
【0037】
<人工土壌粒子の製造方法>
人工土壌粒子50は、実質的に繊維塊状体10から構成されている。従って、初めに繊維塊状体10の製造方法について説明する。繊維塊状体10は、繊維1を、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒等の公知の造粒法により造粒したものである。繊維塊状体10を調製するにあたっては、先ず、攪拌混合造粒装置に所定量の繊維1を投入し、第一樹脂3及び第二樹脂4を含む結合材を少量ずつ添加しながら造粒作業を行う。このとき、繊維1に無機多孔質材を添加しても構わない。この造粒作業により、繊維1は互いに絡まり合って塊状化し、繊維1の表面に第一樹脂3及び第二樹脂4が付着した造粒物が形成される。次いで、この造粒物を乾燥機に投入し、第一樹脂3の溶融温度以上まで昇温すると、第一樹脂3を介して繊維1が連続的に接触した状態で接着する。さらに、第二樹脂4の溶融温度以上まで昇温すると、造粒物内に分散している第二樹脂4を介して繊維1が点状に接触した状態で接着する。この状態で造粒物を冷却すると、第一樹脂3を介して繊維1が連続状に接触した状態で固着し、第二樹脂4を介して繊維1が点状に接触した状態で固着し、繊維塊状体10が完成する。この繊維塊状体10は、図1に示した人工土壌粒子50として使用することができる。人工土壌粒子50は、必要に応じて、乾燥及び分級が行われ、粒径が調整される。
【0038】
人工土壌粒子51は、繊維塊状体10の表面に通水性膜20を形成したものである。通水性膜の形成方法として、ポリエチレンエマルジョンを使用する場合を例に挙げて説明する。先ず、繊維塊状体10を適切な容器に投入し、繊維塊状体10の体積(占有容積)の半分程度の水を加え、繊維塊状体10の空隙2に水を浸み込ませる。次に、水を浸み込ませた繊維塊状体10に、繊維塊状体10の体積の1/3〜1/2のポリエチレンエマルジョンを添加する。ポリエチレンエマルジョンには、顔料、香料、殺菌剤、抗菌剤、消臭剤、殺虫剤等の添加物を混合しておくことも可能である。次に、繊維塊状体10の外表部にポリエチレンエマルジョンが均一に付着するように転動させながら、繊維塊状体10の外表部からポリエチレンエマルジョンを含浸させる。このとき、繊維塊状体10の中心部には水が浸み込んでいるため、ポリエチレンエマルジョンは繊維塊状体10の外表部付近で留まる。その後、ポリエチレンエマルジョンが付着した繊維塊状体10を乾燥機で乾燥させながらポリエチレンを溶融させ、繊維塊状体10の外表部付近の繊維1にポリエチレンを融着させて通水性膜20を形成する。これにより、繊維塊状体10は外表部がポリエチレンの通水性膜20で被覆され、一定の遮蔽性及び剛性が確立された人工土壌粒子51が完成する。通水性膜20においては、ポリエチレンが溶融する際にポリエチレンエマルジョンに含まれていた溶媒が蒸発し、多孔質構造が形成される。多孔質構造は、繊維塊状体10と外部環境とを連通する連通孔として機能する。従って、人工土壌粒子51は、内部の繊維塊状体10と外部環境との通水性が確保されたものとなる。人工土壌粒子51は、必要に応じて、乾燥及び分級が行われ、粒径が調整される。
【実施例】
【0039】
本発明の人工土壌粒子を用いて人工土壌培地を調製し、人工土壌培地の水分保持特性を評価した。本実施例では、1回の灌水により人工土壌培地に保持される保水量(初期液相率)、及び1回の灌水の際に人工土壌培地において維持される気相率(初期気相率)を測定し、これらの測定値から人工土壌培地の水分保持特性を評価した。
【0040】
〔人工土壌培地の調製〕
<実施例1>
有機繊維であるセルロース繊維(BWW40、平均繊維長0.2mm、平均繊維径0.02mm レッテンマイヤー社製)300gと無機多孔質材である珪藻土(ラヂオライト(登録商標)300、昭和化学工業株式会社製)300gとを撹拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製)に投入し、均一になるまで撹拌、転動させながら、造粒液(結合材)860gを加えて造粒し、内部に造粒液を含浸させた繊維塊状体を形成した。造粒液は、(1)第一樹脂であるアクリレートラテックス(Nipol(登録商標) LX811H、日本ゼオン株式会社製)100gと、(2)第二樹脂であるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(住友精化株式会社製、セポルジョンG315、濃度40重量%)100gと、増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製試薬)10gと、水650gとを混合し、各材料が十分に混ざり合って水に均一に分散するまで常温で24時間攪拌したものを使用した。乾燥機を用いて繊維塊状体を60℃で乾燥し、セルロース繊維どうしをラテックス(第一樹脂)で連続状に固着させた後、乾燥機を100℃に昇温してポリオレフィン系樹脂(第二樹脂)を溶融させ、セルロース繊維どうしを点状に固着させ、これを冷却して実施例1の人工土壌粒子とした。
【0041】
<実施例2>
実施例2の人工土壌粒子は、実施例1で使用したものと同じセルロース繊維300gと珪藻土300gとの混合物を、造粒液940gを加えて造粒したものとした。造粒液は、(1)第一樹脂であるカルボキシル変性スチレン−ブタジエンラテックス(Nipol(登録商標) LX430、日本ゼオン株式会社製)80gと、(2)第二樹脂であるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(住友精化株式会社製、セポルジョンG315、濃度40重量%)200gと、増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製試薬)10gと、水650gとを混合し、攪拌したものを使用した。人工土壌粒子の製造工程は、実施例1と同様である。
【0042】
<実施例3>
実施例3の人工土壌粒子は、実施例1で使用したものと同じセルロース繊維300gと珪藻土300gとの混合物を、造粒液980gを加えて造粒したものとした。造粒液は、(1)第一樹脂であるアクリレートラテックス(Nipol(登録商標) LX811H、日本ゼオン株式会社製)200gと、(2)第二樹脂であるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(住友精化株式会社製、セポルジョンG315、濃度40重量%)120gと、増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製試薬)10gと、水650gとを混合し、攪拌したものを使用した。人工土壌粒子の製造工程は、実施例1と同様である。
【0043】
<実施例4>
実施例4の人工土壌粒子は、実施例1で使用したものと同じセルロース繊維300gと珪藻土300gとの混合物を、造粒液960gを加えて造粒したものとした。造粒液は、(1)第一樹脂であるアクリレートラテックス(Nipol(登録商標) LX811H、日本ゼオン株式会社製)250gと、(2)第二樹脂であるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(住友精化株式会社製、セポルジョンG315、濃度40重量%)50gと、増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製試薬)10gと、水650gとを混合し、攪拌したものを使用した。人工土壌粒子の製造工程は、実施例1と同様である。
【0044】
<比較例1>
比較例1の人工土壌粒子は、実施例1で使用したものと同じセルロース繊維300gと珪藻土300gとの混合物を、造粒液960gを加えて造粒したものとした。造粒液は、(1)第一樹脂であるカルボキシル変性スチレン−ブタジエンラテックス(Nipol(登録商標) LX430、日本ゼオン株式会社製)300gと、増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製試薬)10gと、水650gとを混合し、攪拌したものを使用した。すなわち、比較例1で使用した造粒液には、第二樹脂は含まれていない。乾燥機を用いて繊維塊状体を60℃で乾燥し、セルロース繊維どうしをラテックス(第一樹脂)で連続状に固着させ、これを冷却して比較例1の人工土壌粒子とした。
【0045】
<比較例2>
比較例2の人工土壌粒子は、実施例1で使用したものと同じセルロース繊維300gと珪藻土300gとの混合物を、造粒液960gを加えて造粒したものとした。造粒液は、(2)第二樹脂であるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(住友精化株式会社製、セポルジョンG315、濃度40重量%)300gと、増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製試薬)10gと、水650gとを混合し、攪拌したものを使用した。すなわち、比較例2で使用した造粒液には、第一樹脂は含まれていない。乾燥機を用いて繊維塊状体を100℃で乾燥し、セルロース繊維どうしをポリオレフィン系樹脂(第二樹脂)で点状に固着させ、これを冷却して比較例2の人工土壌粒子とした。
【0046】
実施例1〜4、並びに比較例1及び2の各人工土壌粒子を篩掛けにより2〜4mmの粒径に調整し、これを用いて水分保持特性の評価試験に供する人工土壌培地を調製した。
【0047】
〔人工土壌培地の水分保持特性の評価〕
人工土壌培地の水分保持特性を評価するにあたり、初めに人工土壌粒子の三相比率(液相率、固相率、及び気相率)を測定した。底面に直径約1mmの排水口が約2mmの間隔で多数設けられているステンレスカップ(直径50mm×高さ51mm、容量100cc)に、水分率が5重量%以下となるように調整した各人工土壌培地100ccを投入し、水を100cc滴下した。人工土壌培地の水分率は、赤外線加熱乾燥質量測定式の水分率計(型番:MOC−120H、株式会社島津製作所製)を用いて測定し、測定条件として、各人工土壌培地のサンプル量を約3〜6g、加熱温度を120℃に設定した。人工土壌培地の液相率(容量%)は、各人工土壌培地の重量変化を測定し、これを水滴下後の各人工土壌培地の重量で除することにより算出した。人工土壌培地の固相率は、水を滴下する前の各人工土壌培地100ccについて、デジタル実容積測定装置(型番:DIK−1150、大起理化工業株式会社製)を用いて測定した。人工土壌培地の気相率(容量%)は、人工土壌培地の三相合計(100容量%)から、固相率(容量%)及び液相率(容量%)を差し引くことにより算出した。1回目の灌水で得られた液相率及び気相率を、夫々初期液相率及び初期気相率とした。表1に実施例1〜4、及び比較例1〜2の人工土壌粒子を含む各人工土壌培地の初期液相率、及び初期気相率の測定値を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
実施例1〜4の人工土壌粒子を含む人工土壌培地は、初期液相率が本発明の範囲である10〜30容量%に含まれ、且つ初期気相率が本発明の範囲である40〜60容量%に含まれていた。このように、本発明の人工土壌粒子を含む人工土壌培地は、適度な保水性と通気性とがバランス良く維持されていることが確認された。これに対し、第一樹脂のみを使用して繊維塊状体を形成した比較例1の人工土壌粒子を含む人工土壌培地は、初期液相率が低く且つ初期気相率が高いものとなり、十分な保水性が得られなかった。第二樹脂のみを使用して繊維塊状体を形成した比較例2の人工土壌粒子を含む人工土壌培地は、初期液相率が高く且つ初期気相率が低いものとなり、十分な通気性が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る人工土壌粒子、及び当該人工土壌粒子を用いた人工土壌培地は、家庭菜園、植物工場、屋内緑化等における農業、園芸分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 繊維
2 空隙
3 第一樹脂
4 第二樹脂
10 繊維塊状体
50,51 人工土壌粒子
図1
図2
図3